何気ない瞬間の表情や仕草が妙に愛らしい。ドラマ『半分、青い。』をはじめ、さまざまな作品でスパイス的な役割を果たしている矢本悠馬さんに、お話を伺いました。役者って、言葉にできない気持ちを表現するのが醍醐味だと思うんです。――たくさんご覧になった映画やドラマで、こういうものに出てみたいと思うものはありました?矢本:なかったですよ。ただ、出たいというより、羨ましいなという役はありました。できないけれど、『マスク』のジム・キャリーの芝居はヤバかったですね。外見だけじゃなく中身も役が憑依しちゃっているようで、世界にはこんな人がおるんやって。あとは、映画『ゆれる』の香川照之さんかな。役者って、嬉しいとか悲しいとかじゃなく、もっと複雑な言葉にできない気持ちを表現するのが醍醐味だと思うんです。香川さんは、あの役の人生を経験していないのに、あのラストカットの表情は、まるで本当に経験した人の顔で、ゾッとしました。衝撃でしたね。――自分が経験していない人生を演じるのがお仕事ですが、矢本さんはどうされていますか?矢本:すごいピュアな人も、大量殺人を犯すような人も、この世には存在するわけで、遠い別次元のところにいるとは思っていないんです。僕は、親にも友達にも恵まれたけれど、違う環境に育っていたら、どうなっていたかわからないわけです。人殺しにも、仏心の持ち主にもなっていた可能性はあるわけで。だから、あまり役作りとかは考えていないかも。見せ方というのは考えますけどね。――テストを見て変える、とか?矢本:僕、テストとリハーサルと本番で、全然芝居が違うんですよ。自分のセリフをどこまで面白くできるかをつねに考えていて、思いついたら試すんで、本番で全然違うものになることも多いです。――矢本さん自身が面白がれる役とは、どんな役なんでしょう。矢本:ぶっちゃけ、出番が多いとモチベーションも上がりますし、計算してやれますから面白がれる。とはいえ、ワンポイントでオイシイ役もありますからね~。…ただ、誰がやってもいいじゃん、っていう役はあまりやらないかもです。――ラブロマンスとかは?矢本:えーっ、それはやりたくないかも。普段、NGをほとんど出さないんですけれど、恋愛的なシーンがあると、照れて、めっちゃ出すんですよ。自分にイラつくくらい。壁ドンを初めてやった時、28回出しましたからね。カッコつけるっていう引き出しがマジで欠けちゃってるんです。――コメディリリーフ的役柄が多い印象ですが、映画『レディ in ホワイト』では普通の会社員役。失礼ですが、リアルなお芝居も上手な方なんだなと思いました。矢本:じつはストレートな芝居って一番難しいんですよ。嘘がつけないんで。今回は自分でもあまり見たことない顔をしていて、ちょっと恥ずかったです。ああいうリアルな芝居は、もうやりたくないです(笑)。僕は、作られたもので人を感動させたいんですよ。計算して、技術で作り上げたもので騙したい。それが気持ちいいんです。やもと・ゆうま1990年8月31日生まれ。京都府出身。映画『ぼくんち』で映画デビュー。大人計画出身。近作に、ドラマ『半分、青い。』『フェイクニュース』『ルームロンダリング』、放送中の『今日から俺は!!』のほか、2019年の映画『賭ケグルイ』『アイネクライネナハトムジーク』や、1月期の連続ドラマなど多数の作品が待機している。矢本さんが出演する映画『レディ in ホワイト』は11月23日より、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほかで順次公開。裕福な家庭で何不自由なく育ってきたヒロイン・如月彩花(吉本実憂)が、理不尽な仕事を押し付けるパワハラ上司に立ち向かっていくお仕事コメディ。矢本さんは如月の先輩社員を演じている。シャツ¥46,000(スタジオ ニコルソン/キーロTEL:03・3710・9696)パンツ¥16,000(バージスブルック/プーオフィスTEL:03・6427・7081)usedのシューズ¥12,000usedのチェーンブレス¥6,000(共にラムホール ベルーフTEL:03・5489・6567)※『anan』2018年11月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・市野沢祐大(TEN10)ヘア&メイク・Reina(TRS)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年11月21日グラビアアイドルの白川悠衣が20日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD&ブルーレイ『悠衣尻』(ともに発売中 各4,104円税込み 発売元:ラインコミュニケーションズ)の発売記念イベントを行った。高校卒業を機にモデルとして活躍した後、今年からグラビアに活躍の場を移すと、週刊誌で掲載されたグラビアが大きな話題を集めた白川悠衣。167cmという高身長に上からB85・W58・H85というスレンダーボディーが魅力で、現在は芸能活動と並行しながらアパレル会社に勤務するという"二刀流"で活動している。2枚目となる同DVDは、今年6月に千葉の南房総で撮影。会社の上司と出張旅行というシチュエーションの中、際どい衣装となって自慢のヒップを限界露出するなど、白川の魅力が詰まった内容となっている。プライベートの勝負服という黒のセクシーなワンピース姿で取材に応じた白川は「今回は出張先で上司と楽しむ内容になっています。シーン的には上司と待ち合わせするところから始まり、ベッドのシーンやお風呂のシーンなどがあります。私が一方的に恋心を抱いてる設定なので、出張中にガンガンアプローチしていく白川が楽しめると思います」と最新作を紹介。オススメのシーンについては「ケガをした先輩を手当する保健室のシーンがあるんですが、なぜか着ていた服をあれよあれよと脱がされて手ブラになってしまって(笑)」とありえない展開に苦笑いも「しっとりと撮ってもらったシーンなので、セクシーに仕上がっていると思います」と自信を見せた。今回、白川は会社の上司と出張先でイケないことに興じる女性役を演じた。実際の会社では「ありえないですね(笑)。こういう夢のある話も素敵だとは思いますが」とし、「めちゃくちゃ格好良くて仕事が出来る上司ならありかも。色んな意味で余裕がある男性となら」と相手に対する条件も。また、同DVDでは男性に対して積極的にアプローチする女性役を演じたが、私生活でも「伝えたいことは伝えるタイプだし、駆け引きが得意ではないので、私は直球勝負です」と積極的なタイプであることを明かしていた。
