区全体で子どもの貧困問題に向き合っている東京都足立区。このほど来年度から実施予定の「子どもの貧困対策実施計画案」を策定し、その内容について発表した。同区は何を課題と捉え、どんな対策を打っていこうとしているのか。同区の担当者に尋ねた。○全庁あげて対策を同計画案は、「全ての子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく、自分の将来に希望を持てる地域社会の実現を目指す」などとして足立区が策定したもの。計画が確定すれば、平成27年度から5年間にわたって実施される予定だ。同区は区が抱える4つの課題として、「治安」「学力」「健康」「貧困」をあげている。このうち、世代が変わっても貧困状態から脱却できない「貧困の連鎖」が問題だとして、その解消のために専門部署である「子どもの貧困対策担当部」を設置。部や課の枠にとらわれず、全庁をあげて問題に取り組む姿勢を示している。担当者は、「福祉や子どもの分野で対策を行っている自治体はあるが、専門の部署を持っているところは珍しいのではないか」と指摘。その上で、「子どもの貧困問題はいろんな分野にまたがる課題だ。私たちの課が横串となって政策の立案や調整を進めていきたい」と語った。○経済的貧困に加え、社会的孤立も同区の子どもたちの貧困状況はどうなっているのか。現状を端的に表しているデータのひとつが「就学援助率」の高さだ。「就学援助」とは、経済的理由により就学困難な児童・生徒の保護者に対し、学用品費等の必要な費用を援助する国の制度のこと。この「就学援助」を受けている割合が、国の平均では15.6%となっているが、同区では37.0%と2倍以上になっている(平成24年)。さらに、貧困率が高いとされるひとり親家庭に支給される児童扶養手当の受給者数も、平成26年は7,133人と20年前の約1.8倍に増加。子どもたちを取り巻く状況は深刻化している。加えて担当者が示してくれたのが「歯科検診で未処置のむし歯がある子どもの割合」だ。平成26年度の調査では、小学生の東京都平均が19.84%であるのに対して、同区は22.52%と高くなっている。区全体では減少傾向にあるが、東京都平均、特別区平均に比べると依然として高く、特別区の中でも高い状況にあるという。担当者は「中学生までは医療費の自己負担がないにも関わらず未処置のむし歯があるということは、生活習慣や家庭の状況に課題があることが推測できる」と指摘。「子どもの貧困問題は、経済的な事情だけを解消しても解決されない。子どもたちが自立できるように"社会的孤立"からも救わなければならない」と語った。子どもの貧困を課題として抱える同区。具体的にどんな対策を打っていこうとしているのか。後編でご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月27日2013年に待機児童数ゼロを達成した横浜市。保育施策が充実している自治体としても知られ、保育園等の利用申し込みが増える中、今春も8人にまで待機児童数をおさえた。しかし一方で、待機児童には含まれなかったものの、申し込みをしたにも関わらず認可保育園に入園できなかった、いわゆる「保留児童」の数は2,534人にものぼり、一部からは不満の声もあがっているという。現在、市の保育現場ではどのような変化が起きているのか、担当課に尋ねた。○実は増加している「保留児童」とは横浜市によると、保育園などの利用申込者数は年々増加している。特に2013年春に待機児童数ゼロを達成して以降、2014年春には前年に比べて4,114人増、今春は前年比4,594人増の5万7,526人にのぼった。この状況について担当課は「利用そのもののニーズが高まっている上に、待機児童数ゼロ報道の影響もあると思われる」と回答。特に今年については、子ども・子育て支援制度の導入により、施設整備の充実に関して期待感が高まったことが背景にあるとみている。そんななかでも、今年4月時点では待機児童数を8人におさえた。しかし、横浜市が「一部から不満の声もある」としたのが、認可保育施設を利用することができなかったにも関わらず、待機児童数に含まれなかった人たちの存在だ。厚生労働省の定義では、認可保育施設を利用できなかった場合でも「自治体の単独保育施策による保育施設を利用している」「主に自宅で求職活動をしている」「育休を取得している」「利用できる施設があるにも関わらず第1希望の施設利用しか望まない」などの条件に該当すれば、待機児童に含まれない。これらの条件に該当した人たちの数を横浜市では「保留児童」と呼んでカウントしている。この「保留児童」の数が、今年4月1日の時点で2,534人。このうち横浜市が独自の基準で認定し、助成している「横浜保育室」などの認可外保育施設の利用者は926人にのぼる。さらに、「保留児童」は昨年の同時期と比較すると150人、さらにおととしの同時期と比べると788人も増えているのだ。○「地域間格差」と「保育士不足」が課題になぜこのようなことが起きているのか。