オムニバス映画『9つの窓』の先行上映舞台あいさつが30日、神奈川・横浜市のブリリアショートショートシアターで行われ、出演者でAKB48グループメンバーの横山由依、北原里英、宮澤佐江、入山杏奈、木﨑ゆりあ、茂木忍、中西智代梨、江籠裕奈が出席した。2月6日から全国公開する本作は、『国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル&アジア』とAKB48グループがコラボレーションしたオムニバス作品。コメディーやサスペンス、ブラックユーモアなど9作品で構成されており、作品ごとにメンバー1人が出演している。グループ総監督の横山は、「他の作品を知らなかったので、1つになってすごくうれしい。メンバーの新しい面を見て、AKB48のことをもっと好きになってくれると思う」と仕上がりに自信たっぷり。1作品10分というショートストーリーだが、「10分の作品だけど、1日かけて色んな想いを込めて撮影した。みなさんの心に残る作品になれば」(宮澤)、「日常だとあっという間に過ぎる時間だけど、この作品で10分間を大切に過ごしてもらえれば」(入山)とそれぞれアピールした。また、舞台あいさつには、出演者で俳優の大野拓朗、小池亮介、主題歌を担当したロックバンドのThinking Dogsも登壇。横山の“初恋相手”を演じた大野は、「久しぶりに会ったけど、ますますお綺麗になった。“初恋相手”がテレビで活躍しているのを見て、自分のことのようにうれしい」と面と向かってベタ褒め。「恥ずかしい……。私もテレビで大野さんを見てます」と頬を赤らめる横山に、他メンバーは、「初恋っぽい!」、「キュンキュンする!」と歓声を上げていた。そんなやり取りにちなみ、"初恋相手"に再会したら?という話題になると、北原は、「大野さんみたいに素敵に成長していたらうれしいけど、大体は『アレ~!?』って思うことが多いですよね」とキッパリ。「私だったら、『好きだったよ』って告白する」(宮澤)、「どうもしない。何も思わない」(入山)と明かす中、最年少で15歳の江籠は、「まだ初恋がピンと来ない。恥ずかしくて会話できないと思う」とつぶやき、会場からは、「可愛い~!」と声が飛んでいた。
2016年01月31日初演から36年が経った伝説の名作『元禄港歌―千年の恋の森―』に、宮沢りえが挑む。『近松心中物語』で知られる秋元松代の戯曲を初演と同じく蜷川幸雄が演出するこの舞台。許されない恋を抱えた瞽女を演じる宮沢は、情感あふれるこの物語にどう命を吹き込むのか。舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』チケット情報物語の舞台となるのは、江戸は元禄の時代の播州の港町。秘密を背負った母子、結ばれない男女など、瞽女の一行と大店の人々をめぐる幾重にも重なった宿命が、哀しく切なく描かれる。「野田秀樹さんや唐十郎さんといった、自分がこれまでやってきた舞台とはまったく異なる世界観の作品。女の情念みたいなものをそのままさらけ出すような、演じたことのない役でもあるので。蜷川さんがまた私にハードルを与えてくださったなと受け止めています」。演じる瞽女の初音は、これまでに太地喜和子や富司純子が演じてきた役。盲目の女芸人として生きる純粋な覚悟や女性としての激しさ、さまざまな情感を体現することを求められる。「目が見えない人間には何が見えるのか。目に映らないものが心にどう映るのか。そういう探求がこれから待っているかと思うとすごく楽しみなんです。深く考えれば考えるほど見えてくるものがあると思うから、その思索を大事にしたいですね」。瞽女一行をまとめる母のような存在を市川猿之助が演じるが、女方の共演はかつて坂東玉三郎と経験している。「女方の表現とどう交われるのかっていうのは、今度も緊張しますけど、だからこそ楽しみです。学ばせていただくこともきっといっぱいあるだろうなと思いますし、私も私なりにお返しできるような表現ができたらいいなと思いますし。ただ、お芝居というのは肉体ではなく魂の問題だと思うから。男性の猿之助さんも女性の私も同じところにいるんじゃないかなと思っています」。まさしくその魂が自由な人なのだろう。「お芝居のなかでは、誰を愛しても殺してもいい(笑)。不思議な仕事だなと思うけど、そういう意味では、お芝居をしているときがいちばん、身も心も自由になれて、深く呼吸ができる気がします」。今の時代にはない人間の関係や感情が描かれるこの舞台でもきっと、自在にあふれるものを見せてくれるはずだ。「今この作品をやる意味、私が参加させてもらう意味というのがあると思うので、それをちゃんと自覚しながら、この時代の人たちの思いを伝えることに試行錯誤したいです」。伝説の舞台は、心震わせるものをもたらしそうだ。公演は2016年1月7日(木)より東京・シアターコクーン、2月6日(土)より大阪・シアターBRAVA!にて上演。現在、ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月11日「ショートショート フィルムフェスティバル&アジアシネマミュージアム『漁船の光』トークイベント」が15日、東京・上野の東京都美術館で行われ、AKB48の横山由依、大野拓朗、廣瀬陽監督が出席した。横山由依が初主演を果たした本作は、国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル&アジアとAKB48がコラボした企画『AKB ShortShortS』で製作された9作品の1つ。『漁船の光』など全9作品の短編映画が、『AKB ShortShortS』として2016年1月30日より横浜みなとみらいのショートフィルム専門映画館、ブリリアショートショートシアターで先行公開されるほか、2月6日より全国で順次公開される。試写会が行われたこの日は、試写後に横山らが登場してトークショー。初めての主演に横山は「すごく緊張したんですけど、ショートフィルムということで10分間の内に伝えなくてはいけなかったので難しいと思いましたが、大野さんが2人の関係性について話してくれたりとリラックスして撮影することができました」と共演した大野に感謝の言葉。劇中では、大野扮する幼なじみの男性から劇中で手紙を渡される人妻役を演じたが「ラブストーリーも初めてで緊張というか、男の人を見る恥ずかしさがありましたね。でも途中から(ロケ地の)愛媛の景色に助けられて詩織になれたと思います」とやり切った様子だった。初めてのラブストーリーには「AKB48にいる間に出来るとは思いませんでしたよ。恋愛経験もあまりないので出来るのか心配でした」と本音をのぞかせるも「自分なりに精一杯やったつもりではいるので、新しい一面をお見せできるかと思います」と自信。また、今後の女優業にも「今一番お芝居に興味があるタイミングでこの作品に出られて嬉しかったです。機会があれば、長い映画とかにも出演してみたいですね。総監督になって2016年は自分にとってもAKB48にとっても大事な年。2016年の間に映画に出演し、3年後に主演できるように頑張りたいです!」と決意を新たにしていた。
2015年10月16日「AKB48」の横山由依と俳優の大野拓朗が10月15日(木)、東京都美術館でオムニバスショートフィルム「漁船の光」のトークイベントを行った。国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル&アジアと「AKB48」がコラボした、「AKB」グループ主演で10分の短編映画を9作品制作する「AKB ShortShorts」プロジェクトの中の一作。計9作合計90分のオムニバス映画「9つの窓」として、来年1月30日より全国順次公開を予定している。短編映画初主演でラブストーリー初挑戦の横山さんは「『AKB48』にいる間にラブストーリーが出来るとは思っていなかったし、主演という事で嬉しかった」と初体験に喜びつつ「恋愛経験もないし、男の人の顔を見るのも恥ずかしい思いがあって、出来るのかな?と不安だったけれど、自分なりに精一杯やりました。新しい一面が見られるはず」と手応えを明かした。横山さんの初恋相手を務めた大野さんは「横山さんの人妻ぶりは素晴らしい。恋愛経験がない事ゆえの透明感があった」と大絶賛。横山さんから「来年中には長編映画に出演したい。そして3年後に映画主演が出来るように頑張りたいと思います。今回のようなラブストーリーに憧れがあるので、大野さんもぜひ」とラブコールを受けると「光栄です。プライベートでは出来ないもんねぇ」と快く再びの相手役を受け入れていた。劇中では愛する夫に手作り弁当を届ける場面があるが、横山さんは「作る相手がいないので、作るタイミングがない」とボヤキ節ながらも「船にいる旦那さんにお弁当を届けるというのは素敵だし、憧れのシチュエーション」とうっとり。高校時代は自分で弁当を作っていたそうだが「ほとんど冷凍食品ですけど」と照れ笑いだった。(text:cinemacafe.net)
