2019年2月3日 21:00
エリには「2度目のデート」がない#夢みるOLの終わらない恋のはじめかた
「ねえちょっとお姉ちゃん見過ぎ。そんなにかわいい?」リカが笑う。
「まあね。私ってリカと全然似てないと思ってた。てか、リカだけかわいくて遺伝子は不公平だなって思ってたよ」
「なにそれ!初めて聞いた!」
「だってさあ、妹は商社マンの旦那捕まえてタワマン暮らし、かたや私は彼氏もいない一人暮らし。比べたくもなるでしょ!リカだけモテてずるいよ」ふざけてはいるものの、これがエリの本音だ。少し引かれたかな?と思ったが、リカは気にする様子もなく話し始めた。
「えー!別にモテないよ!だって私の旦那、逆ナンだよ!仕事中、受付で初めて見た時一目惚れして必死で部署調べて、社内のツテを使いまくって合コンセッティングして。
最終的に自分から告白したし」
そんな話エリは初めて聞いた。
「初耳なんだけど!なにそれ!」
「みんなそれくらいやってるよー!」
「そうなの?恥ずかしくない?」
「なんで恥ずかしいの?待ってても仕方ないじゃん!良いと思った人には自分から行動しないと時間の無駄だよ!」
エリは目からウロコだった。てっきりリカのような美人は、なにもしなくても男には困らない人生を歩んでいるんだと思い込んでいた。