今年も大盛況のうちに幕を閉じたアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(以下SSFF & ASIA)。6月末に閉幕してから1か月と経っていないが、映画祭15周年という記念すべき年になる2013年に向けて、早くもビッグプロジェクトが動き出している。そのうちの一つが「フットボールプログラム」である。「スポーツの持つ力を映像を使ってより多くの人々に伝える」という共通した理念のもと、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(以下Jリーグ)と数々のコラボレーション・プログラムを行ってきた「SSFF & ASIA」だが、今回新たな取り組みとして、Jリーグ開幕20周年を迎える2013年に向けて特別ショートフィルムを製作することが決定している。その記念すべき作品の監督に大抜擢されたのは、コロンビア大学大学院映画学科の卒業制作作品『タイディ・アップ(Tidy Up)』が本映画祭や「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」、数々の海外映画祭で上映され、ハリウッドの映画祭では最優秀短編映画賞を受賞した、“MADE IN JAPAN”の国際派監督として注目を集める大川五月監督。過去に同映画祭で入選、受賞した監督を中心に公募で寄せられた企画の中から、Jリーグとショートショート実行委員会による厳しい選考を通過し、見事大抜擢となった。作品の詳細はまだ明かされていないが、Jリーグ20周年を象徴する「ホームタウン」、「身近にスポーツがあるライフスタイル」そして「海外」というテーマが課せられている中でどのような作品を作り上げるのか?早くも完成が待たれる。もう一つのビッグプロジェクトは、「SSFF & ASIA」と日本最大級の3D専門チャンネルを展開する「スカパー!」がタッグを組み、オリジナル作品として製作する“3Dショートフィルム”である。本映画祭では数年前から「3D部門」を立ち上げ、昨年の特別審査員には『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などで知られる巨匠・押井守監督が名を連ねるなど、映像業界からも大きな注目を集めており、2010年に3D専門チャンネル「スカチャン3D」を立ち上げたスカパー! はこの取り組みに賛同、2年にわたり本映画祭で上映された3Dショートフィルムを放送してきた。この2大組織が満を持して贈るビッグプロジェクトの切符を手にしたのは、「SSFF & ASIA 2009」でジャパン部門の優秀賞を受賞し、ウエンツ瑛士主演の映画『タイガーマスク』の公開を控える29歳の新鋭、落合賢監督。3Dならではの世界観をどう作品に生かすのか?世界へ羽ばたくチャンスを手にした若手監督たちの活躍が目覚しい「SSFF & ASIA」。8月1日(水)からは来年度の上映作品の公募もスタートするという。世界をアッと言わせる新しい才能に期待しつつ、2013年の6月の開催を楽しみに待つとしよう。特集「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012 [映画祭] 2012年6月15日から19日までラフォーレミュージアム原宿で、6月22日から24日まで表参道ヒルズ スペース オーほかにて開催タイガーマスク 2012年公開予定
2012年07月04日『時をかける少女』『サマーウォーズ』の細田守監督の新作『おおかみこどもの雨と雪』で、菅原文太、染谷将太、谷村美月、麻生久美子が声優を務めることが発表された。その他の写真『おおかみこどもの雨と雪』は、“おおかみおとこ”と結婚し、“雨”と“雪”というふたりの子を授かった人間の女性・花が、都会を離れて自然の豊かな土地で懸命に子どもを育てる姿を描いた物語。主要キャストとして“おおかみおとこ”を大沢たかおが、母親・花を宮崎あおいが担当することが決定している。本作で菅原文太は、都会からやってきた花たち家族を助ける、村の長老のような存在の韮崎を演じ、厳しい自然の中で、自給自足の生活をしようと奮闘する花に、農作業の手ほどきをするという。自身も山梨県で農業を行なっている菅原は、「日本の農業は、戦後50年である意味死んでしまったんだ。農業というものはもっと単純で、本当は楽しいもの。風や水や空気に囲まれてコツコツと作っていくものなんだということを、“おおかみこども”たちが今の若い日本人に気付かせてくれるといいね。監督、そういう作品を作りな」と力強く語っている。本作は、海外で定評の高い細田監督作品とあって、既に8月29日(水)からフランスで公開されることが決定している。『おおかみこどもの雨と雪』7月21日(土)より全国東宝系にてロードショー
2012年05月30日この春、家族について語る映画が、邦画の中で目立っています。もともと家族愛というのは、映画で描かれることの多い定番テーマのひとつですが、1年前の大震災を考えると、もしかすると家族の絆、愛の大切さを身に染みた人が多かったことを表しているのかもしれません。今回ご紹介する『ももへの手紙』は、愛する人との別れ、それにより生まれた後悔や痛み、そしてそれゆえに亡き家族への想いをさらに強めて生きていく少女の姿を描いた人間ドラマ。父の死をきっかけに、主人公と母親が移り住んだ美しい瀬戸内の汐島を舞台に、家族の繋がり、人々の想いを映し出したアニメーションの秀作です。大切な人との別れは、誰もがどうしても経験しなければならない試練のひとつ。心の準備期間を持てる場合もあれば、容赦なく突然訪れることもあります。主人公のももの場合、ちょっとした行き違いから腹を立て「もう、帰ってこなくてもいい!」と言ってしまった父親が、事故により本当に帰らぬ人になってしまいます。お別れとしては、あまりにも辛い現実ですが、わだかまりを抱えたままの少女はいったいどのようにその現実を受け止めていくのでしょうか。もはや、父が言いたかったことを知る手がかりは、「ももへ」とだけ記された書きかけの手紙だけ。いったい父親は何を書こうとしていたのか、それを期せずして教えてくれることになるのが、突然現れた妖怪たちで…という切なくもちょっと不思議なお話です。この作品を観ていると、人は多くの温かい想いに囲まれて生きているのだと気づかされます。悲しみをこらえて明るくふるまう母親、ももを気遣ってくれるけれど多くを語らない少年や、親切な島の人々、何のために現れたのかわからない妖怪、そして天国に行ってしまった父親――。それぞれ優しい想いを持っていますが、自分たちの気持ちを伝えるのが上手な人々ではなく、ももにはなかなか伝わりません。ももがそれに気づけるのはいつなのかとやきもきもするのですが、当人にしてみればなかなかそうもいかない…ということぐらい、私たちは百も承知。“近すぎて見えないもの”“当たり前すぎて感謝できないこと”が多いというのは経験で痛いほど知っていますからね。