安田章大主演、青木豪作・演出の舞台『あのよこのよ』が東京・渋谷のPARCO劇場で絶賛上演中だ。幕末から明治へと移り変わる時代を背景に、安田扮する浮世絵師・刺爪秋斎(さしづめしゅうさい)が、権力に対する反骨心を抱きながら絵師としての生き方に迷い続けるなか、浮世の人々との出会いによって奇怪な事件に巻き込まれてゆく痛快ファンタジー時代活劇!?……とオモシロ要素がてんこ盛りの舞台で、5年ぶりの完全オリジナル作品だという青木の筆と采配が、劇の冒頭から冴えていた。新政府への批判を込めて描いた秋斎の風刺画の世界と、その絵を描いたことで邏卒(巡査の旧称)に捕まり、牢屋に入れられてしまう秋斎の現実世界、そのふたつが混濁していくオープニングに早くも興奮、軽妙な音楽に乗ってテンポよく転がる劇世界へと瞬時に誘われる。その後の展開でも度々この混濁に巻き込まれ、はたしてこれは夢か現か、まさしくあの世なのかこの世なのか、といった妄想のスリルと浮遊感がラストまで続くのである。散りばめられた笑い、豪快な殺陣やアクション、謎にくすぐられる上質のエンターテインメントを味わいながら、権力の横行に痛めつけられる庶民、流行り病のパンデミックなどの描写に、「巡り巡って、この世かな」と想起させる運びも心憎い。“アングラの匂いをまとったアイドル”、そんな稀有な魅力を備えた俳優、安田の存在が、この巧みな構想の発起点だろう。宣伝ビジュアルで見かけた浮世絵師の扮装の耽美的な雰囲気を楽しく裏切って、舞台上には先走って空回りし、後悔して反省し、地団駄を踏む愛おしい人間・秋斎がいた。その秋斎を中心に、未来が見える不思議な力を持つ木賃宿の女将フサ(池谷のぶえ)、騒動の発端となるワケありげな女ミツ(潤花)、彼らを追い詰める冷酷非道な邏卒の組頭・山路(中村梅雀)など濃厚キャラが続々登場、ひとり一人それぞれがキーマンとなる深い肉付けに青木の人間愛、演劇愛が覗く。笑い、驚き、心地よく活劇に身を委ねていきながら、要所で世のはかなさ、虚しさが胸を突くのは、タイトルのままに生と死を見つめた物語だからだろう。未来が分かり、死んだ人間とも会話するフサは、いわばあの世とこの世の境目を曖昧にする役回りで、コミカルな振る舞いの奥に慈愛の達観を忍ばせた、池谷の表現の滲み出る旨味たるや。ラストシーンの秋斎とフサの対話は白眉。波乱の一日の出来事が、「生きるとは」の命題に行き着く見事な仕上げに快い痺れを味わった。取材・文:上野紀子撮影:田中亜紀<公演情報>PARCO PRODUCE 2024『あのよこのよ』作・演出:青木豪出演:安田章大潤花 / 池谷のぶえ / 落合モトキ / 大窪人衛 / 村木仁 / 南誉士広 / 三浦拓真市川しんぺー / 中村梅雀 / 他【東京公演】2024年4月8日(月)〜4月29日(月・祝)会場:PARCO劇場【大阪公演】2024年5月3日(金・祝)~5月10日(金)会場:東大阪市文化創造館Dream House 大ホールチケット情報:()公式サイト:
2024年04月17日お金持ちや身分の高い男性とのロマンティックな恋物語…と思われがちな、海外ロマンス小説。しかし翻訳家の山口真果さんによると、実は恋に加え、女性の背中を押す力も持つ物語なのだとか。イメージで表紙を開かないのはもったいない!めくるめくロマンス小説の世界を覗いてみましょう。アメリカではZ世代に人気が再燃。「ロマンス小説」って、いったい何?一般的にロマンス小説とは、欧米の翻訳恋愛小説の一ジャンルのこと。翻訳家の山口真果さんによると、「ロマンス小説は、【1】ヒロイン(主人公)とヒーロー(恋の相手)が、何かしらの障害を乗り越える恋愛物語で、【2】ヒロインは主体性があり、【3】紆余曲折がありながら最後は絶対にハッピーエンドになる、という構造の物語。ある意味、誰でも安心して読める恋愛小説だと思います」オースティンの『高慢と偏見』など、18~19世紀のイギリスから始まったロマンス小説の歴史。恋愛がテーマであることは変わらないものの、二人の前に立ちはだかる障害の種類や主人公と恋の相手の性別、そして結婚がゴールという結末など、定番のディテールは時代に合わせて変化。「かつては億万長者のマッチョな男性と経済的に恵まれないヒロインの間にある身分の差、のような設定が多かったのですが、最近は、例えば幼い頃に受けたDVによるトラウマを二人で乗り越えるなど、内面の葛藤を克服するプロセスが登場したりしています。またLGBTQを取り扱った作品も増え、白人女性だけでなく黒人やアジア系が主人公の作品が登場したりも。実はロマンス小説は昔から、恋愛だけでなく今を生きる女性の抱える葛藤や問題にもフォーカスしている側面があります。恋のハラハラドキドキを味わわせてくれながら、女性読者に対して“自由に生きていいんだよ”というメッセージも送ってくれている。書き手も読み手も圧倒的に女性が多い世界なので、シスターフッド的な繋がりを感じられることもあります」主人公と恋の相手を待つのは、幸せな結末であるというのも、ロマンス小説の良いところ。そこだけは絶対に変わらない。「幸せの絶頂で本を閉じることができる。それが確約されているので、どんな山あり谷ありでも安心して読むことができる。社会が不安定な今だからこそロマンス小説が支持されるのかもしれません」本は、何度も読み返せるところが最大の長所だと、山口さん。「自分に響いたセリフを読み返すことは、自分自身をエンパワーすることにも繋がります。力になる作品はロマンス小説の中にもたくさんありますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください」王道あり、新感覚あり。山口さんおすすめ、珠玉の4 冊舞台は18世紀の英国、ヒロインの腹黒さが痛快!『没落令嬢のためのレディ入門』著・ソフィー・アーウィン訳・兒嶋みなこミラブックス1250円妹を守るため裕福な名士との結婚を狙う没落令嬢のキティは、母の旧友に手ほどきを受け可憐なレディに変身し、社交界の花に。しかし伯爵家の若き当主ラドクリフの反応は…。「お金も地位もないキティは、したたかに男を狙うのですが、ラドクリフは彼女に容赦ない。どうやったらこの二人がうまくいくのか、全然わからないのですが(笑)、驚きのストーリー展開です。ロマンス小説の定形が詰まっているので、初心者におすすめです」仕事に打ち込む看護師と、記憶喪失の男の恋物語。『凍った愛がとけるとき』著・アメリア・アドラー訳・鮎川由美扶桑社1540円仕事に邁進する女性看護師のカリは、悲しい過去を背負っていた。彼女が働く救急病棟に運ばれてきたのは記憶喪失のクレイグ。極寒の町をさまようクレイグとカリは同居生活を送ることに。その後クレイグの正体が判明、さらなる驚きの展開が。「元看護師の作家さんが書いているだけあって、仕事の描写がものすごくリアル。ロマンス小説にありがちな設定ですが、性描写を含まないクリーンな作風が新鮮で人気を集めています」NYの地下鉄で恋をした彼女は手の届かない相手?!『明日のあなたも愛してる』著・ケイシー・マクイストン訳・林 啓恵二見書房1540円NYの大学に編入し、大都会での新生活に四苦八苦する主人公のオーガスト。でもある日、地下鉄でゴージャスな美人を見かけて一目惚れ。次第に仲を深めていくのだが、彼女にはどこか不思議なところがあり…!?「主人公も恋をする相手も女の子。しかも好きになる相手はアジア系。これまでのロマンス小説にはなかった要素が詰まっている作品なのですが、全員が地に足のついたキャラクターなので、スッと物語に入れます」ロマンス小説の新しい扉を開けた、現代の名作。『イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる』著・コリーン・フーヴァー訳・相山夏奏二見書房2530円開業したばかりのフラワーショップで働くリリーは、脳神経外科医のライルと恋に落ち、結婚。しかしライルの心にはトラウマがあった。「ヒロインが物語の冒頭に結婚をすることが、ロマンス小説的にはまず斬新。乗り越えるべき障壁が彼の抱えるトラウマというところも、現代の女性たちに響いたポイントだと思います。この作品の登場で、ロマンス小説が新しい時代に入ったと言っても過言ではない、まさに現代を代表する作品です」こちらは原書。「かわいい装丁が増加していて、Z世代には電子書籍よりもSNSにアップできる紙の書籍が人気です」山口真果さん翻訳家、海外文学ブログ「トーキョーブックガール」主宰。英語とスペイン語で、文学から実用書まで、幅広く翻訳を手掛ける。※『anan』2024年2月21日号より。写真・内山めぐみ(by anan編集部)
2024年02月17日波動の高い人はどんな場所に集まるのでしょうか?またその場所の特徴や見つけ方とは?良くも悪くも波動は引き寄せ合います。そのため、波動が高い人の集まる場所に身を置くことで、あなた自身の波動が高まることも期待できるでしょう。この記事では、波動の高い人が集まる場所とその特徴を紹介します。■波動が高い人が集まる場所波動の高い人は、自然と波動の高い場所に集まることが多いようです。早速、波動の高い人が集まる場所を具体的に見ていきましょう。◇(1)パワースポット波動の高い人が集まる場所として、パワースポットが挙げられます。パワースポットとはエネルギースポットや気場とも呼ばれ、その名の通りパワーやエネルギーに満ちた場所。そのため、波動の高い人が自然と集まってくると考えられます。◇(2)自然豊かな場所自然豊かな所は、波動の高い人が集まる場所の1つ。清らかな空気と澄んだ水、生き生きとした緑に満ちた場所は、自然エネルギーがとても高いのです。波動の高い人は無意識に、そのようなリラックスできる場所に集まると考えられます。◇(3)ビジネスコミュニティビジネスコミュニティのような、自分自身を高めようとするための場所にも波動の高い人は集まります。というのも、向上心や目的意識を持って行動する人には高いエネルギーが宿るから。同じ志を持って切磋琢磨できる場には、波動の高い人たちが引き寄せられるのです。◇(4)活気がある場所活気がある場所はエネルギーに満ちていて、波動の高い人が集まりやすいといえます。例えば、スポーツクラブやダンススタジオ、テーマパーク、大きな公園など。ポジティブなエネルギーに引き寄せられて、波動の高い人が集まると考えられます。◇(5)図書館・美術館図書館や美術館など静かで洗練された場所にも、波動の高い人は集まりやすいと考えられます。清潔に整えられ、かつ静寂に包まれた独特の空間には、高いエネルギーが流れます。そのため、波動が高い人も集まってくるのでしょう。◇(6)ヨガ教室ヨガはスピリチュアルとの関わりが深いもの。ヨガでは、「プラーナ」と呼ばれる生命エネルギーや気を高めると考えられ、波動も高まっていく効果が期待できます。そのため、ヨガ教室自体が高いエネルギーや波動の集まる場所であり、波動が高い人も集まってきやすいのです。◇(7)一流店飲食店やホテルなど、どのようなジャンルであっても「一流店」と呼ばれる場所には、波動の高い人が集まります。一流サービスには、高い波動が宿るのです。◇(8)神社・仏閣神社・仏閣も波動の高い人が集まる場所の1つです。パワースポットと呼ばれる場所の中に、神社・仏閣が含まれることもあるでしょう。これらはエネルギーの通り道。場所自体の波動が高いため、共鳴し合って波動が高い人も集まりやすいのです。■波動が高い人とはそもそも波動とは、人間や物体などこの世のあらゆるものから発せられるエネルギーを意味します。そのエネルギーが多いほど「波動が高い」ということになるのです。つまり波動が高い人とは、エネルギーに満ちた人といえるでしょう。波動が高い人は感情コントロールに長けているため、精神的に安定していて、ポジティブ思考・行動力があるという特徴があります。関連記事はこちら▼波動が高い人の特徴8つ!波動が低い人との違いと波動を上げる方法■波動が高い場所の特徴・見つけ方波動の高い人が集まる場所=波動が高い場所には、どんな特徴があるのでしょうか?ここからは、波動の高い場所を見つける方法について紹介します。◇(1)学びの場所に行く波動の高い人は知的好奇心が旺盛で、目的を持ちながら多くのことを経験しようとします。そのため、習い事など学びの場所は波動が高い場所である可能性があります。何よりも、あなた自身が興味を持って自発的に学びを得ようとすること自体が、波動を高める行動です。前向きに取り組むことで、どんどん波動は高まっていくでしょう。◇(2)精神面が鍛えられる場所新しい学びを得る中でも、特に精神面が鍛えられる場所は波動を高められる可能性があります。例えばヨガや瞑想教室など。心を落ち着けて内観することで本来のあなたに気づくきっかけとなり、波動の上昇につながるかもしれません。◇(3)神聖な場所神社や仏閣、または自然豊かなスポットなど神聖な場所は、波動が高い可能性があるといえます。これらの場所には「良い気」が流れていて、エネルギーも高まっているでしょう。座禅体験や写経体験などに参加してみるのもおすすめです。□波動の高い人が集まる場所を知っておこう波動の高い人たちは、自然と波動の高い場所に集まります。それらの特徴として、自然がある場所、学びの場所、一流の場所などが挙げられます。ぜひこれらの場所に足を運んで、高いエネルギーを受け取りましょう。(LIB_zine)※画像はイメージです