大きな背景としては、就学前の児童数が減っている一方、定員増を上回る勢いで利用申込者数が増えていることがある。加えて担当者は「地域間の格差」と「保育士不足」をあげた。横浜市の北部に位置する港北区、神奈川区、鶴見区については、就学前児童数の増加を背景に利用申込者数が定員を大幅にオーバー。中でも、港北区にいたっては、450人分の定員増を実現したにも関わらず、448人の保留児童が発生する事態となった。加えてこれらの地域では大規模な宅地開発なども進んでいて、保育施設を整備するための土地も不足しているという。反対に、地域によっては児童が集まらず、272園で1,974人もの定員割れが生じている。さらに保育士不足も深刻だ。面積に余裕があり、定員を増やせる既存の施設でも、保育士が確保できずに断念するケースが少なくないという。さらに担当者は、「処遇が低いといわれるなかで、家賃などが高い横浜市を保育士が敬遠するケースもある」と指摘した。これらの課題に、横浜市はどのようにして立ち向かおうとしているのか。後編では、今年度実施している市の取り組みをご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月09日保育園に入れたくても入れられない深刻な状況が続く「待機児童」問題。厚生労働省によると、全国の待機児童数は今年に入り5年ぶりに増加しているという(2015年4月1日時点)。その数、2万3,167人。そんななか、全国の市区町村のうち待機児童数が最多となっている東京都世田谷区では、認可保育施設の申し込み受付が始まっている。ママたちが熾烈な保活競争に苦しむ中、行政は保育の現状をどう捉え、課題解決に取り組んでいるのか。世田谷区保育計画・整備支援担当課の菅井英樹課長に聞いた。○待機児童問題の背景には「未就学児&共働き家庭の増加」がある世田谷区によると、認可保育施設に入れない待機児童の数は近年増加傾向にある。平成23年度に688人いた待機児童が昨年度は1,000人を超え、今年度に入ってからは1,182人となった。なぜこれほどまでに待機児童が増えてしまったのか。菅井課長はその理由として、「未就学児(0~5歳児)の数が想定を超える勢いで増えていること」をあげた。ここ数年は年に1,000人ペースで増加。これに伴い、平成20年春入園の希望者が2,860人であったのが、平成27年の時点では6,175人と倍以上になっている。また、「平成20年のリーマンショック以降、共働き家庭が増えたことなどにより、保育施設のニーズ自体が高くなっていることも理由の1つ」と語る菅井課長。これらの要因から、準備すべき保育施設の想定も上回っていて、定員が足りないという状況が生まれているのだという。○認可保育施設の新設で昨年以上の定員増が可能そのうえで、これらの課題をどのように解決しようとしているのか。区が最も重要な施策として進めているのが認可保育園の新設だ。今年度は4月の時点で1,221人分の定員増を実現。来年4月には、現在調整中の施設も含めると今年度以上の定員増を見込んでいる。加えて、今年から法制化された「小規模認可保育所」の整備もあわせて進めていく方針。「小規模認可保育所」は、対象を0~2歳児に限定した保育施設ではあるが、一般的な保育施設に比べて、低予算で開園が可能だという。今年4月には4カ所の保育所を認定し63名の定員を確保した。○一方で、0歳児の定員は5年後も足りない一方で、菅井課長は「現時点の計画では、5年後も0歳児の定員は足りない見込み」と話す。これまでの計画で、区では未就学児童数のピークを平成30年(4万2,851人)と予想していたが、昨年1月の時点で4万3,365人と既にピーク時の想定を超えてしまっているからだ。今後、計画の見直しも検討しているという。また、待機児童の多くを占める0~2歳児対象の「小規模認可保育所」の整備に関しても、実は課題が多い。小規模施設に適した物件の確保は難しく、その規模によっては利益を出すのが難しいため、事業者が集まりにくいというのだ。さらに同区では、3歳以降も確実に保育施設に通ってもらおうと、連携先の保育園の確保も要請していて認定のハードルが上がっているのが実情だ。待機児童問題について、行政が傍観しているわけでは決してない。しかし、今後も保育施設を確保するために親たちが奔走する状況は続きそうだ。
