吉田大八の『桐島、部活やめるってよ』、呉美保の『そこのみにて光輝く』、熊切和嘉の『私の男』、そして石井裕也の『バンクーバーの朝日』など、現在の邦画界をけん引する監督から多大なる信頼を寄せられ、国内外から注目を集める数々の名作の撮影を手掛けるカメラマン・近藤龍人。そんな近藤さんの魅力に迫る特集上映が、4月11日(土)に開催されることが分かった。近藤さんは1976年、愛知県生まれ。大阪芸術大学在学中に熊切監督の卒業制作『鬼畜大宴会』にスタッフとして参加、その後、大学同期である山下敦弘監督らと多くの作品を制作。その撮影作品は、『私の男』から『四十九日のレシピ』『夏の終り』『横道世之介』など、話題作ばかり。2010年には『パーマネント野ばら』で第54回日本映画撮影監督協会「新人賞(三浦賞)」、今年『そこのみにて光輝く』で第36回ヨコハマ映画祭「撮影賞」を受賞し、公開待機作品には、岡田将生主演・瀬々敬久監督の『ストレイヤーズ・クロニクル』も控えている。今回、4月11日(土)にオールナイト上映される今回の特集では、近藤さんが自ら選んだ、山下監督、岡田さん&夏帆出演、くらもちふさこ原作の『天然コケッコー』(’07)、近藤さんと親交の深い松江哲明監督がシンガーソングライター・前野健太を追ったドキュメンタリー『ライブテープ』(’09)などを上映。縁のあるゲストを招いたトークイベントも行われる。松江監督は、製作当時をふり返り、こうコメントを寄せている。「『ライブテープ』の撮影を決めて、最初に声を掛けたのは近藤君だ。前野さんはライブで2時間以上、歌っているのを見たことがあったけど、ワンカットで映画が撮れるかは僕には分からなかったからだ。近藤君は『ゲリラで撮るってことは周囲に人が映っても大丈夫ですか』とだけ聞き、僕は『これは僕の自主制作だから責任は取るよ』と答えた。そして『分かりました』と言って引き受けてくれた」。「最初に完成したバージョンでは“演出・構成”といういつも使っていたクレジットを入れていたが、違和感があったので“監督”に変えた。僕がした仕事はスタッフに『スタート』と言って『カット』と締めることだったからだ。あのとき、近藤君が了解してくれたお陰で、僕は映画監督になれた」。松江監督を始め、厚い信頼を寄せられる日本映画界の先端を活写するカメラマンが映し出す、光と影、ひらめきと計算。その魅力を堪能できるイベントとなりそうだ。「カメラマン 近藤龍人、オールナイト特集上映」は4月11日(土)、テアトル新宿にてオールナイト上映。(text:cinemacafe.net)
2015年03月13日インテリアショップ「House of Lotus」手掛ける女優・桐島かれんがサントリーのノンアルコールビール「サントリー オールフリー」の新テレビCMに黒木華と母娘役で出演している。このCM「母と空とワタシ」篇にこめられたメッセージは“自由って、おいしい”。桐島演じる母親の元に、娘役の黒木が訪れるところから物語は始まる。空と海を望む解放感溢れるテラスで、昼間からオールフリーを飲む桐島。そんな彼女の姿に「あー、まだ昼なのに」と微笑む黒木に、桐島は笑顔でグラスを手渡す。何事にも縛られず自由に過ごす母と、彼女の生き方にあこがれる娘。そんな2人の飾らない関係を、桐島と黒木が自然体のままに演じている。空と海を背景に、 まるで本当の母娘のようにグラスをあおる2ショットは、見ているだけで心が温かくなる光景だ。黒木の可愛らしい表情にも注目で、桐島から「飲む?」と誘われて、一言「うん」とうなずいた顔がなんとも愛らしい。CMソングには松田聖子の名曲『渚のバルコニー』を男性ボーカルでリメイク。2人のファッションも、ホワイトとネイビーを用いたリラックススタイルが印象的だ。優しい温もりにあふれる音楽と景色と、それに負けない親子のホッとするような一幕に、疲れた心も解き放たれそうだ。
2015年02月09日ローランドは、ダンス・ミュージックのライブ・パフォーマンスに最適な"演奏できるミキサー"として、AIRAシリーズとのUSBオーディオ・ミキシング機能を搭載したミックス・パフォーマー「MX-1」を発表した。発売時期は3月。販売台数は国内・海外合わせて1万台を予定している。同製品は、ダンス・ミュージックに求められる即興的なミキシング・パフォーマンスに対応する、新しい発想の"演奏できるミキサー"をコンセプトとしたデジタル・ミキサー。同社の販売するAIRAシリーズに搭載されているステップ・エフェクターやパソコンとの連携機能を実装しており、AIRAシリーズ各機種とのUSB接続により、より高いパフォーマンス環境を実現することができるとのことだ。また、外部機器とのMIDI同期が可能な16ステップの「ビート・エフェクト」、音を連打する斬新なサウンドが好評な「スキャッター」を含む6種類のマスター・エフェクトや、ミキサーの各インプットにあるイコライザーやフィルターなど、"演奏できる"機能が充実。また、AIRA以外のダンス・ミュージック関連機器との接続にも対応しており、1系統のAUXセンド/リターンにより、外部エフェクターとの連携も可能となっている。さらに、「シーンメモリー機能」も搭載しており、コンパクトなボディながらデジタル・ミキサーとしての基本機能も充実している。そのほか、アナログ6ch、デジタル2chの計8chオーディオ入力に加え、AIRAシリーズ専用のUSBオーディオ入力4系統/8chとパソコンのUSBオーディオ入力1系統/2chをコンパクトなボディに搭載。さらに、パソコンと接続して音声データをやり取りするためのUSB MIDIインタフェース機能を搭載。さらに音楽制作用ソフト(DAW)のトラックと同製品のミキシング・トラックを同期させ、各種操作が行えるコントロール・サーフェース機能も装備する。
2015年02月03日ローランドは、省スペース性と堅牢さを両立させた小型ボリュームペダル「Foot Volume FV-30シリーズ」をBOSSブランドより発売する。エレクトリック・ギター用の「FV-30H」と電子キーボード用の「FV-30L」の2モデルが用意される。販売開始は2月7日を予定。価格はオープン。このたび発売される「Foot Volume FV-30シリーズ」は、演奏に最適な省スペースサイズと堅牢なボディを両立させた小型のボリュームペダル(フットペダル)。外寸は、幅80mm×奥行192mm×高さ58mmとコンパクトで、従来のボリュームペダルと比べておよそ半分という省スペースを実現。ボディはアルミダイキャスト製を採用し、重さ840gという適度な質量と安定感によって、ステージでの激しいパフォーマンスにも耐えられる堅牢さを備えている。さらに、専用設計されたペダル機構とボリューム制御により接続する楽器の音量を足元で滑らかにコントロールできるとしている。なお、同シリーズには、ペダルで音をミュートした状態でもチューニングできるチューナーアウトを装備し、エレクトリック・ギター等と直接接続するのに最適なハイ・インピーダンス機器用の「FV-30H」と、エフェクターのアウトプットや電子キーボード等との接続に適したステレオ入出力を備えたロー・インピーダンス用の「FV-30L」といった2つのモデルが用意される。
