1920年代よりフランスを中心に活躍した日本人画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ)の半生を描いた、11月14日に全国公開となる映画『フジタ(FOUJITA)』のティザーポスターが公開された。1913年に単身フランスへ渡った藤田嗣治は、1919年に美術展覧会「サロン・ドートンヌ」に6点の作品を初出品し、すべて入選。「私の部屋、目覚まし時計のある静物」、「五人の裸婦」などの作品を発表し、高く評価された。1940年に戦時の日本に戻ると、「アッツ島玉砕」、「サイパン島同胞臣節を全うす」など数多くの戦争協力画を発表する。映画では、1920年に「乳白色の肌」で裸婦を描き、パリのモンパルナスを中心に活躍した芸術家たちの中で寵児となっていた藤田嗣治が、戦争を機に日本に戻り、数多くの「戦争協力画」を描いて日本美術界の重鎮に上りつめていく様が描かれている。主演の藤田嗣治役を演じるのはオダギリジョー。台詞の半分はフランス語という撮影に猛特訓で挑んだという。その他、5番目にして最愛の妻である君代役の中谷美紀を始め、加瀬亮、岸部一徳などのキャストが顔をそろえた。ティザーポスターでは、“パリが愛した日本人”というコピーとともに、画家として活躍するきっかけとなったと言われる「ジュイ布のある裸婦」と、「戦争協力画」の代表作でもある「アッツ島玉砕」の間に、アトリエでキャンバスに向かうオダギリジョー演じる藤田嗣治の写真を配置。フランスと日本、二つの国と時代に生きた藤田嗣治の二面性や複雑さが表現された。また、中谷美紀演じる君代との2ショット写真や、モンパルナスの女王と謳われたモデルのキキとのパーティシーンなども公開されている。
2015年07月02日オダギリジョーを主演に迎え、日本人画家・藤田嗣治の半生を描いた映画『FOUJITA』。このたび、本作の予告編映像が公開された。1920年代よりフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治(レオナール・フジタ)。1913年、27歳で単身フランスへ渡り、1920年代に、“乳白色の肌”と称された裸婦像が絶賛を浴び、「エコール・ド・パリ」の寵児となった画家である。その画家を、『死の棘』(第43回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ・国際批評家連盟賞ダブル受賞)、『泥の河』『伽椰子のために』『眠る男』など、高い芸術性で評価されている小栗康平が10年ぶりの新作として監督する。今回届いた予告編では、パリで画家仲間やフランス人の妻との生活を謳歌するフジタと、1940年、第二次大世界大戦でパリがドイツ軍の手に落ちる寸前に帰国し、戦時の日本で数多くの“戦争協力画”を田舎で描くことになったフジタが対比され、彼の持つ二面性、そして絵に向き合う真摯な姿勢が表現されている。パリで「フーフー」(お調子者)の愛称で呼ばれたフジタは、パーティは出るのもオーガナイズするのも好きだった。後年、ロサンゼルスを旅した際には、当時のハリウッドスター、メアリー・ピックフォード、メイ・ウエストらのパーティにも招待された、とエッセイ集に記している。予告編でも使用されている、フジタが女装して招待客を出迎えたパーティ「フジタナイト」のシーンは、歴史ある貴族の館が多く残るパリのマレ地区にあり、16世紀に建てられたルネサンス様式の「パリ歴史図書館」を借り切っての撮影がおこなわれた。主演のフジタを演じるオダギリさんは、本作が初めての欧州進出となり、半分はフランス語のセリフで猛特訓して撮影に挑んだ。フジタの5番目の妻を演じるのは中谷美紀、ほかに『それでもボクはやってない』の加瀬亮、岸部一徳、フランスで人気の若手俳優アナ・ジラルドなど実力派俳優が顔をそろえている。プロデューサーは『アメリ』なども手掛けるクローディー・オサールだ。オダギリさんの真摯な演技と、小栗監督の静謐・繊細な演出で描く『FOUJITA』。本予告編映像で披露されているオダギリさんのフランス語にもぜひ注目をしてみて。『FOUJITA』は11月14日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月26日オダギリジョーが主演する、1920年代よりフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治の半生を描いた『FOUJITA』が、11月14日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開することがこのほど決定した。1920年代、「乳白色の肌」で裸婦を描き、エコール・ド・パリの寵児となっていたフジタ。戦争を機に日本に戻り、数多くの「戦争協力画」を描いて日本美術界の重鎮に上りつめていく。5番目の妻である君代と疎開先の村で敗戦を迎えることになるが――。『死の棘』で第43回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞し、『泥の河』『伽椰子のために』『眠る男』など、海外で高い評価を得ている小栗康平監督が10年にメガホンをとる本作。主人公である画家・藤田嗣治役を、演技派俳優・オダギリジョーが演じる。韓国の鬼才キム・ギドク監督の『悲夢』など、海外作品への出演も目覚ましいオダギリさんだが、本作で初めての欧州進出。共演は、『嫌われ松子の一生』『縫い裁つ人』の中谷美紀や、『永遠の僕たち』『自由が丘で』の加瀬亮、小栗監督作『死の棘』に出演した岸部一徳ほか、フランスの人気の俳優らも顔を揃えている。フランス側のプロデューサーは、『アメリ』や『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を手掛けるクローディー・オサールが務める。タイトルの『FOUJITA』は、本作の主人公である藤田嗣治の“フジタ”のフランス語表記。1913年、フジタは27歳で単身フランスへ渡り、1920年代前半に発表した「ジュイ布のある裸婦」(寝室の裸婦キキ)を始めとして、“乳白色の肌”と称された裸婦像が絶賛を浴び、エコール・ド・パリの寵児となり、社交界の人気者となった。1940年、第二次大世界大戦でパリがドイツ軍の手に落ちる寸前に、帰国。戦時の日本では「アッツ島玉砕」ほか数多くの“戦争協力画”を描いたことで、戦後に戦争責任を問われ日本を去る。その後、フランスに帰化し、カソリックになって洗礼名としてレオナール・フジタを名乗る。フジタは戦後、二度と日本には戻らなかった。小栗監督は、「パリの裸婦は日本画的といってもよく、日本での“戦争協力画”は西洋の歴史画に近い。『大東亜の理想』が叫ばれていたときである。これをフジタの"ねじれ"ととるか、したたかさ、ととるか、掘り下げるべきテーマは深い。」と語り、フジタが生きた二つの時代、二つの文化の差異に注目したという。小栗監督の静謐な映像美と共に描かれるフジタの半生。猛特訓して撮影に挑んだというオダギリさんのフランス語にも注目してみて。『FOUJITA』は、11月14日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月10日●20年前からの構想日本の刑事裁判をリアルに描いた映画『それでもボクはやってない』(2007)、終末医療の現場で起こる生死を巡る問題の数々に切り込んだ『終の信託』(2012)など、近年、社会派のイメージを強めていた周防正行監督が、『Shall we ダンス?』(1996)以来、18年ぶりに挑んだ本格エンタテインメント大作『舞妓はレディ』がBlu-ray/DVDとなって2015年3月18日にリリースされる。800人のオーディションの中から勝ち上がった上白石萌音を中心に、長谷川博己、富司純子、田畑智子、髙嶋政宏、濱田岳、岸部一徳、妻夫木聡、松井珠理奈(SKE48)、大原櫻子ら、周防作品初参加というフレッシュな面々、そして草刈民代、渡辺えり、竹中直人、小日向文世、中村久美といった周防作品おなじみのキャストも勢ぞろい。華やかな花街を舞台に、独特な京都のお茶屋世界に飛び込んだ少女・春子が舞妓を目指して成長していく姿を、ミュージカルシーンを織り交ぜながら描き出していく。そこで今回は、Blu-ray/DVDの発売を前に、作品の魅力や注目ポイントについて、周防監督があらためて語ったメッセージを紹介しよう。○周防正行監督が語る『舞妓はレディ』――『舞妓はレディ』は、前作の『終の信託』とは対極ともいえるコメディ作品ですね周防正行監督「人が笑って楽しそうにしているのを見るのは気持ちいいですね。今でも覚えているんですけど、『シコふんじゃった。』のとき、有楽町のスバル座に観に行ったら、まだ立ち見があった頃なんですけど、後ろのドアが開いていて、その後ろからピョンピョン飛び跳ねながら笑って観ているお父さんがいて、すごく幸せでした(笑)」――監督冥利につきるという感じですね周防監督「もう最高でした。