2015年10月21日マザーファーストは6日、クラウドソーシング「ママタント」のアンケートサービス「ママタントリサーチ部」にて実施した児童手当に関する調査結果を発表した。それによると、母親の46.8%が児童手当の金額に「不満はない」と回答した。○児童手当以外の支援、「保育・幼稚園料の無償化」が多数児童手当の対象となる子供は何人いるかと尋ねたところ、「1人」が53.2%、「2人」が33.9%、「3人以上」が11.3%、「3人以上」が1.6%となった。現在、児童手当として支給されている金額に不満はあるかと聞くと、「不満はない」は46.8%、「どちらでもない」は38.7%で、合わせて85.5%は特に不満を持っていないことが判明。一方、「不満がある」は14.5%で、金額を上げてほしいと希望していた。支給された児童手当の使い道については、「子供の口座に貯金」が41.9%で最多。以下、「学資保険」と「子供服・ベビー用品の購入」が同率の21.0%、「自身・主人の口座に貯金」が19.4%と続いた。児童手当以外で行政に支援してもらいたいことは、「保育・幼稚園料の無償化」「任意の予防接種の無料化」が多かった。このほか、「医療費も、小学生の間まで補助がほしい」「オムツやミルクなどの必要不可欠な育児用品の支援」「自転車用ヘルメットを無料で配ってほしい」「教育費。返済不要の奨学金制度など」といった声が寄せられた。調査日は2015年10月4日、有効回答は10~30代の女性62人。
2015年10月06日会社勤めの方が加入している健康保険には、「傷病手当金」という制度があります。業務外の病気やケガで働けなくなり、給与等がもらえなかったり減額されたりしたときに、傷病手当金が健康保険より支給され、収入減を補うことができます。傷病手当金が受けられる条件業務外の病気やケガの療養のための休業であること療養のため仕事につくことができないこと連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかったこと休業した期間について給与等の支払いがないこと上記4つの条件をすべて満たしているときに支給されます。上記、3.について説明します。業務外の病気やケガにより、連続して3日間休み、4日目以降仕事につけなかった場合に、4日目から休んだ日数分に対して傷病手当金が支給されます。最初の連続3日間の休みのことを「待期期間」といい、支給対象になりません。この3日間には有給休暇、土日祝日等の公休日も含まれます。図 待期期間の考え方支給される期間傷病手当金が支給される期間は、一つの傷病ごとに、支給開始日から最長1年6カ月です。1年6カ月間の途中で、一時的に出勤した日があっても、その出勤日数も1年6カ月に含まれます。支給開始後1年6カ月を超えて仕事に復帰できない場合でも、支給は1年6カ月までで、それ以上の支給はありません。支給される傷病手当金の額傷病手当金は、1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)が支給されます。標準報酬日額は標準報酬月額の30分の1となります。休んでいる間に給与等の支払いがあっても、その金額が傷病手当金より少ない場合は、その差額が支給されます。退職後の傷病手当金について会社を退職した場合でも、一定の条件を満たせば傷病手当金の支給を受けることができます。一定の条件とは、退職日の前日まで1年以上被保険者期間が継続していて、退職したとき傷病手当金の支給を受けているか、支給を受ける条件を満たしているとき(上記1.2.3.の条件を満たしている場合)です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日厚生労働省は22日、雇用保険の「基本手当日額」を2015年8月1日から変更すると発表した。今回の変更は、2014年度の平均給与額(「毎月勤労統計調査」による毎月決まって支給する給与の平均額)が、2013年度より約0.07%上昇したことに伴うもの。○1日当たりの最高額を5円引き上げ1日当たりの最高額を従来の金額から5円引き上げる。具体的には、30歳未満では現在の6,390円が6,395円に、30歳以上45歳未満では7,100円が7,105円に、45歳以上60歳未満では7,805円が7,810円に、60歳以上65歳未満では6,709円が6,714円になる。なお、1日当たりの最低額は現在の1,840円に据え置く。雇用保険の基本手当は、労働者が離職した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動できるよう支給するもの。「基本手当日額」は、離職前の賃金を基に算出した1日当たりの支給額のことで、給付日数は離職理由や年齢などに応じて決められている。
2015年07月22日子どもを持つ親が、教育資金として月にどのぐらい備えているのか、もう少しデータをみてみよう。中学3年まで毎月約1万5,000円が「預貯金・保険」に充てられている「子どものための預貯金・保険」の金額は0歳~6歳児の平均で、年19万1,649円であることは前編で述べたとおりだ。では、小学生、中学生を持つ親はどのぐらい備えているのだろうか。同じ調査によると、小学生の平均は年16万3,172円、中学生の平均は年18万238円になっている(詳しい金額は下図参照)。ひと月あたりにすると、小学生では約1万3,600円、中学生では約1万5,000円だ。