国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日マカフィーは11月9日、Gate.Wormファイル感染ウイルスの最新バージョンに関する情報をセキュリティブログで公開した。Gate.Wormに感染した場合、正規コードに制御を戻せなくなる仕様で、特定のアプリケーションが起動しなくなり、マルウェアコードのみが実行される。このバージョンは2013年の「Obfuscated-FBU!hb」による寄生型ウイルスの変種と類似しているが、作者は別の人物。新しいコードは以前のコードに似ているが、機能がかなり減らされているという。マルウェアの目的は、SecurityGate.ruグループがテストサンプルとして作成したものと推測している。セキュリティブログによると、マルウェアがコンピューターに侵入して感染させるまでの挙動は以下の通り。まず、IsDebuggerPresent Windows APIを呼び出して、プロセスがデバッグ中かどうかを確認する。マルウェアの作者はこの機能を使用して、デバッグによって"悪質なバイナリ"の分析を防止する。チェックの結果がtrueの場合、マルウェアは実行を終了する。次にマルウェアはコンソールウィンドウを開き、「SAFEMODE: This WORM is designed only to test…with respect SafetyGate.ru.」 というメッセージを表示する。GetCurrentDirectoryAを使用して現在のディレクトリを取得し、そこに含まれるすべてのファイルを列挙する。そのために、マルウェアはFindFirstFileA and FindNextFileAを使用してファイル名配列を作成する。現在のフォルダ内の全ファイルを配列に追加したら、マルウェアはマルウェアファイルのファイルサイズを計算し、マルウェアサンプル全体をクリーンファイルの冒頭に挿入してコンピューターに感染する。感染後は、MZ構造がマルウェア本体に置き換えられ、元のファイルは単なるオーバーレイデータとして存在するようになるため、感染したクリーンファイルを実行できなくなる。さらに、感染ファイルに以下のような形式のシグネチャを追加する。感染ルーチンは現在のフォルダ内のすべてのサンプルに対して繰り返し実行され、プロセスが終わると、マルウェアはSleep APIを呼び出して10秒間実行を停止する。その後、コンソールウィンドウを閉じてマルウェアプロセスを終了する。最後は、感染したすべてのサンプルに以下のようなアイコンが表示される。オーバーレイに複数のオリジナルサンプルが含まれた感染サンプルも存在する。感染ファイルはすでに感染していたファイルが含まれることがあるため、このような状況が発生する。新しいクリーンファイルがこのサンプルに感染すると、新たに感染したファイルには過去に感染していたファイル(複数の場合もある)とマルウェアコード、新しいシグネチャが含まれる。ポータブルな実行可能ファイルだけではなく、あらゆる種類のファイルがこのマルウェアに感染する。このようにして、ホストコンピュータの現在のフォルダ内の大半のファイルがウイルスに感染してしまう。通常、ユーザーはファイルをダウンロードフォルダ、ドキュメントフォルダ、デスクトップフォルダにダウンロードするが、フォルダによって影響度が違う。マルウェアにはネットワーク機能がなく、外付けドライブを感染させることはできない。被害者が直接ダウンロードして実行するか、感染したサンプルを外付けドライブに手動でコピーし、別なシステムで実行する以外、このマルウェアをまん延させることはできないという。
2015年11月11日国立感染症研究所は11月10日、10月26~11月1日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、2015年の1週間あたりの「RSウイルス感染症」の患者が、同期間中に最多だったことが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染によって感染する。潜伏期間は2~8日で、典型的には4~6日とされている。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴うときもあれば、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するとしている。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月26~11月1日(第44週)の期間中に報告があった全国の感染者数は4,740人。第40週に2,643人で2,000人を超えてから右肩上がりに感染者が増加し、第43週(10月19~25日)に4,118人で今年になって初めて4,000人を突破。そして第44週にその感染者数をさらに上回る数値を記録した。直近5年間の同時期の感染者数を見ると、1,945人(2011年)、3,092人(2012年)、4,195人(2013年)、3,423人(2014年)と推移していることから、今年の感染者が多いことがうかがえる。第44週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは北海道(364人)だった。以下、東京都(357人)、大阪府(351人)、福島県(237人)、宮城県(224人)と続き、2015年の累積感染者も6万人を超えた。東京都だけで見ると、感染者は第41週から398人、363人、384人、357人となっており、300人台の高水準を維持している。この現状を受けて、東京都感染症情報センターはRSウイルス感染症に関して、「定点当たり報告数は、過去5年平均より高い値で推移している」と警鐘を鳴らしている。感染は全国的な拡大を見せており、Twitter上でもRSウイルスはインフルエンザより厄介だと嘆く声や、小児がいる家庭に注意を呼びかける声などがあがっている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月10日国立感染症研究所は11月2日、10月19~25日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中のインフルエンザの患者が全国で500人近くであることが判明した。インフルエンザは「のどの痛み」「せき」などの風邪のような症状に加え、「38度以上の発熱」「頭痛」「関節痛」「筋肉痛」などの症状も伴う。日本では例年12月から3月頃にかけて流行が見られ、一度流行が始まると短期間に多くの人へと感染する点が特徴だ。