歌舞伎俳優の市川海老蔵が18日、自身のブログを更新。17日発売の『週刊少年ジャンプ』で最終回を迎えた人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(『こち亀』)について言及した。海老蔵は、「私はさっきコンビニで」という説明とともに、『こち亀』最終回が掲載された『週刊少年ジャンプ』の表紙と中面の写真をアップし、「お疲れ様です」とコメント。「40年なんかさみしい…」と長寿漫画の連載終了にしみじみし、「子供の頃買っていた少年ジャンプ、久しぶりに買いました」とつづった。海老蔵はそれ以前のブログで、朝食を食べた後、長女・麗禾ちゃんと長男・勸玄くんとともにコンビニに買い物に出掛けたことを報告。勸玄くんと手をつないで店の中を歩いている写真や、麗禾ちゃんと勸玄くんが商品を探している写真などを多くアップしていた。
2016年09月18日アポロの月面着陸、火星探査機の活躍、国際宇宙ステーション――。数々の華々しい成功に彩られている宇宙開発だが、その栄光の影には、失敗の歴史が連なっている。多くの人から望まれるもさまざまな事情により実現しなかったもの。あるいはごく少数からしか望まれず、消えるべくして消えたもの…。この連載では、そんな宇宙開発の"影"の歴史を振り返っていく。国際宇宙ステーション(ISS)に約141日間滞在した油井亀美也宇宙飛行士が、2015年12月11日に地球に帰還した。油井さんの滞在中、ISSは宇宙飛行士の滞在開始から15周年、また最初の打ち上げから17周年を迎えた。地球上では何かと対立している米国とロシアだが、ISSの運用には影響なく、平和の象徴として今日も地球のまわりを回っている。だが、米国とソヴィエトが対立していた1960年代。宇宙ステーションが平和の象徴としてではなく、宇宙の軍事利用の象徴として使われる可能性が存在した。本連載の第1回では、米国が1960年代に計画していた、軍事目的の有人宇宙ステーション「MOL」(モウル)を取り上げる。○宇宙から敵を見下ろす冷戦の中で、米ソの間には常に緊張の糸が張りつめていた。お互いに相手に負けじと、新しい飛行機や核兵器、そして大陸間弾道ミサイルの開発を推し進めた。米国もソ連もそれぞれ相手の状況を知りたがったが、飛行場もミサイル基地も、相手が支配する空の下にしかない。そこを飛行機で飛行し、写真を撮影して帰ってくるのは至難の業だった。実際、1960年には、米空軍のU-2偵察機がソ連領内を偵察中、対空ミサイルで迎撃されるという事件が起きている。そんな中、1957年10月4日にソ連は、世界初の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功。続いて1958年1月31日には、米国も初の人工衛星「エクスプローラー1」の打ち上げに成功する。これをきっかけに両国は、次々と新しい人工衛星や月・惑星探査機、有人宇宙船を打ち上げ、人間を月に送り込むことを目指した競争を繰り広げることになるわけだが、それと同時に、人工衛星という新しい道具には、軍や諜報機関も大きな興味を抱いた。人工衛星は飛行機が飛べる限界よりもはるかに高いところを飛び続けることができる。そこから地球の表面を見れば、戦闘機や対空ミサイルに邪魔されることなく、相手を自由に観察することができるということになる。それに気付いた米ソは、宇宙から地表を監視する衛星、今でいう偵察衛星の開発を始めた。だが、当時はまだ技術が浅く、見たいところにカメラを向け、撮影して地上に送るという、今なら1kgぐらいの超小型衛星でもできることが難しかった。そこで米国では、「無人の衛星では難しいならば、人間を宇宙に滞在させれば良いではないか」という考えが生まれた。人間の脳と目、手は、ある意味では最強のコンピューターであり、カメラであり、ロボット・アームである。人間ならその目で直接地上を監視することができるし、手でカメラを自由自在に動かすこともできる。何か緊急事態が起きれば、すぐに地上の軍隊に指令を出す判断もできる。そして1962年、米空軍と米国家偵察局(NRO)は「MOL」(Manned Orbiting Laboratory、モウル)と名付けられた、「宇宙の司令所」を造る計画を立ち上げた。○宇宙の司令所実はMOL計画が立ち上がる前から、米空軍は宇宙を軍事利用することに興味を抱いていた。宇宙は空の向こうにある。ならばそこを支配するのは空軍の役目である、というのがその理屈だった。米空軍の動きは早く、1957年にはすでに、小型のスペースシャトル「X-20 ダイナソア」の開発計画を立ち上げている。1957年というと、米航空宇宙局(NASA)が最初の宇宙船「マーキュリー」を開発するよりも早く、さらに米国が初の人工衛星を打ち上げるよりも前のことだった。X-20は1963年に開発中止となるが、そのころNASAでは、すでに有人月着を目指したアポロ計画がスタートしており、その中で必要となる、宇宙船同士のランデヴーやドッキング、長期間滞在、船外活動などの技術や経験を得ることを目的とした新しい宇宙船「ジェミニ」を開発していた。米空軍はジェミニにも早い段階から秋波を送っており、まだNASAで初飛行すらしていない1962年に、すでに軍用ジェミニとも言うべき、「ブルー・ジェミニ」という計画が立ち上げている。人が乗って宇宙に行って帰ってこられるだけの単なるカプセルだったマーキュリーとは違い、ジェミニは軌道上で長期間滞在でき、また軌道を変えたり、機体を自由自在に動かしたりできる、本格的な宇宙船として最低限の能力をもっていた。NASAにとってジェミニはアポロへの通過点に過ぎなかったかもしれないが、米空軍にとっては宇宙の軍事利用の嚆矢として、まさにうってつけな宇宙船だったのである。しかし、ブルー・ジェミニもまたX-20同様に1963年に中止され、X-20とブルー・ジェミニの仕切りなおしとして始まったのが、MOLだったのである。MOLの計画は完全に秘匿されていたわけではなく、1963年12月10日にはロバート・マクナマラ国防長官によって開発の開始が発表され、計画の存在は公のものとなっている。ただ、このときは「米空軍による宇宙の軍事利用の有効性を試験する」というあいまいな名目のみが掲げられ、NROによる地表の偵察という目的は明らかにされなかった。ちなみにNROでは「KH-10 ドリアン」というコードネームで呼ばれていた。○恐るべき船底の穴MOLは、宇宙飛行士が打ち上げと帰還の際に搭乗する「ジェミニB」と、宇宙飛行士の滞在場所となり、また地上を監視するための大きな望遠鏡を装備する宇宙ステーション部分とで構成される。宇宙ステーション部分は円筒形をしたシンプルなもので、ミサイルや宇宙ロケットとして活躍していた「タイタンII」というロケットの第2段を流用して造られている。内部は宇宙飛行士が生活するための区画や、実験などの活動を行うための区画などに仕切られている。ジェミニBはジェミニを改造した宇宙船で、外見や大きさにはあまり大きな変化はない。ただその内部は大きく改修されており、NASAのジェミニとは異なっている。この宇宙ステーションとジェミニBとの間をどう行き来するかはひとつの課題となった。ジェミニには側面にしかハッチ(扉)がなく、いったん宇宙空間に出て、外側を伝ってMOLに乗り移らなければならなかった。かといって、アポロ宇宙船やロシアのサユース宇宙船のように、上面にハッチを造ろうにも、ジェミニの上部には機器が入っているため難しく、また上部にMOLを装着して打ち上げることはできないため、宇宙空間で反転させてドッキングするといった面倒な手間がかかる。そこで編み出された結論が、「宇宙船の下部にハッチを設ける」ということだった。ただ、宇宙船の下部には、大気圏再突入時に熱を受け止める耐熱シールドがある。そこにハッチを設けるということは、たとえばハッチが壊れ閉められないと帰還できなくなるし、また耐熱シールドに穴を設けるということは構造的に弱点ができるということを意味しており、これは非常に挑戦的なことだった。宇宙ステーション部分とジェミニBは結合された状態で打ち上げられ、帰還時には宇宙ステーションからジェミニBのみ切り離され、地球に帰還する。宇宙ステーションは基本的に使い捨てで、ISSのように何度も訪れることはできず、次のミッションではまた新しい宇宙ステーションとジェミニBが打ち上げられることになっていた。ただ将来構想として、ドッキング・ポートを設け、ジェミニBに乗った宇宙飛行士が何度も訪れることができる、長期的な宇宙ステーションにする案もあったようだ。【参考】・江藤巌. 宇宙の傑作機 No. 2.5 ジェミニ宇宙船. 風虎通信, 2008, 56p.・The DORIAN FILES REVEALED: A COMPENDIUM OF THE NRO’S MANNED ORBITING LABORATORY DOCUMENTS・NRO - Declassified Records: GAMBIT and HEXAGON Histories・On The Shoulders of Titans - Ch6-2・NASA - Spacesuits Open Doors to MOL History