そんなことを考えながら本作を観ていたら、人の気持ちというものは、父が遺した白紙の手紙のようなものなのかもしれないなと思うようになりました。気持ちはあるのに、なかなか表現することができないのが人間です。でも、相手はどんな気持ちでいるのだろうと、感じ取る努力をすることで、見えやすくなる気持ちもあるのは確かです。人は、特に恥ずかしがり屋な日本人はそうやって、「愛している」「大切に思っている」と言葉で表現することを最小限に抑えつつも、大切な人たちと想いを交わしてきました。“言わなくても分かる”という非常に高度なコミュニケーションスキルを持っているのです。すべてをさらけ出さない日本の美学の一部なのでしょう。言葉で表現されないからといって、そこに気持ちがないとは言えません。言葉にしないから重みをもつ想いもあります。ただ、この高度なコミュニケーション術を成り立たせるためには、相手を慮り、相手の気持ちを汲み取ろうと努力をし、相手の存在に感謝することが互いに必要となってきます。日本では、昔からそれが当たり前に行われてきましたが、ここ最近、私たちはあまりにもダイレクトな表現ばかりに慣れ過ぎていて、私たちが持つ“慮る文化”をおろそかにしているのではないかというメッセージも、本作からは読み取れます。そう考えると、発達し過ぎた情報伝達ツールに翻弄されている私たちは、まさに主人公のももと重なるような気さえするのです。コミュニケーションとは、放っておいてもひとりでに上手くいくことではありません。それは、近い存在である家族ならなおのこと。そんなことに改めて気づかせてくれる本作を観た後は、いつもより、大切な人をもっと思いやりたくなっている、健気な自分を発見できるかもしれませんよ。最後に、ちょっと面白い話題をひとつ。本作の監督、沖浦氏の才能に太鼓判を押す巨匠・押井守監督が、ネット、SNSに右往左往する現代人の姿を通して、真のコミュニケーションを問う「コミュニケーションは、要らない」という本を幻冬舎新書から出しています。この映画とこの新書。なんだか繋がりが面白いと思いませんか。ご興味があれば、映画と一緒にこちらもぜひ。(text:June Makiguchi)特集「LOVE,HOME,CINEMA」■関連作品:ももへの手紙 2012年4月21日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2012『ももへの手紙』製作委員会■関連記事:親子だから分かり合える感動とは?『ももへの手紙』親子試写会アンケート発表西田敏行、田中みな実アナからの妖怪扱いに苦笑い船越英一郎、出演作でない『ももへの手紙』をアピール!「出ていないのはおかしい!」何がほかの妖怪と違う?愛嬌たっぷりの『ももへの手紙』妖怪たちの誕生ルーツ笑顔こぼれる『ももへの手紙』サウンドトラック沖浦監督書き下ろしジャケット公開
2012年04月13日ライアン・ゴズリングが、愛する人を守るため裏社会の抗争に身を投じる孤高のドライバーをクールに演じる、注目のクライム・サスペンス『ドライヴ』が先日公開となった。昨年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したのを皮切りに、世界各国で高い評価を受けてきた本作だが、ここ日本においても各界の“クール”なスペシャリストたちの間で称賛の嵐が巻き起こっている。このほど、シネマカフェに本作の新たなる写真が到着、各界から届いた声と共にご紹介!昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を手助けする運転手という2つの顔を持つ、主人公のドライバー。その名も過去も明かさず、孤独に生きてきた彼は、同じアパートに幼い息子と暮らす女性、アイリーンに一目で恋に落ちたことをきっかけに、危険な裏社会に身を投じることになる。まずオープニングで見せる華麗なドライブテクニックで観る者を釘づけにするドライバー(ライアン・ゴズリング)。「METAL GEAR」シリーズで知られるゲームデザイナー・小島秀夫氏は、その様子を「『5分だけだ。何があっても5分だけは待ってやる!』。冒頭で運び屋(主人公)はこう契約する。まさに始まってわずか5分で、観客は彼の車に乗せられ、95分間の疾走(ドライヴ)を体感することになる!」と表現する。また、哀愁と狂気を背負う男の姿は観る者をしびれさせるが、「孤独で寡黙なアメリカ版『その男、凶暴につき』。アメリカに凄い北野武のようなアウトレイジな監督が生まれた!」(園子温監督)、「凄い!渋い!大好きな映画です! 」(SABU監督)とパンチの効いた作品を贈り出す映画監督たちも太鼓判を押す。さらに、キャリー・マリガン扮するヒロインを見守り愛情を注いでいく彼の切ない表情の変化も注目すべき見どころだが、「久しぶりに横顔の美しい映画。キャリー・マリガンのオデコが素敵です」(押井守監督)、「贅肉を削ぎ落とし抑えた演出で緊張感ずっと維持したままグイグイ見せてくれる凄い映画だ…。とか固いコメントしちゃいますけど、正直に言うと『もうライアン・ゴズリングたら、またこんなカッコいいんだから!!そしてキャリー・マリガンも超キュート!』とミーハーなコメントになってしまいます」(漫画家&イラストレーター・花くまゆうさく)と男性も惚れこむほどのクールさを備えている。クールと言えば、その端整な顔立ちとクールな演技で人気沸騰中の俳優、長谷川博己も「ストイックなラブストーリー、任侠映画を彷彿とさせるバイオレンス、一般的なカーアクションとは一線を画すクールな昂揚がここにある」と本作を称賛。さらに、海外からも10代のイットガール、クロエ・グレース・モレッツから「I love “Drive” so much!(『ドライヴ』が大好き!)」とのラブコールが届いている本作。寡黙な男が激しい愛に目覚めたときに見せるドラマとは――。男の中の男の行動に、男も女も惚れこむこと必至!『ドライヴ』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:ドライヴ 2012年3月31日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.■関連記事:俳優ライアン・ゴズリングに迫る!vol.2運命に翻弄される“正義”の若き野心家俳優ライアン・ゴズリングに迫る!vol.1『ドライヴ』で魅せる“謎”の男シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?今までにないほどにクール!ライアン・ゴズリング主演『ドライヴ』試写会に20組40名様ご招待鑑賞後には女子はイチコロ?ライアン・ゴズリングインタビュー動画が到着
