整体師の大山奏です。体幹トレーニングというと、なんだかハードルが高いと感じるかもしれません。ですが、実際はそんなに難しいものではありません。目に見える筋肉ではないですが、体幹を鍛えることは年齢とともになまってしまう体の健康を維持するためにも重要です。普段の生活の中で簡単にできるトレーニングなので、気軽に取り組んでみてくださいね。今回は、体幹全体を使ってバランス力をアップするトレーニングをご紹介します。両脚を少し開いて立った状態からスタートします。片脚立ちになり、上げた脚を前、横、後ろの順に動かしていきます。○片側の脚への重心を意識し、もう一方の脚を動かすまず片脚を持ち上げたときに、支えている方の足にしっかりと重心を乗せましょう。地面に着いた足から頭までが一本の棒でつながっているイメージを持つとわかりやすいかもしれません。呼吸は自然に行いながら、持ち上げた脚を前から横を通して後ろに持ってきます。そして再度前に出します。最初倒れそうになって危険だと思ったら、手でバランスをとってみてもいいですよ。○上半身が傾いているのはNGポイントは真っすぐに立ち続けることです。体幹にしっかり力をいれて、脚を動かしても上半身が傾かないようにします。また、膝は全く曲げてはいけないということではありませんが、なるべく伸ばした状態で行います。太ももに力をいれれば真っすぐに立てるように感じますが、実際には腹筋や背筋にも力をいれることが重要なんです。試しに太ももだけに力をいれて立ってみると、ぐらぐらしてしまうのがわかると思います。○通勤中や会社の休憩中にもトライ人によってバランス力があるかないかは違うので、基本回数を決めるのは難しいですが、左右とも5回ずつ宙に円を描くところからスタートしてみてください。慣れてきたり、最初からハードルが低いと感じたりした場合は、脚の動かし方を変えてみましょう。例えば、脚で8の字をかいてみます。脚を少し高く上げてみてもいいです。スピードを速めても難しくなりますよ。このトレーニングなら、通勤途中で立っているときや、会社での休憩時間など少しの時間があればできますよね。もちろん家で行ってもいいですが、時間が無いのに無理をしようとすると続きません。「できる場所」で「できること」から少しずつはじめてみてくださいね。○筆者プロフィール: 大山 奏(おおやま かなで)スピリチュアルと運動が好きなアウトドア系ライター。整体師。癒やしを与えられる人になろうとアロマテラピーインストラクター・セラピストへ向けて勉強中。ストレス解消法は神社巡りと滝行。スピリチュアル系雑誌の執筆から脳科学・恋愛記事まで、興味のあるものには迷わず挑戦している。ブログ「ひよっこライター大山奏」では、日々の出来事を思うままにつづっている。また、これまでのさまざまなストレッチをまとめた電子書籍も販売中。
2015年11月02日厚生労働省は20日、「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」の結果を発表した。期間は、平成26年4月~平成27年3月。対象は、コース別雇用管理制度導入企業の118社。○平成26年4月採用、総合職女性は2割コース別雇用管理制度とは、「総合職」「一般職」といった労働者の職種、資格などに基づき複数のコースを設定し、コースによって異なる配置・昇進などの雇用管理を行うシステムを指す。平成26年4月の採用者の男女比率をみたところ、総合職の割合は、女性が22.2%(前年より3.1pt増)、男性が77.8%(前年より3.1pt減)だった。一般職では、女性が82.1%(前年より2.2pt減)、男性が17.9%(前年より2.2pt増)となった。応募者数に占める採用者割合は、総合職では、女性は2.3%(採用倍率44倍)、男性は3.3%(採用倍率30倍)となった。一般職では、女性は4.4%(採用倍率23倍)、男性は8.8%(採用倍率11倍)だった。平成17年4月の総合職新規採用者について、「10年後(平成26年4月時点)での役職等の状況」をみると、女性は58.6%で「離職」が最多となった。次いで、「一般職員」(33.1%)、「課長相当」(4.0%)と続いた。男性の最多は38.1%で「一般職員」だった。以降、「離職」(37.1%)、「係長相当職」(15.5%)となった。
2015年10月27日作曲家フランク・ワイルドホーンが生んだ名作『ジキル&ハイド』が来春、石丸幹二の主演で再び登場する。2001年の日本初演以来、鹿賀丈史が演じてきたタイトルロールを2012年に石丸が継承。新たな魅力をたずさえてバージョンアップした大ヒット・ミュージカルだ。 “人間の善と悪”をテーマとした悲劇において医師ジキル博士と悪の化身ハイド氏に扮する石丸は、「最初は、“鹿賀さんが積み上げてこられた作品の良さを引き継いでいかなくては”という重責に思いが揺れましたが、世界中で上演されている作品ですし、いろんな『ジキル&ハイド』があっていいんだ、という思いに至りましたね」と、穏やかな微笑みで前回公演を振り返った。ミュージカル『ジキル&ハイド』チケット情報「鹿賀さんはハイドを演じている時が非常に艶っぽくて、非常に魅力的だという話をよく耳にしていました。僕自身は、ジキルの部分で自分らしさを出していけたらと考えたんですね。なので、けっして単なる善人ではない、ハイドになる可能性の高い内面を持ったジキルを作り上げました。だからハイドになってしまったんだ……という意味づけをしっかりしたことで、人間の持つ闇の部分にエッジを立てた役作りができたのではと思っています。この作品は、非常に野心を持った男の生きざまを表現している物語だと思うんですね。悲劇ではありますが、とても人間臭い話だと。今回も、ご覧になる方がどこかで共感していただけるような、そんな舞台になればと願っています」前回の新スタートを強力に支えたふたりの歌姫、ハイドに翻弄される娼婦ルーシー役の濱田めぐみと、ジキルの婚約者エマ役の笹本玲奈も再集結し、豪華競演に期待がかかる。「時が人間を育てますから、共演するメンバーもこの間に多くの作品を経験して進化しているはず。どんな化学反応が起きるのか、楽しみですね。2012年とは違った解釈で、また新たな『ジキル&ハイド』をお見せしたいと思っています」これまで多くの観客が魅了された本作を石丸が今後長い時をかけ、熟成させていく過程を見届けたい。その願いに「体力の続く限りは(笑)。お客様に“またやってほしい”と思われる『ジキル&ハイド』を演じたいですね」と意欲十分の笑みが返ってきた。「人として味のある、心のひだの細かい役者でいたいんです。僕は、僕らしく」公演は3月5日(土)から20日(日・祝)まで東京国際フォーラム ホールC、3月25日(金)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットぴあではチケットのインターネット先行を実施中。取材・文上野紀子