2015年10月15日東京都・恵比寿のNADiff Galleryと清澄白河のARATANIURANOにて、漫画家/アーティストとして国内外から高い評価を集める横山裕一の個展「ファッションと密室」が開催されている。開催期間はNADiff Galleryが7月3日まで(12:00~20:00、月休)、ARATANIURANOは7月4日まで(11:00~19:00、日祝月休)。いずれも入場は無料。同展は、横山裕一の最新作品集「ファッションと密室」の出版を記念して開催されている個展。国内外での大規模な個展や展覧会への参加が続いた2014年に制作された作品を中心に、ミニマムな存在描写の強靭さ、大胆に配される迫力のオノマトペ、そしてコマごとに綿密に描き出される時の流れなど、独自の表現手法で知られる横山裕一の"ネオ漫画"の世界が2つの会場で展開されている。また、渋谷のNADiff modern(Bunkamura内)では、横山の推薦本を集めたブックフェア「横山の本棚」を開催しており(7月3日まで)、小説や詩集、写真集など、作家のアイデアの源泉や思考に触れることができる。なお、ふたつの展覧会場と選書フェア会場でスタンプラリーを実施しており、3つすべて集めた人には、プレゼントが用意されている。
2015年06月30日モデルの森星、歌手の横山剣、BENIが3月2日(月)、10周年を迎えるスターバックのチルドカップ飲料「スターバックス ディスカバリーズ」のリニューアルを記念して、渋谷ヒカリエに登場した。「今日はスターバックスをイメージした衣装にしてみました!」とBENIさんが衣装を紹介すると、慌てて横山さんも「ここ、緑!」とパンツのチェックを指差し、森さんも「私はミルクー!」とそれぞれ“スターバックス愛”をアピールし、会場は温かい笑いに包まれた。「味に鈍感な私でも違いが分かる!」と森さんが絶賛するほど、ミルクの味わいが濃厚になったという定番の「カフェラテ」をはじめ、抹茶ラテにホワイトチョコレートの風味が加わった「抹茶ラテ WITH ホワイトチョコレート」。そしてマイルドで飲みやすい後味となった「エスプレッソ」は、パッケージもオリジナルのフォントに加え、ゴールドキャップとなり、リッチな姿へと大変身を遂げている。「抹茶ラテ WITH ホワイトチョコレート」を味わった横山さんが、かつて茶道部だったことを明かすと、森さんも茶道部キャプテン(!?)だった過去を明かし、「抹茶の香りもして『おいしぃーね!』」と大絶賛。「エスプレッソ」を味わったBENIさんも「お店の味により近くなって嬉しい」と語っていた。「スターバックスのように、常にフレッシュな音楽を僕も届けたいと思います。スターバックスディスカバリーズ、いいね、いいね、いーね!」と締めくくりは3人で横山剣ポーズを決めた。またこの日は、横山さん率いる「クレイジーケンバンド」、そしてBENIによるスペシャルライヴも開催された。「カフェラテ」「抹茶ラテ WITH ホワイトチョコレート」「エスプレッソ」は3月3日(火)より発売開始。(text:cinemacafe.net)
2015年03月02日横山秀夫の傑作ミステリー『64(ロクヨン)』が佐藤浩市主演で映画化されることが決定した。『ヘヴンズ ストーリー』の瀬々敬久監督がメガホンを執り、前後編2部作の大作として2016年に東宝系で公開される。『64(ロクヨン)』は、警務部広報室の広報官で、かつては刑事だった主人公・三上義信が、昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件“ロクヨン”に挑む姿を描いたミステリー。映画の前編では、加害者匿名報道を巡る広報室と記者クラブの確執と、その狭間で三上が広報官として覚醒していく様が描かれ、後編では、ロクヨンをなぞるように新たに発生した誘拐事件に、今度は広報官として真っ向から立ち向かう三上の姿が描かれるという。横山秀夫作品はこれまでに4作(『半落ち』『出口のない海』『クライマーズ・ハイ』『臨場 劇場版』)が映画化されており、『64(ロクヨン)』は4月からピエール瀧主演でNHKでドラマ化されることも決定している。原作に惚れ込みオファーを受ける前から出演を熱望していたという佐藤は「『クライマーズ・ハイ』の時もそうでしたが、『64』も原作を読んだ時から大変な仕事になるという覚悟を決めなければ出来ない作品です。しかし自分がやりたい、やらなければいけないという演者の欲と必ず強い作品に出来るということを信じて、監督スタッフと共にぶつかりたいと思います」と語り、脚本の製作段階から“三上”という男の人物像とその演出法について瀬々監督と意見をぶつけ合っているという。映画化にあたり横山氏は「原作の世界観を共有し、さりとて具象の檻にとらわれることなく、映像作品として優れたものに昇華して欲しいと願っています。活字と映像は好敵手であり、だからこそ無二の親友にもなりうる。職業人として尊敬する佐藤浩市さんをはじめ、出演者の皆さんと制作スタッフの情熱が、原作と映画を切っても切れない関係にしてくださると信じています」と期待を寄せている。本作は2月26日(木)から5月まで、東宝撮影所や関東近郊にて撮影を行い、10月の完成を目指す。『64-ロクヨン-前編/後編』2016年 全国東宝系ロードショー
2015年02月18日「半落ち」「クライマーズ・ハイ」などの傑作を生み出してきた警察小説&人間ドラマの名手・横山秀夫が7年ぶりに世に放った衝撃作「64-ロクヨン-」を前編・後編の2部作で実写映画化されることが決定。さらに、佐藤浩市が主人公を務めることが明らかとなった。昭和最後の年、昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で「ロクヨン」と呼ばれ、少女の死亡、未解決のままという県警最大の汚点として14年が過ぎ、時効が近づいていた。平成14年ーー主人公の三上義信は「ロクヨン」の捜査にもあたった敏腕刑事だが警務部広報室に広報官として異動する。そして記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生。刑事部と警務部の軋轢、未解決のロクヨンと新たな誘拐事件の関係、そして三上の一人娘の行方。驚愕の展開が次々と三上を襲う…。2012年度「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2013年度「このミステリーがすごい!」年間1位、2013年度「本屋大賞」第2位に輝き、過去のどの警察小説よりも警察、記者たちの葛藤・攻防がリアルに描かれ、瞬く間に文壇を席巻した「64-ロクヨン-」。映画化に挑むのは、『ヘヴンズ ストーリー』で「第61回ベルリン国際映画祭」国際批評家連盟賞を受賞するなど世界的にも評価され、『アントキノイノチ』や6月より公開となる『ストレイヤーズ・クロニクル』を手がけた鬼才・瀬々敬久。オファーを受ける前、原作を読んだ段階から出演を熱望していたという佐藤さん。『感染列島』『ヘヴンズ ストーリー』でもタッグを組んだ瀬々監督と、脚本製作段階からすでに“三上”という男の人物像とその演出法について意見を交わしていたという。「『クライマーズ・ハイ』のときもそうでしたが、『64』も原作を読んだときから大変な仕事になるという覚悟を決めなければ出来ない作品です。しかし自分がやりたい、やらなければいけないという演者の欲と必ず強い作品に出来るということを信じて、監督スタッフと共にぶつかりたいと思います」と気合十分。原作者・横山氏は、過去4作映画化されており、本作で第5作目。「64」には思入れがあったようで「何年も苦しんで執筆した作品なので、自分の分身のように感じる」と語る。また、2部作で映画化されることについては「知らされたときは本当に驚きました。嬉しい半面、『64』の文庫本を上下巻で出している身としては『冒険だな』とも。本では上巻、映画では前編の出来と質がまず問われますよね。恐いけれどもワクワクする。冒険のパートナーに『64』を選んでいただいたことに感謝しています」と喜びを語った。センセーショナルな事件を解決に導いていくだけではなく、主人公・三上が複雑な関係性の中で悩み、苦しみ、生きていく様を描いている本作。前編では加害者匿名報道を巡る、広報室と記者クラブの確執のその狭間で、三上が広報官として覚醒していく様が描かれ、後編では新たに発生した因縁の事件「ロクヨン」をなぞる誘拐事件に対し、かつては刑事として、今度は広報官として真っ向から立ち向かう三上の姿が描かれるという。『64-ロクヨン-』は2016年、全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月18日伊勢丹新宿店のエルメス(HERMES)ブティックリニューアルに際し、作品を提供したことが記憶に新しい、現代美術家で漫画家の横山裕一作品展「横山裕一<これをネオ壁面と呼ぶ>集合する名士とけもの」が、3月6日より京都国際マンガミュージアムで開催される。世界的なアーティストが集まるアートの祭典「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」の後援事業として開催される同イベント。