きっと将にとって、この3年は、唯香とはちがい、後悔と懺悔とは程遠い毎日だったのだろう。
スマホに語りかけるような顔で、すいすいと文字を打って行く指先を、唯香はじっと見つめた。一体誰に書いているのだろう。何人の女に、今、想われているのだろう。そのやさしいまなざしを、どんな女が恋い焦がれているのだろう。今、この瞬間も、どこかで。
みじめな気持が、雪崩のように襲ってきた。将の前にいると、自分が3年前の自分にそっくりそのまま戻ってしまうような気がした。
将の目には、きっと、今でもあの頃の自分が映っているんだろう。どんなに上辺を塗り変えたところで、本質は変わらない。
オマエハ、カワッテナインダロウ?
そう、嘲笑されているような気がした。身がすくむようだ。どんどん飾りがはぎ取られ、元のダメな自分が姿を現していく。
何も、変わっちゃいないんだ。私は。あの頃といっしょで、この男の視線がほしいんだ。
お情けのひとかけらでもいいから、ほんの少しでも好意がほしい。のどから手が出るほど、欲しいんだ。今でも、変わらずに、この男が、欲しいんだ。・・・・・・なんて、浅ましい。
唯香は、真っ白な顔で、うつむいた。