第1子一人当たりの年間「子どものための預貯金・保険」の内訳金額(対象者全体平均)※「預貯金」「各種保険」は「子どものための預貯金・保険」の小分類費目※上記は対象者全体による平均値※グラフ右の()内は第1子にかかった年間「子どものための預貯金・保険」の年額出典:内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成21年度)」そして、このデータの0歳児から中学3年生までの預貯金・保険金額を単純に合計してみると、286万1,290円になる。子どもを持つ親は、預貯金・保険などで、高校入学までに286万円ほど準備していることがうかがえる。みなさんはこの金額を、ご自分の家庭と比べて高いと感じられるだろうか、それとも低いと感じられるだろうか。高校授業料無償化の恩恵ところで、2010年からはじまった、いわゆる高校授業料無償化制度によって、子どもを高校に通わせる親の負担は以前と比べて実は軽くなっている。公立高校の3年間より公立中学校の3年間の方が教育費がかかるというデータが出ているほどだ(公立高校が約116万円、公立中学校が約135万円。文部科学省「平成24年度子供の学習費調査」より)。私立高校の場合は3年間で約289万円かかるが、公立高校ならなんとか月々の家計から捻出することが可能なご家庭が多いのではないだろうか。いったいいくら用意すれば足りるのか?問題は大学だ。国立大学に自宅から通う場合でも4年間で約472万円、私立文系では自宅通学で約630万円、下宿の場合で約886万円かかる。私立医歯系となると、自宅通学生で約2,922万円、下宿生では約3,305万円だ(詳しい金額は下図参照)。大学生の教育費総額(平成24・25年度)資料:(独)日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査」から大学昼間部のデータ、文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果」・「平成25年私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」から執筆者作成こうみてくると、中学3年までで備えた286万円と、同じペース(18万円/年)で備えると仮定した、高校3年間分の54万円の合計340万円では、国立大学に自宅から通う場合でも、やや心許ない。私立文系で自宅通学の場合の約630万円を、0歳から高校卒業までに備えるには、年に約35万円、月々約3万円が必要だ。児童手当と学資保険の2本立てでそんなの無理!と思った方もいらっしゃるかもしれない。しかし、ここで「児童手当」のことを思い出してほしい。現行制度では、児童手当は0歳から中学卒業まで給付される。この手当を0歳からそのまま積み立てしていけば、それだけで約200万円になる。これに別途、月1万5,000円を0歳から高校卒業まで積み立てていけば、342万円、合わせて542万円となる。先ほどの「大学生の教育費総額」には、通学のための交通費や生活費も含まれている。全額を入学時に用意しなければならないわけではない。子ども自身が入学後、学費の足しにアルバイトなどをしたり、奨学金を利用したりすれば、何とか実現可能な資金計画といえるのではないか。この資金計画を実行する際、積み立てには学資保険を利用したい。確実にお金を貯めていくには、簡単に引き出すことができない保険の活用が適している。低金利が続く現在、定期預金よりは利回りがよいし、契約者(保護者)に万一のことがあった場合、以後の保険料の支払いは免除され、満期保険金は当初の契約通り支払われる※1。また、生命保険料控除が適用され、税金面でも優遇されている。この場合に選ぶべきは、貯蓄重視型の学資保険だ。教育資金に備える目的なので、子どもの医療保障重視のものより、満期返戻金が保険料払込総額を上回る貯蓄重視のものを選ぼう。具体的には返戻率が100%以上となっている商品だ。満期金を一括で受け取るか、分割で受け取るかなどによって返戻率は変わってくるが、一例として、保険料払込総額約285万円に対して、満期返戻金総額が300万円ほどになる商品(返戻率約105%)などがある。286万円という金額最後に、冒頭部分で紹介した、子どもを持つ親が教育資金として高校入学までに約286万円を準備しているデータだが、実はこの金額は結構いいところを突いている。というのは、国立大学に進学した場合、4年間で納める学費(入学金、授業料等)は約242万5,000円、私立文系の場合で約385万6,700円、私立理系で約518万7,200円となっているからだ(文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」および「平成25年私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より)。純粋に大学に納める授業料、入学金等のみを考えるとかなり現実味のある金額なのだ。子どもを持つ親の直感なのか、教育資金についてすでに調べは行き届いている、ということなのか。