期間中は横山が今回のために書き下ろした漫画を、建物の壁にプロジェクションマッピングで投影。更に、作品世界を再現した会場に原画も展示され、本で読むのとは一味違った横山ワールドを体験出来る。また、3月8日には横山の作業風景が見られるライブドローイングイベント「これがネオ漫画である」を開催。展覧会場に設置されたアトリエで、独特の技法を用いて漫画に取り組む横山の姿が見られる。横山は“ネオ漫画”と称される独創的な作風で有名。奇妙な格好をした人物たちが、目的不明の土木工事を黙々と遂行したり、意味不明の会話を交わしたりするなど、異色の漫画で国内外の漫画界やアート界から注目されている。これまでに、漫画作品集として『ニュー土木』『トラベル』『世界地図の間』、画集では、『横山裕一カラー画集』などを発売してきた。【イベント情報】横山裕一<これをネオ壁面と呼ぶ>集合する名士とけもの会場:京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー6住所:京都府京都市中京区烏丸通御池上ル会期:3月7日から5月31日まで(プロジェクションマッピングは3月6日から)時間:10:00から18:00まで(入場は閉館の30分前まで、プロジェクションマッピングは18:00から21:00まで)休館日:水曜日(4月1日、29日、5月6日は閉館)、4月30日、5月7日(プロジェクションマッピングは無休)
2015年02月16日モーツァルトの音楽の愛好家団体である日本モーツァルト協会が、創立60周年を記念して「モーツァルト交響曲全45曲演奏会」を3月7日(土)・8(日)にサントリーホールで開催する。日本モーツァルト協会創立60周年記念「モーツァルト交響曲全45曲演奏会」「モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会」の公演情報この記念演奏会では、モーツァルトの交響曲全曲を作曲年代順に連続して演奏。天才モーツァルトの音楽の変遷と円熟、その一生を辿るというもの。モーツァルトの交響曲の総数については様々な説があるが、今回はモーツァルト研究の第一人者、ニール・ザスローの最新研究などを参考とし、モーツァルトの真作として確実な39曲、真偽不明の作品から偽作の疑いが強いものを除外した6曲、合計45曲を取り上げる。演奏は、シアターオーケストラトーキョー(1日目)と東京フィルハーモニー交響楽団(2日目)。指揮は、曽我大介、金聖響、湯浅卓雄(以上1日目)、三ツ橋敬子、井上道義、大植英次(以上2日目)の6人が担当する。モーツァルト協会の理事長であり、作曲家の三枝成彰は「歴史上、交響曲とオペラの両ジャンルで、今日でも愛されるほどの傑作を多数残した作曲家は、モーツァルトだけではないでしょうか。きっと右脳・左脳ともに秀でた作曲家だったのだと思います。今回はその偉業の一端にたった2日間でふれるという、世界的に見ても極めて稀なイベントになります」と述べた。演奏会の初回の指揮を担当する曽我大介は「非常に瑞々しい初期の作品から、芸術性が高まっていく後期まで、モーツァルトの交響曲の時代の変遷を一緒に体験しましょう。あと、偉大な先輩である井上さん、湯浅さん、大植さん。僕を挟んで、才能溢れる後輩の金さん、三ツ橋さん。世代の異なる6人の指揮者のバリエーションも見どころです」と抱負を語った。また、同協会の創立60周年記念公演として「モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会」7月4日(土)・5日(日)軽井沢大賀ホールで開催。ピアノ・ソナタ全19曲と幻想曲の計20曲を、日本を代表するピアニストのふたり、仲道郁代、横山幸雄の演奏が披露される。最新の研究を参考にした真作(K547a)披露や、両者の演奏による聴き比べ(イ短調K310)など、モーツァルトの作品を多彩に楽しめる演奏会となる。
2015年02月06日映画『エイトレンジャー2』が7月26日(土)に公開を迎え、「関ジャニ∞」の渋谷すばる、横山裕、村上信五、丸山隆平、安田章大、錦戸亮、大倉忠義、ヒロインを演じた前田敦子、堤幸彦監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズにて舞台挨拶を行なった。ヒットを記録した『エイトレンジャー』の続編で、前作の5年後が舞台。一見、平和を取り戻し、犯罪率も激減したかに見えるエイトシティの裏でうごめく陰謀にエイトレンジャーが立ち向かう。大歓声に迎えられた「関ジャニ」の面々は、第1作のヒットがあってこその今回の第2作の公開を、何よりファンのおかげと感謝。渋谷さんは「面白かったでしょうから周りに言いふらして」と作品の仕上がりに自信をのぞかせる。横山さんは、なぜか司会者から「ブラック役の青山さん」と名前を間違えて紹介され「初めてです!動揺を隠せません(笑)」と語り、その後もメンバーや監督も“青山さん”ネタで大盛り上がり。気を取り直して横山さんは映画を観終えたばかりのファンに「いま、僕らは3倍増しでカッコよく見えてると思う」と渋谷さんと同様に映画の質の高さに誇らしげだった。錦戸さんは「みなさんがいてくれるから『2』になりました。みなさんのおかげ」と感謝の言葉を連ねつつ、最後は「いい夏になるといいですね」とやや意味不明なコメントでメンバー、客席の爆笑を誘う。大倉さんは、2日前に同劇場を訪れたことを明かし「予告編を観て『あと2日なんや』と実感しました。ここに立っていられるのを幸せに感じています」としみじみ。丸山さんは、本作の盛り上がりを「『3』に繋げたい!」と早くもパート3を熱望しファンの期待を煽っていた。前田さんは、メンバー7人の個性豊かな挨拶に「みなさんとファンの掛け合いはホッとします」とニッコリ。その言葉に刺激を受けるかのようにメンバーたちはさらにヒートアップ!丸山さんは劇中でも多彩なものまねを見せているが、この日もリクエストに応じて井上陽水のモノマネを披露。「夏は『少年時代』を聴いてください」と語るも「サングラスがないので(出来は)3割くらい」と陽水口調で明かし、笑いを誘う。前田さんは「もしもメンバーと遊びに行くなら?」という問いに、「みなさん芸達者なので、キャンプファイヤーで出し物をしてもらってそれを見たい!」と語っていた。『エイトレンジャー2』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エイトレンジャー2 2014年7月26日より全国にて公開(C) J Storm/2014エイトレンジャー2映画製作委員会
2014年07月27日11月6日(水)に発売される、中国ドラマ『水滸伝』のDVDセット第6巻に、漫画界の巨匠・横山光輝氏が手がけた『水滸伝』キャラクター集合イラストカードが特典として封入されることが決定した。その他の写真中国ドラマ『水滸伝』は、構想10年、総製作費55億円を投下し壮大なスケールで完全映像化された歴史スペクタクルドラマ。今から約1000年前の世の中を舞台に、さまざまな事情で世間からはじき出された108人の英傑たちが“梁山泊”と呼ばれる自然の要塞に集結し、汚職や不正がはびこる世の中を変えるために“悪徳官吏を打倒し国を救う”事を目指す姿が描かれる。『鉄人28号』『三国志』『魔法使いサリー』などで知られる横山光輝氏は、同時期に活動していた手塚治虫氏や石ノ森章太郎氏らと並び称される漫画界の巨匠のひとり。特典となる今回のイラストは、横山氏が手かげた漫画『水滸伝』にある既存の絵を使って特別に制作された貴重な作品となる。全86話からなる中国ドラマ『水滸伝』のDVDは、全7巻セットで順次リリースされており、本日発売されたDVDセット第5巻には、『魁!!男塾』の宮下あきら氏による完全描き下ろしイラスト・カードが封入されている。『水滸伝』DVD-SET6(6枚組):11月6日(水)発売価格:18900円(税込)特典:横山光輝『水滸伝』キャラクター集合カード『水滸伝』DVD-SET5(6枚組):10月4日(金)発売価格:18900円(税込)特典:宮下あきら描き下ろし『水滸伝』イラストカード発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
