小松菜奈と門脇麦がW主演を務める、『どろろ』の塩田明彦監督キャリア初の音楽映画『さよならくちびる』。この度、劇中で小松さんと門脇さんが組むギター・デュオ「ハルレオ」が歌う楽曲のプロデュースを、秦 基博とあいみょんが担当することが決定した。今回、秦さん提供曲の主題歌「さよならくちびる」と、あいみょんさん提供曲の挿入歌「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」は、それぞれ本作のために書き下ろされた楽曲。劇中では、レオ役の小松さんとハル役の門脇さんが演奏し、歌唱する。小松さんにおいては、映画やCMなど含め、今回キャリア初の歌唱演技!さらに2人とも、数か月のトレーニングを経て、実際にギター演奏をしながら今回の楽曲を披露できるまでになり、ライブシーンの撮影を成功させたという。主題歌「さよならくちびる」をプロデュースした秦さんは、曲はもちろん、歌詞の全てまで手掛けており、「最初に頂いた脚本にあった『さよならくちびる』という塩田監督の言葉を元に、小松菜奈さん、門脇麦さんの演じるハルレオの声、この映画の世界をイメージしながら曲を書きました」と語り、「今回、お二人とレコーディングさせて頂きましたが、お二人の、飾らない真っ直ぐな歌声によって『さよならくちびる』という曲は完成するのだと改めて感じました。多くの方に、楽しんで頂ければ幸いです」とコメントしている。また、挿入歌2曲を作詞・作曲・プロデュースした最旬女性シンガーソングライター・あいみょんさんは、「たちまち嵐」について「楽観的だけど、芯のある楽曲をイメージしました」と言い、「誰にだって訳がある」については「皆それぞれ、理由があって今その場に立っていて、好きな物にも嫌いな物にもきっと理由がある。傷つくこと、泣きたくなることや嬉しくなることにも。沢山の感情を背負って心臓を走らせ生きているハルとレオに、少し訳ありの歌を作りたいと思いました」と楽曲に込められた思いを語っている。『さよならくちびる』は2019年5月、全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:さよならくちびる 2019年初夏、全国にて公開予定(C)2019「さよならくちびる」製作委員会
2018年12月14日企画展「塩田千春展:魂がふるえる」が、森美術館にて開催される。会期は、2019年6月20日(木)から10月27日(日)まで。ベルリンを拠点にグローバルに活躍する塩田千春の世界ベルリンを拠点にグローバルに活躍するアーティスト、塩田千春。彼女は、記憶や不安、夢や沈黙など、とても繊細でパーソナルな世界をインスタレーションやパフォーマンスの形で表現している。中でも、黒や赤の糸を空間全体にびっしりと張り巡らせた彼女の代表的な作品シリーズは、まるで何本もの細い糸が生命力を持ったように空間を独特な緊張感で満たし、思わず息を呑んでしまう。焼けたピアノや椅子、糸などを使った作品は、見つめれば見つめるほどに、様々な感情が沸き起こってくる。本展は、塩田の過去最大規模の個展だ。大規模なインスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、20年にわたる活動を網羅的に体験できる。言葉以上に観る者の言葉を揺さぶり、日常を見つめ直すヒントを与えてくれる彼女の作品の世界を体感してみては。どこへ向かって美術館の入り口で観客を出迎えるのは、塩田の作品に度々登場する舟をモチーフにした作品「どこへ向かって」。まるで大海に浮かぶ小舟のように高さ11メートルの天井から吊るされた約100艘の舟が、先の見えない未来や人生苗度を連想させる。不確かな旅最初のインスタレーション「不確かな旅」では、フレームだけの舟と真っ赤な糸が張り巡らされた空間が広がる。赤い色は、血液や赤い糸など、人と人とのつながりを考えることもできると語る塩田。本作品は、不確かな旅の先にある多くの出会いを示唆しているかのようだ。集積―目的地を求めて展覧会のラストを飾るのは、約400個のスーツケースが振動し続ける作品「集積―目的地を求めて」。制作のきっかけは、ベルリンで見つけたスーツケースの中に入っていた過去の新聞。スーツケースは、見知らぬ人の記憶や移住、難民として定住先を求める旅など、人々の人生そのものを示しているようにも感じられる。ギンザ シックスでもインスタレーション展示塩田千春の作品は、2月より一足先にギンザ シックスでも展開される。展示されるのは、「6つの船」をテーマにした新作インスタレーション。鉄枠、フェルト、ロープの素材で作られた全長5メートルの6隻の船が、空間全体に張り巡らせた無数の白い糸によって吊り下げられている。戦後多くの困難を乗り越えて復興を遂げてきた銀座の「記憶の海」を6隻の船が出航し、前進する様子を表現した作品だ。【詳細】塩田千春展:魂がふるえる会期:2019年6月20日(木)〜10月27日(日) ※会期中無休会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階開館時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)料金:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円問い合わせ先(ハローダイヤル):03-5777-8600■ギンザ シックス インスタレーション展示展示期間:2019年2月27日(水)~10月31日(木)予定展示場所: ギンザ シックス 中央吹き抜け