2016年03月01日宇宙飛行士の野口聡一氏が17日、東京都墨田区の東京スカイツリーで行われた映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(12月18日公開)の公開を記念したライティングイベントに登場し、『スター・ウォーズ』への熱い思いを語った。野口氏は、作品の舞台である宇宙にちなんだゲストとして登場。「小学生の頃にエピソード4を初めて見て、宇宙目指してミレニアム・ファルコン号でのぼっていく感じとか、すごく心に残っている」と『スター・ウォーズ』との出会いを明かし、「宇宙を目指す第一歩だったと思う」と振り返った。好きなキャラクターを聞かれると、「乗り物好きなので…ミレニアム・ファルコン号」と答え、「なんといってもイオンエンジンですから! われわれJAXAが誇る"はやぶさ"と同じです」と熱弁。「『スター・ウォーズ』の世界からずっと時代がたって、"はやぶさ"にミレミアム・ファルコンのイオンエンジンが残っていると思うと夢が広がる」とうれしそうに話した。また、『スター・ウォーズ』がきっかけで宇宙に興味を持った宇宙飛行士は多くいると言い、「先週まで宇宙に行っていた油井亀美也さんのクルーもみんな好き」「来年宇宙に行く大西卓哉さんもファン」と紹介。「NASAのアメリカ人ももちろん大好き」と続け、「スペースシャトルに搭乗した『スター・ウォーズ』ファンの宇宙飛行士の希望により、ライトセーバーがスペースシャトルに積まれて宇宙に行ったことがある」と驚きのエピソードも披露した。そして、宇宙飛行士について、「『スター・ウォーズ』に出てくる戦闘機乗りの気質に近い」と分析し、「いろんな場面で落ち着いて状況をよく見て、宇宙ステーションを操るという意味で」と補足。「エピソード4で、デススターに向かって飛んでいくシーンなど、戦闘機乗りのシーンは心が熱くなるものがある」と語った。世界一宇宙に近いタワーでもある東京スカイツリーを『スター・ウォーズ』のライトセーバーに見立てた公開記念ライティングは、12月17日~20日の4日間限定で実施。光と闇の戦いをイメージした青と赤の2色の演出から始まり、最新作の悪役カイロ・レンが操る赤い十字型のライトセーバーが立ち上がる、動きのある演出が楽しめる。(C) 2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved
2015年12月17日油井亀美也さんら、3人の宇宙飛行士が乗ったロシアの宇宙船「サユースTMA-17M(ソユーズ)」が、12月11日(現地時間)、141日間にわたる国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在ミッションを終え、地球に帰還した。同宇宙船は日本時間12月11日18時49分、アリェーク・カノネーンカ宇宙飛行士(露宇宙庁)、油井亀美也宇宙飛行士(JAXA)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)の3人を乗せて、国際宇宙ステーションの「ラスヴェート」モジュールから分離。単独で飛行した後、21時19分から軌道離脱のための噴射を開始し、完了後に各モジュールを分離した。宇宙飛行士が乗った帰還モジュール部分は21時49分ごろに大気圏に再突入し、パラシュートを展開しつつ降下。そして22時12分(カザフスタン時間19時12分)ごろに、カザフスタン共和国のジェズカズガンの北東にある平原地帯に着陸した。当時、現地の天候は悪く、着陸の瞬間の映像などはなく、宇宙船との通信もできない状態が続いたが、約5分後に無事に着陸に成功したことが確認された。その後、回収部隊が到着し、宇宙飛行士らは船外へ出ることとなった。3人の健康状態は正常だという。油井飛行士は帰還後「ただいま。体調は大丈夫です。重力を感じます。寒いけれど、みなさん大丈夫ですか? 宇宙も素晴らしいけど、地球も素晴らしい。冷たい風が心地よい。ゆっくりシャワーでも浴びたいが、ツイッターをフォローしている人がたくさんいるので、発信していきたい」と語った。同宇宙船は2015年7月23日に、今回帰還した3人を乗せて打ち上げられた。3人は到着後、141日間にわたってISSに滞在し、さまざまな実験や、ISSにやってくる補給船の運用などを行った。帰還は当初、12月22日と計画されていたが、11月に予定されていた新型のプログレス補給船の打ち上げが12月21日に延期となり、宇宙船の到着や出発が集中し、運用が大変になることから、帰還日の前倒しが決まった。また今回の着陸は、2012年以来の夜間着陸となった。サユース宇宙船がISSとの往復で使われるようになって以来、着陸が夜間になったのは、サユースTM-34(2002年)、サユースTMA-4(2004年)、サユースTMA-5(2005年)、サユースTMA-7(2006年)、そしてサユースTMA-05M(2012年)で、今回で6例目となる。○12月15日には新しい飛行士が出発、21日には新型補給船の打ち上げも油井飛行士らが帰還したことで、現在ISSにはスコット・ケリー飛行士(NASA)、ミハイール・カルニエーンカ飛行士(露宇宙庁)、シルゲーイ・ヴォールカフ飛行士(露宇宙庁)の3人が滞在している。今後、12月15日には、ユーリィ・マレーンチェンカ士(露宇宙庁)、ティモシー・コプラ飛行士(NASA)、ティモシー・ピーク飛行士(欧州宇宙機関)の3人の宇宙飛行士を乗せた「サユースTMA-19M」宇宙船が打ち上げられ、ISSは再び6人体制となる。この3人はISSの第46/47次長期滞在員として、約半年間滞在する予定となっている。また12月21日には、ロシアの新しい無人補給船「プラグリェースMS」の打ち上げも予定されている。プラグリェースMSには新型の航法システムや、自動ランデヴー・ドッキング・システムなど、多くの新しい技術が採用されており、ミッションが成功するかどうかが注目される。○現在のISS滞在員第43/44/45/46次長期滞在員(2015年3月23日~2016年3月)スコット・ケリー(NASA)ミハイール・カルニエーンカ(露宇宙庁)第45/46次長期滞在員(2015年9月2日~2016年3月)シルゲーイ・ヴォールカフ(露宇宙庁)参考・РОСКОСМОС. МЕЖДУНАРОДНЫЙ ЭКИПАЖ КОРАБЛЯ «СОЮЗ ТМА-17М» ВЕРНУЛСЯ НА ЗЕМЛЮ・NASA Astronaut Kjell Lindgren Safely Returns to Earth | NASA・JAXA | 油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の帰還について・ソユーズ宇宙船(43S)着陸!:油井宇宙飛行士ISS長期滞在 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA
2015年12月12日ノーリツはこのほど、11月26日の「いい風呂の日」に合わせて実施したお風呂に関する意識調査の結果を発表した。調査は9月11~14日にインターネット上で行われ、20代以上の男女2,000名から回答を得た。はじめに健康において最も不安なことを尋ねたところ、1位は「加齢」(23.9%)となり、次いで「体重増加」(15.1%)、「目のかすみ・視力低下」(12.5%)が続いた。年代別に見ると30~40代では1位に「体重増加」(28%)、2位に「ストレス」(22%)がランクインしている。お風呂と健康管理の関係については、「役立っていると思う」(42.4%)、「まあ思う」(46.9%)を合わせて89.3%の人が健康管理に役立っていると考えていることがわかった。次にお風呂あがりに体をふくタオルの種類について聞いた。結果は71.8%の人が「バスタオル」と回答。しかし地域別にみると、九州地方では「フェイスタオル」と回答した人が52.4%と「バスタオル」よりも多かった。さらに外国人にお薦めしたい日本の温泉地も調査。最も多かった回答は「大分・別府」(11.1%)となった。2位には「群馬・草津」(10.9%)、3位には「大分・湯布院」(9.6%)がランクインしている。最後に「あなたが今年お風呂にゆっくりつかってほしいと思う人は誰ですか? 」と質問したところ、1位は「家族」(26.4%)となった。有名人の中では、「安倍総理」(17.0%)、「油井亀美也(宇宙飛行士)」(10.8%)、「イチロー(野球選手)」(5.0%)が上位に入っている。
2015年11月25日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月24日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の油井亀美也 宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船の帰還予定日が12月11日午後10時10分頃(日本時間)に決まったと発表した。同宇宙飛行士は7月23日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から宇宙に出発し、第44/45次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に滞在。滞在中は8月19日に種子島宇宙センターからHII-Bロケット5号機により打ち上げられたISS補給機「こうのとり」5号機(HTV5)のロボットアームによるキャプチャ(把持)を担当するなどした。なお、帰還日時は、帰還予定日の数日前に開催される飛行準備審査会で最終決定されることとなる。