2018年10月22日書籍『イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事』(HeHe刊)の発売記念展が7月1日まで、東京・銀座の森岡書店で開催されている。『イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事』は2016年にドイツの出版社タッシェン(TASCHEN)より出版された三宅一生の“集大成”ともいえる大型本『Issey Miyake 三宅一生』に収録された小池一子のエッセイ8章に、書き下ろしの第9章を加え、新たな読み物として昨年末に刊行されたもの。今回の発売記念展では、同書にも収録されている日本を代表するアーティスト・横尾忠則が手掛けたイッセイ ミヤケ パリ・コレクションの招待状の中から厳選した11種類・15点(表裏別デザインの場合は上下に2枚のパネルを用いて)を展示。関係者のみへ送られる非常に貴重な招待状の巧みなグラフィックや紙のテイスト、印刷技術へのこだわり、圧倒的な美しさを体感できる。また、横尾が初めて手掛けた1977年の招待状から、デジタル技術を駆使した99年の招待状まで、時代と横尾の作風の変化も感じることができる。会場を訪れた著者の小池は、「まだ、若いデザイナーだった三宅一生さんが同じく若いアーティストだった横尾さんと出会って生まれた招待状は、コンテンポラリー感覚のキャッチボールのようなもので、同時代感覚を表現したとても貴重なもの。それをもっとたくさんの人たちに知らせたいと思った」と話した。【イベント情報】『イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事』発売記念展期間:6月26日~7月1日会場:森岡書店住所:東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル時間:13:00〜20:00
2018年06月30日「悠仁さまも5年生の3学期をお迎えになりました。中学校入学まで、あと1年ほどということで、そのご進学先に大きな注目が集まっています」(皇室ジャーナリスト) 秋篠宮家の長男である悠仁さまは現在、東京都内の小学校に通われているが、男子児童は過半数が中学受験をする。悠仁さまと同じ学校に子供を通わせる保護者は言う。 「保護者同士の話題も、どうしても志望校や勉強のことになってしまいますね。私たちの間では悠仁さまのご進学先は『提携校進学制度』を利用しての、筑波大学附属中学校(以下、筑附)が“本命校”になっています」 実は悠仁さま以外にも、保護者の間で話題になっている5年生の児童がいるという。 「バイオリニスト・葉加瀬太郎さん(50)とタレント・高田万由子さん(47)のご長男・Aくん(11)です。ずっとロンドンで生活していたそうですが、昨年9月に編入してきたのです。頭も良くて、音楽や料理も得意だそうで、すでに学内で人気者になっています」(前出・保護者) 葉加瀬・高田夫妻の長男が、悠仁さまの“ご学友”になっていたというのだ。実は高田は、この状況を11年前に“予言”していた。 ‘06年9月6日に誕生された悠仁さま。日本中が喜びに沸くなか、多くの著名人がお祝いのコメントを出したが、高田もその1人だった。彼女自身もその1カ月ほど前にAくんを出産したばかり。悠仁さまのご誕生当日、東京都内で報道陣の取材に応じた彼女は、こう語っていた。 「紀子さま、ご長男誕生、おめでとうございます。私は、お腹のなかにいるときから、肋骨が折れるかと思うくらい蹴られました。でも上に女の子がいる男の子は穏やかになると言われました。(お姉さまがお2人いる悠仁さまも)優しい男の子にお育ちになるのではないでしょうか。(長男には)ご学友を目指してもらって、(紀子さまと)ママ友達になりたいです!」 長男の編入について取材を申しこむと、高田の所属事務所の担当者は次のように答えた。 「(編入は)長男の『自分は日本人なのだから、日本の学校にも通ってみたい』という希望もあり、決めたことだそうです。学校は、帰国子女を受けいれてくれること、日本の自宅から通えること、などの条件で探しました。“悠仁さまと同じ学校に”という意識は特になかったそうです。高田も日本に帰国したというわけではなく、これまでどおり、イギリスと日本を行き来する生活を続けています。今後の長男の中学進学に関しては、日本の中学に通うのか、それともイギリスで進学するのかなども、まだ決めていないそうです」 悠仁さまの小学校生活もあと1年。新しいお友達も増え、より充実したものになるように願うばかりだ。
2018年01月24日一目見て見て気に入ったという青山の物件でスタートした森岡さんのお店も、今年で早14年目。森岡さんの作るニューヨーク仕込みのオリジナルマフィンは好評で、着々とファンが増え続けています。起業して14年目を迎えた森岡さんに、起業することのメリットやデメリットを率直に聞かせていただきました。自分で考えたことが成功するのは本当にうれしい森岡「起業することのメリットは、何よりも自分の好きなことができることです。最近は店舗で商品を販売するだけでなく、いろいろなイベントに参加しているのですが、それがすごく楽しくて!自分で考えて実行したことが成功するというのは、本当にうれしいことですよ」楽しそうなイベントから声がかかれば積極的に参加したり、数年前からは店舗内でお菓子作りレッスンにも挑戦しているそう。常に新しいことに挑戦して、わくわくした気持ちで仕事に取り組んでいるそうです。もちろん、苦労やトラブルもゼロではありません。森岡「過去に購入商品の同梱漏れなどで、お客様に謝罪をしたこともあります。私たちの商品を何かの記念日に購入してくださる方も多いんです。そんなときに商品の同梱漏れがあると、お客様の大切な記念日を台無しにしてしまったと、本当に申し訳ない気持ちになります。その際には、誠心誠意謝りました」多少のトラブルはあるものの、順調にお店を続けてきた森岡さん。今の働き方に不安を感じたことは全くないのでしょうか?仕事で起こったことは、すべて自分の責任森岡「昔は自分で決めて自分の好きなようにやることがとても楽しかったですけど、最近になって、全部自分で決めなければいけないって結構大変なんだな、と思うこともあります」仕事で起こったことはすべて自分の責任、誰のせいにもできません。そういう状況にプレッシャーや不安に感じることもあるそうです。森岡「でも、悪いことを他人のせいにしてしまうのは簡単ですが、誰のせいにもできないという責任感が私を成長させてくれるんだ、と前向きに考えています」では、本気で落ち込んだり、くじけそうになったことは?