2013年10月04日ユーキャンの企画で「資格取得できるかどうか」が話題になっていたAKB48のメンバー横山由依さん。多忙を極めるなか、コツコツ勉強を続けて見事合格し、そのひたむきに頑張る姿が魅力的と、人気も急上昇中です。そこで、今回は横山由依に学ぶ「真面目系女子」の魅力をご紹介したいと思います。■1.応援という形で気にかけてもらえる「資格とか自分で目標を立てて勉強を頑張っている女の子は応援したくなる。例え努力が実らなくてもその姿勢が大事だと思う。男は頑張ろうとしている女の子に優しい」(27歳/IT)横山由依さんは、AKBメンバー皆が認める「超努力家」。AKBや他ユニットを兼任しており、忙しい中でも時間を作って頑張り続ける姿は、周りのメンバーから賞賛の声が多く挙がっているのだとか。努力している姿は、自分から過度にアピールしなくても誰かが見てくれているはずです。「頑張っているアピール」をする必要はありません。コツコツ続けて誰かに気づいてもらうのがベストです。■2.結果がついてくると人もついてくる「努力してる人は、キラキラしている。自分も頑張ろうって刺激がもらえる人のそばには人が集まると思う」(25歳/メーカー)横山由依さんは資格合格のご褒美として、初のセンター曲が提供され、センターを務めるための企画ユニットも発表されています。振り返ってみると、ランキング圏外から選抜入り、そして資格を取得してセンターになり、遂には篠田麻里子の後を継いで、チームAのキャプテン就任と、出世しまくりです。もちろんファンもぐんぐん増加中。人は、頑張っている人のそばにいて、自分も頑張りたいと思うもの。真面目にコツコツ頑張って、結果を出す人は、男女共に周りの人を惹きつけるのです。■3.自分の時間を大切にしている「誰にも言われないで、自分で努力できる女性はちょっと放っておいても生きて行けるだろうから付き合いやすそう。束縛女は本当にいやだから趣味とか目標を持ってる女の人じゃないと付き合えない」(26歳/広告)男性は、自分の時間をたくさん奪ってくる女性を恋人には選びません。趣味がなかったり、男性に依存してしまう女性は一人の時間の使い方を知らないので敬遠されがちです。真面目系女子は、自分の目標に向かって努力をしたり、向上心を持って行動ができるので、かまってちゃんではないはずだと男性は判断します。男性は、付き合う前から時間を奪ってくる女性かどうかシミュレーションの中で見極めて来るので、そこで何かに打ち込んでいることが伝わればと好感度抜群です。■4.安心できる「真面目そうなだけで、浮気しないだろうなって思う。浮気される前に、別れてって言ってくれるはず」(29歳/コンサル)真面目系女子はやっぱり安心できます。貞操感があって浮気するほどはっちゃけたりできず、ワンナイトラブに対しても嫌悪感が働きそう、というイメージがあるからです。男性だって浮気するような女の人とは付き合いたくないのです。女性に浮気をされるとプライドが崩壊してしまう男性も多いため、「この子は浮気はしない」と思わせてくれるような、安心できる女性は重宝されるのです。■おわりにいかがでしたでしょうか?容姿が良かったり口がうまいことで、努力せずにチャンスをつかんでいく人に、男性は惚れません。むしろ妬みの対象になるだけ。真面目にコツコツやっている不器用なくらいの女性に胸を打たれます。真面目に何かに打ち込んでいたり、努力できる姿勢を見せることで、堅実なお付き合いができそうだと男性は想像を働かせてくれるので、結婚につながる恋愛を望んでいる女性は、是非真面目系女子になることをオススメします!(白武ときお/ハウコレ)<オススメの記事>・今こそ目指したい!「さしこ」のような愛され女子になる方法・AKBぱるるに学ぶ!愛され後輩テク・5選・AKB非選抜メンバーに学ぶ!構ってあげたくなる女の特徴
2013年09月10日7月、東京・Bunkamura シアターコクーンで上演する蜷川幸雄演出舞台『盲導犬』に、古田新太、宮沢りえ、小出恵介の出演が決まった。1973年に唐十郎が櫻社のために書き下ろし、蜷川幸雄が初めて唐戯曲を手がけた記念碑的作品。石橋蓮司、蟹江敬三、緑魔子が出演した伝説の舞台だ。蜷川は1989年に再び同作を手がけ、この時の出演者にはまだ年若かった木村拓哉も名を連ねた。そして今回、人気・実力を兼ね備えた3人の俳優を得て、24年ぶりに同作を再演する。舞台は新宿。盲人の影破里夫(エイ ハリオ)は、伝説の“不服従”の盲導犬・ファキイルを探し求めている。新宿にもうひとり、開かずのコインロッカーと格闘する女、奥尻銀杏(オクジリ イチョウ)がいる。ロッカーの中には、初恋の人タダハルの手紙が入っているのだが、南国で殺害された夫が鍵を持ったままなのだ。盲人と女、ふたりの魂は自ら求めるもののため、新宿をさまよう。はたして銀杏はタダハルと再会できるのか。そして、破里夫はファキイルに出会えるのか。破里夫に古田新太、銀杏に宮沢りえ、そして破里夫とともにファキイルを探し歩くフーテン少年に小出恵介。3人の舞台巧者がスペクタクル性と繊細な叙情性をあわせ持つ唐十郎作品に挑む。舞台は7月に東京・Bunkamura シアターコクーン、8月には大阪でも公演予定。
2013年02月05日イスラエルのユダヤ系とアラブ系、そして日本という異なる文化が集まり、演出家・蜷川幸雄のもと3年前からプロジェクトが進められてきた舞台『トロイアの女たち』。奇襲作戦“トロイの木馬”で知られる、ギリシャ軍に敗れたトロイアの王妃と娘たちの行く末を描いたギリシャ悲劇だ。しかしそこに綴られた“憎しみの連鎖”は、2400年前に書かれたとは思えないほど現代社会にも通じる生々しさをもつ。まずは日本で、その後はイスラエルにあるテルアビブ市立カメリ・シアターで上演予定の本作。11月下旬、クリエイトの現場となっている稽古場に立ち会うことができた。『トロイアの女たち』公演情報稽古前、いつものようにさりげなく歩き回り、キャストに声をかけていく蜷川。王妃ヘカベを演じる白石加代子を始め、ユダヤ系とアラブ系のメインキャスト、そして各人種混合のコロスまで、全員がすっかり打ち解けている様子だ。台本を見せてもらうと、右ページにはヘブライ語とアラビア語のセリフが、左ページには日本語と、右ページのセリフをカタカナに直したものが記されている。演者は馴れない外国語のセリフに注意深く耳を傾けなければならず、さらにひとつの動作でさえ、同じ国の人間なら察することが出来るものも、すぐに理解できるとは限らない。この日は地面にひれ伏す動きを見たユダヤ系キャストが「疲れて倒れたのか?」と身体的な質問をし、「哀しみに暮れている様子を表しているんだ」と蜷川が精神的な面を説明するひと幕も。稽古は続けて終幕の部分。夫も息子も殺されて自らも奴隷となることが決まったヘカベが、惨殺された孫アステュアナクスの亡骸をかき抱く場面だ。白石が能を思わせる言い回しで嘆き悲しむと、周囲の空気が一気に張り詰める。取り囲む15名のコロスもそれぞれの文化のリズムで鎮魂歌を歌い出すのだが、和を重視する日本側と、個々で見せようとするイスラエル側との動きが違いすぎて、まとまりを欠くことに。蜷川から「コロスは無名な人たちだけれど、だからこそある意味でこの物語、この歴史の主役。それを意識してほしい」と鋭い声が飛ぶ。うなずいたり考え込んだりといった表情の面々だったが、再びその場面を返すと、今度は個の動きを保ちつつ、少しずつ互いを見合うなどの変化があった。予定調和ではないヒリヒリとした現場の熱に、思わずこちらも引き込まれた瞬間だった。本作の会見で“演劇を通して世界にコミットしたい”と改めて語った蜷川にとって、宗教的・民族的な紛争を今も抱えるイスラエルとの共同制作は特別な意味をもつ。ヘカベ役の白石に向けた、「一元的な悲しみで演じないでほしい。世界にとってこの悲劇がどういう意味をもつかが重要なんだから」という蜷川の言葉。それは演劇と、この普遍的な物語がもつ力を信じる彼の、覚悟の表明でもあるのだろう。公演は、本日12月11日(火)から20日(木)まで東京芸術劇場プレイハウス(中ホール)にて。チケットは発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年12月11日映画『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』の行定勲監督と主題歌を手がける「クレイジーケンバンド」の横山剣が12月8日(土)、東京・代官山の「蔦屋書店」にて行われたトークセッションに出席。“男の恋愛”について語り合った。井上荒野の小説「つやのよる」を阿部寛、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら豪華キャストで実写化。自由奔放な妻・艶(つや)の最期に際し、夫の松生は彼女が過去に関係したと思われる男たちに連絡を取るが、そのことが彼らのそばで生きる女たちの人生に少しずつ影響を与えていくことに…。行定監督は「映画には幸運な主題歌と幸運じゃない主題歌があって、『何でこんな曲が?』というのもありますが、それは“政治”で決まったもの(笑)」といきなり不穏な発言。その上で言葉で説明するのが難しい“あいまいな”ラブストーリーである本作に関して、クレイジーケンバンドの主題歌起用の提案が意外にあっさりと通ったことを明かす。「剣さんの歌には男心を女に語らせたりする深いドメスティックな言葉がある。今回は映画に寄り添うというこれまでにない試みもやってもらった」と満足そうに語った。横山さんは映画のラスト近くで阿部さんが見せる表情を見て、「その瞬間にダーッとそれがトリガー(引き金)となって楽曲が押し出されてきて、歌詞も7割~8割できた」とふり返る。行定監督はこのシーンの撮影について「真夜中にクタクタの中で撮りました。