2024年02月09日皆さんは、恋人の夢を聞いたことはありますか?今回は、無職の彼氏と付き合っていた女性のエピソードとその感想を紹介します。イラスト:まのもなお彼の夢は小説家小説家を目指している彼と交際中の主人公。作品作りのために必要な備品は、無職の彼の代わりに主人公が購入していました。ある日、友人と彼との結婚の話になると…。もうすぐ28歳だから…出典:愛カツ主人公は、両親に彼が無職だということを伝えていませんでした。彼が大きな賞を受賞したら結婚をしようと考える主人公。その反面、彼は「小説の参考になるんだ!」と主人公のクレジットカードでゲームを購入していました。小説を書かずに、ゲームに明け暮れる彼…。我慢の限界に達した主人公は「ヒモを飼うつもりはない」と彼を追い出しお別れします。その後、別の男性と出会い結婚し、幸せをつかんだ主人公なのでした。読者の感想結婚相手が無職だと、両親の反応が怖いと思ってしまいます。夢を追いかけているにしろ、バイトくらいしてほしいと思いました。(30代/女性)夢を追っているのであれば、努力する姿くらい見せてほしいですね。主人公に甘えて、ゲームばかりになってしまった彼にはがっかりしました。(20代/女性)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2024年01月06日クリスマスを過ぎると、今年ももうあとわずか。2024年も注目の映画が盛りだくさんな中、今回シネマカフェでは、公開までにぜひチェックしておきたい原作小説や漫画をピックアップしてご紹介。『笑いのカイブツ』(1月5日公開)岡山天音が、笑いに人生を捧げる孤高のハガキ職人・ツチヤタカユキを演じる『笑いのカイブツ』。原作は、Web連載媒体「cakes」で熱狂的に支持され、書籍化された“伝説のハガキ職人”ツチヤタカユキによる同名私小説。自身の半生を描いた本作は、もがきながらも、笑いに人生を捧げる不器用すぎるツチヤと、その熱量に突き動かされていく人たちの、観る者の魂震わす圧倒の人間ドラマ。『カラオケ行こ!』(1月12日公開)「このマンガがすごい!2021」オンナ編第5位、「マンガ大賞2021」第3位と、マンガ賞に続々ランクインした和山やまの同名漫画を、「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子脚本で実写化する『カラオケ行こ!』。絶対に歌がうまくならなければならないヤクザ・成田狂児を綾野剛が演じ、組のカラオケ大会での最下位を回避するため、合唱部の部長に歌のレッスンを頼んだことから、いつしかふたりの間に奇妙な友情が芽生えていく物語。『弟は僕のヒーロー』(1月12日公開)5歳のジャックは、初めてできた弟に大喜び。しかし、両親から弟ジョーは“特別な子”だと聞かされる――。映画『弟は僕のヒーロー』の始まりは、イタリアに住む高校生が、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて公開した、弟を主人公に撮影したショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』。映像は、瞬く間にイタリア国内外で反響を呼び、主要各紙もこれを取り上げた。それが大手出版社の目に留まり、小説「弟は僕のヒーロー」(原題:Mio fratello rincorre i dinosauri)を執筆。日本でもベストセラーになっている本作が、映画化される。『ゴールデンカムイ』(1月19日公開)2014年より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にてスタートし、約8年に及ぶ連載を終了した野田サトルによる同名漫画(全31巻)の実写化『ゴールデンカムイ』。主人公の元陸軍兵・杉元佐一が、アイヌの少女・アシリパと共に埋蔵金の在りかが描かれた刺青人皮(いれずみにんぴ)を求めて旅をする物語は、同じく埋蔵金を狙う大日本帝国陸軍第七師団や、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三など歴史上の人物も登場し、歴史ロマン、狩猟、グルメ、アイヌ民族文化など様々な要素が丁寧に織り込まれた比類ない作品として熱烈な支持を獲得。TVアニメ化もされている。主人公・杉元佐一を山崎賢人、相棒として旅をすることになるアイヌの少女・アシリパを山田杏奈が演じるほか、眞栄田郷敦、柳俊太郎、玉木宏、舘ひろしらが出演。『キングダム』シリーズを手掛けた制作プロダクションCREDEUSが今作を牽引し、黒岩勉が脚本を担当した。※アシリパの「リ」は小文字が正式表記※山崎賢人の「崎」は正しくは「たつさき」『52ヘルツのクジラたち』(3月1日公開)『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の成島出監督最新作『52ヘルツのクジラたち』。原作は、2021年に本屋大賞を受賞した、町田そのこの同名ベストセラー小説。“52ヘルツのクジラ”とは、ほかの鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で1頭だけのクジラのこと。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚を杉咲花が演じるほか、志尊淳、宮沢氷魚、小野花梨、余貴美子、倍賞美津子らが出演する。『映画 マイホームヒーロー』(3月8日公開)秋ドラマとして放送されたノンストップ・ファミリーサスペンスドラマの完結編『映画 マイホームヒーロー』。舞台は、ドラマから7年後。佐々木蔵之介、齋藤飛鳥、高橋恭平(なにわ男子)、木村多江らドラマ版からキャストも続投する。原作は、2017年より「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の原作:山川直輝/漫画:朝基まさしによる同名漫画(既刊22巻)。TVアニメ化もされ、話題に。『四月になれば彼女は』(3月22日公開)過去と現在、東京そしてボリビアのウユニ、チェコのプラハ、アイスランドなど世界各国を舞台に、愛する人の姿を探し求める切なくも壮大な愛の物語『四月になれば彼女は』。佐藤健、長澤まさみ、森七菜という豪華共演が話題の本作の原作は、川村元気による3作目となる同名小説。川村さんは、『すずめの戸締まり』『君の名は。』などの数々の映画を企画・プロデュースし、初小説「世界から猫が消えたなら」は世界25か国で出版、その後も「億男」「神曲」など数々の話題作を生み出してきた人物だ。『異人たち』(4月19日公開)アンドリュー・スコットとポール・メスカルが共演する、アンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』。英国インディペンデント映画賞で主要部門を独占し、ゴールデン・グローブ賞においてもアンドリューがノミネートされ、本年度の賞レースでさらなる注目を集めている。原作は、山田太一が1987年に発表した長編小説「異人たちとの夏」。再映画化となる今作は、ヘイ監督独自の感性とアレンジを加え、現代のイギリスを舞台に再びスクリーンへと蘇らせる。『違国日記』(6月公開)人見知りな小説家・高代槙生とその姪・田汲朝の女同士の同居奇譚『違国日記』。原作は、「FEEL YOUNG」(祥伝社)にて2017年7月号から掲載がスタートし、今年最終回を迎えた、ヤマシタトモコの同名漫画(全11巻)。2人の奇妙な交流を軸に、他人との関わり合いや大人が抱える正直な悩みを、鋭くも優しい視点で炙り出す。「マンガ大賞2019」第4位、「このマンガがすごい!2019」オンナ編第4位を獲得し話題になった本作。新垣結衣を主演に迎え、『ジオラマボーイ・パノラマガール』の瀬田なつきが監督と脚本を務める。『キングダム 大将軍の帰還』(7月12日公開)山崎賢人主演『キングダム』シリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』。原作は、時は紀元前、中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政を壮大なスケールで描く、原泰久の漫画「キングダム」。2006年1月より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載がスタートし、現在70巻まで刊行され、2月には71巻が発売予定。「紫夏編」と「馬陽の戦い」を描き、本年度実写映画No.1の大ヒットを記録した前作『運命の炎』だが、今回の映画最新作では、「馬陽の戦い」の続きが描かれる。※山崎賢人の「崎」は正しくは「たつさき」(シネマカフェ編集部)■関連作品:カラオケ行こ! 2024年1月12日より全国にて公開©2023「カラオケ行こ!」製作委員会四月になれば彼女は 2024年3月22日より全国東宝系にて公開©2024「四月になれば彼女は」製作委員会違国日記 2024年6月、全国にて公開予定©2024『違国日記』製作委員会笑いのカイブツ 2024年1月5日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©︎2023「笑いのカイブツ」製作委員会52ヘルツのクジラたち 2024年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会映画 マイホームヒーロー 2024年3月8日より全国にて公開©2024 映画「マイホームヒーロー」製作委員会ゴールデンカムイ 2024年1月19日より全国にて公開©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会異人たち 2024年、公開(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.弟は僕のヒーロー 2024年1月12日よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開@COPYRIGHT 2019 PACO CINEMATOGRAFICA S.R.L. NEO ART PRODUCCIONES S.L.キングダム 大将軍の帰還 2024年7月12日より全国にて公開ⓒ原泰久/集英社ⓒ2024映画「キングダム」製作委員会
2023年12月31日働き始めたばかりの頃は、まだ不慣れであったり、知識が少なかったりすることから、ミスをしがち。少しでも早く独り立ちできるよう、上司や先輩に質問をしたり、仕事に励む姿を見習ったりと、『勉強』を重ねる必要があります。携帯ショップの『大型新人』に絶句実話をもとに、携帯ショップで働く店員の創作漫画を描いている、はらぺこもんろー(harapekomonrrow)さん。主人公の女性店員は、新人から「後ろについて、接客する姿を学ばせてください」と、いわれました。真剣なまなざしでこういわれたら、大半の人は好印象を抱くもの。勉強熱心な新人の申し出を、女性は快く引き受けたのですが…。自ら『勉強』の申し出をしたにもかかわらず、新人はなんと接客中に爆睡!きっとその姿を見た客は、あまりにも予想外な行動を目の当たりにして、接客中の女性に告げるかどうかを迷ったことでしょう。漫画を読んだ人からは、「こういう新人、いるいる!」という共感の声が。また、「これは恥ずかしい…」「その心意気は偉い!」といったコメントも寄せられています。もしかすると、新人は新しい仕事に対する緊張から、昨晩よく眠れなかったのかもしれません。仕事としては大きなミスですが、こういった失敗を乗り越え、『大型新人』は人として成長していくのでしょう…![文・構成/grape編集部]
2023年09月22日「音楽を読んでみた、小説を聴いてみた」小説×音楽のコラボ企画「オトトモジ」シリーズ出版社「双葉社」とインディーズおよび新人アーティストの音楽活動支援を行なう「Eggs」、小説投稿サイト「エブリスタ」の3社が組んで「小説」×「音楽」の新プロジェクト「オトトモジ」をスタートする運びとなりました。「オトトモジ」は「音楽を読んでみた、小説を聴いてみた」をテーマに、小説の世界観を題材に音楽を制作するプロジェクトであり、その第一弾として、『意味が分かると怖い話』で大ヒット中、「短ホラ小説」の名手・藤白圭氏とオルタナティブロックバンド「メリクレット」が強力タッグを組んだ新企画を発表。小説『意味が分かると怖い謎解き―祝いの歌―』とストーリーに出てくる楽曲「by yθur side(仮)」を同時発売&配信開始します。ひとりの国民的女性歌手が自殺した。日本中が悲しみに暮れる中、母親やプロデューサー、ライバル歌手、完コピ配信をするVTuberら関係者10名が曲を持ち寄り、追悼アルバム『祝いの歌』を発売する。しかし、そのアルバムにはこんな怖い噂が……。(『意味が分かると怖い謎解きー祝いの歌ー』あらすじ)同小説に書かれた呪われたアルバムに収録された1曲をインスパイアし「メリクレット」が音楽を制作。小説では描かれなかった新たな世界観が音楽によって広がりをみせ、小説で深まっていくナゾに対する答えを歌詞のなかに見出すことができます。シリーズ累計40万部を突破した『意味が分かると怖い話』の著者による新たな「意味怖」が誕生!ボーカルの力強くも儚い歌声と、耳に残るメロディが新たな恐怖世界へと導く“遊べる”新感覚ホラーをお楽しみください。書籍概要【タイトル】意味が分かると怖い謎解き―祝いの歌―【発売日】2023年8月8日(※予定)【著者】藤白圭【予価】1320円(本体1,200円+税)【出版社】双葉社【体裁】四六判176ページ(※予定)音楽配信概要【タイトル】by yθur side(仮)【配信日】2023年8月8日(※予定)【作詞/作曲】メリクレット※主要音楽配信サイト・各種サブスクリプションサービスにて配信著者プロフィール藤白圭ふじしろけい愛知県出身の作家。デビュー作『意味が分かると怖い話』シリーズは累計40万部を記録するなど、ホラー作品を中心に活躍している。ツイッター(@yukainaousama)にて「短ホラ」毎日執筆中。アーティストプロフィールメリクレット北海道札幌市を拠点に活動中の男女混合4ピースオルタナティブロックバンド。2019年9月に大学の軽音楽サークル内で結成。「涙伝う日常に、奏でる藍の逆さ傘を。」をコンセプトに、精力的に活動中。レニアが織り成す厭世的な詩による情景描写と、ジャンルの垣根を超えた幅広い楽曲群、ちぺの力強くも儚い歌声で、独特の世界観を創り上げている。ちぺ(Vo&Gt)レニア(Gt)斗輝(Ba)Meg(Dr) Eggsとは「Eggs(エッグス)」( )は、株式会社エッグスが運営する、インディーズを中心とした3万組以上のアーティストと50万人以上のリスナーが登録する無料音楽プラットフォームです。個人で活動するアーティストやインディーズ音楽関連企業向けのマネタイズ支援機能として「TOWER CLOUD(タワークラウド)」( )を展開し、国内外の主要音楽配信ストアDSP)へのディストリビューションやYouTubeの収益化、CD制作からタワーレコードでの販売契約まで、アーティスト活動をトータルにサポートしています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年06月20日このお話は、過去に作者ツムママさんのお母さんに起こったエピソードです。身バレ防止のため一部脚色を加え漫画化しています。■前回のあらすじ都合良く話をすり替えて隣人の悪口を言い始めるトナリの話を聞かずにポストへ直行した主人公。その様子をトナリは見ていたようで…!?■早くポストの確認がしたくて…!■手紙を見られた…!?立ち話から急に抜けたのがおかしいと思ったのか、なぜか追いかけてきたトナリさん。厄介な人に手紙を見られてしまい…。トナリさんの笑顔が怖い…!次回に続く「困った住人」(全39話)は17時更新!