全国5,000カ所の定点医療機関から10月19~25日(第43週)の期間中に報告があった全国の感染者数は498人。第40週に212人を数えてから319人(第41週)、370人(第42週)と推移しており、わずかずつではあるが増加傾向にある。第43週に都道府県別での感染者が最も多かったのは神奈川県(68人)。以下、愛知県(66人)、沖縄県(51人)、東京都(49人)、福岡県(40人)と続く。第42週で報告が多かったのは愛知県、沖縄県、千葉県、東京都、広島県となっており、愛知県と沖縄県、東京都での患者の多さが比較的目立っている。インフルエンザの定点報告数も増加している。第40週は0.04だったが、そこから0.06、0.08と増えていき、第43週には0.1となった。「流行開始」の指標となる数値「1.00」の10分の1ではあるが、そろそろ注意が必要となってくることがうかがえる。なお昨シーズンにおいては、同研究所が昨年12月5日に定点報告数が「1.00」を上回ったことを明らかにしている。インフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となる。予防策としてはワクチン接種のほか、マスク着用や手洗い、うがいなどがある。※写真と本文は関係ありません
2015年11月04日ユニットコムは、コンパクトなUSB加湿器「USB棒状加湿器 L225-MINI-MAGIC-WAND-HUM」を、パソコン工房の通販サイト内雑貨店「Nantena」にて販売開始した。価格は税込1,599円。棒状の給水芯を水に浸して使用するUSB加湿器。付属のカップに水を入れ、1分ほど給水芯を浸してからスイッチを入れると、加湿をスタートする。給水には付属カップのほか、給水芯が入るサイズのコップやペットポトルも利用可能だ。給水芯部と本体上部のスイッチ部を分解可能だ。バラバラにすれば、さらにコンパクトになり運びやすいという。加湿性能は1時間あたり40mlから45ml。サイズは直径42×高さ164mm、重量は51g。付属するUSBケーブルの長さは100cm。カラーはグリーン、ブラック、ホワイト、ピンクの4色だ。
2015年11月02日ファイザーはこのほど、「長寿社会ニッポンにおける感染症の潜在リスクと最新対策」と題したセミナーを東京都内で開催。慶応義塾大学医学部 感染症学教室の岩田敏教授が登壇し、ワクチンによる感染症対策などについて講演した。○2025年の医療費は50兆円以上?医学雑誌「Lancet」にて最近発表された研究によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間)は73.4歳(2013年時点)で世界でもトップだという。定年後の人生を積極的に楽しむアクティブシニアが増えてきていることが伺える一方で、超高齢社会に伴う医療費も問題になっている。厚生労働省の試算などによると、2008年時点で34.8兆円だった国民医療費は2025年には52.3兆円まで膨らむと見込まれており、そのうち老人医療費は24.1兆円を占めるとされている。そのため、岩田教授は「超高齢社会における医療費の問題や健康寿命を鑑みると、感染症予防と予防接種の果たす役割が大きいのではないか」と提唱する。感染症を予防する手段の代表例としては、ワクチン接種があげられる。VPD(Vaccine Preventable Diseases: ワクチンで予防できる疾患)は、成人では「インフルエンザ」「肺炎球菌による感染症」「破傷風」などが、小児ではこれらに加え、「結核」「ポリオ」「水痘」「ロタウイルス」などがある。岩田教授は「ワクチンというと『子供が中心』と考えがち。もちろん子供に対してワクチンを打つのはとても大事ですが、大人にも必要なワクチンがあるんです」と力を込めるが、実際は成人の予防接種への意識は高くない現状が伺える。○成人のワクチン接種率は4割同社が7月28日から8月7日にかけて、各都道府県に住む60歳以上の男女150人(合計7,050人)を対象に行った調査によると、成人してからワクチンを接種した経験がある人は2,998人と全体の4割ほどにとどまっていた。そのうち、最も多かったのはインフルエンザワクチン(2,302人)で、その次に多かったのが肺炎球菌感染症(肺炎)ワクチン(1,501人)だった。最多となるインフルエンザワクチンですら、全体の32%ほどしか接種していないこととなり、予防接種への関心率の低さが浮き彫りとなっている。ワクチン接種率の低さの原因として「感染を100%防げない」をあげる人も少なくないだろう。ただ、重症化を防いだり、死亡リスクを低減させたりするなど、一定の臨床効果は示されている。例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンもインフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。「インフルエンザが流行したときは肺炎球菌を起こしやすくなるので、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを一緒に受けておいたほうが予防としてはいいということになります」。肺炎球菌ワクチンの定期接種は2014年10月から開始されており、2018年度までは該当する年度に65歳、70歳、75歳などのように「5歳の倍数となる高齢者」などが対象となっている。また、乳幼児や高齢者だけではなく、喫煙者や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などを患っている人も肺炎球菌感染症のリスクが高くなる。来る11月12日は「世界肺炎デー」。これを機に、肺炎球菌について詳しく知ろうとしてみるのもいいだろう。○医療従事者と患者間で予防接種の会話増を最後に岩田教授はワクチンが導入・普及されて日本では確実に病気の数が減ってきているとしたうえで、その接種率を高く保ち続けることが大切になってくると指摘。そのために、「医療関係者と患者さんの間で予防接種に関する会話が多くなることが重要」だとした。これからインフルエンザが本格的に流行する時期になる。岩田教授によると、健康な成人におけるインフルエンザワクチンの有効性は約7割だという。1回あたりの接種金額が500円~1,000円ほど値上がりしている病院もあるようだが、ワクチンを接種して自分の体を賢く守るよう、努めるに越したことはないと言えそうだ。
