暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?胃にやさしいだけじゃない!七草で体内をクレンジングして、春美人に旧暦の新年がスタートして1週間。今日(2月25日)は旧暦1月7日にあたり、「人日の節句」の日です。七日正月とも呼ばれ、一年間の無病息災を願って七草粥を食べることで知られています。もともと宮中では、1月15日に七種(ななくさ)粥を食べていました。これは、米・粟・きび・ひえ・みの・ごま・小豆を炊いた穀物の粥です。一方、古代中国では1月7日に七種類の野菜のお吸い物を食べて無病を願う風習がありました。これが平安時代に日本に伝わり、やがて宮中の七種粥と結びついて七草粥になったといわれています。それでは、春の七草をみていきましょう。・芹(せり)ビタミンB2やカルシウム、鉄分、食物繊維などが豊富。独特の香りには、消化促進の働きがあるといわれています。・薺(なずな)別名:ぺんぺん草たんぱく質やカロテン、ビタミンB1・B2、カルシウム、鉄などを含み、利尿作用や解熱作用があるといわれています。・御形(ごぎょう)別名:母子草(ははこぐさ)たんぱく質やミネラルが豊富で、胃炎に効果的と考えられています。春には黄色い花を咲かせます。・繁縷(はこべ)「はこべら」ともいわれます。カルシウムや鉄などのミネラルが豊富。利尿や整腸の作用があるといわれています。・仏の座(ほとけのざ)別名:小鬼田平子(こおにたびらこ)黄色い花を咲かせるキク科の植物で、胃の働きを高めるといわれています。紫の花をつけるシソ科の「ほとけのざ」は、まったくの別物なのでご注意を。・菘(すずな)蕪(かぶ)のこと。葉にはビタミンやミネラルが多く含まれ、白い根身はやわらかく消化がいいのが特徴です。・蘿蔔(すずしろ)大根のこと。葉はビタミンC、カロテン、ビタミンB1・B2などが、根身にはでんぷん分解酵素やたんぱく質分解酵素が含まれています。1月6日の昼に七草を摘み、7日の朝に調理するのが習わしですが、現代のライフスタイルでそれを実践するのは難しいので、スーパーなどで手に入りやすいものを2~3種類用意して、お吸い物やお粥にしていただきましょう。春先は、冬の間にため込んだ老廃物を排出すべきタイミングです。日本料理では「春は苦味を盛れ」といわれ、ワラビやゼンマイといった山菜を積極的に取り入れます。食養生において、山菜の苦味は体を目覚めさせ、春先の体調を整えると考えるからです。春の七草は、七草粥のイメージから胃腸にやさしいといわれますが、野草ならではの苦味は山菜に通ずるところです。さらに利尿や整腸の作用があるのでデトックス効果が期待できます。本来は、今の時季にいただく七草。普段の食生活に取り入れて体内をクレンジングすれば、心身が軽やかになり、ファッションにも恋愛にも前向きになれそう。これからやってくる春本番が、ワクワクのシーズンになるはずです。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年02月25日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?最初が肝心!旧暦新年に愛情運をアップさせるコツ2月19日(木)の新月は、ちょっとスペシャルです。というのも、旧暦では1月1日にあたるから。新しい一年の始まりは、あらゆるものをリセットするタイミングといえます。昔は、新しい年の運勢は年の始めに決まると考えられていました。そのため、大晦日に除夜の鐘をきき、心を清らかにして新年を迎え、正月行事や縁起担ぎをして良い運を刷り込もうとしたのです。旧暦正月(1月)の異称は「睦月」です。文字通り、お正月に家族や親戚があつまり「仲睦まじく過ごす月」という意味。そこで!19日は実家に電話をかけたり、友人や親しい仕事仲間を誘って食事をしたり、カップルならばデートをしたりするのがオススメ。年の始めに大切な人を意識し、時間を共にすることで、情愛・友愛・恋愛など、さまざまな愛のエネルギーを自分自身に刷り込みましょう。そうすれば、新しい一年が愛情豊かな年となるはずです。なお、旧暦1月の別名には、・暮新月(くれしづき)・初春月(はつはるづき)・初空月(はつそらづき)・早緑月(さみどりづき)・霞初月(かすみそめづき)などもあります。新年を迎える清々しさと、春の訪れを感じさせる月名ですね。スーパー級の名月に、ブルームーンも!月のイベントが盛りだくさん今年(旧暦)は閏月が入ったことで171年ぶりに「後の十三夜」が出現し、大きな話題になりました。明日から始まる旧暦新年は平年に戻り、暦の上ではおだやかな年となりそうです。それではここで、旧暦行事のメインイベント「お月見」の日を確認しておきましょう。■中秋の名月(旧暦8月15日)一年のうちで一番美しい月といわれる「中秋の名月」は、旧暦8月15日の月のこと。新暦では9月27日にあたります。翌28日の午前11時51分に月は「スーパームーン」に!ですから、中秋の名月もスーパー級で見ごたえがありそう。今から期待が高まります。■十三夜(旧暦9月13日)中秋の名月に次いで美しいといわれている「十三夜」は、旧暦9月13日の月をさします。新暦では10月25日です。昔から、中秋の名月または十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片月見」といって、縁起が悪いといわれていました。中秋の名月と十三夜はセットで見ることで、良いことが起きる証となります。また、新暦4月4日の「皆既月食」、新暦7月31日の「ブルームーン」も見逃せません。月好きならば、旧暦・新暦の別を超えて、これらの月イベントは要チェック!カレンダーや手帳にメモしておいてくださいね。日が迫ったところで、この連載で詳細をお伝えする予定ですので、どうぞお楽しみに。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年02月18日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?2月18日(水)は旧暦大晦日。年越しそばは残さず食べて金運アップ!2月18日(水)は、旧暦の大晦日です。大晦日の夜に食べるものといえば「年越しそば」。長寿や幸運を願って年越しそばを食べるようになったのは江戸時代といわれ、「みそかそば」「つごもりそば」「運そば」などの呼び名もあります。その由来は、金銀細工師(金箔師)が作業中に飛び散った金粉を、そば粉を練って丸めたものにくっつけて集めたことから「金を集める縁起物」として食べられるようになったのだとか。また、そばが細く長いため「寿命が長くなる」という説もあります。自宅で調理してもよし、おいしいおそば屋さんに食べに行ってもよし。いずれにせよ、年越しそばの食べ残しはご法度!食べ残すと、新しい年にはお金に苦労するといわれているのでお気をつけくださいね。さあ、18日の夕食は年越しそばをすすって、一年を締めくくりましょう。きれいにたいらげれば、新年を迎える準備はバッチリです。若返りと恋愛成就に期待大!旧暦元日に飲む水のパワー2月19日(木)は、いよいよ旧暦の元日。月は新月となり、旧暦正月が始まります。お正月は日本のしきたりを実践するのに絶好の機会。ですが、旧暦をたしなむためとはいえ、特別な材料や準備が必要な風習を実践するのは難しいもの。そこで!誰でもできることをひとつご紹介しましょう。それは、朝早く起きて水をくむことです。元日の早朝、その年に初めてくむ水を「若水(わかみず)」といい、これを飲めば一年分の邪気を払い、若返るといわれています。若水は特別な場所でくむ必要はなく、キッチンの水道の蛇口から出る水で十分。最大のポイントは、早朝にくむこと。昔は、水がもっとも澄むといわれる寅の刻(午前4時頃)に若水をくんでいました。年に一度のことですから、ここは寒さや眠気に負けることなく早起きを。元日の早朝、若水をひと口飲めば、新年のエネルギーが全身を駆け巡るかのよう。それは、体験した人しか味わえない清々しさです。さらに余裕のある人は、若水でお湯をわかして「大福茶(おおぶくちゃ)」をいれてみて。つくり方はとっても簡単です。湯のみに梅干しと結び昆布を入れて、煎茶でも番茶でもお好みのお茶を注ぐだけ。梅干しは長寿への願いに、結び昆布は「喜ぶ」と「縁結び」に通じています。一年の計は元旦にありといいますし、良縁や恋愛成就の願いを込めて大福茶をいただきましょう。そうやって元日の朝を過ごすと、新年の新鮮な気で満たされ、昨日とはまったく違う空気を感じられるはず。清新な気持ちでスタートした新しい年に、うれしいことがたくさん起こりますように。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年02月17日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?立春は春の誕生日。産声を上げる瞬間を心で祝って2月4日は、二十四節気の「立春」。暦の上では四季がひと巡りして、いよいよ春が始まります!いわば立春は「春の誕生日」です。そもそも二十四節気とは、地球が太陽の周りをまわる軌道上の位置を15度ずつ24等分したもの。春分を起点(0度)とするので、立春は315度になります。つまり、地球が春分を出発してから、315度まで移動したときが立春というわけです。私たちが呼吸を止めないのと同じように、たえず動き続けている地球は、一日の中でも少しずつ位置を変えています。厳密にいえば、二十四節気という節目は、宇宙の中の瞬間の出来事。何月何日何時何分と細かく示すことができます。国立天文台が発表している暦要項によれば、今年の立春は2月4日12時58分。このときこそ、春が産声を上げる瞬間です!ちょうどをランチタイム中という人が多いかもしれませんね。食事をしながら、食後のコーヒーを飲みながら、春が誕生する瞬間をお祝いしてあげましょう。お祝いといっても、大げさなことをする必要はありません。ちょっとだけ、春が来たことを意識してみてください。誕生日をお祝いされるのって、照れくさいけれど、やっぱりうれしいものですよね。たくさんの人にお祝いされたら春だってうれしいはず。さらに、今年は立春と満月が同日です。今夜はまんまるの月を眺めながら、春の訪れをお祝いしてみてはいかがでしょう。忙しい日常の中でも、ほんの少し気持ちを自然に向けてみる。その瞬間、光でいっぱいに満ちた月のように、心も明るくなれそう。立春から始まる新しいサイクルが、素敵な日々になりそうな予感がしてきます。