2023年06月07日映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が、12月8日(金) に公開されることが決定した。本作は、シリーズ累計発行部数50万部を突破した汐見夏衛によるベストセラー小説の映画版。現代から戦時中の日本にタイムスリップし、そこで出会った特攻隊員・彰に恋をする女子高生・加納百合を演じるのは、朝ドラ以降初の映画主演となる福原遥。本作の出演にあたって「まずは原作を読ませていただいたのですが、とても感動して素敵な作品でした。戦争について学校で学んだことはあっても、感じきれなかった思いをこの作品から感じ、切なく胸が苦しくなりました。不安もありますが、私の演じる百合が、彰という人に出会い初めての恋をして、愛というものをどう知って成長していくのか、是非見守っていただければと思います」とコメントを寄せた。そして、百合と出会い、自由にものを言う姿に驚きながらも惹かれていく、特攻隊員・佐久間彰を演じるのは水上恒司。水上は「私自身が芝居に興味を持ったきっかけが高校演劇で特攻隊員の古賀正一という青年を演じたことでした。今回彰という役を生きる意味は、私より下の世代に“戦争”というもの、日本がしてきたこと、世界の戦争の歴史を知るきっかけを与えるためだと思います」と語っている。ふたりの共演はドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』以来2度目。「とてもストイックな方なので、ご一緒させていただけて嬉しいですし、すごく安心感があります。撮影に入る前にたくさんお話をさせていただいたので、役について色々と考えることができました」(福原)、「とても無邪気で、清涼感あふれ、この世の全てを愛しているような、まさに百合のようなお方だと思いました」(水上)と、お互いの印象を明かしている。監督は、CM界で長く活躍をし、長編映画は2作目となる成田洋一が担当。併せてメイキング映像が公開された。■福原遥 1問1答――今回百合の役を頂いた時、どのようなお気持ちでしたか?福原まずは原作を読ませていただいて、とても感動して素敵な作品だなと本当に思いました。この物語が2時間という映画になるということで、「どうなるんだろう」「自分にできるかな」という不安な気持ちも感じました。ですが原作が素晴らしいですし、戦争を題材にした作品ですので、しっかりとリアルに演じられるように頑張りたいです。――原作はTikTokで10代の若者を中心に話題となり、「初めて本を読んで泣いた」という声も上がっています。原作を読まれた時の心情はいかがでしたか?福原ぐっとくるものがありました。戦争について学校で学んだことはあっても、分からない感じきれない思いをこの作品から感じることができました。「この時代の方々は色んな思いで生きていたんだな」と考えただけで胸が苦しくなります。――福原さん演じる百合がタイムスリップをして出会う特攻隊員・彰を水上恒司さんが演じます。どんな印象を持たれましたか?福原共演は今回で2回目になります。とてもストイックな方なので、ご一緒させていただけて嬉しいですし、すごく安心感があります。撮影に入る前にたくさんお話をさせていただいて、役について色々と考えることができました。――公開を楽しみにされている皆さんに一言お願いいたします。福原私が演じる百合が、戦争の時代にタイムスリップをして、彰という人に出会って初めての恋をして、愛というものを知ってどう成長していくのか、是非見守っていただければと思います。すごく切なくて、でも本物の愛を感じられる作品になると思いますので、公開を楽しみに待っていてください。■水上恒司 1問1答――今回彰という役を頂いた時の気持ち、準備したことを教えていただけますか?水上私自身が芝居に興味を持ったきっかけが高校演劇でした。その際に頂いた役が特攻隊員の古賀正一という青年でした。また、広島と長崎にも不思議な縁があり、彰が生きた時代には物心ついた時から関心がありました。私の会ったことのある親族や大事な人には戦争の犠牲者がいないため、私は戦争を冷静に見ることができると思っています。そんな私が今回彰という役を生きる意味は、私より下の世代に“戦争”というもの、日本がしてきたこと、世界の戦争の歴史を知るきっかけを与えるためだと思います。――脚本を読んだ感想はいかがでしたでしょうか?水上やはり、役者としてこの台本を更にどこまで大きくできるか、というワクワクに駆られました。――撮影を無事に終えて、彰を演じた今の感想を教えていただけますか?水上撮影の半ば、成田監督に「彰だけ別世界にいるよう」と言われ、ある程度作戦通りいったのかと思います。彰は人間ではない、自己が一部欠如した愛にあふれた妖怪のようなイメージですので。――共演は2度目となる福原さんについて、どのような印象を持たれましたか?水上とても良い意味で、普通の女の子でした。今回の現場にいた福原遥さんはとても無邪気で、清涼感あふれ、この世の全てを愛しているような、まさに百合のようなお方だと思いました。――最後に公開を楽しみにされている皆さんに一言お願いいたします。水上先程も申し上げました通り、今作を観た後に勉強をし始めるキッカケになることを望んでいます。日本が受けた暴力も、日本が世界に与えた暴力も。若い世代に両側を知ることを望みます。百合と彰のような健気な人々を破壊するのが『戦争』だということを、今作を通じてお伝えできれば幸いです。■原作・汐見夏衛 コメントこのたび『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の映画化が決定いたしました。撮影見学の際、スタッフの皆様キャストの皆様が試行錯誤しながらひとつひとつのシーンを作り上げていらっしゃる姿を目の当たりにして、こんなふうに大切に作っていただけて幸せだなと感激しました。これまで本作を応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。一緒に公開を楽しみにしていただけましたら幸いです。■監督・成田洋一 コメント人を愛することの自由を時代によって奪われた男と女。それでも抑えられない感情を恋と呼ぶのかもしれない。それは時空を超え、「覚悟」を激しく揺さぶる……脚本を書いてる時も、撮影している時も、幾度となくそのやるせなさに涙しました。若い人にこそ見ていただきたい映画です。■プロデューサー・西麻美 コメント・百合役:福原遥の起用理由について『ゆるキャン△』や『3年A組―今から皆さんは、人質です―』を拝見して様々な役を演じつつも、常に凛とした真っ直ぐな瞳が印象的でした。百合は周囲にイライラした毎日を送りつつも、特攻隊員たちと触れ合う中で真っ直ぐに成長していくキャラクターです。そのキャラクターを福原さんなら演じ切れる、そう思いました。・彰役:水上恒司の起用理由について彰役に関しては、まだ岡田健史さんというお名前で活躍されている頃から彼しかいないと思っていました。死を覚悟しているのに百合や周囲の人たちに優しくできる彰の懐の大きさ、そして瞳の奥に秘めた切なさをきっと水上さんなら表現してくれる、そう思いました。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』メイキング映像<作品情報>映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』12月8日(金) 公開(C)2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会関連リンク公式サイト::
2023年05月15日犬にとって適度な『ひなたぼっこ』は健康促進効果が期待できるといいます。ひなたを好んで、気持ちよさそうに昼寝をする犬も多いことでしょう。柴犬のこてつくんと、元保護犬である柴犬のくるみちゃんと暮らす飼い主(shiba_kotetsu_kurumi)さんは、ひなたで昼寝をするこてつくんの姿に驚いたそうです。6万件以上の『いいね』が寄せられた、その姿とは…!柴犬が寝ている間に…!?日当たりのよいベランダで昼寝をしていたという、こてつくん。その体をよく見ると…。トラになっている!なんと、寝ているこてつくんの毛並みがトラ柄に変貌をとげています!飼い主さんいわく、はじめは数本のハンガーが、こてつくんの体に影をつくっていたそう。それに気付いて後からハンガーを追加したことで、写真のようなトラ柄が完成しました!こてつくんはというと、自分がそんな姿になっていることにも気付かず、気持ちよさそうに眠っています。思わず二度見してしまうかわいらしい1枚に、6万件以上の『いいね』と多くのコメントが寄せられました!・爆笑してしまいました!かわいすぎます!・このトラなら安心して飼える。・びっくり!二度見しちゃいました!・脳内大混乱でした。見事な柄!飼い主さんは、多くの反響に驚きつつも「安心してください、柴ですから!」とコメント。影のいたずらで誕生した、柴犬ならぬ『シマイヌ』の姿に、多くの人が癒されたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年05月01日ディストピア小説やアンソロジー作品、詩人の書く小説について、ライターの三浦天紗子さんと吉田大助さんに語っていただきました。本読みライターの対談で見えてくる、小説界の新潮流とは?ディストピアの世界から新しい価値観や勇気を得る。吉田大助(以下、吉田):世界的には9.11、日本では3.11以降とくに、終末的な世界や監視社会を描くディストピア小説が盛り上がってきました。そのなかで、今すぐ海外出版されてほしいと思わずにいられない衝撃作が夕木春央さんの『方舟』です。簡単に言うと「誰か一人を犠牲にすれば全員が助かるけどどうする?」という、いわゆるトロッコ問題の話ですが、『方舟』は「それは…アリなの!?」と頭を抱えたくなるくらい究極の結論を出したんです。三浦天紗子(以下、三浦):読みました。面白かったけどモヤモヤしたところも多かったかな(笑)。吉田:この作品は人間の醜さや暗黒的な心理描写が特徴の「イヤミス」的な話でもある。つまり、人として越えちゃいけない一線を踏み越えることをOKとすることで可能となった物語。現実では体験しえない感情に小説を通して触れるという意味では、小説らしい小説ともいえる。三浦:それはたしかにそうですね。登場人物と同じ状況に陥ったときに自分ならどうするかと考えたり、思いがけない価値観と出合うのも小説を読む醍醐味のひとつですからね。吉田:ディストピア小説って、いま三浦さんがおっしゃったように「自分ならどうする?」ということや倫理観を突き付けられる思考実験の要素が強いですよね。その意味で、安野貴博さんの『サーキット・スイッチャー』もおすすめです。誰かの犠牲が避けられない状況で、自動運転を担うAIは命の重さをどう判断するかという、これまたトロッコ問題がテーマですが、ハリウッドばりのアクション・スリラーで、何より素晴らしいのは最後に希望を見出していること。ディストピア的想像力をキックする、「ホープパンク」「ソーラーパンク」といった海外SFの潮流とのリンクを感じました。三浦:私はディストピアでは、川野芽生(めぐみ)さんの『無垢なる花たちのためのユートピア』を推したいです。気鋭の歌人である川野さんの初の小説集ということで話題になっていますが、歌人というフックなしに単純にすごい才能の作家が現れたなと。とくに印象的だった一編「卒業の終わり」は、ある秘密を抱えた女学園を舞台に、主人公がどう生きていくかや女性性を問う物語。ハッピーエンドではないけれど、過酷な現実のなかで思いを巡らせて立ち向かうこと自体が美しいのだと気づかせてくれました。若い世代も勇気をもらえる一作だと思います。テーマ切りのアンソロジーは読書の幅を広げるツール。三浦:複数の作家の短編を集めたアンソロジーはこの5年くらいブームです。読書の入り口としても、いろんな作家を知る入り口としても価値があると思います。吉田:アンソロジーでは、昨年末に日韓同時発売された『絶縁』があらゆる意味で感動的でした。村田沙耶香さんを含むアジア9都市9人の作家による“絶縁”をテーマにした作品を編んだもので、冒頭に置かれた村田さんの短編「無」から大傑作。これだけで十分元をとれる素晴らしさです。三浦:韓国実力派作家、チョン・セランさんの発案らしいですね。日韓中、タイやシンガポールなどの気鋭作家が集まり、すべて書き下ろし。「奇跡のアンソロジー」といわれているのも納得です。吉田:出版文化遺産になってもいいくらい前代未聞の本だと思います。制作に約3年かけたみたいですし、本当によくぞやってくれましたと編集者に大拍手です。それぞれの国の今の息吹が反映されていてどれも良作。『絶縁』がアジアの作家を知る入り口になってくれるはずです。三浦:アンソロジーってなかなか売り上げにつながりにくいなかで、想像以上に売れたのが百合小説の『彼女。』です。