阿部寛がこれまでにない顔をして『このためにオレは撮ってたんだ!』と思った」と述懐。横山さんが書き上げた楽曲「ま、いいや」についても、「普通は『ま、いいや』って歌詞は出てこない(笑)。松生(阿部さん)の気持ちに潜って書かれた愛し抜く男の歌詞。歌詞自体が映画の後日談のようで何故か爽快な気持ちになる」と絶賛した。ここから話題は男の恋、大人の愛をテーマに進行。横山さんは劇中に登場する女性キャラクターの中で、大竹さんが演じたかつて松生に捨てられた元妻の早千子が最も好みだと言明。自分を捨てた夫への思いをいまだに持ち続け、夫を奪った憎いはずの女・艶の病室に足を運ぶ早千子がとる驚きの行動について「男にはない、ちょっと理解できないような、理解できるような……涙が出てくるような不思議な体験でした」と語る。原作にはないこのシーンを取り入れた行定監督は「大竹さんの芝居が神秘的です」とうなずいた。また、横山さんは阿部さんが演じた松生について「最初は女に振り回されて情けない奴と思ってたけど、途中で価値観がひっくり返ってワイルドでタフな奴だと感じた」と共感を示す。これを受けて行定監督は「男は振り回されている方が、(付き合いが)長続きするものかもしれない。イニシアティブを取ったら飽きてしまうから」と分析。さらに「男はいろんな女性を愛したいもの。女性はずっと愛されたいでしょうが。男性の浮気に気づいてても黙っている女性がいますが、彼女がたまに(気づいているような)サインを送ると男は汗をかく(苦笑)。そういう“恐怖”を感じさせる女から男は逃れられずに長続きするんじゃないでしょうか?」とも。横山さんも「そんな気がしてきました」と同意していた。さらに“いい女”の要素について行定監督が「コンプレックスを持っている女が大好き」と告白。「巨乳よりも貧乳の女性。整形するということは決して良いことではない。みんな同じ顔になっていってしまう。芸術は10%の人しか分からないものが後になって価値が出たりするもの」と語ると、横山さんが激しく同意し「何で女の人はそこが分からないのかな…?」と不思議そう。いい男に関しても同様に横山さんは「フェチを含めて自分にしか分からない、自分の目盛りを持っている男がカッコいいと思う。人がどう思おうと、10%がカーッとなるような特化しているものがいい」と持論を展開し、会場につめかけたファンを沸かせていた。クレイジーケンバンドによる主題歌「ま、いいや」は2013年1月23日(水)発売、映画『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』は1月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:つやのよるある愛に関わった、女たちの物語 2013年1月26日より全国にて公開© 2013「つやのよる」製作委員会
2012年12月09日鬼才・橋本治が約40年前、作家デビューする以前に書き下ろしたという幻の戯曲『ボクの四谷怪談』。偶然、戯曲を目にした蜷川幸雄が長らく上演を温めていたというその舞台が、豪華な役者陣と、音楽監督に鈴木慶一を迎え、9月17日に東京・シアターコクーンにて初日の幕を開けた。“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”と銘打つ通り、鶴屋南北の有名な歌舞伎『東海道四谷怪談』をベースに、ファッションや風俗を執筆当時の1970年代に置き換え、随所にロックなど多彩な音楽を散りばめた異色作。開演前には、フォトコールと記者会見が行われた。ネオンサインがきらめく舞台に大音響でロックが流れ、ヒッピー風の男や着物姿の女、テキ屋風のオヤジに通りすがりの商売女など、雑多な登場人物が次々に現れては歌うオープニング。次に場面は飛び、「御休処」と書かれた小屋の前。後ろには書き割りの松が立ち、セットは歌舞伎の舞台さながらだ。Tシャツにジーパン姿の伊右衛門(佐藤隆太)が地面に売り物を広げていると、友人の直助(勝地涼)がやってくる。セーラー服が可憐なお袖(栗山千明)を紹介されて直助は喜ぶが、リーゼント姿の直助にお袖は気のない様子。ふたりが去ると、今度はスーツ姿の与茂七(小出恵介)が現れ、「お前、生きてて面白いか?」と伊右衛門を挑発する。敵討ちの計画を得意げに語る与茂七と、「どうだっていいじゃねぇか」とぶっきらぼうに返す伊右衛門。両者の掛け合いはそのまま歌につながり、「生き甲斐」と「死に甲斐」をそれぞれに主張する歌声が交差して広がる。会見では、「伊右衛門はずっとモヤモヤを抱えているので、僕も初めはどう演じたらいいか迷ってしまって。(蜷川と何度も仕事をしている)小出くんにはだいぶ助けられました」という蜷川作品は初参加の佐藤に、隣で小出が照れくさそうにするひと幕も。「蜷川さんは稽古でOKだった演技も、初日でやっぱりダメと言い出したりするから」と暴露する小出に、いつの間にか後ろから見ていた蜷川が「うるさいよ!」と突っ込むなどチームワークは万全の様子。「舞台上でパワーを放出していきたい」(勝地)、「台本がブッ飛んでいるので、驚きつつ楽しんでもらえたら」(栗山)と語るふたりも笑顔だ。その他、尾上松也(お岩役)や三浦涼介、谷村美月ら若手実力派の熱量を、麻実れい、勝村政信らベテラン勢がしっかりと支える本作。高揚感と共に伝わるその面白さは、ぜひ劇場で体感してほしい。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)『ボクの四谷怪談』は、10月14日(日)までシアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文佐藤さくら
2012年09月18日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の新作『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』が12月にKERA自身の、そして来年1月に蜷川幸雄の演出でシアターコクーンにて連続上演される。この一大プロジェクトに先駆けて某日、都内スタジオで行われたKERAバージョンの宣伝写真撮影現場に潜入した。『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』KERAバージョンのチケット情報スタジオでは生瀬勝久が撮影中。口に綿を含み、恰幅の良い姿で登場すると、「太った役をすると急にお腹が減る」と軽口をたたいて場を和ませていた。「写真は苦手」といいつつも次々とユニークなポーズをとる生瀬に、KERAからも笑いがこぼれる。本作では横暴で独裁的な市長を演じる生瀬。「たくさんのキャストが出ていても人間関係がつながっていて、それぞれ想いの輪郭が非常にはっきりしたキャラクターが描かれている。今回は僕自身知り合いが多いので、楽しみです」とKERA作品の魅力を語ったかと思うと、「(蜷川バージョンで同じ役を演じる)勝村政信には負けません! 投票してもらって決着をつけたい」と声を張り、スタジオは笑いに包まれた。今回が初舞台となる夏帆が撮影に入ると「あんまり純粋可憐になりすぎないように」とKERAが声をかける。役をイメージして細部にも気を配るKERA。次に撮影したのは2度目のKERA作品参加となる小出恵介。貧しい青年を演じる小出は「もっとおびえている感じだとどう?」というKERAの注文に瞬時に応え、順調に撮影が終了。小出は「出演者の波長が合ってひとつのメロディを奏でるような状態になれば、戯曲が観る方に伝わるはず。いまは何も予想できないし、KERAさんの作品はふたをあけてびっくりすることが多いから、こちらはなるべく柔軟にやっていかなくちゃと思っています」と意気込みを語る。現在、脚本執筆中のKERAに話を訊くと、「この脚本を蜷川さんにも演出していただく、という意識はやっぱりずっとある。実は一度蜷川さんとお会いして話したんだけど、その時の話は申し訳ないことに全く活かされてない」と苦笑。「いつもならこのセリフはこの役者ならこんな言い方をするだろうというシミュレートが頭の中にできているけれど、今回はあて書きをしていない。たとえば犬山イヌコが演じる役を蜷川さんバージョンでは伊藤蘭さんが演じる。そういう全然違うタイプの人が発するセリフをどちらにも寄せ過ぎず、ということをずっと考えていますね」と話す。まだ全貌の見えないこの作品がどんな形で目の前に現れるのか、年末が楽しみだ。KERAバージョン『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』は12月9日(日)から30日(日)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。その後、2013年1月11日(金)から14日(月・祝)まで大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて公演が行われる。チケットは東京・大阪公演ともに10月6日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選・プレリザーブの申し込みを9月19日(水)11時まで受付中。取材・文:釣木文恵