2015年11月02日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日国立感染症研究所は10月20日、10月5~11日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が、昨年末からこれまでに全国で5万人を超えたことが判明した。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。同研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりすることもある。だが、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月5~11日(第41週)の期間中に報告があった全国の感染者数は3,696人。第39週の1,997人、第40週の2,643人と比較してみると、患者が急増していることが伺える。都道府県別での感染者が最も多いのは東京都(398人)。東京都は第39週に209人だったが、第40週に303人、そして今回398人と2週間で倍増している。東京都に次いで多かったのは大阪府(266人)で、以下に神奈川県(187人)、北海道(159人)、埼玉(158人)と続いている。逆に患者が少ないのは沖縄県(4人)、山梨県(6人)、和歌山県(10人)、茨城県(16人)などとなっている。全国のRSウイルス感染症患者の累積数は、第41週の数値を合算して5万2,756人となり、昨年よりも早く5万人を突破した。全国的な感染が拡大していることを受け、Twitter上では「RSウイルスっての流行ってるから3歳未満の子が居る人気を付けてくださいね」「今回RSウイルス、インフルエンザより厄介なことがよーくわかった」「ジリジリとRSウィルスがやってきたか」などの声があがっている(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月20日国立感染症研究所は9月24日、9月7~9月13日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が前週に比べ、約1.3倍に増加していることが判明した。RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症であるRSウイルス感染症は、生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返す。ただ、同研究所は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるとしている。飛沫(ひまつ)感染と接触感染がRSウイルスの感染経路となる。風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりと症状はさまざまだ。しかし、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から9月7~9月13日(第37週)の期間中に集まった感染報告数は、2,652。前週(第36週)の2,083からおよそ3割、さらにその前の週(第35週)の1,683からおよそ6割増加している計算になる。感染者が多い5地域は福岡県(304人)、東京都(247人)、大阪府(162人)、宮崎県(125人)、広島県(123人)となっている。東京都だけで見ると、第35週(106人)に初めて100人を超え、172人(第36週)、247人(第37週)と直近3週間で約2.3倍に増えている。逆に第37週の感染者が少ない地域は、群馬県(1人)、山梨県(1人)、富山県(2人)など。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られるが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。今年の第37週までの累積報告数は4万1,360で、昨年同時期(3万2,495人)に比べ、約1.3倍となっている。
2015年09月25日国立感染症研究所は9月15日、8月31~9月6日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因による「RSウイルス感染症」の患者が、前週に比べて約1.2倍に増加していることが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返すが、同研究所によると、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるという。症状は、発熱や鼻水などの風邪に似たようなものから、重度の場合は肺炎や気管支炎までとさまざまだ。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から8月31~9月6日(第36週)の期間中に集まった感染報告数は、2,083。その前の週の1,683から1.2倍以上に増加している。特に多い地域としては、福岡県(295人)を筆頭に、東京都(172人)、大阪府(108人)、広島県(101人)で感染者が100人を超えている。東京都だけで見ると、35人(第33週)、68人(第34週)、106人(第35週)、172人(第36週)と推移しており、3週間前に比べて約5倍となっている。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られる。だが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。厚生労働省によると、2014年の報告数は第30週から徐々に増加傾向となり、第34週から第37週にかけて急速に増えたという。今年も第34週から1,119人、1,689人、2,083人と着実に増加しており、昨年と似た傾向となっている。RSウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。そのため、「マスク着用」「子どものおもちゃなどのアルコール消毒」「手洗い」などが予防策となる。全国的に患者が増えていることもあり、Twitter上では「乳幼児の咳には要注意」「RSウイルス、流行の兆しね」「次はRSウイルスが流行っているのか」といった不安や戸惑いのコメントがみられる(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年09月16日国立循環器病研究センター(国循)は9月9日、開心手術が困難な重症僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療の国内第一症例治験に成功したと発表した。