2015年11月24日コニカミノルタプラザ(東京都新宿区)は、12月5日~25日に特別企画展「フランス・ランティング写真展『LIVING EARTH』」、2016年1月5日~2月7日に「宇宙から見たオーロラ展2016」を開催する。「フランス・ランティング写真展『LIVING EARTH』」は、「ナショナル ジオグラフィック」誌をはじめとした数々の媒体で活躍する自然写真家フランス・ランティング氏の写真展。同氏のコニカミノルタプラザでの写真展開催は、2009年12月~2010年1月にかけて開催した「Our Living Planet」から約6年ぶりで、今回で2回目となる。同氏は"科学者の頭脳、ハンターの心、詩人の眼力を持つ写真家"と評されることもあり、今回は同氏の代表作に加え、前回の「Our Living Planet」展以降に撮影した写真集未掲載の新しい作品など大型プリントで約30点展示する。会場はコニカミノルタプラザ ギャラリーCで、開催時間は10:30~19:00(最終日は15:00まで)「宇宙から見たオーロラ展」は2008年から毎年開催されている写真展で、今回は現在、国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙飛行ミッションを行っているJAXA宇宙飛行士の油井亀美也氏が、宇宙空間から撮影したオーロラ写真やミッションを紹介する映像も上映する。また、ISSから撮影した最新のオーロラの写真(NASA 提供)も展示を予定している。さらに、クリエイター古賀祐三氏が開発したハイビジョン映像によるアラスカからのオーロラ常時生中継「Live!オーロラ」も実施。このほか、天体写真家の榎本司氏がアイスランドやアラスカで撮影した鮮明で幻想的なオーロラの写真の数々や映像も展示する。今回からは、同展の監修者である上出洋介氏(名古屋大学名誉教授、りくべつ宇宙地球科学館館長)監修による「オーロラ検定」を実施する。オーロラの仕組みや豆知識、日本で見ることのできるオーロラなど、子どもから大人まで楽しみながらオーロラについて学ぶことができる内容となっている。「宇宙から見たオーロラ展 2016」会場はコニカミノルタプラザ ギャラリ-B・C、イベントスペースで、開催時間は10:30~19:00。
2015年11月24日俳優の安田顕が主演を務める映画『俳優 亀岡拓次』(2016年1月30日公開)の予告映像とポスタービジュアルが16日、公開された。本作は、戌井昭人氏が2011年にフォイルより刊行した同名小説が原作。37歳独身で脇役メインの俳優・亀岡拓次(安田)を主人公に、うだつのあがらない仕事風景やプライベートでの出会いを描く。メガホンを取るのは、映画『ウルトラミラクルラブストーリー』(09年)などで知られる横浜聡子監督。不器用ながらも愛すべきキャラクター・亀岡の脇役人生に転機が訪れる様が映される。公開された予告映像では、諏訪、山形・庄内、東京・三ノ輪、モロッコ、四谷と呼ばれればどこへでも撮影現場へ飛んで行く"最強脇役"亀岡の仕事風景から始まる。続けて、行きつけのスナック・キャロットのママ(杉田かおる)に、「ちょうど亀ちゃん、昼間テレビで見たよ。あれってどんな役だっけ」と尋ねられ、「ホームレスで流れ弾に当たってすぐ死ぬ役ですね」とその作品をキャプション付きで説明。美容室で「今年入ってもう7回目、泥棒…」とこぼす通り、チンピラなどスポットライトに当たらない役ばかりをこなす亀岡。しかし、映画に奇跡を呼ぶ男としても知られ、大御所監督(山崎努)やVシネマ監督(新井浩文)に「良かったよ」「神がかってました」とも褒められる。「金なし、女なし、お酒大好き」とテロップも入り、さえない姿も映される。そこでシーンは一転。そんな亀岡が「恋をした」とのテロップの後に、ロケ先の居酒屋ムロタで出会い恋に落ちる女性・室田安曇(麻生久美子)が登場する。「出戻りなの、あたし。寂しいでしょう?」と口にする室田に亀岡は惹かれていく。脇役仲間の宇野(宇野祥平)に、「ねぇ宇野くんさぁ、恋はしてる?」と相談するも、「俺、結婚してるんです」と返されるズッコケっぷりも収録。ラストシーンでは、花束を隠しながら、「今日は安曇さんに…」と打ち明けようとする。ポスタービジュアルは、亀岡演じる安田が、無造作なヘアスタイルにカメラ目線で「すんません。不器用に恋してます」と語りかけ、それを麻生が穏やかに見つめているのが印象的な仕上がり。上部には2人のほか、杉田、宇野、新井、山崎、染谷将太、三田佳子、工藤夕貴らのカットが映されている。なお、本作は22日から31日までの会期で開催される第28回東京国際映画祭"アジアの未来"部門に正式出品されることも決定している。(C)2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会
2015年10月17日●宇宙行きはゴールではなく夢に向けた第一歩宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年8月26日、金井宣茂(かない・のりしげ)宇宙飛行士を、国際宇宙ステーション(ISS)の第54/55次長期滞在搭乗員に任命したと発表した。出発は2017年11月ごろ、滞在期間は約半年間が予定されている。それを受け、8月27日には記者会見が行われ、宇宙飛行士になろうと思ったきっかけや、このミッションに向けた意気込みなどが語られた。金井さんはISSでどのような活動を行うのか。そしてそれに対する意気込み、また自身を「"もぐり"の宇宙飛行士」と呼ぶ理由、さらに金井さんの後の、日本の有人宇宙活動について、見ていきたい。金井宇宙飛行士に関連する記事・【インタビュー】ISS長期滞在が決定した金井宇宙飛行士が語る - 宇宙旅行が当たり前になるためにロケット以外で重要なものとは・【レポート】海底から火星を見据えて - JAXAの金井宣茂 宇宙飛行士が語った宇宙へのリハーサル・JAXAの金井宣茂宇宙飛行士、ISS第54次/55次長期滞在搭乗員に決定○「宇宙行きはゴールではなく夢に向けた第一歩」金井さんは1976年生まれで、現在38歳。2002年に海上自衛隊に入隊し、医師の資格を有する幹部自衛官(医官)を務めた。金井さんは特に、水に潜って作業を行う隊員(潜水員)の健康管理を専門とする、潜水医学の医師(潜水医官)でもあった。そんな中、JAXAは2008年3月31日に、新しい日本人宇宙飛行士を募集すると発表した。それまでの宇宙飛行士が「日本人が宇宙に行くこと」や、「日本人がスペース・シャトルを使ったミッションを行うこと」を目的として選ばれたのに対して、このときは「国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士」、つまりISSで働き、その利用によって新しい成果を生み出す飛行士を選ぶことを目的としていた。これに金井さんは応募し、厳しい選考を経て、2009年の2月に宇宙飛行士候補者の補欠として選ばれ、同年9月には正式に採用されることになった。同期には、現在ISSに長期滞在している油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士や、2016年6月に打ち上げ予定の大西卓哉(おおにし・たくや)宇宙飛行士がいる。医師から選ばれたのは向井千秋さん、古川聡さんに次ぐ3人目、また自衛隊出身は油井さんに次ぐ2人目となった。宇宙飛行士候補者に選ばれた後、2009年からは油井さんや大西さん、また米航空宇宙局(NASA)とカナダ宇宙庁の宇宙飛行士候補者らと共に、宇宙飛行士になるための訓練が始まった。そして、2年後の2011年に、ISS搭乗資格をもつ宇宙飛行士として正式に認定され、さらにそれ以降も、実際に宇宙へ飛び立つ日を目指し、米国やロシア、日本で訓練を積み重ねていた。そしてついに、それが叶う日が決まったのである。金井さんは記者会見で、「私の夢は、より宇宙が身近になり、まるで海外旅行に行けるような感覚で、誰でも宇宙旅行を楽しめるような時代が来ることです。それを実現するために活躍したいと思っています。今回、宇宙飛行という大任を受けましたが、これは自分にとってゴールではなく、その先の夢に向かって進むための第一歩であると考えています」と語った。○滞在期間は半年間、さまざまな実験を予定現在の予定では、金井さんは2017年の11月ごろに、地球を出発し、ISSの第54/55次長期滞在員として約6カ月間にわたって滞在。ISSの運用や科学実験を行うことになっている。往路、復路ともに、ロシアのサユース宇宙船に搭乗する予定となっている。また2016年1月からは、打ち上げに向けて、サユース宇宙船への搭乗や、ISSの長期滞在に必要な訓練を開始するという。ISS滞在中に、金井さんが具体的にどのような実験を行うのかは、まだこれから決められることになっているが、金井さんは医師であり、また潜水医学の専門家でもあることから、JAXAでは医学や医療に関する実験への貢献を大いに期待しているという。たとえば「きぼう」の大きな利用テーマのひとつに「健康長寿社会の貢献」というものがある。宇宙空間では、筋肉の老化や骨の密度の減少が、地上より速く進むことがわかっており、その研究によって、日本が直面している高齢化社会への、何らかの貢献ができないかということが考えられている。金井さんがこのテーマに関する研究を行うことは大いに考えられる。また、打ち上げまで時間が十分にあることから、「金井さんならでは」のミッションも考えていきたいという。記者会見で金井さんは、次のように期待を語った。「現在『きぼう』では、ダークマターの謎を追う実験や、生きたマウスを飼育して、そのまま地球に持ち帰る実験、また超小型衛星の放出などを行っていますが、これらは『きぼう』を造っていた段階では、まったく想像していなかった新しいアイディアだったり、夢物語だったりしたものが、現実になったものです。私のミッションは2年後。2年後になると、宇宙産業だけではなく、他の産業からもたくさんの研究者が宇宙に参入してきたり、より低価格に、より手軽で、よりスピーディに宇宙空間を使うような動きがさらに加速していると思います。今現在、世界中の誰もが想定していないようなおもしろい実験、最先端の科学を切り拓くような実験が、2017年には待っていると思います。それに向けて全力疾走でがんばりたいと思います」。○"もぐり"の宇宙飛行士にしてネモ船長ところで、金井さんのように、潜水医学を専門としているお医者さんの間では、初対面の人に「私、"もぐり"の医者なんです」と自己紹介するという、伝統的なギャグがあるのだという。もちろん、この場合の「もぐり」の本当の意味は、ブラック・ジャック先生のような「モグリ」ではなく、「潜り」のことである。そこで金井さんは、それに引っ掛けて、自身を「"もぐり"の宇宙飛行士」と呼び、会場の笑いを誘った。