2012年09月12日蜷川幸雄演出による〈彩の国シェイクスピア・シリーズ〉の第26弾として『トロイラスとクレシダ』が上演される。本作はシェイクスピアが戯曲を書いた時代のスタイルそのままに、全キャストを男優が演じる「オールメール・シリーズ」の6作目にして初の悲劇。主演の山本裕典をはじめ、月川悠貴、細貝圭、長田成哉、佐藤祐基、塩谷瞬、内田滋ら若い俳優が多く出演する。7月下旬、熱気溢れる稽古場を訪ねた。『トロイラスとクレシダ』チケット情報物語は古代ギリシアのトロイ戦争が舞台。トロイの王子トロイラス(山本)は、神官の娘クレシダ(月川)に狂おしいほど思いを寄せていた。クレシダの叔父パンダロス(小野武彦)の取り持ちによってふたりは永遠の愛を誓い合い結ばれるが、捕虜交換によりクレシダは敵国ギリシア軍へ送られる。時がたち、軍使としてギリシア陣営に訪れたトロイラスが見たものは、新たな恋人と抱き合っているクレシダの姿だった。「勇気もって、言葉で言葉で!」蜷川の声が、エネルギッシュに鋭く、テンポよく次々と飛んでいる。気持ちの乗っていないセリフには「うそつき!」、手を抜いて演じているとみれば「省エネ!」と厳しい言葉も浴びせるが、そのスピードに役者は落ち込んでいる暇はない。蜷川には今回、若い世代を育てたいという思いがあり「最近の若い俳優たちは、自分の日常生活に近い芝居はできるけれど、シェイクスピアやギリシア悲劇のような、縦軸としての教養を必要とする戯曲は、違和感があってできない。今回のセリフは特に論理的。彼らにとって異質な言語をぶちこむ」と実に意欲的だ。厳しい言葉の裏には若い俳優たちへの愛情と優しさが透けて見える。気になるセリフには一つひとつ、どこを強調するのか、語尾の言い方などを具体的に演出していく。「屁理屈を言うよりもね、具体的で早いでしょ」と話すように、指示は的確で明快だ。稽古場を訪れた日は、トロイラスとクレシダがふたりで初めて朝を迎えたシーンの稽古中。やっていて難しいところはと山本に訊くと「ヒロインとは言え、相手は男性。いちゃつくところは抵抗がないと言えばうそになりますね」と照れ笑い。蜷川とは2回目のタッグとなるが「自分は無知なところがすごくあるので、今回は1から100まで鍛えてもらう感じで挑みます。毎日大変ですが、これを乗り越えれば役者としてまた一歩成長できるのかな」と話していた。稽古を終えた蜷川は「よし、ここは明後日くらいには熟成してくるだろう」とぼそり。多くの俳優を育ててきた蜷川には、すでに完成形が見えているようだ。強い言葉を浴びせながらも、期待に応えようと四苦八苦する若手俳優たちの姿に、蜷川が嬉しそうな表情をみせるのが印象的な稽古場だった。公演は8月17日(金)から9月2日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて上演。その後、大阪、佐賀、愛知を巡演する。取材・文:大林計隆
2012年08月06日作家・橋本治が東大在学中に書いた幻の戯曲が、蜷川幸雄の演出で上演される。その名も『ボクの四谷怪談』。鶴屋南北の怪談をベースに、生きる目的を求めて右往左往する若者たちの姿を描く“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”だ。橋本ならではのポップな現代語で綴られたセリフに加え、鈴木慶一によるオリジナル・ロックナンバーが随所で炸裂する。物語を担うのは橋本が「七人の侍」と名づけた若者たちで、民谷伊右衛門を演じる佐藤隆太は、今回が蜷川演出初挑戦となる。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)「ボクの四谷怪談」 チケット情報「蜷川さんから声をかけていただけるとは思ってもいなかった」と率直に驚きを語る佐藤。近年では映像での活躍が目覚ましいが、「自分を試される場」という舞台への思い入れは深い。「役者として今まで何を積んで来たのか、あらわになるのが舞台だと思う。その怖さを感じているからこそ逃げたくないし、出来るだけ舞台に立ちたいと願い続けています。でも、ここまで大きな山に向き合うことになるとは(笑)」。共演陣には小出恵介、勝地涼、栗山千明ら、蜷川演出を経験済みの若手も多く、「一番の後輩のつもりでアドバイスをもらいたい」と笑う。「第一線を走りながら、なお挑戦を続けられる蜷川さんのパワーを感じたい。コテンパンにやられる可能性も含めて、楽しみです」。伊右衛門は病身の妻お岩を持て余し、職も生きがいも定まらず運命に流される。しかし女にはモテる、やっかいな色男だ。映像作品での「熱く真っ直ぐな男」像から、人生に戸惑い、真摯に悩む男性像へと表現の幅を広げている佐藤にとって、さらに新境地を拓く役柄でもある。「自分が思う以上に“熱い男”というイメージを抱いている方も多くて、驚くことはありますね。そう思っていただくのは光栄な一方で、役者としてどんな役にも挑戦したい。絶好のチャンスをいただきました」。今回は「ロックミュージカル」だけに、伊右衛門が歌うナンバーもしっかりある。実は1999年、佐藤が俳優デビューを飾ったのもミュージカルの舞台(宮本亜門演出『BOYS TIME』)だったが、「僕は歌が決してうまくないんです」と告白するのがこの人らしい。「目指すところは“魂をガツンと届けられる”歌と芝居です。思えば初舞台の時は、歌も芝居もダンスもピカイチで下手なのに、よくもあれだけ堂々としていたなと(笑)。10年以上役者をやってくると、どんどん芝居することが怖くなってくるんです。何も恐れずにハチャメチャをやっていた、あの時の自分も無くさずにいたいですね」。共演は小出恵介、勝地涼、栗山千明、三浦涼介、谷村美月、尾上松也、勝村政信ほか。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで東京・シアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。チケットは東京・大阪ともに7月21日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選を東京は7月11日(水)11時まで、大阪は7月10日(火)11時まで受付中。取材・文:市川安紀
2012年07月03日村上春樹のベストセラー小説『海辺のカフカ』を演出家・蜷川幸雄が舞台化。5月3日の初日を迎えた彩の国さいたま芸術劇場は、世界に名を轟かせる両者のタッグ、さらに映画『誰も知らない』で衝撃的デビューを果たした、主演の柳楽優弥の初舞台に期待をかける観客で賑わった。『海辺のカフカ』チケット情報脚本はアメリカ人脚本家フランク・ギャラティが手がけ、2008年にシカゴで上演したものを使用。長年の村上文学ファンであるという蜷川も「非常によくまとめられている」と感心したそうだが、それだけに原作を損なわずに演劇に昇華させることに苦心し、巨匠にして危機感を伴う挑戦だったようだ。「メタファーで綴られた繊細な村上文学の世界を、あえて真逆の具体的なビジュアルを並べることで、多面的に立ち上げていく」。稽古場でそう語っていた蜷川の賭けの答えが、初日の舞台上に鮮やかに現れていた。「世界でいちばんタフな15歳の少年になる」ためにカフカ少年(柳楽)は家を出る。旅路で出会う商店街の看板や自動販売機、公衆トイレ、夜行バスなどの猥雑なノイズを想起させるアイテムたち、またカフカが行き着く図書館の整然とした書架などが、すべて黒枠のボックスに入って舞台に現れ、流れ過ぎていく。並行して描かれる、猫と会話ができる不思議な老人・ナカタ(木場勝己)の物語も同様で、ナカタが猫と語らう公園や、謎の人物ジョニー・ウォーカーの家、トラックなどがボックスに収められ、ほとんどの芝居がその中で進行。観客は展示物をひとつひとつ眺めるようにして、現実と非現実が錯綜するカフカとナカタの不安定な旅に誘われる。またピンライトの雨のような美しい照明効果が、カフカ少年の純粋な迷いを感じさせて印象深い。翻訳台本のセリフが、ほぼ原作小説での表現に沿っている点も難関だったであろうと想像するが、キャスト陣が健闘を見せた。柳楽は初舞台のぎこちなさはあれど、その心もとない表情がカフカ少年そのもので、原作にある「砂嵐を通り過ぎる」体験をまさに実践しているひたむきさが胸を打つ。多感なカフカを惑わせながらも安堵をもたらす女性さくらを、佐藤江梨子が小気味よく演じていて、ふたりのコントラストが愉快。飄々としたたたずまいから匂い立つ木場の巧さ、図書館の責任者・佐伯を演じる田中裕子の、浮遊感のある幻想的な立ち姿に惹きつけられる。図書館司書の大島を演じる長谷川博己は、人間味の薄い中性的な透明感をただよわせて面白い存在だ。15歳の少年が傷を受け、癒され、変化する成長潭を立体化した舞台は、ささやかな胸の痛みの余韻を残す。原作小説ファンにもぜひ踏み込んでもらいたい、新たな刺激を含んだ村上ワールドだ。公演は同劇場にて5月20日(日)まで上演。その後、大阪・イオン化粧品シアターBRAVA!にて6月21日(木)から24日(日)まで上演される。チケットはいずれも発売中。取材・文:上野紀子
