長野県軽井沢を拠点に森や野鳥といった自然の道先案内人をしてくれるピッキオ。冬から春にかけては、クロスカントリーやスノーシュー(西洋かんじき)で森を散策する『雪の森ハイキング』ツアーを開催している。徒歩では困難な雪の上も、クロスカントリースキーやスノーシューを使えば泳ぐようにスイスイ進める。普段は行けないような場所まで、森のことを熟知したガイドが案内してくれるので、きっと野生の生き物たちとの思いがけない出会いが待っているはず。例えば冬になると遥かシベリアからやってくるという渡り鳥。森の奥に佇む樹齢何百年という巨大なトチノキ。雪の上に残されたかわいらしいウサギの足跡。キツネの足跡を見かけることもあるらしい。『雪の森ハイキング』は小学生から参加可能なので、親子で自然に触れてみたい人には絶好の機会だ。ピッキオでは「森本来の姿を未来の森に」という理念の下、自然の不思議を解き明かすさまざまなエコツアーを行っている。日々の喧騒を離れ、冷たく澄んだ空気の中で冬の自然を満喫しよう。お問い合わせ:ピッキオ 公式サイト ~動物の足跡を追って白銀の世界へ~ 雪原ピクニック開催日:12月23日(金・祝)~2012年3月15日(木)時間:13:00~16:00 小学生~大人(小学生は保護者同伴)料金:\7,000(スキーまたはスノーシューレンタル代込)
2011年12月28日映画を観ていると、作品を観終わった後の気持ちを言葉に置き換えることが難しいと感じることがあります。『ノルウェイの森』もまさにそう。その圧倒的な世界観と、その中で提示される愛と生に、何があっても生きていく人間の姿に、ついぼんやりとしてしまいました。試写室を出ると、出口調査さながらに、宣伝担当者に呼び止められて「いかがでした?」と尋ねられることもあるのですが、今回、それがなかったことを本当によかったと思っています。「おもしろかった」、「楽しかった」、「凄いですね」などと、簡単な言葉で語り始めることができる作品なら問題ないのですが、『ノルウェイの森』を観た後の第一声は、なんと発したらいいのかいまも思い浮かびません。あえて選ぶなら主人公ワタナベの言葉を借りて「ちょっと事情が込み入っていて、うまく説明できないんだ」となるのかもしれません。私の込み入っている事情とは、“作品は素晴らしかったけれど、やはり小説とは別物として考えるべきなのだろうと自分を納得させていいのかどうか決めかねていた”というところでしょうか。そもそも、映画化の話を聞いたときには、すでに小説の世界で完璧な姿をしている「ノルウェイの森」であるだけに、そんなことをして何になるのだろうかとか、そんなことが可能なのかということを考えました。村上春樹作品を愛する者のひとりとして。ファンタジックな中にも、とことん現実的で哲学的なテーマが潜んでいる彼の作品。力強いのに繊細で、美しいのに悲しくて、刹那的なのに永遠で、激しいのに静謐で…という独特な空気感と深さゆえ、村上作品の映画化は不可能と言われ続けてきました。もちろんそれが意味するところは、物理的な不可能性ではなく、その世界観を映像として表出させることが極めて難しいということ。私は日頃から、できることと、やっていいことは違うと考えていますが、優れた小説を映像化することにも慎重であるべきだと思ってきました。ここ数十年、映像技術の発達により、かつて映像化は不可能だとされてきた作品が続々と映像化されてきましたが、その流れにもちょっと眉をひそめてきた私。しかも、今回は、唯一無二の世界観を持つ村上作品。つまり、映像化した途端に、それは全くの別物になるということは分かりきったことなのです。これは常に原作ものにつきまとう議論ではありますが、やはり村上春樹という特別な作家については、その議論がひときわ白熱しても不思議はないのでしょう。たしかに、映画は別物でした。でも、面白い発見となったのは、村上ワールドに寄り添うかのようにトラン・アン・ユン監督の世界が共存していたこと。「『ノルウェイの森』という作品は自分にとって特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でも、トラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」というのが、村上氏本人の言葉。村上春樹ファンの全員が、その映画化作品に納得することなどありえないのでしょう。でも、村上氏が自ら“特別だ”と語る作品の映像化にOKを出した背景には、「トラン監督ならば」という信頼があったはず。その信頼のほどを、出来上がった映像から汲み取ることは難しいことではないし、それが転じて、「トラン監督しかいなかった」という気持ちにさせてくれることも事実なのです。