2012年04月01日3月4日(日)、昨年3月に発生した東日本大震災の影響がいまなお色濃く残る福島県いわき市にて、復興支援イベントとして親子愛を綴ったアニメーション映画『ももへの手紙』の特別上映が行われ、声優を務めた美山加恋と優香、沖浦啓之監督が舞台挨拶に登壇した。今敏監督の『パプリカ』や押井守監督の『イノセンス』など、これまでアニメーターとして多くの巨匠たちと共に優れたアニメ作品を手がけてきた沖浦監督が、7年の歳月をかけて完成させた本作。自然豊かで人情あふれる瀬戸内の小さな島を舞台に、主人公・もも(美山さん)が亡き父の遺した書きかけの手紙を見つけ、可愛い妖怪たちとの不思議な日々を通して家族の愛と絆の大切さに気づいていく姿を描く。この日大勢の親子連れが集まったが、優香さんは元気な子供たちの姿に「たくさんのお子さんにご来場いただけて嬉しいです」と満面の笑み。沖浦監督は、「ざっと見たところ、寝ている人もいないようでひと安心です(笑)」と挨拶し、会場を笑いで包んだ。美山さんと言えば、大ヒットドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」(’04)で草なぎ剛(SMAP)の娘役での好演で注目を浴び、天才子役の称号を欲しいままにしたひとり。現在15歳、撮影中には劇中のももと同様に、美山さんもお母さんと喧嘩してしまったそうで「ももと同じだと思いながら演じていました。最後はきちんと気持ちを伝えて仲直りしたんですけど、この作品を通して気持ちを伝えることの大切さを学びました」。アフレコでの演技については「実際に演技するのとは違って、間の取り方が難しかったです」とふり返った。本作で初めて母親役に挑戦した優香さんは「最初はすごく不安でした。小さい頃の母親って完璧で魔法使いみたいな人だと思っていたんですけど、子供の前では弱さを見せない、強い女性なんだということを感じました。近すぎる存在だからこそ言えないことやすれ違っちゃうこともありますが、気持ちを伝えないと上手くいかないときもあるんだなと教えてもらった気がします」と自身の母親への思いを重ねて演じた様子。さらに、こちらのイベントに先立ち、テレビユー福島主催で「絆あなたへの便り」なる投稿企画が行われ“一番伝えたい方へのメッセージ”が寄せられたが、その中から『ももへの手紙』賞に選ばれた方への花束の授与式も行われた。受賞メッセージが読み上げられると、優香さんは「気持ちがすごく伝わってきました。今日、お会いして元気な姿を拝見でき、本当に良かったです」と、震災から1年経たいまもなお故郷を離れて暮らさざるを得ない人々の現状を鑑み、痛切な表情を浮かべた。最後に、美山さんと優香さんは本作について「元気、感動、癒しをスーッと心に伝えてくれる作品だと思うので、それがみなさんにも伝わればいいなと思います」(美山さん)、「ひとりじゃないんだ、ということを実感できる作品です」(優香さん)とアピール。沖浦監督は「久しぶりに福島や故郷に帰ってきた人もいると聞きました。この作品を観て、喜んでもらえたらいいなと思います」と挨拶し、福島の1日も早い復興を願いエールを送った。映画『ももへの手紙』は、4月21日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:ももへの手紙 2012年4月21日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011『ももへの手紙』製作委員会■関連記事:原由子が5年ぶり映画主題歌桑田佳祐もコーラスで参戦!
2012年03月05日『時をかける少女』(’06)、『サマーウォーズ』(’09)と幅広い世代に支持されるアニメーションを手がけてきた細田守監督の最新作が2012年夏に公開されることが決定。これを受けて12月13日(火)、都内某所にて記者会見が行われ、細田監督とプロデューサーの奥田誠治が出席。全世界の期待を集める最新作の一端を明らかにした。前2作では“青春”や“家族”といった普遍的なテーマとクオリティの高いアニメーション映像で国内外から高い評価を得た細田監督。最新作『おおかみこどもの雨と雪』でも磐石の布陣で臨む。前2作からの続投で脚本を担当するのは、今年大ヒットを記録した永作博美&井上真央主演の『八日目の蝉』の脚本を務めた奥寺佐渡子。さらに、キャラクターデザインを『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの貞本義行が担当。細田監督の出身地である富山県を舞台に、“おおかみおとこ”との間に授かった2つの命を懸命に育てる19歳の人間の母親の奮闘記をファンタジックに描き出す。現在製作中の本作について、細田監督は「(今回は)“お母さん”が主人公です。母親の理想像と言えるような凛とした、背筋が伸びた素敵な女性を描きたいなと思いました」と説明し、人間と“おおかみおとこ”の間に誕生する“おおかみこども”たちについては「(主人公の)花が育てていく子供たち2人がかわいらしくて、活き活きとしていて、バイタリティにあふれています」と愛しそうに我が子を紹介し“親バカ”っぷりを見せた。また、本作のテーマを“親子の絆”に据えたきっかけは自身の友人に子供が誕生したことだと明かす監督。「友人たちが子供を可愛がっているのを見ていると、素晴らしいなと思えて。そういった当たり前なものへの憧れをそのまま映画にしてみました」。実は、3月の大震災の際には映画製作のために設立したスタジオで初打ち合わせをしていたという細田監督はそこで被災体験もしたそうで「影響はあります。震災以降、世界が変わってしまいました。親子というテーマを強くしたきっかけにもなりました」と神妙な面持ちで語った。日本での成功はもちろん、世界各国にファンをもつ細田監督の最新作とあって海外での評価も気になるところ。プロデューサーを務める奥田氏は「前作(『サマーウォーズ』)ではベルリン映画祭での上映で多くのヨーロッパの方々に楽しんでいただきました。今回はさらに大きく、“細田アニメ”を世界で展開させていこうと思っております。ぜひ、お楽しみに」と含みのある言葉で本作への期待を煽った。ジブリ作品を始め、“ジャパニメーション”と呼ばれる良質な日本アニメの一翼を担う力作となりそうだ。『おおかみこどもの雨と雪』は2012年7月、全国東宝系にて公開。■関連作品:おおかみこどもの雨と雪 2012年7月、全国にて公開© 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