2018年09月10日映画『さよならくちびる』が、2019年5月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。“音楽”が紡ぐロードムービー『さよならくちびる』で描かれるのは、夢を手放す旅にでた3人の若者たち。それはただの音楽映画ではない、“音楽”が紡ぐロードムービーだ。レオは志摩に恋を、志摩はハルに思いを寄せ、そしてハルはレオに友情を越えた感情を抱いていた。もつれた糸のように絡まりあう3人の気持ち…。インディーズの音楽シーンで話題を集めた2人組女性バンド“ハルレオ”。しかしながらその人気に影がさし、にわかに話題になっただけの“ハルレオ”は、互いにそれぞれの道に歩み出すため解散を決める。最後に…と始めた全国巡回の解散ツアー。そこには、“ハルレオ”だけでなく、バンドのサポートをするローディの姿があった。小松菜奈・門脇麦のダブル主演主演は小松菜奈と門脇麦。女性ギター・デュオ「ハルレオ」のレオとハルをそれぞれ演じる。レオ役小松菜奈は、『溺れるナイフ』『恋は雨上がりのように』などで注目を集めてきた。一方ハル役の門脇麦は『愛の渦』、NHK朝の連続テレビ小説『まれ』などに出演してきた。日本映画界で引っ張りだこの若手俳優だが、2人の本格的な共演は初めて。ハルに恋するローディには『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』の成田凌が出演するなど若手の注目俳優が揃う。監督は『月光の囁き』『害虫』『どろろ』『抱きしめたい-真実の物語-』と、数々の作品を世に送り出してきた塩田明彦監督で、キャリア初音楽映画。劇中のギターデュオ「ハルレオ」メジャーデビュー!小松菜奈と門脇麦が担当する劇中のギター・デュオ「ハルレオ」のメジャーデビューが決定。2019年5月22日(水)にに主題歌「さよならくちびる」をリリースする。またこの楽曲は、秦基博によってプロデュースされている。公開されたMV「さよならくちびる」の監督を務めたのは、米津玄師の代表作「Lemon」のMVも務めた山田智和。作品の世界観、そして純粋無垢な彼女たちの美しさを捉えた映像作品に仕上がっている。あいみょんも参加なお劇中の挿入歌であり、シングル「さよならくちびる」に収録される「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」は、その作詞・作曲をあいみょんが手掛けている。『さよならくちびる』あらすじ音楽にまっすぐな思いで活動する、インディーズで人気の女性ギター・デュオ「ハルレオ」のレオ(小松菜奈)とハル(門脇麦)だが、付き人シマが参加していくことで徐々に関係をこじらせていく。全国ツアーの道中、少しづつ明らかになるハル・レオの秘密と、隠していた感情。すれ違う思いをぶつけ合って生まれた曲「さよならくちびる」は、3人の世界をつき動かしていく―。【作品詳細】映画『さよならくちびる』公開日:2019年5月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本・原案:塩田明彦キャスト:小松菜奈、門脇麦、成田凌、篠山輝信、松本まりか、新谷ゆづみ、日髙麻鈴、青柳尊哉、松浦祐也、篠原ゆき子、マキタスポーツ■ノベライズ発売日:2019年4月5日(金)ISBN:978-4-19-894454-4判型/仕様:文庫判定価:600円+税■EP「さよならくちびる」1,200円+税発売日:5月22日(水)<収録内容>M1. さよならくちびるM2. 誰にだって訳があるM3. たちまち嵐M4. さよならくちびる -映画ver.-
2018年06月27日小松菜奈と門脇麦が初の本格的共演にしてW主演を務める映画『さよならくちびる』が、2019年初夏に公開されることが決定。『どろろ』の塩田明彦監督が自らのオリジナル脚本をベースに、キャリア初の“音楽映画”に挑戦する。ストーリーインディーズの音楽シーンでにわかに話題になっただけの2人組女性バンド“ハルレオ”。お互いそれぞれの道に歩み出す為解散を決めたレオ(小松菜奈)とハル(門脇麦)は、バンドのサポートをする“ローディ”の志摩(成田凌)とともに、解散ツアーとして全国を巡ることに。しかし、レオは志摩に恋を、志摩はハルに思いを寄せ、そしてハルもまたレオに友情を越えた感情を抱いていた――。『月光の囁き』『害虫』『どろろ』『抱きしめたい-真実の物語-』など数々の大ヒット作品、国際映画祭出品作を作ってきた塩田監督が描くのは、居場所を求める3人の若者たちの青春と恋愛のリアル。「言いたいけど言えない」という複雑な思いと、現実と折り合いの付かない夢のきらめきが切なく胸に込み上げる、“音楽”が紡ぐロードムービーだ。小松菜奈×門脇麦×成田凌、塩田監督作品初出演!主演を務めるのは、『渇き。』で女優デビューを果たし、『溺れるナイフ』『坂道のアポロン』『恋は雨上がりのように』など漫画原作の作品に立て続けに出演する小松菜奈と、『愛の渦』『二重生活』「トドメの接吻」に出演し、唯一無二の存在感を魅せ続ける門脇麦。さらに、『キセキ ーあの日のソビトー』「人は見た目が100パーセント」「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」など話題作に出演し、連続テレビ小説「わろてんか」での熱演も大きな話題になった成田凌の共演も決定。小松「経験したことのないことにも挑戦」、門脇「楽しみでしかありません」レオの人間臭いところに惹かれたという小松さんは、「今回の撮影では自分が今まで経験したことのないことにも挑戦したり、不安は大きいですが私もレオのようにぶつかりながら作品の中で何かを見つけられるといいなと思います」と意気込み、門脇さんも「良い作品になるよう全力を尽くします」とコメント。