2015年01月23日ローランドは、ハイレゾでの音楽再生環境と音楽制作に最適な、2系統のインプットと最大6系統のマルチ・チャンネル出力に対応したUSBオーディオインターフェース「Super UA」を発売する。販売開始時期は3月を予定。価格はオープン。同製品は、音声ファイルを"1bitオーディオ"に変換することで高品質なサウンド再生を実現する、ローランド独自のDSPオーディオ・エンジン「S1Lki」を搭載したUSBオーディオインターフェイス。192kHz/32bit PCM形式へのアップサンプリング、2.8MHz 1bit形式への変換、さらには周辺回路の影響を加味した補間フィルタによって滑らかで濁りのないサウンド出力を実現。最高352.8kHzのオーディオデータや5.6MHzのDSDデータの再生に対応するほか、高品位パーツの採用と各種オーディオ出力端子の装備によりさまざまなヘッドホンやアンプ、モニタースピーカーでの高音質な再生を可能にしている。また、高音質なサウンドの取り込みを可能にする2系統のマイク/ラインの入力を備えるほか、ヘッドホンやモニター、スピーカーといった再生環境比較を可能にする最大6系統のマルチ・チャンネル出力に対応するなど、音楽制作においても最適なスペックとなっている。ボディはアルミダイキャスト製で、高精度により密閉された本体はノイズの低減にも貢献。操作に追随して発光するLEDインジケーターや大型のレベルメーターを搭載するなど、暗所においても視認性の高いパネルレイアウトを採用している。また、接続状況で使い分けられるセパレートスタイルを採用し、通常の接続では本体のみを使用、XLRコネクターによる接続が必要なときは付属の「ブレークアウトボックス」を併用するなど、使用用途に合わせてフレキシブルなセッティングが可能となっている。
2015年01月23日ローランドは、アナログ・シンセサイザーとデジタル・シンセサイザーという2種類のシンセサイザーをコンパクトなボディに凝縮した、クロスオーバー・シンセサイザー「JD-Xi」を発表した。発売時期は3月下旬。価格はオープン。同製品は、アナログとデジタルそれぞれの利点を生かしたクロスオーバー・シンセサイザー。近年の音楽シーンでは、リード音やベース音などの単音メロディに、初期のシンセサイザーで主流だったアナログ方式の太くて存在感のある音を使用する例が目立っているということ、その一方で、ブラス音・ストリングス音・パッド系音色などの複数の音を重ねてできる音色や、音楽制作に欠かせない生楽器系のリアル音色を複数パートにわたって使用する機能は、デジタル方式のシンセサイザーが得意とするということをベースとして開発された。また、アナログ音源部分には、ゼロから設計したリード音やベース音に適した太く存在感ある新規回路を採用。デジタル音源部分には、リアルで表現力豊かなサウンドや個性的なサウンドに定評のある"SuperNATURALシンセ音源"を搭載している。さらに、最大4小節のパターン・シーケンサーも搭載。鍵盤の演奏や動かしたつまみの情報を記録して繰り返し再生することができるため、内蔵の本格的なドラム・サウンドを併用すると、アナログ・シンセサイザーとデジタル・シンセサイザー、ドラムを組み合わせ、簡単にフレーズを作り、そのフレーズを重ねてさまざまな音楽を楽しむことができるということだ。そのほか、付属のマイクを使ったボーカル機能も搭載。マイクを取り付け、音程を補正する「オート・ピッチ」や「ボコーダー・エフェクト」を使えば、気軽にエレクトロニック・ボイス系の音を楽しむことが可能で、シンセサイザーの詳しい知識や鍵盤演奏経験のない人でも、簡単に最新の音楽を楽しめる仕様となっているということだ。なお、販売台数は国内/海外合わせて1万台を予定している。
2015年01月23日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は1月13日、デスクトップカッティングマシン「CAMM-1」シリーズの新製品「GS-24」を発売した。「CAMM-1」シリーズは、1988年に最初に発売されて以来、販促ツールの内製、ユニフォームなどへの名前や背番号の表示、装飾用途としてのステッカーなどの製作など、幅広い用途で活用されている。その最新製品である「GS-24」は、使いやすさを進化させ、ユーザーの生産性向上をテーマに開発された。カッターホルダーを固定するカッティングキャリッジを新設計し、カッターおよびカッターホルダーを刷新したことで、高速・高負荷のカッティングの際も、安定したカットが可能となったほか、直線や円弧のカット品質も向上した。カット圧は最大350gfと、従来機に比べ40%向上したことで、より厚手の素材もカットすることが可能となった。また、1度の出力で最大10回までの重ね切りが設定できる機能や、台紙付のステッカーが製作できるミシン目カット機能などが追加され、製作物に合わせたカッティング設定がより容易となった。また、これまで本体で設定する必要があったカッティング速度、カット圧などを標準付属の専用ソフトウェア「Roland CutStudio」上で設定できるため、データ作成からカッティング設定・出力までの手順をスムーズに行うことができる。さらに、Adobe IllustratorやCorelDRAWなどのグラフィックソフトから直接出力できる専用プラグインも付属している。同製品のカッティング領域は最大584(幅)×25000(長さ)mmで、カッティング速度は最大500mm/s(全方向)。価格は25万8千円(税抜)で、3年間で2万台の販売を目標としている。
2015年01月13日ローランドは、AIRA SYSTEM-1の購入者を対象に、「SH-101オーバーレイシート・プレゼント・キャンペーン」を実施している。キャンペーン期間は2015年2月27日まで。同キャンペーンでは、ヴィンテージ・シンセを現代的にアレンジした最新のアナログ・モデリング・サウンドを備えたSYSTEMシンセサイザー「AIRA SYSTEM-1」を購入し、ユーザー登録を完了したユーザーを対象にしたもの。上記対象者には、同社アナログシンセサイザーの名機「SH-101」のパネルデザインを模したオーバーレイシートがもれなく1枚プレゼントされる。ただし、シートのカラーは選択できない。なお、キャンペーンへの申し込みは、SYSTEM-1の登録1台につき1枚となり、数量限定のため無くなり次第キャンペーンを終了するとのこと。
2014年12月26日ローランドは、同社の電子ドラム「V-Drums」シリーズを期間中に購入すると、Vドラム専用キット・データを収録したUSBメモリーをもれなく進呈するキャンペーン「Roland V-Drums Artist Kit CAMPAIGN」を実施している。キャンペーン期間は2015年1月30日まで。同キャンペーンで進呈されるUSBメモリーに収録されるのは、Vドラムを実際のパフォーマンスで取り入れているプロドラマー・Thomas LangとJohnny Rabbが監修したオリジナル・サウンドデータだ。Thomas Langは大口径ドラムをイメージした芯のある太いサウンドを、Johnny Rabbはゴースト・ノートを強調したスネアやメロディックなタムを特徴としたサウンドをプロデュースし、彼らが実際にオリジナル・サウンドで演奏したソングデータも収録されているとのことだ。なお、キャンペーン対象製品は、V-Proシリーズの「TD-30KV-S」、「TD-30K-S」、V-Tourシリーズの「TD-15KV-S」、「TD-15KL-S」、「TD-15K-S」、V-Compactシリーズの「TD-11KV-S」、「TD-11K-S」の7モデルとなっている。ちなみに、12月1日~12月4日までの購入分もキャンペーンの対象内となっている。