また、金井さんは宇宙飛行士の仲間たちから、「NEMO」(「ニーモ」、もしくは「ネモ」)というコール・サインで呼ばれているという。これは、ジュール・ヴェルヌの名作『海底二万里』や『神秘の島』に登場する潜水艦「ノーチラス号」のネモ船長、また『ファインディング・ニモ』に登場するクマノミの「ニモ」(ネモ船長に由来)にちなんでおり、金井さんが潜水医学の専門家であることから名付けられたのだとされる。ちなみに、金井さんは今年7月20日から8月2日にかけて、米フロリダ州の沖にある海底実験室「アクエリアス」で、NASA極限環境ミッション運用訓練に参加したが、この訓練がNASA Extreme Environment Mission Operationsの頭文字から「NEEMO」(「ニーモ」)と呼ばれていることから、関係者の間では「NEMO in NEEMO」(ニーモの中にニーモ(ネモ)がいる)というギャグが流行ったという。"もぐり"の宇宙飛行士であり、現代のネモ船長でもある金井宇宙飛行士が、ISSでどんな活躍を見せてくれるのか。それはきっと『海底二万里』と同じぐらい、あるいはそれ以上におもしろく、驚異に満ちた冒険譚になるに違いない。●日本人宇宙飛行士と、日本の有人宇宙活動の未来○金井さんがサユースに乗る最後の日本人宇宙飛行士に?ところで、金井さんはもしかすると、サユース宇宙船に搭乗する最後の日本人宇宙飛行士になるかもしれない。2011年にスペース・シャトルが引退して以来、NASAは新型宇宙船が完成するまでのつなぎとして、ロシアからサユース宇宙船の搭乗権を購入し続けており、そこにNASAの宇宙飛行士を乗せて飛ばしている。また、金井さんを始め、これまでサユースに搭乗した日本人宇宙飛行士の搭乗権も、このNASAがロシアから購入した分の中から割り当てられている。しかし現在のところ、NASAは2018年の打ち上げ分までしか購入していないため、2017年11月に地球を出発し、2018年の春ごろに帰還する金井さんが、サユース宇宙船に乗る最後の日本人宇宙飛行士になる可能性がある。なお2017年には、米国の民間企業2社(ボーイング社とスペースX社)が開発している新型の宇宙船が完成し、NASAやJAXA、欧州宇宙機関(ESA)やカナダ宇宙庁などの宇宙飛行士は、サユースではなく、この新型宇宙船によって打ち上げられる予定となっている。つまり、金井さんの次に飛ぶ日本人宇宙飛行士は、この民間の新型宇宙船に乗りこむことになる可能性が高い。ただ現在、予算不足などが原因で開発に遅れが出ており、また今後、開発中に問題などが発生することも考えると、2017年に間に合わない可能性は十分考えられる。そうなると、NASAはまたサユースの座席を購入せざるを得なくなるため、金井さんが最後ということにはならないかもしれない。○9年後のISS金井さんの宇宙飛行が決定したことで、現在の日本人宇宙飛行の中で、宇宙飛行を経験していない人はいなくなる。現在のところ、ISSは2020年まで運用されることが決まっているが、米国などはそれを2024年まで延ばすことを提案している。すでにロシアやカナダはこの提案に賛同しており、日本と欧州は2016年まで決定を先送りするとしている。仮に2024年まで運用を延長することになったとしても、金井さんが現在38歳ということを考えると、9年後でも十分に現役として活躍できる年齢だ。実際にJAXAは、2013年11月に、宇宙飛行士の新規採用を当面の間凍結する、と明言している。この当面、というのが、具体的にどれぐらいの期間を指すのかはわからない。もっとも、それはJAXA自身も知らないし、決められることでもない。現在の日本の宇宙開発は、内閣府の中に設置された「宇宙開発戦略本部」が取り仕切っており、また同様に内閣府に設置されている「宇宙戦略室」が、計画の企画や立案、調整を、そして「宇宙政策委員会」が審査や意見などを行っている。しかし現在、これらの中では有人宇宙計画の評価はあまり高くなく、今の段階で決まりつつあることといえば、コストを削減した上での「きぼう」の継続的な運用や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の改良ぐらいで、ISS"以降"の、日本の有人宇宙計画については、何も具体的なことは決められていない。金井さんの例にみるように、新しい宇宙飛行士を育成するには年単位の時間がかかり、さらに新しい有人宇宙計画を立てるのにはそれ以上の時間がかかる。ISSの運用終了まで長くともあと9年、残された時間は多くはない。○米欧は火星や小惑星へ、ロシア、中国は新宇宙ステーション建造ところで、他国はISS以後の世界を、どのように見据えているのだろうか。まず米国NASAは、かねてより月や火星、小惑星を有人探査を行う計画を進めており、現在はそのための新型宇宙船「オライオン」と、新型の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)の開発を行っている。オライオンは2014年12月に無人での試験飛行に成功し、2018年11月にはSLSの初打ち上げも兼ねて、月まで行って帰ってくる無人の試験飛行を行う予定を立てている。有人飛行は2021年以降に予定されており、月の近くまで運んできた小惑星に宇宙飛行士を送り込んで探査が行われる。そして2030年代には、火星への有人飛行が計画されている。また欧州は、この米国の計画に参加する意向を示しており、オライオン宇宙船の「サーヴィス・モジュール」と呼ばれる、エンジンやバッテリー、生命維持装置などが搭載されている部分の開発と製造は、欧州側が担うことになっている。これは計画の首根っこを押さえているのと同じであり、計画の内容などに対して、ある程度の口出しができる権利をもつ。一方ロシアは、ISSに結合されているロシア側のモジュールの中から、比較的新しいモジュールだけを分離して独立、さらにそこに新しいモジュールを結合させて、新しい宇宙ステーションを造る構想を持っている。ロシアが主導権を握る形にはなるものの、欧米にも参加を呼びかけてはおり、第2の国際宇宙ステーションのような存在になる可能性もある。また、その先には月の有人探査も視野に入れているという。ただ、ロシアは近年、宇宙産業の力が低下しており、また連邦予算も厳しい状況にあるため、今後計画がどうなるかはまだわからない。中国は2003年に「神舟五号」宇宙船によって有人宇宙飛行に成功し、2008年には「神舟七号」によって船外活動(宇宙遊泳)にも成功している。さらに2011年には、宇宙ステーション「天宮一号」の打ち上げにも成功し、無人の神舟宇宙船によるドッキング試験を経て、有人の「神舟九号」と「神舟十号」が訪れ、「天宮一号」の内部で科学実験などが行われるなど、ゆっくりとではあるが、着実に有人宇宙開発を進めている。そして現在は「天宮二号」の開発を進めると同時に、より大型の宇宙ステーション「天宮」の開発も進めており、2018年に最初のモジュールを打ち上げ、2022年以降に完成させる予定とされる。もし予定通り計画が進めば、2022年から2024年にかけて、宇宙にISSと「天宮」の、2つの大型宇宙ステーションが存在することになる。また、最近ESAは、中国との宇宙開発における協力体制を強化することを検討しており、たとえばESAの宇宙飛行士が「天宮」を訪れる、ということもあるかもしれない。その他、インドも独自の有人宇宙船の開発を進めており、2014年12月には無人でのサブオービタル(軌道に乗らない)飛行試験に成功している。いずれは実際に人を乗せ、地球をまわる軌道に打ち上げることが計画されている。また、イランも有人宇宙船の開発を進めており、数年のうちにサブオービタル飛行を行うとしている。○日本はどの選択を採るかこの状況の中で、まずロシアや中国の宇宙計画に参加することはまず考えられないし、ましてや、日本が独自に何らかの有人宇宙計画を立ち上げることも考えにくいため、米国と歩調を合わせるか、あるいは有人宇宙活動そのものを止めてしまうか、という選択肢しかないだろう。しかし前者の場合、欧州がオライオンのサーヴィス・モジュールの開発で、計画の根幹を握っているのと比べると、日本がこれから参加を表明したところで、貢献できる部分は少ない。たとえば「はやぶさ」のような無人探査機で、有人探査の露払いをすることなどは考えられるが、それは日本でなければできないことではない。また、そもそもミッションの内容からして、参加できる宇宙飛行士の人数はISSより少なくなるため、日本人宇宙飛行士が搭乗できる機会も必然的に少なくなる。そのため、貢献に見合うだけの利益が得られるかはわからない。参加するにしても、「どういう形で参加するのか」が重要となり、大きな議論となるだろう。たとえば年間何百億という予算を使いながら、アポロ計画以来初めて月に降り立つ宇宙船に、日本人宇宙飛行士が乗っていなければ、大きな批判を受けることになるかもしれない。毛利衛宇宙飛行士がスペース・シャトルで宇宙を飛んでから、今年で23年になる。以来、宇宙開発事業団(NASDA)、そして現在JAXAは、有人宇宙船を持たないながらも、有人宇宙活動に関する知見を着実に蓄積してきている。その実績をどう生かすのか。あるいは、捨ててしまうのか。選択のときが迫っている。国際宇宙ステーションを越え、月や火星、小惑星、そしてさらにその先の世界で挑みたいと夢見ている少年・少女たちは、今も日本中に大勢いるはずだ。たとえ困難な道でも、何らかの形で、彼らに夢を叶えるチャンスが訪れ、そして油井さんや大西さん、金井さんらの跡を継ぐ、新しい世代の宇宙飛行士が生まれることを切に願いたい。参考・・・・・
