くらし情報『ヨーロッパで伝統的にコナダニをチーズの熟成に用いる、3つの遠く離れたチーズ工房において、「蔵付き酵母」ならぬ「蔵付きダニ」は同種のチーズコナダニであることを発見』

2022年8月12日 12:00

ヨーロッパで伝統的にコナダニをチーズの熟成に用いる、3つの遠く離れたチーズ工房において、「蔵付き酵母」ならぬ「蔵付きダニ」は同種のチーズコナダニであることを発見

とそれぞれが500 km以上遠くはなれている産地の距離にもかかわらず、地理的な隔たりは遺伝子構造の解析結果には見られなかった。通常、地理的な差違がダニの遺伝構造にみられてよいが、それが見られない理由を現在のところ明瞭に説明することは出来ない。たとえば、古くローマの時代、ケルト人に育まれた熟成チーズが広くヨーロッパに輸出されていたことは解っているので、冷蔵庫がない時代に、チーズと共に、チーズコナダニもヨーロッパ全体に広まった。
そして、時代や管理手法によってその多くはいなくなり、ダニが好むチーズ工房でしか生き残っていないのではないか。あるいは、ミツバチの古巣で本種チーズコナダニが多数みつかることがあることから、ミツバチによって、遺伝的なシャッフルがおきているのかとも考えている。

さて、熟成にダニを用いるチーズには独特の風味があるといわれている。我々は、チーズコナダニから“レモン香”のひとつの成分であるネラールをガスクロマトグラフ質量分析計で検出した。本物質はフェロモンや抗カビ効果としてダニが分泌している可能性がある。


また、3つのチーズのうちのひとつ、アーティズー自身からこのネラールが検出されるかどうかを調べたが、検出されなかった。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.