体と心をすこやかに。毎日を快適に過ごす秘訣は暦にアリ!春の始まりを告げる立春は、お正月と同じくらい大事な日。大きな節目であることから、立春を第1日目として、88日目、210日目、220日目は、以下のようにいわれています。●八十八夜…立春からかぞえて88日目。遅霜が発生する時期。霜による被害をさけるため、とくに農家に対しての注意日です。茶どころでは、茶摘みの最盛期。今年は5月2日です。●二百十日…立春からかぞえて210日目。台風が多い時期。やはり農家にとっての厄日とされ、警戒すべき頃。今年は9月1日です。●二百二十日…立春からかぞえて220日目。二百十日と同じ意味で、台風の襲来で天候が悪くなる頃。今年は9月11日です。雨雲や台風が近づいてくると、頭が痛くなったり、気分が落ち込んだりすることはありませんか?天候は、私たちの体と心に影響を与えています。農業のように自然と対峙する職業ではなくても、自然のリズムを前もって知っておくことは、体調管理や暮らしの役に立ちます。毎日を快適に過ごすために。そのツールのひとつが、暦なのです。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年02月04日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?節分は年に4回?!立春前が一番重要なワケ2月3日(火)は「節分」です。節分とは、季節の分かれ目という意味。本来は四季の始まりとされる立春、立夏、立秋、立冬の前日はすべて節分ですが、現在では立春の前日だけを指すようになりました。というのも、春の始まりを告げる「立春」は、旧暦ではお正月と同じくらい大事な日。その前日にあたる節分は大晦日と同じようなものだったからです。そもそも大晦日の夜には、宮中で悪鬼や厄神を弓矢などで追い払う「追儺(ついな)」と呼ばれる行事がありました。一方、お寺や神社では、節分の夜に邪鬼を追い払うために、恵方に向かって豆をまく行事が行われていました。これら2つの行事が室町時代に習合し、江戸時代になると庶民にも広まりました。その名残が、現在の節分の豆まきです。日本では古来、豆には神秘的なパワーが宿っていると考えられていたため、厄除けと招福のために豆が使われるようになったといわれています。豆まきの後は歳の数だけ食べて、豆の霊力を体に取り込んで節分当日は、夜になってから家中の戸や窓を開けて「鬼は外、福は内」と大きな声で唱えながら、炒った豆(大豆)をまきます。そのとき、家の中にいる鬼を外へと追い出すように、内から外に向かって豆をまくのがポイント。ですが、現代の住宅事情ではそうもいかない場合もありますから、「鬼は外、福は内」の気持ちを込めた、家の中だけの豆まきで十分かもしれませんね。肝心なのは、豆をまいたら戸をすぐに閉めること。鬼と一緒に福が出ていかないように気をつけましょう。読者のみなさんの中に、「鬼沢さん」や「鬼頭さん」など、苗字に「鬼」がつく人はいませんか?もし「鬼」がつくのであれば、「鬼は内、福は内」と唱えてくださいね。ご先祖様の時代からご縁のある鬼ですもの。丁寧に招き入れれば、あなたの味方になってくれるはずですよ。また、鬼が福をもたらすと伝えられている地域でも、「鬼は内、福は内」と唱えるそうですから、その土地の習慣に従いましょう。豆をまいた後は、年齢の数、あるいはプラス1個の数を、好運と長寿を願って食べるのが習わしです。豆が苦手な人や、自分の歳の数は食べきれない人には、福茶(ふくちゃ)がおすすめ。作り方には2種類あります。(A)湯呑に歳の数の豆を入れ、煎茶でも番茶でもお好みの熱いお茶を注ぐ。(B)湯呑に豆を3粒程度と、梅干し、昆布を入れ、熱湯を注ぐ。しわしわの梅干しは長寿の願いに、昆布は「喜ぶ」に通じています。どちらも炒り豆がふやけて、香ばしい味わいが楽しめます。昔も今も、幸せを願う気持ちは一緒です。普段は文明社会で生活しているからこそ、暦にそった季節行事を暮らしに取り入れて、明日への活力へつなげていきましょう。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年01月29日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?心のこもった季節の便りで自分をアピール!立春過ぎたら「余寒見舞い」を夏の暑い時期に、相手の健康を気遣う便りを「暑中見舞い」といいます。これに対して、寒さが厳しい頃に出すのが「寒中見舞い」です。寒中見舞いの「寒」とは、二十四節気の「小寒」からはじまり、「大寒」を経て「立春の前日」までのおよそ30日間。今年の場合は、1月6日(火)から2月3日(火)までです。年末年始は何かと忙しいので、年賀状を出しそびれてしまったとか、年始の挨拶がうやむやになってしまった、ということもありますよね。そんなときは、今から寒中見舞いを出してみてはいかがでしょう。近年はインターネットとスマートフォンなどの端末の普及で、相手へ瞬時にメールが送れますが、ここは手書きにこだわって。相手のことを思いながらハガキや便箋を選び、季節の挨拶と相手に対する気遣いの言葉に、自分の近況をちょこっと書き添えて。心のこもった便りは、相手の心をじんわりとあたためるはずです。2月4日(水)に「立春」を迎えると、暦の上では春。「寒中」ではなくなりますが、2月の初めといえばまだまだ寒さが厳しい時期です。立春から2月下旬ごろまでは、寒中見舞いではなく「余寒見舞い」として季節の便りを送ることができます。元気に春を楽しむために、大切なのは今から体をあたためておくこと1月20日(火)に、二十四節気のラスト「大寒」を迎えました。ここまでくると、次に待っているのは「立春」。今はちょうど、暦の上では冬が終わりに近づいているわけですが、「大寒」という文字のイメージ通り、寒さは頂点を極める頃です。自然のリズムに合わせた養生法においては、ここで寒さに負けない体づくりが肝心。それは、とにかくあたためること。もし、寒さに負けて体が冷え切ってしまうと、頭痛や肩こり、関節痛などを引き起こしたり、内臓の不調にもつながったりします。さらに、この時季に体をあたためておかないと、冬から春への変わり目に肌荒れや便秘といった不調に悩まされたり、花粉症がひどくなったりすることも。健やかな体で春を思いっきり楽しむためには、今から養生することが大切というわけです。体をあたためる方法はいろいろありますが、おすすめは「シナモン」です。シナモンには、血行を促進する作用があり、体全体の機能を高める働きがあるといわれています。キッチンにパウダータイプのシナモンを常備しておくと、とっても便利。コーヒーや紅茶、ホットミルク、トーストなどにひと振りすると、普段の食生活でシナモンを手軽に取り入れることができますよ。また、精神的な疲労や不安感をやわらげる働きもあるので、夕食後や就寝前にシナモンティーを飲むと、気持ちを落ち着かせて1日を終えることができます。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年01月22日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?旧暦ではこれから年末!一年を締めくくる準備をはじめて西暦(新暦)2015年がスタートして2週間。お正月モードからすっかり気持ちが切り替わり、日常を取り戻した頃でしょうか……しかし!旧暦ではまだ年が明けていません。1月20日(火)は新月で、旧暦12月1日にあたります。そう、これから「師走」を迎え、一年を締めくくるのです。昔は12月になると、どこの家でもお坊さんを招き、その年に犯してしまった小さな罪や過ちを懺悔して、消滅を祈る法会をしていました。そのため、お坊さんは大忙し。普段は落ち着きはらっているものの、年末は忙しく走り回ることから、師が馳せる「師馳す」が転じて「師走」になったといわれています。ほかに旧暦12月の別名には、・暮古月(くれこづき)・三冬月(みふゆづき)・春待月(はるまちづき)・梅初月(うめはつづき)・弟月(おとうづき、おとづき)などがあります。冬から春へと移り変わろうとしている気配、ワクワクとした新春への期待感が、これらの名前から伝わってくるかのようですね。月のリズムとともに。旧暦新年はリスタートのチャンス!一年最後の日を「大晦日(おおみそか)」といいますが、もうひとつの呼び名を「大晦(おおつごもり)といいます。「つごもり」とは、月が隠れてしまって見えない「月隠(つきごもり)」が転じたもの。旧暦では、ひと月の最後は月の姿が見えなくなることから、そう呼ばれるようになりました。月明かりのない大晦日(大晦)の夜、深夜0時をはさんで聞こえるのが「除夜の鐘」です。鐘をつく回数は108回。これは人間の煩悩の数といわれていますが、実は諸説あります。私が素敵だなと思うのは、108回が一年を表しているという説。どういうことかというと、一年十二ヵ月の「12」、二十四節気の「24」、七十二候の「72」。これらをすべて足すと、108(=12+24+72)になるのです!旧年中のすべての節目を鐘の音とともにひとつずつ除き、まっさらな状態にして新春を迎える。夜空を見上げれば、目には見えない月が、これから新しい光を宿して輝きはじめる準備をしている――除夜の鐘がつき終わると新年がはじまるように、月が欠けてしまうと再び満ちていくように、終わりと新たなはじまりは、必ずつながっているものです。それが自然の法則というものなのでしょう。これまでの時間を見送って、新しい時間を迎え入れる。一年、一ヵ月、一日と、時間の長さは違っても、私たちは本質的には同じことを繰り返しています。生きている時間は、そうやって自然に更新され続けていくのですよね。旧暦大晦日は2月18日(水)です。自然のリズムで一年をおだやかに締めくくりましょう。夜空を見上げ、星に新年の抱負をつげましょう。新暦新年のスタートが思うように切れなかった人には、もうすぐリスタートのチャンスがめぐってきます。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年01月15日暦文化研究家・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?暦は、天を映した鏡のようなもの。日々の暮らしから宇宙を感じて世界中のあらゆる暦は、天体観測や天文計算をもとに作られています。私たちが普段使っている暦は、太陽の運行にもとづくもの。旧暦の場合は、太陽と月です。