僧帽弁閉鎖不全症とは、左心房と左心室の間にある僧帽弁の閉鎖機能が悪くなり、本来の血液の流れとは逆に、左心室から左心房に血液が逆流してしまう状態のことで、進行すると左心室の動きが悪くなり心不全につながってしまう。心不全の状態になると、弁逆流を治療する手術の必要性が高くなるが、左心室の動きが悪い中での手術は危険性が高く治療が困難である場合があった。今回、僧帽弁閉鎖不全症で心不全を繰り返す開心手術が困難な80代男性に対して、同センターのハートチームが、AVJ-514というカテーテルによる治療を実施。僧帽弁逆流の程度を重度から軽度に改善することに成功した。AVJ-514は、カテーテルを使って足の静脈から僧房弁に到達し、「クリップ」で弁をつかんで引き合わせることにより、逆流量を減らす治療法。体にかかる負担が少ないため、年齢や合併症などのために、手術を断念せざるを得ない症例に対しても治療が可能となる。同治療法は近年、欧州などで外科的手術が困難な症例に対し使用されており、海外での試験では開胸手術と同等の弁逆流および心不全の改善が得られたと報告されている。
2015年09月10日東京都感染症情報センターは9月2日、都内のデング熱報告数の推移などを明らかにした。蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。症状は1週間程度で回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもある。昨年は8月中旬頃から東京都をはじめとする関東圏で、70年ぶりとなるデング熱の国内感染者が続出。8月末から厚生労働省が感染者数の公表に追われ、最終的な国内感染者は160人を数えた。昨年9月4日にデングウイルスを保有している蚊が東京都の代々木公園で確認されたことなどもあり、同公園や国立オリンピック記念青少年総合センター、新宿御苑などの施設が閉鎖された時期もあった。今年は国内感染者がいまだ報告されていない一方、海外での感染者は増えている。8月30日時点での東京都における感染報告数は53人。2011年以降の推移と比べると、国内感染者が続出した2014年を除けば2番目に報告数が多かった2012年と、今年8月時点の数値がほぼ等しくなっている。このまま増えていけば、2012年や2013年の報告数を上回る可能性もある。厚生労働省が「海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後」見られるとしているように、元来、デング熱は主に東南アジアや南アジア、中南米などで感染者が多く報告されている。実際、同センターも「推定感染地域別報告数」を公表しているが、今年の東京都の感染者数の大半がインドネシアやフィリピン、タイなどで感染したと見ている。今後もこれらの地域に渡航する際は、注意が必要といえそうだ。なお、世界保健機関の西太平洋地域事務所によると、今年のマレーシアのデング熱の感染者は8月15日時点で約7万6,000人となっており、昨年同時期に比べて3割近く増加している。ベトナムは8月16日時点で感染者が2万5,000人近く報告されており、昨年同時期に比べて5割以上も多くなっている。同じくフィリピンもやや増加傾向にあるとのこと。一方で、中国は7月の感染者数は過去3年と似たような傾向にあり、オーストラリアの感染者数も昨年とほぼ同様となっている。※画像はすべて東京都感染症情報センター提供
2015年09月03日高血圧なんて自分には関係ない、他人事だと思っている人は多いのではないでしょうか。でも、自分では気づきにくい睡眠時無呼吸症候群の症状が出たときに急激に血圧が上昇している可能性もあるのだそうです。高血圧と睡眠時無呼吸症候群今年6月、オムロンヘルスケアと自治医科大学は共同研究の結果として、睡眠時無呼吸症候群と高血圧との関係について新たな事実を発表しました。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が一定時間止まってしまう病気のこと。これが血圧を上昇させ、心臓に大きな負担をかけるということが指摘されていました。今回の共同研究で明らかになったのは下記の2点。1.睡眠時無呼吸の重症度や夜間血圧の平均値が同等の場合でも、睡眠時無呼吸による血圧上昇の程度には個人差がある。2.夜間血圧の平均値が正常に見えても、睡眠時無呼吸が発生したときには、200mmHg以上に血圧が上昇する危険なタイプの高血圧がある。睡眠時無呼吸時の血圧を測定できるようになる!?急激な血圧の上昇は心臓病などのリスクを高めると言われています。今回の実験で、睡眠時無呼吸による血圧の上昇は、寝る前に降圧治療を行うことで抑えることができることもわかったそうです。オムロンは、今後さらに研究を進め、「睡眠時無呼吸を検知する血圧測定を始める試作機」を改良していき、2015年度中に製品として販売をスタートする予定としています。ちなみに、夜間高血圧の原因の1つは「メラトニンの分泌量の低下」と考えられていて、睡眠ホルモンとも呼ばれる眠りを誘引する物質、メラトニンの分泌量が低下することで体内時計が乱れ、高血圧の原因になるという説があるそうです。重病のリスクも…実際に、メラトニンを高血圧の患者さんに寝る前に投与したところ、血圧が下がったという報告も。高血圧で、かつ「眠れない」という方は、メラトニンの分泌量低下による体内時計の乱れが原因の可能性もあるので、早めにお医者さんに相談するようにしましょう。夜間に血圧が上昇する、または夜間に血圧が低下量しにくい人は心筋梗塞や脳卒中のリスクが高いとも言われています。さらに、睡眠不足の状態が続くと要注意です。普段、ほとんど気にすることのない血圧ですが、重病を招く一因にもなりかねません。健康診断の結果などは、注意して見るようにしましょう。photo by pixabay
