【子育てパパ・ママのための、お金の習慣】手取り月給17万円のシングルマザーが実践した、教育資金の蓄え方
その後4年の月日をかけて、入学金と大学の学費、家賃、水道光熱費を払えるだけの財産を築きました。
親子3人毎月10万円で暮らしてきたことで、下宿代(月5万円)と水道光熱費、電話代(合計月2万円)は捻出できたし、学費はこれまで貯めてきたお金で払えました。私の小遣いや食費等の生活費は2つの奨学金とアルバイトで捻出できたので、「思っていたより貯蓄が減らなくて助かった」と言っていました。
なければないで、なんとかなる!
母が実践した教育資金づくりは、ビックリするほどシンプルな方法でした。
給料を『使う口座』と『貯める口座』に分ける。そして、月給17万円のうち10万円を使う口座に、7万円を貯める口座に分けて、使う口座のお金だけで暮らす。たったそれだけなのです。
30年前の話とはいえ、賃貸住まいで、しかも中学生のいる家庭の3人家族が月10万円で暮らすなんて、普通はありえないです。
しかし、母はあきらめなかった。福祉事務所に出向いて、激安の住まいを斡旋してもらったり(なんと月1万8,000円!)、母子児童扶養手当等の母子家庭を支援する制度について教えてもらい、受けられるものはすべて手続きを済ませたりしたそうです。そして、もらえる手当はすべて貯める口座に入れて、生活費を増やすことはしませんでした。
高校入学直前に寮に入らなければならないことがわかり、親子で真っ青になったり(結局、半年後に退寮できた)、伸び悩んでいた英語だけは塾に通ったり(貯めるお金の一部を使って捻出)しましたが、生活費10万円の暮らしを続けてきたといいます。
「なければないで、なんとかなる!」これが母の口癖です。
肉屋で売り物にならない硬い筋の入ったお肉を、「犬のエサにする」といって格安で買い、しっかり煮込んで柔らかくしたものを食卓に出していたこともあったようです。スーパーには閉店ギリギリに行き、値切り品をその日食べる分だけ買って帰ってくることも。「使えるお金はこれだけ」と決めておけば、後は工夫せざるを得ません。
娘の夢を自分が叶えると決めて、今の状況を憂うことなく、鼻歌を歌いながら限りある生活を楽しむ。それが母でした。