相沢沙呼さん、織守きょうやさん、斜線堂有紀さんら豪華なラインナップも魅力ですし、ガールズラブという側面だけでなく、女性同士の関係性からジェンダーの問題にまで肉薄し、読みごたえ十分。吉田:百合というポップな看板を入り口にして、女性性の議論にまでたどり着くのは、すごくいい届け方ですね。三浦:最近、詩や短歌の世界から小説への流入が目立っています。それも詩や短歌界のスターが満を持して小説デビューしたというより、小説の完成度でまず注目されて実は詩や短歌の有望株だったというケースが多い印象です。吉田:川野芽生さんも歌人でしたよね。僕はあまりこのジャンルは詳しくないんです。ほかにはどんな方がいますか?三浦:すごいと思ったのは、山﨑修平さん。彼は詩人と文芸評論家の二足のわらじを履きながら小説の世界に来た人。初小説の『テーゲベックのきれいな香り』は、詩人である主人公が「書くとは何か」という問いに向き合う連作集で、わかりやすいストーリーがあるわけじゃないけど、読み進めた先に私自身が見知ったような懐かしい風景や感情がふと現れたりする。そういう面白さが魅力です。吉田:ある意味、新しい小説と位置づけられそうな作品ですね。気になるな~。三浦:中原中也賞を獲った期待の詩人・水沢なおさんも最近、初小説『うみみたい』を出しました。彼女の書く詩は、生と性を連想させるSF散文詩というか、もともと小説っぽかった。そこに物語の仕組みを加えた感じですね。きっと編集者は彼女に小説を書かせるだろうと思っていたから、やっぱりそうだよねと。吉田:この間『この世の喜びよ』で芥川賞を受賞した井戸川射子さんも、出発点は詩でした。詩や短歌と小説の垣根が、薄くなりつつあるのかもしれません。三浦:それはあるかも。若い世代は文学を自由に捉えて表現していますね。トロッコ問題に通じる!?ディストピア小説。最悪の状況のなかで、死んでもいいのは“誰”?『方舟』夕木春央大学時代の6人の友人と従兄と共に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った3人家族と共に一夜を過ごすことになった。ところが、明け方に地震が起き、扉が塞がれ、さらに浸水してきていることがわかる。そんな状況下で殺人が起こり…。1760円(講談社)AIのトロッコ問題解決法とは!?『サーキット・スイッチャー』安野貴博完全自動運転車が普及した2029年の東京。自動運転のアルゴリズムを開発する企業の社長が車内で襲われ拘束された。襲撃犯は車に爆弾を仕掛けて首都高の封鎖を要求するが…。現役SEが専門知識を駆使して描く疾走感あふれるサスペンス。1870円(早川書房)美しく残酷な幻想世界を凝縮。『無垢なる花たちのためのユートピア』川野芽生第一歌集『Lilith』で現代歌人協会賞を受賞した著者の初の小説集。花の名前を持つ77人の少年たちと7人の指導者を乗せて伝説の楽園を目指す船で起きた悲劇を描く表題作ほか5編を収録。1870円(東京創元社)トロッコ問題とは、「ある人を助けるために誰かを犠牲にするのは許されるか」という倫理的葛藤を問うもの。世界中で議論が交わされている。「リスクとリスクを天秤にかける、選択と決断の問題でもある。極端に言えばすべての物語がトロッコ問題をテーマとして孕んでいるんです」(吉田さん)ホープパンクの台頭について吉田さんは、「とてつもない絶望のなかに一縷の希望を描くうまさは、伊坂幸太郎さんが天才的。伊坂さんの作品が今続々と新装版で刊行し直されているのは、“絶望だけでなく希望も読みたい”というトレンドに合致している気がします」。編集のセンスが光る!アンソロジー。発想の違いにも注目したいスカート発のとりどりの世界。『朝倉かすみリクエスト!スカートのアンソロジー』朝倉かすみ北大路公子佐藤亜紀佐原ひかり高山羽根子津原泰水中島京子藤野可織吉川トリコひとりの作家が好きな作家たちにお題に沿った短編をリクエストするシリーズ作。元事務員の友人が遺した9号から15号の制服スカート、痴漢の手をかみちぎるスカートの歯、制服の自由化でスカートをはく彼氏…。スカートにまつわる9編を。748円(光文社文庫)コアファンにもビギナーにも。百合の多様性を味わう短編集。『彼女。百合小説アンソロジー』相沢沙呼青崎有吾乾くるみ織守きょうや斜線堂有紀武田綾乃円居 挽新作の百合小説7編と7人のイラストレーターによる扉絵がコラボレーション。女性同士の切実な関係性とルッキズムを描いた斜線堂有紀「百合である値打ちもない」、ミステリー要素を含んだ乾くるみ「九百十七円は高すぎる」などを収録。1925円(実業之日本社)どんなお題で誰に書いてもらうか、テーマ選定と作家のラインナップがアンソロジーのキモと、三浦さんは話す。「ふつうの小説以上に企画力や編集者の腕がものをいう本だと思います。『彼女。』がヒットしたのは、キャッチーな装丁込みで“読みたい”と思わせるバランスが素晴らしかったから。それぞれの作品の扉イラストも小説の世界観を際立ててグッときます。また、作家の朝倉かすみさんが選んだ9人の好きな作家たちに“スカート”というお題で書いてもらった『スカートのアンソロジー』もおすすめ。これも裏テーマとしてフェミニズムがあり、スカートから広がる多彩な物語は示唆に富んでいます」詩人の書く小説に注目。“超小説”で未知の読書体験を。『テーゲベックのきれいな香り』山﨑修平物語は2028年の東京を舞台にスタート。詩人の「わたし」が住む街が災厄に見舞われ、暮らしが混乱をきたすなか、「書くとは何か」「詩とは何か」という問いを追いかける記憶の旅が始まる。装画を手がけたのは浅野忠信さん。1980円(河出書房新社)「生まれる」「産む」生殖行為を考える物語。『うみみたい』水沢なお卵生生物を孵化させるアルバイトをしながら、性行為に対して後ろ向きなうみ。そして、「生まれたくなかった」と思い続けているみみ。美大の同級生だったふたりは同居しながら制作を続けているが…。表題作ほか、3編収録。1760円(河出書房新社)「東直子さんや加藤千恵さん、雪舟えまさん、最近だと、小佐野彈さん、くどうれいんさんなど、歌人で小説を書く人はわりと多いのですが、ここのところ若手詩人の小説デビューが増えていて面白い」と三浦さん。山﨑修平さんと水沢なおさんはその注目株。歌人や詩人の書く小説は、言葉の美しさやリズム感、独特な物語構成や連想的な場面転換など、歌や詩のフィールドで培った巧みな表現力が魅力と三浦さんは言う。「ストーリーや文章の意味をなかなかつかめなくても、磨かれた言葉の美しさや遊びを味わい、書き手の思考の片鱗に触れるのも小説体験として意義が。構えずに手に取ってほしいです」三浦天紗子さんライター、ブックカウンセラー。女性誌や文芸誌、Webメディアで書評やインタビュー、メディカル記事を担当。著書に『そろそろ産まなきゃ』(CCCメディアハウス)など。吉田大助さんライター。雑誌を中心に、書評や作家インタビューなどを手がける。編者を務めたアンソロジー『僕たちの月曜日』(角川文庫)が発売中。ツイッターは@readabookreview※『anan』2023年4月19日号より。写真・中島慶子取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2023年04月15日YOASOBI(ヨアソビ)が新曲「セブンティーン」を発表。直木賞作家・宮部みゆきの書き下ろし小説が原作。宮部みゆきの書き下ろし小説を音楽に“小説を音楽にするユニット”YOASOBIの「セブンティーン」は、直木賞作家とのコラボレーションプロジェクト第4弾となる楽曲。宮部みゆきが“はじめて〇〇したときに読む物語”をテーマに書き下ろした小説「『色違いのトランプ』――はじめて容疑者になったときに読む物語」を楽曲化した。物語のあらすじは、「並行世界で起きたテロへの関与を疑われて捕らわれた愛娘の夏穂を救うため、父親の宗一が単身、もう一つの〝鏡界〞へと向かう」というものだ。スリーブから新曲が聴ける!?ローソンとのコラボラテなお全国のローソン店舗では、2023年1月17日(火)より、YOASOBIとコラボレーションした新作ドリンク「YOASOBI ハニーカフェラテ」を発売。ラテのスリーブに記載されている二次元コードを読み込むことで、新曲「セブンティーン」をいち早く試聴することができる。「YOASOBI ハニーカフェラテ」は、ミルクのコクとエスプレッソの苦みに、ハチミツの甘い香りがマッチした、冬にぴったりの1杯。ラテには、YOASOBIのアートワークを数多く手掛ける藍にいなによるイラストを配したスリーブ&シロップが付属する。【詳細】YOASOBI 新曲「セブンティーン」※配信日・CD発売日等リリース情報未定。作詞・作曲・編曲:Ayase歌唱:ikura原作:「『色違いのトランプ』――はじめて容疑者になったときに読む物語」 (宮部みゆき 著 / [『はじめての』(水鈴社 刊)より])<あらすじ>並行世界で起きたテロへの関与を疑われ、捕らわれた愛娘の夏穂。宗一は夏穂を救いに、単身、もう一つの〝鏡界〞へと向かう。■ローソン×YOASOBI新作ドリンク「YOASOBI ハニーカフェラテ」発売日:2023年1月17日(火)取扱店舗:全国のローソン店舗価格:280円キャンペーン内容:スリーブに記載の二次元コードを読み込むことで、未発表の新曲「セブンティーン」を試聴可能。
2023年01月16日新型コロナウイルス感染症がまん延し始めた頃、アメリカのテレビ番組では、出演者が自宅から出演する光景が多く見られました。イリノイ州に住む人が当時、テレビのニュース番組を見ていると、お天気キャスターの女性が自宅から登場。その画面に、キャスターの愛犬が映り込んでいたのです。動画を撮影していた女性の愛犬であるジャックスは、画面の中の犬を見て、思わずテレビに近付きます。次の瞬間、キャスターの犬がソファから降りて、フレームアウトすると…。「あれ?あの犬、今こっちに行ったよね?」画面の中の犬がテレビの後ろにいると思い込んで、探しているジャックス。上を見たり、右のほうを見たりと、何度もテレビの後ろを確認しています。そんなジャックスを見た飼い主さんは「あの犬はどこに行っちゃったのかな?」といいながら、吹き出してしまっていますね。この動画を見た人からは、ジャックスのリアクションに笑いと共感の声が寄せられました。・ジャックスはあの犬と遊びたかったんだね。・ちょっと賢くて、ちょっとまぬけなところがかわいい!・大笑いしちゃったよ!うちの犬も同じことをしていた。ジャックスにとっては、目の前にいたはずの犬が消えてしまったことが、不思議で仕方ないのでしょう。犬はとても賢いところがある反面、時折見せるお茶目な一面がなんとも愛おしいですね![文・構成/grape編集部]
2022年08月08日大人気マンガシリーズ、今回はモナ・リザの戯言さんの投稿をご紹介! 「家の中で不気味な現象が起きる理由」第7話です。掃除中、黒のロングヘアの髪の毛を見つけたソラさん。 これまでの話を整理すると、ある人物が一人だけ浮かび上がりますが…!?そんな中、自宅前では…出典:lamire鍵が開いていて…!?出典:lamire家の中には…出典:lamireお互いに誰だかわからない様子で…出典:lamireそんなところにソラさんも帰宅…出典:lamire家の中にいたのは…出典:lamire予想はしていたけど…出典:lamire予想はしていたものの、まさかと思ったクロハさんが家の中に…!?これまでの事は全て彼女がやったことだったのでしょうか…一体どういうつもり!?(lamile編集部)(イラスト/モナ・リザの戯言)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年06月14日9羽のインコと暮らしている、おぎゃん(@tomimomen)さんが、Twitterに投稿した、1枚の写真をご紹介します。おぎゃんさんは、愛鳥たちとの暮らしの中で、とても癒される瞬間があるそうです。その瞬間が、こちら!飼い主が一番癒される時間 pic.twitter.com/fWho5BYzDb — おぎゃん (@tomimomen) May 18, 2022 飼い主さんの周りに、愛鳥たちが大集合しています!ちなみに、写っている愛鳥は8羽。残りの1羽はこの時、カメラにしがみついていたそうです。飼い主さんを止まり木にする愛鳥たちは、リラックスしたような表情を浮かべていますね。一方この時、飼い主さんは腕を水平に浮かして保たなければならない状況だったといいます。身体的には緊張を保っている飼い主さんですが、愛する鳥たちに囲まれるこの時が、幸せな瞬間なのだそう。・これが本当の『鳥貴族』だね。・見ているだけで癒されます!かわいいですね。・最高!鳥好きとして、とてもうらやましい!愛鳥たちがこんなにも飼い主さんの元に集まるのは、日頃から、みんなのことをかわいがっているからでしょう。幸せな光景に、笑みがこぼれますね。[文・構成/grape編集部]