2015年09月03日ギネスブックに「人類史上最も感染者の多い感染症」として登録された病気があります。それは「歯周病」。「命に関わるような病気でもない」と軽く考えるのは禁物。自覚症状のない歯周病は、気づいたときには抜歯しかすべがなかったということも多くあるのです。歯周病の現状と予防法などについて、歯科衛生士の土屋和子先生(スマイル・ケア代表)にお聞きしました。あなたも感染している!?歯周病――歯周病は「感染症」なのですか。土屋先生:歯周病の元となる歯周病菌は、最初は感染によって人の口内に入り込みます。虫歯菌と同様、親子間の接触で感染したり、成人になってからも唾液を介して、キスなどで感染することもあります。いったん感染すると口の中の歯周病菌を完全になくすことはできません。ですから、ほとんどの人が感染しているといっても過言ではないでしょう。――親子間で感染するということは、若い人でも歯周病になる可能性があるのでしょうか。土屋先生:実は、歯周病菌は赤ちゃんが生まれるときに通る産道でも見つかっています。それくらい小さな頃から私たちの間で蔓延しているのです。子どものうちは影響を受けにくいのですが、遺伝的要素が高いと、早い人では乳歯の段階から歯周病が出ることもあります。歯科の予防医療が進んでいるアメリカやヨーロッパでは、15~18歳ごろから歯周病に気をつけるよう指導されています。「若いから歯周病にはならない」と思っていてはいけません。ほうっておくと怖い!歯周病――歯周病の症状について教えてください。土屋先生:歯周病菌の働きによって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで進行していきます。骨の組織が破壊されると、最終的には抜歯をしなければならない状態になります。気をつけなければならないのは、歯周病は初期の自覚症状がまったくないということです。歯茎が腫れている、歯が動く、噛むと違和感がある……、そのような状態になったときは、すでに手遅れのことが多いのです。――歯周病を、初期のうちに自分で発見する方法はないのでしょうか。土屋先生:「歯周病かな?」と思う以前に、口内に少しでも気になることがあればすぐに歯科を訪れた方がよいでしょう。中高年になると抜歯を経験される方も増えてきますが、ご自分が抜歯をした原因を覚えていない人が少なくありません。実際、歯周病が原因で抜歯をする方はとても多いのです。歯周病が骨まで進んでしまった場合、元の状態にするのは多くの場合不可能です。歯周病を防ぐには?――歯磨きをきちんとしていれば防げますか?土屋先生:日々のケアももちろん重要ですが、それだけで歯周病を防ぐことは不可能です。検診も含めて定期的に歯科に通い、歯根周囲のプラーク(歯垢)や歯石を除去することがなにより重要です。プラークや歯石のもとは細菌で、まさに歯周病の病原ですが、これらは歯科で専門的な処置をしなければ除去することはできません。これを放置しておくのは、歯周病を育てているようなものです。歯が丈夫な人は、「自分は虫歯がないから歯周病にもなっていないだろう」と思うかもしれませんが、これも危険です。虫歯がないために歯医者に通う習慣がなく、歯周病の発見が遅れてしまうというケースも多くあります。唾液ケアが大事――定期的な歯科検診が最重要ということですね。ほかに、自分で予防のためにできることはありますか?土屋先生:唾液が少ない状態になると歯周病のリスクが高まるので、気をつけた方がよいですね。唾液は歯や粘膜を保護し、抗菌作用によって歯周病菌が増殖しないようコントロールしてくれます。いまはパソコン画面の見すぎなどによるドライアイが流行していますが、実はドライアイの人はドライマウスの疑いがあります。唾液が少ない人はとても増えてきています。――唾液を増やす方法はあるのですか?土屋先生:唾液は、口の中の唾液腺を刺激することによって多く分泌されますから、まずは食事のときによく噛んで食べましょう。一口あたり30回くらい噛むのが理想です。また、ガムを噛むなどもおすすめです。そして、口呼吸の人が最近増えていますが、口の中の乾燥の原因となりますから、鼻呼吸を習慣付けるとよいでしょう。――口腔衛生の管理には、さまざまな視点が必要なのですね。土屋先生:菌の暴走を抑えるという点では、全身の健康管理も重要です。睡眠をしっかりとる、バランスのよい食事をする、ストレスをためすぎないなどに留意してください。ふだん元気な人が体調を崩したときに、歯周病も急に進行してしまうことがあります。「歯科は、虫歯ができたり歯の調子が悪くなったりしたら診てもらうところ」と思っている人がまだ多いかもしれません。しかし、予防をしっかりして虫歯や歯周病にならないようにすることが、長い目で見て体への負担も経済的な負担も小さくすむものです。歯に関する悩みや疑問があったら、どんなことでも歯科医師や衛生士に相談してみてください。<プロフィール>株式会社スマイル・ケア代表土屋和子先生【出身】兵庫県神戸市【経歴】1977年 歯科衛生士ライセンス取得1982年~ 日本におけるフリーランスプロフェッショナルハイジニスト第1号数多くの歯科医院、病院、施設にて勤務現在まで、約350名の歯科医師、約1,400回の講演に関わる2007年 株式会社スマイル・ケア設立2011年 全米NLP協会公認トレーナーライセンス取得2012年 LABプロファイル®公認トレーナーライセンス取得2014年 日本歯科医療人育成協会設立理事デンタルNLP®・ぺリオマネージメント®主宰現在 Dr.土屋賢司・Dr.植松厚夫・Dr.北原信也のオフィス勤務
2015年08月19日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日睡眠中に呼吸が止まってしまう病気、睡眠時無呼吸症候群。ひどくなると身の危険にもかかわるといわれているこの睡眠障害が、成人の気管支喘息と関係があるということが明らかにされました。その研究結果をご紹介します。睡眠障害と喘息の関係睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のことです。ひどい場合は、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こすこともあると言われています。また、睡眠中に呼吸が止まってしまうため、息苦しくなって夜、目が覚めることが多くなり、その結果、深く眠ることができず、日中の行動に支障が出てくる場合もあります。今年1月に睡眠時無呼吸症候群と気管支ぜんそくの間に、なんらかの関係があるという研究結果が発表されました。調査を行ったアメリカの研究者によると、「喘息にかかることが睡眠時無呼吸症候群を引き起こす危険因子になる」のだそうです。喘息は危険因子になるその研究によると、喘息にかかっている被験者のほうが健常者よりも数年後に睡眠時無呼吸症候群になる確率が高かったいうのです。ただ、「その原因が何か?」というところまではまだわかっていないようで、今後の研究でそのメカニズムが明らかになることに期待が集まっています。睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに症状がみられる病気なので、自分では気がつきにくいと言われています。そのため、家族など、自分以外の人に「寝ているときの呼吸がおかしい」「いびきが突然止まる」などと言われて、初めて病院にかかり睡眠時無呼吸症候群と診断されたという人も多いようです。睡眠時無呼吸症候群がもたらす危険睡眠時無呼吸症候群の人には下記のような症状が見られるそうなので、自分は大丈夫と思っている人も一度チェックしてみましょう。・睡眠中に呼吸が止まる・いつもいびきをかいている・よく夜中に目が覚める・よく寝汗をかく・起床時に熟睡感がない・日中に眠気やだるさを感じる睡眠時無呼吸症候群で怖いのは、本人に「熟睡できていない」という自覚がないことです。特に自覚のないまま日中を過ごしていることがあるので、昼間に眠気に襲われたり、集中力をかいて思わぬ事故を起こす可能性があります。実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者は交通事故を起こす率が高いという報告もあるようです。周囲から指摘されたり、上の項目で当てはまる点が多い場合は、一度、お医者さんに相談してみたほうがよいかもしれません。photo by Lisa Marie Cannon
