富士通システムズ・ウエスト(FWEST)は1月28日、北海道に本社を構えるサッポロドラッグストアーにおいて、訪日外国人が店舗でスマートデバイスを用いて自国の言語・文化・習慣に沿ったおもてなしを受けることができるよう、おもてなし接客ソリューション「ボーダレスショップ」の提供に関する実証実験を3月1日より開始すると発表した。実証実験では、「ボーダレスショップ」を使い、来店した訪日外国人に、商品情報や商品に関連した情報を中国語で提供し、「スムーズに買い物できる」「購買意欲を喚起する」ツールとしての有効性を検証する。また、ツールを利用した来店客への対応(接客)の利便性に加え、クーポンサービスや再購入サービスなど他サービスとの連携の必要性についても検証する。実証実験の実施期間は、2016年3月1日~2016年3月15日までの15日間。実施場所はサッポロドラッグストアー 狸小路大王ビル店で、対象者はスマートフォンで「ボーダレスショップ」のアプリケーションをダウンロードし、買い物に利用していただける来店客となっている。
2016年01月29日富士通は1月27日、物流業務ソリューション「Logifitシリーズ」に基幹業務ソリューション「Logifit TM-基幹」と配車支援ソリューション「Logifit TM-配車」の2製品を追加し、販売を開始した。提供開始は2月中旬を予定している。Logifit TM-基幹は輸配送業者向けに受注や配車管理、売上・請求・支払管理、経営収支などを一括して行うソリューション。ルート配送や複数の積降配送、中・長距離輸送など、形態により異なる多様な販売形式に対応するほか、同社の倉庫業務管理や運行管理などのシステムと連携し、運送に関する統合的な収支管理を行うことができる。これにより、日々の業務実績を基にした経営収支の分析を容易に行うことを可能としている。一方、Logifit TM-配車は輸配送業者や業務の一部に配送業務を持つ企業向けに適切な配送ルート、積荷量、委託配送業者などの手配を行うソリューション。中・長距離の輸送業務や配送途中の積込・荷卸業務の配車計画を自動で立案できるほか、地域ごとに異なる配送業者の運賃表から各配車ルートに見合った収支を算出することが可能。そのため、適切な委託配送業者やルートを選択することができ、配送業務の効率化とコスト削減を実現するという。価格は、Logifit TM-基幹のフルモデル(カスタマイズ含む)が2800万円、標準モデル(カスタマイズ除く、Logifit WMとの連携なし)が1400万円、ミニマムモデル(カスタマイズと経営収支除く、Logifit WMとの連携なし)が700万円、Logifit TM-配車は220万円から(すべて税別)。販売目標はLogifit TM-基幹が2018年度上期までに40社60本、Logifit TM-配車は60社200社をそれぞれ計画している。
2016年01月27日富士通は1月26日、電力小売事業者向け顧客管理・料金計算パッケージソリューション「FUJITSU Intelligent Society Solution E3CIS(フジツウインテリジェントソサエティソリューションイースリーシーアイエス、以下、E3CIS)」を開発し、2月上旬より販売開始すると発表した。価格は税別で1260万円(1万需要家)~、導入費用は別途個別見積もり。今後、5年間で売上高100億円を目指す。E3CISは、電力小売事業を展開するうえで中核業務となる顧客管理や利用料金の計算、請求・収納などの機能をパッケージ化したソリューションとなり、3つのE(Energy:エネルギー、Efficiency:効率性、Extensibility:拡張性)をコンセプトに開発した。同ソリューションの特長として、電力広域的運営推進機関や一般送配電事業者の電力小売事業関連システムの開発で得た知見を活かし、小売全面自由化に伴い必要となる「スイッチング支援システム」や「託送業務システム」との連携機能も標準機能として提供するため、ユーザーは電力小売業務をスムーズに立ち上げることができる。また、料金計算機能にBRMS(Business Rule Management System)技術を採用しているため、アプリケーション自体への変更を加えることなく、料金メニューの追加や改定などの設定変更が可能。これにより、新たな料金プランやサービスの追加・変更に伴うシステム変更に要する時間を短縮し、市場のニーズへ迅速な対応ができるという。さらに、需要家を対象としたWebによる申し込み受付、料金メニューを開発する際に必要となる収支シミュレーションなどの拡張機能と組み合わせた導入もできる。そのほか、電力小売事業者の需給管理システムや収納代行会社とのスムーズなシステム連携、E3CISを介したサービス提供を得意とするBPOサービス事業者(顧客登録、問い合わせ対応などの業務を代行する事業者)とのマッチングなどにより、電力小売事業者の多様な業務形態に幅広く対応が可能だ。
2016年01月26日富士通と富士通研究所は1月21日、特定の組織などを攻撃対象とする標的型メール攻撃をリアルタイムに検知する技術を開発したことを発表した。今回、開発された技術は、利用者の普段のメール送受信とその前後のWebサイトへのアクセスなど一連の操作履歴を関連付けた上で学習し、それと異なる不審な動作をやり取り型の標的型メール攻撃としてリアルタイムに検知する技術。同技術は次の2つの技術から構成されている。1つ目は、「メール受信を起点とする利用者の複数の操作履歴を関連づける技術」で、利用者がメールを受信し、本文を閲覧、本文中のURLをクリックして、ブラウザでWebページにアクセスするといった、メール受信を起点とする利用者の一連の操作履歴を関連づける技術が開発された。これにより、利用者がやり取りするメールの相手ごとに、長期間にわたる一連のメールのやり取りとそれに関連するWebアクセスなどの操作履歴を関連づけることで、例えば、あるWebサイトからのダウンロードが特定の相手とのやり取りの中で行われたものかどうかを識別できるという。2つ目は、「組み合わせ判断によるリアルタイム異常検知技術」で、やり取り型の標的型メール攻撃に対するリアルタイムな検知を実現するにあたり、長期間にわたる利用者のすべての操作履歴は膨大になるため、一連のメールに関連づけられた操作履歴だけを組み合わせて学習・比較することで異常検知する技術が開発された。これにより異常検知に必要な情報量を10分の1以下にコンパクト化でき、通常数日におよぶやり取り型の標的型メール攻撃に対しても、高速な検知処理を行うことができるという。同社によると、これらの技術により、やり取り型の標的型メール攻撃に関連する一連の不審な動作の連なりを検知し、関連しない動作は除外するため、メールやWebアクセスなどの個々の異常を検知する従来の技術に比べ、実験環境での評価では、検知数を10分の1以下に抑えることができたという。また、今回開発した技術を用いることで、特定の相手との一連のメールのやり取りと関連する操作履歴から、やり取り型の標的型メール攻撃を効率的に検知することができるようになったとしている。そのほか、サイバー攻撃対策に関する技術「行動特性分析技術」と「ネットワーク検知技術」の拡張も行われ、新技術と組み合わせてセキュリティを高めることが可能になった。
2016年01月22日富士通は1月20日、企業向けIoTパッケージ「Fujitsu IoT Solution UBIQUITOUSWARE」の新製品10種を発表した。発表会では、新製品の披露とともに、昨年5月に発表された同パッケージの実証実験結果と今後の事業展開についても説明が行われた。ユビキタスウェアは、高度なセンシング技術でデータの収集・解析・分析を行い、価値の高いデータとして提供する製品群。人を中心とした情報を価値あるものとしてセンシングと解析を行う「ヒューマンセントリックIoT」を基本コンセプトとする。富士通 ユビキタスビジネス戦略本部長代理の松村孝宏氏は、ユビキタスウェア製品の特徴として、「すぐに現場で使える、高精度なセンシング、ユーザーの環境・戦略に合わせて自由に選択できる製品群」と説明した。ユビキタスウェアは68種類のセンシングアルゴリズムと49種類の特許に基づいている。ユビキタスウェアのアルゴリズムの具体例として挙げられたのは以下の6種類。身体の姿勢…人が座り込んだり、倒れたりしていないかを検出転倒、転落…意図しない転倒や転落を検出熱ストレス…熱に対する一人ひとりの身体ストレスを検出ジオフェンス…特定エリアへの侵入、エリアからの退出を検出生体反応…生活の気配を検出いびき、せき…人体の変調を検出また、実地環境に基づいたさまざまな検証を重ねて高精度化を実現しており、位置精度30cm、遅延時間1秒での追従が可能で、リアルタイムでの高度の検知・追従にも対応する。発表会では3Dのマップを表示したキャッチボールのロケーションデモが行われた。今回、提供が開始されるユビキタスウェアの製品群は以下のとおり。すでに、「パイロットパック」を活用して、情報・通信、化学、輸送用機器、官公庁・自治体、建設、鉄道などの10業種14社の顧客と、工場内の健康管理や従業員の位置把握・転倒検知などについて、検証・準備が行われている。実証実験の例としては、「住宅メーカーによる現場作業員の熱ストレス検知(熱中症予防)」「農作業中の事故防止(一人作業による発見の遅延を予防する)」「製造現場の工程改善シミュレーター(効率化検証)」「住宅メーカーの高齢者見守りサービス(オペレーションセンター経由での健康監視)」が紹介された。また、昨年5月の発表から現時点にかけて、さまざまな企業から470件の引き合いがあるという。製造分野が195件と最多だが、エネルギー分野(37件)物流分野(25件)など、業種は多岐にわたる。「パイロットパック」では、ユーザーの環境に合わせてパッケージ構成の変更や導入サポートにも対応したうえで、ユビキタスウェアを実用導入するためのIoT環境を2カ月間貸与する。価格は、センサーデバイス10個、ゲートウェイ用スマートデバイス2台、IoTプラットフォーム、導入支援サービスの最小パッケージで80万円~130万円ほどの見込み。ユビキタスウェアは今後、グローバルで展開されることも決定している。欧州では2月、北米とアジアでは3月に販売を開始し、2017年には実地導入を目指す。ニーズの高いデジタルマーケティング・見守りソリューション分野や、富士通が得意とする医療・農業・交通分野を中心に、富士通全体の中のユビキタスウェアソリューションとして、2018年までに500億円、2020年までに1000億円の事業規模を目指すとしている。