また、今回の3人の共演について小松さんは「お2人とも初共演なので、門脇麦ちゃん(ハル)と成田凌さん(志摩)と監督やスタッフさん皆さんと切磋琢磨しながら一瞬一瞬を大事にしていきたいと思います」と話し、門脇さんも「映画に興味を持ち始めた10代の頃から憧れだった塩田監督、個人的にずっと前から大好きな菜奈ちゃん、3度目ということもありとても信頼感のある成田くん、そんな方達と作品を創れるなんて楽しみでしかありません」と期待。成田さんは「塩田明彦監督の、新作、そして、オリジナル作品、この作品に関われること、すごく嬉しく思います。ハルレオ、門脇麦さん小松菜奈さん。いい作品ができることは間違いないです。お楽しみに」とメッセージを寄せている。なお本作は、函館、大阪、新潟のほか、全国各地にて主に今年の夏を中心にロケを行う予定だ。『さよならくちびる』は2019年初夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年06月24日女優の小松菜奈と門脇麦が、新作映画『さよならくちびる』(2019年初夏公開)のW主演を務めることが24日、明らかになった。同作では、数々の大ヒット作を生み出してきた塩田明彦監督が、自らのオリジナル脚本をベースにキャリア初の“音楽映画”に挑戦。インディーズの音楽シーンで一時期話題になった2人組女性バンド“ハルレオ”。解散を決めたレオ(小松)とハル(門脇)は、バンドのサポートをする“ローディ”の志摩(成田凌)とともに、解散ツアーとして、全国を巡る。しかし、レオは志摩に恋を、志摩はハルに思いを寄せ、ハルもレオに友情を越えた感情を抱いていた。塩田監督は「日本映画の最前線を美しく、軽やかに疾走する小松菜奈さん、門脇麦さんと映画を撮るチャンスを頂いたとき、最初に脳裏に浮かんだのが“くちびる”という言葉でした」と明かす。「お二人の、あの美しいくちびるとくちびるの間からひとつの言葉、ひとつのメロディが生まれ、音楽として響く。そこに成田凌さんという、なんとも柔らかな魅力をもった青年が絡んで、音楽はさらに重層化していく。抽象的ですが、そんな映画をいま、彼らと力を合わせ、創り上げようとしております」と意気込みを語った。居場所を求める3人の若者たちが「言いたいけど言えない」という複雑な思いと、現実と折り合いの付かない夢のきらめきを胸に、旅を続ける同作。函館、大阪、新潟他、全国各地にて、主に今年の夏を中心にロケを実行する予定だ。○小松菜奈コメント不器用ながらももがいて自分の居場所をみつけようとしてる、そんなレオの人間臭いところにとても惹かれました。今回の撮影では自分が今まで経験したことのないことにも挑戦したり、不安は大きいですが私もレオのようにぶつかりながら作品の中で何かを見つけられるといいなと思います。そしてお二人とも初共演なので、門脇麦ちゃん(ハル)と成田凌さん(志摩)と監督やスタッフさん皆さんと切磋琢磨しながら一瞬一瞬を大事にしていきたいと思います。色々な場所でみんなと楽しく旅してきます。○門脇麦コメント映画に興味を持ち始めた10代の頃から憧れだった塩田監督、個人的にずっと前から大好きな菜奈ちゃん、3度目ということもありとても信頼感のある成田くん、そんな方達と作品を創れるなんて楽しみでしかありません。まだ詳しいことは言えませんが音楽映画ということで、劇中で流れる音楽、とってもとっても素敵です。撮影期間中、私は何度もこの音楽たちに救われるのだろうと思います。良い作品になるよう全力を尽くします。○成田凌コメント塩田明彦監督の、新作、そして、オリジナル作品、この作品に関われること、すごく嬉しく思います。ハルレオ、門脇麦さん小松菜奈さん。いい作品ができることは間違いないです。お楽しみに。
2018年06月24日●会議の末席で物語の構築をサポート映画『アウトレイジ 最終章』(公開中)に携わるスタッフたちの言葉を記録し、「アウトレイジ」シリーズ、及び北野武監督率いる北野組の魅力を探る短期集中連載「暴走の黒幕」(第1回:北野武第2回:森昌行プロデューサー第3回:音楽・鈴木慶一第4回:美術・磯田典宏)。最終回となる第5回は、『BROTHER』(01)から参加し、「アウトレイジ」シリーズ以降の北野映画でチーフ助監督を務めている稲葉博文氏。『アウトレイジ ビヨンド』(12)のラストをどのように締めくくるべきか。助監督として監督に伝えた「それだと『仁義なき戦い』ですよ」という一言がシリーズの方向性に影響を与え、大友の暴走は『最終章』で決着することとなる。北野監督が「優秀」と一目置く“右腕”が、メディア初のインタビュー取材で「北野組」と「監督・北野武」の魅力を語り尽くす。○口述の書き起こしから始まる助監督の仕事――先日、北野監督にスタッフとの接し方について話をうかがったのですが、その時に「うちの助監督は優秀だからね」とおっしゃっていました。とんでもないです。やめてください(笑)。――本当ですよ(笑)。具体的には、セリフを直してもうこともあると。お聞きになってると思うんですけど、監督は口述されるんですよ。これは本当にすごいことで。1本の作品を頭からすべて語っていくわけです。もちろんメモのようなものはいただいたりするんですが、僕が立ち会わせていただく打ち合わせでは、シーン1からすべてセリフも含めて説明されます。僕はそれを文字に起こして、齟齬があるセリフは少し直させていただいています。――まさに私のような仕事というか。言ってみればそういうことですね。聞き漏らせないので、録音もします。