2014年12月04日ローランドは、入門者向け電子ピアノとして人気のある「RP401R」のホワイトカラーモデル「RP401R-WHS」、およびコンパクトながらも本格的なピアノ演奏が可能なツートンカラーの新製品「F-20」の2機種を、2014年冬から2015年春の期間限定モデルとして発売した。価格はいずれもオープンプライス。RP401R-WHSは、グランドピアノの特性を徹底追及した「スーパーナチュラル・ピアノ音源」を搭載した電子ピアノ。鍵盤は従来比100倍以上の高精細なセンサー方式を採用し、弾き心地を追求した新型鍵盤も装備する。また、音量や音質を重視した専用設計の音響システム、およびグランドピアノの立体的な音の広がりを再現できる「ヘッドホン・3D・アンビエンス」も備える。さらに、踏み込みのタイミングや深さで変化する音の余韻や広がりを再現する「プログレッシブ・ダンパー・アクション」にも対応するほか、ポップスやジャズ、ロックなど幅広いジャンルの自動伴奏を72種類、クラシックの名曲を中心にバイエルやブルグミュラーの練習曲など合計200曲なども内蔵している。一方、F-20は、ダークウォールナットとブラックのシックなツートンカラーを採用したボディーを備えている。88鍵盤を搭載しながら、幅130cm以下、奥行30cm以下というコンパクトなデザインと省スペースを実現。グランドピアノの特性を徹底追及した「スーパーナチュラル・ピアノ音源」を採用し、正確なテンポ感を養う「メトロノーム機能」や、自分の演奏を客観的にチェックできる便利な「録音機能」、華やかな伴奏をバックに演奏を楽しめる「自動伴奏機能」など、練習に役立つ機能も装備している。
2014年12月01日ローランドは、音響ミキサーに求められる拡張性を持ち、内部の接続を自由に組み替えることができるライブ・ミキシング・コンソール「O・H・R・C・A」(M-5000)を発表した。発売時期は2015年2月。価格は現在のところ未定。同製品は、豊富な入出力とさまざまなフォーマットに対応する「拡張性」、用途に合わせて内部構成をカスタマイズできる「柔軟性」、ハイ・レゾリューションでの信号処理(96kHzのサンプリング・レート/72ビットのミキシング・バス)による「高音質」を併せ持つミキシング・コンソール。本体に搭載された12インチ・タッチ・スクリーンや視認性に優れた有機ELディスプレイで、直感的で素早いオペレーションを実現する。さらに、iPadを併用することで、場所を変えて音を確認しながら、効率的に音量や音質調整が行える機能も搭載(2015年春対応予定)。使用できるチャンネル・タイプの一覧から、必要なチャンネルの数(最大128チャンネル)を自由に設定できるほか、同社のデジタル伝送フォーマット「REAC」に加え、「Dante」、「MADI」、「SoundGrid」などの各種デジタル音声伝送フォーマットにも対応した別売のオプション・モジュールにより、さまざまなシステム構築(96kHz動作時で最大300入力/296出力)が可能となっている。なお、製品名の「」は3つのキーワードのイニシャルで、「O」は多様な機器やシステムと柔軟に対応可能な構造を示す「Open(オープン)」、「H・R」は高音質であることを示す「ハイ・レゾリューション」、末尾の「C・A」は内部構成のユーザーによるカスタマイズを表す「コンフィギュラブル・アーキテクチャー」から取っているとのことだ。
2014年11月21日ローランドは、星野楽器とのコラボレーションにより、「TAMA」ブランドのアコースティック・ドラムと電子ドラム音源システムを組み合わせたハイブリッド型ドラム・キット「Silverstar "Cocktail-JAM" Hybrid Kit」を発売すると発表した。販売開始は11月下旬。価格は税抜9万4,000円。「Silverstar "Cocktail-JAM" Hybrid Kit」は、TAMAの小型アコースティック・ドラム「Silverstar "Cocktail-JAM"」に、ローランドの電子ドラム音源「TM-2」と、演奏情報を検出するトリガー・ピックアップ「RT-10T」、「RT-10S」を組み合わせたハイブリッド型ドラム・キット。アコースティック・ドラムの音にエレクトロニック系の音色を重ねて鳴らしたり、一般的なドラム・セットには含まれないパーカッション・サウンドを追加するなどして、印象的で多彩な音色による演奏表現が可能だという。また、同梱のドラム音源「TM-2」は、SDカードに入れた好みのオーディオ・ファイル(WAV)を演奏に合わせて再生することも可能で、あらかじめ曲に合わせたフレーズや効果音などを用意しておけば、演奏と同期したさまざまな演出を行うことが可能だ。一方、TAMA「Silverstar "Cocktail-JAM"」は、通常のドラム・セットの2/3~半分以下という、限られたスペースでも設置して演奏を楽しめるコンパクトなタイプで、付属の専用バッグに収納してどこにでも持ち運ぶことが可能となっている。
2014年11月07日○教育現場での3Dプリンター活用の実情は?10月16日から17日にかけて、ローランドDGは自社の運営するローランドDG東京クリエイティブセンターにおいて、3Dプリンター&切削加工機「monoFabシリーズ」の発売を記念した体験イベント「monoFab Experience Day」を開催した。当日は工業デザインやデスクトップファブリケーションの著名人による講演に加えて、新製品の紹介も実施。会場には最新の3Dプリンターや切削加工機が展示されており、実機の確認や具体的な質問なども行える有意義なイベントとなった。17日は特別講演として慶應義塾大学准教授であり、総務省の研究会である「ファブ社会の展望に関する検討会」の座長も務めている田中浩也氏が「教育現場での3Dプリンター活用」と題して、教育現場やコミュニティにおける、3Dプリンターをはじめとしたデジタルツールの活用事例の紹介を行った。3Dプリンターや切削加工機といった各種工作機器を個人が手軽に利用し、ものづくりに取り組めるようになってきた。PCと工作機器が接続され、素人でも子供でもものづくりができるような「パーソナルファブリケーション(ファブ)」を楽しめる場として「ファブラボ」を増やし、広げることに田中氏は取り組んでいる。講演の冒頭では、慶應義塾大学SFCの図書館内に設置されたファブスペースを学生がどう活用しているかについての紹介が行われた。無料でものづくりが楽しめるファブスペースは、工業系の学科ではない学生にも多く活用されているという。「iPhoneカバーなどは毎日かなりの数が作られている。