学生運動が華やかなりし時代に多感な青春時代を送った若者たちの物語や複雑な事情や感情が絡み合った恋愛物語について描かれた小説や映画は多くありますが、それでも村上春樹の作品は別格。彼が生み出す独特の空気感は、やはりその言葉選びとリズムに由るところも大きいわけですが、その文学的な言語表現をどのように映像として表現するのかは、ひとつの見ものでもありました。最大の難所のひとつとして私が注目していたのは、主人公たちの発する言葉。彼の作品に登場する人々は、言葉をきちんと選びながら独特のリズムで話をします。それが何か重いものを背負ってきた登場人物たちのひとつの特徴でもあり、悲しみから生まれた優しさのようなものを漂わせてもいるのですが、主人公たちは、言葉を省略することなく、語尾を曖昧にすることもなく、しっかりと気持ちを伝えようとするのです。それがなぜ難所なのかといえば、それこそが最大の村上作品の特徴のひとつでもありながら、音にしてしまうと違和感を覚える種類のものであるのも事実だったから。やはり懸念していた通り、俳優たちが繰り出す言葉が、“いかにもセリフ”に聞こえてしまう瞬間が何度かあって、それについては残念だなと思ったものです。やはり村上作品は、文字の世界でこそ完璧でいられるのだと確信した瞬間でもありました。ただ、そこまで考えさせてくれるものこそ、村上ワールドならではなのかもしれません。矛盾しているかもしれませんが、そんなことに気づかせてくれたこともあり、トラン監督が“映画化するなら日本人のキャストで”とこだわってくれたことのありがたさ、そしてその理解の深さには感謝するばかりです。「原作がある映画化をする際には、映画はその原作に似ていなくてはならない。それは肖像がと同じようなことで、本人に似ていなくては意味がない」。これがトラン監督の言葉。確かに映画『ノルウェイの森』は、小説「ノルウェイの森」本人ではないけれど、似ています。監督の言葉を借りるなら、映画『ノルウェイの森』は、トラン・アン・ユンという画家が描いた、小説「ノルウェイの森」の肖像画と言えるのかもしれません。(text:June Makiguchi)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2010年11月24日俳優、松山ケンイチとお笑いトリオ・森三中の黒沢かずこが「スカパー!」CMキャラクターに抜擢され、新婚夫婦役で初共演することになり10月28日(木)、東京・THE GRAND HALL品川で行われた発表会見に出席した。2人が結婚を機にスカパー!ユーザーとなる新婚夫婦を演じるシリーズCMで、上映された第1弾「宣言・披露宴」篇は披露宴で泣きじゃくる新婦(黒沢さん)を新郎(松山さん)が笑顔で見守る内容。披露宴風のセットにスーツ姿で登場した松山さんは「夫婦役はやったことがなかったけど、黒沢さんの天真爛漫なキャラを見ているだけで幸せになれたので、苦労したことはない」と楽しんだ様子。すかさず黒沢さんが「普段、11歳だと思って生活しているので」と言葉をはさむと、松山さんは「11歳らしさは感じましたが、受け止めず流しているところもあり、そこに信頼し合っている様子が出ていて、いいCMになっています」と上手くPRした。黒沢さんは冒頭から「妻の黒沢です。ヤバイ、最初にこのお話を聞いて、ヤバイ、松ケン見れんの?いままで結婚しなくて良かったと思いました」とハシャぎ気味。「TVや映画で見てクールなんじゃないかと思っていたら、超、超親しみやすかったです。(お笑いコンビの)カラテカの入江さんくらい緊張しなかった」と嬉しそうに語った。初共演してみての互いの感想を、松山さんは「声がかわいらしく特徴がある」、黒沢さんは「友人の椿鬼奴が、藤井隆と顔立ちが似ていると言っていたんですけど、そんなことねえよ!と思った」と会場の笑いを誘った。“結婚”を描いたCMだけに、松山さんは退場時、以前より報じられている女優の小雪との熱愛について「新婦姿は近く見られそう?」、「交際は順調?」などと取材陣から声掛けされていたが、無言で照れたようにお辞儀をし、足早に立ち去った。こちらのCMは10月30日(土)から全国でオンエア。(photo/text:Yoko Saito)「スカパ−!」公式サイト:■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョンGANTZ 2011年1月29日より全国東宝系にて公開© 2011「GANTZ」FILM PARTNERSマイ・バック・ページ 2011年、全国にて公開僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会クロサワ映画 2010年8月1日よりヨシモト∞ホール、神保町花月、ヨシモト∞ホールOSAKAにて、10月9日より新宿バルト9、横浜ブルク13、梅田ブルク7、T・ジョイ京都ほかにて順次公開© 吉本興行/フジテレビジョンゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:平井堅が死んじゃう?新曲「アイシテル」映像は涙必至特注サイズの棺桶から熱唱松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生松嶋菜々子アジア版『ゴースト』にろくろシーン「あります」