そういうことって、『それでもボクはやってない』とか『終の信託』ではありえないことですから。やはり笑いってすごいなって思います」――『舞妓はレディ』はおよそ20年前からの構想というお話ですが、そもそものきっかけは?周防監督「『ファンシイダンス』『シコふんじゃった。』の後に企画したんですけど、この2作は、日本の男の子が日本の伝統文化の中でどう生きていくかという話です。それなら、日本の女の子は日本の伝統文化の中でどう生きるのかって考えたとき、思いついたのが宝塚音楽学校。それとこれはテレビのニュースで見たのですが、京都の花街で舞妓さんのなり手がいなくて困っていると。京都のお茶屋さんで働く舞妓さんというのもまさに伝統文化の中で働く女の子。それで、宝塚とお茶屋さん、それぞれの取材を始めました。で、舞妓さんのほうは、『舞妓はレディ』というタイトルからも想像できように、方言を直して京言葉をマスターしていく。これって実際もそうなんですよ。かつては、京都生まれの京都育ちの女の子が舞妓さんになった。今は、地方から出てきた女の子が京言葉を身につけて成長していく。伝統としきたりの中で現代の女の子がどう生きていくのかというところで、これは面白いぞと。『ファンシイダンス』『シコふんじゃった。』、そして『舞妓はレディ』で若者を通して日本文化を見ることができる」――いわゆる三部作みたいな感じですね周防監督「そう。それがそもそものきっかけです」――ところが実際に制作に入ったのは『Shall we ダンス?』周防監督「なかなか『舞妓はレディ』の、"これでいける"というものが掴めなかった。なぜかというと、お茶屋遊びそのもの、京都そのものについて、いまいち掴めない。自分で取材しても、これって本当に楽しいの? って(笑)」――真髄がわからない周防監督「わからないんですよ、まったく。それはたぶん、1、2年取材したぐらいでわかるような世界じゃない。ちゃんと身銭を切って、20年、30年かけて、あの街に出入りして、それでようやくわかるものじゃないかと思いました。僕自身、お酒も飲まないし。もちろん、お酒を飲まなくてもお茶屋遊びをしている人はたくさんいます。でも、僕自身はどうしても掴めない。勘違いでも何でもいいから掴めればよかったんですけど。そうこうしているうちに、また別に考えていたサラリーマンが主人公の作品、社交ダンスに出会ってしまった。こちらはすぐに、これだっていうものが見つかって、一気に『Shall we ダンス?』に傾いちゃいました」●上白石萌音との出会い――監督の中では、それでいったん、舞妓さんの話は頭から外れてしまったわけですね周防監督「いったん外れていました。やはり、コレというものが掴めなかったので。で、『Shall we ダンス?』が終わった後、あらためて考え直したとき、初めてミュージカルという枠組みを思いついたのですが、それとは別に、僕を取材以外で祇園に誘ってくれる人が現れて、お茶屋さんの中に知り合いがいっぱいできたんですよ。今回の映画で、富司(純子)さんの役のモデルになった人がいるんですけど、彼女と出会えたことが一番大きいです。ムーンライトという、舞妓さんが仕事を終わってから、東京の映画スターに会いに行くエピソード。それも、その女将さんの思い出話なんですよ。そういう風に具体的なエピソードが出てきたとき、俄然それを見たいという気持ちが強くなった」――でも、それからまたしばらく時間が経ちます周防監督「それを具体化するタイミング、主役の女の子の問題、もろもろあって、結局進まなかった。やはり映画はそこが難しい。いくら気持ちがあってもなかなか具体化できない。そうこうしているうちに裁判に出会っちゃって(笑)。『Shall we ダンス?』と『それでもボクはやってない』の間に少し期間があるんですけど、その間にいくつかの企画が動いていたんですよ。でも、結局具体化できず、『それでもボクはやってない』のあと、『ダンシング・チャップリン』を撮って、『終の信託』を撮って。僕の中では、ミュージカルならいけるという思いはずっとあったのですが、なかなか映画化のタイミングが掴めなかった」――そこから、いよいよ撮ることになったきっかけは?周防監督「『終の信託』のとき、プロデューサーから、『もうそろそろやらないと、僕ら死んじゃいますよ』って言われて(笑)。それで、オーディションでヒロインを決めちゃいますからって言われたんですけど、まだシナリオもない状態。まあ、気に入った女の子がいなければ、また延期すればいいと思っていたら、上白石萌音さんに出会えた。この子だったらいける、と思えたのが大きかったです。シナリオもすべて、彼女の存在があって初めて具体化できるようになりました」――ミュージカル調にしようと思ったのは?周防監督「先ほども言ったように、お茶屋さんの世界を描くにあたって、僕自身、真髄を理解できていないと思うんですよ、今でも。20年、30年と遊んできたわけではないので。だけど、ミュージカルという枠組みを借りることで、僕が感じている京都のお茶屋さんの楽しさを、皆さんに伝えることができるのではないかと思いました。お茶屋さん自体がミュージカルみたいなものだと思ったので、これでいけると思いました」――ちなみに『マイ・フェア・レディ』という作品についてはどの程度意識していたのですか?周防監督「構造的に似ている作品ですから、絶えず意識していましたし、シナリオを書いているときもずっと考えていました。でもそう思っていたからこそ、決定的に違うところに気づいた。『マイ・フェア・レディ』はヒギンズ教授が田舎娘をレディに仕立て上げる話です。でも、日本の京都の花街というのは、街の人みんなが寄ってたかって女の子を育て上げるんですよ。なおかつ、基本になるのは女系の擬似家族。これは極めて日本的ですよね。だから、そこを描けばいいんだって思いました。まったく『マイ・フェア・レディ』と重なるんだったらつまらない。だけど、明らかに違うものが出て来たからこそ、同じミュージカル仕立てにしてもまったく違うテイストにできるだろうと思いました。もちろん『マイ・フェア・レディ』と構造が似ているから、『京都盆地に雨が降る』みたいに、『スペインの雨』にオマージュを捧げるような歌もあえて作っています。でも、パロディを作るつもりはありませんでした。同じ構造であったとしても、ひとりの女の子が育っていく過程がまったく違うのですから、そこをきちんと描くことで、日本的なものを作れるのではないかと思いました」――監督を動かした上白石さんとの出会いですが、最初から光っていましたか?周防監督「実は全然目立ってなかったんですよ。彼女が最初どんな風に座っていたか、まったく印象がなかったので、かなり地味な子だったんだと思います。先日、オーディションのときにキャスティングプロデューサーが用意してくれた資料をあらためて見る機会があったのですが、やっぱりそんなに目立つ子じゃなかった。ただ、歌った瞬間に表情が変わった。その変わり方がすごく新鮮で。本当に歌が好きというのが伝わってきて、この子の歌をいつまでも聴いていたいと思いました。ただ歌が上手というのではなく、ちゃんと人の心に届くように歌えるというのがすごく印象的で、普段の姿と歌っているときの輝き方のギャップが、地方から出て来た垢抜けない女の子が可愛く変身して舞妓になるという主人公の姿と重なった」――歌う姿が印象的だったわけですね周防監督「やはり彼女は歌が決め手でした。歌うときにガラッと変わるのが特に良かった。日本映画で、アイドル物と呼ばれるものは大抵最初から可愛いんですよ。でも僕は、映画を観ながら、だんだん可愛く見えてくるという、ヒロインが徐々に輝いていくものを作りたかった。最後に、『あ、この子、すごく可愛かったじゃん』、みたいな(笑)。それができる子だと思いました」――映画では、最初かなり野暮ったい感じですよね周防監督「本人には申し訳ないのですが、ちょっと野暮ったさを強調しました。でも、最初から彼女の中に愛すべき野暮ったさがあって、それが魅力だったんですよ。やはり鹿児島で育ったことが大きかったと思います。そして、映画にあわせて上京してきて、いろいろな大人と出会うことで、洗練されていったんだと思いますし、それが映画と上手くマッチしたんだと思います」――実際の撮影に入ってからの印象がいかがでしたか?周防監督「歌はある程度イメージにあったし、それがあるから大丈夫だと思っていたんですけど、芝居は予想以上でした。賢い子で、僕が余計なことを言わなくても、全部自分で理解して演技ができる子だったので、本当に楽でした。さすがに芝居は苦労するだろうと思っていたのに、拍子抜けするくらい、こちらのイメージを体現し、尚且つ超えてくれた。それも高いレベルで。すごく助かりました」●Blu-ray/DVDでの注目ポイント――さて、今回の作品で舞台を「下八軒」にしたのは、監督がお茶屋遊びをしたのが「上七軒」だったからですか?周防監督「いや、そういうわけではなくて、いろいろな街の名前があるんですけど、一番聞いた瞬間に笑えるじゃないですか。『祇園』を『きおん』とか『おんぎ』とかにしてもね (笑)。