2016年01月21日富士通、Fujitsu Vietnam(富士通ベトナム)、イオンアグリ創造の3社は1月19日、ベトナム・ハノイ市で、同国政府女性連合の調査員がスマートフォン用アプリを利用して報告する、農作物の市場価格情報を集約する実証事業を開始した。この実証実験は、3社が2015年10月からベトナム・ハナム省で国際協力機構(JICA)ベトナム事務所の支援を受けて実施している、ICTによって農作業履歴・生育状況・栽培環境情報を収集して利用する日本式農業の有効性を評価する実証事業の一環。同事業は2015年1月から1年間、富士通と富士通ベトナムがJICAベトナム事務所の支援を受けてベトナム・フエ省で行った住民参加型防災システムの有効性評価での実績とノウハウを応用したもの。同国で導入しやすいというスマートフォンを利用して農作業履歴や市場価格などの情報を収集し、富士通のデータセンターで集約・可視化して提供、イオンアグリ創造は、収集したデータを利用して農作業を指導するとのこと。同国では生計向上および農業6次産業化に向けた課題解決として、農作物の安全性と生産性の向上を実現するフード・バリュー・チェーン構築が急務になっているという。JICAベトナム事務所は、ベトナム農業の活性化と発展のために日本の農業分野でのICT技術の活用を提言し、同事業を立ち上げたとのことだ。市場価格情報の調査では、同国政府女性連合の13人が調査員として参加。各調査員がハノイ市内のスーパーマーケットや市場の1店舗を担当して野菜の販売価格・産地・状態(写真撮影)などを調査し、市場価格情報収集スマートフォンアプリを使用して送信する。送信した情報は富士通のデータ収集蓄積基盤上に集約し、同市の地図上にマッピングする。JICAベトナム事務所、富士通、富士通ベトナム、同国政府女性連合の調査員は、同アプリを利用して市場価格情報を確認できるという。なお富士通、富士通ベトナム、イオンアグリ創造の3社は2016年3月に、同国の農業へのICT導入、日本式農業指導および市場価格情報調査の有効性と効果について調査結果を報告書にまとめ、JICAベトナム事務所に報告する予定としている。
2016年01月20日富士通は18日、同社の23型デスクトップPC「ESPRIMO FH」シリーズの2016年春モデルを発表した。ラインナップは「ESPRIMO FH77/XD」「ESPRIMO FH53/XD」の2種類で、発売は1月22日から。価格はオープン。店頭予想価格は、FH77/XDが税別230,000円弱、FH53/XDが税別180,000円強。「ESPRIMO FH」シリーズは、狭額縁の23型液晶を搭載したスタンド式デスクトップPC。春モデルでは、上位モデルでHaswell世代からSkylake世代にCPUを刷新したほか、下位モデルにもテレビ機能を搭載した。また、コンテンツ保護技術SeeQVaultに対応したことで、録画したテレビ番組の再生やSDカードなどでの持ち出しが行えるようになっている。○ESPRIMO FH77/XD上位モデルFH77/XDでは、CPUやOS、メモリ、インタフェースなど、全体のスペックを前モデルから強化。CPUではSkylake世代のIntel Core i7を、メモリはDDR4を搭載。インタフェースは前モデル同様、アクセスしやすいフロント面に集約し、新たに、同社初となるUSB Type-Cを同モデルで採用した。また、コンテンツ保護技術SeeQVaultに対応。SeeQVault対応レコーダーなどで録画した番組を再生できるほか、対応SDカードなどへの書き出しも可能。スマートフォンやタブレットなどで、SeeQVault対応プレイヤーを使い再生できる。スピーカーはハイレゾ対応パイオニア製スピーカーを引き続き搭載する。主な仕様は、CPUがIntel Core i7-6700T(2.80GHz)、メモリがPC4-17000 8GB、ストレージが2TB SATA HDD、グラフィックスがIntel HD Graphics 530(CPU内蔵)、ディスプレイが23型ワイド液晶(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがBDXL対応ブルーレイディスクドライブ、OSがWindows 10 Home 64bitなど。インタフェースはUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0×4、USB 2.0×1(うち1ポートは電源オフ時充電可)、メモリカードスロット(SD/SDHC/SDXC対応)、約92万画素Webカメラ、ヘッドホン出力など。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN、Bluetooth 4.1。テレビ機能は地上/BS/110度CSデジタルチューナー×1に加え、視聴専用の地上/BS/110度CSデジタルチューナー×1。本体サイズはW544×D158×H418mm(最小傾斜時)/W544×D229×H395mm(最大傾斜時)。重量は約7.2㎏。OfficeはOffice Home and Business Premium プラス Office 365サービスが付属。カラーはブラックのみ。テレビ機能用リモコンおよびワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボードが付属する。○ESPRIMO FH53/XD"廉価なテレビモデル"として登場した、Celeronの下位モデル。ディスプレイサイズや解像度、インタフェースなどは上位モデルと同等だが、CPUやメモリといった基本仕様が抑えられている。春モデルで新たにテレビ機能が追加された。主な仕様は、CPUがIntel Celeron 2950M(2.00GHz)、メモリがPC3L-12800 4GB、ストレージが1TB SATA HDD、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、ディスプレイが23型ワイド液晶(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 10 Home 64bitなど。通信機能およびテレビ機能は上位モデル「FH77/UD」と同等。インタフェースでは、USB 3.1 Type-Cが省かれる。OfficeはOffice Personal Premium プラス Office 365サービス。本体サイズはW544×D158×H418mm(最小傾斜時)/W544×D229×H395mm(最大傾斜時)で、上位モデルと同等。重量は約6.9㎏。カラーはブラックのみ。ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボードが付属する。
2016年01月18日富士通は18日、15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH」シリーズの2016年春モデルを発表した。発売は、「GRANNNOTE」(グランノート)の愛称で展開する最上位モデル「LIFEBOOK AH90/X」が2月中旬から。この他のモデルが1月22日から。価格はオープン。店頭予想価格は税別140,000円前後から。「LIFEBOOK AH」シリーズの2016年春モデルは、最上位の「LIFEBOOK AH90/X」、上位の「LIFEBOOK AH53/X」、中位の「LIFEBOOK AH45/X」、下位の「LIFEBOOK AH42/X」の4モデルで展開。全モデルでWindows 10 Home 64bitを搭載し、Office Home & Business Premium プラス Office 365サービスが付属する。最上位となるAH90/Xの詳細は別記事にゆずり、ここではAH53/X、AH45/X、AH42/Xの3製品を紹介する。○LIFEBOOK AH53/X「LIFEBOOK AH」シリーズの上位モデルで、前モデル「LIFEBOOK AH53/U」からプロセッサをSkylake世代に刷新したほか、ディスプレイ解像度やキーボードが強化された。解像度では1,366×768ドットのHDから、1,920×1,080ドットのフルHDへ向上。キーボードはストロークを2.5mmと深くしたほか、光を輝かせるようキートップ内部に傾斜をつけた「プリズムクリアキー」の採用、キーにより押下圧が3段階で異なる「3段階押下圧」機能などを新搭載した。主な仕様は、CPUがIntel Core i7-6700HQ(2.60GHz)、メモリがPC4-17000 8GB、ストレージが1TB SATA HDD、ディスプレイが15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)、グラフィックスがIntel HD Graphics 530(CPU内蔵)、光学ドライブがBDXL対応ブルーレイディスクドライブなど。OSはWindows 10 Home 64bit。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、Gigabit対応有線LAN。