2015年10月26日理化学研究所(理研)は10月23日、多能造血前駆細胞を生体外で増幅させる新しい培養法を開発したと発表した。同成果は理研統合生命医科学研究センター 融合領域リーダー育成(YCI)プログラムの伊川友活 上級研究員、京都大学再生医科学研究所 再生免疫学教室の河本宏 教授らの共同研究チームによるもので、10月22日付けの米科学誌「Stem Cell Reports」オンライン版に掲載された。伊川上級研究員らはこれまでの研究で、転写因子E2Aを欠損するとB細胞への分化が初期段階で停止し、B前駆細胞が多能性をもつ造血前駆細胞としての特長を示すことを明らかにしていた。今回の研究では、E2Aの阻害タンパクであるId3を導入したマウスの造血幹細胞群を、B細胞への分化を誘導する条件下で培養すると、前駆細胞段階で分化が停止し、多能造血前駆細胞が増幅することがわかった。この細胞は約1カ月で1万倍まで増殖し、培養を続ける限り増え続けた。また、この前駆細胞をマウスに移植したところ、リンパ球や顆粒球などの白血球を作り出したほか、同様の方法を用いてヒトの臍帯血の多能造血前駆細胞を増幅することにも成功した。同研究グループによって「iLS細胞」と名付けられた同細胞は、生体内では増えないため造血幹細胞とは異なるが、体外で無限に増やせる特性を利用すれば、がんに対する免疫細胞療法へ応用できると考えられている。同研究グループは今後、ヒトの造血幹細胞の増幅効果がマウスに比べて低いことや、遺伝子導入のためにレトロウイルスを用いている点などを克服することで、実用化につながることが期待できるとしている。。
2015年10月23日Peach Aviationは23日より、新たな自動チェックイン機を導入することを発表した。同機は本日より関西空港第2ターミナル国際線に5台導入を開始し、今後就航する各国内空港にも順次導入していく。新チェックイン機は、関西空港のお膝元である大阪を拠点とする「屋根裏設計」のデザイン・ディレクションのもと開発された。外装の素材には段ボールを用いた仕様で、従来比2倍となる大型モニターを搭載した。段ボールを素材とした理由として、第一にコスト削減効果が挙げられている。建築家と共同開発することで機材としての性能や強度を保ちつつ、コストを抑えてチェックイン機を大型化。同サイズのチェックイン機を製造する際に発生するコストと比較すると、約5分の1のコストで製造することが可能という。また、段ボール素材である利点として、外装の着せ替えが容易に行えることも挙げた。ブランドのロゴや新商品のアイコンを掲載するなど広告媒体としての利用や、就航先の催しにちなんだ絵柄を当地の機体にのみ採用するなどの活用を想定しているとのことだ。
2015年10月23日こんなの待ってた!ジェルオイル美容液株式会社ソルテルアは、新タイプのジェルオイル美容液「ソルテルア ジェルオイル美容液」を、10月20日より発売開始した。植物と果実から作られたこの美容液は、手のひらの体温でジェルが溶け出し、なめらかなオイルへと変化。ベタつきがなく、自然に肌へ馴染んでいく。7種類の精油をブレンドした、オーガニックアロマオイルの香りも心地よい。シアバター由来成分を80%以上も配合しているため、乾燥をやわらげる高い保湿性がある。キメが整い肌にハリが出てくることも、すぐに実感できるはず。スキンケアにもメイクにもまた、ジェルタイプは持ち歩きもしやすく、乾燥が気になるこれからの季節にも重宝する。外出先のメイク直しはもちろん、アイケアやヘアケア、マッサージアロマオイルにも使える優秀アイテムだ。また、洗顔フォームに混ぜて使ったり、手持ちのリップと混ぜてグロス効果を出したりと、使い方は多岐にわたる。リキッドファンデーションに混ぜればツヤのある質感を出せるし、チークに混ぜて練りチークにするのもいいだろう。この万能美容液は、20mlで6,200円(税込)。ソルティアのオンラインショップで購入できる。(画像はプレスリリースより)【参考】・ソルティアオンラインショップ・株式会社ソルテルアプレスリリース
2015年10月22日IDC Japanは14日、国内の企業における、企業向けモビリティソリューション導入/検討状況を調査し、その問題点および導入ポイントについて分析した結果を発表した。これによると、タブレットの導入率が高い企業で「高い導入効果が出た」と回答する企業が多いことが判明した。モビリティソリューションに対する投資を主導する部署は、本社部門や経営者管理部門が35.0%と最も多く、次いでIT部門が25.1%となった。この結果に対し、同社はPCなどの一般的な機器導入は、IT部門が主導することが多いが、モビリティソリューションは企業内における新たな市場分野であり、本社部門や経営/管理部門を中心に運用ルールを定めながら導入することが求められるためと分析している。モビリティソリューションの導入目的としては、50.1%の企業が「生産性の向上」と回答。しかしながら、「販売や売上額の増加」は約23%、「カスタマーサービスの改善」は約12%と低い回答率となり、「工数/業務効率改善」を細分化した目標の項目も同様に低い回答率にとどまっており、導入にあたっての具体的な目標設定がされている企業が少ないことが明らかになった。モビリティソリューション導入した企業の同ソリューション投資に対する評価は、約57%の企業が「会社上層部の期待に添っている」と回答。また、タブレットとスマートフォンの社内導入率と評価を分析すると、それぞれの機器の導入率が40%を超える企業では、タブレット導入企業の「上層部の期待に添っている」とする回答率がスマートフォンよりも高い傾向となった。この結果については、モバイル機器の社内導入率が上昇することで、業務アプリケーションなどへの展開が進み、より大画面のタブレットで導入効果が出やすくなっているためとしている。IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、「モビリティソリューションでは効果測定が十分にされないために、継続的な導入が進みにくい傾向が見られる。効果測定が十分にされていない1つの理由は、導入段階で導入目的を十分に細分化できていないことにあると考えられる」と分析結果を述べている。