『下八軒』は、明らかに『上七軒』をもじったものだってわかるじゃないですか。『上七軒』は花街の中では一番歴史のある街ですが、撮影や取材にも理解がありました。街として盛り上げたい、お茶屋文化を大事にしたいという想いが強かったのもありますね」――映画での描写は上七軒あたりではないですよね周防監督「そうですね。祇園新橋と呼ばれる、よくニュース映像などでも出てくるところがモデルです。川があって、橋があって、ちょっとお参りできるところがある。単なる街並みというだけでなく、絵的なポイントがある。あそこに行くと『祇園に来たぜ』って感じがする。ただ、実際の祇園だともう少し賑やかなので、街のたたずまい自体は上七軒がイメージかな。まあ混ざっていますね。ただ知り合いは祇園に多かったので、祇園ネタも多いです」――映画公開後、お茶屋さんなどの関係者から何か言われたりしましたか?周防監督「面白くて、泣けたって。今年の『お化け』に行ったら、出し物で『舞妓はレディ』を歌う芸妓さんがいて(笑)。僕がお座敷にいてびっくりしてました。親しくしている芸妓さんは、映画を観たその日に電話をくれて、『まるー』って。その芸妓さんは、舞妓さんを6人くらい連れて映画館に行ってくれて、映画館の前で記念撮影をしたのを送ってくれました。何でも、芸妓さんや舞妓さんがご贔屓のお客さんと一緒に『舞妓はレディ』を観に行って食事をする『ごはんたべ』が流行ったそうで、一度に3組が映画館で一緒になったみたいな話も聞いたんですけど、とにかく、京都の人、あの場所で生活している人たちに褒められたのはやっぱりうれしかったです」――それでは最後に、Blu-ray/DVDで観てほしいポイントがあれば教えてください周防監督「やはり役者さんの歌ですね。僕なりの仕掛けで作ってあるので、通して観るのもいいですし、単独でも楽しんでほしいです。もし贔屓の役者さんがいるのであれば、その役者さんの歌を繰り返し楽しんでもらうのもいいと思います。普段は聴けないような役者さんの歌も入っていますから、そこに注目してみてください。あと、どうしても編集の都合でカットせざるをえなかった渡辺えりさんの歌と松井珠理奈さんたちのラップのシーンは必見です。本当に断腸の思いで切ったのですが、Blu-rayのおかげで復活できたので、ぜひ特典映像で楽しんでください。僕のこれまでに作った映画とは違って、通しで観なくても楽しめる作品になっていますので、Blu-ray/DVDならではの楽しみ方を見つけてください。よろしくお願いします」――ありがとうございました『舞妓はレディ』のBlu-ray/DVDは2015年3月18日発売。Blu-ray2枚組の「スペシャル・エディション」には、映像特典としてメイキング「舞妓はレディができるまで。」【完全版】や劇場未公開ミュージカル・シーンなどが収録され、価格は6,700円(税別)。DVD1枚組のスタンダード・エディションは3,800円(税別)。発売元はフジテレビジョンで、販売元は東宝。
2015年03月18日●800人のオーディションから選ばれて日本の刑事裁判をリアルに描いた映画『それでもボクはやってない』(2007)、終末医療の現場で起こる生死を巡る問題の数々に切り込んだ『終の信託』(2012)など、近年、社会派のイメージを強めていた周防正行監督が、『Shall we ダンス?』(1996)以来、18年ぶりに挑んだ本格エンタテインメント大作『舞妓はレディ』がBlu-ray/DVDとなって2015年3月18日にリリースされる。800人のオーディションの中から勝ち上がった上白石萌音を中心に、長谷川博己、富司純子、田畑智子、髙嶋政宏、濱田岳、岸部一徳、妻夫木聡、松井珠理奈(SKE48)、大原櫻子ら、周防作品初参加というフレッシュな面々、そして草刈民代、渡辺えり、竹中直人、小日向文世、中村久美といった周防作品おなじみのキャストも勢ぞろい。華やかな花街を舞台に、独特な京都のお茶屋世界に飛び込んだ少女・春子が舞妓を目指して成長していく姿を、ミュージカルシーンを織り交ぜながら描き出していく。そこで今回は、Blu-ray/DVDの発売を前に、作品の魅力や注目ポイントについて、現在17歳のフレッシュな魅力あふれる主演・上白石萌音が語ったメッセージを紹介しよう。○上白石萌音が語る『舞妓はレディ』――映画の公開当初はまだ混乱しているようなことをおっしゃっていましたが、落ち着きましたか?上白石萌音「公開されてからは、あまり考えないようにしていたので、あまり状況処理みたいなものは成長していなくて……。まだ何か不思議な気持ちがしています」――舞台挨拶などで実際にお客さんの反応をみて、どのように感じましたか?上白石「直接の反応を体感したり、いろいろな意見をいただいたりしていくうちに、撮影中はあまり意識していなかったんですけど、一生懸命に作ったものが届くというのはすごく素敵なことなんだなって思いました」――実際にステージで歌ったり踊ったりもしましたが上白石「すごく緊張しました(笑)。カメラの前と同じくらい、もしかしたらそれ以上に緊張したかもしれません。でも一緒になってノッてくださったり、手拍子してくださったりしたので、すごく楽しかったです。皆さんと一体化できたような感じがしました」――もっと歌ってみたかったですか?上白石「もっと上手になってから、頑張りたいです(笑)」――最初に『舞妓はレディ』のオーディションの話を聞いたときはいかがでしたか?上白石「事務所の方に、『書類が受かったから行っておいで』って言われたんですけど、周防(正行)監督のオーディションという話だけで、他のことは何も聞いていない状態でした(笑)」――オーディションはどんな感じでしたか?上白石「最初は自己PRとか、台本を見ながらお芝居をしたりしたんですけど、最終審査は、2週間、ダンスと歌のレッスンを受けて、それを発表するというものでした。オーディション用でしたが、実際にプロの方からレッスンを受けられたので、すごく幸せでした」――役得ですね上白石「そうですね(笑)。オーディションだけでもいろいろなことを学ぶことができたと思います」――ダンスと歌については以前から経験があったのですか?上白石「小さいころから歌が大好きで、音楽が流れたら踊りだすような子どもでした。それを見て、母がミュージカルの教室にいれてくれたので、そこでずっと歌ったり踊ったりしていました。あと、バレエも習っていました」●鹿児島弁、津軽弁、京都弁――それならオーディションもけっこう余裕があったのでは?上白石「そんなことは全然なくて、すごく大変でした。今までは、自分が楽しければそれでいい、みたいな歌や踊りだったんですけど、オーディションですから、ちゃんと人に見せるものにしないといけない。でも、実際にオーディションが始まると、すごく楽しんで歌ったり、踊ったりすることができました。それは、監督が温かく見守ってくださっていたからじゃないかと思います。なので、あまり手応えというものはなかったのですが、悔いもなかったです」――合格の話を聞いたときはいかがでしたか?上白石「もうビックリですよ。本当に手応えというものがなかったので、まさか自分に決まるとは思ってもいませんでした。だからマネージャーさんから話を聞いたときは、本当に驚いちゃって……こんなにビックリしたのは久しぶりだと思うくらいビックリしました」――オーディションに合格してから撮影までの期間は?上白石「撮影が始まるまで半年くらいあったのですが、合格してからすぐに日舞や三味線を始めて、しばらくしてからダンスレッスンやボイストレーニングが入ってきました。それと同時に、京都に行って、実際にお茶屋さんで話を聞いたり、舞妓さんの一日の生活を見せていただいたりして勉強しました。ただ、あまり知りすぎると、初めて出会った驚きや感動みたいなものが薄れてしまうので、日記のように最初の印象や驚きをノートに書き記して、いつでも思い出せるようにしていました」――やはり驚くことは多かったですか?上白石「本当に大変だと思うことばかりで、もう驚きの連続でした。例えば舞妓さんは、髪の毛を毎日結うわけにはいかないので、一週間くらいお風呂で髪を洗えないんですよ。あと、着物があんなに重いとは思わなかったし、帯を締めるとまともにご飯が食べられなくなっちゃう(笑)。本当に毎日驚くことばかりで、すごく楽しかったです」――『舞妓はレディ』で一番のポイントになるのは"方言"だと思うのですが、方言もその期間に練習したのですか?上白石「方言は台本をいただいてからですね。台本と一緒に、方言指導の先生が吹き込んでくれたCDをいただいて、それを繰り返し何度も聴いて勉強しました。でも、やはり一人で勉強するのは怖いですね。間違えて覚えたら大変だし、実際、現場に行くと全然違うこともあったので、その都度修正しながら撮影していった感じです。私は鹿児島出身で、普段から方言を喋っていたんですけど、方言というものはこんなに難しかったんだ、奥が深いなってあらためて感じました」――作中でも鹿児島弁を話すシーンがありますが、普段はあんな話し方はしないですよね?上白石「全然違います。