2015年09月01日8月19日に種子島宇宙センターからHII-Bロケット5号機により打ち上げられた宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり」5号機(HTV5)は24日、ISSに到着し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也 宇宙飛行士が操作するISSのロボットアームによってキャプチャ(把持)された。ISSのロボットアームを操作して「こうのとり」をキャプチャしたのは、同宇宙飛行士が日本人としては初めてとなる。キャプチャに成功した油井宇宙飛行士は「宇宙開発の中では1つの小さな歯車だが、自分の仕事をしっかりできて、この瞬間だけは一等星並に輝けたかと思います。」とコメント。また、若田光一 宇宙飛行士がアメリカ航空宇宙局(NASA)のミッション管理センターでリード・キャプコムとして、油井宇宙飛行士をサポートした。「こうのとり」には食料や衣服、実験装置などの物資が搭載されており、物資を届けたあとはISSの不要品を積み込んでISSへ再突入する。
2015年08月24日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は8月19日20時50分、種子島宇宙センターにて宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり」5号機(HTV5)を搭載したH-IIBロケット5号機(H-IIB・F5)の打ち上げを実施し、成功した。同ロケットは当初8月16日に打ち上げられる予定だったが、悪天候のため延期されていた。H-IIBロケットの打ち上げ成功はこれで5機連続となる。「こうのとり」には食料や実験装置などの補給物資が搭載されており、物資を届けたあとはISSの不要品を積み込んで大気圏へ再突入する。ISSへは8月24日に到着する予定で、ロボットアームでのキャプチャをJAXAの油井亀美也宇宙飛行士が担当する。
2015年08月19日宇宙航空研究開発機構(JAXA)とは8月14日、8月16日に予定していた種子島宇宙センターからの宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)を搭載したH-IIBロケット5号機(H-IIB・F5)の打ち上げを翌17日に延期すると発表した。今回の決定は、打ち上げを予定していた16日の天候が悪いためによるもの。そのため、天候が回復しない場合は、17日の打ち上げも再び延期する可能性があるという。なお、打ち上げられた「こうのとり」5号機を国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームによりキャプチャ(把持)するのは、ISS滞在中であるJAXAの油井亀美也宇宙飛行士が担当する予定となっている。
2015年08月14日7月23日、油井亀美也宇宙飛行士ら3人の打ち上げ中継を、フロリダ沖の海底基地で見守る人たちがいた。金井宣茂JAXA宇宙飛行士を含む欧州、NASAの宇宙飛行士たちだ。「我々3人は油井飛行士と一緒にNASAで訓練を受けた同級生。宇宙に行くチャンスが身近に迫ってきているのを感じて、興奮した」と金井飛行士は笑顔で言った。7月20日(月)から14日間、金井飛行士らは海底基地で行われるNASAの訓練に参加した。「NEEMO(NASA Extreme Environment Mission Operations)」は国際宇宙ステーション(ISS)のリハーサルとも呼ばれる訓練で今回が20回目。ISSで長期滞在を行う宇宙飛行士のほとんどはこの海底訓練を経て宇宙に飛ぶ。NEEMO訓練に参加する宇宙飛行士たちは、アストロノート(宇宙飛行士)をもじってアクアノートと呼ばれる。なぜ、宇宙に行くために海底で訓練をするのだろう? ポイントは2つある。1つは環境が似ていること。海底20mにある基地アクエリアスは、さながら「海底にある宇宙ステーション」。幅3m×長さ約15m(「きぼう」日本実験棟船内実験室をやや細長くした大きさ)の基地内は空気で満たされシャツ姿で暮らせるが、空気や電力・通信など生命維持のための機能はすべて外部から供給されていて、常に安全を意識しなければならない。また簡単には外に出られない「隔離環境」であり緊張感を伴う点がISSと似ている。2つ目はその閉鎖環境を利用して、宇宙と同じようにミッション(任務)を行うこと。アクアノートたちのスケジュールは分刻みで決められている。さらに宇宙飛行中と同じように、海上にミッションコントロールセンター(管制室)が設けられ、管制官と密に交信しながら作業が行われていく。金井飛行士によると、今回のNEEMO訓練ではこの通信をわざと10分遅らせてやりとりしているという。「将来、火星に行くことを想定すると、火星との交信には往復で20分かかります。すぐに会話ができない中でどのようにミッションを効率的に行うか。10分のタイムラグでストレスがかかると同時に、知的好奇心が刺激されてさまざまなアイデアを仲間うちで話ながら進めています」(金井飛行士)。チームにはコマンダー(船長)役の宇宙飛行士がいる。様々なトラブルを乗り越えてチームワークやリーダーシップ、フォロワーシップを磨きながら、仕事を安全確実に行っていくことが、この訓練の大きな目的だ。○将来の火星探査を見据えて14日間の訓練中には、海底を火星と見立ててアクアノートたちが船外活動を行った。「NASAは急ピッチでISS後の話し合いをしています。小惑星や火星ミッションなどのアイデアが出ているが、具体的な技術について、何が将来の探査に必要なのか、NASAもまだ手探り状態と感じている」と金井飛行士は指摘する。たとえば重力の小さな小惑星や火星の衛星を探査する際、足場はどうするのか。磁気がなくコンパスが使えない火星でどうやってナビゲーションを行うのか、など実際に活動するために検証しなければならない課題は多い。海底の活動時、宇宙服に取り付ける錘の重さを変えることによって、火星に近い重力を作り出すことができる。アクアノートたちは「海底の火星」でさまざまなツールの作業性や手法を検証する。また、海底基地内ではITツールの検証も行った。たとえばメガネ型ウェアラブル端末。今回、金井飛行士は会見中にマイクロソフトの現実拡張ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」を見せ、「ISSや月のミッションを想定して作業性を評価している」と説明してくれた。宇宙飛行士が見た風景を地上の科学者も同じように見られるかもしれない、という可能性が広がるツールだ。元々、金井宣茂宇宙飛行士は、海上自衛隊のお医者さんで、ダイバーの健康管理も行っていた。アメリカで一年間、潜水医学を学んだ際、潜水医学のドクターが宇宙飛行士になった事実を知り、宇宙飛行士を目指すようになった。「自衛隊時代はサポート役で地上に残りダイバーの健康管理を確認する役目でした。実際に潜ってみてこんなに大変だったのかと新しい発見があった」と吐露する。NEEMO訓練初期にはチームワークで失敗ばかり。多国籍の仲間と一緒に仕事をする中で相手の嫌な面を見ていたが、訓練が進むにつれて、得意な面が見えるようになり、「今ではあうんの呼吸で仕事ができるようになった」という。「日本の強みは宇宙医学。力量と経験を高め、次世代の宇宙飛行士として将来の日本の宇宙開発を担っていきたい。」海底から宇宙をめざし、力強く抱負を語った。
2015年08月06日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月23日、同日午前6時2分(日本時間、以下同)にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げられた油井亀美也宇宙飛行士の搭乗するソユーズ宇宙船が、国際宇宙ステーション(ISS)に到着したと発表した。ソユーズ宇宙船は午前11時45分にISSとのドッキングに成功、午後1時56分にISSとソユーズ間のハッチが開けられた。これにより、約5カ月間を予定している油井宇宙飛行士のISS滞在がスタートしたことになる。同宇宙飛行士は滞在中に、「きぼう」日本実験棟で生命科学、物質・物理科学、宇宙医学などさまざまな実験に取り組むほか、8月16日に予定されている補給船「こうのとり」の打ち上げでは、ロボットアームを操作し「こうのとり」を把持する作業などを担当する。
2015年07月23日宇宙航空研究開発機構(JAXA)所属の油井亀美也 宇宙飛行士が搭乗したソユーズ宇宙船が7月23日6時2分(日本時間)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げられた。宇宙船は6時11分(日本時間)に地球の軌道上に入り、打ち上げは成功した。油井宇宙飛行士は、第44/45次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に約5ヶ月滞在し、フライトエンジニアとして、「きぼう」日本実験棟を含むISS各施設のシステム運用、日本および国際パートナーの科学実験をはじめとする宇宙環境の利用に重点をおいた活動などを行う。また、8月16日に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定のISS補給機「こうのとり」5号がISSへドッキングする際に、ISSのロボットアームを操作して「こうのとり」を把持する操作を担当する。地球への帰還は12月22日頃を予定している。油井宇宙飛行士は5月27日に国際宇宙ステーション(ISS)へと向かう予定だったが、5月に発生したプログレス補給船による国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング断念を受けて延期されていた。