椅子に取り付けて荷物をかけるフックなども作られ、快適さが増してきた。こうしたフックは100円均一ショップ等で手に入るかもしれないが、この椅子にぴったりのものというのは売っていない」と田中氏は自分にとって必要なものを直接作り出せる状況を学生が楽しんでいる様子を紹介。「親戚の小学生が漢字の書き取り練習に苦労しているのを見て、1度書けば3回書ける鉛筆ホルダーを作った学生がいる。このデータをインターネットで公開しておいたところ、海外でも利用されるようになった。さらに5本の鉛筆をセットして五線紙がさっと書けるペンを作った音楽家もいる」とインターネットとものづくりが融合することで、新たな展開があることも語られた。すでにアメリカでは3Dデータをオープンにする取組みが始まっており、インターネットからダウンロードしたデータを実際に成形してみることもできるようになっているという。また教育現場では地形データなどを使って、触ることのできる教材を作ることもあるという。「これまでパーソナルコンピューターとインターネットはつながっていたが、ファブによって情報・通信・物質化の社会が完成する」と田中氏は語った。○地域に1つ欲しい、ものづくりのできる「ファブラボ」地域で利用できる場として設置される「ファブラボ」については、特に鎌倉の例が紹介された。田中氏は学生に、できるだけ地域のファブラボへ向かうことを推奨しているという。海外ではあらゆる年代の人が大学にいるが、日本では20歳前後の非常に狭い年代の人だけが集う場になっている。地域のファブラボは幅広い世代の人と交流できる場として貴重な存在なのだ。自分のおもちゃを作りに来ている小学生から、十分な技術を持っているが時間に余裕のあるリタイアしたエンジニアまでが集う場で、技術や知識の交流が行われている様も紹介された。また、研究室の学生と行っている「ハンディ3Dスキャナ・フィールドワーク」の様子も紹介。地域にある様々な物の形やテクスチャをデータ化しているのだという。3Dスキャナーと3Dプリンターで作られた土偶に、漆塗りを行ったものの実物がセミナー会場で披露され、最新技術と伝統技術が融合したものの手触りを楽しむこともできた。ローカルなコミュニケーションに対して、グローバルなコミュニケーションとして挙げられたのが「ファブアカデミー」だ。インターネットを通じて世界中から同時刻に同じ講義に参加する形で進められる12週間のカリキュラムでは、3Dプリンターだけでなく、あらゆる工作機器やソフトウェアの使い方を週替わりで学ぶことができる。「毎回宿題があるが、これがなかなか大変で燃える。日本人らしさを出してやろうとか、いろいろ考えはじめてしまう。最後の課題は、今まで学んだ全てを使った作品を作ることになるが、そこで出てきた作品は、これは何とはっきり言えないようなものもある」と田中氏は各国参加者の制作作品を紹介したが、途中、熟考して言葉を探すことも多かった。それほど、これまでの概念では名前がつけられないようなものが生み出されているのだ。「3Dプリンターというのは電子レンジのようなもの。一番手軽な調理として、電子レンジでお弁当を温めるだけというのはある。しかし休日に凝ったものを作ろうとした時、電子レンジだけで済ませることはない。多くの調理器具の中の1つだ。3Dプリンターも同じような立場にある」と田中氏。日本でもインターネットを介して学ぶ場として「gacco」でのオンライン放送大学「3Dプリンタとディジタルファブリケーション」を開催することを告知し、興味のある人にとっての良い学び場となるだろうと結んだ。講演後の質疑応答も活発に行われたが、その中で3Dプリンターはいずれ家庭に1つあるようなものになるか、という質問には「海外ではそういう例も増えているが、そもそも海外は家が大きく、街から遠い。私の家とは大分環境が違う。日本の家だと置き場はないし、買い物をできる場も多い。買ってくるよりも作る方が手間がかからないというのとは違う。だから、地域に1つというのがよいと思っている」とファブラボ形式での普及が日本の事情に合っているのではないかとも語った。○最新のデスクトップで使える「monoFab」も紹介特別講演終了後には「monoFab製品紹介セミナー」も開催された。これは最新の3Dプリンターである「ARM-10」と、3D切削加工機「SRM-20」のプレゼンテーションでは、それぞれの技術的な特徴やスペックから、付属ソフトウェアやサプライ品まで紹介された。休憩時間や終了後には、実機を前にかなり踏み込んだ質問をする参加者の姿も見られ、”小規模なものづくり”への関心の高さが窺えるイベントとなった。
2014年10月22日ローランドといえば、日本が世界に誇る楽器メーカーのひとつ。これまでに"名機"と呼ばれる音楽機材を数多く世に出している。しかし、"アンチアップル"よろしく、その業界でトップクラスの企業ともなると"アンチ"が生まれるのは当然のこと。ローランドの製品を好まない人もいる。そんな"アンチローランド"のバンドマンに、今回は、同社の新製品であるセッション・ミキサー「HS-5」を試してみてもらった。なお、今回は9月末に発売された電子ドラム「Vドラム TD-1KV」も同時に使わせてもらった。「HS-5」は時間と場所を選ばずにバンド演奏を楽しむことができる新しいミキサー。電子ドラムやエレキギター、シンセサイザー、マイクなど最大5つの楽器を接続し、バンドのメンバー全員がヘッドホンを使用して演奏することで、外部への音漏れを最小限にとどめてのバンド演奏を行うことができる。そのため、家にいながら、まるでスタジオにいるかのような感覚を味わうことができる製品。一方、「TD-1KV」もこの秋発表された新しい電子ドラム。コンパクトかつ静粛性に優れ、家でも使いやすい設計を実現しつつ、練習用のコーチ・モードを搭載しており、コンパクトながらも高音質、高品質を実現している。これからドラムを始めたい、もっと練習して初級レベルを脱したいという際に適した製品だ。○「HS-5」を試すまずはその外見について。「デザインがかっこいい」、「サイズが小さい」など、極めて良好だった。そして、同社の担当者から操作方法のレクチャーを10分ほど受け、いざ実践。すると、どうだろうか。同製品では、それぞれの楽器の音量バランスをヘッドホンごとに調整でき、好みの「ミックス」を最大で5個つくれるのだが、その調整を各メンバーがスムーズに行っていく。このことからも操作方法がシンプルであることがお分かりいただけるのではないだろうか。同製品の調整も終え、試奏を開始。ヘッドホンを装着しながら演奏を行うため、取材を受けているという緊張感も徐々に薄れていき、普段の練習のような雰囲気に。「ベースのチューニング合ってないよ」、「ドラムさぁ、途中からどんどんリズム早くなってない?」など、厳しい言葉が飛び交う。気づけば予定していた時間より多く、「HS-5」を中心に置き、オリジナル楽曲の練習を行っていた。○「HS-5」を使ってみてどうだった?「HS-5」を試してもらった後、その使用感をバンドメンバーに聞いてみた。【Vo.小嶋さん】「USBメモリーにステレオ録音できるのがいいですね。普段はiPhoneを使って録音していたりするんですが、そうするとどうしてもiPhoneの位置でそれぞれの楽器の音量が違ってしまって……。