鹿児島でももっと別の地方だとわからないのですが、少なくとも私は、ああいった話し方はしていないです。聞くとある程度は分かるんですけど、まったく初めての言葉もあって、うれしかったり、ちょっと切なかったり……」――切ないというと?上白石「こうやって段々と言葉がなくなっていくんだと思うと……。自分の地方のことなのに何にも知らないんだって思うと切なくなっちゃいます。だから、大事にしていかないといけないなってすごく思いました」――地元の言葉でさえ難しいとなると、ほかの言葉はもっと大変ですよね上白石「大変だったのは津軽弁。セリフは一番少ないんですけどね(笑)。台本にはひらがなで書かれているんですけど、それだけ読んでもまったく意味が分からなくて……。説明の括弧書きを読んで、やっと理解できるという感じでした。方言指導の人が話す津軽弁と、それを真似する私の言葉がまったく違うというのは、自分でもわかるんですけど、どうすれば近づくのかがまったくわからなくて、ただただ真似を繰り返していました。本当に難しかったです」――京都弁はいかがでしたか?上白石「案外覚えやすかったです。やはり関西弁は、普段テレビで聞いたりするので、馴染みがあったからかもしれません。ふんわりした雰囲気や相手を気遣う優しい言葉、そして話している自分までもが温かくなれるような言葉だったので、京都弁いいな、ずっと喋りたいなって思いました」――そのほか撮影中に大変だったのはどんなことですか?上白石「一番慣れなかったのは正座です。これまであまり正座をする機会がなかったので、すぐに痺れちゃうんですよ。でも、着物で一番楽な姿勢は正座なので、地味に厳しかったです(笑)。ただ、撮影が終わる頃には、けっこう長い時間座れるようになっていました」――着物もこれまであまり着たことはないですよね?上白石「七五三のときくらいですね。着物の着方や、名称とかが全然分からなくて……しかも舞妓さんの着物は特殊じゃないですか。かんざしとかも、毎月種類が変わったりする。でも、おしゃれで、綺麗なので、撮影を通して着物がすごく好きになりました」●Blu-ray/DVDの観どころ――ラスト、着物を着て踊り回るシーンはいかがでしたか?上白石「すごく楽しかったです! 実際に踊るまでは大変だろうと思っていたんですけど、帯や袖が広がる感じとか、ちょっとクセになっちゃうような楽しさがありました。監督に『疲れた?』って聞かれたんですけど、『まだ何回でも行けます!』って(笑)。本当にずっと踊っていたいと思いました」――舞妓さんの姿だと足元も大変ですね上白石「これも慣れるまでは大変でした。前が斜めになっているので、なかなか真っ直ぐに立てず、最初はすごく怖かったです。でも、私は身長が低いので、おこぼを履くと世界が変わってうれしかったです(笑)」――実際に着物を着て、おしろいを塗った自分を見たときの感想は?上白石「自分であって、自分でない。何かお面をつけているような感じがして、一番最初に見たときは『白っ!』て思いました(笑)。間近で舞妓さんを見たことはなかったし、もちろん自分がなったこともなかったので、あんなに時間がかかるとは思わなかったです。ひとつひとつが丁寧で、細かくて、それぞれが交わっている。そうやって舞妓さんが出来上がるんだって思うと、変身の時間がすごく楽しかったです」――撮影中の周防監督はいかがでしたか?上白石「すごく優しかったです。一回も、声を荒げたり、怒ったりしている姿を見たことがなく、いつもニコニコしていらっしゃって、みんなが何でも言いやすい雰囲気を作ってくださっていました。だから現場全体もほんわかした、はんなりした温かい雰囲気で、毎日が楽しくて仕方ないという感じで、すごく居心地が良かったです」――Blu-ray/DVDに特典として収録されている「はんなり京都旅」はどういった映像でしょうか?上白石「撮影でお世話になった舞妓さんを訪ねるといった映像なんですけど、かんざし職人さんが実際に作っているところをみたり、京都の街をいろいろと案内してもらったりしながら、舞妓さんの素顔に迫る、みたいな内容です」――本編ではカットされたミュージカルシーンも収録されていますね上白石「ラップをやっているんですけど、脱力系ダンスみたいな感じですごく楽しかったです。あと、渡辺えりさんのシーンは大好きだったので、カットされたって聞いたときはすごく哀しかったのですが、今回のBlu-ray/DVD収録されているのでとてもうれしいです」――あらためてBlu-ray/DVDを観てもらうときに、注目してほしいポイントはありますか?上白石「細かいところまで監督がこだわり抜いていらっしゃる作品で、例えばオープンセットにもいろいろな仕掛けが施されたりしています。あと、気づかないところにすごい方が出ていたりするので、映画館で観たときには気づかなかった新しい発見があると思います。2回、3回と繰り返して観ていただくと、そのたびに違った見方ができると思いますので、ぜひ細かいところまで見逃さないで観てほしいです」――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします上白石「映画館で観てくださった方も、初めてBlu-ray/DVDで観てくださる方も、それぞれいろいろな楽しみ方のできる作品だと思います。観る方によって、感じ方や感情移入する対象が違ったりすると思いますので、家族やお友達と集まって、ワイワイと楽しみながら観ていただきたいですね。あと、この作品を観て、日本のことや京都のことを知り、いろいろな文化を大事にしようと思ったり、何事にも恐れずに挑戦していったるするきっかけになったらうれしいです。皆様にとって、大切な一本になるといいなって思っています。よろしくお願いします」――ありがとうございましたヘアメイク:スズキミナコ/スタイリスト:兼子潤子ワンピース(Sally Scott/ニューヨーカー)/45,000円(税別)
2015年03月04日米倉涼子・主演の人気ドラマシリーズ「ドクターX~外科医・大門未知子~」が、10月より第3シーズンが放送されることが決定し、9月30日(火)、東京・テレビ朝日本社にて制作発表記者会見が行われた。米倉さんを始め、遠藤憲一、内田有紀、勝村政信、渡辺いっけい、内藤理沙、庄野崎謙、岸部一徳、北大路欣也が劇中の衣装で登場した。本作で米倉さんが演じるのは、孤高の一匹狼な性格ながら、超一流の腕を持つ女医・大門未知子。シーズン3では、東西を代表する大学病院の覇権争いが渦巻く「国立高度医療センター」で巻き起こるシリーズ史上最大の戦いを描く。本作の人気となっている要因のひとつに、大門の「いたしません」やサラリーマン縦社会に生きる医師たちが教授などからの絶対の命令に対しての「御意」という返事など、独特の名ゼリフがあるが、米倉さんは「いたしません」というセリフについて「2年前はぎこちなかったんですが、最近は気持ちよくなってきました」と物怖じせずにズバッと意見を言い切るヒロインを楽しんでいる様子。3年連続でシリーズ化されている本作だが、主人公・大門の役作りについて聞かれた米倉さんは、「(準備は)いたしませんでした」と語る。どんな場所でも変わらない女なので、変わらずにいようと思いました。(今回は)髪を少し短くしたくらいです」と一貫したキャラクター性を分析していた。一方で、「(前シリーズから)棚ぼたで出世したので、『御意』という側から言われる側になりました」と照れ笑いを浮かべるのは“御意三兄弟”のひとり海老名敬を演じた遠藤さん。2作目からの登場となったが、前作では外科統括部長・蛭間重勝を演じた西田敏行からの「アドリブに毎回ドキドキしてました…」と過酷(?)な撮影の日々を明かす。その呪縛から解き放たれからなのか、この日は終始上機嫌。本作の名セリフにちなんで最近の口癖は?と聞かれると、「『ありの~ままの~』ですかね。最近、観まして」と嬉しそうに語り、米倉さんが呆れ顔で「現場でもよくやってます…良ければ、どうぞ」と促すと、ステージ上で実際に『アナと雪の女王』のワンシーンをハイテンションで披露し、会場を大いに沸かせていた。そんな遠藤さんを米倉さんは現場で、愛情を込めて「ケンイチ」と呼んでいるそうで、先程の“『アナ雪』ノ舞”を見た、勝村さんは「ね?『ケンイチ』って感じでしょ(笑)?」と会場に語りかけると再び笑いに包まれた。遠藤さん自身は、「ケンイチ」と呼ばれることについては「すごい嬉しいです!嬉しすぎて、よく(米倉さんに)抱きついてます」と驚きの行動をカミングアウト。これに、米倉さんは「ホントにどうにかして欲しいです」と苦笑交じりに語り、最後まで笑いに包まれた会見となった。ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」シーズン3は、10月よりテレビ朝日にて放送開始。(text:cinemacafe.net)
