2023年10月30日 16:00
ドラマ『時をかけるな、恋人たち』美術デザイナー・後藤レイコの仕事術に迫るインタビューを公開 レトロフューチャーなセットに注目!
液晶画面の中にボタンを設けたiPhoneが最たる例で。通信環境もWi-Fiが主流で、無線が当たり前。
でも監督は『時をかけるな、恋人たち』で描かれる未来の設定を「無線が人体に悪影響を及ぼしている」としたんです。だからすべてアナログな有線に回帰しているんですよね。
──たしかに、セットの中がケーブルだらけでした!
セットの中で目立つ2本の太い柱は、パトロール基地のハードディスクという設定にしました。そこからケーブルがたくさん垂れていて、ひとつは「フォゲッター」という意識や記憶を失くす機械に流れている。もう1本の柱から出ているケーブルは、時空を行き来するための「時空境界線」につながっています。ボタンも押したらへこむ、触って楽しむアナログさがあると楽しいかな、と思ってタイプライターを配置して。
ちなみタイプライターのアイデアは演出部の資料がキッカケでした。セットも小道具も私一人では作りきれてないものばかりです。
セット・小物写真
──美術デザイナーの仕事において、やり甲斐や達成感はどんな瞬間に感じますか?
俳優部が空間に入って、その空間で生きてると感じた時ですかね。今回、吉岡さんが「廻が基地の未来人メンバーになじんできた表現をしのばせたい」