「たった一晩だけ」で遺伝子にダメージが!徹夜の驚くべき悪影響
しかし、もう1回の調査では、2晩眠らずにいてもらいました。そして、睡眠ありの回となしの回の順番は、人によって異なるように設定。
さらに、研究室内の光の状況、食事の摂取や運動量は厳重に制御され、睡眠をとらない回の調査では参加者はベッドを禁止。両方の調査の後、腹部の表面脂肪と、太ももの筋肉から小さな組織のサンプルが摂取されました。
この2つの組織は、新陳代謝を整えたり、血糖値を制御したりするのに重要な組織です。
また、肥満を予測するインシュリンへの感度を調べるために、参加者に砂糖水を摂取してもらい、その前後での血液サンプルも採取されました。
■たった一晩の徹夜で悪影響が出たのはこれが初めて
サンプル組織の調査では、たった一晩の徹夜で、時計遺伝子の制御や活動に変化が起こっていたのです。
調査をしたセデルナエス博士によれば、この研究は、一晩眠らなかっただけで大切な組織に変化が起きるということを示した最初の例だそうです。
遺伝子への変化がこんなにも早く起きるということも、その影響がさまざまな機能に関わる時計遺伝子に起きてしまうということも興味深い話です。しかし、このような遺伝子への変化が、どのくらい続くものなのかについてはまだわかっていません。