インタフェースはUSB 3.0×3、USB 2.0×1、HDMI×1、SDカードスロットなど。バッテリ駆動時間は約5.4時間(JEITA 2.0)。本体サイズはW378.0×D256.0×H24.7~26.4mm、重量は約2.3kg。カラーはブラック、レッド、ホワイトの3色。店頭予想価格は税別200,000円強。○LIFEBOOK AH45/X「LIFEBOOK AH」シリーズのミドルレンジ製品で、春モデルの強化点は、上位のAH53/Xと同様、CPUの刷新やキーボードの強化が主。ディスプレイ解像度は、前モデルと同じ1,366×768ドット(HD)解像度。また、本体デザインをシリーズ上位モデル「LIFEBOOK AH77」に近づけた。主な仕様は、CPUがIntel Core i3-6100U(2.30GHz)、メモリがPC4-17000 4GB、ストレージが1TB SATA HDD、ディスプレイが15.6型ワイド(1,366×768ドット)、グラフィックスがIntel HD Graphics 520(CPU内蔵)、光学ドライブがBDXL対応ブルーレイディスクドライブなど。OSはWindows 10 Home 64bit。通信機能やインタフェースは上位モデルと同等。バッテリ駆動時間は約7.3時間(JEITA 2.0)。本体サイズと重量も、上位モデルと同等。カラーもブラック、レッド、ホワイトの3色を用意する。店頭予想価格は税別160,000円強。○LIFEBOOK AH42/X「LIFEBOOK AH」シリーズのエントリーモデルで、プロセッサにIntel Celeronを採用。春モデルは前モデルからハードウェアを引き継ぎソフトウェア中心の刷新で、バッテリ駆動時間が伸びている。主な仕様は、CPUがIntel Celeron 3205U(1.50GHz)、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、メモリがPC3L-12800 4GB、ストレージが1TB SATA HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、ディスプレイが15.6型ワイド液晶(1,366×768ドット)など。OSはWindows 10 Home 64bit。通信機能やインタフェースは上位モデルと同等。バッテリ駆動時間は約9.2時間(JEITA 2.0)。カラーもブラック、レッド、ホワイトの3色。店頭予想価格は税別140,000強。
2016年01月18日富士通は18日、2016年PC春モデルとして、12.5型の着脱式タブレットPC「arrows Tab RH77/X」を発表した。プロセッサはSkylake世代のCore i5。本体にはキックスタンドを搭載し、単体で自立する。発売は3月上旬で、価格はオープン。店頭予想価格は税別190,000円弱。12.5型大画面タブレットのほか、通常のノートPCとしても利用できる、Windows 10搭載の着脱式タブレットPC。本体背面には約90度まで無段階調節できるキックスタンドを備え、本体のみで自立する。標準添付のカバーキーボードは84キー日本語キーボードで、キーストロークが約1.5mm、キーピッチが約19mmと、通常のA4ノートクラスの打鍵感を実現した。スペック面では、CPUにSkylake世代のIntel Core i5-6200U(2.30GHz)を搭載。メモリは4GB、ストレージは256GBフラッシュメモリを採用する。液晶解像度は、1,920×1,080ドットのフルHD。256段階の筆圧検知が可能な静電容量式スタイラスペンが標準で付属し、Webブラウザ「Edge」など、手書き用途にも適するとする。バッテリ駆動時間は測定中だが、ターゲット値として実稼働8時間を目指す。このほかの主な仕様は、グラフィックスがIntel HD Graphics 520(CPU内蔵)、光学ドライブが非搭載、OSがWindows 10 Home 64bitなど。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1。インタフェースはUSB 3.0×1、MiniDisplayPort×1、microSDカードスロット、マイク/ヘッドホン兼用端子など。なお、端子はハイレゾ音源再生に対応しており、ハイレゾ対応ヘッドホンやスピーカーなどを接続することで、ハイレゾ音源を聴取できる。本体サイズはW319×D201.3×H9.5mm(単体)/W319×D201.3×H14.7mm(キーボード装着時)。重量は約890g(単体)/約1.25㎏(キーボード装着時)。
2016年01月18日富士通は18日、15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH」シリーズの2016年春モデルを発表した。最上位の「LIFEBOOK AH90/X」はAHシリーズの注目機種で、「GRANNOTE」(グランノート)の愛称で展開する。発売は2月中旬から。価格はオープンで、店頭予想価格は税別220,000円強。富士通初となる4Kディスプレイを搭載した15.6型ノートPCのハイエンドモデル。 2014年2月に発表され「GRANNOTE」の愛称で親しまれた15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH90/P」が好評だったとして、従来50歳~60歳代だったターゲットを、40歳以上の男女まで広げ、"使いやすさ"に焦点を絞った春モデルとして展開する。「LIFEBOOK AH90/X」の愛称は従来と同じ「GRANNOTE」だが、本体は外観、ハードウェアともに刷新。ディスプレイは富士通初となる4K解像度(3,840×2,160ドット)液晶を採用。ブルーライトカットモードや、画面の色調を見やすく調整できる「あわせるビュー」機能を備える。また、プロセッサをSkylake世代のCore i7へ刷新した。デザインは、指紋がつきにくいマット加工のシルバー塗装を採用。キーボードは緑がかったクリスタルのサイドカラーで高品位を演出し、バックライトも搭載する。キーストロークは2.5mm、キーピッチは約18.4mm。日本語入力システムATOKも搭載する。ほか、ハイレゾ音源の再生に対応したオンキヨー製スピーカーは、ダイヤカットデザインを施し、本体キーボード上部に新搭載する。主な仕様は、CPUがIntel Core i7-6700HQ(2.6GHz)、メモリが8GB、ストレージが1TB HDD、グラフィックスがIntel HD Graphics 530(CPU内蔵)、ディスプレイが15.6型ワイド(3,840×2,160ドット)、光学ドライブがBDXL対応ブルーレイディスクドライブなど。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、Gigabit対応有線LAN、NFC。インタフェースはUSB 3.0×3、USB 2.0×1、HDMI×1、SDカードスロットなど。バッテリ駆動時間は測定中。本体サイズはW378.0×D256.0×H25.7~27.4mm、重量は約2.5kg。PC関連の電話相談などが可能な同社の有料サービス「My Cloudプレミアム」が無料で1年間利用できる。
2016年01月18日富士通は1月13日、位置情報を活用したクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL」(以下、SPATIOWL)に、店内における来店客や販売員の動きを分析する屋内位置測位ソリューション「SPATIOWL 人流分析サービス」を追加すると発表した。価格は、店舗の敷地面積、計測期間により個別見積もり。「SPATIOWL 人流分析サービス」は、店舗内にさまざまなセンサーを設置することで、来店客数や来店客の動線に関するデータの収集・分析を行い、店内における人の行動を可視化する。店舗の視察から、適切な位置への各種センサーや受信機の設置、データ収集・分析、報告書作成までを、トータルに提供し、データ収集には、個人を特定しないセンサーを使用し、個体の位置情報のみを収集する。例えば、商品を入れるカゴにビーコンを貼り付けることで、ビーコンからの信号を店内に設置した受信機で感知し、「SPATIOWL」の位置情報データベースとの照合から、来店客の位置の把握を可能にする。これにより、来店客の動線や滞在時間などのデータを収集し、混雑が起こりやすいスペースやほとんど立ち寄らないスペースなどを明確にすることで、店内のレイアウト構成に生かすことができる。また、販売員がビーコンを身に付けることで、販売員の動きの違いなども把握でき、社員教育や店舗運営に生かすこともできる。さらに、長期間データを収集することで、どの季節のどの時間帯が混み合うのかを予測できるようになり、繁忙期に合わせた適切な人員配置や商品の拡充・レイアウトが可能になるため、混雑や品切れを防止できるとしている。