2011年12月13日水嶋ヒロが脚本を手がけ、自身も出演もしている「GIRL NEXT DOOR」のシングル楽曲「Silent Scream」のプロモーションビデオが、アジア最大級の短編映画の祭典「ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」のミュージックShort部門で優秀賞に輝いた。1999年に誕生し、今年で13年目となる本映画祭。ミュージックShort部門は、ショートフィルムの視点からクリエイターの手によるミュージックビデオ作品をセレクトする。今年はいま最も人気の韓流スター、チャン・グンソク主演の作品や栗山千明が自らの楽曲を基に主演した作品など、質の高い作品が集まったが、『Silent Scream/サイレントスクリーム』に栄冠が渡った。「Silent Scream」はGIRL NEXT DOORの11枚目のシングル曲。自分の進むべき道に苦悩する主人公のアキと、謎の仮面男との出会いを描き、“本当の自分とは?”と世に問う。『タイヨウのうた』に『ガチ☆ボーイ』、『FLOWERS -フラワーズ-』などの話題作を世に送り出してきた俊英・小泉徳宏がメガホンを取った。俳優としての活動に加え、ポプラ社小説大賞受賞作での鮮烈な小説家デビューに雑誌編集長就任など、多彩な活躍を見せる水嶋さんだが、初めて原作および脚本を手がけたPVが国際的な映画祭で優秀賞受賞とまたひとつ、勲章が加わった。今回の受賞に際して水嶋さんからは「この度は、多大なるご評価を頂き誠にありがとうございます。GIRL NEXT DOORさんのミュージックビデオには、以前から大変刺激を受けておりました。そんな自分に、原作・脚本、さらには出演のお話を頂けたのは、とても光栄なことでした。その上、このような栄えある賞を頂戴し、本当に嬉しく思っております。主演の千紗さん、小泉監督をはじめ、この作品に携わった全ての方々と喜びを分かち合いたいです」という喜びのコメントが到着。アキ役で主演を果たした千紗さんは「この度、『ショートショート フィルムフェスティバル』でたくさんの賞がある中、『ミュージックShort部門』で、私たちの作品が優秀賞を頂くことになり、本当に驚いています。そして、なによりも嬉しさと喜びで胸がいっぱいです。今回の作品は、小泉監督をはじめ、水嶋ヒロさんに脚本・出演まで携わって頂き、私にとってものすごく学ぶものが多く、刺激あるものになりました。そもそもミュージックビデオで自らが役を演じるドラマ仕立ての撮影は初めてのことだったので、とても楽しみでした。そして、現場に入っても本当に温かいスタッフさんに囲まれて、監督とは何度も何度も納得いくまでやりとりさせていただきました。また、1週間という短期間ではありましたが、幼少に習っていたバレエを一生懸命練習し、皮がむけるほどトゥシューズを履き、無事撮影終了後バレエの先生と抱き合って涙した瞬間はいまでもハッキリと覚えています。この作品に関わった全ての方に感謝します。ありがとうございます。自分にしか分からない自分。誰にでもあると思います。そんな自分にしか分からない“心の叫び”に耳を傾けてみてください。この作品を通して、感じることは人それぞれだと思います。何か感じてもらえれば嬉しいです」と感謝の思い、撮影時の苦労、そして喜び、作品に込めた思いを明かしてくれた。小泉監督は「映像は所詮、無形のもの。この数か月、その事に無力感を感じてきました。でもこの先、人がそれを必要とするときがきっと来る。今回頂いた素晴らしい賞は、ボクにとっての狼煙です。本当に本当にありがとうございました」と喜びを語ると共にさらなる飛躍を誓った。8月1日(月)からは来年の映画祭での上映作品の公募がスタート。すでに来年に向けた戦いは始まっている。せっかくだから次は、“監督”水嶋ヒロの作品もぜひ見てみたい気もするが…。今後の活躍に期待したい。特集「ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 [映画祭] 2011年6月16日から6月19日まで表参道ヒルズスペース オー、6月22日から6月26日までラフォーレミュージアム原宿ほかにて開催■関連記事:アジア最大の短編映画祭が閉幕グランプリはドイツ・スイス合作押井守監督、3D作品に辛口評価も!3D映画の今後を熱弁田中要次、韓国でやってみたいことは…ズバリ植毛!短編映画が日韓観光のかけ橋に短編映画の祭典が開幕!佐藤浩市が復興プロジェクトに“手”だけ出演映画でもう一度日本をアピール!観光庁とのコラボでショートフィルムを制作
2011年07月05日先日より開催中の、アジア最大のショートフィルムの祭典「ショート ショート フィルム フェスティバル & アジア 2011」。今年、シャープとのコラボレーションにより誕生した「シャープ スマートフォン 3Dコンテスト」の授賞式イベントが6月24日(金)、特別審査委員の押井守らが出席して開催された。映画祭の中で今年から新設された「3D部門」の上映イベントの中で開催されたこちらのイベント。コンテストには、CGによる3D作品が数多く集まり、事務局による選考と一般投票を経て、押井監督と慶応大学大学院の稲蔭正彦教授、CGデザイナーの富岡聡の最終審査によって、特別賞並びに優秀賞、最優秀賞が決定した。審査もスマートフォンで映像を見ながら、となったがほかの映画祭の審査とは勝手が違ったようで、押井さんは「映画の審査というよりも、外から見たら大人がゲームやってるみたいに見えたと思う。手のひらに乗るだけで、映像というのは変わるものなんだと感じた」と感想を語った。富岡さんも集められたスマートフォンによる作品について「こんな小さなものに、世界観や奥行きが生じるんですね。何かに似てる、と思ったんですが“絵本”のようなんです。大きなスクリーンで見る世界観と身近に感じる世界観は違う。作り手として考えを改めて、小さなメディアに合った世界観を考えていかなければ」と審査を通して感じた思いを明かした。押井さんはさらに「映画を作るのとは感覚が違う。手でひねって何かを作るような…映像自体がオブジェのようですね。立体的な造形物など、自分が好きな形を作るというところから始めたら面白いかもしれませんね」と意欲を見せた。もっとも、押井監督はすでに3Dの新作の構想を進めているようで「いまここで話すとヤバい」と苦笑い。「いろんな作品が3Dで公開されたけど、ぶっちゃけ『アバタ―』だけでしたから」と厳しい評価も。「ディテールで勝負する自分の仕事とどう結び付けていくか」と課題も口にした。この日、優秀作品に選ばれた2作の監督には賞金30万円が、そして最優秀賞の監督には100万円が贈呈されたが、押井さんは「これから何をするかが大切だと思います。賞を取った後の方がある意味で大変です」と説き、これからクリエイターを目指す人々に向けても「まず目の前の誰かを面白がらせることから始めてみては」と呼びかけた。なお、最優秀賞と優秀賞を受賞した3作は、正式に3D部門の候補作としてノミネートされる。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」は6月16日(木)〜19日(日)まで表参道ヒルズスペース オーにて、6月22日(水)〜26日(日)までラフォーレミュージアム原宿ほか各所にて開催。特集「ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 [映画祭] 2011年6月16日から6月19日まで表参道ヒルズスペース オー、6月22日から6月26日までラフォーレミュージアム原宿ほかにて開催■関連記事:田中要次、韓国でやってみたいことは…ズバリ植毛!短編映画が日韓観光のかけ橋に短編映画の祭典が開幕!佐藤浩市が復興プロジェクトに“手”だけ出演映画でもう一度日本をアピール!観光庁とのコラボでショートフィルムを制作C・ファース&K・ナイトレイ共演作ほか、スターたちが出演の短編作品が日本上陸!ルーカス監督に中田英寿などが出品!ショートフィルム祭典で復興支援オークション
