その涙につられるように、不意に気持ちがこみあげてきて、舞は口を開いた。
「ごめん、・・・・・・私、もう一真の気持ちがわからない」
言ってはいけない、と心のどこかで警告ランプが光っていた。でももう止められなかった。
「一真は、もう私のこと好きじゃないんでしょ?」
一真は、静かに腕を下して、目を開けた。
「舞・・・・・・?」
険しく眉根を寄せている。
「何言ってるんだよ、いきなり・・・・・・」「いきなりじゃないよ。ずっと思ってたよ。」「ずっと?・・・・・・なんて?」
「一真はもう、私のことなんてどうでもいいんだって。もう私に会いたくないんだって」
激昂して、余計な言葉がスラスラ出てくる。
「何言ってんだよ。そんなわけないだろ。忙しいからだって、言っただろ。舞だってわかってくれてたんじゃないのかよ」
一真の声は、少し震えてるような気がした。
「私だってわかってたよ。わかってたから、ずっと我慢してたんじゃん。会えなくても、メールや電話に返事くれなくても。しょうがないって、必死で笑顔つくって、がんばってって言ってたんじゃん。
どんなにさびしかったか、分からなかったでしょ」