2012年05月07日ギネス記録を打ち立てた企画に再び挑戦。ピアニストの横山幸雄が、ショパンのピアノ・ソロ作品演奏会を5月3日(木・祝)に開催する。「横山幸雄“入魂のショパン”」の公演情報2010年にショパンのピアノ・ソロ作品全166曲を約16時間で、翌2011年に全212曲を約18時間で弾き通し、「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」のギネス記録を打ち立てた横山幸雄。今回は、ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した全149作品に焦点を絞り、番号順に約15時間かけて奏破する。「朝はすがすがしいし、新鮮ですね。演奏会のプログラムでは、そこにショパンの若い時の作品があらわれます。お昼にさしかかるころには若々しいが既に脚光を浴びるショパンがそこにいる…」といった風に「ショパンの人生における成熟を、私たちの1日の流れに重ねあわせて感じていただくのも面白いのではないでしょうか」と語る横山幸雄。今回のプログラムの中でも特に注目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番・第2番のピアノ独奏バージョンだ。演奏機会が非常に稀であり、一昨年にこの楽譜の存在を知ったという彼は、自身コンサートで演奏するのは初めてで「実際の舞台でどのような演奏になるのか楽しみ」だという。「横山幸雄“入魂のショパン”」は5月3日(木・祝)朝8時より、東京オペラシティ コンサートホールで開催。チケットは発売中。●横山幸雄“入魂のショパン”日程:5月3日(木・祝) 開演:午前8時終演:午後11時(予定)会場:東京オペラシティ コンサートホール〔朝の部〕午前8時~〔昼の部〕午後0時50分~〔夕べの部〕午後3時40分~〔夜の部〕午後7時5分~
2012年05月01日文壇の鬼才・橋本治の幻の戯曲『騒音歌舞伎(ロックミュージカル)「ボクの四谷怪談」』を蜷川幸雄の演出により、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて9月・10月に上演することが決定した。出演は佐藤隆太、小出恵介、勝地涼、栗山千明ら若手俳優から、麻実れい、勝村政信、瑳川哲朗らベテラン勢が顔を揃える。本作は、現代を生きる若者たち<七人の侍>の自分探しの青春群像劇で、作家・随筆家として多くの名作を輩出しながら、古典文学の現代訳や二次創作にも意欲的な橋本治が学生時代に書き下ろした幻の戯曲。それを蜷川が発掘、舞台化するもの。登場人物のねじれた青春が疾走する破天荒な物語は、橋本のダイナミックかつ繊細な手法で抽出された現代性と、『四谷怪談』の作者・鶴屋南北へのオマージュが見事に昇華されている。また多種多様な音楽が効果的に挿入されており、橋本の<四谷怪談>と<ミュージカル>への情熱がほとばしる超大作だ。音楽はロックの黄金時代といわれる1970年代に本格的な活動を開始した鈴木慶一が手掛ける。執筆されてから40年の間、活字にもされたことなく静かに眠り続けていた貴重な戯曲を、蜷川が若い俳優たちの体を通してどのように表現するのか期待したい。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで同劇場にて上演。チケットは7月21日(土)より一般発売する。【キャスト】佐藤隆太小出恵介勝地涼栗山千明三浦涼介谷村美月尾上松也麻実れい勝村政信瑳川哲朗青山達三梅沢昌代市川夏江大石継太明星真由美峯村リエ新谷真弓清家栄一塚本幸男新川將人ほか
2012年03月12日蜷川幸雄が率いる若手演劇集団さいたまネクスト・シアター。その第3回公演となる『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』が、2月20日(月)から3月1日(木)まで、彩の国さいたま芸術劇場で上演される。2012年・蒼白の少年『少女たちによる「ハムレット」』公演情報稽古場では、無名の若い役者たちが衣裳や演技のアイデアを出し、そこに蜷川の情熱的な声が飛んでいた。「今ある自分の感性を信じすぎるなよ!」「他人と似ないことをしろ!」「そんなことで新しい風を持ち込めるのか!」……若者たちは途方に暮れながらも、考え、動き、また打ちのめされ、自分にしかできない表現を少しずつ探っていく。厳しい演出だが、「若い連中を矯正するつもりはないよ」と蜷川は言う。実際、昨年のオーディションでは「無表情」の若者たちをあえて選んだ。デジタルな電子機器に囲まれ、遮蔽物を通してしか他者と関われない現代への興味がそこにはある。しかし蜷川はまた、まるで若者たちを挑発して楽しむかのように言い放つ。「オレはお前たちをそこまでは肯定しないぞ!」自身、7度目の演出となる『ハムレット』については、「いつも謎が残り、取りこぼしてしまうものを感じてきた」という。今回は舞台装置にアクリル板を使い、ひんやりとした距離感を体現する。「氷の張った池の下にいる金魚を眺めるようなハムレット。報復の連鎖に荷担することを躊躇し、透明な抑圧の中に生きる姿を描きたい」。翻訳テクストは、藤原竜也が主演した2003年版と同じく河合祥一郎訳。一部カットはするものの恣意的な変更は加えない。そうしたある種の「不自由な条件」の下に他者を信頼し、その言葉を許容していくプロセスに、蜷川は演劇の可能性を見ているようだ。最大の見所は、演歌歌手・こまどり姉妹の特別出演!蜷川はおよそ40年もの長きにわたり、「生活者の目線」として、極貧生活から這い上がってきた彼女たちの存在を意識してきた。果たしてこまどり姉妹はどのように舞台に登場し、そこに若い役者たちはどう応えるのか?「3.11で、老人も若者も子供もみんな体育館に雑居する生活のるつぼが生まれた。かつての演歌にあった混沌さのようなものが、一気に露見してくる共通の土壌が今、できたんじゃないか」。世界的演出家と、無名の若者たち、そして伝説の演歌の女王による実験的『ハムレット』。予想を超えたセッションが生まれそう。チケットは発売中。取材・文:藤原ちから
2012年02月09日2010年4月9日に永眠した井上ひさしの70近い戯曲の中から8作品を、蜷川幸雄、栗山民也、鵜山仁、長塚圭史の4人が演出し、『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』として開催されることが決定した。なお、長塚は井上戯曲初挑戦となる。『十一ぴきのネコ』チケット情報このフェスティバルは、2011年11月16日に井上ひさしが77歳の誕生日を迎えることを祝い、2012年に喜寿のフェスティバルとして開催を予定していたが、趣向を変えて“生誕77年のフェスティバル”として開催することとなった。生前、井上ひさし自身もこのフェスティバルについて「それは、大変おもしろいね」と楽しみにしていたそうで、今回、井上戯曲とつながりの深い演出家や、生前に親交のあった関係者らが協力する形での実現となる。なお、フェスティバル参加作品は以下のとおり。公演は1年を通じて上演される。・長塚圭史…『十一ぴきのネコ』紀伊國屋サザンシアター1月・鵜山 仁…『雪やこんこん』紀伊國屋サザンシアター2月、『芭蕉通夜舟』紀伊國屋サザンシアター8月・栗山民也…『闇に咲く花』紀伊國屋サザンシアター4月、『藪原検校』世田谷パブリックシアター6月、『組曲虐殺』天王洲・銀河劇場12月・蜷川幸雄…『しみじみ日本・乃木大将』彩の国さいたま芸術劇場7月、『日の浦姫物語』Bunkamuraシアターコクーン11月チケットは東京・紀伊國屋サザンシアターの『十一ぴきのネコ』が10月29日(土)より発売。上演スケジュールは2012年1月10日(火)から31日(火)まで。その他の公演は詳細が決定してからの発売。
