末期がんで闘病中のデニス・ホッパーが、余命わずかとささやかれる中、ハリウッドの殿堂「ウォーク・オブ・フェイム」の星を授与され、26日に行われた授与式に出席した。現在5人目の妻のヴィクトリア・ダフィと離婚訴訟中のホッパーは昨年前立腺がんを患っていることを公表したが、その後、転移が進み、担当医は今後回復の見込みはないと診断している。このため、数日前に行われた離婚裁判への出廷にはドクターストップがかかったが、栄誉を讃えられる授与式への出席という経験はポジティブな方向に働くとの判断で、出席にゴーサインが出た。ホッパーの名前が刻まれた星型プレートを設置したハリウッドのエジプシアン・シアターの前には、1969年のホッパー監督・出演作『イージー・ライダー』で共演したジャック・ニコルソン、ヴィゴ・モーテンセン、デヴィッド・リンチ、ドワイト・ヨーカムら友人が駆けつけた。ニコルソンは『イージー・ライダー』をモチーフにした柄のシャツを着て、盟友の肩を抱き、祝福の言葉をかけた。ホッパーはスピーチで「今日ここに私が招待した人々も、そして招待しなかった人々も言うまでもなく、私の人生をとてつもなく豊かなものにしてくれました」と半生をふり返り、「私は全てをハリウッドから学びました。ここは私のホームであり、学校でもあった。みなさんを愛しています。ただ、ありがとうと言いたい。(殿堂入りは)私にとって本当に大きな意味のあることです。みなさん、本当にありがとう」と心から感謝の言葉を述べた。闘病の結果、体重が100ポンド(約45キロ)を切ったというホッパーは弱々しい姿だったが、45分間のセレモニーの間は自力で歩き、過去の結婚でもうけた子供たちや孫や友人に囲まれ、幸せそうな笑顔を絶やさなかった。ちなみに額と右手に包帯が巻かれていたが、これは彼の前に飛び出してきたパパラッチとぶつかって転倒したため。「顔から倒れ込んだんだ。手には眼鏡を持っていたし、大変なことになっちゃったよ」と本人は苦笑いしながら語っていた。両親は離婚係争中でも、7歳の娘は大好きなパパに抱きついて記念撮影。ハリウッドの悪童で鳴らした老優が愛娘を見つめる瞳は、優しく澄んでいた。(text:Yuki Tominaga)© REUTERS/AFLO■関連作品:エレジー 2009年1月24日よりシャンテ シネ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2008 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC. All Rights Reserved.■関連記事:ペネロペ・クルスを新たな高みに導いた『エレジー』 イサベル・コイシェが描く恐怖年齢差30歳の男女が織り成す愛の傑作『エレジー』試写会に15組30名様をご招待映画賞レースもいよいよスタート!インディーズ映画のゴッサム映画賞授賞式が開催【TIFFレポート31】ペネロペの一押しで傑作ラブストーリーを映画化『エレジー』
2010年03月29日来年3月の第82回アカデミー賞授賞式を前に、同賞の名誉賞授賞式「ガヴァナー・アワード」が14日、ハリウッド&ハイランドのグランド・ボールルームにて開催され、往年のフィルム・ノワールのヒロインとして名を馳せ、いまも活躍中のローレン・バコールらが受賞した。85歳のバコールは『マンハッタン・ラプソディ』で助演女優賞候補になった経験はあるが、オスカー受賞はこれが初めて。デビュー作『脱出』で共演し、後に結婚した故ハンフリー・ボガートについて、「わたしに命を吹き込み、人生を変えてくれた」と話した。この日はボガートとの間にもうけた息子であるスティーヴン・ボガートと、死別後に結婚した元夫の故ジェイソン・ロバーズの息子・サムも母親に付き添って来場していた。ほかに、低予算のB級映画の帝王として知られ、最近はジェイソン・ステイサム主演の『デス・レース』などを手がけるプロデューサー、監督のロジャー・コーマン、『ゴッドファーザー』シリーズや『アニー・ホール』から『カイロの紫のバラ』までのウディ・アレン作品などの撮影を担当したゴードン・ウィリスが名誉賞を受賞した。トム・ハンクス、ジャック・ニコルソン、ウォーレン・ベイティ&アネット・ベニング夫妻、モーガン・フリーマン、スティーヴン・スピルバーグといった錚々たる顔ぶれが600人ほど招待された。例年はアカデミー賞授賞式中に発表される名誉賞が、授賞式本番前に授与されるのは初めてだが、TV生中継もないせいか、会場はリラックス・ムードだったという。