現実にはこの金額に、通学のための交通費や、課外活動費、生活費等が加わり、「教育費総額」となる。こちらの金額を目安に資金計画を立てた方が安心だ。学資保険は、少しでも多くの教育資金を確実に準備できる有効な手段なので、うまく活用していきたい。子どもの将来の夢をお金のために断念させることになっては、あまりにも残念だ。※1 保険料支払免除を特約としている学資保険や、保険料支払免除が付加されていない学資保険もあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年06月30日NTTソフトウェアは、聴覚障がいのある児童生徒の授業を支援する「こえみる」を4月1日から販売すると発表した。特別支援学校では、聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を先生が口話や手話などの多様なコミュニケーション手段を利用して行っており、特に、生活や学習につながる言葉や文章を児童生徒に理解してもらうには、繰り返し教えることが必要となっている。そのため、口話や手話などと同時に先生の発話を文字で表示することで、児童生徒が正しい言葉や新しい言葉をすばやく身につけ理解を深めることを目的に、NTTサービスエボリューション研究所がこえみるを開発。その後、NTTソフトウェアにおいて製品化に向けた実証研究を実施している。こえみるは、聴覚障がいのある児童生徒のコミュニケーションにおける情報保障を目的に、先生が話した言葉を高度な音声認識技術を用いてテキストに変換し、電子黒板やタブレット端末にリアルタイムに表示する。従来、手話で伝えにくかった言葉を伝えやすくできるだけでなく、先生が話す言葉の電子化・保存により、パソコン・スマートフォンなどから授業の振り返りを簡単に行うことができる。これにより、特別支援学校の授業で実証研究を行い、実用化に向けて先生方からの要望を反映し、こえみるを改良。今後、全国の聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を行っている特別支援学校への導入を推進していく。システムには「手話では伝えにくい言葉を伝えやすく」「授業の準備作業を軽減し、円滑な授業進行を支援」「簡易に授業内容の振り返りが可能」等といった特長がある。サービス提供価格は月額1万2500円(1教室)。クラウド環境を使わず自社にサーバを設置するSI型も提供するが、その際は「音声認識サーバ」と「管理・閲覧サーバ」が必要となる。
2015年03月25日米Facebookは13日、誘拐などで行方不明になった子どもに関する情報や警告を発信する非営利機関である全米失踪・被搾取児童センター(National Center for Missing and Exploited Children)と協力して、同センターの児童誘拐警報システム「AMBER Alert」をニュースフィード上に掲示することを発表した。行方不明になっている子どもの顔写真や情報が数多くの人の目に触れることで、発見につながる可能性が高くなると期待を寄せている。AMBERアラートは地元の警察の許可を受けた後に全米失踪・被搾取児童センターより発行される。Facebookは同センターとの提携により、行方不明が報告された地域周辺をターゲットに、このAMBERアラートをニュースフィードに表示する。アラートには子どもの写真、名前、年齢、身長、髪の毛の色や目の色など人種的特徴、いなくなった場所などの情報が含まれている。アラートを表示する地域は警察がアラート単位で決定する。そのため、AMBERアラートがニュースフィードに表示される回数はその地域でアラートが出された数により異なるという。アラートはニュースフィードに表示するだけで、スマートフォンにプッシュ通知することはない。すでにFacebookがAMBERアラートの拡散と救出成功に役立った例があるようだ。Facebookによると、2014年に11歳の女児が行方不明になった事件で、モーテルのオーナーが友人がFacebook上で共有したAMBERアラートにより同一人物と気がつき、警察に通報したという。少女は無傷で救出されたとのことだ。「子どもが行方不明になった場合、最初の数時間が特に重要で、気をつける人が増えるほど発見される可能性は高くなる」とFacebookは述べている。
