基礎生物学研究所は6月12日、メダカを用いた研究で生殖細胞が「精子になるか卵になるか」を決定する遺伝子を同定したと発表した。同成果は基礎生物学研究所の西村俊哉研究員(元総合研究大学院大学)と田中実 准教授らと、九州大学の佐藤哲也 助教、大川恭行 准教授、須山幹太 教授、岡崎統合バイオサイエンスセンターの小林悟 教授(現筑波大学 教授)との共同研究によるもので、米科学誌「Science」に掲載された。精子と卵子は生殖細胞という共通の細胞から作られることが知られている。生殖細胞は体細胞の性が決定した後、その影響を受けて「精子になるか卵になるか」が決定すると考えられているが、その際に細胞内でどのような遺伝子が働いているかはわかっていなかった。同研究グループは、生殖細胞でオスとメスに違いのある遺伝子を探索し、foxl3という遺伝子が、卵が作られる過程のメスの生殖細胞で働いているのに対し、オスではその働きが抑制されていることを発見した。また、foxl3の機能が欠損したメダカのメスは通常のメスと同様に卵巣を作るものの、卵巣の中で受精可能な精子が作られていた。これらの結果から、foxl3はメスの生殖細胞で働き、「精子形成を抑制」する機能を持つことがわかった。foxl3による「精子形成の抑制」を解除すると生殖細胞を取り巻く環境がメスでも精子が形成されるという今回の研究は、体細胞とは独立した性を決めるスイッチが生殖細胞に存在することを示すものとなった。今後は、オスの生殖細胞でfoxl3の発現が抑制されるメカニズム、およびメスの生殖細胞でfoxl3が具体的にどのように精子形成を抑制しているのかについて研究を進めていくという。
2015年06月12日農業生物資源研究所(生物研)は6月9日、絆創膏型の人工皮膚を開発したと発表した。同成果は佐賀大学、祐徳薬品工業、関東化学との共同研究によるもので、6月4日付け(現地時間)の米科学誌「Wound Repair and Regeneration」に掲載された。熱傷など広範囲に皮膚の傷害を受けた場合、生体を外界と隔てるバリアが失われ、高度脱水や感染症により命を落とす危険性がある。現在、そうした皮膚の傷害に対しては非外傷部の皮膚を用いた植皮技術や培養皮膚移植が行われるが、実施できる施設が限られていることや、治療開始まで長い時間が必要となるなどの課題がある。また、皮膚が再生しても、その部分が隆起し痕をつくることも問題となっている。今回開発した人工皮膚は、プラスチックパーツと生体適合性に優れた高密度コラーゲン繊維「アテロコラーゲンビトリゲル膜」で構成されており、同製品を貼り付けることで、創部の上皮化を促進し、治癒後に痕となることも抑制する効果が得られることが実験で確認された。また、粘着テープによって、貼り付けが簡単になったほか、長期保存が可能となった。研究グループは同製品について「私達が開発した絆創膏型の人工皮膚は、広範囲の皮膚に傷害を受けた患者さんへの救急医療において革新的な医療機器となると考えます」とコメントしている。
2015年06月09日Apple Watchをゲットし、いろいろ試しているものの「こんなときどうするんだっけ?」ということも多いはず。ここでは、そんな疑問を解決していきたい。今回は特定の人のメールだけを表示させる方法について。○表示させたい人をVIPに追加!Apple Watchでは、iPhoneが受信したメールを、Apple Watchの「メール」アプリから読むことができる。ただし、膨大な量のメールがある場合など、お目当てのメールをApple Watch上で探すのが大変なこともあるだろう。そうしたときは、Apple Watch上でメールを見たい人だけ「VIP」に加えれば解決する。まずは、iPhoneの「メール」アプリから、「VIP」を選択。初めて設定する場合であれば、「VIPを追加」をタップしよう。「VIP」には、iPhoneの連絡先に登録してある人をそのまま追加することができる。また、1人だけでなく、複数の人の追加も可能だ。続いて、iPhoneの「Apple Watch」アプリを起動し、「メール」の項目を選択。「メールを含める」の項目が、デフォルトでは「全受信」になっているので、それを「VIP」にすれば完了だ。これで、Apple Watchの「メール」アプリで表示されるメールは「VIP」に登録したユーザーからのメールのみになる。ただし、通知に関しては、デフォルトで「iPhoneを反映」となっており、iPhoneの設定に準じてApple Watchに通知が届く。そのため、Apple Watchの「メール」アプリからは確認できないが、「VIP」以外のメールもApple Watchの通知センターに入る場合がある。Apple Watchに届く通知も、「VIP」からのメールのみにしたい場合は、「iPhoneを反映」の下の「カスタム」から、「VIP」のみをオンにすればよい。
