―あのコの恋愛事情― 尽くしても愛されない彼女 編
とか「気持ちが楽になるんだよね」なんて言いつつ浮気するような漫画が巷には溢れているけれど、それだけ、大きすぎる愛や重すぎる愛情に疲れてしまう瞬間が人にはあるってことなのだろう。
だけれど、一生懸命尽くしてくれる相手をないがしろにするのは罪悪感を感じる。あんなに愛してくれる相手と別れようとは思わない。ワガママこの上ないのはわかっている。だけど、なんか違う。愛しているけど相手の気持ちが重いんだ。お互い愛し合っているのにそうなってしまったらとてももったいない。
「一回、彼と距離をおく感覚で彼が本当に喜んでいることを見極めて見るのはどうでしょう?」とアケミさんに聞いてみた。
「距離をおく・・・かぁ。なんかそのまま離れそうで怖いなぁ。」「でも、それで離れてしまうならいつか離れてしまう気がしませんか?必ず巣に帰ってくる鳥じゃないと、食料も運べないですもん。結婚して、家庭っていう巣を作ろうとするなら必ず帰ってきてもらわないと。」
しばらく何かを考えたアケミさんの顔が晴れた。「彼にはナイショで友達と海外でも行ってこようかな、一週間くらい。」「いいですねー!それ、楽しそう!」
来月のご来店時には、お土産話が聞けるに違いない。