くらし情報『劇団「地点」、五感で楽しむ新企画〈文学カフェ〉と『ブルグント公女イヴォナ』を週替わりで上演』

2024年2月20日 11:00

劇団「地点」、五感で楽しむ新企画〈文学カフェ〉と『ブルグント公女イヴォナ』を週替わりで上演

五感を使って楽しむ文学。小説を舞台化するときにはどうしてもこぼれ落ちてしまうような文字の切れ味、不思議さや、ささやかな胸の高鳴りも丁寧に掬い取っていきます。

■隠遁者デル・ニステルとイディッシュ文学
文学カフェの第一弾として取り上げるのは、イディッシュ文学の最重要作家とも目される、デル・ニステルの『塀のそばで』です。

イディッシュ語は東欧に移り住んだユダヤ人の使用する日常言語。イディッシュ文学の作家たちは、ホロコーストや反ユダヤ主義から逃れ、各地を転々としながら書き続けました。『塀のそばで』の作家デル・ニステル(「隠遁者」を意味するペンネーム)も、その例にもれず、ウクライナの生地ベルディーチェフ(現ベルディーチウ)からジトーミル、モスクワ、ベルリン、ハンブルク、ハリコフ(現ハルキウ)、タシケント、モスクワ、ビロビジャンと移住しながら、1949年にモスクワの自宅で逮捕されるまで、イディッシュ語で作品を書き続けた一人です。

『塀のそばで』は、主人公の「学僧」が思いを寄せる乗馬女リリ、愛娘、恩師メダルドゥス、埃人間といった登場人物たちが、サーカス小屋や尖塔といった不思議な空間に現れては消え、夢から夢へとうつろっていくかのように幻想的でいて、スピード感のある展開やいつまでも残るもの哀しさが印象的な作品。

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