スタジオの場合もやはり各楽器の音量のバランスがうまくとれないので、なかなか自分たちの演奏をちゃんと録音することができなかったんですよ」【Gt.新井さん】「(スタジオの場合)ドラムの音が大きくなってしまって、それに負けじと各楽器の音量を大きくしていってしまい、結局、音が割れてしまうんです」【Vo.小嶋さん】「この製品を使えば、そういったこともなく、各楽器の音が一つひとつしっかり聴くことができたのが凄く良かったです」【Gt.新井さん】「そうだね、各楽器の音がちゃんと聴こえるからこそ、俺たちって下手くそだなぁって実感させられました。ベースのチューニングが合ってないとか、ドラムのリズムがどんどん早くなるとか、普段、練習時にはなかなか気づくことができず、うやむやにしてしまっていた色々な部分が、この機材によってバラされてしまった(笑)。それと、一般的なミキサーでミックスしただけの音をヘッドホンで聴くと"生音"が汚いんですよ。でもこの機材の場合、それもなかった。アンプを使って出している"いつもの音"をヘッドホンで聴くことができたんです。それにも驚きました。こんな良い音で聴くことができるんだって」【Key.高野さん】「各楽器のボリュームも各自で調整できるのが良かったです。あと操作も簡単だったので、イントロで『あっ私の音デカい!』って感じたときにすぐにバランスを調整できる。これは小さいことかもしれないけど、嬉しかったですね」【Ba.金井さん】「この機材を使えば、あえて自分の音を小さくして、みんなの音を聴くことができるんですよ。そういったこともこれまでは出来なかったので面白かったです」【Dr.田中さん】自分の音が大きいことが多く、周りの音があまり聴こえないなと思うこともあるんですが、そのバランスを調整できるのはやっぱり嬉しいですね。それと、「Vドラム TD-1KV」については、キックペダルも踏みやすいですし、普段ドラムを叩いているときと同じ感じで叩けたので、叩きやすかったですね。【Gt.新井さん】「オリジナル楽曲を作るときにも役立ちそう。変拍子の楽曲を作るのが好きなんですが、変拍子なのか、普通に間違えているのか分からなくなってしまうことがあって。この製品にはメトロノーム機能もついているので、それを使って作れば、さらに複雑な楽曲が作れそう(笑)」【Vo.小嶋さん】「スタジオ練習以外に、この機材を使った練習を取り入れていけば、音の質もかなり上がっていくし、バンドとしてのクオリティもあがっていく気がしましたね」【Gt.新井さん】「Inputが5つあるのも嬉しい。これがあればPCで作った音源もミックスさせた音楽が作れますよ」○あとがきいかがだっただろうか。あくまで今回お願いしたバンドのメンバーには好評であっただけかもしれない。けれど、取材後、ギター担当の新井さんが「今回、このお話をいただいたとき、これは言えないなって思っていたんですけど。俺、ローランド製品が嫌いだったんですよ。だからローランド製品をひとつも持ってないんです。けど、この製品を試してみて、すべてが変わってしまいましたよ。多分、これ買います(笑)」と話すなど、彼らにとっては非常に魅力的な製品であったことは明らかだった。"百聞は一見にしかず"。ローランドファンの方もそうでない人も、一度試してみてはいかがだろうか。
2014年10月10日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は10月6日、衣服やインテリア用品などのテキスタイル(布地)への印刷に特化したプリンタの新ブランド「Texart」の立ち上げと、その第一弾製品「RT-640」を発表した。「Texart」ブランドの第一弾製品となる「RT-640」は、テキスタイルに求められる鮮やかな発色にこだわった昇華転写方式のプリンタ。同社が培ってきたノウハウを活かしながら、製品本体、インク、インクシステム、出力用ソフトウェアをテキスタイル向けに一から設計したという。専用インク「Texart ink」は、CMYKLcLmにオレンジとバイオレットを加えることで、最大8色のインク構成で色域の拡大を実現。また、出力用ソフトウェアには、スイスのErgoSoftが専用に開発した「ErgoSoft Roland Edition」が用意された。印刷幅は最大1615mm、印刷ドット解像度は最大1440dpiとなっている。発売は欧州、北米で2014年中、その他地域では2015年を予定しており、発売後1年間で700台の販売を目指すとのこと。同社は、2013年5月に発表した中期経営計画の中で、成長戦略の1つとして「デジタル印刷技術を最大限に活用した新たなソリューションの提供」を掲げており、デジタル印刷のソリューションを活かせる分野として、テキスタイル向けの印刷市場に着目し、同分野での事業拡大を目的に、2013年10月にテキスタイル事業部を新設した。
2014年10月06日時計ブランド「ロンジン(LONGINES)」は、“エレガンス”をテーマとしたフォトコンテスト「ロンジン フォトコンテスト2014ーコンクエストクラシックー」を開催する。応募期間は10月1日から11月7日まで。コンテストでは、ロンジンがサポートするホースレースを始め、人物、動物、自然などを問わず、被写体の中に潜むエレガンスさを表現した写真を募集。単体写真部門に加え、3枚で1組となる組写真部門を設定した。プロ、アマチュア、年齢、性別、国籍は問わず、日本在住であれば誰でも応募出来る。審査員にはフォトグラファーの杏橋幹彦、桐島ローランド、中川正子などを迎える予定。各部門で最優秀賞とエレガンス賞が設けられ、それぞれ1名受賞者が選ばれる。上位入賞者には、スポーティーでシックなデザインの「コンクエストクラシック」を贈呈。ブランドテーマの“伝統”、“エレガンス”、“パフォーマンス”を忠実にデザインとなっており、自動巻きキャリバーを内蔵。コンテンポラリーなアイテムに仕上がっている。ロンジンは世界のスポーツイベントに公式時計を提供する他、国際的なスポーツ連盟のパートナーとしても活動。ホースレースや乗馬スポーツ、体操競技などでエレガントなパフォーマンスを見せた選手に贈られる「ロンジン エレガンス賞」のサプライヤーとしても知られている。