2022年05月19日舞台「今、出来る、精一杯。」の小説化を記念して、ananで4週にわたり掲載された連載「根本宗子の妄想スイッチ」の特別対談をまとめてお届けします!ねもと・しゅうこ1989年、東京都生まれの劇作家。月刊「根本宗子」主宰。劇団公演で3度にわたり上演された『今、出来る、精一杯。』の小説(小学館)が好評発売中。自身初の長編小説の書き下ろし作品となった。いとう・まりか1996年生まれ、大阪府出身。乃木坂46の1期生として活動し、卒業後は俳優に。主演作に映画『サマーフィルムにのって』ほか。年内公開予定の根本さんの同名舞台を映像化した映画『もっと超越した所へ。』にも出演。舞台が上演された当時を振り返る。伊藤私が2019年に出演させていただいた舞台『今、出来る、精一杯。』が小説化されるとのこと、おめでとうございます。今回、その特別対談に呼んでいただけて光栄です!根本こちらこそありがとう。じつは、連載スタート以来、ゲストを迎えるのは初めてなんですよ~。伊藤今日これだけは根本さんにお伝えしたいと思っていたんですが、舞台『今、出来る、精一杯。』は私にとって大切な作品なんです。当時の私は乃木坂46を卒業して、自分が一体どこに向かえばいいのかまだ模索しているときに与えてもらった作品と役柄で。それまでの私は、自分の中にある“言葉”をどうやって出せばいいのかわからなかったんですけれど、この篠崎という役を通して、自分の感情をぶつけることができました。すごく自分にしっくりきましたし、この作品があって、今後自分はこういうことをやっていきたいんだってはっきり見えました。今でもたまに自分が迷ったりすると、当時の台本や資料を引っ張り出して見ることがあるくらいです。根本私がこれを書いたのが23歳のときで、当時の万理華ちゃんと同い年。私にとってもひとつの分岐点になった作品で、演劇への初期衝動みたいなもので書いたから、今読むと粗削りな部分もあるけれど、その時期にしかない勢いも感じるんだよね。自分が若いからこそやれていたことを、再々演で新しい若い人たちの力を借りてやってみたかったっていうのがあって。伊藤じつはグループにいた頃から、周りの人に「根本さんの作品に合うと思うよ」って言われていて、その後、少しですけれど舞台を拝見したりもしていました。ただ、私が出演させていただくなんておこがましいって思いがありました。根本まだグループにいたときに舞台に出ている万理華ちゃんを拝見したことがあって。とても魅力的なのに、自分は舞台に向いていないんじゃないかって思いながら立っているのを感じて、もっと続けてほしいなっていうのがあったのがひとつ。もうひとつは、篠崎は意志がなさそうでいて後半に向けてどんどん我の強さが出てくる役だから、自分の中に“私はこれを信じて生きていく”っていうものがある人がいいなと。万理華ちゃんは自分でものを作る人だし、こういう役に興味を持ってくれるんじゃないかって直感的に感じたんです。伊藤本当に何もかもが新鮮で、あんなにのびのび演じられたのは初めて。自分の中で舞台の概念が大きく変わりました。この経験がなければ今の自分はないかもしれない。大事な分岐点にある作品が本になるのは、自分のことのように嬉しいです。小説化の経緯と難しさ。伊藤今回、もともと演劇作品だった『今、出来る、精一杯。』をどうして小説にしようと思われたんですか?根本編集者の方の熱意かな。以前から小説を書きませんかという話は何度かあったんだけど、もともと私は人とモノを作るのが楽しくて演劇をやってるので、小説を書くなら舞台でやりたいって思っちゃっていて。でも、自分の舞台作品の小説化の依頼は初めてで、しかもそれがすごい長文のメールで…。伊藤長文メールというだけで熱意が伝わりますね。根本それで、こんなに言ってくださってるならって一回会ってみたら、その方がいかにも私の芝居好きだろうな~って方で、私の芝居はこういう人に届いてたんだなって妙に納得したの。それで書けるかわからないけれどチャレンジしてみたい、と。伊藤小説、読ませていただきましたが、ほぼ舞台と同じセリフで書かれていて、作品の印象そのまんまでした。ただ、坂本さんがスーパーに来た経緯とかは舞台では描かれていなかったから初めて知る部分もあって、めちゃめちゃ面白かったです。根本セリフはなるべく舞台のまま変えたくなかったの。でも意外とそこが、コンプライアンス的な問題が関わってくるから結構大変で…。いわゆる放送禁止用語とかね。演劇では書けたセリフを「変えてください」というのも言われて…。伊藤たとえばどういう言葉がダメなんですか?根本“キチガイ”とか。WOWOWで舞台中継が放送されたらピー音が入るやつ(笑)。でも、これはスーパーに来る女性に、サラッとそういう言葉を使えちゃう人物のヤバさを表すのにあえて使った言葉なわけで、そこを変えたらキャラクター自体も変わっちゃうから、そこが変わらない案を探って。あと、西岡さんって女性のパートを書くのが死ぬほどつらくて…。伊藤西岡さん!知ってはいたけれど、小説を読んでこんなにヤバい人だったんだとあらためて思っちゃいました。根本演じた役者の愛嬌で笑えたところが、文字だけで描写すると笑えないよね。書くのがつらかったなぁ。伊藤出てくる人全員、とくに女性のそれぞれのダメな部分が本当に細かく書かれていますよね。私が舞台で演じた篠崎七海に関しては、胸の内が文字化されていて納得できました。根本初演からこれまでに3回上演した作品で、それぞれ役者に演出をつけてきてるんで、そこで言ってきたことを地の文に書いている感じなんだよね。だから、もしまた『今、出来る、精一杯。』を舞台で上演することがあったら、次に出る人はこれを読めばめちゃくちゃ演じやすくなるのかもしれない(笑)。小説化で、より広がった登場人物のキャラクター。伊藤舞台作品で演じたときにも思いましたが、今回小説になった『今、出来る、精一杯。』を読んで、出てくる人全員、とくに女性登場人物たちのダメな部分が本当に細かく引き出されているなと思いました。私が演じた篠崎に関しては、セリフとして言えていない胸の内が文字化されていて、すごく納得できました。根本万理華ちゃんが演じた篠崎とはるかぜちゃん(春名風花)が演じた久須美は、とくにそうかも。あの戯曲を書いたときは23歳で、20歳の篠崎や久須美と世代が近かったから、ふたりが理不尽だと思うことを同じ目線で理不尽だと思えてたんだよね。でも再演のときには年を重ねて、正論の弱さみたいなことにも気がついてしまっていて。理不尽は嫌だけど、そうしている人の気持ちもわかったり。その上で演出していたから万理華ちゃんとはるかぜちゃんの視点を借りてる部分はあるのかも。伊藤私も、演じたときは篠崎に自己投影していたから、共感できるのも篠崎でしたけれど、小説を読ませていただいて、別のキャラクター…私は今回すごく神谷はなに共感しました。篠崎の店長に対する執着みたいなものとはまた違う、フリーターの彼氏・安藤くんに尽くしているのに報われない悲哀とかに…。根本篠崎の店長に対する執着は若い思考だからね。伊藤そうなんです。しかもあの舞台よりも少し自分を冷静に俯瞰していて、そこに共感もできました。あと、最後に登場する根本さんが演じていた長谷川のシーンも、ぐっときました。根本舞台に比べて、はなと長谷川のキャラクターに関しては、より広がってるよね。伊藤あれからまだ2年ちょっとしか経っていないけれど、23歳のときに感じたのとは、こんなに見え方が変わるんだなって。根本私は自己評価が極めて低い人なんで、自分の芝居を見返して面白いなと思うより、ここをこうすればよかったなとか、今だったらこう書くなってことを考えがちなんです。でもこの作品に関しては、自分でもよくできたなって思えるの。8年前のものだけれど、幅広い世代が見やすいし。でもだからこそ嫌なんだよね。いまだに23歳の自分と戦ってる気がして。伊藤何かのインタビューで根本さんが、この作品を超えたいと思って演劇をやり続けていると話しているのを読みました。根本そうなの。つねにこの作品がライバル。これを27歳くらいのときに書いていたら、賞を獲れたんじゃないかな(笑)。伊藤でも舞台は形に残らないものだから、今回小説という形になって、作品がきちんと残るのは嬉しいです。根本こんなこと言って、小説が出て酷評されたら笑うよね。作り手としての目線で互いの創作を語り合う。根本私、つまらない作品を見たときほど芝居を作りたくなるんだよね。見たい芝居がないなら自分で、って思うのかも(笑)。伊藤私の場合は完全に人ありきです。見てすごく好きだな、面白いなという作品がまずあって、その方の作る新しいものが見たいなと思ったら、自分が声をかけるしかなくて企画が生まれるパターンです。結構、初期衝動で動きがちなんですけど…。根本人ありきという意味で言ったら、私がやってる演劇もそう。セリフを発してくれる俳優がいて成り立つもので、ひとりじゃできないから面白かったりもするんだよね。いくら演出をつけても、コントロールしきれないところが楽しさでもあって。伊藤演劇以外のジャンルはどうですか?たとえば今回出される小説『今、出来る、精一杯。』とか。根本小説はこれが初めてだから、まだ自分でもよくわからないけれど、万理華ちゃんにも出演してもらった映画『もっと超越した所へ。』に関しては、演劇作品に比べると自分の作り手側としての意識は低いかもしれない。もともと舞台で上演した作品で、脚本は私のものだから愛情はめちゃくちゃあるし、企画段階から打ち合わせに参加させてもらってはいたけれど、撮ったのは山岸(聖太)監督。私が書いたセリフだけれど、その間合いまで管理できてないから、映画は監督のものっていう感覚が若干あって。どこか「試写楽しみにしてます」ってお客さん気分なの。伊藤私の場合、テーマは自分発信だし話し合いもするけれど、最終的にはクリエイターの方が作りたいものに身を委ねています。毎回想像以上のものが返ってくるので、とても嬉しいんです。だから自分がやってることは、クリエイターというよりはキュレーション側に近いのかもしれないです。この人とこの人をかけ合わせたら面白いだろうって考えたものが、形になるのが楽しくて。今はそれが自分だったりするんですが。根本私もこの間、清竜人さん監督・音楽のソーシャルドラマ『HANARE RARENAI』の脚本を書いたんだけど、私のホンだけじゃ至れなかったところに作品が広がっているのを感じて、それがすごくよかったの。演劇の場合、生だしお客さんも入るものだから、どうしたって毎回同じにはできないじゃない?昔は全部自分の思い通りのものにしたくて稽古してたけど、今は、日々の変化も含めてコントロールできないのが演劇の面白さだって思うようになっていて。だから、小説は自分で書いて完結するものでコントロールが利くぶん、寂しさもあるなって。伊藤私は根本さんの作品のファンなので次回作も期待しています。今日は話せて楽しかったです。ありがとうございました!構成、文・望月リサ※『anan』2022年3月30日号、2022年4月6日号、2022年4月13日号、2022年4月20日号より。(by anan編集部)
2022年05月13日“悲しみをたべて育つバンド”あたらよが、小説紹介クリエイターのけんごとコラボレーションすることが発表された。あたらよは東京を中心に活動する4ピースバンドで、ひとみ(Vo / G)を中心に作詞作曲を行い、アートワークや映像もセルフプロデュース。グループ名の「あたらよ」は“明けるのが惜しいほど美しい夜”という意味の可惜夜(あたらよ)から由来している。けんごは自身の動画の総再生数1.1億回超えるインフルエンサーで、TikTokで薦めた作品が続々重版決定。4月28日には小説『ワカレ花』(双葉社)を発売し小説家デビューする。けんご今回のコラボは、けんごがあたらよの楽曲がお気に入りだったということ、そしてあたらよボーカルのひとみが小説が好きでけんごのTikTokをフォローしよく観ていたことがきっかけとなり生まれたもので、『ワカレ花』の作中にはあたらよの記述が登場するとのこと。また、けんごのTikTokアカウントでは、あたらよ初のオリジナル曲「10月無口な君を忘れる」を使用した動画がアップされる予定となっている。■あたらよ ひとみ コメント皆さんこんにちは。あたらよのVo&Gのひとみです。この度、けんごさんのデビュー作となる『ワカレ花』にあたらよを登場させて頂いたということで、本当に嬉しいです。私自身、普段から本を読むことが大好きなので、いつも目にしていた本の中の世界に自分のバンドが存在していることがとても不思議な気持ちになりました。読み終えた後に心の奥がじんわりと温くなるような、こんな素敵な作品に名前を使って頂けたことを嬉しく思います。本当にありがとうございます。■けんご コメント小説紹介クリエイター・小説家のけんごです。「小説の魅力を多くの人に届けたい」僕は、この一心で活動を続けてきました。今回、小説を執筆したのも、この想いがあってのことです。正直なところ、小説は他のエンタメに比べて、作品と出会う"きっかけ"が少ないように思えます。だからこそ、あたらよさんとのコラボは大変光栄です!素敵な音楽と掛け合わさることで、小説の可能性を大きく広げることができると思いました。『ワカレ花』をきっかけに、小説にしかない魅力と、人の心を動かすほどの力がある、あたらよさんの音楽が、たくさんの方に届くことを願っています。<リリース情報>あたらよ1stアルバム『極夜において月は語らず』発売中※初回盤は「あたらよ Acoustic Session」CDを加えた2ディスク仕様配信リンク:【収録曲】01. 交差点02. 夏霞03. 極夜04. 祥月05. 「知りたくなかった、失うのなら」06. 悲しいラブソング07. 嘘つき08. outcry09. 5210. 10月無口な君を忘れる11. 差異【初回限定盤付属Disc2】■「あたらよ Acoustic Session」01. 10月無口な君を忘れる(Piano ver.)02. 夏霞03. 晴るる04. 8.805. ピアス06. 祥月07. 嘘つき08. 優しいエイプリルフール(demo)<ライブ情報>『あたらよ 1st TOUR「極夜において月は語らず」』5月5日(木・祝) 東京・WWWX5月21日(土) 大阪・シャングリラ5月22日(日) 名古屋・SPADE BOX関連リンクオフィシャルサイト