2015年01月14日検索エンジンを運用する米Googleと米Microsoftは18日、児童ポルノに該当するコンテンツの拡散を防ぐための対策強化を明かした。これは今年7月に英国のデビッド・キャメロン首相が、同国で検索市場の95%を占めるGoogleとMicrosoftに違法な児童ポルノ・コンテンツのブロック強化を求めたことに応じたもの。Googleは児童ポルノ・コンテンツに関連づけられた検索キーワードをより厳しくコントロールし、自動コンプリートの表示からも除外する。Microsoftも児童ポルノ・コンテンツの表示を防ぐために改良した技術とプロセスを、検索サービスBingと同社の検索エンジンを採用しているYahoo!の検索サービスに導入する。PCWorldによると、2社は英国だけではなく、グローバル規模で対策強化を実施。さらに今後もIWF (Internet Watch Foundation)およびCEOP (Child Exploitation & Online Protection Centre)と協力して取り組みを継続的に改善・強化していく。例えば、GoogleとMicrosoftは児童ポルノに該当する画像や動画を特定して削除するための技術開発を進め、またIWF、CEOPと共にtorrentを通じたコンテンツ共有を防ぐための技術や仕組みを協力して開発する。
2013年11月19日当ページの記事は、2013年7月の法律、情報に基づいております。最新(2015~2016年度版)の出産手当金・育児休業給付金の記事は こちら! 無事出産!しばらくは赤ちゃんとの密月を、ゆっくり味わって欲しい…。そんな働くママのための、産休中の休業補償が出産手当金だ。出産手当金について、「たまごクラブ」で10余年連載を持つファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんにお話を伺った。(記事は2013年7月現在の法律、情報に基づいて書いています)出産手当金って何?いくらもらえるの?産休中は、お給料が出ない会社がほとんど。その間の生活を支えるために出産後の母が加入している健康保険から出る休業補償が出産手当金だ。もらえる額は、「標準報酬日額(※1)の2/3X「産前(42日)、産後(56日)の98日分」だ。たとえば標準報酬月額が20万円だった場合、20万円÷30日X2/3x98日=約44万円がもらえる計算となる。ただし出産手当金は「産休中の休業補償」なので、休業中も会社からお給料の2/3以上がもらえる人は、もらうことができない。※「標準報酬日額」:「標準報酬月額」を30日で割った数字。標準報酬月額は、残業代や家族手当、住宅手当といったものも含めたお給料の額を、毎年4~6月の平均で計算。出産が予定日より早まったり遅くなったりすれば、もらえる日数が変わるので正確な金額は会社の窓口、もしくは会社を管轄する社会保険事務所に計算してもらおう。もらえる人は、どんな人?正社員はもちろん、契約社員やパート、アルバイト、派遣社員でも会社の健康保険(や共済組合)に入っていて、出産後も働き続ける意志があり、産休中も健康保険料を支払っている人のであればもらうことができる。フルタイムで働いていたとしても、残念ながら、健康保険の種類が「国民健康保険」の人にはこの制度はない。また平成19年4月に制度が変わり、退職後6ヶ月以内に出産すれば、産休を取っていなくても出産手当金をもらえる特例制度はなくなった。「一人目の時にはあった制度なのに・・という方、気をつけて下さい」(畠中さん)。どうすればもらえるの?出産手当金をもらうには「出産手当金支給申請書」への記入と提出が必要だ。産休に入る前に勤務先、または勤務先を管轄する協会けんぽや健保組合で入手する。申請をする際には医師の証明が必要なので、出産後は産院の窓口に依頼して医師に必要事項を記入してもらおう。(この時、文書料として数千円かかる場合もある)。産休後に(産後57日以降)申請書を会社に提出する。産休中の「お金の困った!」防止法出産手当金は産休後に申請するのが一般的だが、お金が振り込まれるまでに約1~2ヵ月かかる。「つまり出産手当金がもらえるのは、早くて出産から2~3ヶ月後。産休中の生活費としてアテにしている人は、もらえる時期が遅いことをふまえた上で計画をたてましょう」。また産休中は、社会保険料(雇用保険料除く)と住民税は支払わなければならない。社会保険料の額は、給与明細の控除欄を見て、「健康保険」「厚生年金」を足した合計額だ。健康保険組合がある会社であれば、これらのお金を出産手当金で精算してくれる可能性があるので産休前に会社と相談しておこう。健康保険が「協会けんぽ」の場合は、自分で用意しておくのが一般的だ。なお、近いうちに産休中の社会保険料負担がなくなる予定。制度の改正には注目しておこう。取材/楢戸ひかる
2013年08月04日サーベイリサーチセンターは10月27日~31日にかけて、全国の18歳以上の男女個人のうち、0~6歳の子どもがいる親を対象に「子ども・子育てに関するアンケート」を実施した。有効回答数は3,000。最初に「認定こども園」に関する認知度について調査した。すると、名前を聞いた程度まで含めると認知度は8割弱と高いが、内容まで知っているのは2割にとどまった。認知度は人口規模の大きい自治体の人ほど高く、特別区・政令市に住む人は8割を超えた。特に関東地方での認知度が8割と最も高かった。次に、児童手当が子育てに関係する経済負担の軽減にどの程度役に立っているか調査した。「とても役立っている・どちらかといえば役立っている」と回答した人が7割弱。