監督の説明が2時間ぐらいだったりすると、「今回の映画の尺はそのくらいなんだな」というのも何となく分かります。――音楽の鈴木慶一さんもおっしゃっていましたが、一堂に会しての打ち合わせなので、たまに監督のコメントが自分の担当分野についてのものなのか分からない時があると。各担当の方々もそうやって参加されているんですね。そうですね。僕も録音を後で聞き直したりしています。――具体的にどんな作業からスタートするんですか?「アウトレイジ」シリーズ、『龍三と七人の子分たち』(15)でチーフをやらせていただいています。企画が立ち上がって監督とプロデューサーが台本を作っていく過程で会議の末席に座らせてもらって、監督の話を聞いて物語の構築をサポートする役割です。1回目の打ち合わせでまとめた資料をもとに、2回目からは頭から確認していく流れです。月に1回ぐらいのペースで4~5回。そうやってシナリオを練っていきます。――北野組ならではの手法なんですか?他の映画ではあまりないと思います。――初めて担当された時、率直にどう思われましたか?北野組には『BROTHER』から参加させていただいているんですが、チーフになる前は僕の代わりをされている方がいて、そのやり方を引き継いでいます。――監督のやり方は変わってないということですね。そうですね。ただ、台本を作り上げずにその場でやっていくのが長きにわたって北野組で行われてきたことなので。僕は『BROTHER』からなんですが、その時からちゃんと台本は用意されていました。もちろん薄いんですが(笑)。――準備できることも限られていそうですね。不安になりませんか?そうですね。突然思いつかれたりすることに対応が求められる現場です。1週間で焦って準備したり(笑)。180度異なる方向転換でも、みんなついていきます。○スケジュール完了で「終わった」――音楽の鈴木さんは「引き算」の表現方法を学んだとおっしゃっていました。セリフも無駄なところはカットしていくそうですね。防波堤で軽トラが走っていくシーンがあるんですけど、軽トラの音が入ってないんですよ。これは監督が「外してくれ」と言ったから。防波堤を描く一枚画の中でいらないのは軽トラの音。つまり、音に限らず、要素として必要のないものは「画の中に存在するものでも省く」。それが北野監督のやり方です。普通なら、画の中にあるものはすべて入れたいと思いますよね。●『ビヨンド』ラストシーンで北野武に進言したこと――以前からそうなんですか?そうですね。撮り方もそうですが、常に「シンプル」を意識していらっしゃると思います。――「アウトレイジ」は北野映画で初のシリーズ。多少やりやすくなることも?ロケ場所が同じ場所になったりすると多少は楽になります。あとは「物差し」ができる。山王会の事務所がこのぐらいの広さだったら、花菱会の広さをどうすべきかとか。――北野監督は編集がいちばん楽しいとおっしゃっていました。別の作品なのですが、あるスタッフの方は試写を観てようやく自分の仕事が終わると。助監督としてはどのあたりで肩の荷が下りるんですか?どのあたりでしょうね(笑)。スケジュールを切っている立場からすると、それがすべて完了した時に「終わった」とは感じます。文字通りのクランクアップ。ただ、スケジュールは他の組よりわりと楽だと思います。みなさん空けてくださるので。そういう意味では恵まれています。――それでは助監督として一番のご苦労は?大変なこと……やっぱり天気ですね(笑)。晴れてくれればいいなといつも願っています。ただ、北野組はツイてるのでいつも晴れるんですよ。――確かに防波堤での釣りのシーンも好天。いいロケーションでしたね。防波堤は最終日の撮影でした。監督は晴れ男ですからね(笑)。とはいえ、雨が降ることも想定しないといけないので、そこの準備も含めると大変ではあります。――『ビヨンド』の時に『最終章』の構想は固まっていたそうですね。そうですね。撮影の中盤あたりから、だいたい次の作品の話がはじまります。でも僕は、「監督、まだ撮影終わってませんよ(笑)」という役割です。○「それだと『仁義なき戦い』ですよ。菅原文太と同じです」――監督はご自身を介護老人タイプとおっしゃっています(『全思考』幻冬舎文庫より)。これだけの作品を一緒に作っていくとどこかでお友だち感覚になるので、仕事上の付き合いであることを意識していると。僕もどちらかというと考え方は同じで。他の監督でもそうなんですが、シンクロすることは大事なんですが、一方で批評の目も大事だと思います。絶対的に他者の目でその作品に臨む。なあなあで監督を褒めて監督の望むことを100%やるのは実は正しくないのではないかと。僕等が加わったことで、その作品に何かしらの良い影響をもたらした時に、初めて僕らの存在価値が生まれる。どういう場所でもそうですが、「こういう考えもありますよ」と問いかけることができるのが僕の立場。それは忘れてはならないポイントです。みなさんプロの方々なので、基本的には北野組の求心力でまとまっているんですが、「一歩立ち止まって見る」という一貫した視点があります。――監督に問いかけたことで覚えていらっしゃることは?『ビヨンド』のラストシーンですね。もともと大友は、片岡の銃を受け取って葬儀会場に入っていく予定でした。僕からは、「それだと『仁義なき戦い』ですよ。菅原文太と同じです」と言わせていただいて。ロケハン先で『仁義なき戦い』を観てもらって、「こうなってます」と。――ロケハンで(笑)。どんな反応でしたか?「もう一度考えてみよう」みたいなことをおっしゃっていました。――北野監督を取材してあらためて思ったんですが、自分たちが小さい頃から観てきた方が目の前にいて、いつもなら仕事に徹することができても、そういう平常心を突き破ってくるような存在感があるというか。