カレンダーや手帳のことを、日付や曜日を確認するためのツールではなく、天体の動きが写し取られたものと考えると、星の世界がぐっと身近に感じられます。もし、暦を入口に宇宙に興味を持ったなら、まずは空を見上げることからはじめましょう。2015年はスタートしたばかり。天文現象はこれからが本番!今後の見どころは次の通りです。■皆既月食(4月4日)昨年10月8日、全国的に好天に恵まれて大きな話題となった「皆既月食」。2015年は4月4日に起こります!夜空が晴れれば、全国で赤銅色の月が見られます。■金星と木星が大接近(7月1日)7月1日の夕方、西の空で金星と木星が非常に接近した状態で見られます。占星術において、金星は愛と美の象徴であり、恋愛運を占ううえで欠かせない星。木星は、大きな利益や幸せをもたらす大吉星。この2つの星が寄り添うように輝く様子が見られるとは、なんだかいいことが起こりそうな予感!■金星が最大光度(7月10日、9月22日)7月は夕方の西の空に、9月は明け方の東の空に、金星が美しく輝きます。特に7月10日と9月22日は最大光度となるので、昼間の青空の中でぽつんと光る金星を、肉眼でも見つけることができるでしょう。■ペルセウス座流星群(8月12日~13日)毎年8月13日頃に見頃をむかえるのが「ペルセウス座流星群」です。今年は新月に近いので、月明かりの影響を心配することなく流星キャッチが楽しめそうです。■スーパームーン(9月28日)地球にもっとも近づいた状態で満月になり、月の見かけの大きさが今年最大に。他の満月と比べて、約30%も明るく、約14%大きく見えるといわれています。まさに「super」という言葉がぴったりです。■ふたご座流星群(12月14日~15日)毎年12月14日頃に活動のピークをむかえる流星群です。今年は月明かりの心配もなく、ここ数年のうちで最良の条件で楽しめます。人工の灯りがない暗い夜空ならば、14日の日没後から15日の夜明けにかけて、ひと晩で500個の流星をかぞえることも夢ではなさそうです。毎日、何気なく使っている暦ですが、その中には広大で神秘的な宇宙の世界が広がっています。今年は、日付や二十四節気といった節目から、宇宙のリズムを感じてみてください。そうすれば、暦がもっとおもしろく、日々の暮らしがもっと心豊かになるはずです。景山えりか(かげやまえりか)暦文化研究家、星のティーセラピー(R)レッスン倶楽部主宰旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2015年01月08日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?クリスマスプレゼントは、夜空に輝く「星の十字架」でロマンチックに12月22日(月)に冬至を迎え、今は一年のうちで昼間の時間が短い時季です。逆をいえば、夜が長く、星を眺められる時間も長いということ。キーンと冷えた冬の夜空には1等星と呼ばれる明るい星が多く、寒さをのぞけば星空を楽しむのに最適なシーズンといえます。また、22日は新月でしたから、しばらくは月明かりの影響を心配することもありません。そこで今回は、暦から少し離れて、星空の話をしましょう。今夜はクリスマスですね。日本でクリスマスといえば、リースやツリーを飾ったり、パーティーを開いたり、華やかなイベントの日として定着していますが、本来はイエス・キリストの降誕祭。キリスト教の象徴といえば十字架ですが、空に「星の十字架」が見られるのを知っていますか?その正体は「はくちょう座」です。大きな十字のカタチをした星の並びは、翼を広げて天空を舞うはくちょうを容易に連想させます。そんな姿形から、南半球で見られる南十字星(みなみじゅうじ座)に対して、はくちょう座のことを「北十字星」と呼ぶほどです。毎年クリスマスの頃、20時~21時くらいに北西の地平線上を見ると、はくちょう座が逆立ちしているような格好で輝いています。星と星を線でつないだカタチは、大地に立てかけられた十字架そのもの。星の十字架は、アクセサリーのそれよりも断然美しく、一見する価値は大いにあります。クリスマスは大切な人と一緒に北西の地平線が見渡せる場所へ出かけ、星の十字架をプレゼントする、なんていうのもいいかも!夜空に輝く星たちが、最高にロマンチックなひととときを演出してくれるはずです。星の輝きとともに。静かで穏やかな新しい年の迎え方来週の水曜日は、いよいよ新暦の大晦日。年を越すとき、ぜひ見てほしい星があります。それは、おおいぬ座の「シリウス」です。シリウスという名には、「焼き焦がすもの」という意味があります。その通り、地球から眺められる星の中でもっとも明るい星として知られ、周囲を焼き焦がすかのような輝きは強烈です。このシリウス、今年から来年へと日付が変わる頃に南中します。私は、大晦日の夜半近くになると上着を着込んでベランダに出て、南の空を見上げるのが恒例です。シリウスは全天で一番明るい星ですから、すぐに見つけられます。そして、遠くから聞こえてくる除夜の鐘の音を聞きながら、目に沁みるようなシリウスの輝きの真下で、今年を送って、新しい年を迎えるのです。カウントダウンのイベントに参加したり、テレビ番組を見ながら年越しそばを食べたり、新年の迎え方は人それぞれですが、星とともに新しい年を迎える瞬間は静かで穏やか。なかなかいいものですよ。いろんなことがめまぐるしく変わっていくのが当たり前の時代、変化や成長がよしとされる風潮の中で、何度新年を迎えても変わることなく、同じように輝く星たちを眺めていると、変わらずにいることも素敵なことだと思えてきます。星の輝きが、すべての人の希望の光でありますように。それでは皆様、どうか良い新暦新年をお迎えください。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年12月25日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?12月22日、19年ぶりに巡ってくる大変おめでたい「朔旦冬至」とは12月22日(月)は、二十四節気のひとつ「冬至」です。北半球では、正午の太陽の高さが一番低くなり、一年のうちで昼がもっとも短い日。この日を境に、少しずつ昼間の時間が長くなっていくため、世界各地には「太陽の復活」を祝う風習や行事があります。旧暦をたしなむ人にとっては、今年の冬至は例年以上に特別です。というのも、ちょうど新月と重なり、冬至の日が旧暦11月(霜月)1日にあたるから。これはほぼ19年に一度の巡りあわせで「朔旦冬至(さくたんとうじ)」と呼ばれ、昔から大変おめでたい日とされています。そもそも暦を作るうえで、計算の起点として用いるのが冬至です。コンピューターや計算ソフトを使って簡単に暦計算ができる現代とは違い、昔は天体観測と算術によって冬至がいつになるのかを求め、最初に霜月を決めるところからはじめました。暦作りにおいては、一年のはじまりは睦月(1月)ではなく、霜月というわけです。日本の暦(旧暦)のルーツである古代中国では、「冬至は一年の始まりである」という考え方があり、冬至の日はとても重要視されていました。その冬至が、ぴたりと霜月の初日にあたる年が現れると、暦本来の姿に戻ったように感じられたのでしょう。朔旦冬至は吉兆とされ、盛大な儀式が行われたといいます。日本でも、奈良時代から江戸時代までは宮中で朔旦冬至の祝宴が催されていたほどです。「新月の初日の出」を眺めて、心身をハッピーパワーで満たして朔旦の「朔」とは、「新月、一日(ついたち)」という意味。また「旦」は、地平線を表す「一」から「日」が出ていることから「夜明け」を意味しています。新月は太陽と同じ方向にいるため目には見えませんが、月は日の出とほぼ同時に東の空に昇ってきます。太陽の復活、暦の一年のはじまり、そして新月が重なる今年の冬至。つまり、朔旦冬至の日の出は、「新月の初日の出」。しかも1995年以来、19年ぶりとなる日の出ですから、見ないわけにはいきません!また、太陽の力がよみがえるとされる冬至は、「一陽来復(いちようらいふく)」といって、「悪いことばかりが続いていたのが、ようやく善い方に向いてくる」という意味もあります。冬至は、運気が上昇に転じるハッピーな日です。12月22日の日の出の時刻は6時46分(東京)。冬の朝はいつまででも布団の中でまどろんでいたいものですが、この日は早起きをして「新月の初日の出」を眺め、朝日をたっぷりと浴びて、19年に一度の強力なパワーで心身を満たしましょう。カレンダーや手帳だけではない暦の世界を、身をもって体験することは、現代においてとても意義のあることです。新暦お正月の初日の出とは全く違う、自然のリズムに合った本当の初日の出。そのご来光から、太陽と月の存在を感じてほしいと思います。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年12月18日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?月は夜に見るものとは限らない!空に月を見つけるコツとは旧暦に興味を持ち始め、月の満ち欠けを意識するようになると、空に月を探して眺めたくなるときがあります。そこで夜空を見上げるのですが、月はどこにも見当たらない。空には雲ひとつなく、晴れ渡っているのに。そんな経験はありませんか?月は太陽と同じように、東から昇って、南の空の高いところを通り、西へ沈みます。三日月も、満月も、目には見えない新月だって同じです。ただし、それぞれカタチの違う月が空を横切る時間帯は、毎日違います。そのため月が見えるのは、夜とは限らないのです。それでは新月から順番に、月が空にいる時間を確認してみましょう。【新月】日の出とほぼ同時に東から昇り、日の入りとほぼ同時に西へ沈みます。つまり、月は太陽と同じ方向にいるため、新月を見ることはできません。【上弦の月】お昼頃に東から出てきて、太陽が沈む頃に南の空高く昇ります。日付が変わる頃に西へ沈むので、夜半過ぎには見えなくなります。【満月】太陽が西へ沈む頃、月は東の空に顔を出します。ひと晩かけて空を横切り、翌日の日の出とほぼ同時に西へ沈みます。【下弦の月】日が暮れても空に月の姿はなく、日付が変わる頃に東の空に現れます。だんだんと夜が明けてくるにつれて空高く昇り、お昼頃には西へ沈みます。以上の4つのポイントをおさえつつ、月の出は前日よりも平均50分遅くなることを覚えておくと、いつでも空に月を探せるようになりますよ。私はどの月のカタチも好きですが、仕事で早朝に家を出なくてはならない日が下弦の月の頃だとうれしくなります。