実は密かに…男性が一生大切にしたい「愛され女性」がしていること
完全にタワーマンション。
「はあ、やっぱりとことん嫌な女」
中学時代からそうだった。彼女は大して勉強もしないし、話す言葉も薄っぺらい。ただ、自分がかわいいってことはちゃんと知っている。相手が喜ぶという確信のもと、誰にでも笑顔で話しかける。素直に甘える。昔から、学年トップクラスのイケメン男子を骨抜きにしていた。
ミサトが密かに思いを寄せていた宇津木くんだって、彼女がにこっと笑いかけただけで、嬉しそうだったもん。
ついたコメントを見ていると、仕事を辞めて専業主婦になったようだ。タワマンで、夫とかわいい猫と優雅な暮らし。与えられる愛を疑わず、自信を持って享受する。そういうところが昔から嫌いだった。かわいいだけで努力せず悠々と笑う彼女。
ずるい女! あざとい女!したたかな女!
彼女を貶める敵対語を延々考える。
呪い気質のミサトにも彼氏はいる。翌日は、正人との映画館デート。
「ごめんミサト、ちょっと寝坊しちゃって」
待ち合わせの六本木に、正人は10分遅れてきた。服はいつもと同じシャツ、ジャージ素材のパンツ、通勤用のリュック。なんだかなあ。デートに気持ち入ってないなあ。
昨日、呪いすぎて夜更かししたせいか、映画はあまり頭に入ってこなかった。