【旅を深めるミニ講座】知れば知るほどハマる、ガムラン&影絵芝居のディープな魅力 〜後編〜
——そういう「状態」を作る上で、川村さんが特に大切にしていることとは?
「『祭り』がある状態を作ることですね。自分たちが楽しめて、守られている場所のような。そういう自分に足りないものがバリにはあると思うんです。現地の人々がその瞬間に感じている高揚感や多幸感みたいなものを、日本の人が感じられる場を作っていきたいですね。そのツールとして、音楽が必要だと思うし、影絵が手助けになる場合もある。影というのは実像ではないので、ずっと見ているとぼんやりしてくるんです(笑)。そんな状態で、影絵師が『人を殺してはいけないよ』とか言うと、納得させられる環境があると思っていて。目に見えているものではなくて、それをツールにして、人をグイッと引き寄せた時に何を言うかが一番大事だと思います」
photo:日本アセアンセンター
——では、旅にまつわる話を。川村さんが感じる、インドネシアの魅力とは?
「何はなくとも、暖かい(笑)。今も昔も思うのは、植物がどんどん育つエネルギーが凄いし、緑がとにかくしぶとく地面に張っている姿は、誰が見ても凄いですよね。僕は、年に最低一回はバリに行くのですが、行かないと植物の強さを忘れてしまうんです。