夜が明けたばかりで人気のない街。玄関を出て空を見上げると、白い下弦の月がこちらを見下ろして、「いってらっしゃい」と言っているようで、元気づけられます。12月14日(日)は下弦の月です。朝、出かけるときは、空を見上げて月と目を合わせてみてくださいね。その日の活力がわいてくるのを感じられるはずです。今年の旧暦11月1日は、19年に一度のめぐりあわせ!下弦の月が過ぎると、月はどんどん儚げな姿になっていきます。そして、12月22日(月)は新月です。旧暦では11月1日にあたり、「霜月」を迎えます。霜月とは、文字通り霜が降りるようになるという意味で、「霜降月」が略されたものといわれています。また、旧暦11月の別名には、・神来月(かみきづき)・神楽月(かぐらづき)・雪待月(ゆきまつつき)・雪見月(ゆきみづき)・露隠りの葉月(つゆごもりのはづき)などがあります。旧暦10月(神無月)に出雲へ行っていた神々は、霜月にはそれぞれの持ち場(国)に戻ります。そう、霜月は運命が動き出すタイミング!それは新しい年の幕開けといっても過言ではありません。さらに、今年の霜月のはじまりは、ちょうど冬至と重なります。これは「朔旦冬至」といって、19年に一度のめぐりあわせ!そんな特別な冬至を経験できるなんて、ラッキーですよね。そこで次回は「朔旦冬至」と、この日にぜひやってほしいことをご紹介します。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年12月11日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?雪の表現に学ぶ、日本人の美意識12月7日(日)は、二十四節気の「大雪(たいせつ)」です。紅葉のシーズンはすっかり終わり、山は雪によって白く染まる時季。都会でも北風が身にしみて、本格的な冬の到来を感じる頃です。ところで、雪の結晶を見たことはありますか?温度や湿度によってカタチは変わるものの、基本構造は六角形。五角形や八角形をした雪の結晶はないんですよ。不思議ですね。雪の結晶が、六枚の花弁が開いたようなカタチをしていることから、雪には次のような異称があります。・六花(りっか)・六つの花(むつのはな)・六出(りくしゅつ)・六出花(りくしゅつか)・六辺香(ろくへんこう)漢字を見ただけでは、雪のこととは想像もつきません。また、初冬の風にのってちらちらと降る雪や、晴れた空から舞い降る雪のことを「風花(かざはな)」といいます。ダイレクトに「雪」という文字を使わないところが、なんとも粋!日本人の自然に対する繊細な美意識を感じます。知的さをアピールしたい相手にメールや手紙を書くとき、これらの言葉を使うと好感度アップが期待できそうです。雪の結晶に心ひかれるのは、DNAレベルの必然?!雪といえば、今年は映画『アナと雪の女王』が日本で大ヒットしました。Wヒロインや、「ありの~ままの~♪」をはじめとする楽曲の素晴らしさが多くの人の心をつかんだといわれています。けれど私は、様々なシーンで描かれている雪の結晶が、日本人のDNAに働きかけたのかもしれないと考えてしまいます。というのも、江戸時代から日本人は雪の結晶を図にした「雪華模様」が大好きだから。火付け役となったのは、天保3年(1832年)に出版された『雪華図説』。古河藩主の土井利位(どい・としつら)による自然科学書でありながら、雪の結晶を図示した美しい雪華模様に江戸の庶民は魅了されたのだとか。着物や羽織、手ぬぐい、硯箱、印籠、刀の鍔(つば)など、ありとあらゆるものに雪華模様があしらわれ、当時の最新モードとして大流行しました。現代でもクリスマスシーズンには、雪の結晶を模したアクセサリーや、雪華模様があしらわれたファッションアイテム、小物類が店頭に並び、根強い人気を誇っています。私たちのルーツをさかのぼれば、雪華模様が大流行した時代を生きていた人が先祖として存在するはず。今も、雪や雪の結晶に心ひかれてしまうのは、必然といえるのかもしれません。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年12月04日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?今年最後のお月見は、「十日夜」でキマリ!旧暦で行うしきたりの中で、私たちの暮らしに取り入れやすいのは、やはり「お月見」でしょう。月を見るという行為をするために、特別な準備は必要なく、お金もかかりません。空が晴れ、雲や建物などにさえぎられることがなければ、誰にでもできるという点も魅力です。すでにこの連載で何度か話題にしていますが、ここで改めてお月見の対象となる月を確認しておきましょう。・旧暦8月15日の月……一年のうちでもっとも美しい月。【呼び名】中秋の名月、十五夜、芋名月・旧暦9月13日の月……旧暦8月15日の月に次いで美しい月【呼び名】後の月、十三夜、豆名月、栗名月今年は「閏月」が挿入されて、171年ぶりに「後の十三夜」が出現したため、お月見に注目が集まりました。十五夜も、十三夜も、後の十三夜も、もう過ぎてしまいましたが、最後のお楽しみがまだ残っています!それは「十日夜(とおかんや)」です。欠けていたって美しい。未完の月に自分を重ねて十日夜とは、旧暦10月10日に行われた収穫祭。おもに東日本で盛んでした。地域によって内容は異なりますが、十日夜の日には稲の刈り入れが終わり、田んぼの神様が山に帰るとされ、神様の化身である案山子を家へ持ち帰ってお祭りしたといいます。また、十日夜の月を、中秋の名月(十五夜)、後の月(十三夜)と並んでお月見の対象としました。十五夜、十三夜、十日夜を合わせて「三月見」といって、三夜ともお月見ができると大変縁起がいいと伝えられています。今年の十日夜(旧暦10月10日)は、12月1日です。月は昼過ぎに東の空に昇ってきて、日付が変わる頃に西へ沈みます。そのため、・青空をバックにした白い月・夕焼けと月のコラボレーション・夜空に輝く月といった、3バージョンを楽しめるのが特徴。月好きならば、今年最後のお月見を、どのバージョンで楽しもうかと想像するだけでワクワクしますよね。十日夜の月の姿は半月(上弦の月)を過ぎたばかり。満月のような迫力こそありませんが、まん丸ではない「未完の美しさ」もいいものです。月が満ちたり欠けたりするように、私たちの心と体にも波があります。仕事や恋愛にがんばりすぎて疲れてしまった、落ち込んでいる、壁にぶつかってしまった……そんなときは、十日夜の月に自分を重ねて眺めましょう。完璧ではない、欠けた状態でも美しいと感じさせてくれる月は、自然体でいることの大切さを私たちにおしえてくれます。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年11月27日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?男女の縁が結ばれる旧暦10月。もうすぐ運命の相手に出会える予感!11月22日(土)は新月です。旧暦では10月1日にあたります。旧暦10月の別名には、・神去月(かみさりづき)・初霜月(はつしもづき)・時雨月(しぐれづき)・小六月(ころくがつ)・陽月(ようげつ)などがありますが、「神無月(かんなづき)」と呼ばれるのが一般的です。この月名が表している通り、旧暦10月は「神の無い月」。その理由は、全国の神様たちが出雲(島根県)へ出かけてしまうから。一方、神々が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれ、神様たちは一カ月間滞在するといわれています。年に一度、神々が出雲に集合するのは、人々の運命や男女の縁を相談するため。ということは……もしも、今の恋愛がうまくいっていないとか、まだ新しい恋に巡りあえずに悩んでいる、という状況だったとしても、心配することはないかもしれませんね。だって、ひと月もかけて神様たちが、あーでもない、こーでもないと、縁結びについて話し合っているのですから、恋愛の現場では赤い糸がもつれることだってあるはずです。神無月の間は、恋の行方を危ぶんだり、あせったりするのは禁物。月末に神々はそれぞれの国(持ち場)へもどりますから、「霜月(旧暦11月)」から運命が動き出すことに期待しましょう。ほとんどの神様が出雲へ出張中、お留守番役の「留守神」とは?さて、全国の神様が出雲へ行ってしまったら、地元に神様がいなくなってしまうと心配になりますよね。ですが実際には一人残らず出かけてしまうわけではありません。ちゃんと留守番役の神様がいるのでご安心を。このような神様のことを「留守神(るすがみ)」といいます。代表的な留守神は「恵比寿様」。右手に釣竿を持ち、左手に大きな鯛を抱えた姿をしています。古くから、商家では商売繁盛の神様として、農村では豊穣の神、漁村では豊漁の神として信仰されてきました。現在では、七福神のメンバーとして有名ですね。ほかにも金毘羅(こんぴら)様、道祖神(どうそじん)、竈神(かまどがみ)などを留守神とする地域もあります。神無月に神頼みをするなら、これらの神様をお参りしてみては?仲間の神様のほとんどが出雲に出張中で、きっと寂しい思いをしているでしょうから、お参りをすれば「よく来てくれたね」と、喜んで願いを聞き届けてくれることでしょう。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年11月20日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?昔の人と月の関係がわかる「月の名前」旧暦は月の満ち欠けを基準とする暦。毎月第1日目は新月の日と決まっています。そのため2日目は二日月、3日目は三日月、15日は十五夜というように、日付と月の満ち欠けが対応しています。旧暦の日付がわかれば、空に月を探さなくても、その姿かたちを知ることができるわけです。ところで、「月の名前(呼び名)をあげてみてください」と聞かれたら、最初に思い浮かぶのは何ですか?きっと多くの人が「新月」「満月」と答えるでしょう。けれど新月と満月は、天文学的な意味を含む言葉。呼び名というには、ちょっと味気ないように感じます。旧暦を使っていた時代の日本人は、月への想いや親しみを込めて、月に名前をつけていました。月の満ち欠けによって、呼び方が変わるのです。自然に対して粋なことをしたものだなぁと、感心してしまいますよね。特に16日目以降の月には、ユニークな名前がつけられました。月の出が、前日よりも平均50分遅いことを踏まえると、名前の意味や情景がよく理解できます。