2016年01月14日富士通は1月13日、位置情報を利用するクラウド・サービスである「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)」に、店内における来店客や販売員の動きを分析する屋内位置測位ソリューション「SPATIOWL 人流分析サービス」を追加し、商業施設や大規模小売店舗などに向けて提供開始した。販売目標は2018年度に累計3億円。新サービスは、最先端の各種センシング技術を利用し、来店客数や来店客の動線に関するデータの収集・分析を行い、店内における人の行動を可視化するという。これにより、来店客が立ち寄らないスペースや季節・時間による混み具合などをデータから把握可能になり、売り場の品揃えやレイアウト、スタッフの配置などの店舗運営の改善に生かすことができるとしている。サービスでは、店舗内に各種のセンサーを設置することで、来店客の人数や動線を明確にするという。例えば、商品を入れるカゴにビーコンを貼り付けると、ビーコンからの信号を店内に設置した受信機で感知し、SPATIOWLの位置情報データベースとの照らし合わせから来店客の位置が把握できるとのこと。これにより、来店客の動線や滞在時間などのデータを収集し、混雑が起こりやすいスペースやほとんど立ち寄らないスペースなどを明確化することで、店内のレイアウト構成に生かせるとしている。また、販売員がビーコンを身に付けることで販売員の動きの違いなども把握でき、社員教育や店舗運営に生かせるという。さらに、長期間データを収集することで、どの季節のどの時間帯が混み合うのかが予測可能になり、繁忙期に合わせた適切な人員配置や商品の拡充・レイアウトが可能になるため、混雑や品切れを防止できるとしている。同サービスでは、店舗の視察から、適切な位置への各種センサーや受信機の設置、データ収集・分析、報告書作成までをトータルに提供するとのこと。データ収集には、個人を特定しないセンサーを使用し、個体の位置情報のみを収集するため、多様な分野で利用可能という。同社は今後、周辺の交通状況や天気、近辺で行われるイベントの情報などをデータとして加えることで、来店傾向や購入要因などをさらに細かく分析し、さらなる店舗運営の改善に向けたサービスを目指すとしている。
2016年01月14日富士通は1月6日(米国時間)、オープンプラットフォームのSDN(Software Defined Network:ソフトウェア定義型ネットワーク)コントローラーである「OpenDaylight」を採用した通信サービスプロバイダー向け広域仮想ネットワーク運用制御・管理ソフトウェア「FUJITSU Network Virtuora NC(バーチュオーラ エヌシー)V03(Virtuora NC V03)」を、2016年1月よりグローバルで販売開始すると発表した。最小構成価格は税別で2,340万円~。新製品は標準的な各種インタフェースに対応し、マルチベンダーで構成されたネットワーク構築の自動化および仮想化を実現するSDN製品。通信サービスプロバイダー向けに拡張性や柔軟性の高いネットワークの構築と運用コストの削減を実現するとともに、新たなサービスのスピーディーな展開を可能にするという。特長としてサウスバウンドインタフェース、オープンプラットフォーム、アプリケーションレイヤーの3階層で構成。ユーザーが階層ごとにアジャイルやDevOpsなどのソフトウェア開発手法を活用し、各種インタフェースやコントローラー上で動いているアプリケーションへの影響を最小限に抑えながら、ネットワークのメンテナンス、アップグレード、ほかのコントローラーへの移行を行うことができ、試験工数の削減やサービスの継続性と質の向上を実現している。サウスバウンドインタフェースはYANGモデル、およびXMLで抽象化されており、TL1やNETCONF、そのほかの運用管理プロトコルをサポートしているほか、マルチベンダーに対応できるよう設計されている。また、オープンプラットフォームはOpenDaylightを採用し、マルチベンダーのデバイスなどをシームレスに統合することができる。標準化されたRESTをベースとしたAPIおよび標準的なデータモデリングにより、あらゆるアプリケーションからOpenDaylightのデータや機能にアクセスできるため対応しているアプリケーションであれば、新ソフトウェアへ容易に実装することが可能。さらに、アプリケーションレイヤーは通信ネットワークの制御や管理、サービスの実現、検証などのアプリケーション機能に加え、外部の運用システムと連携するためのノースバウンドインタフェースで構成。モジュール構造になったアプリケーションは、データ収集や分析機能、リソース管理のための外部インタフェースを搭載している。そのほか、トランスポートレイヤーを管理するアプリケーションとしてリソース検出、経路計算、動的回線活性化・自動回線復旧などを備えている。
2016年01月08日富士通は、ゼネラル・エレクトリック(GE)と、GEのネットワーク型資産管理ソリューション「Smallworld」の日本国内での販売を行うことで合意し、1月6日より販売を開始した。電気・ガス・水道・通信などのユーティリティ分野において、「SmallWorld」はさまざまな業種ごとに最適化された資産管理機能を含んだパッケージソフトウェア・ソリューションとなっている。同ソリューションは、さまざまな設備があらかじめ定義したオブジェクトとしてモデル化され、設備の稼働状況や相互の接続関係を認識しているという。また、地図データの読み込みの時間を短縮できるようにGoogle Mapsやそのほかのマップサービスの地図データを活用し、継ぎ目のないシームレスマップ・データベースを採用。そのため、管理対象となる資産の数が膨大なシステムにおいても、処理速度が低下することなく利用できるという。さらに、一元化された設備データベースから、地図表示、キロポスト表示、模式図形式など、利用者のニーズに合わせたさまざまな表示形式で情報を可視化することが可能となっている。同ソリューションは、外部データベースやデータファイルを連携させ、仮想的に一つのデータベースとして利用することができるバーチャル・データベース機能を有しており、既存の設備保全・運転管理システムや、資材会計システムなどの周辺システムと連携させることも可能としている。富士通は、同ソリューションを自社のエネルギー事業者向けソリューションに加え、システムインテグレーションや保守・運用サービスとともに提供することで、エネルギー業界を中心に推進していく構えだ。
2016年01月06日富士通は24日、同社の携帯端末事業を、2016年2月1日付けで会社分割により設立する新会社「富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社」に継承すると発表した。富士通コネクテッドテクノロジーズでは、携帯端末の研究、開発、設計、製造、販売、企画および保守・修理サポートを行っていくという。富士通は、分社化する目的について、携帯端末などに関する事業を独立化させ、研究・企画からアフターサービスまで一環した体制を構築することで、経営責任を明確化させるとともに、経営判断の迅速化と効率化を追求するためと説明している。会社分割に際して富士通は、普通株式8,000株を発行。全株式を富士通コネクテッドテクノロジーに割り当てる。資本金は4億円で、所在地は神奈川県川崎市。人員は、現在富士通で携帯事業に携わる約500人が新会社へ移行するという。
2015年12月24日富士通は24日、同社のノートPCおよびデスクトップPC事業を、会社分割で設立する新会社「富士通クライアントコンピューティング株式会社」に継承。また、携帯端末事業を、会社分割で設立する新会社「富士通コネクテッドテクノロジーズ」に継承することを、同日開催の取締役会で決議した。効力発生日は2016年2月1日。富士通は10月29日、同社のPC事業と携帯電話事業を、100%出資の新設子会社に移管すると発表していた。今回、改めて提示された会社分割の目的は、「グローバルベンダとの競争が激化する中で、研究・開発からアフターサービスまで一貫した体制を構築することで、経営責任を明確化するとともに、経営判断の迅速化と徹底した効率化を追求する」となっている。会社分割に際しては、PC事業を担当する富士通クライアントコンピューティングおよび、携帯端末事業を担当する新会社富士通コネクテッドテクノロジーズそれぞれに、普通株式8,000株を発行。全株式を分割会社に割り当てる。富士通クライアントコンピューティングの所在地は、神奈川県川崎市。代表取締役社長は齋藤邦彰氏(現富士通 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長)。資本金は4億円。現在富士通でPC事業に携わる約950人が新会社へ移行するといい、10月29日の時点で発表していた「(新会社へ移行する規模は)4桁の人数」の最小規模(約1,000人)で、同社としては「想定通りの人数での移行」としている。
2015年12月24日●30年来取り組んできた人工知能技術を「Zinrai」として体系化富士通の人工知能(AI)の歴史は30年以上にさかのぼる。2015年11月には、これらの知見や技術を「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」として体系化した。そこで、同社の統合商品戦略本部 AI活用コンサルティング部兼政策渉外室 シニアマネージャーの橋本文行氏に、人工知能技術に関する取り組み、今後の製品やサービスへの展開などについて話を聞いた。IBMがコグニティブ・コンピューティングのブランドネームとして「Watson」を浸透させたように、富士通はAIのブランドネームとして「Zinrai」を採用。富士通のAI技術を活用した製品やサービスは、「Powered by Zinrai」と呼ばれることになる。「他社に比べ、AIに関するメッセージの発信が遅れたのは事実。そのため、富士通はAIをやっていないのではないか、という誤解を招いたのは大きな反省点です。今回、体系化したことで、どこに対して、どんな活用ができるのかということを具体的に示すことができました。Zinraiの内容を確認して、"ぜひ富士通と組みたい"という声を数多くいただいています」と橋本氏は語る。Zinraiは、素早く激しいことを意味する「疾風迅雷」が語源だ。「人を中心に考えるのが富士通のAIの基本姿勢。人の判断や、行動をスピーディーにサポートすることで、企業や社会の変革をダイナミックに実現する役割を担いたい。そうした想いを込めた」という。富士通が目指すAIの方向性は、「人と協調する、人を中心としたAI」、「継続的に成長するAI」、「AIを製品、サービスに組み込んで提供する」という3点。「人を支え、豊かな生活を実現するのが富士通のAI。