2015年07月23日米スペースXは6月28日(現地時間)、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を届ける無人補給船「ドラゴン」を載せた自社のロケット「ファルコン9」の打ち上げに失敗した。「ドラゴン」にはISSへの補給物資のほか、千葉工業大学が開発した流星観測カメラなどの機器が搭載されていた。同ロケットはフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から飛び立ったが、打ち上げ139秒後に問題が発生し爆発した。今後、失敗の原因についてスペースX、アメリカ航空宇宙局(NASA)、アメリカ連邦航空局(FAA)による調査が行われる予定だが、現段階ではロケットの2段目に何らかの異常があったと考えられている。なお、ISSには10月までは物資がストックされていることから、NASAは「今回の打ち上げ失敗はISSの運用にすぐに影響を与えるものではない」とコメント。7月3日に予定されているロシアの無人補給船「プログレス」の打ち上げや、7月23日に予定されている油井亀美也宇宙飛行士が搭乗する「ソユーズ」宇宙船の打ち上げにも影響は無いとしている。
2015年06月29日ロシア連邦宇宙局は6月9日(現地時間)、油井亀美也宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の打ち上げ目標日を7月23~25日と発表した。具体的な日程は後日決定される予定。油井宇宙飛行士は5月27日に予定されていた打ち上げで国際宇宙ステーション(ISS)へと向かう予定だったが、プログレス補給船による国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング断念を受けて延期されていた。同日の発表では今年12月までの打ち上げ計画が発表されており、油井宇宙飛行士の打ち上げの前に7月3日にプログレス補給船の打ち上げが行われることになる。今回発表された計画は以下の通り:7月3日:プログレス補給船(M-28M)(ソユーズUロケット)7月23日~25日:油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)(ソユーズFGロケット)9月1日:ソユーズ宇宙船(TMA-18M)(ソユーズFGロケット)9月21日:プログレス補給船(M-29M)(ソユーズUロケット)11月21日:新型プログレス補給船(MS)(ソユーズ2.1aロケット)の最初の打上げ12月15日:ソユーズ宇宙船(TMA-19M)(ソユーズFGロケット)なお、これらの日程は今後、日本を含む参加国間で安全性などの確認をした上で正式に決定される。
2015年06月10日2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。また第2回、第3回では、事故が発生した4月28日から、大気圏に再突入して消滅するまでの経緯について紹介した。第4回となる今回は、今後の予定や事故調査の進み具合について、現時点でわかっている最新の情報を紹介したい。○事故による今後の打ち上げへの影響ロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)は5月12日に記者会見を開き、今回の事故を受けて、今後のISSへの宇宙飛行士や補給物資の打ち上げ予定を、すべて延期すると発表した。プラグリェースM-27Mの事故前の予定では、まず5月15日に、現在ISSに滞在しているアントーン・シュカープリラフ(露)、サマンサ・クリストフォレッティ(欧)、テリー・ヴァーツ(米)宇宙飛行士の3人を乗せたサユースTMA-15M宇宙船が地球に帰還し、続いて5月26日には、新たにISSのクルーとなる、アレーク・カノネーンカ(露)、油井亀美也(日)、チェル・リングリン(米)宇宙飛行士の3人を乗せたサユースTMA-17Mが打ち上げられることになっていた。また、プラグリェースM-27Mの次号機となるプラグリェースM-28Mの打ち上げは8月ごろに設定されていた。しかし、ロスコースマスはこれをすべて変更し、まずサユースTMA-15Mの帰還を6月上旬まで延期し、サユースTMA-17Mの打ち上げも7月下旬まで延期するという。一方、プラグリェースM-28Mの打ち上げは、7月上旬に繰り上がることになった。これは、有人のサユースTMA-17Mよりも先に無人の補給船を打ち上げることで、安全性を確認すると共に、プラグリェースM-27Mで補給できなかった物資を、いくらかでも送り届けることを意図したものだろう。同機の打ち上げ準備は、今回の事故前からすでに行われており、打ち上げを1か月繰り上げることに問題はないという。それ以降の飛行計画については明らかにされていないが、今回の延期に合わせて、打ち上げや帰還は軒並み遅れることになるだろう。ただ、今現在もISSには宇宙飛行士が滞在しており、彼らの健康なども考えると、すべての予定が2か月遅れることはないと思われる。例えば油井飛行士ら第44/45次長期滞在員のミッション日数を予定より短くするなどして調整することになるだろう。ただ、注意しなければならないのは、あくまでこれは事故調査と、ロケットなり補給船なりへの対策が順調に進んだ場合での話であり、もし調査と対策に手間取ることがあれば、打ち上げ再開はさらに遅れ、油井飛行士らの飛行や、今後のISSの運用予定にもさらに大きな影響が出ることになろう。また、ISS関連の打ち上げ以外への影響も出ている。今回の事故がなければ、5月15日にプラグリェースM-27Mを打ち上げのと同じ、サユース2.1aロケットを使った偵察衛星の打ち上げが予定されていたが、タス通信が5月12日に報じたところによれば、2週間ほど延期されるという。これは今回の事故の原因が、ロケット側にあった可能性が否定できないということを示している。なお、同型のロケットは、欧州のアリアンスペース社もロシアから輸入して運用しているが、今回の事故による影響については特に発表は行われていない。油井飛行士らの打ち上げなど、今後の予定については、また新しい情報が発表され次第、本連載の中で紹介したい。○始まった事故調査ロスコースマスは5月12日に開かれた記者会見の中で、その時点までに判明している事柄を明らかにした。それによると、まず計画では、ロケットの離昇から524.97秒後に、第3段ロケット・エンジンの燃焼を停止させる指令が出され、528.27秒後にプラウリェースM-27Mを分離することになっていた。しかし実際には526.716秒後、つまり予定より1.5秒ほど早く「異常な分離」が起きたことが判明したという。この異常な分離がどういうものかについては不明だ。また、軌道を観測したところ、プラグリェースM-27Mは遠地点高度が予定よりも40kmほど高い軌道に、一方のロケットの第3段は遠地点高度が20kmほど低い軌道に入っていたという。また、ロケットの第3段エンジンの燃焼終了後に、ロケットの第3段の燃料と酸化剤の両方のタンクが、減圧していたこともわかったという。これはおそらく穴が開いたり、破裂したりして生じたものであるとされる。タス通信は5月13日付けで、少なくとも爆発したわけではないだろうとする専門家の見解を報じている。これは異常が発生した時点ですでにロケットの推進剤は空であったことから、爆発が起こるのに必要な要素が存在しないためだ。現時点では、これらの事実がどのように関連しているのかまでは明らかにされていない。たとえば、まずプラグリェースM-27Mに何らかの問題が起き、早期の分離とタンクの破裂を引き起こした可能性もあれば、逆にタンクが破裂したことで早期に分離された可能性など、さまざまなシナリオが考えられる。タス通信は、「失敗の原因を知るためには、さらに詳細な調査が必要である」とする、ロスコースマスのイーガリ・カマローフ長官の発言を報じている。ロスコースマスでは、プラグリェースM-27Mやサユース2.1aを製造した企業などと協力し、5月13日からより詳細な調査に入っている。その結果は当初、5月22日までには発表したいとしていたが、タス通信は22日、調査期間が延長されることになったと報じている。データが不足しており、まだ結論が出せないためだという。タス通信は5月14日にも、「原因を断定するにはデータが不十分だ」という関係者の発言を報じており、調査が難航している様子が伺える。(続く)
2015年06月03日ロシア連邦宇宙局は5月12日(現地時間)、プログレス補給船による国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング断念を受けて、5月27日に予定していたソユーズ宇宙船の打ち上げを延期すると発表した。延期となった打ち上げにはISS第44次/第45次長期滞在クルーに任命されている油井亀美也 宇宙飛行士が搭乗する予定だった。新しい打ち上げ予定日時は7月下旬を目標としているという。プログレス補給船は、4月28日に行われた打ち上げで制御不能の状態に陥り、5月8日に大気圏に突入して消滅したばかりで、油井飛行士が参加するミッションへの影響が懸念されていた。