ただ、北野組に入ったらそんなこと言ってられないということですよね。そうですね。もちろん緊張しますよ。でも、それは置いといて(笑)。――でも、北野監督に進言するのは相当な勇気を伴いそうですね。なかなかシビレますよ(笑)。でも、監督は立場関係なく意見は聞いてくださるので。――あとはあまり怒らないとも。そうですね(笑)。基本的にはすべてスムーズです。●「アレどこにやった?」の理解力――『BROTHER』から加わると決まった時はどう思われましたか?学生時代から観ている映画監督ですし、北野組は前から参加したいと思っていたのでうれしかったです。学生時代から映画作りに関わって、いろいろな現場のお手伝いをしていたんですよね。その時にカメラマンさんに「好きな映画監督は誰なんだ」と言われて、亡くなられた監督を数名挙げたんですが、「そうじゃなくて、お前が仕事をしてみたいのは誰なんだ」と。そこで答えた方の一人が北野監督でした。――なぜ一緒に仕事をしてみたいと?それはもちろん、映画が面白いから。どうやって撮ってるんだろうとか。実際にこうして現場に入らせていただくようになって、その場その場で変わっていくのを目の当たりにした時は衝撃でしたね。今でも覚えているのは、加わって間もない頃。ものすごく前から大きなクレーンを準備していたんですよね。でも、監督が入ってきていきなり「それ、いらない」。もうね、「えっ!?」ですよ(笑)。それはすごく覚えていますね。衝撃的でした。もちろん上では話し合われていたことですけど、当時の僕はペーペーだったので。今の僕は監督の傍について、変更があってもその過程を把握しているから驚かないですけど、下の人間にとってみれば「なんでいらなくなったの?」と思うことはあると思います。今回の『最終章』でいうと、部下の2人が急きょ殺されることになったんですが、それも撮影中に決まったこと。事前に渡された台本には書かれていないことですから、当然驚きますよね。セリフも現場判断で変わって、変更があるセリフは紙に書いてキャストのみなさんに渡しています。○老夫婦のような関係を追い求めて――北野組初のシリーズものが完結。クランクアップはどのような雰囲気でしたか?通常だったらスタッフが声がけをして拍手みたいな感じですよね。花束を渡したり。それは普通にやりますよ。でも、昔から打ち上げはないんですよね。少なくとも僕が加わった時からありません。もちろん、メインスタッフと一緒に地方に行ったりした時にたまにお酒を飲むことはあります。監督も連れて行ってくださいます。これがね、緊張して酔うんですよ(笑)。そういう緊張感は作品を重ねても変わりません。――それでは最後に。助監督から見て、北野監督の魅力とは?とにかく処理能力がすごい。その上、映画以外の分野にも手を広げている守備範囲の広さというか。台本を作るときに口述で全部言ってみせるというのも、常人ではマネできません。助監督はみんなそうだと思うんですけど、監督が「アレどこにやった?」とかの「アレ」がだいたい分かる。それは老夫婦のような関係。そういうことは、助監督にとってとても大切なことだと思っています。つまり、「アレ」までには流れがあって、何が必要なのかというのを一緒にシンクロして理解している状態。それが監督と助監督の良好な関係性です。■プロフィール助監督 稲葉博文(いなば・ひろふみ)1973年2月16日生まれ。神奈川県出身。北野組には『BROTHER』(01)以降参加し、助監督としては『アウトレイジ』(10)『アウトレイジ ビヨンド』(12)『龍三と七人の子分たち』(15)に続き4作目。北野武以外にもこれまでに携わってきた監督は、廣木隆一、中田秀夫、三池崇史、滝田洋二郎、黒沢清、塩田明彦、万田邦敏、青山真治、冨永昌敬、水田伸生、瀬々敬久など多岐にわたる。近作は、『ミュージアム』(16/監督:大友啓史)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17/監督:廣木隆一)など。
2017年11月13日鬼才・園子温監督が完全オリジナル脚本で挑んだ最新作『ANTIPORNO(アンチポルノ)』。このほど、主演の新星女優・冨手麻妙が、物憂げに横たわるエロティックなポスタービジュアルが解禁。さらに、浅野忠信主演『淵に立つ』での演技が絶賛されている実力派女優・筒井真理子が、本作で初の本格ヌードを披露していることが分かった。小説家兼アーティストとして時代の寵児となった京子(冨手さん)。極彩色の部屋に籠もり、マネージャーの典子(筒井さん)が伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。現実と虚構、サディズムとマゾヒズム、自由と不寛容、カリスマと奴隷…寝ても覚めても終わらない悪夢。私は京子なのか?京子を演じているのか?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく――。園監督が自身のオリジナル脚本で挑んだ最新作は、製作開始45周年を迎える“日活ロマンポルノ”リブートプロジェクトの一環。そのほか、塩田明彦監督、白石和彌監督、中田秀夫監督、行定勲監督ら第一線で活躍する監督陣が、完全オリジナル新作のロマンポルノを28年ぶりに撮りおろすことでも注目されている。これまで、『愛のむきだし』の満島ひかり、『ヒミズ』の二階堂ふみをはじめ、起用した若手女優や俳優が次々とブレイクしている園監督が、新たに見初めたのは、本作が長編映画の単独初主演となる女優・冨手さん。『新宿スワン』『リアル鬼ごっこ』などにも出演しており、「園監督の作品のためなら脱ぐ」と“裸上等”で難しい役どころに挑戦している。