居住地区別では、九州・沖縄地方、北海道地方、四国地方で、「役立っている」という回答が7割以上で、北信越地方では6割と少なかった。人口規模別では、大きな差は見られなかった。国や自治体に望む支援について尋ねると、最も高かったのは「保育所や幼稚園などの費用負担の軽減」で7割が回答した。次に「児童手当等の増額などの、子育てのための経済的支援の拡充」が6割弱、「児童館や公園など子どもの遊び場の拡充」が5割だった。放課後児童クラブの利用状況・利用頻度について聞いたところ、小学校1~3年の放課後児童クラブの利用状況は2割、利用希望は3割弱。特に、北海道地方、関東地方、中国地方で、利用状況と利用希望の差が大きいことが分かった。また、年齢の高い親ほど希望割合が高い傾向にあり、年を重ねてから子どもを産んだ層のニーズが大きいようだ。また、小学校4~6年の放課後児童クラブの利用状況は1割、利用希望は1割強だった。特に26~30歳の親の希望割合が3割と高く、若いうちに子どもを産んだ層のニーズが大きいようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月03日環境省は10月30日、東京電力福島第1原発事故の国直轄の除染関連業務に関し、作業員に支払われる「特殊勤務手当」を適正に支給するよう、事業者に周知徹底を求める通知を出した。通知によると、除染関連業務における特殊勤務手当の適正な支給について、「各方面から指摘がなされている」という。環境省によると、除染関連業務においては、共通仕様書に規定されているとおり、下受注者などを含む全ての作業員に対して、労賃に加え、業務内容などに応じた特殊勤務手当を支給すること、適正な賃金および特殊勤務手当が支給なされたことを証する賃金台帳などの書類を工事の完了後速やかに監督職員に提出しなければならないことになっている。通知では、受注者においては、再度仕様書の関連規定を確認し、下受注者などに対してこの規定の周知徹底を求めている。この規定に関しては、受注者と直接雇用関係にある社員などにも適用されるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日厚生労働省は、児童手当について、6月から所得制限が適用されるため、6月分以降の児童手当を受け取るためには「現況届」を提出する必要があると呼びかけている。「現況届」とは、毎年6月1日の状況を把握し、6月分以降の児童手当を継続して受ける要件(児童の監督や保護、生計同一関係など)を満たしているかどうかを確認するためのもの。2012年3月まで「子ども手当」を受けていたことにより児童手当等の申請が不要とされていた人も含めて提出が必要で、未提出の場合は6月分以降の手当てを受けられなくなる。提出の際に必要な添付書類は、請求者が被用者(会社員など)の場合は、「健康保険被保険者の写し」、その年の1月1日に現在の市区町村に住民登録がない場合は、前住所地の市区町村長が発行する「児童手当所得証明書(前年分)」などとなる。児童手当制度では、0歳~中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもの養育者に対し、児童手当が支給される。支給額は、3歳未満が月額1万5,000円、3歳以上小学校修了までの第1子と第2子が同1万円、第3子以降が同1万5,000円、中学生が同1万円。ただし、6月から所得制限が適用されるため、所得制限限度額を超えた世帯に対しては、児童手当は支給されず、代わりに特例として、子ども1人当たり月額5,000円が当分の間支給される。所得制限限度額は、子どもの人数や扶養親族数などにより変動する。例えば、夫婦のうちどちらかが就労し、子ども2人がいる世帯の場合は、年収960万円以上となる。支給時期は原則として、毎年6月、10月、2月にそれぞれ前月分までの手当が支給される。なお、保育料や学校給食費などを、市区町村が児童手当から徴収する場合もあるという。児童手当の申請は、子どもが生まれたり、他の市区町村からの転入した場合などに、現住所の市区町村に「認定請求」を提出して行う。市区町村に認定されれば、原則として、申請した月の翌月分から手当が支給される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月05日東北大学はこのほど、「子ども手当」制度の平成23年度末の終了にあたり、同制度の効果を検証する目的で実施したアンケート調査の結果を発表した。同調査は、同大学大学院経済学研究科吉田浩教授の研究室が、同制度の受給対象となった中学生以下の子どもがいた世帯を対象に、インターネット上で行ったもの。調査期間は3月16日~20日、有効回答数は423サンプル。まず、子ども手当の使用状況について尋ねたところ、「ほぼ全額貯蓄した」が46.1%、「ほぼ全額支出した」が33.1%と、大きく分かれる結果に。