2011年06月24日米国アカデミー賞公認の映画祭であり、アジア最大規模を誇るショートフィルムの祭典「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」(以下SSFF)が今年も6月16日(木)から26日(日)までの日程で開催される。時代の流れを受けて新たに「3D部門」が新設されるほか、東日本大震災からの復興に向けたメッセージとして「チャリティショートフィルムプロジェクト」が実施される。1999年にスタートした「SSFF」。年々、規模を拡大し、毎年4,000本以上にも及ぶ作品が50を超える国や地域から寄せられ、のべ14万人を動員するまでに成長した。『JUNO/ジュノ』でアカデミー監督賞に、『マイレージ、マイライフ』で同じく監督賞と脚色賞にノミネートを果たしたジェイソン・ライトマン監督に、『カンフー・パンダ』のマーク・オズボーン監督、『881歌え!パパイヤ』が世界で絶賛を受けたシンガポールの新鋭ロイストン・タン監督など、映画界の第一線で活躍するクリエイターを輩出してきた。規模の拡大、そして映画界の流れに沿って毎年のように新たな部門を設立していくのも本映画祭の特徴と言える。昨年来、映画界を席捲する3D化の波を受けて、シャープ株式会社のサポートのもと、映画祭としては初の「3D部門」がスタートする。4月1日(金)より既にWEBサイト上で「シャープスマートフォン3DコンテストCG・アニメーション部門」として募集が始まっており、ここで優秀作品に選ばれた3作品は、世界中から集められた3Dショートフィルムと共に、「3D部門」優秀賞候補となる。審査員を押井守が務め、最終的な受賞結果は映画祭最終日に発表される。また、観光庁とのタッグで昨年より始まった「旅シヨーット!プロジェクト」は今年も開催。「旅がしたくなる」、「日本に行きたくなる」というキーワードの下、日本の魅力を描写する作品を募集し、昨年は全国各地より80作品以上もの応募があったが、今年はさらに「日韓観光振興プロジェクト」が始動。特別制作作品として、日本人監督による、オールソウルロケの作品『スーパースター』(出演:櫻井淳子、キム・ウンス)、韓国人監督によるオール鎌倉・藤沢ロケの作品『スマイルバス』(出演:パク・コニョン、リュ・ヒョンギョン、田中要次)の2作品が制作され、映画祭にて世界プレミア上映を行う。そして、東日本大震災を受けて新たに発足したのが「チャリティショートフィルムプロジェクト」。こちらは一般参加の企画となっており、メールやTwitter、Facebookから投稿された写真を使用して、写真をつないだ1本のショートムービーを製作するというもの。この映画のために著名なアーティストから楽曲を提供してもらう予定だという。実行委員会が投稿された写真から映画に使用するものを選定するが、選ばれた方のアカウント名がエンドクレジットに記載される。完成した映画は映画祭でプレミア上映されるほか、インターネットを通じて世界中に配信される予定。本映画祭の代表を務める、俳優の別所哲也は「東日本大震災被災地の皆様に心からお見舞い申し上げます。被災された方々が、積み重ねたこれまでを失うだけでなく、未来まで失わないために、僕もできることからはじめます。私自身の俳優活動だけでなく、代表を務める映画祭でも何ができるか?そして何をすべきか?日々考えながら前進します。映画・演劇、そしてアートができることが必ずある。そう信じています。PASSION(情熱)をもってMISSION(志)をACTION(行動)する!311を忘れない、でも、311に立ち止まらないためにも!」とコメントを発表。映画祭としてチケット収益の一部を日本赤十字社、CIVIC FORCEへ寄付すると共に、映画祭関係者の出品によるチャリティオークションも行われる。今年はどんな作品が集まり、どんな才能がこれから世界に羽ばたいていくのか?「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2011」は6月16日(木)〜19日(日)まで表参道ヒルズスペース オーにて、6月22日(水)〜26日(日)までラフォーレミュージアム原宿ほか各所にて開催。■関連作品:881歌え!パパイヤ 2008年8月9日よりユーロスペースほか全国にて順次公開© Courtesy of Zhao Wei Filmsカンフー・パンダ 2008年7月26日より全国にて公開© 2008 DreamWorks Animation L.L.C. All Rights Reserved.マイレージ、マイライフ 2010年3月20日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開© 2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.JUNO/ジュノ 2008年6月14日よりシャンテ シネほか全国にて公開© 2007 Twentieth Century Foxショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 [映画祭] 2011年6月16日から6月19日まで表参道ヒルズスペース オー、6月22日から6月26日までラフォーレミュージアム原宿ほかにて開催■関連記事:テキサス州で開催のメディア見本市にE・ペイジらが出席。震災への義援金募集も実施性的マイノリティ扱う「アジアンクィア映画祭」今年も開催過去には人気俳優出演作も【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…シネマカフェ的海外ドラマvol.1792011年もドキドキ&メロメロ!〜注目ドラマ編〜ガールズの熱き戦い!『歌え!パパイヤ』試写会に5組10名様ご招待