■16日目「十六夜(いざよい)」前日の十五夜に比べて、少し遅い時刻に昇ってきます。昔の人は、月自身が出てくるのを躊躇しているように感じたのでしょう。「いざよい」とは「ためらう」という意味です。■17日目「立待月(たちまちづき)」さらに遅れて出てくる月を、まだかまだかと立ったまま待つ様子を表しています。■18日目「居待月(いまちづき)」立ったままでは疲れるので、座って月の出を待ちます。■19日目「寝待月(ねまちづき)」待ちくたびれて、ごろんと横になって月を待ちます。■20日目「更待月(ふけまちづき)」とうとう夜が更ける頃でないと月は昇ってきません。このような月の名前から、人と月の関係が密接であったことが伝わってきますね。ちなみに今日(11月12日)は、旧暦の閏9月20日にあたるので「更待月」です。月の出の時刻は21時21分(東京)。私たち現代人にとっては、まだ夜も早いうち。ですが、街灯がなかった時代、闇夜を照らすのは月明かりのみ。昔の人にとっては、今でいう深夜のような感覚だったに違いありません。暗闇の中で、人々が月の出をどれほど待ちわび、月の明かりを求めていたことか。暮らしぶりを想像すると、昔の日本人と月が親密な間柄だったことがわかります。旧暦手帳を活用して、月ともっと親しくなる!さて、今年も残すところひと月半あまり。大手雑貨店や書店などでは、来年の手帳のコーナーが賑わいを見せていますね。 近年は、西暦の日付の近くに旧暦の日付が併記されていたり、月相図(月の満ち欠けのマーク)が載っていたりと、暦をたしなむための手帳もずいぶんと種類が増えてきました。こうした手帳を使うと、月の名前が自ずとわかるのでとっても便利。「月ともっと親しくなりたい!」という人は、手帳というツールを活用してみては?月の存在がより身近なものに感じられるようになり、月の見え方も今までとは違ってくるはずです。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年11月13日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?木枯らしが吹いても、女は枯らさない!月光浴で究極のうるおいケア11月7日は二十四節気の「立冬」です。暦の上では冬のはじまり。物静かな空気に、しみじみとした寒さが感じられます。毎年、木枯らし1号が吹くのも立冬の頃です。木枯らしとは、晩秋から初冬にかけて太平洋側に吹く、風速8メートル以上の北寄りの風のこと。いよいよ冬型の気圧配置になったことを示す現象で、冬の到来を告げる季節の便りです。1号があるということは、2号、3号もあり、この強い北風が吹くたびに木々から葉が落ちていきます。枝だけになった木々は、枯れてしまったかのような姿に。ゆえに「木枯らし」というわけです。こうして立冬を過ぎると、室内にいても暖房の影響で空気の乾燥を感じるようになります。肌にとっても髪にとっても、ダメージを受けやすい苛酷なシーズン。外では木枯らしが自然界からうるおいを奪う一方で、油断していると私たちも女を枯らしかねません。保湿力の高いスキンケアやヘアケアは必須ですが、忘れてはならないのが心の保湿。初冬の気配があたりを満たす頃は、そこはかとなく淋しさや憂いを感じやすいもの。そんな季節性の心のカサつきをやわらげて、しっとりさせるのが月光浴です。冬の満月は月光浴に最適!頭のてっぺんから月光のシャワーを浴びて科学的に実証されてはいないものの、昔から月の光には浄化作用があると考えられていました。そのパワーは、満月に近づくほど強まるといいます。また、インドの伝統医学によれば、月光には細胞を活性化させて老化防止の効果があるのだとか。ネガティブな感情を一掃してスッキリするだけでなく、美容にも良いとなれば、試す価値は大いにあるはず!お天気さえよければ日光浴は毎日のようにできますが、月は満ちたり欠けたりするため、月光浴をするなら満月の日が最適。そのうえ冬の満月は、夏の満月とは違う利点があります。太陽の高さ(南中高度)は、夏が高く冬は低くなりますが、満月の場合はそれとは反対に、夏は低く冬は高くなるのです。南中した冬の満月は頭上高くにあり、月の光はまるでシャワーのように私たちに降り注ぐというわけ。さあ、立冬を迎える11月7日は、ちょうど満月です。頭のてっぺんから月光をたっぷりと浴びれば、全身も心もうるおうような感覚に。やわらかな光で自分自身を満たして、新しい冬のスタートを切りましょう。日が暮れると、短い時間でも外にいると体が冷えますから、月光浴をするときはストールやレッグウォーマーなどで防寒対策も忘れずに。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年11月06日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?171年ぶりの名月が出現!自分と向き合い「今ここ」を実感して旧暦には、明確な季節区分があります。【春】1月・2月・3月【夏】4月・5月・6月【秋】7月・8月・9月【冬】10月・11月・12月先週お伝えしたように、今年は9月と10月の間に「閏9月」が入る年。そのため、平年よりも秋が長く、秋の風物詩である「名月」が3回も楽しめます。実は、これがスゴイことなんです!それでは順を追って説明しましょう。まず「名月」とは、旧暦8月15日の「中秋の名月(十五夜)」と、旧暦9月13日の「十三夜」のこと。秋のお月見といえば、十五夜に次いで翌月の十三夜も眺めるのが古くからの習わしで、どちらか一方のお月見しかしないことを「片月見(かたつきみ)」といって、縁起が悪いと忌み嫌いました。というわけで、平年の名月は2回だけ。ですが、今年は閏9月が入るため、9月13日が2回あります。名月は計3回となり、十三夜は2度出現することになるのです。前回、2度目の十三夜(閏9月13日)があったのは、天保14年(1843年)。今年は、なんと171年ぶりに2度目の十三夜がめぐってくることになります!こんな特別な年は、きっと一生に一度きり。まさに、閏9月13日の十三夜は「奇跡の月」。その月が見られるのは、11月5日です。月の出は15時40分、月の入りは翌日の3時53分(東京)。空が晴れてくれれば、ほぼ一晩中お月見が楽しめます。このようなチャンスは、私たちが「今を生きている」からこそ得られたもの。171年という時の長さに思いを馳せれば、月との対面がより感動的になりそうです。願いをかなえるための知恵を授けてくれる十三夜名月の十三夜に限らず、毎月めぐってくる十三夜(旧暦13日の月)は、仏教と縁があります。13日が虚空蔵菩薩の縁日だからです。旧暦の時代、十三夜は虚空蔵菩薩と結びつけられて、信仰の対象とされていました。虚空蔵菩薩は、月の化現(けげん)と考えられ、尊像の背には月輪があり、知恵と福徳を授けることで知られています。昔の人は、十三夜の月に手を合わせ、知恵や福を授かろうと祈りをささげていたわけです。11月5日の夜、171年ぶりの特別な十三夜の月には、光とともに虚空蔵菩薩のパワーが湛えられているはず。たっぷりと月光を浴びれば、これからの恋愛や人生に必要な知恵を受け取ることができるかもしれません。連載第8回で紹介した「飲月」をするのもオススメです。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年10月30日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?今年はなんと13カ月!おまけの月がもうすぐスタート10月24日は、新月です。旧暦では、毎月の第1日目は必ず新月の日と決まっているので、この日から新しい月が始まります。前回の新月の日は旧暦9月(長月)1日でしたから、次は当然10月だと思いますよね。ところが!今年は9月がもう一回繰り返されるのです。正確には「閏(うるう)9月」がスタートします。月の満ち欠けのサイクルは、約29.5日です。これが12回(12カ月)繰り返されて、旧暦の1年(平年)は約354日となります。けれど、太陽のサイクルは1年=約365日ですから、約11日短いことになり、年を追うごとに日付と季節がどんどんズレてしまいます。そのズレは、3年で約1カ月分(11日×3年=33日)。そこで旧暦では19年に7回(だいたい3年に1回)、まるまる1カ月を挿入し、その年は13カ月としてズレを調整するのです。このプラスされる月のことを「閏月(うるうづき)」といいます。閏月の月名(呼び名)は、その前月の月名の上に「閏」をつけると決まっています。今年の場合、旧暦9月と旧暦10月の間に閏月が入るので、前月の9月に閏をつけて「閏9月」となります。ちなみに前回は2012年で、旧暦3月と旧暦4月の間に閏月が挿入されて「閏3月」でした。どの年の、何月と何月の間に閏月が入るのかは、暦をつくるルール(暦法)によって決まるのですが、ちょっとややこしいので別の機会にお伝えすることにしましょう。とにかく今年は9月が2回もあって、1年が13カ月になるお得な年!そう、平年に比べて時間がたっぷりあるのです。ならば、おまけの1カ月は、月のリズムで過ごしてみませんか?月のリズムで毎日を自分らしくイキイキと月のリズムは大きく4つのステージに分けられ、それぞれに違った意味合いがあります。日付と照らし合わせながら、各ステージのテーマを確認して、ひと月の予定を立てる参考にしてみてくださいね。●新月/閏9月1日(10月24日)テーマは「始まり」。今まで気になっていたことや、やりたかったことへの一歩を踏み出すのに最適。直感に従って、新しいことにチャレンジを!●満ちていく月/閏9月2日~14日(10月25日~11月6日)テーマは「活力」。刻々と輝きを増していく月のように、体も心も上向きに。自分に自信を持って、積極的に行動すると吉。●満月/閏9月15日(11月7日)テーマは「癒し」。満ちていく月の行動が実を結ぶ一方で、ポジティブさが強欲や衝動に変化する可能性も。自分と向き合い、冷静に考えるべきタイミング。●欠けていく月/閏9月16日~29日(11月8日~11月21日)テーマは「沈静」。派手に行動するよりも、生活環境や心身のメンテナンスを心がけるとき。新しいサイクルに向けて、準備する期間。まずは1カ月間試してみて、心地よいと感じたことは翌月以降も続けてみましょう。すると、「満月の日は、こう過ごすと気持ちがいいみたい」というように、自分と月との関係が見えてきます。生活環境を変えたわけではないのに、何かが変わった感じ。