2014年09月30日女優の広末涼子が主演を務めるNHKのドラマ「聖女」。「セカンドバージン」や「はつ恋」といった女たちのリアルなドラマを送り出してきた、“ドラマ10”枠で放送される本作。第3話の放送を前に、広末さんのまさに“聖女”な姿を収めた劇中ビジュアルが到着。さらに、チーフ・プロデューサーから見どころコメントが寄せられた。広末さんが本作で演じるのは、美貌の連続殺人容疑・肘井基子。これまでの第1話・第2話では、彼女の弁護を請け負うこととなった事務所の若手弁護士・中村晴樹(永山絢斗)が、10年前に突然姿を消した自身の家庭教師・緒沢まりあと同一人物なのでは…と疑念を抱いたことで、基子の過去と心の内の片鱗が見えてきた。そして迎える9月2日(火)の第3話「プライド」では、さらに彼女の深い深い闇の淵を覗き見ることとなる。晴樹と同じ事務所の黒坂(田畑智子)は、基子の故郷を訪ね調査を始めたものの、聞こえてくるのは、彼女と母・雅恵(安藤玉恵)の極貧親子の金と欲がらみのひどい噂ばかり。しかしそんな中、所長の前原(岸部一徳)は厳しい裁判を覚悟するが、殺人未遂事件の被害者・千倉(大谷亮介)の意識が戻り、「基子は犯人でない」と証言しているという情報が飛び込んでくる…。本作のチーフ・プロデューサーは、この第3話についてこんなコメントを寄せている。「『“愛”と“欲”とは同じもの』などとストレートに発言することで、世間から“悪女”のレッテルを貼られてしまう基子ではありますが、第3話ではそんな基子の過去が露わになります。晴樹が基子の過去を調べながら、『なぜ、基子は“悪女”と呼ばれる女性になっていったのか?』を知っていきます。これは、けっこう晴樹にとってはツライ仕事です。10年前の初恋の人であり、あんなに深く愛してしまった基子の悪い話ばかりを聞かされて、北九州での聞き込みは気の滅入ることばかりでした。演じる永山くんも現場ではいつにも増して寡黙になり、何かに耐えているような様子。『いや~、好きな女の人の悪口ばっかり言われるなんて、ホント耐えられませんよ』とポツリ。なので、たった一人だけ基子を褒めてくれた人に出会うシーンの撮影では、晴樹の嬉しそうな表情が絢斗くんの表情そのものに思えました。いい、笑顔をしていますよ。今回、もっとも重要な登場人物と言えるのが、基子の母・雅恵(安藤玉恵)。夫を亡くしたあと、女手一つで基子を育てました。彼女が常に基子に言っていたのが、『気高く、聖女のように生きろ』という言葉。ここに基子の人生のルーツがあったんですね。撮影現場で安藤さんが『私が広末さんのお母さんって、なんか変じゃない?』とつぶやきました。しかし、誰も返答をしないので、しびれを切らした安藤さんが『たぶんね、父親が美男子だったのね』と大きな声で言うと、現場は大爆笑。ずっと、みんな思ってたんですよね。でも、この母娘のとても強い結びつきを表現するシーンでは、さすが安藤さん。まるで聖母のような表情で幼い基子を抱き寄せていました。物語の後半は、一気に裁判直前モードに突入していきます。事件の全容がはじめて明かされ、晴樹たち弁護団と検察との駆け引きがサスペンスを盛り上げます。とくに千葉検事役で登場する池田成志さんの敏腕狡猾ぶりは見どころ。公判前整理手続きで、飄々とした岸部一徳さんと池田さんがバチバチと火花を散らす感じが、シビレますよ。でも、なんと言っても最大の見どころは、晴樹と基子の“LOVE”の部分。『晴樹、危ない!』と思わず叫んでしまう人が続出すること間違いないと言えるくらいに、晴樹が基子に魅入られて危険な一歩を踏み出す場面があるのです。もちろん、基子は拘置所にいるので晴樹と会うのは接見室のガラス越しなのですが、それでも精神的には、第1話のベッドシーンを凌駕するほどの濃厚なラブシーン!と言って差し支えありません。このシーンが、第3話見どころのナンバー1です」。今回、到着したビジュアルは、そんな基子の“聖女”な一面が垣間見える劇中のシーン。純白のレースを頭からかぶり、何かを願うように目を閉じる基子の姿が収められている。果たして、彼女は心の内で何を願うのだろうか?ドラマ「聖女」は毎週火曜22時~NHK総合テレビにて放送(連続7回)。なお、第2話「愛を乞う女」再放送は、9月2日(火) [月曜深夜]25時25分~NHK総合テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年09月01日累計120万部突破のシリーズ最新作を、瑛太&松田龍平のタッグで贈る珠玉のエンタテインメント映画『まほろ駅前狂騒曲』。このほど、初映像となる特報と第一弾ポスターが公開された。何かと柄の悪い街・まほろ市で便利屋を営む多田啓介(瑛太)の元へ、中学の同級生・行天春彦(松田龍平)が居候するようになってから3年目。ペンキ塗りから買い物代行、遺品整理にボディガードまで曲者たちの厄介な依頼にいつも巻き込まれる多田便利軒の2人に新たな依頼が…。公開された特報映像は、これまでの『まほろ』シリーズのイメージを打ち破るハリウッド超大作のようなイントロから一変、後半は“まほろ”らしい賑やかな作りとなっており、瑛太さんと松田さんによる脱力系のコンビネーションが垣間見える。さらに第一弾ポスターは、東京郊外の便利屋とはとても思えない、迷彩服の2人が立っている。「俺たちただの便利屋ですから!」というアンバランスなキャッチコピーを掲げ、何やらただならぬ雰囲気だ。直木賞を受賞した三浦しをんのベストセラー小説を『さよなら渓谷』の大森立嗣監督が手がける本作には主演の瑛太さんと松田さん、そして先日発表された永瀬正敏に加え、若き裏番長・星に『横道世之介』の高良健吾、多田の恋のお相手に『そして父になる』で賞レースを総なめにした真木よう子、行天の元妻に本上まなみが登板。また前作からのレギュラーメンバーである麿赤兒、松尾スズキ、大森南朋、岸部一徳ほか、『青い春』で瑛太さん&松田さんと共演し朋友でもある新井浩文、原作ではお馴染みだが映像には初めて登場する曽根田に劇団民藝のベテラン・奈良岡朋子、行天の娘・はるにはWOWOW連続ドラマ「かなたの子」の岩崎未来が抜擢され、新旧ともに充実の顔ぶれとなった。『まほろ駅前狂騒曲』は10月18日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年04月24日漫画原作のドラマが今もなお増加傾向にある中…昨今では、人気ドラマの“復活モノ”も非常に多く放送されていますよね!制作サイドが安定した視聴率獲得を目指すのはもちろんのこと、やはり視聴者が面白いと思うものにはある程度“定番”な流れがあると言えるのかも!?そこで今日は、2014年1月クールに復活を遂げた2つの医療ドラマをご紹介。偶然にも、両作品とも“パート4”と言うことで、その対決の行方が気になります。■火10に復活!「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」――名コンビが挑むのは、海辺の難事件あのバチスタコンビがついに復活!シリーズ第4弾放送からの映画化がすでに決定しているということで、まさに2014年注目の一作と言えるでしょう。今回のテーマは、命が終わる時…現代に必要不可欠と言われている“終末期医療”の問題です。医療の正義or罪を、ある医師の失踪を軸に丁寧に描いているのがとっても印象的。海辺にある地方病院・碧翠院で起こる不可解な事件に、“ぐっちー”こと田口(伊藤淳史)&白鳥(仲村トオル)の凸凹コンビが挑んでいきます。これまでにもこの2人は、ドラマ版「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「アリアドネの弾丸」と3シリーズに渡り数々の難事件を解決に導いてきました。冷静沈着、人のことを疑って止まない白鳥VS温厚で感情重視・人の気持ちを何よりも優先するぐっちーという対立構造が段々と歩み寄り…。最新作では初めて弱気な表情を見せる白鳥に対し、「図々しいのはいつものこと!あなたが解決しなくて、誰が解決するんですか」とぐっちー自ら喝を入れるシーンも(全シリーズ鑑賞の身としては、ほろり)。映画『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』には、これまでのキャストが続々登場するということで、集大成としてどう完結するのか!非常に楽しみです。■木10と言えば「医龍4~Team Medical Dragon~」――今回のテーマは“世界か?日本か?”およそ3年ぶり! 待望の新シリーズ「医龍4」がオリジナルストーリーで現在フジテレビ系・毎週木曜夜10時枠にて放送されています。「バチスタ」が人気小説なのに対し、こちらは人気漫画が原作。これまでの3作品と比較し、チームドラゴンのメンバー個々の人柄が大きくクローズアップされていることが分かります。阿部サダヲさん、相変わらず素敵な味を出してくれてますね(笑)。今期のテーマは“世界か?日本か?”という意味深なもの。初回やラストが毎回、海外で活動する朝田(坂口憲二)の姿に繋がるだけあって、日本の医療発展とそれに伴う途上国への技術支援が物語の大きな鍵を握っていることになりそうです。新キャラクターである高橋克典さん演じる岡村が、第1話でインドを訪問していたことからも、所々にインドの言語が散りばめられ、第4シリーズの結末がいったいどうなるのか…ハラハラさせられる展開が畳み掛けるように起こっている点にも要チェックです。