一過性の技術ではなく、具体的な製品やサービスに反映することで、人を支援するものになる」と位置づける。○100以上の特許が支える「Zinrai」富士通が、AIに本格的に取り組み始めたのは、1980年代に起こった第2次AIブームの時だ。1985年には、日本初のAI搭載コンピュータ「FACOM α」を製品化。1988年には、学習技術を活用した移動ロボット「サトルくん」を開発。「サトルくん」に役を学習させ、逃げ回る泥棒役のロボット「ルパン」を、警官役のロボット2体が動けないところへと追いつめるデモンストレーションを行ってみせた。同社が、多くの人にニューラルネットワークによる学習技術の一端を披露したのはこれらが初めてだったと言える。橋本氏は、「当時、入社したばかりだった技術者たちが40代後半から50代になり、再び訪れたAIブームのなかで、その経験を生かす場が生まれています。かつては、機械に知識を覚え込ませようとしましたが、それすらも難しい時代でした。ですが、今では知識を覚えるだけでなく、それをもとに、教えた以上のモノを導き出すことができるようになっています」とし、「第2次AIブームが終焉を迎えた2008年以降、富士通は100件を超えるAI関連特許を出願。これらで培った知見や技術を体系化することで、AIを活用する提案を具体的に行えるようになります」と語る。AIに対する関心や期待が高まる一方、社内でも数多くの関連技術が蓄積されてきたことが、ここにきて、富士通が本格的にAIを打ち出してきた背景だ。「ビッグデータを蓄積しても、知識化が課題になっているケースが多い。これをAIによって解決したいという期待が高まっている」(橋本氏)センシングなどによって蓄積された数多くのデータを、画像処理や音声処理などの「知覚・認識」、自然言語処理や知識処理・発見などの「知識化」、推論・計画、予測・最適化といった「判断・支援」といった観点から処理。さらに、ディープラーニングや機械学習、強化学習といった「学習」、脳科学や社会受容性、シミュレーションといった「先端研究」との組み合わせによって、社会や企業の課題を解決するソリューションとして、社会に還元するといったサイクルが、Zinraiの中で示されている。自然言語処理や予測技術といったように、特定の用途で活用するAI技術の訴求ではなく、それぞれのAI技術を組み合わせた提案や、社会課題の解決に向けた具体的なソリューションとして提案できる体制を整えているのが富士通の強みというわけだ。○「感性メディア技術」と「数理技術」が強み「Zinrai」では、日々の学習による有益な知識やパターンを導き出すことで、AIの継続的な成長を支える「学習技術」、人のような五感を駆使し、人の感情や、気づき、気配りまで処理する「感性メディア技術」、人が理解する知識だけでなく、機械処理できる知識を創り出す「知識技術」、スパコンも活用して社会やビジネス上の課題を数理的に解決する「数理技術」によって構成されるとする。「学習技術や知識技術はもとより、感性メディア技術、数理技術を得意とするのは、富士通ならではの特徴。ここにZinraiの強みが発揮される」と橋本氏。感性メディア技術としては、遠くからでも人の視線がどこに注がれているかを検知する「視線検知技術」、遠くからでも3次元測距する「レーザーレーダー技術」などがある。例えば、瞳孔や角膜反射をもとに視線を算出することで、店舗の商品棚のどこに視線が多く注がれているのかを把握でき、商品展示方法や販促手法にも反映することができる。「既存のICTシステムに人の視覚に相当する機能を装備することができる」というわけだ。また、複数のメディア情報を活用することで、人の気持ちを理解するサービスを実現することが可能になるという。例えば、書類に記入している人の様子を捉え、記入中にペンが止まった部分で、利用者が困惑していることを検知すると、それに最適なガイダンスを手元に表示するといったものだ。超小型視線センサーとプロジェクション表示技術、行動センシング技術の組み合わせによって実現する。さらに人の声のトーンから感情や意図を推定する技術を活用して、振り込め詐欺検知にも活用。岡山県警との実証実験では、会話のキーワードと声のトーンの変化から、誤検出を1%未満の精度で、振り込め詐欺であることを特定。実証実験期間中は、振り込め詐欺件数を半減させる抑止効果が認められたという。●人工知能導入はゴールではない、成果の追及にこだわる一方、数理技術の取り組みとしては、国立情報学研究所による「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトが挙げられよう。富士通は2012年9月から数学チームとして参加。同社独自の数式処理を用いた「QE(Quantifier Elimination)推論技術」を活用し、2021年の東京大学入試突破を目指している。今年は、進研模試総合学力テーマ模試の数学において、偏差値64以上を獲得。今後、知識の拡充や、構文・文脈解析の自動化を進めていくという。また、シンガポールにおける取り組みでは、大規模イベントが終了した際の交通混雑緩和のために、近隣商業施設のクーポンなどのインセンティブを与えることで、人々が移動を開始する時間をずらしたりして、交通手段を変える確率をモデル化。さらに、福岡空港における九州大学との共同研究では、人の行動や心理をモデル化し、混雑緩和やセキュリティ強化につなげたり、人員配置を見直したりすることで、旅客満足度向上に役立てる「ソーシャルシステムデザイン数理技術」の実現に取り組んでいる。同社が取り組んでいる津波の浸水予測も、数理技術を活用したものであり、即時波源推定から2分以内に津波の浸水を予測できるという。○学習技術、知識技術でもすでに成果がそのほか、学習技術では独自のディープラーニング技術を用いた手書き文字認識により、中国語の手書き帳票の処理の効率化を実現。人による認識率を超える96.7%の認識精度を達成したという。さらに、サイバー攻撃の分析に、「外れ構造学習技術」を活用することで、低頻度の攻撃も集団化して検知。従来方法では見つからなかったような先端的なサイバー攻撃を短時間に検知し、新種の攻撃にもいち早く対応できるようになるとのことだ。さらに、知識技術では、LOD(Linked Open Data)を活用した分析や、コールセンターでの質問応答システムなどへの取り組みがある。橋本氏は、コールセンターの例を挙げて次のように語る。「コールセンターでは現在、ロボットにも回答しやすい名称、場所、数値などの客観的事実を問う質問はわずか5%にとどまります。その背景には、これらの情報はインターネット検索で入手できるため、コールセンターに問い合わせなくてもいいケースが増えていることがあります。しかしその一方で、行動や提案などを問うような質問が増加し、それらが全体の95%を占めていると言います。用意されている回答だけでなく、準備できていない質問に対しても推論によって適切な回答を行うことが求められているのです。コールセンターへの質問応答システムの導入はハードルが上がったとも言えますが、AIの活用が期待される業務の1つです」加えて、先端技術研究では、脳科学への取り組みとして、日米欧でスタートした「ヒトの脳機能の全容解明プロジェクト」に参画。将棋のプロ、アマ上位、アマ下位の人たちの脳の使い方をもとに、複雑なトラブルシューテイングに専門家の「ひらめき」が必須であることをつきとめた。○共創を軸に展開するAI活用コンサルティング部富士通は2015年11月1日付けで、AI活用コンサルティング部を新設した。全社では研究者、技術者、キュレーターなど約200人体制で構成。同社が開発したAI技術を、製品やサービスへ実装するとともに、顧客との共創によってイノベーションを創出することになるという。同社は今年春、富士通研究所内にAI関連の研究を行う「知識情報処理研究所」を新設。研究体制の強化を図っていたが、今回のAI活用コンサルティング部により、事業化フェーズに強力に踏み出すことになる。「当社が提供するAIコンサルティングサービスは、製品やサービスをパッケージとして提供するのではなく、AI適用に関する検討を、仮説立案段階から、お客さまと共に行い、さらに、PoC(Proof of Concept)、PoB(Proof of Business)を通じて、お客さまが提供する新製品やサービスの創造、既存業務の改革を実現していくものになります。AIを使うことがゴールではなく、それを活用した成果を求めていく点にこだわっているのです」と、橋本氏は語る。実は、第3次AIブームを迎えるなかで、AIに対して、あまりにも過大な期待が高まっていることへの懸念が指摘されている。橋本氏は、「AIは万能であり、必ず答えを導き出してくれるという誤解があるのも事実」と前置きしたうえで、「AIを導入したからといって、すぐに新たな製品やサービスを創出してくれたり、劇的な業務改革が実現されたりするわけではありません。だからこそ、お客さまと一緒になって、仮説立案から共創し、AI活用の検討を進めていくことになります」と説明する。○2018年度までに累計500億円を目指す富士通では、AI技術の活用に向けた仕組みの提案にも余念がない。同社のデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」において、近い将来、Zinraiをサービスとして提供。そのほか、同社およびグループ会社などが提供する製品、サービスにおいてもZinraiを提供し、これを活用した製品、サービス、アプリケーションには、「Powered by Zinrai」と表記することになる。第1弾の製品として、ビッグデータソリューション「ODMA予兆管理 Powered by Zinrai」を開発中。機械学習により、いつもの状態をモデル化。それとは異なる振る舞いがあった場合を検知して、異常の予兆を監視する。工場やプラントなどの設備保全を自律化し、継続的な運用を実現することにつなげるという。富士通では、Zinrai関連ソリューションにおいて、2018年度までの累計で500億円の売上高を目指す。「規模として大きいか、小さいかは見方によって変わるでしょう。しかし、大切なのは、お客さまと共創しながら、Zinraiを幅広い製品、サービスへと実装していくこと。人を中心としたAIの提案にこだわっていきたい」とする。富士通は、地に足の着いたAIビジネスを指向していく考えだ。