2011年04月21日映画『アサルトガールズ』に主演した女優の黒木メイサ、共演の菊地凛子、佐伯日菜子、押井守監督らが12月19日(土)、東京・テアトル新宿で初日舞台あいさつを行い、今年1年をふり返った。2009年を表現する漢字1文字を披露する時間が設けられ、黒木さんは「走」と書いた色紙を見せ「1年間走ってきた、という感じなので。あと、今年は自転車にハマりましたのでそれもひっかけて」とサラリ。菊地さんは「楽」で「ラク、ではなく楽しい、です。楽しい年にしたいと思い楽しもうとして楽しく過ごせたから。ウフフ」と充実の笑顔。自分にご褒美をあげるなら?の司会者の質問に「お食事券がいいな。私の中でいま、モツ鍋がブームなので10回行けるくらいほしい」とおねだり。佐伯さんは「始」で「いろいろ始まった年だった。超プライベートでは子供の小学校生活が始まりました」と報告した。押井監督は、「身」と書いた色紙を見せると「今年最大の事件というか成果は、黒帯を取ったこと。55を過ぎて始めて、人には言えない精進を重ねて3年目でようやく取った。これから映画は身体で作るんだと。いままでは頭で作ってきた。この作品は自分に正直に作った映画。評価を正直に知りたい。いいならまたこういう映画。ダメならまた『イノセンス』みたいな陰湿な世界に退避します」と笑わせ、拍手を贈られた。同作は、黒木さんら扮する美女ハンターが、仮想空間“アヴァロン”で巨大モンスターと戦うファンタジー・アクション。菊地さんは「3人のハンターがコミカルに戦っています。一度も現場でお会いしていないのに、さも一緒にやったかのようになっています」とCG技術をPR。押井監督は「映画は女優のモノだとしみじみ感じた」と締めくくり、再び観客の笑いを誘った。テアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:黒木メイサ インタビュー「人との関わりの中で作っていく楽しさがやっと分かってきた」押井守ファン必見!『アサルトガールズ』公開記念企画の大賞賞品を監督が直々に決定黒木メイサ、押井守のオヤジギャグに動じず芸能レポーターの質問にも動じず黒木メイサ、獅童との交際への執拗な質問もクールにかわす!『アサルトガールズ』会見押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着
2009年12月19日ものすごい無礼を承知で明かすと、インタビュー前に資料で彼女について調べた際に、彼女がまだ21歳と知って少し驚いた。では何歳くらいだと思っていたのかと言われてもうまく答えが出てこないのだが…。押井守監督は『アサルトガールズ』を監督するに当たって、黒木メイサを主演に起用した理由として「生活感を感じさせなくてファンタジー向きなところ」と答えているが、こちらが感じた年齢についての驚きも、同じ種類のものかもしれない。年齢や生活感といったものを超越した存在感を彼女は持っている。果たして黒木メイサ自身は、自分について、作品について、今後について何を感じ、考えているのか?「届いた台本が絵コンテで、『早速、押井ワールドだ!』って嬉しくなりました」冒頭の、押井監督が語った起用の理由について話を振ると、黒木さんは「困りますね、そういうこと言われると(笑)。嬉しいようなさみしいような…まあ、そのおかげで今回の役をいただけたわけで、ありがたいですが」と苦笑いを浮かべた。これまでにも押井作品は観ていたという彼女だが、オファーに対して即出演を決めたという。「まず、届いた台本が絵コンテだったんですよ。『早速、押井ワールドだ!』って嬉しくなりました。(押井作品の)『アヴァロン』やいくつかの作品は観てたんですが、自分がこの世界に入ったら、どういう風に生きられるのか興味がありました」。本作に出演するに当たって、彼女が監督に出した希望。それは「アクションをやりたい」ということだった。「これまでにも舞台で、動きのある芝居はやらせてもらってたんですが、映像ではなかった。映画でアクションをやりたいという気持ちはずっとありました。監督にそう話したら、この映画ではアクションに関して空手を取り入れたい、とおっしゃっていて。実は監督自身も空手をやられるらしいんです。実際、撮影前に監督が通っている道場に行って指導を受けました。現場では押井監督が自らアクションの指導をしてくださって、面白かったですね」。自身で語ったように、これまでに舞台ではかなり激しく体を使っているし、今年春に公開された『昴−スバル−』でも肉体を駆使した激しい演技を見せている。本作では、どういったところがこれまでと違ったのだろうか?「カメラに対して見せる、ということを初めて意識しましたね。舞台では最初からずっと通しで演じているので、感情に任せてアクションを行う部分があるし、お客さんから見て、殴ったり蹴ったりしているように見せていたんですが。今回は、絵コンテを見ながら1カットずつ――“1シーン”ではなく“1カット”ずつ、丁寧に撮っていきました。流れの中で撮影しつつも、狙いはこの1カットだけ、というようなこともあって、難しさはありました。あとは銃によるアクションですね。これも監督が、弾丸の詰め方から捨て方まで直接指導してくださって(笑)、楽しかったです」。「出しっぱなしではなく、常に吸収していきたい」では、完成した作品を観ての自身の感想は?「やっぱり押井作品は、人を惹きつけて、突き放すんだな、と(笑)。自分が演じたGRAY(グレイ)についても、監督と話をして、ゲームのキャラクターとしてではなく、あくまでもゲームの中で生活している一人の女性として演じたんですが、完成した作品を観て、自分の頭の中で描いていた想像とそこまで差がなかったですね。実は、菊地(凛子)さんと佐伯(日菜子)さんと撮影でお会いする機会はなかったんです。完成した作品を観たら、菊地さんの役が結構、人間離れしててすごくびっくりしました。三者三様で面白いバランスだな、と」。10代半ばでいきなり、つかこうへいの舞台で主演デビュー。そこから舞台に映画にドラマにと次々と出演。今年だけでも連続ドラマ、単発ドラマに1本ずつ、映画は本作を合わせて3本、さらに主演で2本の舞台に出演している。多忙な日々の中で自身の中で感じる成長、変化について聞いてみた。「まず、出会いに恵まれていると思います。その中で、最初の頃は現場にもなかなか慣れなくて、出会った人たちとの関係も、その作品だけで終わっていました。私もとにかく作品を作ることに必死で…。でも、そこにたくさんのスタッフが関わっていて、撮影のずっと前から動いている人たちがいて、その人たちとの関わりの中で作品を作っていく楽しさが、最近やっと分かってきた気がしますね」。「いま、楽しいか?」という愚問に、黒木さんはニコリと21歳の笑顔で「うん、楽しいです」とうなずき、こう続ける。「まだまだ目の前のことに立ち向かうのに精一杯のところはあります。やっぱり、作品と出会って、ひとつの役を演じるって相当エネルギー使いますよ。でも、いままで生活してきた中で感じたことや経験したことが役に繋がったり、役で発散できたりもするんです。最近、出しっぱなしにしてると出すものがなくなってくると思ってて、常に吸収していきたいって強く感じるんです。もちろん、人間は傷つこうと思って傷つけるものでもないのですけど…自然な流れの中でもっと吸収して、発散、発信していけるようになりたいです」。(photo:HIRAROCK)■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント昴−スバル− 2009年3月20日より全国にて公開© 2009『昴−スバル−』製作委員会クローズZERO II 2009年4月11日より全国東宝系にて公開© 2009高橋ヒロシ/「クローズZERO?」製作委員会■関連記事:三浦春馬&佐藤健がN.Y.の中心で鍋をつつく?5日間の旅を収めたDVD発売!押井守ファン必見!『アサルトガールズ』公開記念企画の大賞賞品を監督が直々に決定黒木メイサ、押井守のオヤジギャグに動じず芸能レポーターの質問にも動じず黒木メイサ、獅童との交際への執拗な質問もクールにかわす!『アサルトガールズ』会見押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着