このほか、「半分以上を貯蓄して、残りの一部を支出に使った」が9.3%、「半分程度を貯蓄して、半分程度を支出に使った」が6.3%などとなった。子ども手当の具体的な使い道については、「ほとんど使わないで子どもの将来のために貯蓄した」が最も多く32.4%。以下、「子どもの教育費(学費、習いごと、教材など)」が20.4%、「子どもの生活費(衣服、子ども用品、医療費など)」が13.0%と続くなど、全体の72.2%が”子どものため”に充当されたことが分かった。一方、「子どもに限定しない家庭の日常生活費」が10.4%、「借金やローンの返済に充当した」2.3%など、”子どものため”以外に使われた割合は27.8%となった。子ども手当により、世帯の経済状況は変わったかと聞いたところ、64.6%が「あまり変わらない」と回答。また、子育て負担が軽減されたかとの質問に対しても、66.2%が「あまり変わらない」と答えたほか、特に子どもの生育環境について、73.4%が「子ども手当の前と実質的にあまり変わらない」と回答した。これらのことから、多くの世帯で子ども手当が子育て支援、充実につながったと実感して受け止められていないことが判明した。今後の子育て支援政策について、3月で子ども手当が打ち切られ、従来の児童手当に変更になることをどう思うかと尋ねると、53.0%が「子ども手当を満額(1人あたり月額2万6,000円)支給で継続してほしい」、23.6%が「子ども手当を現状(1人あたり月額1万3,000円)支給で継続してほしい」と回答。また、子育て支援政策についてどの面を充実してほしいか複数回答形式で聞くと、「子ども手当などの金銭的給付の充実」が55.1%となったほか、「扶養控除や(子どもの)医療費控除などの税制上の支援策の充実」が62.0%、「女性が仕事と子育てを両立できるようなシステムの整備」が27.1%、「子育て施設の充実」が22.7%など、個別的・環境整備的な側面を求める声が多くみられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月10日厚生労働省は7日、、中学3年以下の子どもを持つ親を対象とした「子ども手当の使途等に関する調査」でのアンケート結果を発表した。調査は、今年8~9月にインターネットを通じて行い、10,183人から回答を得たもので、回答者の平均年齢は38.9歳だったという。最も多い使い道は、将来への貯蓄・保険料が41.6%使い道で最も多かったのは、「子どもの将来のための貯蓄・保険料」と41.6%が回答、次いで、「(同)衣類・服飾雑貨費」16.4%、学習塾などの「(同)学校外教育費」16.3%と続き、子どもに限定した使途が回答数の上位を占めた。同省は、手当が貯蓄・保険へ回っていることは趣旨に反しないとみる一方、複数回答であるにもかかわらず、約半数が子ども手当の使途として貯蓄と回答していないことを注視する。また子ども手当の使途で、「子どものために限定しない利用」と回答した2,690人に対し限定できない理由を聞くと、「家計に余裕がないため」と回答した人の割合が圧倒的に高く、64.2%だったという。手当を機に子どもを増やす計画を立てたのは8.5%子ども手当の支給による家庭の変化を聞いたところ、「子どもの数を増やす計画を立てた」と考える人の割合は、全体では8.5%だが、第1子が0~3歳の家庭では13.9%で、高年齢ほど低下する傾向にあった。もともと子ども手当は、少子化対策としての目的で導入されたものだが、手当支給をきっかけに子どもを増やそうと考えるのは、若い世代に限られると言えなくもなさそうだ。
2010年12月09日COBS ONLINE編集部は同サイトの会員998名を対象に、2009年10月14日から10月29日にかけて「住宅手当に関するアンケート」を行った。そのうち、「あなたの会社に住宅手当の制度がある」と答えた397名の回答をまとめた。「住宅手当を利用していますか?(図1)」と聞いたところ、「利用している」と答えた人は43.2%、「利用していない」と答えたのは56.8%だった。「あなたの会社では、一人暮らしや寮の場合、住宅手当がいくらつきますか?」と尋ねると、「10,000~30,000円未満」という人が48.0%と最多数で、「30,000~50,000円未満」20.2%、「10,000円未満」14.1%という結果となった。「ここ1年ほどの間に、住宅手当の制度変更・見直しはありましたか?」と質問したところ、「一律支給だったが、世帯主でないと支給されなくなった」、「入社3年までは格安で入ることができた寮がなくなった」、「支給される在住地域が狭まった」などが縮小の動きが大勢である一方で、一部では「組合の活動により、手当が増額となった」、「これまでなかったのが新設された」という声も聞かれた。COBS ONLINE会員アンケート「住宅手当に関するアンケート」より抜粋(期間:2009年10月14日~10月29日、集計人数:998名中397名)完全版(画像などあり)を見る
2009年11月10日