2022年04月12日角田光代さんが5年ぶりに小説を上梓!新作『タラント』は、間違いなく胸が熱くなる長篇小説だ。与えられた命を、どう使うのか。心も魂も揺さぶる5年ぶりの長篇。「ずっと『源氏物語』の現代語訳にとりかかっていて、久々に小説を書こうとしたらプロットの立て方も資料の使い方も忘れていて大変でした」30代後半のみのりは、東京で夫と二人暮らし。故郷の香川に住む甥の陸が不登校と知り、しばらく預かることに。彼らは一通の手紙を機に、寡黙な祖父・清美の過去に思いをはせていく。戦地で片足を失い、義足をつけた祖父の秘めた思いとは――。表紙にも義足で高跳びをする人が描かれているため、未読の人でもこれがパラスポーツが関わる話だとは想像できるだろう。「最初に連載を頼まれた時、東京オリンピックについても触れてほしいという話があって。それで調べているうちに、パラリンピックはイギリスの病院で、戦争で脊髄を損傷した人たちのリハビリのために開いた競技会がおおもとだと知ったんです。平和の祭典と呼ばれているものが戦争がきっかけで始まったことに驚きました。そういうことを考えている時、ふと、“命を使うということ”について書きたいと思ったんです」本作ではみのりの過去も語られる。大学進学で上京、ボランティアのサークルに参加して国内外で活動していた様子も丁寧に描かれる。「日本って、ボランティアや寄付の文化が根付いていないと感じていました。自分がいいことをするのに対して照れと罪悪感があるし、誰かがいいことをすると“偽善だ”という声が出てくる。それこそ昨今はバッシング社会で、人の失敗を絶対に許さない風潮がある。そういう世の中で、なにか善意で行動して失敗したら、もう動けなくなってしまうことってあると思う。それをみのりという人に背負わせました」角田さん自身、NGOの活動に参加しているという。「国際NGOのプラン・インターナショナルのスポンサーになって、いろんな国を視察し、人身売買など女の子たちが虐げられている状況を見てきました。最初に誘われた時には私も、自分がボランティアをやって何になるんだろうと身構えたんです。実際に関わってみると、そういうことではないと思うと同時に、ボランティアの難しさや歯がゆさも感じるようになった気がします」みのりの周囲の人間も、ボランティアに対する姿勢はさまざまだ。きっと読者も、彼らの異なる立場からの言動に心揺れるはず。「迷いなくできる人や、使命を感じられる人もいる。でも大半の人はみのりのようにためらったり迷ったりするんじゃないかと思うんです」作中、何度か登場するのが「タラント」という言葉。〈才能〉〈賜物〉や、〈使命〉といった意味合いだ。「プロテスタントの学校に通っていたので、聖書に出てくる言葉として馴染みがありました。それとは別に大人になってから、人の才能の有る無しってなんだろうとつねづね考えるようになっていて」当初、本作では、どんな人にも与えられた使命があると書こうと考えていたという。だが、「書き終わった時、もしかして自分は、若くして亡くなった人たちにもタラントがあって、それは死んで失われるのではなく、他の人たちが受け継いで生きていくんだ、ってことが書きたかったのかな…と。私は、死んだ人たちのほうを書きたかったのかもしれないです」読み終えたら、角田さんのこの言葉が深く、深く響くはず。角田光代『タラント』東京で夫と暮らすみのりの故郷は香川県。寡黙な祖父にたびたび東京から手紙が届いていると知った彼女は、甥の陸と共に祖父の過去に興味を持つ。一方、そんなみのりには苦い過去があって…。中央公論新社1980円かくた・みつよ2005年『対岸の彼女』で直木賞、’07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、’12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、’21年『源氏物語』の完全新訳で読売文学賞など、数多くの賞を受賞。※『anan』2022年3月23日号より。写真・森山祐子(角田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年03月22日『TikTok』フォロワー28万人、総再生数1.1億回超!薦めた作品は続々重版!話題の小説紹介クリエイター・けんごが手がけた初の小説は、花をモチーフにした恋愛小説。知念実希人さんを始め、推薦コメントも多数いただいております。出会い、失恋、両思い、別れ――わたしのそばには、いつも花があった。四季折々の恋模様を鮮烈に描いたあまりに切ない物語〈内容紹介〉高校生の遥は通学の電車で、気の立った白猫に遭遇した。戸惑う彼女を助けたのは男子高校生。毎朝、同じ電車で見かける彼を振り向かせようと、遥が取った行動とは。(「始業式」)同じく高校生の冬紗は、入学前から長い入院生活を送っている。ある日、主治医に告げられた過酷な現実。泣いていた彼女に、かつての入院仲間だった春人は声をかける。(「散り桜」)ほか、「夕立ち」「花火」「落ち葉」「コスモス」「雪景色」「ユキヤナギ」の全8編を収録した、2つのストーリーで紡がれる恋愛小説。●早くも大絶賛!推薦コメント多数!知念実希人さん(小説家)「初めての小説と聞いて、なめていました!ごめんなさい。柔らかい筆致から生み出される瑞々しく透明感あふれる空気が、全身の細胞を満たしていく。どこまでもピュアな優しさで彩られる物語に、ぜひ心癒やされて下さい」汐見夏衛さん(小説家)「大切な人のために何かをしたいという思いが、彼らを成長させていく。恋には人を変える力があるのだと改めて感じました」カツセマサヒコさん(小説家)「好きだったから、悲しいし、怒るんだ。ページをめくるたび、やさしさと寂しさがが雪のように降りてきました」●作品特設ページ 〈書籍概要〉【タイトル】ワカレ花【著者名】けんご【発売日】2022年4月28日(木)【予価】1320円(税込)【判型】四六判並製〈著者プロフィール〉けんご小説紹介クリエイター。ショートムービープラットフォーム「TikTok」などのSNSで、わずか30秒ほどで小説の読みどころを紹介する動画を次々に投稿。作品の的確な説明と魅力的なアピールに、SNS世代の10〜20代から絶大な支持を得ている。2021年7月、30年以上前に発表された筒井康隆著『残像に口紅を』(中公文庫)を取り上げたところ、話題となり、年末までに11万部を超える大重版。他にも、小坂流加著『余命10年』(文芸社文庫)、楪一志著『レゾンデートルの祈り』(KADOKAWA)も、紹介をきっかけにヒットにつながり、出版関係者や書店員からは「日本でいちばん本を売るTikTokクリエイター」とも呼ばれている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月15日Twitterのフォロワー数は14.6万人。人気webライターとしての地位を築いた後、2020年に長編小説『明け方の若者たち』で小説家デビューを果たしたカツセマサヒコさん。同作は実写映画化もされ、大きな話題を集めました。小説家デビュー3年目となる今年は、カツセさん曰く「勝負の年」。さまざまなチャレンジを予定されていますが、そのひとつが雑誌『anan』での連載です。一体どんな連載になるのか、『anan』にまつわる思い出とともにお話をうかがいます。『anan』との出合いは、高校生時代!――いよいよ『anan』で連載がスタートします。1年以上前から「なにか書きませんか」とオファーをいただいていて、何度も打ち合わせをしてきたんです。そのなかで、「雑誌連載をした後に、それをまとめて一冊の書籍にしたい」という話が出てきて。これまでは書き下ろしの作品ばかりでしたし、ここでチャレンジしたいと思いました。そうしたら、担当者から「『anan』での連載に決まりました!」と報告を受けて、これはすごいことになってしまったぞ、と。高校生の頃の自分が知ったら、驚くと思います。――高校生時代、『anan』を読んでいたんですか?ぼくが高校1年生の頃、Mr.Childrenの桜井和寿さんが『anan』の表紙を飾ったことがあったんです。『IT’S A WONDERFUL WORLD』というアルバムのプロモーションで、誌面にはインタビューも載っていて。それがとにかく読みたくて、恥ずかしかったんですが、『anan』を手に取ってレジに向かいました。それがぼくと『anan』の出合いですね。でも振り返ってみれば、日常生活の至るところで『anan』を見かけることは多かった気がします。セックス特集号が出るたびにみんなが話題にしていたし、サラリーマン時代の同僚がそれを読みながら盛り上がっていたこともありましたね。――第一話で描かれる物語はまさに「この人生、マシかも」と思えるような読後感でした。なによりも些細な日常の描写がとてもリアルで、カツセさんならではの作風だなと感じます。そもそも、ぼくの人生って派手なことが起きないんですよ。たとえば「家に鷹が飛び込んできて、ルンバと戦っていた」みたいな事件があれば面白いんですけど、身の回りで起きるのは、せいぜい「2日連続でスマホの充電を忘れた」レベルのことばかり。だからそういった些細な出来事を記憶するしかなくて、創作でもそういった日常の出来事を描いてしまうんだと思います。その分、「自分に近しい物語」と思ってもらえるのではないかな、と。でも、日常を描くとすぐに「エモい」と評価されてしまうので、そんな便利な言葉ではすまないようなものを書きたいという気持ちもあります。胸にあるのは「小説家」として生きる覚悟――小説家デビューして、今年で3年目です。長編小説や連作短編を出し、今回は雑誌連載にチャレンジしますが、「小説家」という肩書はなじんできましたか?なじむというか、覚悟した、に近いかもしれません。一度、「小説家」という肩書だけでどこまでやれるか試してみたいんです。そういう意味でも、今年はチャレンジの年だと思っています。もともとweb出身でしたが、いまは雑誌や文芸誌の仕事をメインにしたくて。それでは食えないかもしれない。でも、創作の仕事でどこまで行けるのか、怖いけど、本気で向き合ってみたいと思っています。――カツセさんにとって挑戦でもあるこの連載が、読者にとってどんな存在であってほしいと思いますか?高校時代、とにかくモテたくてファッション誌を読んでいたんです。だけど、特集が組まれているカラーページよりも、後ろの方にある白黒のコラムコーナーが好きでした。ぼくの連載も、そうあってほしい。『anan』を買ったら、まずは特集をしっかり読んでもらって、最後に「そういえば、カツセの連載があったな」と思い出してもらって、読む。そんな感じが理想ですね。『anan』のメインディッシュはあくまでも巻頭特集であって、ぼくの連載はそれを支えるようなもの。読み心地がよくて胃もたれせず、メインを楽しむために存在するような立ち位置を目指したいと思います。ーー自分の心の声に耳を傾けるよう、一つひとつの質問に真摯に答えてくれたカツセさん。かと思えば、ときに冗談を口にし、その場を和ませることも忘れない。そんな真剣さとやさしさを持ち合わせているからこそ、カツセさんが紡ぐ物語は、読み手の心にじんわり沁み入るのかもしれません。いよいよスタートする新連載『傷と雨傘』もきっと、疲れた心をそっと解してくれるような作品になるはずです。カツセマサヒコ1986年生まれ。Webライターを経て、2020年に小説家デビュー。『明け方の若者たち』(幻冬舎)がベストセラーとなり映画化。ファッション誌での連載やラジオなど幅広く活躍中。Information新連載『傷と雨傘』カツセマサヒコ3月9日発売(anan2290号)よりスタートする、小説家・カツセマサヒコの月1連載。「人生って捨てたもんじゃないな」と思えるような言葉をフックに、ふつうの“ワタシ”に起こる、半径5メートル以内の小さな奇跡を描く。SNSからスタートし、人気webライター、そして小説家と、言葉とともに常にキャリアアップしてきたカツセさんによる、“言葉のギフト”をお楽しみに!文・五十嵐 大