森岡「自分でお店をやっていて、もうだめだ!と思うことなんていくらでもありますよ。毎日のように思ってます(笑)。それでも、お客さんに私の作ったマフィンを食べてほしいという思いをモチベーションに頑張っています」今のような働き方は、自分に合っているちなみに森岡さんは、起業という働き方以外の選択肢を考えたことはあるのでしょうか。森岡「ないかもしれません。私は人の言うことを聞けないので、会社員は無理なんだろうなと思っていました(笑)。今のような働き方は、自分に合っていると思います。会社員よりも税金などの負担が大きいと思うことはありますけど、そのぶん自分のやりたい仕事をやれているので、バランスが取れていると思います」当然良いことばかりでなく、不安や苦労もあります。それでも森岡さんが楽しく仕事をしている理由は、自分の好きなことを突き詰めているからなのでしょう。<vol.03に続く>◆店舗情報◆A.R.Iエー・アール・アイTEL:03-5774-8847住所:東京都港区南青山5-9-21 2F営業時間:[火~土] 11:30~19:00 [日・祝] 12:00~18:00定休日:月曜・第1と第3日曜
2017年05月17日ダニエル・キイスの同名小説が原作のミュージカル『アルジャーノンに花束を』が3月2日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、主演の矢田悠祐、水夏希が登壇した。ミュージカル『アルジャーノンに花束を』チケット情報原作は1959年に発表された名作小説。世界3か国で映画化され、日本でも2度テレビドラマ化されている。ミュージカル版は、2006年に浦井健治主演で日本初演され、2014年にも同じく浦井主演で再演。今作でキャストが一新され、矢田が自身初となる主演に抜擢された。脚本・作詞・演出は、矢田が出演したミュージカル『王家の紋章』(2016年)の荻田浩一が初演から手掛けている。物語は、32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリィ・ゴードン(矢田)に、ある話が舞い込むことから始まる。それは、大学の先生が「頭を良くしてくれる」というものだった。この申し出に飛びついた彼は、白ネズミのアルジャーノン(長澤風海)を競争相手に連日検査を受ける事に。やがて手術によりチャーリィは天才に変貌したが――。ゲネプロ前に行われた囲み取材で、初主演の心境を聞かれた矢田は「正直どうなるかわからなくて。終わったときにどういう気持ちになるんだろうなっていうのが今の心境です」と緊張の滲む発言。本作の魅力について「SFなんですけどリアリティがあって、どの瞬間もどの関係も誰もが体験したことがあるようなエピソードが詰まっています。身につまされたり、嬉しかったり、悲しかったり、励まされたり…その瞬間瞬間が一人ひとりのお客さまの心を揺さぶる」と水。自身の役柄について矢田は「シーンによって全然違う人になった気分。すごいスピードでどんどん階段を上っていくので、その成長の段階や心の動きに自分が追いつかないときがあって。そこに食らいついていくのが今も大変です」。前作との違いを問われ「演じる人間が違うし、荻田さんは演じる人の個性に合わせて演出をしてくださるので、自然と違う形になってるかなと思います」(矢田)と話した。幕が開き、幼児並みの知能のチャーリィとして登場した矢田は、ピュアな魅力を纏い美しい歌声で物語の世界に誘い込む。全てひらがなで話していたような言葉は、知能が高まるにつれ少しずつ漢字が混じって聞こえ、あっという間に容易に理解できない言葉になる。しかし、言葉の成長スピードに追い付けない情緒面の成長。そんな特殊な状況にあるチャーリィの戸惑いや苦しさを、矢田の芝居と歌が一つひとつ真っ直ぐに届けた。アルジャーノンが踊る美しい世界に登場人物の生々しい感情が浮かび上がる本作は、3月12日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、3月16日(木)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年03月07日アメリカ・カリフォルニアのセレクシトショップ「チャリオッツオン ファイヤー(Chriots on Fire)」が陶芸家・アーティスト、鹿児島睦の作品を一冊にまとめた本『Makoto Kagoshima Ceramics』を2月7日、東京・銀座の森岡書店でローンチした。チャリオッツオン ファイヤーは、オーナーの八木理都子氏が立ち上げたセレクトショップ&ギャラリー。5年前に初めて鹿児島の作る陶器に出合い一目惚れをしたという同氏は、すぐさま日本の鹿児島のもとを訪れチャリオッツオン ファイヤーで紹介することを決めた。同所では13年より、鹿児島の個展も開催されている。今回製作した『Makoto Kagoshima Ceramics』は、これまでに鹿児島へ依頼した作品の中から、約130点を選んでまとめたもの。編集からデザイン、出版に至るまで、チャリオッツオン ファイヤーの活動としてすべて八木氏が手がけた。ページをめくるたび、鹿児島の豊かな感性を閉じ込めた器たちがまるで語りかけてくるような、美しい装丁に仕上げている。今回日本でのローンチにあたり、八木・鹿児島の両氏が切望したのが、“一冊の本を売る書店”として15年5月のオープンから話題を呼ぶ、森岡書店での展開だった。各方面から本を販売するなら森岡書店で、という声が多く、タイミング的に難しいかと思われたが、店主である森岡督行氏からのオファーにより実現に至ったという。店内は、中央のテーブルに鹿児島の本と器が埋め尽くされ、天井から吊るされた刷取紙が展示されている。本はA4サイズ・フルカラーで、価格は4,000 円。店舗での販売期間は2月12日まで。店頭で披露される鹿児島の陶器作品は抽選販売となり、店頭にて申し込みを受け付ける。オープン初日には、八木・鹿児島の両氏、森岡氏が店頭にそろい、来店者たちとの時間を楽しむ姿が見られた。同日夜にはトークショーも開催。鹿児島は来店者一人ひとりに感謝を述べ、「本の発行はすべて理都子さん(八木氏)のお力によるもの。たくさんの方に足を運んでいただき本当に嬉しい」とコメントした。【イベント情報】『Makoto Kagoshima Ceramics』会場:森岡書店銀座店住所:東京都中央区銀座1-8-15 鈴木ビル1階会期:2月7日~12日時間:13:00~20:00