また、これはやや余談となりますが…今回大きく対峙しているL&P病院・野口(岸部一徳)と桜井医院長(平幹二朗)の過去も後半にかけて物語に大きな影響を及ぼすことでしょう。それぞれの若かりし日の回想シーンを、なんと実際の息子さん同士(おふたりとも役者さんなんですね!)が演じるそうなので、見逃せないポイントの一つとして頭の隅に置いておいてみてください。■平均視聴率はほぼ“並走”!――決定的な違いは、医療現場の描き方にアリ…!?第6話までの放送を終え、平均視聴率は「バチスタ」が11.9%、「医龍」が12.0%とほぼ横ばいの結果に(ココまで並ぶのも珍しいくらい)!10%を切るドラマも多い中、いずれも注目度の高い作品と入っても過言ではないでしょう。では、両作品にどのような違いがあるのか?同じ“医療”ジャンルと言えども、伝えたい内容・表現の方法に大きく違いがあるように思われます。まず、「バチスタ」では殺人事件と医療現場が複雑に絡み合うことで、現代の病院が抱える非常にグレーな部分を“人間”に着目して描いていくのに対し、「医龍」ではとにかくその発展的“技術”をフューチャーして物語を展開していきます。実際に先日、“STAP細胞”が発見された直前にも、同じような内容がドラマ内で取り扱われていたため、ある意味これまで「超人的過ぎる」と思われていた医療技術のリアルな進歩を体感するきっかけにもなりました。ドクター個々人の人柄も強く描かれていきますが、あくまで毎話解決の糸口となるのはその医療“技術”である点が後者最大の特徴とも言えるのではないでしょうか。なかなか病院へ足を運びにくいという人が多い中、現場のリアルな声に耳を傾けるチャンスと言えるかもしれませんね。終末期医療という“心”の側面の課題、はたまた途上国への医療支援ビジネスの今…あなたはどちらの作品に興味がありますか?「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」は毎週火曜22:00~フジテレビ系にて放送中。「医龍4~Team Medical Dragon~」は毎週木曜22:00~フジテレビ系にて放送中。(text:Yuki Watanabe)
2014年02月18日映画『人類資金』が10月19日(土)に公開を迎え、主演の佐藤浩市を始め、共演の香取慎吾、森山未來、観月ありさ、岸部一徳、オダギリジョーに原作者の福井晴敏、阪本順治監督が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。“M資金”と呼ばれる、旧日本軍が敗戦を前に祖国復興のために隠匿したという巨額の財産の存在を軸に、この10兆円で世界の仕組みを変えようとする者たちの姿を描いた経済サスペンス。30年以上前に“M資金”に関する本と出会って以来、ずっと映画化することを思い描いていたという阪本監督は、夢の結実に「昨日は眠れませんでした。いままでの映画(の公開時)で感じたことのなかった感動を覚えてます」と感慨を口にした。企画を立ててからも「人類(=人材)はあったけど、資金がなかった…(苦笑)」となかなか企画が進まない時期もあったが、「いま、経済が一番ホットな時期に公開を迎えてよかったなと思っています」と満足そうに頷いた。主演の佐藤さんは「完成に向けて、みんなが疾走していました」とスタッフ・キャスト陣の思いを代弁。香取さんは「最初に監督から『慎吾に世界を救ってもらいたい』と言われました(笑)。意味が分からなくて、台本を読んでも難しくて、こんなに何度も読み返したのは初めてというくらい何度も読んだ」と明かす。佐藤さんに森山さん、仲代達矢らとの共演は「毎日、緊張の日々でした」とふり返った。原作小説を手がけた福井さんは「今回ほど受け止められ方が予想できない作品は初めて」と語り、映画を観終えたばかりの観客に「どうでしたか?」と質問。拍手が沸き起こると、ホッとした表情を見せたが「難しかったと感じましたか?」とさらに質問。ここでも「難しかった」という意味の拍手が聞こえると、「そうですよね」と頷きつつ「もう1回観るとよく分かります。さらによく分かるために原作の小説も売ってます」とアピールし、会場は笑いに包まれた。暗殺者役で出演した韓国人俳優のユ・ジテからは祝福の手紙が届いたが、監督は彼が10年ほど前に日本に住んでいた頃からの知り合いであることを明かし「彼は本来主役を演じる俳優さんですが、ルワンダにボランティアに行ったり、ミャンマーに学校を作る活動をしており、僕が作ろうとしている世界観を理解してくれると思って、脚本がない状態でお願いした」と明かす。ユ・ジテとのアクションに挑んだ森山さんは、軍隊経験もあり、さらに本作のために体を鍛えた彼とのアクションで「(台本にあるように)跳ね返そうとしてもできないことがあった」と苦労を述懐。観月さんも、彼が190センチ近くある長身であり「顔が高くてキックするのも大変だった」とふり返る。さらに香取さんは「うろ覚えの韓国語や英語で話しかけたら、日本語ベラベラでした(笑)」と明かすなどユ・ジテとのエピソードに花を咲かせる。終いには直接の共演シーンのなかったオダギリさんまで「遠くでユ・ジテさんを見てました」と明かすなど、何故かみんな、ユ・ジテが大好き…?一方、佐藤さんは同じく共演したハリウッド・スターのヴィンセント・ギャロの存在に触れ「ヴィンセント・ギャロからは手紙届いてないの?」と不服そうに語り、会場は再び笑いに包まれた。ロシアにニューヨーク、タイと巡った本作の撮影の総移動距離は5万キロ超でおよそ地球1.3周分。これについて最後の最後でコメントを求められた佐藤さんは「難しい」とムチャぶりに困惑しつつ、「マイル貯めときゃよかった!」と語り、最後まで笑いの絶えない船出の舞台挨拶となった。『人類資金』は全国にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:人類資金 2013年10月19日より全国にて公開(C) 2013「人類資金」制作委員会
2013年10月19日俳優の森山未來が10月10日(木)、都内で行われた出演作『人類資金』のプレミア試写会にワイルドな“ヒゲ面”で登場。オスカー受賞作『アルゴ』で主演を務めたベン・アフレックを彷彿とさせる新たな魅力の開花に、ファンも熱視線を送っていた。映画は旧日本軍の秘密基金と言われる“M資金”を題材にした骨太エンターテインメント作品。プレミア試写会には森山さんを始め、主演の佐藤浩市、香取慎吾、石橋蓮司、寺島進、三浦誠己、岸部一徳、阪本順治監督、福井晴敏(原作者)が勢揃いした。日本映画界を代表する名優たちの集結に、香取さんは「そうそうたる先輩方の中で、とても緊張しながら、演じさせていただいた。未來くんだけ年下なので、先輩面していました(笑)」。森山さんも「こんな強者(つわもの)と肩を並べて、熱量がこもった作品に参加できたことを誇りに思います」と胸を張った。一方、“さすがの余裕”を見せつけたのが佐藤さん。本作に出演している観月ありさを引き合いに、「観月がいないと、こんなにむさ苦しいもんなんだ」と男だらけのステージに、苦笑いを浮かべて、客席の爆笑を誘っていた。主人公は金融ブローカーからM資金詐欺を繰り返して生きる男・真舟雄一(佐藤さん)。そんな彼の前に、“M”と名乗る謎の男とその腹心・石優樹(森山さん)が現れ、「10兆円あるM資金を一緒に盗み出して欲しい。報酬は50億円」と話を持ちかける…。2012年5月に邦画としては史上初めて、米ニューヨークの国連本部でロケを敢行し、森山さんの演説シーンを撮影。しかし、その時点では本作の製作に正式なゴーサインは出ていなかった。それでも同年秋から、国連の補修修理が始まってしまう関係で、ロケが“強行”されたのだとか。佐藤さんは「正直、行かないほうがいいとも思ったし、監督も『もし製作できないなら、国連っていう短編にする』って言っていましたよね(笑)」と裏話を暴露。阪本監督にとって、M資金という題材は30年来、構想を温めてきた念願の企画だけに「国連に行くことで、我々の本気度を示すことができ、映画製作の“資金”を集めることができました」と感慨しきりだった。『人類資金』は10月19日(土)より全国にて公開。(内田涼(cinema名義))■関連作品:人類資金 2013年10月19日より全国にて公開(C) 2013「人類資金」制作委員会