2014年09月26日モデル、女優、ラジオパーソナリティーなどマルチに活動する桐島かれんは、自らが手掛けるセレクトショップ「ハウスオブロータス(House of Lotus)」の期間限定ショップを伊勢丹新宿店本館5階センターパーク/ザ・ステージ#5で7月23日から8月12日までオープンする。同氏は昨年、東京・広尾にアジア・アフリカ雑貨を中心に扱うセレクトショップ「ハウスオブロータス」をオープン。同ショップでは世界各国を旅しながら育んできた彼女独自のセンスによってセレクトした手工芸品や民具、雑貨などライフスタイルアイテムを紹介する。今回のテーマは、“My Room(私の部屋)”“My Closet(私のクローゼット)”“My Favorite(私のお気に入り)”。これらをそれぞれ3ゾーンに分けて提案する。桐島が自宅でインテリアとして使用している北欧やヨーロッパの家具、アートなど、ハウスオブロータスでは通常紹介されていないアイテムを集積し、会場に“自宅部屋”を再現した。“My Room”コーナーは、同氏が好む北欧家具やビンテージ食器、アジアやアフリカの雑貨やアートなど、時代と国境を越えたミックスカルチャーのインテリアを提案。今回のイベントのために初紹介としてブータン製バスケット(1万2,000円から)を用意。また、『暮らしの手帖』編集長であり「カウブックス(COW BOOKS)」店主の松浦弥太郎がセレクトした和洋古書の書棚も展示。“My Closet”コーナーは、岡山県のアパレルメーカー「キャピタル(KAPITAL)」とコラボレーションしたデニム地のサルエルパンツ(2万4,000円)が登場。 その他、「ミナクシ(Minakusi)」「村澤麻由美」「キジマタカユキ(KIJIMATAKAYUKI)」の個性あふれるブランドも紹介する。“My Favorite”からは、タイで古くから好まれている「青花」の染め付け技法を使った焼き物を使用したキャンドル(2,000円から)を紹介する。担当バイヤーは「桐島さんのお店では、アジア系雑貨の取り扱いが中心だが、今回は特別にご自宅からヨーロッパ系アイテムをお持ち頂いたり、伊勢丹としても彼女の世界観に合うように、入念に相談しながら北欧インテリアや雑貨を買い付けた。会場では、普段見ることのできない桐島さんの(アジアではない)ヨーロッパに対する価値観や思い入れを新たに発見できる貴重な場となる」と語る。
2014年07月22日『桐島、部活やめるってよ』で日本映画界に新たな風を吹きこんだ吉田大八監督が、舞台演出に初挑戦!夏菜と池松壮亮という映像の世界で引っ張りだこの旬な2人を主演に迎え挑む舞台の名は、「ぬるい毒」――その稽古現場に潜入した。原作は吉田監督の長編映画デビュー作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の原作者でもある劇作家・本谷有希子の小説。本谷さん本人が「舞台化不可能」として戯曲ではなく、あくまで小説として発表した作品を“あえて”選び、吉田監督自ら脚本化した。23歳で自分の人生が決すると頑なに信じる自意識過剰の少女・熊田が、彼女に突然、電話をかけてきた向伊という謎めいた男を胡散臭く思いつつも惹かれていく、19歳からの数年間を描き出す。この日、稽古が行われていたのは熊田(夏菜)が彼女に好意を持つ年上男性・原(板橋駿谷)の部屋を訪れるシーン。ミエミエの原の誘いに対し、気のないフリをしつつ乗る熊田。ここで原を相手に人生初のキスを交わすというシーンだが、吉田監督からは時折、もっとぎこちなく、自意識過剰な女子を意識してという意味を込めて「もっと熊田っぽく」という指示が飛ぶ。続いて、東京の大学から帰省した向伊に誘われ、その友人たちも一緒に盛り上がっている居酒屋へと赴くシーン、同じく帰省した向伊と2人きりで心霊スポットである廃墟にドライブに行くシーンの稽古が進められた。ここでも吉田監督は、夏菜さんに対したびたび“熊田らしい”動きや表情、受け答えを要求。稽古を通じて熊田という主人公が形成されていくのが見て取れる。ちなみに、先のキスシーンに続き、この廃墟では熊田がかなり大胆な姿も見せており、夏菜さんの体当たりの演技に注目だ。そんな夏菜さん、池松さん、吉田監督が稽古の合間に取材に応じてくれた。本谷作品ではおなじみとも言える“自意識過剰でプライドの高いヒロイン”を演じる夏菜さんだが、「私は『ああいう時期って私にもあったよな』と思うんです」と意外や共感を口にする。具体的には?という問いに「そこ掘り下げますか…」と苦笑しつつ、「若い頃って無駄にプライドが高かったり、それでいて傷つくのも嫌で背伸びしたり、自分の周りを一枚、殻で覆ってみたり、いろんなことをして大人っぽく見せようとするものだと思う。(熊田の持つ)世間に怒っているような感じは、若かりし頃は私にもありましたよ。最近になって消えましたが(笑)」と明かす。一方、池松さんが演じる向伊もなかなかの曲者。この日の居酒屋のシーンでもそうだが、「バカにしてるのか?」と怒りたくなるギリギリ少し手前のラインを絶妙に行き来し、熊田をイラつかせながらもつかず離れずで、心に引っ掻き傷を残すようないやらしさをも感じさせるが、池松さんは決して彼に対して嫌悪感を持っているわけではなさそう。「みんな、こういうところあるんじゃないですか?こっちが意識するでもなくサラッと言ったことがトゲになることってあるでしょ。そういう積み重ねなのかなと」と語る。一方で、熊田の心理についても「ものすごくよく分かる」とのこと。「本谷さんの書く女の人って男の人の方が分かるんじゃないかなと勝手に思ってます。男の方が弱いですから(笑)」。吉田監督は「僕もまだ手探り」と言いつつも、「毎日、更新されていく感じで、それを見るのが楽しくてしょうがない」と映像とはまた違った楽しみを感じているよう。脚本だけ読んでみると、この癖のある熊田と向伊という役になぜ夏菜さんと池松さんを?とも思ってしまうが、吉田さんは「そういう意外な接点を見つけた気になるのがキャスティングの醍醐味」と、してやったりの様子。「いまのところ、キャスティングで失敗した経験はないので大丈夫。絶対にできる!(この役の要素が2人に)あると思うから」と自信を覗かせる。初日まで1か月を切っているが、夏菜さんは「確実にこれまでと違うキャラ。手応えはまだ分からないけどこれから頑張ります」と意気込み。池松さんも手応えは「まだない(笑)」と言い切るも「これだけ準備したんだから、いつも以上のことができるだろうと信じてます。いま、手応えはなくとも、それは稽古前に脚本を読んだときに確実にあったのでそれを信じてやっていきます」と淡々と意気込みを口にした。舞台「ぬるい毒」は9月13日(金)~26日(木)まで紀伊國屋ホールにて上演。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年09月04日小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウ氏のベストセラー小説を映画化し、昨年一大センセーションを巻き起こした『桐島、部活やめるってよ』が16日、東京・中目黒で月1回開催されている映画の無料上映イベント「ナカメキノ」第2回作品として登場。上映後には本作のメガホンを執った吉田大八監督をはじめ、この日18歳の誕生日を迎えた松岡茉優、東出昌大、落合モトキ、浅香航大がトークショーを行った。その他の写真映画は地方都市の高校を舞台に、バレー部キャプテンの“桐島”が突然部活を辞めたことで、他の生徒たちが途方に暮れる数日間を描いた青春群像劇。1つの出来事を、伏線を散りばめながら複数の視点で描く構成は公開時、多くのリピーターを生んだ。吉田監督によると「2回目が一番面白いという人が多いみたい」。キャスト陣も「観たのは3回」(落合)、「4回観ました」(浅香)、「私は3回目が一番面白かった」(松岡)とやはり複数回、本作を鑑賞していると明かした。さらに吉田監督は「東京でいえば池袋、渋谷、有楽町と場所によってお客さんの雰囲気や笑いのツボが違う」と分析。客席を見渡しながら「きっと、中目黒のツボというものがあったんじゃないでしょうか」と本作がもたらす“地域差”に関心を寄せていた。『クヒオ大佐』『パーマネント野ばら』など大人の男女が織りなす作品を手掛けてきた吉田監督にとって、高校生を主人公に据えるのは本作が初めて。それだけに「キャスト側のほうが、実際の高校生に近いし、一緒に考えないと答えが出ないので『まずはやってみて』と伝えた」と振り返る。一方、松岡は「演技を否定されることがなかった」と言い、本作が本格的な演技デビューとなった東出は「人前で泣くのも初めて。監督から『キャラクターの気持ちでやればいいから』と背中を押してもらった」と吉田監督の現場を語っていた。『桐島、部活やめるってよ』ブルーレイ&DVD発売中