月が教えてくれる暮らしのヒントをライフスタイルに取り入れると、何気ない日常がハッピーなひとときへと変わっていくはずです。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年10月23日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?変わりやすい秋の空は、男心か女心か?先週の特別な満月の日(10月8日)に、二十四節気の「寒露」を迎えました。寒露とは、朝晩が一段と冷え込むようになり、草や葉に宿った露に触れると冷たさを感じる頃です。この時季は、大陸から移動してくる高気圧が澄んだ空気をはこんでくるため、快晴の日が多いのが特徴。抜けるような空がすっかり晴れ渡った天気を「秋晴れ」といったり、「天高く馬肥ゆる秋」と表現したりします。一方で、秋の移動性高気圧の動きは速いため、気持ちのよい天気は数日しか続きません。このような変わりやすさをたとえたのが、「男心と秋の空」という言葉。「男心じゃなくて、女心じゃないの?」と思った人もいるのでは?実はどっちも正解。辞書を引くと、両方ともちゃんとあります。ですが、古くは「男心と秋の空」といったのです!時代の流れとともに表現がかわり、今では女心の方が定着しているようです。しかし、言葉の成り立ちを考えると、そもそも心変わりしやすいのは、女性ではなく男性の方だったのかもしれませんね。人恋しい夜は「夜明けのハーブティー」でほっこりと移り気になりやすいのは男女のどちらか、という話題はさておき、秋の夜長をひとりで過ごしていると人恋しくなるもの。ちょっぴり寂しい気分のときは、あたたかいハーブティーで体の内側からほっこりしましょう。空気の乾燥がすすむこの時季は、うるおい効果が期待できる「マロウブルー」がオススメです。マロウブルーは、水分をキープする粘液質を多く含むため、皮膚や粘膜を保護して、うるおいを与える働きがあるといわれています。空気の乾燥によって引き起こされる肌のカサつきや、のどの痛み、目の疲れが気になるときに飲むと、しっとりと癒されますよ。ほのかに花の香りがしますが、味わいはまったくクセがなく、いたってシンプル。ハーブティーが苦手な人も、白湯を飲む感覚で気軽に楽しめるのが魅力です。ティーに使うのは花の部分で、お湯を注ぐと名前の通りブルーに。そのまま置いておくと淡いグレーに変化します。また、レモン果汁を加えるとピンクに色が変わることから、マロウブルーのことを「夜明けのハーブティー」と呼びます。暗い色から明るい色へと変化する様子を眺めていると、心までパッと明るくなって、前向きな気持ちになれるから不思議です。移り気な男性も女性もマロウブルーでひと息入れれば、体も心もうるおいで満たされ、自分の本当の気持ちに気がつけるかもしれません。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年10月16日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?恋+月=もっとキレイに!月をまるごと飲み干して、美しさに磨きをかけて今日は旧暦9月15日。十五夜の満月で、いよいよ皆既月食です!先週、皆既月食についてお伝えしましたが、ここでおさらいしておきましょう。まず月食とは、月が地球の影に入り込み、満月なのに暗くなったり、欠けているように見えたりする現象のこと。地球を真ん中にして、太陽と月が一直線に並ぶとき、つまり満月のときに起こります。ですが、満月のたびに月食になるわけではありません。天球上を移動する太陽と月の通り道が、ぴったりと同じではないからです。だからといって、月食は決して珍しい現象ではなく、ほぼ毎年、地球のどこかで見られます(もちろん、月食が1回も起こらない年もあります)。前回の皆既月食は4月15日でしたが、日本の地平線下で皆既の状態となったため、見ることはできませんでした。ちなみに2015年は、4月と9月に皆既月食が起こりますが、日本から見られるのは4月のみ。また、2016年は月食が起こらない年となります。さて、今夜の月は、18時15分に欠け始めて21時35分に欠け終わります。そのうち、皆既となるのは19時25分から20時25分まで。さらに、満月の時刻は19時51分です。月が正真正銘の満月となる瞬間、その姿から明るさは失われ、赤黒くて妖艶な光を放っていることでしょう。そして21時35分過ぎ、月は完全に明るさを取り戻すのです。皆既月食の一連の様子は、月が一度死に、再びよみがえるかのよう。再生された満月の光には、特別なパワーが宿っているように感じられます。そこで、日本に昔から伝わる風習を試してみませんか?その風習とは、盃などに月を映して飲む「飲月」です。ほぼ一定のサイクルで満ち欠けを繰り返す月は、不老不死の象徴です。水に映して飲み干せば、そうした月のパワーが体の中にダイレクトに伝わると、昔の人は考えたのでしょう。年齢に関係なく、女性は恋をするとキレイになるといいますが、満月の光を浴びながら月を飲めば、もっとキレイになれそう!また、月を飲むことは、「ツキ」を自分のものにすることに通じるので、縁起もよさそうです。【月を飲むときのポイント】Point1・口が広い器を用意します。Point2・好きな飲み物をなみなみと注ぎます。Point3・器の角度を調整して、水面に月を映します。Point4・うまく映らないときは、器をテーブルなどに置いて水面の揺れを防ぎます。Point5・水面に映る月から目を離さないようにしながら、そっと口に持っていきます。月が低空にいると水面にうまく映せませんから、南の空高く昇ったところをねらうのがコツ。今夜の月の南中時刻は23時36分頃なので、目安にしてみてください。飲月に効果があるのかどうか、科学的に実証することは難しいでしょう。けれど、風習として伝わっているということは、理屈を抜きにして効果を実感した人が多くいたからに違いありません。月光が全身にしみわたるような感覚、内側から浄化されるような清々しい気分、体の芯から発光するような若々しい美しさ。それは飲月を試した人だけが実感できる、月からの贈り物です。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年10月08日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?今日は重陽の節句。霊力の高い菊のパワーで、体と心を浄化して10月2日は旧暦9月9日にあたり、五節句のひとつ「重陽の節句」です。五節句とは、1年のうちで大事な節目として江戸幕府が定めた式日のことで、次の5つをいいます。■1月7日・人日(じんじつ)■3月3日・上巳(じょうし)■5月5日・端午(たんご)■7月7日・七夕(しちせき)■9月9日・重陽(ちょうよう)この中で、1月は七草粥を食べて無病息災を願い、3月は雛祭り、5月は端午の節句、7月は七夕祭りとして今も行われています。けれど9月の重陽は、時代が下るとともに自然と廃れてしまい、どのような行事をするのか知らない人が多いかもしれませんね。重陽は、中国から伝わった菊の花が主役の節句です。中国では奇数(陽数)は縁起がいいとされ、中でも一番大きい「9」が重なる旧暦9月9日を「重陽」や「重九(ちょうく)」と呼んで、特におめでたい節句としていました。日本では平安初期に宮中行事として観菊の宴が催され、秋の花である菊を盃に浮かべた菊酒を飲んで邪気を払い、無病息災と長寿を願ったといいます。また、中国の重陽にはない日本独自の風習として、節句の前夜に菊の花に綿を着せ、菊の露と香りを移し、翌朝にその綿で体を拭って身を清めると、老衰を防いで長生きできるという「菊の被綿(きせわた)」の行事も行われていました。自然の力を活用した、なんとも優雅な習わしですね。今でいうアンチエイジングケアに通じているようで、ちょっと真似してみたくなります。それでは、今の暮らしに重陽のエッセンスを取り入れるアイデアをいくつかご紹介しましょう。(1)「食用菊」を使い、サラダやおひたしをつくって食べる。(2)中国茶の一種である「菊花茶」を飲む。(3)キク科の植物である「カモミール」を原料とする化粧水で肌をケアする。(4)菊の花を湯船に浮かべて「菊湯」を楽しむ。(5)部屋に菊の花を飾る。(5)は、花の部分がピンポン玉のように球形をしたピンポンマム(ピンポン菊)が可愛らしくてオススメ。キク科に範囲を広げれば、マーガレットやガーベラ、ダリア、コスモスなど、豊かな色彩と華やかさも楽しめます。菊は薬効にすぐれ、昔から高い霊力があるとされた花。明日は菊のパワーを活用して、身も心も空間も、しっかりと浄化しましょう。10月8日は皆既月食!神秘的な月の姿にうっとり菊で清められた心身は、来週の水曜(10月8日)に特別な満月の光をチャージするチャンスが巡ってきます。なんと「皆既月食」が起こるのです!月食とは、月が地球の影に入り込んで、満月なのに暗くなったり、欠けているように見えたりする現象のこと。当日の時間帯は次の通りです。月の欠け始め:18時15分月の欠け終わり:21時35分このうち皆既になる時間帯は、19時25分から20時25分まで。皆既といっても、月の姿が完全に見えなくなるわけではなく、月が赤銅色に見えます。雲や建物に隠されたり、雨が降ったりしなければ、日本のほとんどの地域で皆既月食の一部始終を見られるので、10月8日は夜空に注目です!皆既月食は、いわば満月のスペシャルバージョン。地球の影に隠れて光を失った月が、再び輝きを取り戻す姿は特別なパワーをたたえています。次週は、その満月パワーを取り入れる方法をご紹介します。どうぞお楽しみに。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年10月02日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?収穫の秋到来!恋を実らせる秘訣とは?今日(9月24日)は、新月です。旧暦では9月1日にあたり、「長月」を迎えました。長月という名前は、秋の夜長を意味する「夜長月」が略されたものといわれています。また、秋雨が降り続く時季でもあることから、「長雨月」の略という説もあります。語源が何にせよ、秋の深まりを表していることには違いないでしょう。そして、旧暦9月の別名には、・紅葉月(もみじづき)・色取月(いろどりづき)・菊月(きくづき)・小田刈月(おだかりづき)・寝覚月(ねざめづき)などがあり、自然界が秋らしい色彩をまとった様子が感じられます。