2017年02月10日『舟を編む』で「第37回日本アカデミー賞」最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作監督の最新作『エミアビのはじまりとはじまり』。本作で漫才コンビを組む俳優の森岡龍と前野朋哉がこの度、2日(火)に行われた「M-1グランプリ」1回戦を突破したことが明らかになった。連続テレビ小説「あまちゃん」やドラマ「64(ロクヨン)」にも出演し、演技で注目を集める森岡さんと、『桐島、部活やめるってよ』や、現在放送中のauのCMにて一寸法師役に大抜擢され注目度急上昇中の前野さんが主演を務める本作。森岡さんと前野さんのコンビ名「エミアビ」のマネージャー夏海役に黒木華、「エミアビ」の先輩・黒沢役に新井浩文らが出演している。人気上昇中の漫才コンビという設定のため、クランクイン前から漫才の練習を積んできたという森岡さんと前野さん。自分たちの漫才の実力を試したい、という一心で出場を決意し、出演エントリーをしてから約1か月間、時間がない中で隙をみて練習を重ねていたという。この日、会場の新宿シアターモリエールに集まったコンビは41組。全国各地から漫才の頂点を狙うべく、プロ・アマ問わず漫才コンビが集結した。満席の会場に入った2人は、ほかのコンビが笑いをとっていくのを目の当たりにし、次第に緊張が隠せず顔がこわばる…。そんな2人の応援に駆け付けた渡辺監督も見守る中、本番へ。観客を前に、あまりの緊張でネタが飛ぶもアドリブを効かせると会場は笑いが。その後も順調に漫才は進み、あっという間の2分間が終了した。無事漫才が終わると息つく間もなく結果発表。エントリーナンバーがなかなか呼ばれず顔が曇る2人だったが、最後に彼らの番号が呼ばれ、驚きを隠せず思わず抱き合いながら喜んだ。森岡さんは「本番中に頭真っ白になってネタが飛んでしまったのでダメだな…と思っていたのですが、突破出来て本当にうれしいです!」と喜びを隠せない様子。前野さんも「突破出来て、いまはとにかくホッとしています。お客さんの反応が直に伝わるので、非常にスリリングでした!」とコメントを寄せた。続く2回戦は10月上旬より始まる予定。「学生時代に同級生とM-1グランプリに出場し2回戦で敗退してしまったので、次は2回戦も突破したい気持ちです!」(森岡さん)、「点数をつけるのなら今日は50点。次はもっとリラックスしてやれたらいいなと思いました」(前野さん)とそれぞれ意気込みを語った。『エミアビのはじまりとはじまり』は9月3日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月02日'13年からミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でタキシード仮面を演じている大和悠河さん。「宝塚を退団してから男役も卒業したつもりでいました。でも、お話をいただいて、武内直子先生の漫画を見たとき、自分が宝塚で培ってきたものを使えて、女の私だからこそ作り上げられるものがあるんじゃないかと思ったんです」それまでは、若い男性俳優が演じてきた役。しかし、宝塚でトップスターとして男役を極めた大和さんの、こなれたタキシードの着こなしや美しいマント捌きは、まさにそのまま少女漫画の世界が舞台に現れたようだった。「宝塚では、メイクや衣装、髪型や立ち方ひとつにしても、自分のいいところと欠点の全部を把握して、どうしたら美しく見えるかを、誰もが自分で考えて、自分でプロデュースしていかなくちゃいけない。だから男役時代には、自分の体型に合ったカッコいいスーツのラインを必死に研究していました。タキシード仮面を演じるならば、武内先生の描く、あのカッコいいシルエットに近づけたいじゃないですか。そのためには、それこそ1ミリ2ミリの調整が重要で、そこにはこだわらせていただいています。幕が開いてから、お客様がどんどん作品にのめり込んできてくださるのがわかって、それがとても気持ちよかったですね」高い美意識を持ちながら、素顔は気さく。タキシード仮面も、カッコいいのに妙にチャーミングなのだ。「昔から、よく下級生から『悠河さんって、カッコかわいいです』って言われていたんです。自分ではわからないんですけど、それが味であるならば、大切にしていけたらなと思います」◇やまと・ゆうが1995年に宝塚歌劇団入団。早くから注目され、'07年に宙組トップスターに就任。'09年の退団後は舞台を中心に活躍。7月にはブロードウェイミュージカル『CHICAGO』に主演のロキシー役で出演、NYでの公演も決まっている。◇ミュージカル『美少女戦士セーラームーン‐Amour Eternal‐』高校生になった月野うさぎ。ある日、皆既日食が起き、デッド・ムーン・サーカス団を名乗る船が現れる。そんななか、地球を守護する聖地エリュシオンの祭司から、地球存亡の危機を知らされ、立ち上がる。10月15日(土)~23日(日)渋谷・AiiA 2.5 Theater Tokyo福岡、大阪公演あり原作/武内直子脚本・演出/平光琢也音楽/佐橋俊彦出演/野本ほたる、大和悠河ほかネルケプランニングTEL:03・3715・5624(祝日を除く月~金曜11:00~18:00)(C)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2016※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2016年07月17日マメ(mame)が7月13日から24日まで、写真家の荒木経惟とのコラボレーション作品を展示する「アラマメ」を森岡書店銀座店にて開催する。同コラボレーションは、マメのデザイナーの黒河内真衣子が、シーズン毎に発表しているルックブックとは異なる方法でブランドの意思をより強く表現したいと考えていた時に、異なる写真2枚を中央で切断し貼り合わせて1枚の作品とした荒木経惟の作品「アラキリ」と出会ったことをきっかけに実現したもの。森岡書店銀座店にて開催される展覧会では、今回制作された写真作品のうち10点を展示・販売。さらに、これらの作品を収録した作品集では、アートディレクター・長嶋りかこがデザインを担当。7月下旬の一般発売に先駆け、森岡書店にて先行販売する。同コラボレーションについて黒河内真衣子は、「荒木氏の作品を実際に目にすることで感じる美しさや色気は、私がマメを通して表現したい事と共通していました。作品を見た時に感じた、どこか曖昧な記憶の間を連想させることは、私自身の服作りに繋がる部分があったのです。写真に像を定着させることで初めて知覚できる事があるように、服も実際に着用して初めて感じる事があります。荒木氏がマメを着た女性を撮影し、出来上がったポジフィルムを別のポジフィルムと手作業で貼り合わせることで生まれた『アラマメ』には、私が大切にしていることが凝縮されていると思います」とコメントしている。【イベント情報】「アラマメ」会場:森岡書店銀座店住所:東京都中央区銀座1-8-15 鈴木ビル1階会期:7月13日~24日時間:13:00~20:00