2022年03月09日きわどい描写の中に、耽美でロマンティックな表現が潜む“官能小説”の世界。人気官能小説レーベルが推す、女性がグッとくること必至の作品を集めました。女性におすすめの官能小説ティアラ文庫/オパール文庫プランタン出版が手がける女性向けTL小説レーベル。ファンタジーやヒストリカルなど本格ラブロマンスに定評のある「ティアラ文庫」、リアルな設定で大人女子の胸キュン恋愛を描く「オパール文庫」がある。『明治艶恋浪漫譚華族令嬢は焦がれるほどの愛を刻まれる』蒼磨 奏復讐のため豪商の御曹司・清秋と結婚した雪乃。目的を果たすまでの夫婦関係だったはずが、濃密な夜を過ごすたびに彼に惹かれていって…。復讐と愛の狭間で揺れ動く心の葛藤を描いた、明治時代を舞台にしたヒストリカル和風ロマンス。ティアラ文庫715円『君は誰にも渡さないワケあり王子の一途な求婚』ナツ伯爵令嬢マリエットの屋敷にやってきた、傷ついた少年レオ。最初は家族愛のはずが、気づけば真面目で優しい彼に恋をしていて――。互いに惹かれ、思い合っているのにすれ違う切ない心情描写が秀逸。後半の愛にあふれるラブシーンにも注目。ティアラ文庫858円『ずっと、ずっと好きだった―再会愛―』緒莉取引先の御曹司に押し倒された春。彼は10年ぶりに会う初恋の人で…。中学時代の淡い恋の記憶や思春期ならではの鬱屈した思いなどを越え、10年越しの約束を果たすクライマックスは感涙。きっと恋がしたくなる珠玉のラブストーリー。オパール文庫715円『愛していると言ってくれ寡黙な御曹司はこじらせ処女を離さない』佐木ささめ初恋の相手で資産家の息子・鷹弥に処女を捧げた麻子。一度きりの関係だったはずが、何度も抱かれてしまい――。出会った当初は冷淡だった鷹弥が次第に麻子に心を開き、執着していく様子にときめくこと必至。彼のツンデレぶりにも注目。オパール文庫792円幻冬舎アウトロー文庫幻冬舎が1997年に創刊した文庫レーベル。官能小説だけでなく、ヤクザものや犯罪系など裏社会を題材にしたノンフィクションも刊行する。官能小説はストーリー性が高く読みやすいものが多く、表紙のイラストもマイルド。『花と蛇』1団 鬼六SM小説の大家であり官能小説の第一人者として知られる団鬼六の代表作。誘拐された貞淑な令夫人があらゆる手を尽くして調教され、自分の中に眠るマゾヒズムを開花させていくストーリー。官能文学の金字塔といわれる名作の10巻からなるシリーズ第1巻。713円『華宴』藍川 京最愛の男と結ばれるため、人里離れた宿で、画家、書道家、刺青師など6人の男と肌を合わせる女子大生・緋絽子。作中に織り込まれた日本文化の雅な描写が官能表現を際立たせる。名作とうたわれながらも入手困難だった作者の処女作を改題して復刻。713円『指づかい』うかみ綾乃カメオ職人の瀬能岳生と、彼に惹き寄せられる女性たちの情交を描いた連作短編集。女性作家ならではの性描写に引き込まれるはず。日本官能文庫大賞新人賞、団鬼六賞大賞を受賞するなど、性愛を通して人間を描くことに定評のある官能作家のデビュー作。660円『断れない女』草凪 優2004年のデビュー以降、180冊超の著作を刊行する人気官能作家による短編集。表題作のほか、「壊す女」「捧げる女」「嵌る女」など、働くアラサー女性を主人公にした5編を収録。リアルな設定や身近なところから始まる関係は、読みやすく引き込まれる。586円ジュエル文庫大人の女性のための恋愛小説レーベルとして、KADOKAWAが2015年に創刊。共感を誘うリアルなストーリーや官能シーンが持ち味で、読むことで気持ちが高まることを重視している。ティーンズラブタッチの表紙が特徴。『龍の執戀お嬢様はヤクザに堕とされる、恋に。』草野 來老舗料亭のお嬢様が凶暴なヤクザから激しく、一途に愛されるストーリーでレーベル最大のヒット作。アウトローたちのリアルに作り込まれた人物像や不器用な男の純愛が人気の理由。鍛え抜かれた肉体や刺青など、高まりそうな描写が満載。続編も好評。814円『悪女後宮物語』丸木文華中国の後宮を舞台に、皇帝の寵愛を巡って争う女性たちの物語。皇帝に一目惚れされた娘・雹華。後宮に迎えられ、寵愛を一身に受けるが、それを快く思わぬ3人の妃たちに次々と不幸が襲いかかる――。退廃的なエロスの世界に新たな扉が開かれるかも。737円『酒蔵ほろ酔い一途婚蔵元おじさま、幼妻にがっつく』斉河 燈根強い人気を誇る年の差カップルによる恋愛モノ。ヒロインが20歳も年上の職人気質な酒蔵オーナーを追いかけ、結婚するまでを描く。思いが成就してからのギャップに萌え、酸いも甘いも噛み分けた大人の男性ならではの包容力にノックアウトされそう。770円『狂獣冷酷なる執着愛』御厨 翠シチリアマフィアのボスの隠し子だったヒロインの花楓。ある日突然、マフィアの幹部が迎えに来て…。外では冷酷な男性に一途に愛されるストーリーが女心を刺激する。まるで洋画のようなめくるめく展開がドラマティックで、最後までハラハラさせられる。792円※『anan』2022年3月9日号より。写真・小笠原真紀取材、文・宮尾仁美撮影協力・TITLES(by anan編集部)
2022年03月05日大人気マンガシリーズ、今回は小出ちゃこ(@koide__chaco)さんの投稿をご紹介! 「無知な私が初めてのキスで失神した話」第5話です。彼氏にカップルだからといってキスしなくてもいいと言った小出さん。すると、彼氏もその言葉に乗ってしまい…?あの日以来…出典:instagramキスどころか…?出典:instagramここまでとは…!!出典:instagramこうなると、逆に…!?出典:instagramキスどころか、手も繋がなくなった彼氏。そうなると、小出さんにも心境の変化が…?次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@koide__chaco)"
2022年02月23日~幻冬舎グループが運営する「話題の本.com」で小説連載しませんか?~株式会社幻冬舎ゴールドオンライン(本社:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7、代表取締役:山下征孝)が運営する話題の本.com( にて、短編小説の連載作品の募集が開始しました。小説家を志す方、文章を書くことが好きな方など年齢性別を問わず誰でも応募が可能。編集部の審査を経てWEBに連載記事を投稿することができます。1話あたり2,000~3,000文字程度。月2~3話の更新で、計5~10話の連載をご担当いただきます。純文学、エッセイ、SF、ファンタジー、ミステリー等々ジャンルは自由。たくさんのご応募お待ちしています。小説応募はこちら : 募集概要・応募条件:年齢・経験不問(審査あり)・募集時期:随時・話題の本.comの小説ページ( )にて掲載・連載回数:1作品につき5~10話・文字数:1話につき2,000字~3,000字程度・更新頻度:月2~3話(相談可)・ジャンル:不問※公序良俗に反する内容/表現は禁止いたします。(暴力、賭博、麻薬、売春などの行為を肯定・美化するもの、醜悪、残虐、猟奇的で不快感を与える恐れがあるものなど)※金銭のやり取りは行いません小説連載までの流れ1.小説連載応募フォーム( )に必要事項を記載の上ご応募ください・お名前・メールアドレス・ペンネーム・作品タイトル(仮)・連載回数(仮)↓2.編集部担当者よりメールにてご連絡をいたします。メール宛に今までご自身が書かれた作品(なければ執筆する小説の1話)を送付※ファイル形式は問いません↓3.編集部にて連載可否を審査いたします編集部担当者よりご連絡させて頂きます↓4.連載開始話題の本 .com小説連載応募フォーム : 会社概要商号 : 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン代表者 : 代表取締役 山下征孝所在地 : 〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7事業内容 : WEBメディア運営事業・WEBマーケティング支援事業・WEB広告事業・WEBサイト・コンテンツ制作事業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年10月08日作詞や詩、エッセイ、絵本の執筆など多方面で活躍する高橋久美子さんが初の小説集を上梓。『ぐるり』は世代も立場も異なる、時に動植物が主人公となる短編集だ。一人でいても、繋がっている。作詞や随筆で人気の著者の初小説集。「最初はエッセイの連載でしたが、途中で別の人の人生を書きたくなって。編集者に“小説に変えてもいいですか”とお願いしたんです」日常の光景や、ファンタジーやSFなど多彩な内容。実体験に基づいているものもあるようで、「男の子が蟻の王国に行く話は、実際に庭の苔をダンゴムシに食べられて、蟻の王国があればいいのにと思いつき、宮沢賢治の童話風に描いたもの。姉妹と母親のベトナムを旅行する話は、私小説といえるかも」見事なオチのある話もあるが、想像の余地を残す作品も。「サビがどこか分からない話って好きなんです。音楽でも聴けば聴くほど味が出るものを“スルメ曲”と言いますが、何回も読み返せる“スルメ小説”ですよね(笑)」いくつかの短編で登場人物がクロスする。ニヤリとするのは「DJ久保田」の2編。他の話の登場人物たちがゲストで登場したり、番組にメールをよこしたり。「私もラジオのパーソナリティをしていますが、ラジオと小説って相性がいい気がして。ゲストやメールをくれるリスナーって、顔は見えないけれどお互いを知っていて、友達みたいに思えますよね。小説の登場人物たちもそうだなって」どの人物にも愛着がわくのは、著者の優しい眼差しがあるから。「人間観察が好きです。人間のことが、すごく好きなんだと思う。嫌な感じの人がいても嫌と思わず“へえーそんなふうに考えるんやー”と思いながら見てしまう」人に言えない思いや孤独を抱いた人も多い。全体を通し、そんな人たちが隣り合わせだと思わせる。「一人で歩いていても通り過ぎるトラックには乗っている誰かがいるし、一人で部屋にいても外には人の気配がある。地球の上でみんな一緒に暮らしているという感覚があります」そんな思いがタイトルにも滲む。「今はコロナ禍で会えない人も多いけれど、だから一層相手のことを考えたりしますよね。孤独と孤独が繋がって、孤独でなくなればいいなと思っています」『ぐるり』さまざまな世代、立場が見つめる光景を自在に描き出した短編集。連載を楽しみにしていたという奈良美智さんが挿絵を描き下ろしている。筑摩書房1540円たかはし・くみこ作家、詩人、作詞家。さまざまなアーティストへの歌詞提供や翻訳などの創作活動を続ける。主な著書にエッセイ集『いっぴき』『旅を栖とす』、詩画集『今夜凶暴だからわたし』など。※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2021年06月08日なぜこんなにいろんな立場の人間をリアルに描けるのだろう。そんな感嘆の溜め息が漏れるのが、松井玲奈さんの小説第2作『累々』だ。いくつかの男女の光景に隠された秘密。期待の第2作。「誰にでも、この人には見せるけれどあの人には見せない顔、というものがあると思います。今回は、そうして人が無意識に使い分けている顔について、物語にしてみました」さまざまな男女の光景が描かれる全5話の連作短編集。最初に思いついたのは第3話、パパ活する女性が登場する話だったという。「SNSでパパ活している女の子たちのアカウントに出合ったんです。見ていると、自覚がないままにデートする“パパ”に見せる顔と友達に見せる顔を変えていて、それがとても興味深かったんです」視点人物はそんな女の子たちとデートする男性だ。恋愛シミュレーションゲームの行動の三択画面を思い浮かべながら行動する彼がユニーク。「女の子たちとリアルな関係を求めているのにうまく接することができず、ゲーム感覚で攻略する男性の話にしたら面白いかなと考えました」攻略にも慣れてきたはずが、新たに出会ったユイという少女は難攻不落で…。この二人の顛末が描かれる。第1話は、恋人からプロポーズされたのに乗り気になれない23歳の小夜の話だ。「昔は20代前半が結婚適齢期とされていましたが、今はもう少し年齢を重ねてからと感じます。そんな時代に、23歳で結婚の話が出て、未来のビジョンが見えずにいる女性の話です。その状態とどう向き合うかは、この本のスタートの話としてとても大切な部分でした」2話目の「パンちゃん」では、獣医の青年がセフレの女性とラブホテルで密会。密室の中でのパワーバランスの変化の描き方が巧みだ。前述の第3話は、実は最後にサプライズあり。それを踏まえて読む第4話では、美大生の女性が一方通行の恋に苦しむ。これは実際に美術大学に行って取材したのだそう。