2015年08月09日関西福祉大学の勝田吉彰研究室はこのほど、感染症とメンタルヘルスについてまとめた「パンデミック症候群~国境を越える処方箋~」(著者: 勝田 吉彰)を出版した。同書の著者は、外務省医務官として24か国で海外医療の世界を経験した渡航医学の専門家。著者は2003年のSARS流行渦中の北京で大使館医務官として対応にあたり、社会のパニック状態への対処を経験してきた。同書ではその経験から、今後日本に「耳慣れない感染症」が入ってきたときに何を伝え、何を知ってもらう必要があるのかを的確に記している。また、医学系の書籍は著者の専門により、分野別に分かれているのが一般的だが、同書は「感染症」「メンタルヘルス」「海外医療事情」を1冊で網羅した。致死率の高いエボラ出血熱や、蚊によって媒介されるデング熱など、これから日本に入り脅威となる病気や、海外進出にあたって注意が必要な感染症とメンタルヘルスに加えて、途上国の医療事情やアンテナの張り方まで1冊にまとめている。海外に行く際に気をつけたい情報についても記載。今後、国境を越える人に向け、海外旅行や出張の際に備えておきたい病気の知識、海外勤務で自分の身を守るための情報も掲載した。価格は972円(税込)。
2015年08月07日なかなか気づきにくい病気といわれる睡眠時無呼吸症候群。でも、気づかなかったではすまされないこともあります。特に、自分の体だけでなく、身ごもっている赤ちゃんにまで悪影響が及ぶとあれば……。ぜひ、妊婦さんとそのご家族はチェックしてみてください。妊婦さんは特に気をつけたい睡眠時無呼吸症候群最近、妊娠したという方は一度、睡眠時無呼吸症候群の有無を検査してみたほうがよいかもしれません。というのは、妊婦さんが睡眠時無呼吸症候群になると、母体だけでなく、胎児にも影響が及ぶといわれているからです。睡眠時無呼吸症候群とは、夜中に一時的に呼吸が止まってしまう病気のことで、眠りが浅くなるため、日中に強烈な眠気に襲われることがあります。それだけでなく、心筋梗塞や不整脈、脳血管障害などを引き起こすリスクが高まると考えられています。睡眠時無呼吸症候群は肥満体質の人に多いといわれているので、妊娠中に急に太ったという人は、特に注意が必要です。胎児にも悪影響が妊婦さんが睡眠時無呼吸症候群になると、胎児に酸素がいきわたらなくなる危険があるといわれています。そうなると、発育に悪影響を与える可能性が高まるので、妊婦さんの家族の方で、妊婦さんが睡眠中に大きないびきをかいていたり、無呼吸の状態が続くのを感じているのであれば、早めにお医者さんに相談するようにしましょう。症状としては他にも、朝起きると頭が痛い、口が渇く、胸やけがするなどがあります。まわりの人は、元気な赤ちゃんを産んでもらうためにも、ぜひ注意して見てあげてください。一般的に、病院で診察する際は、無呼吸の状態が10秒以上続く、または、呼吸が浅くなる低呼吸の状態が1時間に5回以上認められる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されるそうです。お相撲さんも愛用しているCPAP睡眠時無呼吸症候群の治療にはCPAP(シーパップ)と呼ばれる、空気を送り込んで気道を確保する鼻マスクを使うことが多いようです。CPAPは基本的に病院からのレンタルで(1カ月で約5,000円)、自宅で寝る前に自分で着用します。使用したら久しぶりに熟睡できたという患者さんも多数いるのだとか。装着方法も特に難しくありません。ちなみに、相撲の力士のなかにも愛用者が多いとニュースで報道されていました。CPAPを使うのと使わないのとでは、翌日の体のキレが違うという記事も。睡眠時無呼吸症候群は本人では気づきにくい病気です。健康な赤ちゃんを生むためにも、一度寝ているときに不審な点はないかまわりの人に聞いてみてはいかがでしょうか?photo by pixabay
2015年08月03日キーエンスはこのほど、寸法測定の用語や測定器の基礎知識をまとめたウェブサイト「測定器ナビ」を公開した。同社がこれまで手がけてきた検査効率化や高精度化の経験をベースに、寸法測定や検査に関わるあらゆる人が学ぶべき知識が集約されているという。「測定器ナビ」では、ものづくりの自動化が進む中、多くの企業で悩みの種となっている寸法測定について、「寸法測定の基礎」や「測定器の特長・使い方」が広く解説されており、初心者だけでなく熟練者にとっても役立つサイトとなっている。また、サイト内の全コンテンツは冊子として印刷することも可能となっており、研修用の資料や手元に置くガイドブックとして活用することもできる。
2015年07月30日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日普段眠っているとき、自分が口呼吸なのか鼻呼吸なのかを意識することはあまりないかもしれません。ただ、口呼吸を続けていると、徐々に顔がだらしなくなってしまうと言われているんです。これはなぜなのでしょうか?その原因と、口呼吸を改善するための方法をご紹介しましょう。口呼吸の原因とは?自分が口呼吸をしているのかどうかを知らない方も多いでしょう。口呼吸の方は、普段から口が開いている、唇が乾きやすい、いびきや歯ぎしりをしている、起床時に喉の痛みを感じる、といった特徴があります。とくに、日ごろから口が開いているのは自分でもわかりやすいサインです。心当たりがある方もいるのではないでしょうか?口呼吸は、ストレスによる自律神経の乱れが原因であると言われています。睡眠不足や偏食、疲労など、日常生活のあらゆる行動によって蓄積されたストレスが、呼吸の仕方に影響していると考えられているのです。まずは、自分の生活習慣を振り返り、口呼吸の疑いがないかをチェックしてみましょう。実は怖い! 