2015年05月13日2015年4月28日、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地から、無人補給船「プラグリェースM-27M」を積んだ「サユース2.1a」ロケットが打ち上げられた。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーション(ISS)に補給するための物資が満載されており、打ち上げから約6時間後にISSにドッキングする計画だった。だが、地球をまわる軌道に到達した直後、プラグリェースM-27Mに何らかの問題が発生し、制御不能に陥った。ISSにドッキングすることは叶わず、このまま軌道を下げ、5月8日前後に地球の大気圏に落ちる予定だ。○プラグリェース「プラグリェース」補給船は、宇宙ステーションに補給物資を輸送するために開発された無人の補給船である。船の基本的な構造は、有人宇宙船「サユース」を基にしているが、人を乗せたり、地球に帰還させたりすることを考えていないため、生命維持システムや、大気圏への再突入に耐える能力などは省略され、その分物資をより多く載せられるようになっている。プラグリェース補給船の1号機は1978年に打ち上げられ、当時ソヴィエト連邦が運用していた「サリュート6」に物資を輸送し、その後も「サリュート7」や「ミール」といったソ連の宇宙ステーションに向けて打ち上げられ、2000年からは「国際宇宙ステーション」(ISS)へも物資を運んでいる。今回のプラグリェースM-27Mは、ISSに向けて打ち上げられたものとしては59機目、1978年の1号機から数えると通産150機目となるプラグリェース補給船であった。また、打ち上げたロケットの側面には、対ドイツ戦勝70周年を記念したロゴも入れられていた。しかし、その記念すべき飛行は、一転して悲劇となった。○ロスト・イン・スペースプラグリェースM-27Mを載せた「サユース2.1a」ロケットは、カザフスタン時間2015年4月28日13時9分(日本時間2015年4月28日16時9分)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。プラグリェースM-27Mには、ISSに補給するための水や食料、日用品、燃料や酸素など、2357kgの物資が搭載されていた。当初、ロケットは順調に飛行し、予定通りの軌道にプラグリェースM-27Mを乗せ、打ち上げは成功したかに思われた。しかしその直後、プラグリェースM-27Mに装備されているいくつかのアンテナが展開しないという問題が報告された。もともとの予定では、プラグリェースM-27Mは打ち上げから約6時間後にISSに到着する予定だったが、この問題により2日後へと延期された。ところが実際は、アンテナの問題がかすんで見えるほど、もっと悪い状況に陥っていた。まず地上とプラグリェースM-27Mとの通信が断片的にしか取れず、船の状態がどうなっているか十分に把握できない状態にあった。やがて、その断片的な情報から、エンジンなどのシステムが壊れていること、そして、通常ではありえない向きと速度で回転をしていることが判明した。回転を止めるべく指令が送られたが反応はなく、その後通信も完全に途絶えた。プラグリェースM-27Mは完全に制御不能の状態に陥り、ISSとのドッキングは断念された。その後も機能回復に向けた努力が続けられているが、補給船は依然として沈黙を続けている。現在プラグリェースM-27Mは、大気との抵抗で徐々に高度を下げており、このままいくと、5月8日前後に地球の大気圏に再突入すると予測されている。○ISSへの衝突や地上への落下の可能性はプラグリェースM-27Mは制御不能の状態にあるとはいっても、暴走しているわけではなく、また軌道の高度が低いこともあって数日で地球の大気圏に落ちるため、ISSや、他の衛星に衝突するといった危険性はない。ただ、大気圏再突入後に、地表に破片が落下する可能性はゼロとはいえない。プラグリェースは有人のサユース宇宙船とは違い、大気圏再突入時の熱で燃え尽きるように造られているが、例えばチタン製のタンクなど、燃えにくい素材の部品が落下する可能性はある。また、通常であれば、ほぼ確実に燃え尽きるような角度で、なおかつ人家のない南太平洋上に落下するように制御して再突入が行われるが、制御不能の状態ではそれができない。地表の約70%が海であることや、陸地の中で人口密集地はまばらであることなどを考えると、破片が燃え残り、なおかつそれが人が住んでいるところに降ってくる可能性は、まずないと言ってよいが、それでも注意するのに越したことはない。衛星がまわる軌道がどのように減衰していくかは、大気の状態や、衛星の姿勢などによって変わってくる。しかし、大気の状態は太陽の活動などの関係しており、時々刻々と変わっているため、いつ、どこで大気圏に再突入するか、正確に予測することは難しい。○ISSの運用への影響はプラグリェースM-27MがISSに物資を送り届けられなくなったことで、最も心配されるのはISSに滞在している宇宙飛行士たちへの影響だろう。ISSは自給自足ができないため、定期的に物資を補給しなければならない。これについて、米国の宇宙開発ニュース・サイトである『Spaceflight now』は、「最低4か月間は正常な運用が可能なだけの量が蓄えてある」と報じている。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も「数か月間は通常通り、食べる量を減らしたりなどの制限をすることなく、運用できるだけの量があると聞いている」としており、当面は問題なさそうである。ただ、今後打ち上げられる他の補給船にとっては、失敗が許されないということになる。6月には米スペースX社のドラゴン補給船運用7号機が、8月には日本の「こうのとり」5号機が打ち上げられる予定だが、これらも失敗することがあれば、ISSの運用はいよいよ危うくなる。○今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響は今回の事故でもうひとつ心配されるのは、今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響だろう。現時点ではISS内の物資は十分にあるものの、プラグリェース補給船の飛行停止が続くようなら、いずれは不足するものも生じてくるだろうから、一日でも早い飛行再開が望まれる。また5月27日には、JAXA所属の油井亀美也宇宙飛行士ら3人が乗ったサユースTMA-17M宇宙船の打ち上げが予定されている。今のところ打ち上げを延期するという話はないが、今回の事故の原因が判明し、対策が行われるまでは当然打ち上げはできないため、延期される可能性は十分にあるだろう。最初の事故の調査結果は、5月13日以降に発表される予定だが、5月5日現在、事故の原因は、ロケットの第3段にあったという見方が濃厚だ。今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたサユース2.1aロケットと、サユースTMA-17Mを打ち上げるサユースFGロケットとは、同じ部分もあれば、異なる部分もある。今回の事故の原因がロケットの側にあったのであれば、それがロケットのどの部分で起きたのかが、延期するか否かを決めるにあたって重要となろう。参考までに、2011年8月24日にプラグリェースM-12Mがロケットの打ち上げ失敗によって墜落した際には、次のプラグリェースM-13Mが打ち上げられるまでに3か月がかかっている。このときの失敗の原因はロケット側の技術的な問題にあった。もし今回も同様にロケットの技術的な問題が原因であれば、打ち上げ再開までには数カ月かかると見てよいだろう。ちなみに5月15日には、今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたのと同じ、サユース2.1aロケットが、軍事衛星を載せて打ち上げられる予定となっている。これも延期されるのか、されるとしたらどれぐらいの期間か、といった点も注目される。次回では、事故の経緯をもう少し詳しく紹介すると共に、その原因について推測してみたい。
2015年05月07日ドスパラは、物理キーを排除し、亀の形をしたユニークな光学式マウス「DN-12717」を、同社直営の「上海問屋」限定で26日に販売開始した。価格は税込500円。亀の形をした、シンプルな光学式マウス。甲羅と頭だけでデザインされ、足はついていない。接続はUSBで、コードは口からつながれる。カラーバリエーションは、ゴールド、オレンジ、グリーン、レッド、ブルーの5色。本体サイズはW120×D77×H35mm、重量は66g。分解能は1,000dpi。ケーブル長は108cm。
2015年02月26日アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのほど、今年に実施される第45次国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションのポスターを公開した。ポスターは、映画『スターウォーズ』をモチーフに、日本人の油井亀美也宇宙飛行士を含む6人の宇宙飛行士が「ジェダイの騎士」に扮している。第45次ISS長期滞在クルーは、第43次長期滞在からクルーを務めるスコット・ケリー宇宙飛行士とミカエル・コニエンコ宇宙飛行士、第44次長期滞在からクルーを務めるオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士、油井宇宙飛行士、チェル・リングリン宇宙飛行士、第45次長期滞在からクルーを務めるセルゲイ・ヴォルコフ宇宙飛行士の計6名。油井宇宙飛行士らが搭乗する「ソユーズTMA-17M宇宙船」は2015年5月に、ヴォルコフ宇宙飛行士が搭乗する「ソユーズTMA-18M宇宙船」は同年10月に打ち上げられる予定。10月の打ち上げ時には歌手のサラ・ブライトマンも旅行者として参加し、短期で滞在する予定となっている。NASAは宇宙飛行に対する認知度を高めるため活動の一環として、ISS長期滞在クルーをポスターという形で紹介している。そのポスターは、映画をモチーフにしたものが多く、これまで『マトリックス』『スター・トレック』『パイレーツ・オブ・カリビアン』を模したポスターが公開されている。