2013年02月18日第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのベストセラー小説を映画化した『桐島、部活やめるってよ』が8月11日(土)、全国で封切られた。東京・新宿バルト9で本編上映後に初日舞台挨拶が行われ、主演の神木隆之介を始め、共演する橋本愛、大後寿々花、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、前田朋哉、鈴木伸之、太賀、そして吉田大八監督という総勢13人の“チーム桐島”が登壇。観客がスタンディングオベーションで出迎えると、早速橋本さんは号泣!「感動しております。人生の中で思い出に残る1日です」(神木さん)、「こんな光景見たのは人生初です。ちょっと戸惑ってしまいましたが、最高に幸せ」(橋本さん)。しかし、この後さらに登壇者を感動させる出来事が…。朝井リョウのベストセラー小説を、吉田監督(『クヒオ大佐』、『パーマネント野ばら』)が映画化。田舎町の高校を舞台に、バレー部のキャプテン・桐島が突然退部するという“事件”に、生徒たちが翻ろうされる数日間を桐島不在のまま、映画部部員の映画オタク・涼也(神木さん)、物静かなバトミントン部部員のかすみ(橋本さん)ら複数の視点で切り取っていく。キャスト陣が思い思いに、公開初日を迎えた思いを語り終えると、今度は「インフルエンザになってしまい欠席した」という本作の佐藤貴博プロデューサーから、一人一人に向けた手紙が朗読され「佐藤さんはこの作品を人一倍愛してくれている。(手紙から)愛情を感じました」(神木さん)。橋本さんの目からは、再び涙がこぼれ落ち「何なんですか、これ…」とぼう然とした表情だった。すると今度は劇場内の照明が落ち、真っ暗な状態に…。神木さんらがパニックになり、再び照明が灯ると、なんと“ゾンビ”の大群が姿を現した。実は劇中、涼也が所属する映画部はゾンビ映画を撮影しているという設定で、映画のクライマックスにはゾンビたちが重要な役割を果たしている。その大団円を舞台上で再現した演出に、登壇者は目を白黒。しかもゾンビ軍団の中には、インフルエンザで欠席していたはずの佐藤プロデューサーの姿もあり、神木さんらを驚き&困惑&爆笑させた。そんな感動サプライズの嵐に、神木さんは「今日はビックリすることばかりですね。こんな楽しく感動した舞台挨拶は初めて。みなさんと楽しい時間を共有できたのも幸せです」と感激しきり。一方、吉田監督は「どうなんですかね…、これ。いやあ参りました」と苦笑しながらも、初日の喜びを噛みしめていた。『桐島、部活やめるってよ』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
2012年08月13日朝井リョウのベストセラーを映画化した『桐島、部活やめるってよ』のメガホンを握った吉田大八監督と主演の神木隆之介がインタビューに応じた。その他の写真バレー部のキャプテン・桐島の突然の退部を巡り、その親友や恋人から全く関係のないはずの生徒まで、学内の人間関係が少しずつ変化していくさまを描いた本作。原作の持つ瑞々しい感覚を最大限に活かしつつ、映画はより鋭くそして、残酷に学校という世界の一面を切り取る。監督は「僕の方が朝井さんより少し意地悪なのかもしれない」と笑いつつ、「僕が一番に感動したのは、小説の最後に出てくる映画部の前田(神木)と桐島の親友の宏樹(東出昌大)のやりとり。ここにたどり着くために物語を作り上げていった」と語る。「ジっとこちらを見つめる視線に心の奥底までのぞかれてしまうような気がした」とは神木が監督に抱いた第一印象。若いキャスト陣と倍以上も年の離れた監督は、この冷静な眼で彼らを見つめ、映画の肝とも言える人物たちの“距離感”を探っていった。「俳優たちが自分の生理にウソをつかずにセリフを言ったり動いたりできるようにしたくて、撮影前にリハーサルだけでなく、ただ一緒に過ごす時間も取ってもらったんです。それを少し離れたところから見て、どうやって彼らにコミットすればこの微妙な関係性を壊さずにカメラに収められるかという間合いを測りました」と慎重な積み重ねの上に作り上げた空気感について語る。前田は“下”のグループに属する一見サエない学生だが、神木は「何を言われても『これがやりたい』と言える芯の強さに共感した」と明かす。さらに「前田は監督自身なんじゃないかと思うんです」とも。それは吉田監督に演技指導を受けながら抱いた感覚だった。「前田という男の子が監督を通してスッと僕の中に入ってくる不思議な感覚でした。これまでのどの監督の指導とも違って、吉田監督からはそのまま人物を渡されたような感じだったんです」。そんな神木の言葉に吉田監督は「最初は『勘違いだよ』と言ってたんですが、あちこちで神木くんがそう言うのを聞く内に、自分でもそんな気になってきて混乱してます」と苦笑を浮かべるが、称賛を込めて「やはり前田は誰よりも神木くん自身」と言い切る。「日常をやり過ごしながらも大事なものを守る強さを神木くんも持ってると思います。前田はカメラを通じて世界と“対決”するわけだけど、そこに神木くんが自分の中から引き出してきた説得力をしっかりと感じましたね」。『桐島、部活やめるってよ』8月11日(土)より、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹
2012年08月09日1996年の大ヒット作品『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督と脚本/製作を務めたディーン・デヴリンが11年ぶりに再タッグを組み、同作の続編『Independence Day 2』(原題)の製作が遂に始動したようだ。デヴリン氏によれば、現在のところ制作は順調に進んでいるとのこと。エメリッヒ監督と共に「興奮している」と語っている。「どうなるかは言えないけど、11年ぶりにローランドと仕事を一緒にしているんだ。いろんなアイディアが行き来しているんだけど、それらが組み合わさるかどうかは分からないね。でもそうなってほしいよ。ローランドと第1作を作って以来初めてのことで興奮しているし、続編に適したアイディアがあるから、後は幸運を祈るだけだよ」。さらに、デヴリン氏は10年前に続編企画が持ち上がった際に“多額のギャラ”を受け取ったものの、実際に書き出してみたストーリーに納得しなかったため、そのギャラを返したという逸話を明かしつつ、今回の再始動の実現はエメリッヒ監督の説得があったおかげだと「Comingsoon.net」に語っている。「僕らにはすごいプレッシャーがあったんだ。何年もの間、みんなが続編のことを聞いてきたしね。でも続編に適したストーリーがなければ決して作るつもりはなかったんだ。実際、10年前に『Independence Day 2』の脚本執筆を依頼されて、多額のギャラを受け取ったんだ。でも書き終わった後、僕はギャラ全額を返して『そのスクリプトは読まないでくれ。脚本はまずまずだけど、「インデペンデンス・デイ」の続編としては相応しくないんだ』って言ったんだ。だからその当時、“今後は絶対に続編に手をつけるもんか”って誓ったんだよ。でもね、1年半前にローランドが僕に電話してきて『もう一回トライしてみようよ』って言ったんだ。それで僕らはパームスプリングスで心に決めたんだ。それで『本物の続編にするよ。作る意味のある続編にするんだ。ファンをがっかりさせないようなね。僕らがそもそも作りたかったものにするんだ』って言ったんだよ。だからぜひともそうしたいんだ。どう転ぶかは分からないけどね」。