2016年07月01日コミック累計発行部数100万部突破、7月にはアニメ化もされる「ReLIFE」。この度、本作の舞台版のキャストとして、先日発表された小野賢章、中村優一ら男性キャストに続き、 元「non-no」専属モデルで女優の荒井萌、「SKE48」高柳明音、濱頭優ら、女性キャスト陣の出演が明らかになった。主人公・海崎新太(小野賢章)は、新卒として入社した会社を3か月で退職。その後の就職もうまく行かず、親からの仕送りも打ち切られ田舎に戻ることを迫られる。悩みを打ち明けられる友だちも彼女もいない…。途方にくれる新太の前に、謎の人物「夜明了」(中村優一)が現れる。夜明は新太にニートを対象にした社会復帰プログラム「リライフ」への参加を持ちかける。その内容は謎の秘薬で見た目だけ若返り、1年間高校生として高校に通うこと。新太はあやしい話と思いつつも、生活費支援や実験終了後の就職斡旋などの見返りに目がくらみ、実験に参加してしまい…。「ReLIFE」は、1,200万ダウンロードされている無料マンガアプリ「comico」の代表作で、アプリ上で無料で読めるにも関わらずコミックも発行され人気を博している。また7月に放送されるア二メ版では、海崎新太を演じる小野さんをはじめ、茅野愛衣、浪川大輔ら豪華声優陣の出演が決定しており、大きな話題を呼んでいる。先週発表された男性キャストには、主人公・新太役にアニメ版でも声を務める小野さん、夜明役に中村さん、そのほか杉江大志、小西成弥、瑛が出演する。そして今回、女性キャストが一挙発表!ヒロイン・日代千鶴役には、元「non-no」専属モデルで現在は女優として連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」、「グッドモーニング・コール」などに出演する荒井さん。日代は成績学年1位の秀才だが、極度のコミュニケーション音痴で友だちがいないことを悩んでいる女の子。自分を変えていこうとする積極性はあるが、天然のため人を苛立たせてしまうところがある役柄だ。また日代の同級生で、文武両道ながら恋に奥手の女子高生・狩生役を、昨年AKB48総選挙で14位を獲得し選抜メンバーにも選ばれた「SKE48」高柳さんと、アイドルオーケストラ「RY’s」として活動中の濱頭さんがWキャストで担当。日代と狩生の友だちでスポーツ万能の巨乳女子高校生・玉来役には、“可愛すぎる困り顔”として青年誌の巻頭グラビアを飾る「SUPER☆GiRLS」の渡邉幸愛と、本格的なダンスボーカルアイドルユニット「GEM」の森岡悠が、こちらもWキャストでの出演となる。さらに、“ReLIFE研究所”の職員でありながら、自分も女子高生になって海崎をサポートする小野屋役を、様々な舞台で主役・ヒロインを務める柴小聖が務める。今回で全キャスト発表となり、アニメとともに期待高まる本作。来週25日(水)には、描きおろしキャラ絵を使用したグッズプレゼントなど公演特典やイベントが発表され、また28日(土)からは待望の最速チケット販売開始となっている。舞台「ReLIFE」は9月8日(木)~19日(月・祝)サンシャイン劇場(東京)、9月24日(土)・25日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪)にて上演。(cinemacafe.net)
2016年05月18日『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作が監督・脚本を務める『エミアビのはじまりとはじまり』の製作・公開がこのほど決定。森岡龍、前野朋哉、黒木華、新井浩文らが出演することが明らかとなった。人気上昇中の若手漫才コンビ「エミアビ」の片割れ海野が自動車事故で死んだ。遺された相方の実道はマネージャーの夏海を連れ、同乗していてやはり死亡した雛子の遺兄である黒沢に会いに行く。黒沢も数年前までお笑いの世界にいた、「エミアビ」の先輩であり恩人だった。十年来のパートナーを失った現実が感じられず、未だ泣けていなかった実道に、黒沢は「雛子のためにネタを見せてくれ」と要望する。「『エミアビ』の大ファンだった雛子を最期にもう一度笑わせてくれ」。引き受けた実道はピンネタを披露するが、思いもよらず黒沢のダメ出しが連発される…。『フレフレ少女』以来8年振りの渡辺謙作が監督を務める本作。ドラマ「天皇の料理番」「64」で注目を集め、『モーターズ』が公開中の森岡龍が主演を務め、遺された相方・実道を演じる。共演に、『イニシエーション・ラブ』や「おかしの家」に出演中の前野朋哉、『母と暮せば』や『リップヴァンウィンクルの花嫁』と話題作への出演が相次ぐ黒木華、『百円の恋』『バクマン。』などあらゆる作品で独特の存在感を放つ新井浩文、「週刊プレイボーイ」のグラビアでデビューし、「サンデージャポン」などのバラエティ番組にも出演し注目を集める山地まりらが配役されている。人気上昇中の漫才コンビという設定だけに森岡さんと前野さんは、クランクイン前から漫才の練習を積んだそう。2人の息のあったコンビ演技に注目したい。<以下、コメント>■森岡龍(実道役)この映画が描いているのは「芸」にまつわるあらゆる感情、そして「芸」そのものだ。果たして「芸」は身を救うだろうか。少なくとも僕はこの映画を通して救われた思いがした。ちょっと凄い映画になったと思う。是非、観て下さい。■前野朋哉(海野役)「お笑い」の映画ですがとても哀しい映画です。「人が死ぬ」映画ですが、とても楽しく希望溢れた映画です。「おふざけ」満載の映画ですが、本気です。是非ご覧いただけると嬉しいです。■黒木華(夏海役)「舟を編む」に続いて渡辺謙作さんの書かれる脚本は、今回で2度目ですが、登場人物が魅力的で、いつも惹かれてしまいます。今まであまりやったことのない役をやらせて頂き、とても楽しかったですし、完成が待ち遠しい作品になりました。■新井浩文(黒沢役)こんな情けない主演と映画を創ったのは初めてです(笑)。■渡辺謙作監督数年前、まわりでバタバタ人が死んでいった頃、物語の骨子を思いついたーーなんて書き出しだと辛気臭いけど、主役は漫才師でして、劇中ではガチで漫才やってます。 