2015年02月13日○近大マグロが量産開始 - 世界進出への準備進む寿司の定番といえばマグロ。現在、乱獲によってその数を減らしており、漁獲制限が設けられるなど保護の対象となっており、このままでは食べることができなくなってしまうのではないかと危惧されている。こうした状況の中、2002年に世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学(近大)が今年7月、豊田通商と連携してクロマグロ稚魚の生産事業や海外での事業化に本格的に進出すると発表した。同大学のクロマグロ稚魚の年間生産量は現在約40万匹で、2020年に合計70万~80万匹までに拡大する計画だという。これはクロマグロの国内消費量の1割に相当する。豊田通商は近大と2010年からクロマグロ中間育成事業の業務提携を進めており、引き続き近大が研究・技術開発を、豊田通商が量産化の役割を担う。豊田通商が養成したクロマグロは11月、近畿大学によって「近大マグロ」として認定を受けたことによって、近大以外の施設でも養殖できることが示されたほか、年間供給量は現在の80t(2000尾)から1.5倍の120t(3000尾)となり、2020年には240t(6000尾)まで引き上げることが可能となった。「近大マグロ」の品質は高い評価を得ており、「近畿大学水産研究所」銀座店は12月に開店一周年を迎え、海外展開に向けた取り組みも進められるなど順調な展開を見せている。○若田光一氏が日本人で初めてISSの船長に就任!宇宙関連では「はやぶさ2」の打ち上げのほか、若田光一宇宙飛行士が日本人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務めたことも話題となった。若田氏は昨年11月にソユーズでISSに出発し、今年3月から2カ月間、ISSの第39代船長を務めた。188日間の宇宙滞在は1回の飛行で日本人最長、通算の滞在日数も348日間にのぼり、日本人最長となった。帰国後の記者会見で「有人宇宙開発活動における日本への信頼感が高まったこと」が船長を任された一因だったと語った同氏。今後は、次の日本人船長の実現と、有人飛行へのさらなる日本技術の活用をサポートしていくという。現在、油井亀美也氏、大西卓哉氏、金井宣茂氏が宇宙に出発するための準備・訓練を続けており、その中でも油井氏は第44/45次長期滞在クルーとして2015年5月にソユーズでISSへ出発することとなる。○エボラ出血熱が急速に拡大 - 富士フイルムのアビガンが効果示す今年の6月頃から西アフリカで急速な広がりを見せたエボラ出血熱。世界各国から援助が提供されたが、感染の拡大をとめることはできず、世界保健機関によれば12月時点で7千人以上の死者を出している。効果的な治療薬がみつからない中、9月、富士フイルムは、同社グループ会社である富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」がエボラ出血熱に罹患したフランス人女性看護師に投与され効果を示したと発表し、世界中で話題となった。その後、「アビガン錠」はノロウイルスに対しても効果を発揮するということが英ケンブリッジ大学の研究によって明らかとなり、ウイルスの増殖を抑制するという作用機序によって治療だけでなく感染予防にも効果的である可能性が示唆された。○今年も各地で異常気象が多発2月には都心に26年ぶりとなる大雪が降り、6月には東京都三鷹市などで直径約2cmのひょうが降り積るなど、2014年も年間を通じて異常気象が発生した。広島市北部では8月に発生した記録的豪雨が大規模な土砂災害を引き起こし甚大な被害をもたらしたほか、12月には徳島で大雪が発生し人命が失われた。従来の想定を超える異常気象が立て続けに発生する状況の中、今年、日本は陸域観測技術衛星「だいち2号」を5月に、静止気象衛星「ひまわり8号」を10月に打ち上げた。「だいち2号」は打ち上げ後の検証期間中に発生した広島での土砂災害や、9月に発生した御嶽山の噴火後の状況把握に利用されるなど活躍している。「ひまわり8号」は「ひまわり7号」とくらべて観測時間が3分の1、解像度が2倍に向上するなど観測能力が大幅に向上しており、天気予報だけでなく異常気象の監視・予測にも利用される予定となっている。その観測データはアジア・太平洋30カ国に提供され、各国の災害対策に活用されるという。○IoTの活用が本格化 - ゲノム医療やPepperの開発など具体的な取り組みが始まるスマートメーターやウェアラブル器機などのIoTデバイスによって身の回りのものがインターネットへつながるようになり、多くの企業がそこから得られるビッグデータを新しいサービスの開発や顧客管理に利用している。また、企業だけでなく国立がん研究センターなどの高度医療研究機関も、医療情報の収集・解析による次世代のゲノム医療の構築を目指す取り組みを開始しており、産業界以外でもIoT/ICTを活用した事業モデルの構築が本格化している。ビッグデータの収集・分析が焦点となる中で、IBMの「Watsonコグニティブ・システム」を利用したさまざまな取り組みが注目を浴びている。コグニティブ・テクノロジーは、膨大なデータを分析して、課題に応じた支援を即座に提供するというもの。今年3月には米The New York Genome Centerが同システムを利用したゲノム医療を促進する取り組みの開始を発表したほか、ソフトバンクのパーソナルロボットPepperの人工知能の開発にも利用されている。このように、IoTデバイスによってより効率的に収集したデータをWatsonのような高度なシステムを用いて解析し、その結果を新しいサービスの創出などに利用することは、将来的にヒトとモノの交流を深め、私たちのライフスタイルに大きな影響を与える可能がある。今後、IoT社会に向かっていく中で、企業や団体はその活用方法をより具体的に問われることとなるだろう。
2014年12月30日京都の粋人たちが選ぶ、相手に喜ばれて一目置かれる手土産のシリーズ連載。第9回は多い時には週に数回、東京と京都を行き来するという株式会社あーとにしむら代表取締役社長・礒本延さん推薦の「亀末廣」の「京のよすが」。老舗創業450年余りの歴史を誇る京友禅の老舗・株式会社千總グループの技術力・知的財産をバックボーンに、着物だけにとどまらず、友禅の美しさを自由なかたちで表現するあーとにしむら。過去にはクロエやマルニ、フェンディ、ジョルジオアルマーニなど、さまざまなブランドとのコラボレーションも行われている。今回、紹介していただいた「亀末廣」は文化元年(1804年)創業。こちらから暖簾分けを許され、有名店になった店も多く、名実ともに京都を代表する和菓子の老舗。支店を出さず、百貨店やネットでの販売を一切しない店は京都の和菓子業界においても、数少ない貴重な存在。「大切な方への贈り物は、気軽に買えるものより、わざわざ足を運んで買い求めた折り目正しい品を選びたいです」と礒本さん。亀末廣の代表銘菓「京のよすが」は、四畳半の茶室に見立てた杉の箱に干菓子や半生菓子、落雁、有平糖が詰められている。蓋を開けた時に思わず感嘆の声をあげてしまうほど美しく、趣向を凝らした意匠や色づかいには、京都の季節を感じることができる。「ECや通販でも簡単に東京で京都のものが手に入る時代。東京への手土産選びは京都でしか買えないものにこだわる」のが、礒本さんらしい心遣い。店舗住所は京都市中京区姉小路烏丸東入ル。地下鉄・烏丸御池駅から徒歩1分。営業時間は8時30分~18時、日曜・祝日休み。写真は7月上旬の菓子。
2013年07月28日「SMAP」の香取慎吾主演でTVドラマ化されて話題を呼んだ「こち亀」こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の劇場版『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜』のキャストおよびストーリーの概要が解禁!両さんの初恋の女性役で深田恭子が出演することが明らかになった。原作は1976年から35年にわたって「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載されている秋本治による人気漫画。下町情緒が残る葛飾区亀有近辺を舞台に、亀有公園前派出所に勤務する両津勘吉巡査長が巻き起こすドタバタ人情劇が多くの人に愛されてきた。TVアニメ化に続き、2009年には連続ドラマとして香取慎吾を主演に迎えて実写化され大きな話題を呼んだが、連載35周年を迎える今年、遂に映画化されることに!香取さんはもちろん、イケメンの後輩・中川役の速水もこみち、同じく後輩の麗子役の香里奈ほか、伊武雅刀、ラサール石井、柴田理恵らドラマ版でおなじみのキャスト陣は続投。さらに、映画版のスペシャルゲストとして深田恭子、谷原章介、沢村一樹、夏八木勲、平田満など豪華メンバーが集結した。今回の映画版では両さんが、小学校時代の憧れの同級生・桃子(深田さん)に再会。ほぼ時を同じくして警察庁長官の孫娘の誘拐事件が発生するが、何と桃子が事件に巻き込まれており、両さんは彼女を助けるべく事件解決に乗り出すが…。今回、明らかになった映画版のロゴを見ると、色も形も、サブタイトルまでも、あの人気刑事シリーズの匂いが…。ちなみに勝どき橋は隅田川にかかる橋で、船の運航のために橋が開く可動橋(※現在は開くことはない)。過去に、原作漫画で、両さんの少年時代を描いた人気エピソード「勝鬨橋ひらけの巻」でも登場し、開閉しなくなった橋を両さんと仲間たちが開けるという離れ業(?)を成し遂げたことも…。果たして今回の映画ではどんなハチャメチャをしでかすのか?そして両さんの切ない恋の行方は――?『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜』は2011年夏、公開予定。■関連作品:こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜 2011年夏、全国にて公開© 2011『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE』製作委員会
2011年03月04日