(text:Yuki Tominaga)授賞式での一幕。ウォーレン・ベイティやスピルバーグ、ジョージ・ルーカスなど錚々たるメンバーと壇上に立つトム・ハンクス。© Reuters/AFLO■関連作品:デス・レース 2008年11月29日より有楽座ほか全国にて公開© 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:意外と運転上手?「デートでも自分が運転したい」アッキーナが車で行きたいのは?バブルの時代再来?ブラザー・コーン「サザン活動休止のいまが復活のチャンス」いま、“死”が爆走する!『デス・レース』試写会に5組10名様をご招待バブルガム・ブラザーズ、コンビ“復活”宣言「一緒にデス・レース戦っていきたい」GTFトーキョーシネマショー2008『デス・レース』試写会に10組20名様をご招待
2009年11月17日『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞したロマン・ポランスキー監督が26日、アメリカで起こした32年前のわいせつ罪で、スイス当局に拘束されたが、この措置をめぐって、ヨーロッパを中心に映画人たちの間から抗議の声が上がっている。ポランスキーは開催中のチューリヒ映画祭で功労賞を受賞し、27日に行われる授与式に出席するため、チューリヒ空港に降り立ったところで身柄を拘束された。ロサンゼルス郡検察当局の報道官はポランスキーの渡航情報を事前に入手し、スイス警察当局に逮捕状を送っていたと明らかにしている。ポランスキーは1977年に、自身の監督作『チャイナタウン』に主演したジャック・ニコルソンのハリウッドの邸宅で当時13歳だったモデルの少女に薬物とアルコールを摂取させ淫行したとして逮捕された。翌78年に訴追されたが判決前に出国し、その後フランスに拠点を置いた。米国に入国すると逮捕されるため、アカデミー監督賞を受賞した際も訪米はせず、米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる国への渡航も控えていたポランスキーは罪状取り下げを請求していたが、ロサンゼルス地裁は棄却した。76歳のポランスキーはフランスとポーランドの二重国籍であり、両国はスイス当局に対して、ポランスキー釈放を求めている。また、フランスでは「国際的かつ文化的な場で現代の最も偉大な映画作家の1人を表彰しようとした夕べが、警察によって利用された」という内容の抗議文が作られ、コスタ・ガヴラス、ウォン・カーウァイ、モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・トルナトーレなど、ヨーロッパを中心に世界の映画人たちが署名。ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督も、ポランスキー釈放を求める声明を発表した。少女との関係は同意の上、と主張してきたポランスキーは、ロサンゼルス郡検察への身柄引き渡しに対して徹底抗戦する構えだと、彼の代理人は語っている。ハリウッドでのキャリアが絶たれたことを贖罪とみなすか、それとも罪は償われないままと判断されるのか。今後の展開が気になる。(text:Yuki Tominaga)写真は昨年、イタリアのTV番組に出演した際のポランスキー監督。© Rex Features/AFLO
2009年09月29日当代きってのスターとして幅広い活躍を見せるヒュー・ジャックマン。彼にとってハリウッド進出のきっかけとなったのが、2000年に始まり、これまでに3作品を数える人気シリーズとなった『X-MEN』である。彼が演じる、どこか悲しみを湛えた瞳が印象的なウルヴァリンというキャラクターは、性別を問わず多くのファンの心をわしづかみにした。ヒューが、プロデューサーとしても製作に携わり、満を持して送り出す最新作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で描かれるのは、ウルヴァリンの誕生の秘密。“最もセクシーな男”が演じる、シリーズで最も高い人気を誇る最強の戦士の物語――これが面白くないはずがない!公開を直前に控え来日した彼に話を聞いた。「自分とかけ離れたキャラクターだからこそ、やりがいを感じる」続編を製作するということは、当然のことながら前作を超える面白さを要求される。彼の手元には、本シリーズ以外の様々な企画、多彩な役柄のオファーが届いているはず。それでもなお4度にわたってウルヴァリンを演じたいと思わせる、この役柄の魅力はどんなところにあるのだろうか?