2015年10月16日東北大学は10月5日、ヒト皮膚由来多能性幹細胞(Muse 細胞)を用いて脳梗塞動物モデルの失われた神経機能を回復することに成功したと発表した。同成果は東北大学大学院医学系研究科の出澤真理 教授と冨永悌二 教授らのグループによるもので、9月21日に米学術誌「Stem Cells」に掲載された。Muse細胞は骨髄・皮膚などに存在する腫瘍性を持たない多能性幹細胞で、肝細胞、筋肉、神経、グリア細胞、皮膚色素細胞、表皮、血管などへの分化が報告されている。同研究では、脳梗塞ラットにMuse細胞を移植した結果、梗塞部位に生着して自発的に神経細胞に分化し、大脳皮質から脊髄までの運動・知覚回路網を再構築した。また、脳梗塞で失われた運動・知覚機能の回復は約3カ月後も維持され、腫瘍形成は見られなかった。また、移植前にMuse細胞を神経に分化誘導する必要がなかったことから、脳梗塞に対して皮膚や骨髄などからMuse細胞を採取し移植することによって機能を回復する治療が実現する可能性があるという。今後、比較的小さな脳梗塞が単純構造の部位で生じ、かつ高度の症状を示すタイプの脳梗塞である「深部白質梗塞」に対してMuse細胞自家移植による「深部白質梗塞治療」に対してMuse細胞を用いた治療の開発を進め、3年以内に前臨床試験を終了し、臨床応用に移行することを目指すとしている。
2015年10月06日神奈川大学は9月30日、「何世代にもわたって細胞分裂できるモデル人工細胞」の構築に成功したと発表した。同成果は同大学理学部の菅原正 教授らの研究グループによるもので、9月29日の英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。菅原教授らはこれまでの研究で、細胞膜に見立てたジャイアントベクシルという直径3~10μmの人工分子膜でできた袋が、外部から膜分子の原料を取り込み、膜内でその原料から膜分子を作り出すことで自らを成長・分裂させ、さらに内部で染色体のモデルであるDNAを増幅することを報告していた。しかし、分裂後はDNAの複製に必要な原料分子が枯渇し、親細胞と同様の効率よい分裂を行わせることができなかった。今回の研究では、DNA複製の原料を外部から摂取する方法を開発し、DNAが枯渇した子供細胞に、内部でのDNA複製能力を回復させ、孫細胞を作らせることに成功。さらに、この人工細胞では現実の細胞と同様に摂取期、複製期、成熟期、分裂期を巡回する周期性が存在することを確認した。今後、この人工細胞が繰り返し分裂していく中で優れた形質をもつ「変異種」が出現し「進化」するモデル人工細胞が誕生する可能性もあるという。同研究グループは今回の成果について「物質からどのようにして生命が誕生したかの謎の解明に通じる研究であり、原始地球での生命誕生や、原始生命からどのような形で萌芽的な進化の仕組みを備えるに至ったかを知る手がかりになる」としている。
2015年09月30日富士フイルムは9月29日、iPS細胞由来分化細胞の開発・製造・販売会社「セルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパン」を10月1日付けで設立すると発表した。まずは、富士フイルムが2015年5月に買収した米Cellular Dynamics Internationalが製造した創薬支援向けiPS細胞由来分化細胞を輸入し、国内の大学や研究機関、企業などに販売していく。今後、国家戦略特区および国際戦略総合特区に指定されている神奈川県川崎市の殿町地区に製造・研究開発拠点を設立する計画で、将来的には良質なiPS細胞由来分化細胞を大量生産し、国内に安定供給していくとしている。
2015年09月29日宝石みたいな新コスメ9月16日、コスメブランド『Perle de Bijou(ペルル ド ビジュー)』より、真珠エキスをはじめとした美容液成分配合の新アイテム「美容液&アイライナー」「美容液&マスカラ」が発売される。『Perle de Bijou』は、「ちょっぴり不思議な宝石箱をひろげたジュエルコスメ」がコンセプトのコスメブランド。もっと可愛くなりたいという願望と、メイクをしながらのスキンケアを同時に叶える欲張りアイテムが今月登場する。極細ライン、ロングまつげも自由自在ブラックとブラウン2色展開の「美容液&アイライナー」は、インクを直接容器に詰めた直液タイプ。最後の一滴までかすれることなく、美しい線が描けるアイライナーだ。『生コラーゲン』『真珠エキス』など9種の美容液成分を配合し、より美しい目元を作り出す。「美容液&マスカラ」には、育毛成分『生ケラチン』『キャピキシル』など、なんと27種の美容成分を配合。重ねるほどにぐんぐん伸びる「ロングラッシュマスカラ」と、ダマにならずふさふさのまつげが作れる「ボリュームラッシュマスカラ」の2タイプから選べる。価格はそれぞれ1200円(税抜)。メイクとスキンケア、どちらも手抜きしたくない女性にオススメの新コスメだ。(画像はプレスリリースより)【参考】・ボーテ・ド・モード株式会社プレスリリース・Perle de Bijou