そして、冨手さんが演じる京子のサディスティックな振る舞いを受け止めるマネージャー・典子を演じているのが、本年度カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞した『淵に立つ』での熱演が絶賛されている、実力派・筒井さん。冨手さんと同様、本作で初めて本格ヌードを披露しており、美しく過激な問題作で真の女優魂を見せつける。もちろんカメレオン女優と評されるだけに、幅の広い演技力で本作に堂々たる存在感を残し、物語中盤の“ある仕掛け”にも最大限の効果を発揮。園監督からの信頼も厚く、これまでも多くの園作品に出演。海外資本で製作され日本での公開は未定のオムニバス映画『Madly』の中で、園監督が手がけた短編『Love of Love』では、主演を筒井さんが務め、冨手さんが共演を果たしている。今回、本作から解禁されたビジュルでは、劇中にも登場する絵画(画家・篠原愛による)が使用され、物憂げに横たわる少女・京子が夢みる虚構の世界を表現。新作ロマンポルノに適用されているルール「10分に1回の濡れ場」がしっかりと守られつつも、園流の映画表現が爆発した作品を匂わせている。さらに、本作は12月8日から開催される第1回マカオ国際映画祭へ招待され、冨手さんが参加することが決定。マカオ国際映画祭は、世界3大映画祭であるベネチア国際映画祭など数々の国際映画祭ディレクターをつとめたマルコ・ミュラーが作品を選定し、今年が立ち上げとなる世界の映画関係者が注目する映画祭。本作は“いま”を表現するアジア映画が対象となるガラ部門「Hidden Dragons」に出品される。『ANTIPORNO』は2017年1月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月15日『世界の中心で、愛をさけぶ』『ピンクとグレー』の行定勲監督が初のロマンポルノに挑む『ジムノペディに乱れる』が、板尾創路主演で11月26日(土)より公開されることが決定。この度、本作のポスタービジュアルと予告編が到着した。自宅のピアノから流れてくるエリック・サティの「ジムノペディ」の音色。目を覚ました映画監督の古谷慎二(板尾創路)はピアノが置かれた部屋へ足を踏み入れるが、そこにはピアノを弾いていた妻の姿はない――。古谷は久々に新作映画の撮影に入っていた。国際映画祭で高い評価を得た名声は過去のものとなり、いまでは低予算映画の仕事にありつくのがやっとだった。かつては「精神が研ぎ澄まされていれば、金がなくても映画だ」と、どんな条件でもやる気を失わなかったが、いまでは「こんな現場は映画じゃない」と愚痴っている。撮影直前になって、主演女優の安里(岡村いずみ)がラブシーンで愚図りはじめ撮影が進まない。古谷は強引に説得するが、安里と言い争いとなり、険悪な雰囲気のまま撮影は中断してしまう。その日、古谷は昔から関係がつづく衣装部スタッフと一夜を共にする。そして翌朝、彼女から安里が降板したことを知らされる…。映画は製作中止となり、時間を持て余した古谷は、街で会った映画専門学校の教え子・結花(芦那すみれ)の部屋に転がり込む。思わせぶりな態度で挑発してくる結花と体を重ねる古谷。雨の音に紛れてどこからかジムノペディが聞こえてくる…。本作は、今年生誕150年を迎えたエリック・サティの名曲「ジムノペディ」の調べにのせ、ラブストーリーの名手・行定監督が、切なく不器用な大人の愛を官能的に描いている。今年で製作開始から45周年を迎える“日活ロマンポルノ”のリブートプロジェクトの一環で製作された本作。今回メガホンを取った行定監督のほか、塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督ら第一線で活躍する監督陣が完全オリジナルの新作を28年ぶりに撮りおろすことでも話題。さらに、先日行われた「第21回釜山国際映画祭」でのワールドプレミア上映には、韓国を代表する鬼才映画監督キム・ギドクや、映画プロデューサーのアン・ドンギュなど韓国映画関係者が来場し本作を絶賛した。主演を務めるのは、芸人や俳優など様々な顔を持つ板尾さん。映画監督としても2本の作品を残し注目される彼が、今回は全てを失い自暴自棄になっている映画監督の男・古谷演じる。古谷を惑わすヒロイン・結花には、これまではBOMI名義でミュージシャンとして活動しており、本作が本格的な映画デビュー作となる芦那すみれ。もうひとりのヒロイン・安里には、大河ドラマ「真田丸」の出演など、注目の若手女優・岡村いずみ。2人とも本作で初めて濡れ場に挑戦し、美しく官能的なラブシーンを披露している。そして、本作の見どころの一つとなっているのが、古谷が<1週間>、ヒロイン2人を始め、田山由起、田嶋真弓、木嶋のりこ、西野翔らが演じる様々な年齢層の女性たちと官能的に乱れる姿。さらに、ロマンポルノを代表する女優・風祭ゆきもカメオ出演している。このほど初解禁された予告編には、古谷が女たちの肌のぬくもりに助けられながら、失った何かを探し求める姿が描かれており、古谷をとりまく女たちとの官能的なシーンを想起させる映像がちりばめられている。本作は、中央線沿線が舞台になっており、ロマンポルノにも深い関わりがある映画監督の実話エピソードにもインスパイアされているそう。終盤に放たれる「感じるんだ」というセリフには、不感症で不寛容な時代へ一石投じるものになっている。なお、豪華監督陣による完全オリジナルの新作ロマンポルノを、「新作製作 powered by BSスカパー!」として製作開始。新作公開に併せ「BSスカパー!」