2013年10月10日妹尾河童氏のベストセラー小説を映画化した『少年H』の完成報告会見が10日、都内で行われ、初の夫婦役で約28年ぶりに共演した水谷豊、伊藤蘭夫妻をはじめ、吉岡竜輝くん(子役)、花田優里音ちゃん(子役)、小栗旬、國村隼、岸部一徳、降旗康男監督が出席した。その他の画像昭和初期の神戸を舞台に、戦争に巻き込まれながらも信念と愛情でたくましく時代を生き抜いた家族の激動の20年間を描いた本作が、先月ロシア・モスクワで開催された第35回モスクワ国際映画祭GALA(ガーラ)部門で、特別作品賞を受賞。映画祭からの凱旋となった水谷と伊藤は、「上映中には笑ったり泣いたり、さまざまな反応があり、観終わった後に語りかけてくださる方もいた。モスクワの皆さんに思いが伝わったことがうれしい」(水谷)、「国境を超えて伝わるものがあるんだなと感激しました」(伊藤)。また、本作で実現した夫婦共演について、水谷は「観ている間、夫婦であることを忘れた。僕の理想ですけど、ご覧になる皆さんにも観ている間だけは、僕らが夫婦だと忘れてもらえれば」。伊藤は「楽しく撮影を進めることができた。逆境の中で、女性としても、母親としてもたくましく楽観的に生きる役柄に出会えたことに、水谷豊さんに感謝しております」と笑顔で話していた。一方、國村は「実は世間のことをあまり知らず、水谷さんと伊藤さんが夫婦だとしばらく知らなかった」と驚きの暴露。「周りからは大笑いされるし、おふたりには『失礼しました』と謝りました」と笑いを誘っていた。岸部は人気ドラマ「相棒」シリーズでも共演する水谷について「相棒とは違う水谷さんの立ち姿に驚き、素晴らしいと思いました」と語った。降旗監督は「まずは魅力的な家族の物語。そして今の若い人たちには、戦争が静かに忍び寄ってくるものだと知ってほしい。私が10歳の頃、ちょうど敗戦の1年前で『兵隊に志願しちゃいけない』と言ってくれた恩師へのささやかな恩返しでもある」と本作にこめた思いを熱弁。「モスクワでは子役たちの評判が良かった」とも語り、竜輝くんと優里音ちゃんは照れくさそうに喜んでいた。『少年H』8月10日(土)から全国ロードショー
2013年07月11日2009年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の滝田洋二郎監督最新作『天地明察』が、日本全国の夜空の写真を一般公募するプロジェクトを映画公式サイトで実施。 6日に、全国から寄せられた写真約2000点を東京スカイツリー内のコニカミノルタプラネタリウム“天空”で投影するイベントが開催され、滝田監督と主演の岡田准一が出席した。思い思いに撮影された夜空が高さ18メートルの半球体のスクリーンに映し出されると、岡田は「みなさんの思いがこもった写真がこうして集まると、思わずウルっときますね」と感激していた。その他の写真本作は、第31回吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞に輝いた同名小説の映画化。江戸時代前期を舞台に、それまで800年にわたり使用されてきた暦の誤りを見抜き、日本独自の暦“大和暦”を作り上げた安井算哲(後の渋川春海)の青春物語を、滝田監督の視点で再構築していく。岡田演じる算哲は江戸時代に日食の日付を言い当てたとされる実在の人物だ。滝田監督は「この作品をきっかけに、僕自身も夜空を見上げることが増えた」そうで、天井いっぱいに広がる夜空に「やはり宇宙は未知なる世界なんだあ」とやはり感激しきり。「映画作りは星をつかむようなもの。算哲もまた天に手を伸ばし続けた、謎に満ちた人物で、それを岡田さんが恰好よく演じてくれた」とアピールしていた。イベントでは岡田と滝田監督をはじめ、共演する宮崎あおい、佐藤隆太、市川猿之助、笹野高史、岸部一徳、渡辺大、横山裕、中井貴一らが撮影した夜空の写真もお披露目された。金環日食、金星の太陽面通過、金星食など、天文現象で沸いた2012年。人々が空を見上げるきっかけ作りを目指し、日本全国から夜空の写真を集める“夜空を作ろう!プロジェクト”では、映画の公式サイト内の特設ページで投稿された写真とコメントを見ることができる。『天地明察』9月15日(土)全国ロードショー
2012年09月06日個性派俳優として年を刻むごとに輝きと味わいを放っていた俳優の原田芳雄さんが昨日午前、上行結腸がんから併発した肺炎のため、都内の病院で71歳で死去した。長男でミュージシャンの原田喧太から報道陣に向けてコメントが発表されたのに加え、原田さんの最後の映画出演作となった『大鹿村騒動記』で共演した松たか子も、追悼の談話を発表した。喧太さんのコメントでは、先週11日(月)の『大鹿村騒動記』の舞台挨拶に関して、医師から「99%無理」と言われながらも見事に舞台に上がった父の偉大さが綴られている。以下、喧太さんのコメント全文マスコミ関係の皆様本日午前9時35分、父原田芳雄が上行結腸癌から併発する肺炎で亡くなりました。3年前に大腸癌の手術後、長い間抗がん剤治療をして癌と戦って来ましたが、残念な結果となってしまいした。しかし、最後の最後までの役者魂の凄さには本当に頭が下がります。今回の入院で何度も山を乗り越えて、11日の舞台挨拶は99%無理と言われたのですが、自らの力を振り絞って、見事舞台に上がって皆を驚かせたものです。担当の医師の方々も見事な闘病生活でしたと言ってくれてます。今まで関わって下さった方々、お世話になった方々、そして、原田芳雄を応援してくださった皆様、心よりお礼申し上げます。最後に、役者 原田芳雄の魂は永遠生き続けますので、これからも応援宜しくお願いします。感謝原田喧太松さんは『大鹿村騒動記』で、原田さん演じる主人公・善の元を何かと訪れ、面倒を見る村役場の職員・美江役で出演。11日(月)の舞台挨拶には松さんも登壇したが、映画の公開を無事に見届けて旅立った原田さんの役者魂を「決して忘れない」と語る。以下、松さんのコメント全文哀しいしらせに、言葉もありません。しかしながら、映画の完成、そして船出を見届けた、芳雄さんの魂の強さを、私は決して忘れません。心より御冥福をお祈り申し上げます。芳雄さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。松たか子原田さんは1968年に『復讐の歌が聞こえる』で銀幕デビューを果たし、その後はアウトロー的な役柄を数多くこなし、個性派俳優として映画、ドラマで人気を博した。黒木和雄監督による『TOMORROW 明日』、『美しい夏キリシマ』、『父と暮せば』の“戦争レクイエム三部作”や鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』、『陽炎座』など100本を超える映画に出演。近年でも2007年と2008年にはそれぞれ3本の出演作が公開されるなど、精力的に活動していた。特に最近では頑固なオヤジや祖父の役で、味わいのある演技を見せていた。最後の映画となった『大鹿村騒動記』は原田さんがNHKのドラマ「おシャシャのシャン!」(2008年放送)に出演した際に、300年以上の伝統を誇る長野県の山間の大鹿村の“大鹿歌舞伎”と出会ったことが企画のきっかけとなった。原田さん自ら阪本順治監督に提案し、豪華キャストを迎えて製作された。昨年秋に大鹿村で撮影され、今年5月4日には大鹿村で完成披露試写会と舞台挨拶が行われ、原田さんは阪本監督、大楠道代、岸部一徳と共に村に凱旋し、元気な姿を見せていたが帰京後に入院。先週11日(月)の本作の舞台挨拶には車いすに乗って登壇し、声が出ないために共演者で“盟友”の石橋蓮司がコメントを代読した。16日(土)の初日舞台挨拶は欠席し、その後、体調が急変し昨日午前、帰らぬ人に。まさに映画の船出を見届けての旅立ちとなった。■関連作品:大鹿村騒動記 2011年7月16日より全国にて公開© 2011「大鹿村騒動記」製作委員会■関連記事:加療中の原田芳雄が車椅子で登場!温かい拍手に涙名優たちが魅せる珠玉のドラマ『大鹿村騒動記』試写会に50組100名様ご招待
2011年07月20日直木賞を受賞した三浦しをんのベストセラー小説を映画化した『まほろ駅前多田便利軒』のビジュアルが解禁。共にバツイチで三十路という設定の役柄に挑む瑛太と松田龍平の姿がお目見えとなった。原作の同名小説は「別冊文藝春秋」への連載ののち、2006年に単行本として発売され、その後、続編となる「まほろ駅前番外地」も刊行。さらに昨年秋より週刊文春で「まほろ駅前狂騒曲」が連載されている。瑛太さんが演じるのは、まほろ市で便利屋を営む多田啓介。どこか暗い影を感じさせながらも、持ち込まれた依頼は可能な限り引き受けるという方針で淡々と仕事をしている。そんな彼の元に突如、転がり込んでくるのが松田さん扮する行天春彦。多田とは中学時代の同級生なのだが、昔はひと言も口を利かない変わり者だった行天。しかし、いまではよく喋る変な奴になっていた…。2人は共にバツイチ。頑固なほど真面目でしっかり者の多田と、飄々としてつかみどころのない行天の元にはペットの世話、庭の掃除、塾の送り迎え代行などなど様々な依頼が届く。次から次へと訪れる、くせ者たちのワケあり依頼、行き過ぎたアフターケアを通して他人の人生に巻き込まれ、やがて自らの人生と向き合うことに――。監督を務めるのは『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣。「くるり」の岸田繁が自身7年ぶりとなるサウンドトラックを担当する。さらに、共演陣も豪華!高良健吾に鈴木杏、柄本佑、松尾スズキに岸部一徳、そして大森監督の実弟・大森南朋に父親の麿赤兒も出演している。