【保険料月1万円以下で豊かに暮らす】第32回 保険料月1万円でいざというときに役立つのか検証してみよう(1)死亡編
しかも、Aさんがすでにマイホームを購入していて、住宅ローンに団体信用生命保険をかけていたなら、Aさんが亡くなったことでローン返済は免除になります。子どもの教育費がかかる頃には心細くなるかもしれませんが、パート等に働きに出れば余裕をもって暮らすことができるのではないでしょうか。
3.死亡保険金5,000万円の活用法(2)~教育費等の臨時出費に充当する
では、教育費の観点から死亡保険金が十分であるかを考えてみます。表2は文部科学省のデータをもとに、子どもの進路別教育費をまとめたものです。塾等の習い事の費用も含まれたデータになっています。
子どもを2人とも全て私立に入れると、それだけで死亡保険金の大半はなくなってしまいますが、その他の生活費を妻の収入と遺族年金でまかなうという選択をするのであれば、5,000万円という死亡保険金額の設定もあながち低いとはいえません。一般的には、子ども1人につき1,000~1,200万円程度を用意しておけば、教育費で慌てることはなさそうです。
4.まとめ
死亡保険金の話をすると、「もらったら一度に浪費してしまいそうで不安」という方がいます。確かにそれは一理あって、多額の保険金を受け取ったことで金遣いが荒くなり、人生を棒にふるケースもないとはいえません。
しかし、死亡保険金を浪費せずに済む方法があります。例えば、子どもの教育費のために、進学時期に満期がくるように定期預金や債券等で取り分けておくことができます。貯蓄に目的を持たせることで、「なんとなく使っちゃった」を防ぐことができるのです。
また、遺族年金と配偶者の収入で暮らしていくことができるのなら、死亡保険金5,000万円を月7万円までの積立投資にまわすことができます。保険金を受け取った口座を貯蓄用の口座として位置付けておけば、資産運用を楽しむことだってできるのです。
ちなみに、平均余命は厚生労働省のホームページ(簡易生命表)に掲載されています。
以上の試算はすべて簡単なものばかりです。
あなたの死亡保険金のお役立ち度を、ぜひ一度チェックしてみてください。おもしろい発見があるかもしれませんよ。
コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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