2015年09月16日東京大学は9月11日、ヒトiPS細胞から肝細胞および胆管上皮細胞を簡便かつ効率的に作製する方法を開発したと発表した。同成果は同大学分子細胞生物学研究所の木戸丈友助教と宮島篤教授らの研究グループによるもので、9月10日に米科学誌「Stem Cell Reports」オンライン版に掲載された。近年、ヒトiPS細胞から肝細胞を誘導する試みが活発に行われているが、iPS細胞から肝細胞を誘導するには、さまざまなサイトカインによる多段階かつ長期間の分化誘導を必要とすること、また、全てのiPS細胞を均一な成熟肝細胞に分化させることが困難であるといった問題があった。今回の研究では、新たに肝前駆細胞のマーカーとしてCarboxypeptidase M(CPM)とうい物質を同定し、ヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導系からCPMの発現を指標にして自動磁気分離装置によって、簡便に効率よくヒトiPS細胞由来の肝前駆細胞を分取することに成功した。この肝前駆細胞は、肝細胞と胆管上皮細胞への分化能を維持したまま増幅することが可能だという。また、成熟肝細胞の性質を長期に渡って維持することから、薬物の毒性試験、新規薬物の探索、細胞治療などへの利用が期待できる。同研究グループが開発したヒトiPS細胞由来成熟肝細胞調製法は、迅速かつ低コストで肝細胞の大量調製を可能にするだけでなく、B型およびC型肝炎ウイルスやマラリアが感染する可能性もあるため、感染機構研究のツールとしての可能性もあるとしている。
2015年09月11日日立製作所(日立)と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は9月7日、健常人iPS細胞パネルの構築に向けた協力をすることで合意したと発表した。CiRAでは、さまざまな病気の患者の細胞からiPS細胞(疾患特異的iPS細胞)を樹立し、公的な細胞バンクに寄託することで、多くの研究者や企業が使用できる環境を整備している。研究を進める上では、疾患特異的iPS細胞やそれに付随する診療情報で構成された「疾患特異的iPS細胞パネル」に加えて、これらの疾患を持たない人の細胞から樹立したiPS細胞と健康に関するデータで構成された「健常人iPS細胞パネル」の整備も不可欠となる。今回の合意により、今後、日立が運営する日立健康管理センタで、健康診断に訪れる健常人からドナーを募り、CiRAにおける日立の健常人iPS細胞パネル(日立iPS細胞パネル)の構築を進めることになる。具体的には、9月以降から同センタで、ドナーから血液を採取し、匿名化した健診データとともに、CiRAに提供。その後、CiRAが血液細胞からiPS細胞を樹立し、さまざまな年齢、性別の人からなる100名程度の「日立iPS細胞パネル」の構築を目指す。なお、樹立したiPS細胞のうち、ドナーの同意を得たものは、公的な細胞バンクである理化学研究所バイオリソースセンターに寄託される。健常人iPS細胞パネルの構築には、多数の健常人ドナーを確保するとともに健診データと関連付ける必要があるが、日立健康管理センタは、長期にわたり継続的に健診データを収集・活用してきた実績をもち、有用性の高い「日立iPS細胞パネル」の構築に貢献できると考えられている。同合意について日立は「『日立iPS細胞パネル』の構築は、iPS細胞の医療応用に向けた重要なプラットフォームを構築するものとして、社会的意義も極めて高いと考えています。」とコメント。健常人iPS細胞パネルの構築や疾患特異的iPS細胞パネルとの比較研究を通じて、特定の病気の発症原因および進行過程など、これまでわからなかった病気の詳しい原因の解明や、新たな治療法・医薬品の開発などにつながることが期待される。
2015年09月07日東京大学は9月2日、培養細胞で高い増殖能を有するインフルエンザウイルスの作出に成功したと発表した。同成果は東京大学医科学研究所ウイルス感染分野の河岡義裕 教授らによるもので、9月2日に英国科学雑誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。現在、季節性インフルエンザワクチンは受精卵でウイルスを増殖させて製造しているが、その製造過程で抗原変異が起こりワクチンの有効性が大きく低下することが知られていた。一方、培養細胞でウイルスを増殖すると抗原変異が入る危険性が低減され、より有効なワクチンを製造することが可能になる。しかし、培養細胞ではウイルス増殖性が悪いという欠点があった。今回の研究成果では、インフルエンザウイルスの2種類の主要な抗原タンパク質を入れ換えるだけで、理論的にはどのような型のウイルスでも同様の方法で高増殖性ウイルスの作出が可能となることがわかった。河岡教授がすでに発表していたリバースジェネティクスの手法を用いるという。現在、高病原性インフルエンザウイルスによるパンデミック対策として、国が迅速な製造が可能な培養細胞を用いて製造するパンデミックワクチンの備蓄に取り組んでいるが、生産性の低さが問題となっている。今回の成果は、従来の季節性インフルエンザワクチンに比べ高い有効性が期待できるだけでなく、パンデミック発生時には迅速かつ十分な量のワクチン供給を実現するものとして期待される。
2015年09月03日免疫生物研究所は8月31日、遺伝子組換えカイコによるヒトラミニン511-E8フラグメントの生産に成功し、iPS細胞などの培養足場として有効なラミニン511-E8を安価に製造する方法を確立したと発表した。また、ラミニン511-E8の独占的販売権を有するニッピによる研究用試薬の販売へ向け、ニッピとの売買取引契約締結などの協議を開始したことを明らかにした。ラミニン511-E8は、大阪大学や京都大学によってiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞の培養足場材として有効であることが確認されている。同社は遺伝子組換えカイコによる各種有用タンパク質の生産技術を開発している。遺伝子組換えカイコの生産系は、特に、複数のサブユニットから構成される高分子量のタンパク質生産に適しており、ラミニン511-E8も効率よく生産できることがわかった。免疫生物研究所は「これにより、高性能の細胞培養足場材であるラミニン511-E8の普及が促進し、iPS細胞などを利用した再生医療研究が加速されることを期待している」としている。