今回、解禁となったメインビジュアルでは、瑛太さん、松田さん共に無精ひげを蓄え、ちょっぴりやさぐれた感も?2人の共演は『青い春』、『ナイン・ソウルズ』、『アヒルと鴨のコインロッカー』に続き4度目だが、共に主演という形での共演は初めて。プライベートでは松田さんが一昨年、そして瑛太さんは昨年入籍し、子供も授かっているが、そんな彼らがバツイチ男をどのように演じているのか?『まほろ駅前多田便利軒』は4月23日(土)より新宿ピカデリー、有楽町スバル座、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:まほろ駅前多田便利軒 2011年4月23日より新宿ピカデリー、有楽町スバル座、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開© 2011「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会アヒルと鴨のコインロッカー 2007年6月23日より恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開©2006『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会 ケンタとジュンとカヨちゃんの国 2010年6月12日より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開© 2009「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会■関連記事:高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!松田翔太現役青学生らとディスカッション「ナメていた、衝撃受けた」松田翔太×高良健吾インタビュー 若き2人がをぶち破った“壁”きっかけは学生からの1通の手紙…松田翔太と高良健吾が学生による試写会に登場高良健吾の凡ミスに松田翔太苦笑い「健吾が忘れちゃった」
2011年01月05日映画『相棒-劇場版II-』が12月23日(木・祝)、初日を迎え、主演コンビの水谷豊、及川光博ら主要キャスト陣と和泉聖治監督の14人が全国39か所で舞台挨拶を行う「39ツアー」をスタートさせた。人気TVドラマシリーズの劇場版第2弾となる本作。この日、東京・銀座の丸の内TOEI1では上映後に14人が勢揃いして舞台挨拶を行った。水谷さんは「我々『相棒』チームの2つめの夢が叶いました」と感慨深げ。「機会があれば(劇場版ゲストの)宇津井(健)さん、小西(真奈美)さん、國村(隼)さんには、本シリーズの方にも…」とレギュラーに“スカウト”。すかさずただ一人、名前があがらなかった劇場版ゲスト、小澤征悦が「俺は?」と悲しそうな表情で詰問し、会場の笑いを誘った。及川さんは「今年1年、ずっと神部尊(かんべ・たける)でした。今年を漢字一文字で表すと“尊”です」と表現。引き続き会場を盛り上げた。“39ツアー”は、水谷さんの口癖「サンキュ!」にちなみ、前作時の36か所を上回って計画されたもの。水谷さんは「とりあえず家に帰れないので5泊6日の旅の準備をしてきてくださいって言われてるんです。みっちゃんもそうでしょ?」と問いかけ。及川さんは「はい、頑張ります。でもなるべくなら、上映前に挨拶をしたいですね」と苦笑いだった。ほかにシリーズレギュラーの岸部一徳、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン『相棒』ファンの大歓声に水谷豊「サンキュ!」ミッチー「目頭が熱く」10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」
2010年12月23日映画『相棒−劇場版II−』のプレミアムイベントが12月14日(火)、東京・六本木ヒルズ内で行われ、主演コンビの水谷豊と及川光博らキャスト陣15人がファン約1,650人を沸かせた。六本木ヒルズアリーナでのレッドカーペット・イベントでは、約2時間かけてファン約1,000人に握手、サインなどのサービス。その後、ステージに上がった水谷さんは、ますます沸き起こる大歓声に「サンキュ!」と上機嫌。「これだけの人が喜んでいてくれるなんて、公開していないのに感無量です。僕たちにとって、嬉しい記念の一日になりそう」。及川さんも「40代になって、こんなにもドキドキワクワクするもんなんだなと、目頭が熱くなりました」とコンビ揃って感激しきり。及川さんが、水谷さん演じる警視庁特命係警部・杉下右京の2代目相棒の警部補・神戸尊として「相棒」シリーズに加入したのは、2009年3月放送のTVシリーズ「Season7」最終話からで、劇場版へは今回が初参加。「大きなチャンスを得ることは、大きな責任を背負うことになるんだと思いました」と大役の手応えを改めて口にした。ファンから「ミッチー!」の声援が飛び交ったが「ミッチーじゃないよ!」とこの日ばかりは神戸になりきっていた。その後はTOHOシネマズ 六本木ヒルズへ場を移し、試写会上映前に和泉聖治監督を加えた16人で、観客約650人に向けて舞台挨拶。今回のゲストで悪役を演じる小澤征悦は「『相棒』の世界観が大好きだった。スタイリッシュで大人のウィットに富んでいて」と出演の喜びを改めて吐露。また劇場版でヒロインを演じる小西真奈美は寒空の下、ノースリーブで一部シースルーのセクシーな黒のワンピースを身にまとって登場。シックな色気をふりまき、キャスト陣紅一点のお色気担当の役目を見事に果たして、カメラマンのフラッシュ放射を浴びていた。ほかに同じく劇場版ゲストの國村隼、シリーズレギュラーの岸部一徳、川原和久、山中崇史、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は12月23日(木・祝)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日より全国東映系にて公開© 2008「相棒−劇場版−」パートナーズ相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」10歳の誕生日を迎えた「相棒」シリーズ待望の劇場版続編の公開が決定!次のスピンオフは角田VS伊丹?おなじみのメンバーも駆けつけ『鑑識・米沢守』公開
2010年12月15日藤沢周平の代表作「隠し剣」シリーズの中でも、傑作と名高い一編を映画化した『必死剣鳥刺し』が豊川悦司主演で公開されることが決まった。豊川さんが演じるのは悲運の剣の遣い手・兼見三左エ門(かねみ さんざえもん)。達人と言える領域にまで剣の道を極めつつも、それが生きる道につながらないという矛盾と軋轢。そして政治的な策謀に翻弄される武士の無残な姿が描き出される。2002年の『たそがれ清兵衛』以来、『隠し剣 鬼の爪』(’04)、『蝉しぐれ』(’05)、『武士の一分』(’06)、『山桜』(’08)、そして来年公開される『花のあと』と次々と映画化されている藤沢作品。特に人気が高く『隠し剣 鬼の爪』(同名小説)、『武士の一分』(「隠し剣秋風抄」)の原作として知られているのが「隠し剣」シリーズ。今回の映画に登場するのは、“秘剣 鳥刺し”。その剣を遣うとき、遣い手は半ば死んでいるとされる究極の剣技である。果たしてトヨエツの運命やいかに――?豊川さんは「監督とお話して、三左エ門は、“静”と“動”を併せ持ち、ある種の不条理さを持った複雑な男、不器用で融通がきかない岩のような男、運命を許容しているが、それに甘んじていない、逃げない人間だと感じました。これまでの藤沢作品は特に意識せず、平山監督のお話にあった、静寂と爆発の温度差を出せるよう演じました。撮影は大変でしたが、近年見たことのないような激しさのある、凄い殺陣が見られると思います」と充実した様子が感じられるコメントを発表。メガホンを握った平山秀幸監督(『愛を乞うひと』、『しゃべれども しゃべれども』)は「時代劇という制約を最大の武器とすることを考えた。所作など基本的なことは、ひとつひとつ丁寧に正しく描き、藤沢原作の持つ静謐なものを表現しながらも、ラストの大殺陣は、これまでの舞踊的な流れる殺陣ではなく、溜め込んだものを一気に爆発させるような、人と人が本当に命を懸けて斬り合うような激しいものになった。これまでの時代劇とは一味も二味も違うものになると思う」とこちらも自信のほどをうかがわせる。三左エ門の周囲の人々を演じる共演陣も豪華!三左エ門の姪でありながら、彼にほのかな恋心を抱くヒロイン・里尾(りお)に池脇千鶴ほか、戸田菜穂、吉川晃司、小日向文世、岸部一徳ら実力派の俳優たちが大人向けのハードボイルドな時代劇を彩る。『必死剣鳥刺し』は2010年夏、全国にて公開。■関連作品:必死剣鳥刺し 2010年夏、全国にて公開■関連記事:来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!
2009年11月20日