笑ってもらえりゃ嬉しいですが、やっぱ「笑い」は難しい!再認識しました。 身近な死を乗り越えるには、「涙+笑い」っていう青くさいテーマを敷衍していったら、ロマンチックな青春映画になりました。 出てくるのはオッサンですけど。死ぬまで青春。死ぬまで跳びます。『エミアビのはじまりとはじまり』は2016年、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月24日声優の悠木碧が、モンブランやコーヒーゼリーなどの"お菓子擬人化"に挑戦したフォトブック『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』(主婦の友社)が、24日に発売される。『魔法少女まどか☆マギカ』の主人公・鹿目まどかや、『妖怪ウォッチ』の未空イナホ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の比企谷小町など、数々の人気アニメで声優を務めてきた悠木は、2011年度の第6回声優アワードでは歴代最年少の19歳で主演女優賞を受賞。アニメ公開を控える『ワンパンマン』で主要キャラクター・戦慄のタツマキ役も決定するなど、声優としてさらなる活躍が期待されている。今回発売されるフォトブックは、雑誌『声優グランプリ』(主婦の友社)で2013年5月号から開始された連載「悠木碧のSugary Fairy」を書籍化したもの。「甘~いお菓子を擬人化したら…」というテーマのもと、さまざまなテイストの衣装に身を包み、わたあめ、ローズジャム、コーヒーゼリーなどの"お菓子の妖精"になりきった悠木を、29パターンも見ることができるという。『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』は、6月24日発売。B5判96ページの仕様で、定価は3,000円(税別)となる。
2015年06月23日5月5日(火・祝)、東京中央区銀座一丁目に建つ鈴木ビル1階に、「一冊の本を売る書店」をコンセプトにした新しい本屋「森岡書店銀座店」がオープンした。同店を運営する株式会社森岡書店は、茅場町で10年来書店を営んできた森岡督行氏と、「Soup Stock Tokyo」や「PASS THE BATON」などを運営する株式会社スマイルズ代表の遠山正道氏の参画によって実現した新しい店舗だ。「森岡書店銀座店」は、ある会期、一種類の本を中心に運営される。会期中は、一冊の本から派生する展覧会が行われる。森岡氏は、茅場町店で出版記念展を繰り返し開催してきた中で「筆者と読者のあいだに幸福な会話が生まれる現場」に立ち会い、こうしたイベントを継続して行う書店を運営したと考えるようになったという。「森岡書店銀座店」がグランドオープンとなった5月5日(火)には、第一弾の企画として「沖潤子展「PUNK」at 森岡書店銀座店」が開催されている。会期は、5月18日(月)まで。また第二弾は、5月19日(火)~31日(日)で湯沢薫の初の写真集「幻夢 Day Dream」を取り上げる。(5月25日は休業)「森岡書店銀座店」がオープンした鈴木ビルは昭和4年竣工の近代建築であり、東京都歴史的建造物に指定されている歴史ある建物だ。戦中期には名取洋之助が主催する「日本工房」が入居していたことでも知られている。「日本工房」は日本の文化や近代化を海外に伝えるグラフ誌「NIPPON」の刊行するなどし、写真家では土門拳や藤本四八が参加し、デザイナーでは山名文夫、河野鷹思、亀倉雄策、熊田五郎(後の熊田千佳慕)らが参加。日本写真界やグラフィック・デザイン界を牽引する先駆者を多く輩出した。森岡氏は、この場所で出版記念展を行うに写真史、デザイン史の面から意義を感じているという。ロゴデザインは、「takram design engineering」の渡邉康太郎氏と山口幸太郎氏が手掛け、フルサポートとして、ビー・エヌ・エヌ新社 吉田知哉氏も関わっている。また茅場町にある森岡書店の店舗は、これまで通り「森岡書店茅場町店」として運営される。新生した「森岡書店銀座店」は、今後の企画展やイベントの開催など、新しい本屋として、作者、読者の出会いの場になると期待が寄せられている。(text:Miwa Ogata)
2015年05月18日ワコムは2月10日、「CGアーティスト森田悠揮ZBrushテクニックセミナー」をデジタルハリウッド駿河台ホールにて開催した。セミナーにはCGアーティスト森田悠揮氏とPixologic社COOのハイミ氏、マーケティング担当のトマ氏が登壇。オークの山田有祐氏が司会を務めた。森田氏の実演に会場が沸いたセミナーの様子をレポートする。○デジタルライブスカルプティングを披露同セミナーは、3Dモデリング制作を行っている人から3Dモデリング制作に興味がある人までの幅広い層を対象に行われた。「ZBrush」はゲームや映像作品の3Dモデリング制作に使われているデジタルスカルプティングソフトウェア。今回のセミナーに登壇した森田氏は、「CG Student Awards 2013」にて、世界第3位を受賞。セミナーでは、ZBrushとペンタブレットを使ったデジタルライブスカルプティングを披露した。また、実演と平行してZBrushの開発元であるPixologic社のハイミ氏とトマ氏がソフトウェアを解説し、質疑応答も実施。会場には液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズのフラッグシップモデル「Cintiq 27HD」を中心とした液晶ペンタブレットを展示し、その場で体験できるようになっており、セミナー終演後には、実際に試してみる参加者の姿も見られた。○「爬虫類っぽい」クリーチャーを作成セミナー冒頭で進行の山田氏が尋ねたところ、来場者の中でZBrushを使っているのは4~5割程度。森田氏はセミナーが行われる1時間半~2時間の間にクリーチャーの頭部を作ると話し、実演が開始された。森田氏が作るのは「爬虫類っぽい」クリーチャーということで、トカゲを意識しながら作ると説明。普段はクリーチャーであれば何の動物をベースに作るかを考え、大量の資料を見て、動物の構図を頭にたたき込んでからさっと作るようにしているとのこと。最初の段階では印象だけを重視しているので、ディテールにはあまり凝らずに進めるのだという。目の周りが決まるとそれ以外の部分も決まるということで、目の周りから重点的に作っていた。