2015年12月22日富士通は、同社が開発した商品属性をタグとして自動で付与する技術(特許出願中)により、消費者のライフスタイルや嗜好を捉える消費者嗜好分析ソリューションを、12月21日より提供すると発表した。価格は個別見積もり。商品属性付与は、テキストマイニングの技術を応用して商品説明文などから有効な情報だけを抽出し、統計学的な手法を応用した当社独自のビッグデータ解析手法を組み合わせることで、商品に関する属性をタグとして自動的に付与するという。例えば食品では「手料理」「健康志向」といった商品の特長や訴求ポイントとなる商品属性をタグとして商品情報に付与して、購入した消費者の情報などと組み合わせて分析・可視化した分析レポーティングを提供する。さらに、企業が所有するデータに加え、SNSなどの外部データを組み合わせた分析も可能で、これにより、消費者のライフスタイルや嗜好について、より実態に沿ったきめ細かい情報が取得できるという。分析レポーティングは、専門知識を持つ同社のデータサイエンティストであるキュレーターが、同社のビッグデータ解析手法を活用し、商品の情報や購入した消費者の情報など、利用目的に合わせて必要な情報を組み合わせ、分析結果を可視化して提供する。また、本ソリューションはアンケート調査やパネル調査の代替手段として活用できるということで、同社が開発した消費者ごとの嗜好推定モデル(特許出願中)により、商品属性やこれまでに実施したアンケート結果、購買履歴などを組み合わせて分析することで、過去に購買履歴のある消費者の嗜好を推定し、その消費者が過去に参加しなかったアンケート調査における想定回答が作成できるという。
2015年12月22日富士通コンポーネントは12月21日、「FUJITSU Component 無線モジュール FWM8BLZ02-109047」を発売したと発表した。同製品は、温度センサーと3方向加速度センサーを内蔵した可搬型のBluetooth Smart対応センサービーコンで、温度およびビーコンを取り付けた物の傾きを測定し、そのデータを出力するもの。電源にはコイン形リチウム電池CR2450を利用する。測定したデータの出力方法は、同製品に標準装備されている同社独自データ送受信プロファイル「FDC」を経由しビーコン側から一定間隔でデータをスマートフォンなどのセントラル危機に送信する方法と、センサーモジュールのメモリ内にデータを保存し、セントラル機器から能動的にアクセスして読み出す方法の2つから選択可能。ビーコン部は、セントラル機器に対し一方向でアドバタイズ送信を行うブロードキャストモード、セントラル機器と双方向の通信を行えるペリフェラルモード、およびリカバリーモードを備えている。また、動作状態がわかるLEDインジケーターが付属する。農業施設や工場などにおけるセンサーを使った状態監視、物流サービスにおける荷物の品質管理、介護サービスへの応用など、IoTプラットフォームのフロントエンドデバイスとしての利用が想定されている。
2015年12月21日富士通研究所は9日、世界最小・最高効率をうたう、最大出力12WのACアダプタを開発したと発表した。スマートフォンなどへの高効率な急速充電が可能となり、一般的な従来品と同サイズのACアダプタと比べ、接続先への充電時間が3分の1になるという。現在普及しているACアダプタは、スイッチ素子がオンとオフを繰り返して電圧を変換することで電力を制御する「スイッチング方式」を採用する。ACアダプタを小型化、高効率化するためには、スイッチ素子のオンオフ動作を高速にすることが有効だったが、現状の制御ICはスイッチング動作が遅い上、タイミング遅延により逆方向電流が流れ、電流の損失が大きくなる問題があった。同社が今回開発したACアダプタでは、周辺回路を工夫し、スイッチ素子に動作抵抗の小さなGaN-HEMT(窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ)を採用。GaN-HEMTは、現在のスイッチ素子に利用されているシリコン半導体の10倍の周波数で動作し、抵抗も10分の1以下となる。また、スイッチングのタイミングを正確に制御する回路を新たに導入し、損失電流の発生を抑制することで、12W出力のACアダプタで世界最小という15.6ccの本体容積と、世界最高をうたう87%の電力効率を実現した。これにより、モバイル機器充電時のACアダプタの消費電力を5割削減でき、従来比3分の1の時間で急速充電が可能になったという。実用化は2017年めど。より高出力な回路の実現も検討し、ノートPCなどへの展開も予定する。
2015年12月10日富士通、富士通研究所、北里研究所 北里大学東洋医学総合研究所(東洋医学総合研究所)は12月10日、触診時の漢方医の触感をデータ化するグローブ型触感センサを共同で開発したと発表した。漢方医学の診断基準は問診・脈診・舌診・腹診などによる漢方医の主観および知識に依存することが多く、診断基準を漢方医の育成などに活用するには診断の形式知化や客観が必要となる。今回開発したグローブ型触感センサは、電界が無くても正負の電荷が分かれる性質をもつ誘電体薄膜を圧力検知素子として用い、加圧時に内部の電荷の状態が変化する特性を利用して、高感度な圧力センサを実現した。ポリマーフィルムを使って薄さ100~300μmまで薄膜化したことで、医師の手触り感を損ねることなく高感度かつ安全にセンシングできるほか、圧力検知素子自体の駆動電源を不要とした。また、グローブの指先部に反射マーカーを取り付け、マーカーの動きを検知する近赤外線カメラにより、医師の手の動きを約0.2mmの精度で検知するシステムを構築。10ミリ秒ごとに触診の位置を取得し、圧力センサから取得したデータと組み合わせることで、触診の正確な位置と圧力を同期して記録することが可能となっている。実験では、圧力センサとして実際の触診に限りなく近い数値データを取得できることが確認されたという。富士通らは今後、センサ感度のさらなる向上や手のひらなど圧力センサーの適用範囲拡大を検討し、開発技術により漢方専門医の触診をデータ化し大量に蓄積・客観化して、医師の触診の支援につなげていくとしている。
2015年12月10日富士通と、ベトナムのFPTは、ベトナムの首都ハノイに、「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai」を導入したショールーム「Fujitsu - FPT Akisai Farm and Vegetable Factory」を来年2月に設立すると発表した。ショールームでは「施設栽培」と「植物工場栽培」の2つの生産施設を現地に紹介。また、ショールーム内の環境情報や栽培エリアの動画情報は、現場だけでなく日本からもモニタリングでき、遠隔での栽培指導も実現する。施設栽培では、「Akisai」の施設園芸を行う生産者向けサービス「施設園芸SaaS」の活用により、グリーンハウス内に設置された各種センサーによる環境情報(温度、湿度、CO2、日射量、感雨、風向き、風速)をリアルタイムに収集し、それらの情報をもとにカーテンやファンなどの設備を自律的に制御。これらの設備と日本でも導入が進むアイメック農法を組み合わせ、栄養度と糖度が高い中玉トマトの栽培に取り組む。一方植物工場栽培では、富士通グループが「会津若松Akisaiやさい工場」で実践している完全閉鎖型植物工場を紹介する。植物工場では、工場内の各種センサーが収集する環境情報(工場内の温度、湿度、CO2、養液の水温、電気伝導度)を活用し、低カリウム化を実現するリーフレタスの栽培現場の様子を展示する。富士通では、ショールームの構築・運用を通して、「Akisai」や栽培農法のノウハウを現地へ紹介するだけでなく、環境制御や人材育成、農業資材の調達などにより、ベトナムの農業環境に即したローカライゼーションの在り方を考察する。また、ショールームを活用することでベトナムの政府や様々な業種の企業を巻き込み、ベトナムにおけるスマートアグリカルチャーの目指す方向を検討するという。
2015年12月09日富士通は8日、約630gの10.1型2-in-1 PC「arrows Tab QH35/W」を発表した。10.1型液晶を搭載したタブレット型の本体に、キーボード一体型の専用カバーが付属し、ノートPCのようにも利用できる。発売日は25日。価格はオープン。店頭予想価格は税別70,000円強。タブレット本体に、着脱可能なキーボード一体型カバーが付属した、10.1型の2-in-1 PC。解像度は1,280×800ドット。プロセッサにはCherry TrailことIntel Atom x5-Z8300(1.44GHz)を採用する。本体となるタブレット部分は約630gと軽量で、カバー付きキーボードを装着した場合は約1.3kg。このほかの主な仕様は、メモリがDDR3L-1600 2GB、ストレージが64GB、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)など。OSはWindows 10 Home 32bit。付属のカバー付きキーボードは日本語83キーで、キーピッチが約17.0mm、キーストロークが約1.2mm。トラックパッドも搭載し、カバー部を折り曲げることでスタンドにもなる。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0。インタフェースはmicroSDカードスロット、microHDMI、USB 3.0、microUSB 2.0など。センサー類は加速度センサー、地磁気センサー、照度センサー、ジャイロセンサーを搭載。Officeはタッチ操作向けの「Office Mobile」。ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK」も搭載する。本体サイズはW259.8×D171.4×H8.9mm(本体のみ)、W275×D190×H21.5mm(カバー付キーボード装着時)。
