恋愛情報『【小説】地雷な彼/恋愛部長』

【小説】地雷な彼/恋愛部長

時間は人を、確実に癒してくれる。毎日24時間将を想って泣き暮らした時期は過ぎ、徐々に将を思い出さない時間も増えた。気づけば、将のことなどまったく考えない日が月のうちの半分を占めるようになった。

別れて1年後に、「もう吹っ切れた」と思う瞬間が訪れ、髪を切った。そして、友人のアドバイスに従い、服装やメイクなど、大幅なイメチェンをした。それまで興味のなかった男受けするファッションなどを雑誌などで研究して、ダイエットにも励んだ。男性から声をかけられることも増え、自信もついてきた。何なら、デートの誘いをちょっとじらすことさえできるようになった。
3年前から考えると、相当な進歩だと、我ながら思う。

「もう大丈夫だよ、今なら将に会っても、冷静でいられると思う」

唯香は女友達と飲むとそんな風に息巻いた。

「むしろ、3年前じゃなくて、今会いたかったって感じ?今の私だったら、将なんか、超余裕だと思うんだよね~」

強がりじゃなく、本気で、そう思う。記憶の中の自分は、何の武器も持たない、丸腰の女の子だった。今なら、違う。今なら、将とも堂々と渡り合える。

将に見せてやりたい。今の自分。
昔とは変わった、レベルアップした自分を。

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