2024年1月25日 23:40
人生をかけた商談当日、母の形見の時計を着けていった私「その時計、どこで手に入れた?」⇒驚きの過去が判明
最期まで私のことを案じ、見守っていてくれた母……。これは大事な勝負のときのお守りです。
通された会議室で、いよいよ商談スタート。私が先方の社長と握手をすると、社長が下を見ながら一瞬固まっていました。何かあったのかと少し気になったものの、横からAがしゃしゃり出て、勝手に口頭で商品説明を始めたのです。
しかし、彼の話は始終意味不明。「弊社のこの商品は……。あれ……えっと……」の連発に、社長も顔をしかめています。
私は自作の資料をテーブルに出してさりげなく説明を追加し、Aの間違いを訂正することに。すると、気分を害されたのか、Aが社長の前で私をこき下ろしたのです。
「お前、資料を出すのが遅いんだよ! すみません社長、こいつはプロジェクトから外すので……」
形見の腕時計がつないだ運命
ところがそのとき。社長はAを無視して目を大きく見開き、小刻みに震え出したのです。さらに私のほうに身を乗り出し、「その時計をどこで手に入れたのですか……?」と尋ねてきました。
「あ、この腕時計ですか? これは20年前病気で亡くなった母の形見です」。驚いた私が答えると、社長はうつむいて言いました。「そうですか、お亡くなりに……。