2015年05月31日藤原竜也、ユースケ・サンタマリア、小澤征悦らを迎え、伝説の未確認生物を求める“最高にくだらない”探検隊の姿を描く『探検隊の栄光』が今秋、公開されることが決定。藤原さんを始めとするキャスト陣からコメントが到着した。『カイジ』シリーズ、『藁の盾』『るろうに剣心』シリーズなどへの出演者はもちろん、多数の舞台で活躍している藤原さんが本作で扮するのは、落ち目の俳優・杉崎。俳優人生を賭けて新境地に挑むべく、伝説の未確認生物(UMA)「三首の巨獣・ヤーガ」を求め、秘境の地を探検するテレビ番組の隊長に挑むのだが、番組スタッフの足並みは見事なまでにバラバラ。同行するのは、番組がオモシロければ何でもありのプロデューサー(ユースケ・サンタマリア)、大雑把に進めていくディレクター(小澤征悦)、職人気質のカメラマン(田中要次)、UMAオタクの音声・照明(川村陽介)、バラエティ番組をバカにするAD(佐野ひなこ)、テキトーな現地通訳(岡安章介/ななめ45°)といった面々。彼らの行き当たりばったりの撮影に振り回される杉崎だが、いつしか隊長の自覚も芽生え、“真剣”に番組作りに取り組んでいくーー。原作は、ベストセラー「ちょんまげぷりん」の著者・荒木源による同名タイトル「探検隊の栄光」(小学館刊)。監督を務めるのは、麻生久美子&大泉洋W主演の『グッモーエビアン!』を手掛け、2016年に風間俊介&松岡茉優出演の『猫なんかよんでもこない。』の公開を控えた山本透だ。山本監督が「撮影現場に放り出されたキャストの皆さんが、いかに過酷な環境だろうが芝居をしなければ帰れないと、半ばあきらめ?腹をくくり、ヤケクソになりながらはじけた芝居をしまくってくれました」と語るとおり、危険な崖や地中に広がる巨大風穴など、全国の秘境スポットで行われた撮影の過酷さは、かなりのものだった様子。特に主演の藤原さんは、そのハードさに記憶が飛ぶくらい過酷な撮影だったそうで、「“隊長”はほぼ全てのシーンに出ていたので、途中、ユースケさんに代わってほしい…などと思っていましたが、そのユースケさん自体がクランクアップの2日前くらいまでは降板してしまいそうなほど、本当に過酷で楽しい現場でした!」と、達成感たっぷりにコメント。対するユースケさんは、ただ一言「本当に降板しなくて良かった!」と語り、さらに、小澤さんも「藤原“隊長”の燃えたぎる情熱で、過酷な現場の辛さも悩みごともすべて吹っ飛びました!!」とコメントするなど、監督・キャストともに、とにかく“過酷”という表現が目白押しとなった。もちろん、山本監督が「最高のチームワークでした。最高にくだらなくて、最高に楽しい探検隊が誕生しました」と自信をのぞかせ、「一刻も早く完成させて、皆さんにお届けしたい!」と意気込みを見せる本作。撮影の過酷さとは裏腹に、誰もが楽しめる作品となることは間違いないだろう。『探検隊の栄光』は2015年秋全国公開予定。(椎名あい)
2015年05月06日シャープは4月24日、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」への搭載に向けて、空気中を浮遊する細菌などの微生物の量を自動計測できる微生物センサー「BC-300C」3台を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に納入したと発表した。「BC-300C」は計測エリアの空気を吸引した後、独自手法を加えた蛍光検出法により、微生物の量を約10分で自動計測することができる。連続計測も可能なため、微生物量の経時変化を監視することも可能だ。シャープは今回、同センサーを微小重力に対応させたものを納入した。密閉空間である「きぼう」内の適切な環境維持のためのモニタリング装置として利用される予定だ。
