中国茶文化学者、日本中国茶研究所所長 楊多傑氏のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
くの善行を積んで利益を共有しようということである。
そのため、楊氏のポッドキャストは毎回のように時間を延長し、時には二回分、三回分になることもあるという。
さらに楊氏は、中央電視台の番組「味道」の文化顧問を務めており、中央広播電視総台「幸福習茶課」、および中央人民広播電台「月喫越美」の常連ゲストでもあるが、テレビの外でもその反響は上々である。
文化の交流と伝承、それは立体的かつ双方向的であり、また現在進行形のものである。「多聊茶」は北京で茶事の教室を開き、中国茶文化体験の旅を提供してくれる。「多聊茶」が発信する動画リストは、のべ一千万回の再生という驚くべき記録を打ち立てた。
茶事は、決してうわべだけの形式的な行為ではない。かつて中国で生まれたその初めから、「茶の味は至って寒であるから、行いがすぐれて倹徳の人が飲むのにふさわしい」と言われている。
冷めているときはそれを保ち、何かに熱くなっているときはいっそう冷徹であるよう努める必要がある。茶の湯の営み、それは五感の鍛錬でもある。否も応もなくせわしく生きざるをえない現代人が日々の生活のなかに何かを感じ取る、あるいは精神面でのゆとりや幸せを感じる、茶はその手助けをしてくれる。