にて、各作品の劇場公開同日の深夜0時より【R15+版】で放映される。『ジムノペディに乱れる』は11月26日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2016年10月18日昭和時代に人気だった、セックスを描いた映画の数々。その筆頭が、日活ロマンポルノと呼ばれるレーベル。いま映画界で活躍している名監督たちが、新作のロマンポルノの制作に挑戦し、今冬から新宿武蔵野館ほか劇場で公開する「日活ロマンポルノ リブートプロジェクト」が始動。その中の一作を撮り下ろしたのが塩田明彦監督。「初めて日活ロマンポルノを観たのは大学を入学して間もない頃。煙草を吹かす観客がいるシュールな劇場で、紫の煙の向こうに女性たちの肌色が躍るという、素敵な体験をしました。ロマンポルノの魅力は、俳優たちの肉体と存在感だけを武器に、人生の全てをいかに描き出すか、その一点にあります。特に、今回リブートにあたり僕がオマー『恋人たちは濡れた』は、俳優たちの肉体とその動きが映画に奇跡の一瞬をもたらすことを、僕に教えてくれた名作。今回の企画は、世の中にこれほど名誉あるオファーはあるだろうかというのが、偽らざる気持ちでした。僕が手にした2人の役者が肉体をぶつけ、絡ませた結果、リアルでありながらどこかおとぎ話のような映画が完成しました。現代の女性たちにもこの映画を通じて“生きる歓び”を感じてもらえると思います」他にも、『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督、『ヒミズ』の園子温監督、『リング』の中田秀夫監督、『ピンクとグレー』の行定勲監督らがメガホンを握る。詳細は公式サイトで。www.nikkatsu-romanporno.com≪そもそもロマンポルノって?≫'60年代後半から、日本ではセックス描写が中心の“ピンク映画”が人気に。その中で'71年に日活が、「日活ロマンポルノ」をスタート。低予算の成人映画である一方、“絡みを10分に1回入れること”“上映時間は70分程度に収める”など、一定のルールさえ守れば比較的自由に制作できる側面があり、その自由さに惹かれた新進気鋭の監督がこぞって参加した。映像、内容ともに斬新な作品が多く、当時の若者の知的好奇心を刺激し、一大ムーブメントに。後の日本アカデミー賞受賞監督も輩出した。女優たちのコケティッシュな色気と自由な空気感は、いま観ても新鮮。映画の本編はオールカラー。◇しおた・あきひこ映画監督。宮﨑あおい主演作『害虫』で、ナント三大陸映画祭審査員特別賞・主演女優賞を獲得。近作に錦戸亮と北川景子出演作『抱きしめたい』など。◇『風に濡れた女』塩田明彦監督作品。高介(永岡佑)の前に奔放な女・汐里(間宮夕貴)が現れ、濡れた肢体で一晩泊めてくれと言い…。今年のロカルノ映画祭のコンペティション部門へ正式招待された話題作。(C)2016日活◇『恋人たちは濡れた』浮遊感、倦怠感を切り取った神代初期ロマンポルノの傑作。主演・中川梨絵のファッションも見どころ。海辺の寂れた町の、3人の男女の青春物語。(C)日活◇『白い指の戯れ』普通の女の子がスリの仲間に。'70 年代当時の渋谷、新宿の風景も魅力。1972 年公開作品。『あぶない刑事』などで知られる村川透のデビュー作。(C)日活◇『秘色情めす市場』大阪の西成を舞台にした、売春婦の母と娘の物語。シリーズを代表する女優・芹明香と宮下順子の演技が光る名作。1974年公開作品。(C)日活◇リバイバル上映は常に大人気!'12 年には、日活の創立100年を記念し、特集上映(写真)が行われ、大盛況。今も世界各国で回顧上映が行われるなど、根強い人気がある。※『anan』2016年8月17・24日号より。
2016年08月18日感動の実話を北川景子と錦戸亮のW主演で映画化した<a href="" target="_blank">『抱きしめたい -真実の物語-』</a>が30日(水)深夜、TBSで地上波初放送される。『抱きしめたい -真実の物語-』はHBC北海道放送が制作、2011年度JNNネットワーク大賞を受賞したドキュメンタリー「記憶障害の花嫁 最期のほほえみ」をベースに2014年に映画化された。交通事故から奇跡的に生還したつかさ(北川さん)だったが、車いす生活に加え昨日のことも忘れてしまう記憶障害も負ってしまう。そんな中でも常に明るく前向きに生きる彼女は、やがて出会ったタクシードライバーの雅己(錦戸さん)と恋に落ちる。周囲の反対など多くの障壁を乗り越えやがて結ばれた二人は小さな命を授かる。しかし幸せの絶頂にいた二人を過酷な運命が待ち受けていた…というストーリー。主題歌を安室奈美恵が担当。映画をイメージして書き下ろされたという楽曲も注目だ。キャストは北川さん、錦戸さんのほか、上地雄輔、斎藤工、平山あや、佐藤江梨子、佐藤めぐみ、窪田正孝、寺門ジモン、國村隼、角替和枝、風吹ジュン。脚本は斉藤ひろし、塩田明彦。監督は塩田明彦。『抱きしめたい -真実の物語-』は3月30日(水)24時15分~TBSにて放送。(笠緒)■関連作品:抱きしめたい -真実の物語- 2014年2月1日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「抱きしめたい」製作委員会