2009年12月17日主演に黒木メイサを迎えて贈る、押井守監督8年ぶりの長編映画『アサルトガールズ』の公開を記念して、本作の公式サイトで「あなたにとっての“押井監督”大募集」なる投稿企画を実施中。見事グランプリに選ばれた人には、押井監督自らがお薦めする豪華賞品が授けられるのだが、この豪華賞品とは――?「つい、押井守監督を思いだしてしまう」「連想する」ような“何か”を写真で撮って投稿するというこの企画。そもそも企画として、かなり漠然しているが、にもかかわらず既に多くのファンからの投稿が寄せられているという。グランプリに選ばれた人は、12月19日(土)の公開初日に行われる舞台挨拶時に監督から直接表彰されるのだが、このたび監督が選んだこの賞品とは、プレイステーション3。ゲーム大好きな押井監督ならではのチョイスと言えるが…、ファンにとって垂涎ものと言うべきか…?こちらの応募は12月6日(日)まで、12月9日(水)に公式サイト上にて発表される。気になる方はお早めにチェック!賞品もさることながら、押井作品への熱い“想い”をここで直接押井監督にぶつけてみては?『アサルトガールズ』は12月19日(土)より公開。『アサルトガールズ』特別企画ページ■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:黒木メイサ、押井守のオヤジギャグに動じず芸能レポーターの質問にも動じず黒木メイサ、獅童との交際への執拗な質問もクールにかわす!『アサルトガールズ』会見押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着黒木メイサ、英語アフレコに初挑戦巨大モンスター“スナクジラ”と戦う!黒木メイサと菊地凛子が女ハンター役で共演!押井守『アサルトガールズ』公開決定
2009年12月04日押井守監督の8年ぶりの長編実写映画として注目を浴びる『アサルトガールズ』の完成披露試写会が11月30日(月)に都内で開催され、押井監督と共に、先頃の「フリー宣言」でこちらも何かと注目を集める主演の黒木メイサが舞台挨拶に登壇した。押井監督は本作にかける意気込みを熱く語る…かと思えば力の抜けたのんびりした口調で「前作『アヴァロン』のときと比べて緊張感は20分の1くらい。ちょっとゆるくなってます。膨大な期待を持たれると、失望するかも。いいかげんな気分で観ると意外といいかもしれません」とコメントし、会場からは思わず笑いが漏れた。それでも、黒木さんとのコミュニケーションには気を遣ったようで「うちの娘より若いので何を言えばいいのか?という感じで…。何を言ってもウケず、へこみました」と打ちひしがれた様子。当の黒木さんは「どこからが本気でどこからが冗談なのか分からなかったです。互いに探り合いながらで、分かってきたところで撮影が終わった」とふり返った。舞台挨拶後には報道陣向けの会見も行われたが、劇中で黒木さんが激しいアクションを披露し、モンスターと戦うことにかこつけて「蹴っ飛ばしたい人は?」などと、黒木さんとの交際が一時期、噂された中村獅童さんを暗にほのめかす質問も飛んだが、黒木さんは「いないです」とあくまでクール!これと同じ光景が、以前の本作の製作報告会見でも繰り広げられたが、黒木さんはそのときと同様に動じず。クリスマスの予定は?という質問にも「仕事です」と即答し、「(自身が演じた)GRAYのように男いらずの女になりたいです!」とキッパリ。「熱愛説は仮想だった?」と仮想空間を舞台にした本作に無理矢理結び付けた質問で食い下がる記者に「質問の意味が分からないんですが…」とやれやれといった様子で、会見場を後にした。『アサルトガールズ』は12月19日(土)よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開。■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:黒木メイサ、獅童との交際への執拗な質問もクールにかわす!『アサルトガールズ』会見押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着黒木メイサ、英語アフレコに初挑戦巨大モンスター“スナクジラ”と戦う!黒木メイサと菊地凛子が女ハンター役で共演!押井守『アサルトガールズ』公開決定
2009年11月30日押井守監督の8年ぶりの実写長編作品『アサルトガールズ』の完成会見が10月19日(月)に都内で行われ、押井監督と共に、黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子の3人の主演女優陣が出席した。会見では、先日、歌舞伎役者の中村獅童さんとの交際が一部で報じられた黒木さんに、この件についての強引な質問が集中する一幕もあったが、黒木さんはクールな対応を見せた。共演を果たした3人の女優陣だが、撮影は別々に行われたため、こうして3人が揃って顔を合わせるのはこの日が初めて。黒木さんは、初めての押井監督の現場について「(CGが多用されているので)現場で何が起こってるのか分からず、付いていくのでいっぱいいっぱいでした(苦笑)。監督とはやっと少し分かり合えたかな、という頃に撮影が終わってしまったので、もっといっぱい話したかったです」と少し残念そうにふり返った。一部の報道陣からは、劇中で黒木さんが演じた戦う強い女性のキャラクターに絡めつつ、かなり強引に「(男性を)リードするタイプか?それとも引っ張ってほしいか?」、「年上の男性はOKか?」などと、交際のうわさに関するあからさまな質問が…。黒木さんは「何を言わせたいんでしょうか…?」と半ば呆れた表情を浮かべつつもクール。「私自身、強い女性に憧れます…というか私は強いですよ(笑)。(男性の)上に立ちたいという気持ちはないですが、同じ目線でいたいです」、「年齢は関係ないです。年上でも、年下でも全然…」と落ち着いた大人の対応を貫いた。さらに「つらい撮影で支えになった存在は?」と食らいつく報道陣にも「大島での撮影でしたので、宿で温泉に入ってました」とあっさり。佐伯さんは2度目の押井作品への参加となったが「前作(『真・女立喰師列伝』)では気を失いそうになりながら一人寂しく撮影に臨んでましたが、今回は仲間…仲間なのかな(笑)?…ができて心強く、楽しかったです。2人とも会ってみるとすごく素敵で、もっと(撮影中に)仲良くなりたかったです」と笑顔で語った。菊地さんの役柄は、監督が菊地さん本人を見てインスパイアされ、生み出したというキャラクター。劇中ではカラスを思わせる姿でダンスを披露しているが、この日は鮮やかな赤いドレスで登場。「監督の作品が好きで、付いて行きました」と笑顔で語り、このキャラクターが誕生したきっかけとなったヴェネチア国際映画祭でのエピソードを明かしてくれた。