口呼吸が体に与える悪影響口呼吸は、体の免疫力を低下させてしまうことが明らかとなってきました。免疫力が低下すると、病気になりやすくなり、動脈硬化や胃潰瘍といった症状を引き起こす可能性も高まります。また、口呼吸をずっと続けていることで口のまわりの筋肉が発達せず、あご部分にシワができやすくなったり、口元がだらしなくなってしまったりします。幼いころから口を開きっぱなしにしがちな方は、そのまま放っておくと体にさまざまな悪影響が出てくるかもしれません。そうならないためにも、早めの対策をしましょう。「あいうべ体操」で口呼吸改善!口呼吸を改善する手段のひとつに、「あいうべ体操」があります。これは、口の動きを「あいうべ」という4文字に合わせて動かす簡単なトレーニングです。「あ」と口を大きく広げ、「い」で口をぐっと横に広げます。「う」のときは前に口を突き出し、「べ」では思い切り舌を出して下に伸ばしましょう。これを10回繰り返し、1日に3セットやると効果的だと言われています。しっかりとトレーニングをすれば、睡眠中の口呼吸で悩んでいた方も、無意識に鼻呼吸ができるようになるはず。口元の筋肉を鍛えてキレイな輪郭を維持するためにも、ぜひ「あいうべ体操」を取り入れてみてくださいね。photo by pixabay
2015年06月19日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日オムロン ヘルスケアはこのほど、自治医科大学との共同研究により、睡眠時無呼吸に伴って血圧が200mmHg以上に上昇する危険なタイプの高血圧があることを明らかにした。同社では、自治医科大学 循環器内科学部門の苅尾七臣教授とともに、睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠中に無呼吸発作を起こすときの急激な血圧上昇に関する研究を行っている。血圧は通常朝は低く、睡眠中は落ち着くというのが一般的だが、朝の血圧が高い「早朝高血圧」や、夜間睡眠中も血圧が高い「夜間高血圧」の患者は、脳卒中などの心血管病リスクが高いことが知られている。夜間高血圧の原因のひとつには、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」などが考えられているという。同疾患の患者は、睡眠時に無呼吸になることにより急激に血圧上昇が発生し、心臓などに大きな負荷がかかる。心血管病の発生は夜間から朝方に多いことが知られているが、この急激な血圧上昇がその強力な危険因子になると考えられている。同社と自治医科大学では、睡眠中のSp02(動脈血酸素飽和度)の低下によって睡眠時無呼吸を検知した際に血圧測定を開始し、睡眠時無呼吸に伴う急激な血圧上昇を検出する研究用試作機を共同開発した。現在、全国25施設の医療機関が同研究に参画し、900症例を超えるデータが集まっている。その結果、睡眠時無呼吸の重症度や夜間血圧の平均値は同じでも、睡眠時無呼吸に伴う血圧上昇の程度には個人差があることがわかった。また、約28%の患者が無呼吸時に160mmHg以上に上昇していること、中には200mmHg以上に上昇する危険なタイプの高血圧があることも明らかとなった。睡眠時無呼吸に伴う血圧上昇は、就寝前の降圧治療によって上昇を効果的に抑えられることも確認できた。自治医科大学の苅尾教授は、「家庭で夜間の血圧を測定することによって危険な夜間高血圧を評価し、適切に治療を行うことでリスクを低下させることができる」とコメントしている。
2015年06月15日イーバランスは6月8日、「ROOMMATE」ブランドから、ハンディタイプの氷かき器「電動ハンディかき氷器 アイスマジック EB-RM1100A」(以下、EB-RM1100A)を発表した。発売は6月下旬で、希望小売価格は12,800円(税込)だ。EB-RM1100A本体にバラ氷を入れ、スイッチを押すと削った氷が出てくる電動の氷かき器。家庭の製氷機などで作った、一般的なバラ氷を使用する。ハンディタイプなので、グラスに直接氷を削ってフローズンドリンクなどを作ることも可能だ。連続使用可能時間は1分。消費電力は23W。サイズはW11×D12×H31.5cm、重量は約845g(いずれもスタンドを含む)。電源コードの長さは約120cmだ。
2015年06月08日春はあたたかいので感染症の流行する季節ではない……。そんなふうに思っている人も多いかもしれません。でも、女性はとくに気をつけたい病気「風しん」は、5月が流行のピークを迎えることが多いのだそうです。“女性はとくに”と書いたのは、妊娠したときに風しんにかかっていると、おなかの中の赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるから。耳が聞こえなくなったり、重い心臓病になってしまったりする「先天性風しん症候群」を発症する恐れがあるからです。発症してしまった場合、完治する手立ては今のところありません。だから、予防接種をきちんと受けて、体の中に抗体をつくることが大事なのです。と、ここで「あれ、私はワクチン接種してるのかな?」と思った人もいるのでは?そんな人は、下記の関連リンクでチェック。この中の表を見れば、自分がどの時期に予防接種を受けた可能性があるかわかります。これをもとに、ご両親に聞いたり、ご自身の母子手帳を見たりして、ぜひ確認してみてください。今の子どもたちや24歳くらいまでの人は、風しんワクチンを2回接種した世代ですが、25歳以上の人たちは、1回接種。シロタ産婦人科名誉院長の久保隆彦医師によれば、1回接種の人たちは、2回接種の人たちよりも抗体が弱く、もう一度接種したほうがいい場合もあるとのこと。「両親に聞いても覚えてなかった」「母子手帳が見つからなかった」などという人も含めて、これらの人たちは抗体検査を受けるとよいでしょう。妊娠を希望する女性なら無料で受けられるので、おすすめです。最後にもう一つ。男性は妊娠する生き物ではありませんが、風しんに感染し、それを女性にうつしてしまう可能性はもっています。中でも、36歳以上の男性は定期接種のなかった世代なので、より注意が必要です。自治体によっては、男性の抗体検査が無料の場合も。パートナーと先天性風しん症候群の話をして、一緒に抗体検査を受けるとよいでしょう。将来の赤ちゃんのために、みんなができること……。自分事として考えていきたいですね。◇「風しん」予防は社会、職場全体の問題風しんワクチンの接種はなぜ大切? Vol.2(妊娠出産インフォ)