2010年10月28日村上春樹の大ベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』の主題歌に、タイトルの由来にもなっているザ・ビートルズの「ノルウェーの森」の原盤が使用されることが決まった。世界配給の日本映画で、ビートルズの原盤が主題歌として提供されるのは初めてのこととなる。1987年に刊行されて以来、日本のみならず世界中で出版されている村上さんの代表作を映画化した本作。原作では、学生運動が盛り上がりを見せていた時代、主人公であるワタナベと彼の死んだ親友の恋人であった直子、同じ大学に通う緑らを中心に、若者たちの喪失や再生、青春の苦悩が綴られる。デビュー作『青いパパイヤの香り』以来、常に質の高い作品を送り出しているトラン・アン・ユン監督の下、松山ケンイチ、菊地凛子、玉山鉄二といった俳優陣で映画化されることが2008年に発表され、注目を集めてきた。原作の「ノルウェイの森」というタイトルは、ザ・ビートルズが1965年に発表した名盤「ラバー・ソウル」に収められている「ノルウェーの森」に由来しており、劇中でも登場人物が同曲を弾き語りで演奏するなど、作品の中で重要な役割を果たしている。一見、同曲を主題歌で使用することは当然のことのように思えるが、さにあらず。ビートルズの楽曲の原盤をこうした形で使用するのは容易ではなく、撮影前の段階から交渉は難航。本作の小川真司プロデューサーは、一時、原盤ではなく「ノルウェーの森」のカヴァー曲を主題歌にすることも検討したというが、同曲を仮あてした編集を見て、やはり原盤以外にありえないと思い直し、1年以上の交渉を経てようやく使用許諾を得たとのこと。ビートルズのカヴァー曲が映画に使用されることは多々あるが、彼らの演奏による原盤の使用許可が出るのは非常に稀なことで、日本での窓口であるEMI MUSIC JAPANのシニアプロデューサーである藤村美智子さんも「1999年にザ・ビートルズの制作担当になって以来、様々なビートルズ楽曲使用に関するオファーをいただきましたが、実現したことも、実現に近づいたことさえもなかったので今回の主題歌使用に許諾が出たことは、正直大変驚きました」と驚きを隠さない。さらに藤村さんは「交渉を始めた時点で、(本国)EMI-UKの担当者は既に原作を読んでいたようで、“『ノルウェイの森』は素晴らしい作品だ”とコメントしていたので、村上春樹さん、そして彼の小説の素晴らしさがイギリスでも知られているのだと思ったのを記憶しています。楽曲使用の許諾にもきっと大きな影響があったのではないでしょうか?」とも語っている。トラン・アン・ユン監督は「原作における『ノルウェーの森』という曲の重要性から、原盤を起用するのは必然的な事でした。映画をご覧になった観客が、たったいま体験したドラマの余韻に浸るための空間作りが出来るように、特定の場所にこの曲を使用しました」とファンの期待をあおる。小川プロデューサーも「まだ村上さんから映画の許諾をいただく前、一番最初にトラン監督にメールを送ったときに、原作映画化の許諾と同じぐらいビートルズの原盤を使うのは難しいよ、と書いたのを覚えています。自分の中ではそれぐらい、この曲と原作が分かちがたい印象を持っていたので実現できてよかったと思っています。原作では冒頭でビートルズの曲が流れ、主人公のワタナベはそれまでの出来事の全てをふり返り、時の流れを思い起こします。映画で生のビートルズのメロディを聞くと、原作の大人になったワタナベのかき乱されるような感情を実感できると思います」と監督同様、自信をうかがわせるコメント。果たしてどのシーンでどのように使用されているのか――?そのシーンがもたらすのは寂寥感か?青春の苦味か?それとも…。映画『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!2010年、最も活躍する俳優は?『かいじゅうたちのいるところ』Tシャツを3名様プレゼント“堕天使”ジョシュ・ハートネットが語る『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』
2010年07月14日