旧暦の季節区分では、7月・8月・9月の3カ月間が秋。長月は暦の上では晩秋となり、いよいよ収穫の時季です。実りの秋は、体と心にとっても充実のとき。登山やハイキングに出かけて美しい自然の中に身を置いたり、本や映画の世界に没頭したり、美術館へ足を運んでアート作品に刺激を受けたり、自分を思いっきり磨きましょう。そうやって繊細な感受性をはぐくんでおくと、人の心の機微に触れられるようになります。恋愛においては、「恋人にはこうあって欲しい」「こんな恋がしたいのに!」という理想や強いこだわりから解放されて、自然体で楽しめるようになるでしょう。相手を深く理解しようとする姿勢が生まれ、恋愛の質も向上します。秋の自分磨きこそ、恋を大きく実らせる秘訣です。おおらかな呼吸のリズムで、体と心の調和をはかって食欲の秋、読書の秋、芸術の秋……世の中においしいものや美しいものがあふれる秋は、自分を磨いて豊かな感受性をはぐくむのにぴったり。ですが、熱心になり過ぎて息をつめているようでは、かえって逆効果というもの。この記事を読んでいる今、パソコンやスマホの画面に向かって首を突き出し、肩には力が入り、呼吸が浅くなってはいませんか?すぐに力を抜いて、深呼吸をしてください。すーっと霧が晴れていくように、頭がクリアになっていくのを感じるはずです。体と心を調和させる深い呼吸は、感度を高める土台となってくれます。とはいえ、特別な呼吸法をマスターする必要はありません。いつもより少し長めに息を吸って、長く吐いてみる。たったそれだけのことで、気分がすっきりとしてきますよ。高く広がる青空と、澄んだ空気が気持ちのいい秋。ゆったりと大きく息を吸って、ゆっくりと吐いて。おおらかな呼吸のリズムは、体と心のにごりを取り除きます。クリアになった心身は、まるで乾いたスポンジのよう。五感が研ぎ澄まされて、いろいろなものを吸収し、感受性がより豊かになるでしょう。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年09月24日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?秋分の日、真西の夕陽に良縁を願って9月23日(火)は、二十四節気の「秋分」です。春分と同じく、太陽は真東から昇って真西へ沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。また、この日を境にだんだんと夜の時間が長くなり、太陽の出番が減ってしまう分、いよいよ暑さがおとろえて、過ごしやすい気候がやってきます。毎年この時季になると、気象予報士やお天気キャスターが「暑さ寒さも彼岸まで」と、口にしているのを耳にしませんか?「彼岸(ひがん)」とは、秋分の日を中日(ちゅうにち)にして、前後3日間を合わせた7日間のこと。仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界、つまり亡くなった先祖がいるあの世のことを意味します。対して、私たちが住んでいる煩悩に満ちたこの世は、「此岸(しがん)」といいます。彼岸は西方に、此岸は東方にあるとされ、太陽が真東から昇って真西へ沈む秋分の日は、あの世とこの世がもっとも近づく日。そのため、お墓参りに行くのが習わしです。国民の祝日に関する法律では、秋分の日を「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」と定めています。とはいえ、仕事で忙しかったり、実家が遠方だったりして、お墓参りに行かれないこともありますよね。その場合は、真西に沈む太陽を眺めましょう。できれば両手を合わせて。そうやって夕陽を拝むことは、西にある彼岸(極楽浄土)に向かって拝むことになるからです。良縁に恵まれるようにと祈れば、子孫の繁栄や幸せを願うご先祖様が、その思いを聞き届けてくれるでしょう。恋の女神がほほえむかも?!縁起の良い秋の虫とはご縁といえば、この時季ならではの「縁起の良い虫」がいます。お墓参りに行ったお寺の庭先や、池などの水辺で見かける虫――それはトンボです。5世紀後半に在位した雄略天皇が吉野へ狩りに出かけたとき、腕を刺したアブをトンボがくわえて飛び去ったという故事から、トンボのことを勝虫と呼び、縁起の良い虫とされて武具などに飾りがあしらわれたのだとか。また、前へ前へと飛び、決して後ろに下がらない様子から、勇猛果敢で勝負強い虫ともいわれています。手ぬぐいや浴衣の柄として良く見かけるのは、トンボが昔から縁起の良い虫だからなんですね。ショッピングのときに意識してみると、ハンカチやステーショナリー、食器類、ジュエリーなど、いろいろなトンボのアイテムが見つかります。この秋、恋に決着をつけたい人は、トンボのアイテムを取り入れてみては?トンボは、勝ちを引き寄せるラッキーモチーフ!もしかしたら、恋の女神がほほえんで、大勝利をおさめられるかもしれません。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年09月18日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?日本人の暮らしに季節感をもたらす二十四節気月の満ち欠けのサイクルは、約29.5日です。これが12回(12カ月)繰り返されて、旧暦の1年(平年)は約354日となります。ところが、季節変化をもたらす太陽のサイクルは、1年=約365日ですから、年を追うごとに日付と季節がどんどんずれていってしまいます。月の満ち欠けだけでは、暦から季節を知ることはできません。そこで、季節を知る目安として、太陽の運行をもとに定められたのが「二十四節気(にじゅうしせっき)」です。二十四節気は、太陽の天球上の通り道である「黄道(こうどう)」を15度ずつ24等分したもので、季節感を表す言葉として日本人の生活に根ざしています。太陽の高さが一年中で最も高くなる「夏至」や、反対に一番低くなる「冬至」、国民の祝日になっている「春分」「秋分」も、二十四節気に含まれているんですよ。さて、数日前に二十四節気のひとつ「白露(はくろ)」を迎えました。白露とは、草花に宿った朝露が、白く光って見える時季を表します。日中はまだ汗ばむような暑さが続くものの、夜になると気温が下がり、寝苦しさから解放される頃です。早朝の冷たい空気に季節の移ろいを感じ、空を見上げれば抜けるような青空が広がっていることに気がつくでしょう。「月のハーブ」で体も心もほっこりと。内側から温めて、気持ちを上向きに!秋らしい涼しさを感じ始める頃とはいえ、日中は陽射しが強い日もあり、素足やサンダルで過ごしがち。油断をしていると冷えが足元からやってきます。冷えは、肩こりや頭痛、月経痛、むくみといった不調を引き起こすので、女性にとって大敵です!だからこの時季は、冷え対策をはじめるベストタイミング。日々の暮らしに取り入れやすいものとしてオススメなのは、体を内側から温めてくれるハーブティー。なかでもジャーマンカモミールは、月好きの女性に試してほしいハーブです。というのも、医療占星術という分野において、月は子宮を司ると考えられ、その子宮の語源が学名と類似しているジャーマンカモミールは「月のハーブ」といわれているから。また、月経前の頭痛や月経痛、更年期障害などのウイメンズケアに適していることも、ジャーマンカモミールが月に対応するハーブといわれる理由のひとつとされています。もちろん、体を温める作用もあり、秋口の冷え対策にうってつけ。ほかにも、胃腸の調子を整えたり、イライラや緊張感をやわらげたりする働きも期待できます。ノンカフェインなので就寝前でも安心して飲めるのもうれしいところです。最近は、カフェのメニューで見かけたり、コンビニでティーバッグが売られていたりしますから、茶葉をどっさり買い込む前に、ライフスタイルに気軽に取り入れてみましょう。ジャーマンカモミールティーは、甘い香りとまろやかな口当たりが特徴ですが、苦手な人はミルクとハチミツを適量加えて、ミルクティーにすると飲みやすくなるので一度お試しくださいね。体が冷えていると、不思議と心も冷え込むものです。月のハーブで体の内側からほっこりと温まれば、恋愛にも仕事にも自分磨きにも前向きな気持ちになれそうです。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年09月11日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?今年の「中秋の名月」は9月8日。名月=満月ではない理由とは?ひんやりとした夜の空気に、月光が冴えわたる季節となりました。月好きお待ちかねの、お月見シーズンの到来です!お月見といえば「中秋の名月」が有名です。中秋の名月とは、旧暦8月15日の月のこと。旧暦の季節区分では、7月(初秋)・8月(仲秋)・9月(晩秋)の3カ月間が秋です。8月15日は、その真ん中にあたるので「中秋」といいます。よく混同される「仲秋」は、旧暦8月全体をさすので、「仲秋の名月」と書くのは誤りです。今年の中秋の名月は、9月8日(月)。月の満ち欠けを確認すると、その翌日(9月9日)が満月です。「中秋の名月って、満月のことじゃないの?」と思う人がいるかもしれませんね。そう、「中秋の名月=満月」とは限らないのです。月が地球の周囲をまわるスピードは一定ではないので、新月から満月に至る期間が、毎回ぴったり15日間というわけではありません。さらに、新月の瞬間が旧暦8月1日のどの時刻におきるかによっても、日付と満月のタイミングに影響します。そのため、満月が旧暦14日や16日、17日になることもあるというわけです。ちなみに次回、中秋の名月と満月が同日になるのは2021年9月21日。東京五輪よりも先のこととなります。お月見デートはウォーターフロントへ。水面に映る月が、運命の人をおしえてくれる!お月見のルーツは、中国から伝わった名月鑑賞の風習だと考えられています。平安時代には宮中で観月の宴が催され、貴族たちは月を愛でながら和歌を詠んだそう。お月見は、もともとは身分の高い人の楽しみだったんですね。その後、一般庶民が月を楽しむようになったのは、江戸時代の頃といわれています。昔の日本人は、池や川など、水面に映った月を好んで観賞しました。江戸では、品川や高輪、不忍池、隅田川などが月見の名所として知られています。月見舟に乗って、水面に映った月影を愛でる。想像するだけで風流ですね。中秋の名月に合わせてお月見デートをするなら、ウォーターフロントへ出かけてみてはどうでしょう。