会場からの「自分で絵を描くのか」という質問に対しては、デッサンを本格的に習ったことはないが、デッサンは観察力をつけるためにあるため、観察力さえあればできなくても大丈夫だとの回答をしていた。○ZBrush 4R7をPixologic社が紹介森田氏による作業の中盤には、Pixologic社によるZBrushの説明が行われた。ZBrushの特徴は、紙とペンがあれば何かが描けるのと同じように、ZBrushがあれば経験がなくても制作を始められるということだ。「粘土をこねるように作業を進められる」と例えていた。産業分野ではゲーム、映画、マーケットデザインのイラストレーション、製品製作前のコンセプト段階でのアート、テレビコマーシャルなどさまざまな場面で使われており、利用者に合わせて幅広く活用できるという。ハイミ氏とトマ氏は、今回の来日で2月8日に行われたワンダーフェスティバルに参加し、「日本では漫画文化が強い」と実感したとのこと。このほどリリースされた「ZBrush 4R7」についても、いち早く詳細を紹介。ZBrushの特徴のひとつに「ZBrushだけですべての作業が完結できること」があるが、4R7ではそれがさらに強化されたという。○最終的な質感をイメージして作業を進行Pixologic社が「ZBrush 4R7」の説明をしている間に、森田氏の実演も進行。大まかな形が完成。続くディテールでは、質感を考えて作業を進めるという。今回のクリーチャーについては、ぬるっとした首の皮にし、ヒダや顔のシワをつけていた。最終的な質感をイメージしていると作業が早く進むのだという。その様子を見ていたハイミ氏は、球からアウトラインを作っていったことに注目し、「作業をやっていく中で調整を重ねてドラゴン(クリーチャー)ができあがっていった」と話した。トマ氏は作業の早さがZBrushならではであると強調。山田氏は、「デジタルでは、良くも悪くもとことんディテールを突き詰められる」とデジタルならではの特徴を読み取って説明していた。○液晶ペンタブレットは「アナログで制作しているみたい」セミナーの後半では、山田氏が事前アンケートの結果を紹介。会場にいるZBrushユーザーではペンタブレットを使っている人が多いという内容だった。それについて、最近液晶ペンタブレットを買ったという森田氏は、「アナログで制作しているみたいで慣れるとすごく使いやすい。5時間で慣れてしまった」と話した。購入したのは「Cintiq 13HD」だという。メインのディスプレイとミラーリングして使っているという山田氏は、「Cintiq 13HDなら原型を作る感覚のまま、フィギュアを作る感じに近いので良い選択だった」と振り返っていた。そしていよいよ森田氏のクリーチャーが完成。ハイミ氏は「2時間以内で作った作品ではハイクオリティ」と評価していた。森田氏はもともとはモデラー志望ではなく、いろいろなものを作っていたのだという。しかし、クリーチャーを作るのが楽しく、生き物が好きだったことから、現在ではクリーチャーの仕事が9割を占めるようになったそうだ。また森田氏は、日頃から使えそうな質感や造形を頭にストックしておくことの大切さを強調。現存の動物から使える要素を探して、イマジネーションに取り入れておく。実際の作業においては、シルエットが決まれば完成形も見えるため、ディテールにとらわれずに形を突き詰めて、最終的に良い物をつくることを心がけるように意識していると話し、セミナーは幕を閉じた。
2015年02月17日「子供の頃から、建築家になりたいと思っていた」高橋は、中学校の3年生頃に、ファッションに出合う。反抗期と共に、自分のお小遣いで自ら服を買い始めるが、ちょうどその時期は裏原ブーム、“おしゃれな友達”と人気のあったショップを回っていた。さらに、メンズファッション雑誌の裏原マップを見て、奥の奥まで行こうと友達を誘う。ところが、周りはそこまでする気がなかった。「他の人よりファッションが好き、という気持ちが強いことがわかりました」と、高橋。ぼろぼろのデニムにも自分でヤスリをかけたり、染料を買って染めたりして、手を加えていた。その“好き”は、衣服だけではなく、ジョン・ロブなどの革靴ブームにも影響され、靴職人にも興味を抱くことに。“手でものを作ることが好きな”少年が、将来ファッションデザイナーになることを、無意識に思い描いていたとしても不思議はない。しかし、“ファッションにはまった”少年が、それを仕事とするまでには、まだいくつかの出会いと経験、そして時間が必要だった。高校2年の時、進路を考えるようになった高橋は、建築家という選択肢もありつつ、受験を避けて、中学・高校からそのまま推薦で大学へ。そこで、1年生の時は、油絵や彫刻などの美術から、プロダクト、インテリア、テキスタイルなどのデザインに至るまで、幅広いフィールドから10種類のクラスをとることができた。高橋の旺盛な好奇心を満たすだけではなく、視野を広げることに大いに役だったことは想像に難くない。2年生になると、専攻を決めなくてはならなくなり、テキスタイルデザインを選ぶことに。そのきっかけの一つが、「ミシン屋さんに行って、シャツの縫い方を教えてもらった時に、『これからはテキスタイルの時代』と言われたわけですよ」という。その人が、どういう根拠からアドバイスをしたかは知るよしもないが、的を射ていたことは確かだ。だが、ファッションだけでなく、「同時にインテリアも捨てきれない。両方できるのではという思いもあった」という。若いということは、さまざまな可能性に満ち溢れていることでもある。ファッションデザインに絞られていくには、まだ時間が掛かる。「芸術論の授業をとって、現代アートにも出合い、特にミニマルアートやコンセプチュアルアートにはまりました」。その頃はパリコレにも興味を持ち、好きになったフセイン・チャラヤンの作品について、「蘊蓄(うんちく)を並べていた」という。そういう高橋に、先生からうってつけの大学があると勧められ、2年生の時、大学の国際教育プログラムでテキスタイルコースがあるロンドンのカレッジに留学することになる。3/4に続く。
