2022年5月30日 03:10
53歳で退職し、人生を見つめ直し。時間を金で買う私が青春18きっぷの旅にハマった理由【体験談】
それが従来の私の旅のスタンダードでありました。
でも鈍行の列車旅は、車窓から見える景色が新幹線のそれとはまったく違います。東海道新幹線と似たようなルートで西へ西へと走っていても、ゆったり流れる時間の中で、時に海岸線、時に小さな駅周辺の街並みまで、じっくり見えてきます。青春18きっぷの旅は、私にそういう発見をさせてくれる時間というか、すき間、猶予をくれる感じがするのです。
ぜいたくであったかい時間の流れに浸る旅へ
それから在来線はその土地の生活感に出会えます。学生さん同士の部活の会話、杖を突いたおばあさんの姿、営業マン風会社員、中には私と同じ青春18きっぷ仲間(見ると同じにおいがするので勝手に仲間と認定)などなど、こういうメンバーが一堂に会すことは、飛行機や新幹線にはなかなかありません。その車両の中で、漏れ聞こえてくる土地の方言や夕飯のおかずの話、友だちや家族の愚痴までもが、そのほんわかした空気に流れてくるのです。
列車に揺られながら、空や雲の美しさ、太陽の光が反射し輝く水平線、線路まで迫って来る山々、震災や台風被害の爪痕などを車窓から見ながら、そのときそのとき心が動かされるのです。