2016年03月30日クリスマスが終わって新年を迎えたと思ったら、バレンタインまでもうあと3週間…!恋人がいてもいなくても、恋愛気分を高めたいところですね。そこで今回は、読書派の方にも映画派の方にもオススメの恋愛作品をご紹介します。自分のスタイルに合わせてラブストーリーを楽しんでみては?≪恋する勇気をくれる≫■『シュガー&スパイス風味絶佳』2006年/監督:中江功出演:柳楽優弥、沢尻エリカ、ほか原作:山田詠美山田詠美の短編小説『風味絶佳』(谷崎潤一郎賞受賞)の一編が原作。舞台は基地の街・福生市、ガソリンスタンドで働く18歳の青年・志郎(柳楽優弥)は、新しくアルバイトとして入ってきた乃里子(沢尻エリカ)にやがてほのかな恋心を抱き…。初々しくもリアルな恋愛模様に大きく関わってくるのは、志郎の祖母・不二子。清々しいほどの自由さで志郎を振り回します。原作も軽快に読めるので、ぜひ2度楽しんでみて!シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD]==================■『きいろいゾウ』2013年/監督:廣木隆一出演:宮崎あおい、向井理、ほか原作:西加奈子“きいろいゾウ”とは、作中に登場する絵本のタイトルです。この絵本を大切に読んで孤独な日々を癒していたツマ(宮崎あおい)と、背中にタトゥーのある小説家・ムコ(向井理)が満月の夜に出会い、すぐに結婚。田舎で穏やかに暮らしていたのですが、過去の秘密が原因で、ふたりの関係にはやがて溝が生まれてしまいます。そこからふたりの関係はどうなるのか、どのように絆を深めていくのか…結婚っていいな、そんな気持ちになれるかも?きいろいゾウ [DVD]==================■『ジョゼと虎と魚たち』2003年/監督:犬童一心出演:妻夫木聡、池脇千鶴、ほか原作:田辺聖子言わずと知れた名作。本命彼女とセフレのいる男子大学生・恒夫(妻夫木聡)と、ジョゼと名乗る足の不自由な少女(池脇千鶴)の恋物語。衝撃的な出会いから、少しずつ惹かれ合っていくふたり…。待っているのは切ない結末だけど、恋を通して強くなっていくジョゼの姿に、きっとパワーをもらえるはず。映画が原作の先を書く形になっているので、まずは小説から手に取ってみても。ジョゼと虎と魚たち [DVD]≪男性の恋愛観をチラ見≫■『ニシノユキヒコの恋と冒険』2014年/監督:井口奈己出演:竹野内豊、尾野真千子、ほか原作:川上弘美芥川賞作家・川上弘美の連作短編ラブストーリーが原作。主人公はイケメンで仕事もできるモテ男・ニシノユキヒコ(竹野内豊)。女性の扱いは手慣れたもの、だけど最後はいつも女性が去ってしまう…そんな恋の始まりから終わりまでを、複数の女性の視点で描きます。映画でイケメンとの恋にうっとりするもよし、深く理解するなら原作を読み込むのもオススメです♪ニシノユキヒコの恋と冒険 [DVD]==================■『舟を編む』2013年/監督:石井裕也出演:松田龍平、宮崎あおい、ほか原作:三浦しをん出版社で言葉に対する知識・感性が評価され、辞書を編纂する部署に異動した男性・馬締(松田龍平)が主人公。童貞と噂される馬締ですが、ある日運命の女性・林香具矢(宮崎あおい)と出会います。彼女に気持ちを伝えるために馬締が選んだ手段はなんと、恋文。言葉がひとをつなぐ――不器用ながらも一生懸命な恋に、心ほぐれること間違いなし。原作は本屋大賞受賞、さらさらと読める文体が魅力的なので、こちらもぜひ。舟を編む[DVD]==================■『人のセックスを笑うな』2008年/監督:井口奈己出演:松山ケンイチ、永作博美、ほか原作:山崎ナオコーラ19歳の男子学生・みるめ(松山ケンイチ)と、非常勤講師の39歳の女性・ユリ(永作博美)、年の離れた男女の恋模様。ユリは結婚しているので不倫関係ですが、ふたりの恋は純度100%。打算や駆け引きのない、青春時代のストレートな恋愛を思い出させてくれます。いい意味で淡々と話が進むため、こたつでほっこりと鑑賞したいところ。第41回文藝賞受賞、第132回芥川龍之介賞候補作の原作はみるめの一人称で書かれているので、映画と違った視点で楽しめます。人のセックスを笑うな[DVD]≪思いっきり泣きたいときに≫■『100回泣くこと』2013年/監督:廣木隆一出演:大倉忠義、桐谷美玲、ほか原作:中村航累計85万部のベストセラーである同名小説が原作です。主人公・藤井(大倉忠義)の彼女・佳美(桐谷美玲)が、卵巣がんにより亡くなる前後を描いたラブストーリー。大切な人と同じ時間を過ごすことができる幸せを、たっぷり噛みしめることができます。“藤井がバイク事故で佳美とつき合っていた記憶を失い、再び出会う”という小説にはなかった設定が加えられているので、原作を読んだ人も少し違った印象で鑑賞できるかも。100回泣くこと[DVD]==================■『抱きしめたい -真実の物語-』2014年/監督:塩田明彦出演:北川景子、錦戸亮、ほか原作:北海道放送 報道部取材班交通事故で記憶障害と半身麻痺を背負ってしまったつかさ(北川景子)と、網走市の平凡なタクシードライバー・雅己(錦戸亮)の恋物語。ノンフィクション『記憶障害の花嫁』が原作……つまり、これは実話なのです。障害を抱えながらも前向きに生きるつかさ、“逃げるなら今だよ”というつかさの言葉を振り切って結婚を決意した雅己――生きるチカラ、愛のチカラをきっと感じられるはず。抱きしめたい -真実の物語[DVD]小説が原作の映画は、両方読む(観る)のも楽しいですよね!映画を観た後、作品を深く理解するために原作を読んだり、小説を読んだ後に映画で映像・音楽を堪能し、「イメージ通り」「ここは違う」と突っ込んだり…どちらから入っても違った発見があることでしょう。おうちでラブストーリーに浸って、恋の一大イベントへ向けて気持ちを高めてみてはいかがでしょうか?(文=橘いつき)あなたの運命の人は、今どこにいるのか【無料占い】
2015年01月21日