2011年10月11日年末、恵比寿ガーデンシネマの閉館(1月28日(金)まで)を聞いて驚いていたら、新年に入ってまたまたがっかりするニュースが届きましたね。シネセゾン渋谷も、2月27日(日)で閉館することが決まったなんて。いずれも固定ファンが多く、上映作品にも良質なものが多かった映画館だけに、寂しさもひとしおです。ミニ・シアターブームを支え、個人的にもお世話になった映画館だけに極めて残念。ここ数年、日本における「映画」の立ち位置が変わり、映画の観方にも変化があらわれているだけに、各劇場の存続が難しいのは分かっていましたが、やはり映画文化を根底から支える良質な箱が消えていくのを見るのはつらいものですね。いわゆる単館系映画の行く末は、ますます厳しくなりそうです。一方、映画ファンには歓迎したいニュースも。シネコン最大手のTOHOシネマズが、入場料の本格的値下げに踏み切るとか。これも、シネコン競争激化による収入の落ち込みゆえとのことですから、映画業界にしてみれば苦肉の策。決して景気のよい話ではありませんが、これを機に何かが変わればという希望も抱きたくなるものです。と、このように映画をとりまく環境は時代によって変わりつつありますが、いち映画ファンとして常に最も気になっているのは、今年はどんな作品が喜びや驚きをもたらしてくれるかということ。すでに、今年のラインナップが届いていますので、期待に胸を膨らませているところです。個人的に、すでに気になっている作品はいくつもありますが、中でも注目しているのが、この春に集中して公開されるクラシック音楽家たちの伝記もの。年が明けると、毎年ゴールデンウィークに東京国際フォーラムを拠点に行われるクラシック音楽イベント「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(以下、LFJ)のことで気もそぞろになるのですが、そんな私を刺激しているのが、グスタフ・マーラーとその妻アルマとの夫婦愛を描いた『マーラー 君に捧げるアダージョ』(右上写真)。「LFJ」でも今年のテーマとして取り上げる作曲家のひとりです。マーラーといえば、『ベニスに死す』の主人公はマーラーにインスパイアされているとも言われ、劇中に流れる彼の交響曲第5番第4楽章は、作品を語る上で欠かせないものとなりました。そのほかの映画でも楽曲の引用が多く、映画界との繋がりも強いマーラー。今回の作品を監督したのは『バグダッド・カフェ』でおなじみのパーシー・アドロンとその息子フェリックス・O・アドロン。世紀末のウィーンで、クリムトをはじめとする名だたる芸術家を魅了した時代のミューズ・アルマと、19歳も年下の彼女を妻に持ったマーラーは、どんな関係にあったのか、マーラー夫妻の愛の真実に迫ります。劇中に流れる数々の名曲は、フィンランド出身のエサ=ペッカ・サロネン指揮により、スウェーデン放送交響楽団がわざわざ本作のために演奏。ぜひ、劇場でマーラーの音に包まれながら、2人の愛に浸りたいものです。こちらは、ゴールデンウィーク公開予定ですので、LFJに行ってから観るもよし、観てからLFJに行ってもよしというところですね。そうそう、今年はマーラー生誕150年、没後100年にあたるそうです。さて、フレデリック・ショパンの生誕200年は昨年のこと。LFJ2010のテーマでもあった彼ですが、今年もその熱は続きそう。ジョルジュ・サンドとの熱愛は有名で、交際期間中に数々の名曲を生み出したことでも知られていますが、3月5日(土)公開の『ショパン愛と哀しみの旋律』(左写真)では、喜びだけでなく激しい悲しみさえももたらした愛が、作曲家ショパンに何をもたらしたのか、新たなる視点で描いているとか。ヨーヨー・マ、ヤーヌシュ・オレイニチャク、横山幸雄らが演奏に参加した音楽にも期待です。これら2本の作品からもわかるように、偉大な音楽家の陰には、常に女性の存在があるものです。歴史的な音楽家として知られるようになった彼らの影で、陽が当ることがなかった女性もいます。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(以下、モーツァルト)の実姉マリア・アンナ(愛称ナンネル)もそのひとり。神童として知られた弟と共に、父に連れられてヨーロッパ各地を旅したナンネルも演奏だけでなく、作曲の才能にも恵まれていたと言います。ところが、当時は才能があっても女性が作曲を行うなどということは許されない時代。女性であるというだけで、次第に弟の陰に追いやられることになるのです。そんな彼女が、どのように創作の衝動と情熱を持ち続けたかという点に注目したのが、『ナンネル・モーツァルト哀しみの旅路』(上写真)。弟の生涯を描いた『アマデウス』のインパクトがあまりに強烈だったため、モーツァルト映画はなかなか登場しないだろうなと思っていましたが、こんな変化球がありましたか。その一生について様々な考察がなされているモーツァルトですが、これはファンにとっても新鮮な視点となるのではないでしょうか。近年は特にクラシック音楽系の映画が多く登場しています。セルゲイ・ラフマニノフ、クララ・シューマン、イゴール・ストラヴィンスキー…。遡れば、もっとザクザク登場します。やはり、彼らの数奇に富んだ人生、情熱に正直に生きたそのさまは、極めて興味深いもの。豊かな才能があるがゆえの葛藤も、凡人にはあまりに眩しすぎ。羨ましいなとど言ったなら、あまりに想像力がなさすぎでしょうかね。(text:June Makiguchi)■関連作品:バグダッド・カフェニュー・ディレクターズ版 2009年12月5日よりユーロスペースほか全国順次公開©2008 KINOWELT INTERNATIONAL GmbHショパン 愛と哀しみの旋律 2011年3月5日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2002, A Jerzy Antczak Production, All Rights Reserve.ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路 2011年4月、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© copyright 2010 Les Films Alyneマーラー 君に捧げるアダージョ 2011年G.W.、ユーロスペースほか全国にて順次公開© 2010, Pelemele Film, Cult Film, ARD, BR, ORF, Bioskop Film GmbH■関連記事:あの名作が甦る!『バグダッド・カフェニュー・ディレクターズ版』ポストカードを5名様プレゼント
2011年01月26日人気ミステリー作家・横山秀夫の4つの短編を、仲村トオル、岸谷五朗、玉山鉄二、渡部篤郎という4人の人気俳優をそれぞれ主演に据えて映像化した「横山秀夫サスペンス」。WOWOWで放送された本作がこのたび、DVDでリリースされ、4作品をまとめた予告編も到着した。『半落ち』、『出口のない海』、『クライマーズ・ハイ』などの映画化作品をはじめ、その著作が数多く映像化されている横山秀夫。数々の名作の中から「真相」(双葉社刊)に収録されている「18番ホール」、「他人の家」の2作と、「看守眼」(新潮者刊)に収められている「自伝」、「静かな家」をそれぞれ約1時間のドラマとして映像化した本作。「18番ホール」は、地元の村の再開発の話を聞いて村長選に立候補した男が主人公。実は彼には12年前のある秘密を隠すため、何としても当選する必要があった。当初は楽勝と思われていたが、強力な対抗馬の存在で徐々に暗雲が…。『行きずりの街』の公開を控える仲村トオルが当選のために必死で奔走する主人公に挑む。「静かな家」は「誤報」というタイトルで岸谷五朗を主演に映像化。ある地方新聞の記者が、写真展の日程を誤って報道してしまうのだが、それに端を発して謎めいた事件が…。「自伝」の主人公で、母に捨てられたトラウマを抱えて生きるライターを演じるのは『ノルウェイの森』がまもなく公開となる玉山鉄二。彼の元に家電量販店の会長の自伝執筆の依頼が。取材の初日、その会長は人を殺した過去を告白。そこから衝撃的な真実が明らかになる。「他人の家」は強盗事件で服役し、いまは妻との静かな暮らしを望みつつも前科のせいで行くあてをなくした男が、近所のがんを患った老人の申し出で、彼の養子に入り家を受け継ぐ約束をする。ここから、彼と妻は、恐るべき事件に巻き込まれることになる。渡部篤郎が再起を図る前科者の悲哀を見事に表現している。日本随一のミステリー作家の作品を原作にした4人の実力派俳優の物語が一挙に楽しめる本作。男たちの運命は――?「横山秀夫サスペンス」DVDは発売中(同時レンタル中)。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY「横山秀夫サスペンス DVD-BOX」価格:4,980円(税込)発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント© 2010 WOWOW■関連作品:行きずりの街 2010年11月20日より全国にて公開© 2010「行きずりの街」製作委員会クライマーズ・ハイ 2008年7月5日より丸の内TOEI1ほか全国にて公開© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ■関連記事:【TIFFレポート】仲村トオル俳優デビュー25周年50度カクテル一気飲み「ファイヤー!」仲村トオル、チャン・ドンゴンとの再会に感激!『行きずりの街』韓国公開も即決定ハズレなし!「映画館大賞2010」まもなく発表中谷美紀が選ぶ「1本」は?尾野真千子インタビュー「ここで隠したら一緒になれない気がした」と“覚悟”明かす堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』――。「近代文学と“再会”できました」
2010年11月02日