そして第5話で、読者は著者の企みの全貌を知ることになる―。どの登場人物も著者を連想させない、むしろまったく異なるキャラクターであることが印象的だが、「意図的にそうしています。自分が経験したことを物語に落とし込むことはできるけれど、そうすると“松井玲奈”というフィルターを通して読まれてしまうのがもどかしいというか。それより作品自体だけで楽しんでもらいたい気持ちが強いです」それでここまで違う人物たちを描けてしまうのだから驚きだ。「書いていて気付いたのですが、これまでいろんなお芝居のなかで自分ではない人にいっぱい出会ってきたことが、経験として積み重なっている気がします」さまざまな表現の場を持つなか、小説という創作については、「お芝居や音楽は先に台本や曲があって、みんなで大きく膨らませていく感覚ですが、小説を書くことはゼロから始めて、自分の中にあるものを削っていく作業。向いているかは分からないけれど、好きな時間です」今後は“希望的観測として”長編も書けたらとのこと。熱望します。まつい・れな1991年生まれ。ファンクラブの会報誌に書いたショートショートが編集者の目に留まって依頼を受け、本格的に小説の執筆を開始。2019年に短編集『カモフラージュ』でデビュー。写真・chihiro.『累々』23歳でプロポーズされ戸惑う小夜、恋人がいるのにセフレと逢瀬を重ねるパンちゃん、パパ活にいそしむユイ…。巧みさに唸る連作短編集。集英社1400円※『anan』2021年3月17日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2021年03月15日YOASOBIの楽曲「あの夢をなぞって」の原作小説『夢の雫と星の花』をコミカライズした書籍が、2021年2月14日(日)より全国の書店で発売される。コミック『夢の雫と星の花』1stEPにも収録されたYOASOBIの楽曲「あの夢をなぞって」の原作小説『夢の雫と星の花』がコミカライズされる。『夢の雫と星の花』は、「予知夢」を見ることのできる女子高生・双見楓と、その幼なじみの男子高生・一宮亮との間で繰り広げられるジレンマや、揺れ動く2人の胸の内など思春期特有の感情を描いた、原作・いしき蒼太による甘酸っぱいラブストーリーだ。いしき蒼太による書き下ろし小説もコミカライズにあたり、作画はkanco(かんこ)が担当。コミックには、"2人のその後"を描いたアナザーストーリーを収録する。さらに、いしき蒼太による新たな書き下ろし小説や、登場人物たちのキャラクターラフ、予知解説図なども掲載。2人を描いた豪華なデザインの特別版カバーも要チェックだ。【詳細】コミック『夢の雫と星の花』発売日:2021年2月14日(日)著者:作画 kanco/原作 いしき蒼太価格:600円+税判型:B6出版社:双葉社<あらすじ>『好きだよ――』主人公・双見楓は、2週間後に迫った花火大会の日に、想いを寄せる幼馴染・一宮亮から告白されるという予知夢を見る。しかし、彼の前では素直になれずそっけない態度をとってしまい、なかなか距離は縮まらない。しかも予知夢の通りにならなければ持っている予知能力も失われてしまう。果たして夢のとおり、彼と一緒に花火大会へ行き、告白されるのか――■特典<TSUTAYA限定特典>A6 判ステッカー※実施店舗は公式サイトを確認※特典は先着順・なくなり次第終了となる※発売日は地域によって異なる場合がある※予約については、実施店舗まで問合せ※TSUTAYAオンラインショッピングでの購入は対象外<アニメイト限定特典>4Pリーフレット(Kanco描き下ろしイラスト)
2021年01月18日仲野太賀主演で「南海キャンディーズ」山里亮太の小説をドラマ化した「あのコの夢を見たんです。」の6話が11月6日オンエア。今回のヒロイン、山本舞香がみせたアクションシーンに「様になってた」といった反応と、宮世琉弥にも注目の声が上がっている。山里さんが実在する人気女優やアイドル、モデルたちをイメージした“妄想”を小説化した人気連載企画から誕生した「山里亮太短編妄想小説集 あのコの夢を見たんです。」を原作に、仲野さんが山里さん役を演じてドラマ化。毎回注目の若手女優がゲスト出演することも話題になっている。1話では中条あやみ演じる学校一のモテ女を「振り屋」の山里が“振り”まくり、2話では芳根京子演じる勇者と彼女をアイドル化して稼ごうとする山里ら元勇者らのストーリーが展開。3話では森七菜演じる幼なじみと山里のピュアラブストーリーが描かれ、4話では飯豊まりえ演じる大学生に“納得いく1日”と引き換えにまりえの命を要求する謎の男として山里が登場。前回の5話では大原櫻子演じる“風船ガムの妖精”の透明感が話題となった。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。そして今回の6話では青春なんてバカバカしいと思いながら高校生活を送る山里(仲野さん)が天才空手少女・舞香(山本さん)と出逢い、その眩い笑顔に思わず告白してしまうが、舞香から髪を結んでいるハンカチを取れたら付き合ってあげると言われ、その日から二人の“ハンカチ争奪バトル”が始まる…というストーリーが展開。放課後、河原で山里とバトルを繰り広げる山本さんに「山本舞香メチャかわいいやん。普通にほれたわ」「ガハハと笑う山本舞香ちゃん愛おしいの気持ち止まらん」「アクションも様になってたね」などの反応が寄せられる。また山里の同級生役で出演した宮世琉弥に「一日に2回も宮世琉弥」などの反応も。宮世さんは同日放送の「恋する母たち」にも出演しており2作品で演じたキャラの差に触れた声も投稿されていた。りゅびです!あのコの夢を見たんです。ちょびっとだけお邪魔しました!1日でしたが、お2人のお芝居も人柄も、、本当に全部勉強させて頂きました。必ずまたご一緒できるように頑張ります!あんなお芝居がしてみたい。。自分を磨きます!#あの夢#仲野太賀 さん#メンディー さん#宮世琉弥 pic.twitter.com/PuwS931ElH— 宮世琉弥&STAFF OFFICIAL (@miyase_staff) November 6, 2020(笠緒)
2020年11月07日仲野太賀が“山里亮太”役を演じて、山里さん原作の小説をドラマ化する「あのコの夢を見たんです。」。その第4話が10月23日深夜オンエア。今回は飯豊まりえと佐藤寛太がゲスト出演。飯豊さんがラストで見せた表情を視聴者が高く評価している。本作は「南海キャンディーズ」山里さんが実在する人気女優やアイドル、モデルたちをイメージした“妄想”を短編小説にした「山里亮太短編妄想小説集 あのコの夢を見たんです。」が原作。仲野さんが山里さん役に扮し、毎回注目の若手女優がゲスト出演。これまで中条あやみ、芳根京子、森七菜が登場してきた。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。4話では飯豊さん演じる大学生のまりえが、大好きだった拓海(佐藤さん)に告白するもフラれ、部屋で「死にたい」と泣いていると、そこに謎の男(仲野さん)が現れ、納得した1日を過ごすため、瞬時にあらゆる後悔を消すことができるアイテム「わがままリセットボタン」を渡す。早速ボタンを押すまりえ。すると時が巻き戻り、今度は拓海に告白せず、フラれることもなく“納得いく1日”を過ごすことができる。しかし再び現れた謎の男は“納得いく1日”と引き換えにまりえの命を要求。まりえは1日に納得しなかったと答え、それからリセットボタンを使いまくるように…いろいろなことに挑戦、完璧な人生を歩んで、拓海とも交際するのだが、今度は人生がつまらなく感じるようになってしまう…というおはなし。ラストですべてを再びリセット。拓海に告白しフラれるまりえ…すがすがしいような、でもやはり悲しさをにじませながら、うっすらと涙を浮かべ、立ち去る拓海を見送るその表情に「ラストの、好きですからの飯豊さんの芝居が大変良かった」「最後のまりえさんの表情がとてもよかった」「飯豊まりえちゃんは声とか表情とかで魅せる人だなあ」「飯豊まりえちゃんのドラマ面白くて見入っちゃってた」といった感想も多数寄せられている。(笠緒)
2020年10月24日“小説を音楽にするユニット”YOASOBIの楽曲「たぶん」の原作小説が実写映画化。2020年11月13日(金)より公開される。YOASOBIとは?若者を中心に高い人気を集めるYOASOBIは、コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる、二人組の音楽ユニット。“小説を音楽にする”という新感覚のアプローチが最大の特徴で、2019年に公開したデビュー曲「夜に駆ける」では、ストリーミング再生回数2億回を突破するヒットを記録。また2曲目「あの夢をなぞって」は原作小説がコミカライズ、3曲目「ハルジオン」は飲料や映像作品とコラボレーションを果たすなど、活躍の場を広げている。YOASOBIの原作小説が、初の実写化!そして今回映画化される「たぶん」は、2020年7月にリリースされた4作目の楽曲のベースとなった原作小説。YOASOBIの原作小説を実写映画化するのは、同ユニットにとって初となる出来事だ。映画は、3組の男女が繰り広げる3つのショートストーリーで構成。同棲をしていたが、お互いの気持ちのズレを感じ別れを選んだ大学生カップルのササノとカノン。夏の大会が自粛で中止となってしまった高校生サッカー部員・川野とマネージャーの江口。恋人同士だがお互いの気持ちに応えられなくなっている社会人のクロとナリ。それぞれの“最も切ない別れ”と“新しい一歩”を、YOASOBIの楽曲「たぶん」にのせて描き出す。物語を彩る個性派キャスト陣物語を彩る3組の男女役には、個性豊かなキャスト勢が集結。<大学生カップル>ササノ役を演じるのは、俳優だけでなくアーティストとしても活躍する木原瑠生、カノンにはドラマ「中学聖日記」に出演した小野莉奈が務める。<高校生カップル>川野役は、映画『滑走路』に出演した寄川歌太、その彼女となる江口は吉田美月が担当。<社会人カップル>インテリアデザイナーのナリをユーチューバーのめがねが、彼氏のクロをミュージカル「刀剣乱舞」に出演する糸川耀士郎が演じる。詳細映画『たぶん』公開日:2020年11月13日(金)監督:Yuki Saito脚本:岸本鮎佳原案:しなのキャスト:木原瑠生、小野莉奈、寄川歌太、吉田美月喜、黒澤はるか・めがね、糸川耀士郎主題歌:YOASOBI「たぶん」配給:イオンエンターテイメントあらすじ【ササノとカノン】大きな物音で目覚めるカノン。別れたササノが部屋を整理しに帰ってきていた。同棲を始めた時、「私たちは変わらない」そう思っていたのに些細なことで少しずつ“ズレ”を感じ、別れを選んだ二人。大学はオンライン授業になり、就職活動を控える中、将来を真剣に考えるカノンと楽観的なササノ。どうしてこうなったの?悪いのは彼なのか、私なのか。たぶん…。【川野と江口】サッカー部の川野とマネージャーの江口はビデオ通話をしていた。今頃、最後の大会を迎えているはずだったが、今年は自粛により中止に。努力が報われないまま、憂鬱な受験の話をしていた。通話を切ると川野のラインにチームメイトから江口が東京へ引っ越すと知らされる。3年間チームと自分を支えてくれていた江口のことを思い、気づくと川野は自転車で走り出していたー。【クロとナリ】インテリアデザイナーのナリは彼氏のクロとなかなか連絡が取れず、直接家を訪ねる。インターホンを押すとクロが出迎えるも、玄関にはヒールの靴が。アリサと名乗る女性は編集の仕事をするクロの元同僚。クロが貸していた DVD を返しにきていたという。クロのことが大好きなナリは動揺を隠せずその場で言い合いになってしまう。こんなにも好きなのに…。
2020年10月12日現在公開中の映画『小説の神様 君としか描けない物語』より、橋本環奈の表情を捉えた秘蔵場面写真が公開された。相沢沙呼の同名小説を『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭監督が映画化した本作では、まっすぐで繊細な売れない高校生小説家・(佐藤大樹)と、秘密を抱えたドSな人気高校生小説家・詩凪(橋本環奈)が、ふたりでひとつのベストセラーを生み出そうと奮闘する模様が描かれる。新たに公開された場面写真では、詩凪がたくさんの本に囲まれ虚ろげに横たわる劇中の回想シーンや、詩凪が描いた物語のプロットを一也が文章化したものをメールで受け取り、優しい笑みを浮かべる様子。さらには、ある秘密を抱えている詩凪が、その秘密のために帽子とメガネをかけて変装している姿も捉えている。さらに、先日行われた舞台挨拶で久保茂昭監督が「病院の中庭で環奈ちゃんが『あなたの文章なら信じられる』と振り返って言うシーンの表情が絶品でそのシーンを撮った時、勝った!と思いました」と自信げに語ったシーンの直前を切り取った場面写真も公開されている。『小説の神様 君としか描けない物語』公開中
2020年10月12日