2015年12月08日富士通は12月3日、コミュニケーションサービスと業務アプリケーションの連携によりビジネスイノベーションを支援する、Salesforceと連携したコミュニケーション環境を構築するサービスを提供開始した。同サービスでは、米国セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型業務アプリケーションとメールやスケジュール管理、アクション管理などの機能を持つ企業内のコミュニケーションサービスとを連携させ、全社でより効率的な情報活用を実現するために必要なアセスメントから設計、アプリケーション構築、運用などのサービスが提供される。必要な業務アプリケーションは、セールスフォース・ドットコムのアプリケーション開発プラットフォーム「Force.com」を活用して構築される。同社では、同サービスにより、コミュニケーションサービスと各業務アプリケーションとをつなぎ、業務や顧客、アクション情報などを業務起点、顧客起点で適宜連携させ、全社的に共有することで、ビジネスの効率化を支援するとしている。価格は、アセスメントサービスが200万円~(税別)、設計・構築サービス、運用サービスが個別見積もりとなっている。
2015年12月04日富士通、東芝、VAIOの3社がPC事業を統合するという一部報道に対し、富士通は4日、「当社が発表したものではない」という公式コメントを掲示した。これは4日、日本経済新聞やNHK、共同通信などが報じた件に対するもの。これらの報道によると、富士通と東芝は苦戦しているPC事業を統合し合弁会社を設立、2014年7月にソニーから独立したVAIOも参加する可能性があるとする。富士通は10月29日にPC事業、携帯電話事業の分社化を発表。2016年春を目標に、それぞれ100%子会社とする計画を明らかにしつつ、「いろいろな選択肢があり、状況の変化を見ていく」としていた。今回の報道に対し「分社化後の事業成長に向け、さまざまな可能性を検討しているが、決定しているものはない」とコメントしている。東芝は2015年4月に不適切会計問題が発覚して以降、経営陣が交代するなど混乱が続いている。今回の報道に対しては「自社で発表したことではなく、決まっていることは一切ない」と述べている。一方、VAIOは2014年7月の発足以来、法人・コンシューマをターゲットとしながら、堅調に事業を進めている。今回の報道に対し「憶測記事であり、取材に基づいたものではない。当社発表ではなく、コメントすることはない」とした。2015年2月にIDC Japanが発表した、2014年の国内PC出荷台数によると、NECレノボグループが404万2000台・シェア26.3%で首位。続いて、富士通が289万8000台・シェア18.8%で2位、東芝が187万5000台・シェア12.2%で3位。仮に富士通と東芝が統合した場合、出荷台数・シェアとも現在首位のNECレノボグループと逆転する。
2015年12月04日富士通は11月18日、顧客の多様化するICT環境におけるセキュリティ運用を一元的にサポートする「FUJITSU Security Solution グローバルマネージドセキュリティサービス」と、エントリー型のセキュリティサービス4種を新たに提供すると発表した。これは、セキュリティに関する製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Security Initiative(フジツウ セキュリティ イニシアチブ)」に基づく取り組みとなる。同サービスには、既存システム環境の調査や脆弱性のチェックなどの、セキュリティ運用の立ち上げに必要な導入サービスや、24時間365日のリアルタイム監視からインシデント対応、教育といった継続的なセキュリティ運用強化支援などが含まれる。PFU開発の標的型サイバー攻撃検知技術「Malicious Intrusion Process Scan」を適用することで、従来のサイバー攻撃対策をすり抜けるマルウェアもリアルタイム検知が可能となり、標的型サイバー攻撃によるリスクを低減しているという。また、サービスは、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド環境との親和性が高いため、同社のクラウドサービスを活用する顧客のシステムでは、インシデント発生時には、エキスパートが影響度、緊急度を判断してクラウド環境を切り替え、業務への影響を最小限にとどめることができる。さらに、重大インシデント発生時には、ログ分析やデジタルフォレンジック分析により、クラウド環境も含めて、攻撃手法や被害・影響範囲の特定が可能としている。新たに提供される、エントリー型のセキュリティ新サービスは、「FUJITSU Managed Infrastructure Service 標的型攻撃実態調査サービス」「FUJITSU Security Solution 標的型攻撃発見サービス」「FUJITSU Security Solution インシデント対応訓練サービス」「FUJITSU Security Solution 標的型メール攻撃訓練サービス」の4種類。「FUJITSU Managed Infrastructure Service 標的型攻撃実態調査サービス」は、サービスエンジニアが、オンサイトでパソコンのマルウェア侵入・拡散状況を確認し被害状況を簡単に調査し、駆除方法や対策のアドバイスを行う。「FUJITSU Security Solution 標的型攻撃発見サービス」では、標的型サイバー攻撃検知技術「Malicious Intrusion Process Scan」を搭載したセンサーを顧客のネットワーク上へ配置し、通信監視によりマルウェア感染やその疑いを調査し、約1.5カ月で報告する。「FUJITSU Security Solution インシデント対応訓練サービス」は、日々のセキュリティ運用や外部環境、攻撃手法の変化に加え、サイバー攻撃の動向を踏まえたシナリオに基づくインシデント対応訓練サービスで、訓練結果に基づく対策を行うことで、顧客のセキュリティ運用耐性の継続的な強化を支援する。「FUJITSU Security Solution 標的型メール攻撃訓練サービス」では、目的に合わせて、疑似攻撃メールの内容検討を含む訓練計画を立案し実施し、訓練実施時の課題に関する情報提供、対応支援、訓練結果に対する傾向・改善提言までをサポートするという。加えて富士通は、PFUと共同で11月18日に、マルウェア解析やデジタルフォレンジック分析を行う環境を備え、セキュリティに関する情報をグローバル規模で集約し分析する「FUJITSU Advanced Artifact Analysis Laboratory」を東京と横浜に新設。同施設では、「グローバルマネージドセキュリティサービス」で発生したセキュリティインシデントの分析やマルウェアの解析、複数の脅威情報を活用し、新たな攻撃手法を発見・分析するという。さらに、2015年度下期から、ICT環境、セキュリティ情勢に基づく提案や、システムの脆弱性診断、感染時の対処などを行う「セキュリティホームドクター」を、全国の富士通エフサスの拠点へ順次配備する。富士通エフサスは、「セキュリティホームドクター」を、2017年度中に1000人に拡大する予定だ。
2015年11月19日富士通クオリティ・ラボは11月17日、ソフトウェア開発プロセスのコンサルティングで培ったノウハウと経験を基に、ソフトウェアの開発組織に向けた品質予測によるプロセス改善サービスの提供を開始すると発表した。同サービスは、同社の過去の開発実績データを基に統計手法を用いてソフトウェア品質の見える化を行い、利用者のソフトウェア品質向上と開発プロセス改善による組織体力強化を実現するもの。高品質なソフトウェア開発を行うには、高度な定量的分析と高成熟度な開発プロセスが必要であり、品質予測によるプロセス改善サービスでは、開発実績データを活用してソフトウェアの品質予測モデルを作成する品質予測診断と開発組織プロセスの診断により、問題解決支援を行うプロセス改善支援を提供する。同社では、先進的な統計的手法と、豊富な経験と実績を有したスペシャリスト集団のサポートにより、顧客の高品質なソフトウェア開発の実現に貢献するとしている。また、過去の開発実績データを活用し、利用者の開発組織のモデル化を行ったうえで、現状の開発プロジェクト工程ごとのデータから最終品質を予測して見える化(グラフ表示)も行う。品質目標を下回ることが予測される場合、レビュー時間、回数など、品質を確保するためのパラメータを変更して最終品質のシミュレーションを実行することで、目標達成の精度を高めることが可能となる。さらに、プロジェクト終了後には、その開発実績データを使って開発組織モデルの更新を行うことで、予測精度を向上させることができる。なお、プロセス改善支援として、プロジェクト開始前に、顧客の要望に応じて開発組織プロセスを診断し、プロセス改善のための各種支援も行うほか、プロジェクト実施中は、利用企業の運用時の問題解決支援を実施。プロジェクト終了後は、ギャップ診断やアセスメントを通じて、企業の組織体力の強化を支援するとしている。