2013年09月03日弱冠24歳の新鋭、森岡龍監督の『ニュータウンの青春』が11月3日(土)より渋谷ユーロスペースでレイトショー公開される。浦安を舞台に、悪友3人組のほろ苦い青春を描いた本作は昨年の<第33回ぴあフィルムフェスティバル>のPFFアワード2011でエンタテインメント賞を受賞。その後、釜山国際映画祭にも正式出品された。手掛けた森岡監督は映画作家としてはもとより俳優としても才能を発揮する日本映画界注目の逸材だ。これまでに森岡監督は自主制作した『つつましき生活』『硬い恋人』がPFFに入選。早くからその才能に注目が注がれていた。今回の『ニュータウンの青春』は多摩美術大学の卒業制作作品で、冴えない男子3人組が社会へと旅立つ、言うなれば大人への通過儀礼が描かれる。時に空回りする3人の青春に失笑しながらも、二度と帰れない日々が自分の若き頃にも重なり胸がじんとする場面も。笑いあり涙ありのエンターテインメント性に富んだ本作は、“暗い”“ひとりよがり”という自主映画について回るイメージを大きく覆す。新世代の青春映画の誕生を感じさせるといってもいい。森岡監督自身は「自主ではあるけれども、劇場公開を当初から視野に入れて作った作品。ほかの一般公開作品と並んだとき、どういう反応があるのか? 気になるところです」と語っている。また、彼は石井克人監督の『茶の味』で俳優デビューを飾り、その後も『色即ぜねれいしょん』『見えないほどの遠くの空に』など、数々の作品に出演。今後の待機作にも石井裕也監督の『舟を編む』があり、役者としても大きな注目を集めている。これについては「俳優をやることで監督としての自分の財産になることがいっぱいあるし、またその逆もある」とのこと。「いまはいろいろな経験を積むという意味でも、監督も俳優も続けていきたい」。「最後、主人公の3人がそれぞれの道を歩んでいくように、この作品は僕にとってもひとつの大きな区切り。大学を卒業して、ここから新たなキャリアがスタートした気がしている。これからが勝負だと思っています」と本作を位置づける森岡監督。次のステップへと踏み出した彼には、今後の飛躍が大いに期待される。まずは本作で、その若き才能を感じてほしい。『ニュータウンの青春』11月3日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開取材・文・写真:水上賢治
2012年11月02日「医療モノということで、“カッコよく”見えてしまうイメージを抱いていたんですが、ここで描かれているのは、ひとりひとりが背負っている人生なんです」――。吉沢悠は、出演作『孤高のメス』をこう表現する。この言葉にこの映画の魅力、そして演技者としての彼の揺るぎないスタンスが表われている。ベストセラー医療小説を実写化した本作。吉沢さんは「自らの素の感情を役柄に重ね合わせながら演じた」と言葉に力を込めた。この“人間ドラマ”に彼はどのような思いで向き合ったのか――?映画の公開を前に話を聞いた。物語の始まりは1989年、とある地方の市民病院に当麻鉄彦(堤真一)という名の外科医が赴任するところから始まる。大学病院に依存し、満足な手術ひとつ行えない腐敗した環境を当麻はその腕で、変えていく。当麻が変えたのは何より、そこで働く人々の意識。吉沢さん演じる青木はまさに、彼との出会いによって自らの生き方を省み、そして変わっていく若き医師である。「大学病院の古い体質があって、その下で働く青木はいろんな思いを抱えつつ、“権威”という壁にぶつかる。当麻との出会いで大きく変わっていくこの人物をしっかりと演じ切れないことにはこの作品のテイストが観る人に伝わらない。そのプレッシャーはありました。と、同時に青木が感じる葛藤は、ひとりの俳優として僕にとっては感じたことのある思いでした。それを生かして演じ切ることができれば楽しいだろうな、という相反する複雑な気持ちでした」。90年代末から2000年代の前半に掛けて、次々と話題のドラマ、映画に出演し、主演も数多くこなしてきた吉沢さんが芸能活動を休止したのは2005年。奇しくも本作で演じた青木と同様にアメリカに渡り、帰国後、俳優としての活動を再開した。役柄に自らを重ねた、という部分についてさらに深く尋ねた。「自分なりの信念を持って俳優という仕事をやっていましたが、やればやるほどに『いまのままでいいのか?』というクエスチョンがついて回るようになった。それはまさに、約束された道を見失った青木そのもの。前半部分の彼に、その当時、自分が抱いていた感情を乗せました。それからアメリカに渡って何より感じたのは、俳優として現場に立てるということは、決して当たり前のことではないのだということ。そう感じたときに無性に俳優をやりたい、演じたいって思えてきたんです。帰国して初めての仕事が映画だったんですが、あのときは本当に嬉しかった。それはまさに、青木が当麻先生を手伝いたくて帰国するときと同じ気持ちでした」。復帰後、彼が出演した映画は『夕凪の街 桜の国』、『逃亡くそたわけ−21才の夏』、『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に本作と物語性と共に、社会への強いメッセージを感じさせるところがあるが…。「決して、それを意識して作品を選んでいるわけではないです。ただ、例えばニューヨークにいる頃、『自分は日本のことを何も知らない』と強く感じて、帰ったら広島に行きたいと思うようになった。そうしたら(広島を舞台に被爆を扱った)映画『夕凪の街 桜の国』のお話をいただいた。不思議なめぐり合わせは感じますね(笑)。常に、観る人に何か良い影響を少しでも与えられたら、という思いはあります。そうした思いがこういう良い循環を生んでいるのかも」。そうした流れに身を投じる中で、映画というメディアへの熱い思いが自身の内側からも沸々とわいて来ていると明かす。「映画人の熱…独特の温度の高さへの憧れは以前以上に強く感じます。周りが見えなくなるような強い思いで、わが子を育てるようにみんなが映画に夢中になっているあの環境は、本当に気持ち良いんです。30歳を過ぎて、ここにいられることが幸せだな、と感じるようになりましたね」。最後に「今後演じてみたい役は?」という質問に「もちろん、当麻先生のような役もやってみたいですね」と語り、「それから…」と、生瀬勝久が演じた、自らの保身しか考えない大学病院の医師・野本の名を挙げ、少し興奮気味にこう続ける。「生瀬さんが仰ってたんです。『俺は、野本という役を“悪”として演じたわけじゃない。一人の人間として演じた結果がこうだったんだ』って。それを聞いて、ああいう役をいつか演じられるようになりたいな、と思いました。僕自身今回、野本という存在に生かしてもらってるんです。そんな深みを演じられるようになりたいです」。(photo:Ryusuke Suzuki)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:堤真一天才外科医役に都はるみのこぶしを聴いて特訓目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年06月23日