2015年08月31日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月28日、NEDOプロジェクトの支援を受けてスペース・バイオ・ラボラトリーズが開発した重力制御装置「Gravite」が米国航空宇宙局(NASA)ケネディー宇宙センターに新設された「微小重力シミュレーターセンター」に設置されることを明らかにした。同装置は、NEDOプロジェクトとして行われた、同社およびツーセル、広島大学らが行った関節を包む膜である滑膜中に存在する間葉系幹細胞を安定的かつ1012個以上といった大量供給・保存する基盤技術の研究開発、ならびに微小重力下での細胞培養法の検討により得られた知見を元に開発されたもの。今回、同センターに設置される装置は、さらにスペース・バイオ・ラボラトリーズが独自改良を施し、直行2軸で試料を回転させ、重力ベクトルを全方位に分散させることにより、国際宇宙ステーション(ISS)と同様の10-3Gの模擬微小重力環境を実現可能としたほか、単軸回転の遠心力を利用した2~3Gの過重力環境の実現も可能としたもの。また、理論的な重力環境の変化を可視化することを目的に、加速度センサによってリアルタイムにモニタリングする機構も装備しており、これらを活用して、宇宙での微小重力実験との比較検討が行われる予定のほか、今後、どのような研究が宇宙での実験で有用なのかを調べることなどにも活用されていく予定だという。なお、同装置は、NASA公認の模擬微小重力装置として、2015年10月より主に研究用途向けに販売が開始される予定のほか、NEDOプロジェクトの成果である大量の細胞培養を可能にする専用培養容器搭載型「Gravite」も、2017年をめどに販売する計画だという。
2015年08月28日Jetrunテクノロジは8月21日、NTTドコモが提供する開発者向けAPI提供サイト「docomo Developer support(dDs)」向けに、ヒトとロボットが交わす話題を約1900のジャンルに分類するAPIと、日常生活の調和を約26のパターンで判定するAPIの提供を、8月19日から開始していることを発表した。dDsは、NTTドコモが保有するAPIをより便利に利用できるAPI提供サイトとして2013年に開設された。APIを活用した共同事業開発プログラムを展開し、開発者や企業との協創の取り組みを推進しており、現在17種類の多様なAPIをラインナップしている。今回、このdDsへ提供されるカテゴリ分析APIは、テキスト化された文章を約1900のジャンル(話題)に機械的に分類し、ロボット対話におけるアルゴリズムの構築やキュレーションアプリにおけるパーソナライズの最適化に活用できるもの。また、センシティブ分析APIは、公序良俗に反するようなセンシティブな話題を約26のパターンに分類し、掲示板などへの投稿記事のなかから、誹謗中傷へ該当する記事の検知、薬物やジェンダーについての話題も検知し、より多様性のある商材の構築に活用できるものとなる。Jetrunテクノロジは、NTTドコモが提供するスマートフォン向け音声エージェントサービスへ2012年からテキスト解析エンジン「TrueText(トゥルーテキスト)」を提供しているが、上記2つはどちらも、このTrueTextを搭載した開発者向けのAPI。成長が著しいモバイルコンテンツ市場においても、コンテンツの有用性とスピードを維持しながら利用者へ提供できるという。
2015年08月24日京都大学(京大)iPS細胞研究所(CiRA)は8月20日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者のiPS細胞から筋肉の細胞へと分化させることにより、細胞レベルで病気の初期病態を再現することに成功したと発表した。同成果は、京都大学CiRAの庄子栄美 特定研究員(元京大 再生医科学研究所大学院生)、同 櫻井英俊 講師らによるもの。詳細は英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。DMDは男児に発症する疾患で、出生した男児の3000~3500人に1人の割合で発生すると言われている。幼少の頃から発症し、筋肉が萎縮することにより歩行や呼吸などが困難になる進行性の病気として知られ、細胞骨格の一部を構成するたんぱく質の中でも最も大きいジストロフィンタンパク質の欠損により発症することが分かっている。筋肉生検により、DMD患者の筋肉細胞を得られるが、そうして得られた筋芽細胞は、すでに体内で炎症を起こした状態にさらされているために、分化や増殖のスピードが遅くなるという現象が報告されているものの、発症の最初期にどのような変化が起きるのかはよく分かっていなかった。そこで今回の研究では、DMD患者の皮膚細胞からiPS細胞を作製し、筋管細胞を分化させることで炎症性の刺激を受けていない初期病態の調査を目指した取り組みが行われた。こうして得られた細胞株を培養していった結果、培養開始9日後、DMD患者ではジストロフィン遺伝子の発現が見られるのに対し、ジストロフィンたんぱく質が合成されていないことが確かめられたほか、電気刺激を加えて、細胞の収縮を観察したところ、細胞核が複数ある筋管細胞へと分化していることも確認したとする。また、ジストロフィンたんぱく質の発現を回復させる薬剤を導入し、カルシウムイオンの流入量を調べた結果、薬剤を加えた方が、加えていない場合よりも、カルシウムイオンの流入量が抑えられることを確認したほか、細胞が傷つくと、細胞外に漏れ出る酵素の活性割合を調べたところ、コントロール細胞に比べてDMD患者ではクレアチンキナーゼ活性が高まる傾向が認められたとする。なお研究グループでは、今回の手法では、ジストロフィンたんぱく質の発現を回復させる薬剤を用いることで、同一細胞株において病態の改善を確認することができたことから、今後、こうした評価系の活用が新たな創薬の研究に活用されることが期待されるとコメントしている。