もちろん、名月は直接見ても美しいものですが、空高く昇った月を見続けるのって、意外と首や肩が凝るものです。その点、水面に映る月ならば、いくら見ても疲れません。二人で心行くまでお月見ができます。水面をやさしくなでる夜風に、揺らめく月影。眺める者たちを照らす、水面に映った月の穏やかな光――もう、最高にロマンチックです!ただし、派手な演出がないお月見は、見る人との関係を際立たせます。単純に月を眺めているだけですから、だんだん退屈に思えてくる相手もいますし、一緒にいて心地良く感じる人もいるでしょう。気の合う友達同士のはずが、相手に対する恋心に気がつくなんてことも。「この人と、ずっと月を眺めていたいな」と思えたら、その人は一生大切な人になるかもしれません。月の導きに素直に従えば、うれしいことが起こりそうな予感です。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年09月04日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?いつの時代も月は乙女の心のよりどころ突然ですが「三日月」を見たことはありますか?三日月とは、新月の日を1日目と数えて、3日目の月のこと。旧暦では、一日(ついたち)は必ず新月なので、毎月三日が三日月となります。それでは、今日から年末までの三日月の日を確認しておきましょう。・8月27日(旧暦8月3日)・9月26日(旧暦9月3日)・10月26日(旧暦閏9月3日)・11月24日(旧暦10月3日)・12月24日(旧暦11月3日)三日月は、太陽を追いかけるようにして西へと沈んでしまうため、夜遅くに見ることはできません。私たちが目にできるのは「夕方の西の空」に限られています。その姿は、アクセサリーやイラストなどでよく見かける三日月形とは違って、とてもシャープ。細く鋭く光る様子は、闇夜からよみがえった月という感じです。昔から三日月は、輝きを取り戻した真新しい月という意味での新月として尊ばれていました。中国には「拝新月」と呼ばれる、三日月を拝む女性の風習が存在していたほど。日本にも古くから三日月信仰があり、西の夕空に現れた三日月に向かって女性たちが手を合わせたり、豆腐を捧げたりしたと伝えられていますが、時代が下るとともに三日月に対する信仰や風習は廃れてしまい、その実態はよくわからないままです。けれど、現代女性が新月に願い事をするように、昔の女性たちは夕暮れ時に三日月を見上げながら、若さや長寿、待ち人が来るのを願ったはず。今も昔も、月が女性の心のよりどころであることに変わりはないのです。幸運を引き寄せる三日月のおまじない月が満ちたり欠けたりする仕組みを知らなかった昔の人々にとって、夕空に姿を現した三日月は「新月」そのもの。物事の始まりを象徴し、未来への希望を感じさせたに違いありません。中国や日本だけでなく、三日月は幸運を授けてくれるパワーの源として扱われ、おまじないや言い伝えが多く存在します。ここで、代表的なものを紹介しましょう。A.三日月を眺めながらポケットの中の銀貨をひっくり返すと幸運を呼ぶ。B.三日月に向かってお辞儀や敬礼をすると願いが叶う。C.自分の右肩越しに、振り返るようにして三日月を見ると幸運に恵まれる。Aを実践するなら、銀貨の替わりに500円玉や100円玉(銀色の硬貨)を使ってもいいかもしれませんね。BとCは、特別な道具も必要なく、誰でも試せるところが魅力ですが、一人ではちょっと躊躇してしまうかも。そんなときは、友達を誘ってイベントにしてしまうのがオススメ。ただしCは、左の肩越しやガラス越しに見ると不運を引き寄せてしまうのでご注意を。さあ、8月27日は三日月です!建物や雲にさえぎられることがなければ、太陽が沈む頃、西の空に三日月を見つけることができます。願いを胸に月を眺めてみましょう。あなたの大切な思いが、どうか届きますように。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年08月27日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?旧暦の自然観を楽しんで、自分本来の美しさを引き出す8月25日(月)は新月です。旧暦では8月1日にあたり、「葉月」を迎えます。葉月と聞くと、青々とした葉が陽射しを受けて、キラキラと輝いている夏のイメージが思い浮かぶかもしれません。けれど、それは現代人の感覚。葉月とは、葉が落ちる月を意味する「葉落月(はおちづき)」が転じたもの。そう、季節は「秋」なのです。また、旧暦8月の別名には、・秋風月(あきかぜのつき)・濃染月、木染月(こぞめづき)・紅染月(こうぞめづき)・月見月(つきみづき)・燕去月(つばめさりづき)などがあります。1,000年以上に渡って旧暦を使い続けていた日本人の、季節の移り変わりに対する豊かな感性がうかがえますね。日中はまだまだ暑い日が続きそうですが、暦の上では秋真っ盛り。そんな旧暦の自然観を楽しむことは、現代人の粋というもの。古くからあるのに、私たちにとっては新しい感覚。それを暮らしや装いに取り入れることは、暦をたしなむ第一歩。まずはファッションやメイクに秋のエッセンスをプラスしてみましょう。季節を意識した佇まいは、自分も自然の一部であることを感じさせてくれます。まるで、自然と一体化するような、自然に帰るような心地よさ。暦をたしなむことで得られるリラックス感は、肩の力が抜けているのに存在感がある、自然体の美しさを自分自身から引き出すはずです。骨盤のバランスを整えて、恋愛モードを全開に!夏の暑さでゆるみきっていた体は、葉月を迎える頃から少しずつ締まってくるといわれています。特に、骨盤がキリッと締まりだすのが、秋に適応しようとする体の特徴です。女性のスラリとした体つきを表す「小股の切れ上がる」という言葉が、ぴったりという感じ。まさに秋は女っぷりを上げる季節なのです!しかし、体が夏の暑さを引きずってゆるんだ状態のままだと、頭がぼうっとして判断力が鈍ったり、体が冷えやすくなったり。季節変化に体がついていけず、不調を招いてしまいます。そこで骨盤を整えるように心がけることが、葉月を過ごすうえでのポイントです。夏の蒸し暑さが終わり、だんだんと涼しくなってくる葉月は、屋外で体を動かしたい時季。秋の空気を体いっぱいに吸い込める公園や屋上、太陽の光がさんさんと降り注ぐスタジオなどで、骨盤調整のエクササイズやヨガをしてみましょう。骨盤が程よく締まって左右のバランスが整うと、背筋が伸びて、頭がクリアになり、感受性が豊かになります。感受性が豊かになると、人を好きになる気持ちも高まります。自然体の美しさ、女性であることの喜び、恋する気持ち……葉月を楽しむことで生まれる、体と心の好循環。暦をたしなむ人だけに与えられる、自然からの贈り物です。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年08月21日星とお茶のコンシェルジュ・景山えりかが、月の満ち欠けをもとにした「旧暦」の取り入れ方をご紹介します。あなたも月の満ち欠けとともに一緒に暦をたしなんでみませんか?特別な満月の洗礼を受け、暦をたしなむ新しい毎日が始まる恋愛がうまくいっていないとき、相手の気持ちや態度を変えようとしてしまうこと、ありませんか?そんな自分をちょっぴり反省しながら、恋愛指南本のページをめくると、こんな言葉が目に飛び込んできます。「相手を変えようとするのではなく、あなた自身が変わればいいのです」。そっかーと思うものの、自分を変えるのってなかなか難しいですよね。でも、相手に多くを求めすぎてしまう恋愛傾向を変えたいとも思う。そんなとき、「暦」が力を貸してくれます。暦といっても、私たちが日常生活の中で日付や曜日を確認するカレンダーのことではありません。そもそも暦とは、天体観測をもとに作られています。天体の規則的な運行は、季節の移り変わりと連動しています。その自然の変化をまとめたものが本来の暦。日本では、古代中国で考えられた暦を飛鳥時代の頃に採用し、改訂を重ねながら1,000年以上に渡って使い続けてきました。それが「旧暦」です。旧暦は、月の満ち欠けを基準に、太陽の運行を組み合わせたもの。刻々と変化する月のカタチと日の長さ、植物や虫のいとなみ、空気の感触……細やかな季節の兆しは、旧暦の中にあるのです。昔の日本人は、旧暦から四季の移ろいを読み取り、自然の声に耳を傾けながら暮らしていました。月を眺め、折々の生き物や花を愛でる。なんて、心豊かな暮らしぶりなのでしょう。私たちも、旧暦にもとづく自然観や風習を暮らしに取り入れると、「空が真っ青で気持ちがいい」「旬のモノって、こんなにおいしいんだ!」など、これまで当たり前だと思っていたことに豊かな情感があふれ、自然と感謝する気持ちが湧き出てくるようになります。暦をたしなむことで、物事のとらえ方や心の明るさが変わっていくのです。恋愛に行き詰ったとき、アクションの矛先を相手や自分自身に向けるのではなく、身の回りの自然に向けてみる。それも暦を通して。そうすれば、小さいけれどキラリと輝く幸せをたくさん見つけることができます。無理して自分を変えたわけではないのに、いつもの毎日が違って見えてくる。それは、恋愛の傾向や相手との関係を変えるきっかけになるはずです。8月11日は今年最大の満月『スーパームーン』さて、旧暦の自然観や風習については次回以降にゆずるとして、ぜひ眺めてほしい月をここでご紹介しましょう。それは8月11日(月)の満月です。この満月は、見かけの大きさが今年最大となるスーパームーン!月が地球にもっとも近づいたタイミングで満月になります。天文学でいう「満月」とは、月と太陽が地球を真ん中にして反対側になった「瞬間」をさします。つまり、日付だけでなく、時刻も重要なポイントです。今年最大の満月(スーパームーン)は、8月11日の午前3時9分です。夜空を見上げて、月と親しんでみてください。特別な満月が放つ月光の洗礼を受けて、暦をたしなむ新しい毎日が始まります。景山えりか(かげやまえりか)星とお茶のコンシェルジュ、文筆家。旧暦や月の文化に造詣が深く、星や月と親しむ生活を自ら実践。その経験から、自然のリズムに合わせてお茶を楽しむことで、養生やストレスマネジメントにつなげる「星のティーセラピー(R)」を考案。執筆活動やワークショップを通じて、星空とお茶を楽しむ暮らしを提案している。著書:『自然とつながる暮らしかた空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。ウェブサイト::自然とつながる暮らしかた
2014年08月07日