2015年05月27日東北大学は5月25日、1970年代以前によく見られ、一旦は収まっていた感染症「レプトスピローシス(ワイル病)」が近年、東北地方で再発生していると発表した。同成果は東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門・災害感染症学分野の研究グループによるもので、5月1日付けの「Tohoku Journal of Experimental Medicine」に掲載された。レプトスピローシスは、古くから存在する人獣共通感染症で、重症型はワイル病として知られる。重症化すると急性腎不全、肝不全、脳症などを起こし、死に至る場合もある。感染源はラットなど動物の尿で、それがヒトに経皮感染すると考えられている。世界では年間30万~50万人の患者が存在し、洪水などで増加することが報告されており、2009年にはマニラの洪水のあとに大流行したとされる。日本では1970年代以前に宮城県でよく見られたが、その後農業の機械化や衛生面の改善により患者数は減少した。近年では2008年に秋田県で1例報告されるに留まっていたが、2012~2014年の間に4例の感染報告がされた。中には、ネズミに噛まれて発症した例があったという。東北大学は、今回の発病と災害は直接の因果関係がないとしつつも、災害時に被災者が自然界に近い生活を強いられるため「東北地方にお住まいの方々は、災害時、このような疾患が起こりうるとの知識を持っておくことが大切です。また、医療関係者も、発熱疾患を診た際は、この疾患の可能性を考えることが大事です」とコメントしている。
2015年05月25日テクトロニクスは5月12日、大学などのエンジニアリング実習室において基本計測器を迅速に設定し効率的に一元管理するための、計測器ネットワーク管理ソリューション、TekSmartLabを発表した。業界初のソリューションだというTekSmartLabは、1台のPCベースのプラットフォームから最大400台(100のテストベンチ)の計測器を一元管理することが可能となる。LANポートを装備していない計測器でも、計測器のUSBポートとTekSmartLab USBネットワーク・アダプタを使用して作業ベンチ上の計測器を無線またはEthernet経由でネットワーク環境に接続することができる。また、TekSmartLabソフトウェアは標準的なPC上で動作するため、ネットワーク管理や計測器の特殊な設定などの専門知識がなくても簡単に設定することが可能だ。さらに、同ソフトウェアがインストールされたPCから実習内容に対応した計測器の設定をダウンロードし、1度に多数の計測器を設定することができる。加えて、作業ベンチことに専用のウェブページが設定されるため、学生はそのウェブページごとに発行されるQRコードをスマートフォンでスキャンし、テスト結果などを専用ウェブページ上で管理することができる。計測器の管理にも有効な機能が搭載されている。これまでは計測器の型名、シリアル番号、作業ステーションなどの位置をマニュアルでチェックする必要があったが、TekSmartLabでは利用情報を自動的に記録/表示できるため、実習室のスケジューリング、エネルギー消費などを検討するための情報を簡単に得ることができる。対応機器としては、テクトロニクスのTBS1000B シリーズ、TBS1000B-EDUシリーズ、DPO/MSO2000Bシリーズ、MDO3000シリーズ・オシロスコープ、AFG1022型、AFG2021型、AFG3000Cシリーズ・任意波形/ファンクション・ジェネレータ、ケースレーのDMM2110型マルチメータ、2231A-30-3型電源などがサポートされている。このほか、TDS1000シリーズ、MSO/DPO2000シリーズ、AFG3000シリーズなど、過去5年間に発表された多数のテクトロニクス製品もサポートしているため、これらの計測器を導入している場合は、新しい計測器を購入しなくても簡単にTekSmartLab対応にアップグレードが可能だ。
2015年05月12日株式会社フジ医療器株式会社フジ医療器では、ひざ下用フットマッサージャー「モミーナエアー フットマッサージャー KC-210」を新発売。6つのエアーバッグと足裏のローラーで、ひざ下全体をもみほぐす。5月1日(金)新発売。全国の家電量販店で購入可能だ。株式会社フジ医療器は、世界ではじめてマッサージチェアを量産化した健康機器メーカー。すぐれた技術と高品質を誇る、マッサージチェアのパイオニアだ。フットマッサージ器市場近年、女性の社会進出などを背景に、足の疲れやむくみ、冷えなど足の悩みを持つ人は増加傾向だ。これに伴い、フットマッサージ器の市場も拡大中。「KC-210」は、ひざ下のマッサージ器。ふくらはぎまでをしっかりと包んでマッサージをおこなえるよう「エアーバッグ」を搭載している。2つの「新」自動コース6つのエアーバッグは、ふくらはぎ・足首・足先にあり、さらに足裏には、半回転式ローラーを設置。「しぼりもみエアーマッサージ」と「つかみ指圧マッサージ」の新しい自動コースを可能とした。また、10分間の自動コースは「全体」「つかみ指圧」「しぼりもみ」の3つ。足裏にはヒーターが付いており、強さ調節は5段階。(画像はプレスリリースより)【参考】・ひざ下全体を包み込んでもみほぐすフットマッサージャー 「モミーナエアー フットマッサージャー KC-210」5月1日(金)新発売 ~6つのエアーバッグと足裏ローラーでリフレッシュ~
2015年05月03日デング熱をはじめとした蚊媒介感染症についての情報を発信するため、このほど「みんなで防ごう! デング熱プロジェクト」が発足した。ウェブサイトもオープンし、対策法や最新情報について情報を公開している。2014年8月、約70年ぶりに日本国内でデング熱感染者が確認された。デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、感染すると潜伏期間を経た後に発熱や激しい頭痛、関節痛などの症状が出る。日本では2014年10月31日時点で感染者数は160人と報告されていたが、世界的に見ても、最近の数十年間でデング熱にかかる患者数が増加している。同プロジェクトは、デング熱をはじめとした蚊媒介感染症および害虫リスクへの予防意識を高め、虫よけ活動をサポートすることなどを目的に立ち上げたもの。ウェブサイトでは、デング熱など蚊媒介感染症に関する正しい知識や対策、最新情報を掲載している。4月中旬からは、蚊や害虫専門家の嘉糠洋陸教授(東京慈恵医科大学)や、皮膚科医の馬場直子先生などによるデング熱対策や、虫よけの必要性に関するコラムも掲載予定とのこと。早期からの対策の重要性や具体的な対策法について啓発を行っていく。そのほか、マダニなど蚊以外の害虫リスクも掲載する。
2015年04月14日