「『スカイクロラ』でヴェネチアに一緒に行って、夕ご飯前にサン・マルコ広場で待ち合わせをしたんです。でも私はその前にお酒を飲んで楽しくなって、広場で踊ってたんです。監督はそれを見てまして…。今回も『(ダンスは)サン・マルコのときの感じで』っていう指示があって、『振付けさんは?』って聞いたら『いや、自由にやって』と…(笑)」。押井監督は作品について「僕の作品にしては珍しく、明るいファンタジーに仕上がっています」と充実した表情。公開前にもかかわらず、すでにハリウッドからリメイクの打診が来ているそうだが「ハリウッドは何でも買いますからね、とりあえず。やりたければやればいいけど、出来ればこの3人を起用してほしいです」とあまり気に留めていない様子。『アサルトガールズ』は12月19日(土)よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開。『アサルトガールズ』公式サイト>■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着黒木メイサ、英語アフレコに初挑戦巨大モンスター“スナクジラ”と戦う!黒木メイサと菊地凛子が女ハンター役で共演!押井守『アサルトガールズ』公開決定
2009年10月19日『GHOST IN THE SHELL―攻殻機動隊―』や『スカイ・クロラThe Sky Crawlers』などで世界的に知られる、日本アニメ界の旗手・押井守が8年ぶりに挑む長編実写映画『アサルトガールズ』。美しき女性ハンター役3人に黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子という実力派女優3人が扮することで注目を集める中、7月30日(木)、主演の黒木さんが英語アフレコに初挑戦!砂漠の戦場で巨大モンスター“スナクジラ”と戦うシーンの模様が報道陣の前で公開された。今回、押井監督はアフレコを収録するという想定で、映像を先に撮影するという制作スタイルを実践。アフレコでは、押井監督から「英語をスムーズに話すことよりも、感情を大事にしてほしい」とのディレクションが入ると、黒木さんは、初めての英語アフレコにも物怖じせず、流暢な英語で感情的な怒りを見事に表現した。そして収録を終えると、真剣な表情から一転、「英語でのアフレコは監督に演技を意識してって言われたので、気持ちが楽になりました」と安堵の表情を見せた。最近では演技だけでなく、歌手として歌やダンスの才能も発揮している黒木さんだが、本作で初の本格アクションに挑戦した。大島でのロケ撮影の感想を聞くと、「撮影に入る前に道場に行って練習したんですけど、実際現場に入ると足元が砂場で動きが全然変わってくるので結構大変でしたが、楽しかったです、すごく」と笑顔でふり返った。また、CGによる、見えないモンスターとの戦いについては「(CGが使用されるため)よくわからなかったので不安だったのですが、撮影前に監督に説明してもらって、想像して挑みました。実際にどのように出来上がっているか、完成が楽しみ」と映画の完成に期待を寄せた。一方、押井監督は久しぶりの実写映画、というよりは美人女優との競演に戸惑いがあったようで「女優3人を綺麗に撮るにはどうやったらいいか。3人一緒は大変だから、基本ひとりにしてました」と告白。黒木さんとの初対面の挨拶では「僕の映画出るの?出てもいいことないけど(笑)」とまで聞き直したとか。ちなみに、撮影に向けて参考にしたゲームはあるか?との質問には、「そういった本を読んだり作品を観たりはしました」と答える黒木さんに対し、監督は「やってますよ。いまは『ドラゴンクエスト』。レベル31です」とお茶目な一面を見せた。そして最後に、監督は「僕の映画としてはたぶん画期的なくらい分かりやすいと思う。本当の娯楽作品になっていると思うので、どうぞ疑うことなく」とアピール。果たしてその出来栄えは?『アサルトガールズ』は12月19日(土)よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開。■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:黒木メイサと菊地凛子が女ハンター役で共演!押井守『アサルトガールズ』公開決定
2009年07月31日国際的な喝采を浴びた『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』に、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など研ぎ澄まされた映像世界で多くの観客を魅了してきた押井守の、自身の監督作としては8年ぶりの実写長編作品となる『アサルトガールズ』の公開が決定。主人公の3人の女ハンターたちを黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子が演じることが発表され、黒木さんが写った場面写真が公開された。押井監督が『Avalon(アヴァロン)』以来となる長編実写映画の舞台として選んだのは、熱核戦争後の荒廃した砂漠の戦場、巨大モンスター<スナクジラ>の群れが地を這い、強襲揚陸艦が宇宙を飛ぶ世界。黒木さん、菊地さん、佐伯さんの3人は、突然変異の超大物<マダラスナクジラ>を仕留めようと、アサルトライフル(突撃銃)やパワフルな銃器を手にフィールドを駆け巡る。今回解禁となったのは、銃弾を体に巻いた黒木さんが写った写真のみ。いまだ物語の詳細については不明だが、話題の映画への出演に加え、歌手としてもめざましい活躍を見せる黒木さんに、カンヌ招待作『Map of the sounds of Tokyo』(原題)に、トラン・アン・ユン監督による『ノルウェイの森』と邦画という枠を超えて注目を集める菊地さん、ドラマ、映画、さらには舞台と各方面での活躍が光る佐伯さんの3人が、押井監督の下でどのような化学変化を見せるのか、期待が集まる。『アサルトガールズ』は12月19日(土)よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開。■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントスカイ・クロラ The Sky Crawlers 2008年8月2日より渋谷東急ほか全国にて公開© 森博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会■関連記事:【ヴェネチアレポート09】あの三巨匠だけじゃない!世界で活躍する日本人俳優たち【ヴェネチアレポート08】凛子「私にとっては金」『スカイ・クロラ』公式上映【ヴェネチア映画祭】いよいよ開幕!オープニングはブラピ&ジョージ×コーエン兄弟『スカイ・クロラ』に続き、押井守が初の実写TVシリーズ「ケータイ捜査官7」を制作!『ポニョ』興収100億突破の次は1,000万人動員、ヴェネチアでの活躍にも期待!
2009年07月22日