「まず第一に言えるのは、僕自身、常に挑戦する気持ち、もっと高いところ、さらなる深みを求める気持ちを持っているということ。ウルヴァリンは、葛藤や対立など多くのものを抱えている。僕自身とは全く違う、かけ離れたキャラクターだからこそ、やりがいを感じるんだ。今回の作品に関して言えば、これを僕は『X-MEN4』だとは考えていなくて、新鮮な気持ちで臨む新たな出発点としたかった。この作品で、僕自身が思い描いていた『ウルヴァリンはこうあるべき』という姿に到達できたと思う。単に強大な筋肉を持っているというだけでなく、動物的で危険なオーラをまとったウルヴァリン――イメージしていたのは『ケープ・フィアー』(’91)に出演したロバート・デ・ニーロなんだ。シャツを脱いだ瞬間に観る者に恐怖を感じさせる、そんな雰囲気を出したかったんだ」。特異能力を持ったミュータント同士の戦いのシーンは息をもつかせぬ激しいアクションの連続!ウルヴァリンの前に立ちはだかる兄・ビクター(リーヴ・シュレイバー)とのシーンでは、思わず本物のパンチが相手に入ってしまうこともあったとか。「できる限りのリアリティを求めて撮影を進める中で、それは致し方ないこと。実際、リーヴが僕に向かって飛び込んでくるシーンでは、彼がワイヤーに吊られている状態ですごいスピードで突っ込んできて、肋骨が折れるんじゃないかと思ったよ。彼は彼で、腕を脱臼しかけていたよ」。気になる次作…日本での撮影のうわさは?こうしたアクションに加え、ウルヴァリンと彼の周囲の人々との人間ドラマの部分もまた、本作の見どころとなっている。「実は、アメリカでは過去の3作に比べて女性客の割合が多くて、48%とほぼ半数を女性が占めているんだ。今回の作品ではラブシーンも、兄弟のドラマもある。ウルヴァリンが愛する女性のために生きる姿が描かれるし、一方で本能のままに進むのか?それとも人間の世界にとどまるのかという内面的な葛藤も映し出される。こうした部分に多くの女性が共感してくれたんじゃないかな」。さて、新作が到着したばかりで少し気の早い話ではあるが、巷ではすでに次作についてのうわさが…。次作は日本を舞台としたエピソードになると言われているのだが、日本人俳優の起用も含め、進行状況はいかに?「僕自身、原作の中で一番面白いと思うのが『日本編』のエピソードで、ぜひこれを映画化したいんだ。とはいえ、まだ脚本を執筆している段階だよ。『ユージュアル・サスペクツ』や『ワルキューレ』を手がけたクリストファー・マッカリーが担当しているんだ。(日本国内の)本格的なロケハンはまだまだ先のことだけど、個人的にやってるよ!すでにウルヴァリンが食事をするレストランはいっぱい見つかったね(笑)。現段階で、3人の重要な女性キャラクターが出ることが決まっていて、そのうち2人は日本人であることが確実だね」。最後に、4作にわたってウルヴァリンを演じてきヒューが得たものは?と尋ねると、こんな答えが返ってきた。「僕自身、若い頃は結構短気で、すぐにカッとなっていたものだけど、ウルヴァリンを演じる上ではそうした感情の昂ぶりが必要になってくるんだ。そうすると、それが一種の“セラピー”のような役割を果たしてくれて、演じているうちにいろんなものが体から抜けていくんだ。撮影中に家に帰ると妻が言うんだよ。『あなた、ウルヴァリンを演じているときが一番いいわ!』って(笑)」。■関連作品:ウルヴァリン:X-MEN ZERO 2009年9月11日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開X-Men Character Likenesses TM & © 2009 Marvel Characters, Inc. All rights reserved. TM and © 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.■関連記事:ヒュー・ジャックマン最新作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』オリジナル腕時計を1名様にプレゼント佐藤隆太、ヒュー・ジャックマンに続編出演を懇願「ウルヴァリンのためなら何でも!」ヒュー・ジャックマンの魅力を詰めこんだ『ウルヴァリン』特別映像が到着!負けず嫌いウルヴァリン「俺が主役だ!」ヒュー・ジャックマン来日で続編の真相も?キャスト陣舞台挨拶付き『ウルヴァリン』ジャパン・プレミアに15組30名様ご招待
2009年09月08日