2015年08月21日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月20日、NEDOプロジェクトの成果をもとに京都大学・再生医科学研究所とリプロセルが、毒性のないヒトES/iPS細胞用の細胞凍結保存液を開発したと発表した。同保存液はリプロセルが商品化し、8月24日より販売を開始する予定。ヒトES/iPS細胞の凍結保存液には、一般にジメチルスルホキシド(DMSO)が用いられてきたが、DMSOは良好な細胞生存率が容易に得られる一方で、細胞の分化形質が変化してしまう可能性が指摘されている。今回開発した細胞凍結保存液は、DMSOの機能を代替しながらも毒性を示さないため、再生医療分野だけでなく、幹細胞を用いた研究分野における新たな凍結保存法として期待される。
2015年08月20日京都大学は8月20日、ウシ体細胞から生殖系列細胞を含む全ての組織・器官に分化するiPS細胞の作製に成功したと発表した。同成果は同大学大学院農学研究科の今井裕 教授と川口高正氏(現小野薬品工業研究員)、農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所の木村康二上席研究員(現岡山大学大学院環境生命科学研究科准教授)、同研究所の松山秀一 主任研員らの研究グループによるもの。8月19日(現地時間)に米科学誌「PLOS ONE」オンライン速報版に掲載された。iPS細胞などの多能性幹細胞から、生殖系列細胞や組織・器官形成へと細胞分化を誘導するには、ナイーブ型と呼ばれる細胞株が必要となる。これまで、マウスの体細胞ではナイーブ型多能性幹細胞の作製に成功していたが、マウス以外の哺乳類では生殖系列細胞への分化能力が低いプライム型と呼ばれる細胞しか作製することができていなかった。今回の研究では、ウシ妊娠胎仔から得られた羊膜細胞に、マウス由来の多能性関連転写遺伝子を4種類導入し、3種類の薬剤を添加した培養液で培養することによりナイーブ型のiPS細胞を樹立することができた。このナイーブ型iPS細胞を導入したキメラ胚を雌牛に移植し、妊娠90日目に胎仔を回収したところ、脳、心臓、生殖原基などを含むさまざまな組織にiPS細胞の寄与が認められた。また、このナイーブ型ウシiPS細胞は胚体外細胞系列へも分化しうることが示されたことから、体を構成するすべての細胞に分化する能力を有していると考えられるという。同研究グループは今後、ウシ以外の動物種でもナイーブ型のiPS細胞の樹立を試みていくとしている。
2015年08月20日デンソーは8月19日、熊本県天草市に敷地面積2万m2の微細藻類の大規模培養実証施設を建設し、2016年4月より稼働を開始すると発表した。同市の廃校の土地・施設を活用するという。新施設では、同社が特許を保有する微細藻類「シュードコリシスチス」の培養実験を行う。「シュードコリシスチス」は生長が速く、丈夫で培養しやすい特徴を持つ。同社は2008年から「シュードコリシスチス」の研究に着手しており、これまで愛知県西尾市の善明製作所内300m2の敷地で培養を行ってきたが、バイオ燃料の生産効率を高めるため、新施設の建設を決めた。今後、新施設で実証実験を行い、2018年度を目処に、藻から抽出したバイオ燃料の実用化に向けた要素技術の確立を目指すとしている。
2015年08月20日カネカは7月30日、グループ会社であるバイオマスターが運営するセルポートクリニック横浜が、培養脂肪幹細胞を用いる乳房再建療法の臨床研究を9月より開始すると発表した。乳がんの手術で乳房を摘出した場合、精神的な苦痛や日常生活の不都合などが生じるため、乳房再建が試みられる。乳房再建では、自身の背中や腹部の組織を用いる筋皮弁法やシリコンなどの人工物を挿入するインプラント法、脂肪・ヒアルロン酸注入などが行われているが、安全面を含め満足度の高い再建が得られない場合がある。これに対し、臨床研究を開始する再建療法では、自身の少量の脂肪から取り出し培養で増やした幹細胞を脂肪と混ぜることによって乳房を再建する。取り出す脂肪量が従来の脂肪移植にくらべて少なく負担が小さいことに加え、自身の幹細胞と脂肪を用いるため、安全に元の乳房に近い状態への再建が期待できるという。
2015年07月30日大日本住友製薬、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)、日立製作所(日立)は7月24日、ヒトiPS細胞を用いたパーキンソン病に対する再生医療の実用化に向けた共同研究に着手すると発表した。同研究では、ドパミン神経前駆細胞の生産方法の確立などに関する基盤技術および評価手法の開発を目指す。具体的には、抗体を用いたセルソーティングプロセスや中間体および最終製品などの細胞凍結保存の評価手法の開発、細胞自動培養装置の導入に伴う加工プロセス改良時の妥当性評価、非臨床試験での細胞の有効性と安全性についての予備検討ならびに理論構築などが含まれている。3者は同共同研究の成果を用いて、高い安全性と一定の品質を確保した細胞を効率的に大量生産し、安定供給するための生産方法などの確立を目指すとしている。
2015年07月27日タカラバイオは7月24日、歯髄細胞を用いた再生医療の開発について、再生医療推進機構と共同で行うことに合意したと発表した。歯髄細胞は、ヒトの乳歯や親知らずといった、これまで廃棄されていた脱落歯や抜去歯から容易に採取することができ、再生医療への利用が有望視されている。今回の合意にもとづいて両社は今後、歯髄細胞の拡大培養法や凍結保存法などについて研究および開発を進める。タカラバイオは、同共同研究開発を通じて、再生医療に利用可能な歯髄細胞の調製技術の開発や歯髄細胞の培養に適した培地など製品の開発を行い、同技術を応用した再生医療製品の製造開発受託サービスの提供や培地など製品の販売を目指すとしている。