2012年07月31日ある日突然、学校のスターである「桐島」というひとりの人物が部活を辞めるといううわさに振り回される周囲の高校生たちの人間模様を瑞々しく描いた、新たなる青春映画『桐島、部活やめるってよ』。主演の神木隆之介や橋本愛、大後寿々花を始め、600人を越えるオーディションを勝ち抜いた若き原石たちの活躍する本作で、映画デビュー作ながら一際存在感を放つ新進俳優、東出昌大の“男泣き”映像をシネマカフェが先行入手!数々の映画賞を受賞した『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』など、群像劇を得意とする吉田大八監督の真骨頂とも言うべき本作。姿を見せない「桐島」という人物を中心に、学校内でのグループの棲み分けや将来への葛藤、違和感、そして淡い恋心など、10代ならではの感情をまるで本物の学校を覗き見しているかのように、リアルかつ重層的に描き出している。監督独自の選択眼によって、600人以上が参加するワークショップ形式のオーディションで選ばれた若きキャストたちは、経歴もキャラクターもバラバラ。高知県で行われた1か月以上に及ぶ合宿生活で臨んだ撮影現場には、映画同様の“ガチ”の青春が渦巻いていたとか。シネマカフェに到着した東出さんのインタビュー映像は、昨年12月、まさにその撮影のオールアップを迎えた後で撮られたもの。吉田監督自らが最も時間と労力をかけて選び抜いた人物とあって、劇中でも一際スター性を感じさせる彼。モデルとしてパリコレクションなど海外でも活躍している、まさに原石であるが、初めての映画、それも倍率の最も高かった役どころということに対してプレッシャーもさぞかし大きかったのだろう。全ての撮影を終えて解放されたのか、堪えていた涙があふれるのも構わず、本作に賭けていた思いを口にする。こちらの映像のほかに、若きキャストたちの素顔や本音を垣間見れるメイキング映像をそのまま映し出した映像や、彼らがキャラクターとしてインタビューに答える“フェイクインタビュー”の映像で構成された5種類のスペシャルテレビスポットが、WOWOWのみで既に先行放送されている。映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイトでも公開予定なので、ぜひほかの映像も合わせてチェック!『桐島、部活やめるってよ』は8月11日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
2012年07月31日注目の新鋭作家・朝井リョウのベストセラー小説を映画化した『桐島、部活やめるってよ』の公開に先立ち、日本映画界初!? となる“太っ腹”な招待企画が決定した。その他の写真本作は学校一の人気者である男子生徒・桐島が部活をやめたことから、校内の微妙な人間関係に変化が生まれていく様を追った青春群像劇。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『パーマネント野ばら』などの吉田大八監督が、本物の学校を覗き見しているようなリアルかつスリリングな演出で、少年少女たちの複雑な心模様を映し出す。神木隆之介、橋本愛らフレッシュな顔が揃ったキャスト陣にも注目の一作だ。今回決定した招待企画は、“全国一団体限定”でメンバー全員分の劇場鑑賞券をプレゼントするというもの。“沢山の人に映画を観て欲しい”という想いに端を発し、吉田大八監督と佐藤貴博プロデューサー発案でチケット代はふたりのポケットマネーから賄われることとなった。劇中にバレー部、映画部、バドミントン部、吹奏楽部といった数多くの部活が登場することにちなんだ企画だが、クラブ活動に限らず、サークル・同好会などによる応募も可能で、学生に限らず一般からの応募も受け付けるという。さらにはクラブの人数も不問。応募方法は団体名・団体が所在する都道府県名・活動内容とPRを記載のうえ、“メンバー全員の集合写真”を提出するだけと、いたって簡単なもの。吉田監督と佐藤プロデューサー自らが選考にあたる。名門高校の野球部ともなると部員が100人を超す場合もあることから、最大でひとり当たり10万円近い負担となる可能性もあり、選考結果にも注目が集まる。また、選ばれた団体の写真と団体プロフィールは公式サイトなどで発表される。応募期間は7月27日(金)から8月8日(水)まで。詳細は公式ホームページに掲載中だ。『桐島、部活やめるってよ』8月11日(土)より、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー文:渡部あきこ
2012年07月27日『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督が、小説すばる新人賞を受賞したベストセラー小説を映画化した『桐島、部活やめるってよ』の無料試写会が7月3日(火)に早稲田大学で実施されることが決定した。その他の写真『桐島、部活やめるってよ』は、成績優秀で彼女は校内一の人気者というバレー部のキャプテン桐島が、ある日突然、部活を辞めたことで、歪みはじめる人間関係を描いた青春映画。神木隆之介を主演に迎え、橋本愛、大後寿々花らが出演する。今回の試写会は、原作者の朝井リョウ、吉田監督、プロデューサーの枝見洋子氏が早稲田大学出身であることから実現。当日は上映後に、吉田監督と枝見氏、映像作家としても知られる安藤紘平教授が登壇し、Q&Aが行なわれる予定だ。参加希望者は事前受付不要で、当日、直接会場に来場すれば、定員 1100人まで無料で入場できる。学生だけでなく、一般の観客も参加できるため、当日は多くの観客が足を運ぶことが予想される。映画『桐島、部活やめるってよ』公開記念特別試写会&Q&A日時:7月3日(火)16:00開場/17:00開映※上映後Q&Aあり19:00~19:40会場:早稲田大学大隈大講堂(定員1100名)登壇者:吉田大八監督、枝見洋子プロデューサー、安藤紘平教授対象:学生・教職員・一般(事前受付不要/当日直接会場へ)『桐島、部活やめるってよ』8月11日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年06月08日