2015年11月18日富士通は11月17日、クラウド環境におけるアプリケーション構築の自動化ソフトウェアを提供するフランスのソフトウェア開発会社であるUShareSoft,の全株式を取得することで合意し、2015年10月30日に契約を締結したと発表した。UShareSoftは2008年に創業し、欧州をはじめ、日本、アジア、米国において、マルチクラウド環境におけるシステム構築支援ソフトウェアなどを提供している。富士通は今回の買収により、UShareSoftが提供する、マルチクラウド環境におけるシステム構築・移行作業を効率化する自動化ソフトウェア「UForge」を、同社のデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」の中核商品である「FUJITSU Cloud Service K5」のシステム自動構築サービスに組み込むことで、クラウドビジネスを強化していく。また、UShareSoftを欧州におけるクラウドサービスの研究開発拠点と位置付け、富士通のグローバルでのマルチクラウド環境対応のソフトウェア開発力を強化する。
2015年11月18日富士通は、アプリケーション運用保守サービスを強化し、「FUJITSU Transformational Application Managed Services(Transformational AMS)」としてグローバル販売を開始する。2016年度中に欧州、米国、オセアニア、日本を含むアジアで順次提供を開始し、アプリケーション運用保守サービスの売り上げとしてグローバルで年率10%の伸長を目指す。「Transformational AMS」は、これまでに同社グループがユーザーサポートで培ってきたノウハウを活用することで、顧客アプリケーションの全ライフサイクルをサポートする運用保守サービス。顧客企業の業務プロセスに密接に関わることでコンサルティングも含め、従来型のアプリケーションとクラウド環境などで構築された次世代アプリケーションの双方を同時に保守サポートすることで、業務プロセスの変革を支援し、顧客満足度の向上や業務の効率化を実現。「Transition」、「Manage」、「Business Insight」、「Transform」で構成される4つのサービスメニューにより、顧客システムの全ライフサイクルをサポートすることを可能としている。Transitionでは、他社が提供するアプリケーション運用保守サービスから「Transformational AMS」へ移行する企業向けに、システム仕様、関連する業務プロセス、アプリケーションの利用形態などを継承した上で、最適なアプリケーション運用保守プロセスへの移行を支援する。Manageでは、カスタマーサービス手法「Sense & Respond」やDevOpsを適用した、同社グループのノウハウを組み込みグローバルに標準化したアプリケーション運用保守サービスを提供する。Business Insightでは、変化し続けるビジネス環境に対応して、さまざまな業種の顧客における業務プロセスの改善に向けた提案を行う。Transformでは、コンサルティングフェーズで提案した業務プロセス改善を実現するためのアプリケーション改修など、顧客システムの改修を行う。このサービスは、同社グループの世界6拠点で展開する41言語に対応したグローバルサービスデスクや、世界4拠点でインフラ管理とアプリケーションサービスを提供するグローバルデリバリーセンターなどを活用し、グローバルに標準化されたサービスを提供する。なお、このサービスは2015年11月18日~19日まで、独・ミュンヘンで開催される「Fujitsu Forum 2015」にて紹介する予定としている。
2015年11月17日●オレを襲ったトラブル富士通製PCの秋冬モデルに搭載されている「ワンタッチプライバシー」は、ファイルを登録しておけば、一度に複数のファイルをデスクトップ画面から非表示にし、他のユーザーの目から隠してしまえる機能だが、製品紹介ページではほとんど言及されていない、ちょっとマニアックな機能だ。同機ユーザーの中には、「『LIFEBOOK SH90/W』でWindows 10のメニューを立ち上げてみたら『よく使うアプリ』に謎の機能が表示されていたがはてこれは一体何だろう」という人もいるかと思われる。というわけで、今回、モバイルモデルの「LIFRBOOK SH90/W」で「ワンタッチプライバシー」を試してみた。なお、機種の詳細は、ニュース記事、レビュー記事で確認してほしい。【レビュー】スペックや機能はどう変わった? Skylake+Windows Hello搭載、新生「LIFEBOOK SH90/W」を試す富士通、指紋認証ログインに対応した13.3型ノートPC「LIFEBOOK SH」○オレを襲ったトラブル「ワンタッチプライバシー」は、スタートメニューから起動できる「ワンタッチプライバシー」という富士通のオリジナルプログラムだ。名前の通り、ワンタッチ(もしくは1クリック)で特定のファイル、フォルダを画面上から一時的に消す(非表示にする)ことができる機能である。使い方を紹介する前に、まずはこの機能でちょっとアレな画像を隠したオレを襲ったトラブルの顛末を伝えたい。「ワンタッチプライバシー」の使用には、まず「ワンタッチプライバシー」自体のパスワードを設定する必要がある。そして、「ワンタッチプライバシー」を使って非表示にしたファイルを復活させるには、当然同プログラムから復元処理を行う必要があるのだが、一度終了させた「ワンタッチプライバシー」を起動すると、まずパスワードの入力画面が表示される。ここで正しいパスワードを入力しないと、「ワンタッチプライバシー」は起動できず、ひいてはファイルを復元することができない。初めて「ワンタッチプライバシー」を使ったとき、このパスワード入力時に、トラブルが発生した。察しのいい読者諸氏はお気づきかもしれない。なぜか、正しいパスワードを入力しても、ログインできないのだ。そんなことあんのか!? と思われただろう。オレも思った。このとき、非常にシンプルなパスワードを設定したので、間違うはずはなかったのだが、複数回パスワードを入力してもログインできず、焦ることになった。そうしているうちにあることに気がついた。アルファベットの大文字、小文字が逆転しているのでは? というわけだ。設定したときは小文字で入力している気になっていたが、もしかすると大文字で入力していたのかもしれない。かくして、アルファベットを大文字にして入力すると無事ログインできた。正直ホッとした。これがログインできないと、富士通に連絡してリセット方法を教えてもらわなければならない。ユーザー側ではリセットできずPC自体を送って処理しなければいけない可能性もあり、面倒極まりないことになるところだった。●改めてワンタッチプライバシー機能を試すいろいろあったが(主にオレだけ)、改めて、本題の「ワンタッチプライバシー」機能の話だ。この機能はスタートメニューから起動できる「ワンタッチプライバシー」という富士通のオリジナルプログラムによって実行される。このプログラムを初めて起動すると、まずはパスワードの登録を要求してくる。文字数は6文字以上、24文字以内で、文字種類を2種類以上にしなければならない。もっと厳しくしてもいいのではないか? と思うが、あまりに複雑にしすぎて、ファイルを永遠にロストしてしまう可能性もあるので、一般的なレベルでいいのかもしれない。「ワンタッチプライバシー」にファイルをドラッグ&ドロップで登録し、登録したファイルごとに表示される「隠す」スイッチをクリックすると、機能がオンになりファイルが隠される。画面上からもファイルは見えなくなり、これでプログラムを閉じると、ほかの人には隠したフォルダの存在が全くわからなくなる。この時、ファイルは単に見えなくなっているだけでなく、暗号化された上で、特定のフォルダに保存されている。つまり、隠された状態ではファイルを発見しても、見ることができないのだ。●隠す機能をどう活用するか?さて、「ワンタッチプライバシー」では複数のファイル、フォルダを管理、隠蔽できる。それはそうだ。1つしか隠蔽できないのでは実用性が低い。複数の隠蔽ファイルの登録は次々とプログラムウィンドウにファイル、フォルダをドラッグ&ドロップしていけばいいだけだ。複数のファイルを登録すると、リストに複数のアイテムが表示されていく。そして、リストは下端まで達すると、スクロールできるようになる。このリストはかなり長くなることを想定したデザインのようだ。複数のファイルを登録した場合でも、登録したファイル、フォルダごとにファイルを隠すスイッチをオン、オフできる。また、急いでファイルを隠したい場合にために、右上の「すべてを隠す」ボタンで一度にすべてのファイルを消すことができる。○隠す機能をどう活用するか?最近はタフさを強化したビジネス向けノートPCが増えているが、タフさの次に必要となるのはセキュリティ機能だろう。富士通は指紋認証などを早くからノートPCに取り入れたり、虹彩認証をスマホに搭載するなどセキュリティに積極的なメーカーなので、「ワンタッチプライバシー」のような、ファイルを隠す機能を取り入れたことは理解できる。いろいろ試したが、「ワンタッチプライバシー」は非常に面白い機能だ。提言の意味で、「ワンタッチプライバシー」がスタートメニューに表示されてしまうのが気になると記しておこう。だって、このパソコンの中のデータをチェックしたい人が、そのパソコンを触ったら、「このプログラム何?」って、起動しようとしてしまうだろう。そして、起動すると、パスワードにブロックされてしまうわけで、ユーザーへの疑惑が増してしまうかも知れない。アイコンを表示せずに、例えば複数のキーの組み合わせで起動するようになったら、使い勝手がより良くなりそうだ。「ワンタッチプライバシー」は「LIFEBOOK SH90/W」だけでなく、富士通の秋冬の新製品に搭載される機能だ。会社のデータでも個人のデータでも、複数の人が使う可能性のある環境にいる人や、手軽にセキュリティを高めたい人は、店頭などで一度試してみると良いだろう。
2015年11月15日