2015年07月27日現在公開中の映画『チャップリンからの贈りもの』の公開記念イベントが21日、東京・恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAで行われ、俳優の石丸幹二が出席した。スイス・レマン湖畔にあるお墓に埋葬されたチャップリンの遺体が盗まれた実際の事件をベースに、遺族の全面協力の元で製作された本作。ドジで間抜けな2人組にスポットを当てながら、チャップリンが実際に住んだ美しい邸宅や墓地をロケ地として登場するほか、チャップリンの息子や孫娘が当時の家族で特別出演している。この日は本作の舞台あいさつが行われ、現在公演中の舞台『ライムライト』でチャップリン役を務めている石丸幹二と日本チャップリン協会会長の大野裕之氏が登壇。1978年に起きたチャップリンの遺体誘拐事件を知らなかったという石丸は「火葬じゃなくてそのまま埋める文化ですから、まさか遺体を持っていくことがあるんだと驚きましたね」と驚がくした様子。本作については「可愛いお嬢さんが出てくるんですけど、その娘のためにお墓を掘る父の姿がとても印象的でした。この映画を見ていると弱者の味方になりますね。どんな貧困でも頑張るんだと応援している自分がいました。チャップリン、すみません(笑)」と感想を述べた。この日は舞台あいさつ中に世界初公開となる『街の灯』のメイキング映像を特別上映。観客と一緒に観た石丸は「チャップリンはチャーミングな人だったんですね。それに我々映画を撮る時は"スタート"の直後無音になるのが当たり前。でも完全に好きなことをしていて準備している訳でもありませんでした。新鮮だしとても貴重な絵でしたよ」とコメント。また、同じ俳優としてチャップリンの魅力を「やはりチャップリンさんはどの映画を見ても愛くるしいいい人なんだと思います。俳優の1人として学びたいし、いつまでも見続けたい作品。僕にとってはテキストでありバイブルですね」と熱く語っていた。
2015年07月22日京都大学は7月22日、急性腎障害マウスにヒトiPS細胞から作製した腎臓の前駆細胞を移植することで、腎機能障害や腎組織障害が軽減することを発見したと発表した。同成果は京都大学iPS 細胞研究所(CiRA)の長船健二 教授グループとアステラス製薬によるもので、7月21日に「Stem Cells Translational Medicine」でオンライン公開された。同研究では、ヒトiPS細胞から「OSR1」と「SIX2」というタンパク質を指標に腎臓の前駆細胞を作製する方法を確立し、その細胞が腎臓の尿細管様の3次元の管構造を作る能力を持ち、腎臓の前駆細胞として十分に機能することを明らかにした。さらに、この方法で作製した腎臓の前駆細胞を、腎障害マウスの腎皮膜下に移植した結果、移植した細胞はマウスの腎臓に一部にはならなかったが、腎機能の検査値である血中尿素窒素値や血清クレアチニン値が、細胞を移植しなかったマウスとくらべて顕著に低下していることがわかった。また、腎臓の組織切片を観察したところ、尿細管の壊死や線維化など、腎臓が障害を受けた時に発生する現象もかなり小さく抑えられていた。この成果について同研究グループは「腎移植を必要とするような人工透析を受けている慢性腎不全の方の場合、腎臓の細胞がほとんど壊れているため、治療には腎臓そのものを作製して移植することが必要であり、今回の方法だけでは治療は困難です。しかし、急性腎障害を負った方の腎機能を回復し、腎障害の慢性化を防げる可能性を示しており、腎疾患にも細胞移植を使った治療が適応できることを示唆しました。」とコメント。今後は、今回の方法を活用した臨床応用の可能性を探りながら、慢性腎臓病や慢性腎不全の治療に向けた研究も進める予定だとしている。
2015年07月22日大好評美容液をリニューアルして登場する「バイタルスピリッツ アドバンスド」株式会社コーセーはプレディアの大好評美容液を、最新のエイジングケア美容液「バイタルスピリッツ アドバンスド」として9月16日から発売する。リニューアル商品は肌に弾力性を与え、女性らしいふっくらした肌へと導くエイジングケア重視の美容液で、基盤となる美容の成分は赤ちゃんをいやし保護する“羊水”のミネラルバランスから発想を得ているという。同ブランドの代表成分である【海洋深層水】に加えて、このたび新しく生命感あふれる素肌を育成する為に必要であるアミノ酸のひとつ【ヒドロキシプロリン】や、海藻が由来になっている保湿成分【キリンサイエキス】など厳選成分が調合されている。そのうえ素肌と相性が良く、浸透性が高い水系および油系2種類のマイクロカプセルもブレンドされているので、乾燥で硬くなりやすい肌をソフトにしながら角質の奥深くまで美容の成分を浸透させ、なめらかで美しい肌へと導いてくれる。また心と肌を優しくいやしてくれる【フレッシュグリーンシプレ】の香りだから、心地良く使用できるだろう。商品の容器には【30ml】と【60ml】および【付け替え用の60ml】の3タイプがあり、容器はブラウン系が使用されたシンプルかつ洗練されたデザイン仕上げだ。(画像はニュースリリースより)【参考】・株式会社コーセーニュースリリース
2015年07月20日京都大学は7月17日、ヒトiPS細胞からヒト始原生殖細胞を効率よく誘導する方法の開発に成功したと発表した。同成果は同大学大学院医学研究科の斎藤通紀 教授(兼 京都大学物質-細胞統合システム拠点 主任研究者、京都大学iPS細胞研究所 研究員)、同研究科の佐々木恒太郎 特定研究員、横林しほり 特定助教らの研究グループによるもので、7月16日(現地時間)に米科学誌「Cell Stem Cell」のオンライン版に掲載された。ヒト始原生殖細胞は卵子や精子のもととなる細胞で、その発生機構はほとんど解明されていない。今回の研究では、遺伝情報を、細菌由来の遺伝子分解・切断酵素などを用いて改変するゲノム編集技術を用いて、ヒト始原生殖細胞で発現するとされている2つの遺伝子「BLIMP1」と「TFAP2C」が発現すると、緑色の蛍光を発するヒトiPS細胞を樹立。そのiPS細胞を用いることで、ヒト始原生殖細胞様細胞を効率よく誘導する培養条件を突き止めることに成功した。得られたヒト始原生殖細胞様細胞は、ヒトの始原生殖細胞と良く似た遺伝子発現パターンを示し、初期のヒト始原生殖細胞に似た状態であることが示唆されたという。また、あらかじめゲノム編集をiPS細胞に用いなくても、細胞を選別するために使われる細胞表面マーカーで生きた細胞を標識することで、ヒトiPS細胞から誘導したヒト始原生殖細胞様細胞を高い純度で単離できることも判明。これにより、原則的にはどのiPS細胞からもヒト始原生殖細胞様細胞を誘導・単離することができるようになった。今後、同研究成果をベースにヒト生殖細胞の発生機構の解明が進み、ヒト精子やヒト卵子の誘導が可能になれば、遺伝情報継承機構だけでなく不妊症や遺伝病の発症機序解明につながる可能性がある。
