2015年5月25日 13:23
シンガポールの最先端アート&デザインを感じるステイ
そんなムーブメントを反映して、チャイナレトロなテイストは、今のシンガポールに息づくひとつの味わいになっている。レトロシックなモダンチャイニーズスタイルを趣のあるデザインにして取り入れたのがテロック・エア通りに面するブティックホテルのアモイだ。
©AMOY Hotel
この周辺は古くから中国移民が船でたどり着いた終着点となっており、シンガポール最古の寺院、シアンホッケン寺院をはじめ、安全な航海を祈った移民たちによって数々の寺院が建てられた。それら中国伝統の寺社や家屋を改装し、ダイニングエリアとして生まれ変わらせたのがファーイーストスクエアで、アモイはその一角にある「The Fuk Tak Chi Museum(福徳祠)」にロケーションしている。
©AMOY Hotel
全37室でシングルとデラックスダブルの2タイプを用意するシンプルな構造だが、伝統的な中国のスツールや陶器類など厳選された存在感のある家具がアクセントになっている。それは、近現代風にアレンジした初期の中国の入植者の生活経験を再現したもの。こんなコンセプトのホテルもなかなか他では見つからない。世界中へ移民していった中華系の人々が各地で残した文化の足跡は、時として文化的な摩擦を引き起こしながらも、人々に歴史の確かな歩みを暗示させるパワーを秘めている。