くらし情報『長崎県の雲仙温泉 雲仙宮崎旅館が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞』

長崎県の雲仙温泉 雲仙宮崎旅館が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞

しかし、日本初の国立公園及びリゾート地、「温泉」と書いて「うんぜん」と読まれていた温泉地としての歴史、独特で雄大な景観を持つ強みがあることから、近年は雲仙固有の場を活かした様々な取り組みが行われています。
本計画に際しても雲仙でしか体験できない旅館を追求し、温泉街の賑わいに寄与する事、雲仙固有の景観や環境を最大に活かす事、地域性や老舗旅館の歴史を大事にする事を計画の軸としました。
施設は共用部や客室からなる本館と浴場、それらをつなぐ渡り廊下で構成。昔からある庭園はそのまま残しながら緑地を増やすことで景観を活かした自然と共存する配置としました。また、地獄から噴き出る硫黄泉は温泉や熱交換に活用される一方で、建物や設備の劣化を招くものでもあるため慎重かつ丁寧に計画しました。

■設計の経緯とその成果
ロビーやダイニング、客室等の利用者エリアを庭園や地獄、山々に開き、開口部や半外部空間を介して雄大な自然を建築に取り込みました。室内を暗く設定し、壁や天井面を内外で揃えることに注力することで様々な場所で景色が室内に飛び込み、内外が連続する空間を生み出しました。
客室は全室にゆったりとしたバルコニーがあり、外部に開いた設えや構成とあわせて自然との一体感を増幅し、宿泊体験に豊かさを与えています。

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