2015年07月17日都心から約1時間で行ける人気の観光地、鎌倉にもたくさんのハイキングコースがあるのを知っていますか? どのコースも高低差が少ないので初心者もOK。コース沿いには、海が見渡せる展望スポットをはじめ見どころが盛りだくさん。ハイキング後に鎌倉観光が楽しめるのも魅力。ここではおすすめの3コースをご紹介します。■鎌倉駅からほど近い。距離が短く、歴史スポットも巡れる「祇園山ハイキングコース」祇園山は標高約60mの小高い丘。ハイキングコースの入口である大町の八雲神社までは、鎌倉駅から歩いて約10分。鎌倉最古の厄除け神社、八雲神社を参拝し、本殿の右から山道へ。そこから6分程度で、祇園山頂上に到着します。標高は低いものの、そこから眺める景色は格別。鎌倉市街と由比ヶ浜方面が眼下に広がります。空気が澄んだ日は富士山や丹沢山が見えることも。山頂を後にし、後は緩やかな尾根道が続きます。2、3ヵ所アップダウンがありますが、それ以外は森林浴を楽しみながら歩けます。尾根道を進むこと約30分。分岐を曲がり、少し急な石段を下りると、北条氏終焉の舞台である腹切やぐらと東勝寺跡に出ます。ここは1333年、新田義貞の鎌倉攻めにより、北条高時ら北条一族が自害した場所。それによって鎌倉幕府は滅亡することになったので、歴史に思いを馳せて見学しましょう。ここでハイキングは終わり。そこから約10分で鎌倉駅に戻れます。1~2時間程度で楽しめるハイキングコースなので、その後は小町通りでショッピング&グルメを楽しんでもいいかも。■絶景スポットや歴史遺構が点在する見どころ満載の「衣張山(きぬばりやま)ハイキングコース」このコースは、金沢街道沿いにある鎌倉最古のお寺、杉本寺付近から名越切通までを結ぶコースで、かつては巡礼道として利用されていました。杉本寺から衣張山までは約20分。鬱蒼と生い茂る木立の間を通り、少し険しい道が続きますが、標高120mの衣張山山頂に着くと視界が開け、海が一望できます。ちなみに衣張山は、源頼朝と北条政子が夏の暑い日に、この山に白衣を張って冬山に見立てて涼んだという言い伝えが名前の由来になっています。その後も関東の富士見百景やパノラマ台など、絶景が拝めるスポットがあるので、景色を楽しみながら歩きましょう。さらに進むと、高さ3~10mの断崖が連続する「お猿畠の大切岸」や、150穴以上のやぐら群が並ぶ「まんだら堂やぐら群」など歴史遺構が点在。コースの最後には鎌倉時代に山や丘などを切り開いて通した古道である「名越切通」があります。苔むした岩肌がなんとも素晴らしい。このハイキングコースの所要時間は、約2~3時間程度です。■鎌倉でいちばん知名度がある「天園ハイキングコース」もう少し長くハイキングを楽しみたい人は、天園ハイキングコースがおすすめ。建長寺と瑞泉寺を繋ぐ鎌倉最長のコースで、かつて修行僧たちが行脚した山道です。急坂やなだらかな道など、変化に富んだ山歩きが楽しめるので、多くのハイカーでいつも賑わいます。途中、鎌倉市最高地点となる標高159mの大平山を通るので、絶景も楽しめます。所要時間は約3~4時間程度。建長寺と瑞泉寺もお参りできるので、鎌倉を満喫できるでしょう。どのコースもスニーカーでOK。海と山に囲まれた鎌倉ならではの景色が楽しめるので、気分もリフレッシュするはず。一度は行ってみる価値大ですよ。
2015年07月05日世紀の喜劇王・チャップリンの晩年の傑作映画『ライムライト』が世界で初めて舞台化される。チャップリンが扮した老芸人カルヴェロを演じるのは石丸幹二。演出は宝塚歌劇団出身、繊細な中にもペーソスやアイロニーを描き出す独特な美的センスを持つ荻田浩一だ。6月中旬、この稽古場を取材した。チケット情報はこちら物語は、かつて大きな名声を得ていたものの、現在は落ちぶれ仕事もろくに来ない老芸人カルヴェロが、足が動かなくなったことを悲観し自殺を図った若きバレリーナ・テリーを助けたところから始まる。カルヴェロはテリーをふたたび舞台に立たせようと支え、テリーもまたカルヴェロに心を開いていくが…。ふたりの心の交流が、第一次世界大戦勃発前夜のロンドンの暗い世相や、舞台人が舞台へ賭ける思いとともに描かれていく。出演者は石丸と、テリーを演じる野々すみ花を含め、たった8人。しかし良知真次、吉野圭吾、植本潤、保坂知寿ら演技巧者ぞろいの精鋭が次々と多数の登場人物を演じていき、鮮やかに1910年代のロンドンの町が生まれていく。くるくると表情を変える彼らの姿は、紙芝居や人形劇が持つようなノスタルジックな効果をも生んでいるようで、面白い。また石丸は劇中劇のシーンでは、コミカルな芸で稽古場を沸かす。眼をギョロリと剥き、口も大きく開ける、戯画的な表情がいかにもで楽しい。チャップリンを彷彿とさせるような部分もありそうで、チャップリンファン、映画ファンも必見のシーンになりそうだ。一方で成功の裏の転落、というシビアさも描かれ、石丸の陽気な笑顔とシリアスな表情の落差にはっとさせられる。荻田の演出はことさら“チャップリン”から想起させられるイメージに寄せすぎず、物語の本質を追求し、新たな『ライムライト』の世界を一から構築しているようだ。そしてカルヴェロとテリーが心を通わせていく過程がとても良い。カルヴェロはテリーを助けたもののどう接していいのか戸惑い、テリーもまた素直に心を開かず、殻に閉じこもる。石丸カルヴェロの屈折、野々テリーの硬質さが、すんなりはいかない不器用な人間たちの姿をうまく描き出す。そんなふたりだからこそ、ちょっとした会話で見せる笑顔が光り、この後ふたりの関係がどうなっていくのか…という期待感を抱かせた。公演は7月5日(日)から15日(水)まで、東京・シアタークリエにて。その後大阪、福岡、長崎、鹿児島、愛知、富山、長野公演もあり。チケットは発売中。
2015年07月01日