5分でわかる!家計簿相談室 『妻が病気で働けなくなった…。中学生2人の教育費、老後資金も準備したい』
その場合、ご主人が60歳になる19年後には、積立原資だけで総額1,284万円に。もし3%の複利運用ができた場合は、19年間で約1,533万円にもなります。預貯金の残りや退職金などと合わせれば2,000万円以上と見込まれますので、まずは一安心といったところでしょう。60歳以降も仕事を続けられるとさらに安心ですね。
現在は医療費がかかるため、毎月の収支が赤字になるのはやむを得ません。治療が進むにつれ、その金額は減っていくと思われますので、医療費に関しては月々1万円と試算し、足りない分は貯蓄から補填すると考え、月々の支出を以下のように見直しました。
なお、生命保険については、ご主人が万一のときのお子さまの教育費や奥さまの生活費を考慮すると、これ以上削減しない方が良いでしょう。
見直しをする項目のうち、通信費については、今は格安SIMを活用するなど費用を抑える手段が豊富にあります。
家族4人で2万円以下にできると良いですね。また、雑貨や被服費も無駄な買い物がないか見直し、20%削減を目指しましょう。
収支金額のうち、前述のように老後資金の貯蓄に1万円、そして39,800円は教育資金の貯蓄に充てると、教育資金として、上のお子さまが大学に入学される3年後までで約143万円貯まります。医療費がかかるうちは貯蓄が減ってしまいますので、毎月しっかり取り分けておきましょう。なお、ボーナス分は、毎月の支出以外にかかる突発的な家電の買い替えや冠婚葬祭、旅行費用などのためにとっておきましょう。
今、本当に大変な時期かと思います。ご家族皆さまで力を合わせて、情報収集、そして節約につとめ、乗り切ることができるよう心より願っております。
※1 文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」および文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」より。
※2 日本政策金融公庫「教育費に関する実態調査結果」より。
コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)
(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)
家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。
コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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