2015年04月24日マウスコンピューターは20日、組み込み向けOS「Windows Embedded 8.1 Industry Pro」を搭載した特定業務専用のスティック型PC「m-Stick MS-NH1-EMBD」を発表した。販売価格は税別39,800円。直販サイトやダイレクトショップ、電話通販窓口などを通じて提供する。業務用デバイス向けとして柔軟にカスタマイズできる、Windows Embedded 8.1 Industry Pro 32bitを採用した法人向けスティック型PC。ボリュームライセンスプログラムを利用した場合、エンタープライズ専用機能も追加できる。GUI管理画面 「Embedded Lockdown Manager」で設定可能なロックダウン機能は、再起動時に変更を元通りにする「Unified Write Filter」や、指定したキー入力を制限する「Keyboard Filter」など。主な仕様は、CPUがIntel Atom Z3735F(1.33GHz)、メモリがDDR3L-1333 2GB、ストレージが32GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、光学ドライブが非搭載など。インタフェースはmicroSDXC対応カードリーダ、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0+LE、USB 2.0など。ほか、給電専用のmicroUSBポートも備える。本体サイズはW100×D38×H10mm、重量は約45g。ラネクシーの法人向けログ収集・管理ソフトウェア「MylogStar 3 Desktop」30日ライセンス版が付属する。
2015年04月20日鳥羽水族館では、公式Webページの「飼育日記」にて"謎生物"を紹介し、話題となっている。○まさに驚愕の形状の、"へんな生きもの"同個体は3月15日、紀伊長島の漁船「甚昇丸」に乗船した同館飼育研究部員が、深海底引き網にて採集したもの。水深144~200mで採集した沈木に付着していたもので、船上で「おや?」と不審に思い、沈木ごと採集ビンに入れて持ち帰った。水槽に入れても正体がわからず、顕微鏡で拡大すると、その形状はまさに驚愕の"奇妙さ"だったという。かたちは盤径3mmほどのキノコ状。中央に少し突出した口らしきものがあり、一見するとイソギンチャクなどの刺胞動物の一員にも思える。よく見ると口の周りに太短い触手らしきものがあるものの、それ以外は全身がハサミ状の突起で覆われている。まるでウニやヒトデに見られる「叉棘(さきょく)」のようで、刺胞動物でこんな器官を持つ種類は、まさに未知のものだという。この謎生物「叉棘キノコ(仮称)」にはその後、研究者より「抜け落ちたヒトデ類の叉棘鞘(さきょくしょう)ではないでしょうか?」との意見が寄せられた。特にマヒトデ科やタコヒトデ科の叉棘では、棒状の骨を中心にこのようなクラスターを作るものがあるとのこと。どうやら謎生物の正体は、底引き網によくかかる、抜け落ちたタコヒトデ科のカンムリヒトデ(か、その近縁種)の叉棘鞘ということで「一件落着」となった。なお、同館の2F Lコーナー・水の回廊ゾーン「へんな生きもの研究所」では、このような深海生物をはじめ、様々な"おかしな生きもの"を観覧できる。同館の所在地は、三重県鳥羽市鳥羽3-3-6。
2015年04月12日沼津港深海水族館 ~シーラカンスミュージアム~は3月19日、「アカドンコ(ブロブフィッシュ)」の公開展示を開始した。○非常に貴重な、生きた"世界一醜い生物"を展示「アカドンコ」は、「世界一醜い生物第1位」に選ばれたブロブフィッシュの仲間で、同個体は3月16日、深海底引き網漁にて水深350mより引きあげられた。うろこを持たず、ぶよぶよの体をした深海魚の特徴を持ち、網で引き上げられると他の魚やエビによって体が擦れてしまい、すぐに死んでしまう。今回は網の端にたまたまいたことで擦れが少なく、いい状態であがってきたという。チャーター船にて捕獲し、同館の石垣館長がその場のケアを厚くし、今回の展示公開までこぎつけている。死亡したブロブフィッシュは、水分が抜け筋肉がダラリと落ちて、例の"おやじ顔"になってしまうが、生きている時はとても愛らしい顔をしている。今回の展示は、生きたブロブフィッシュを観ることができる貴重な機会となる。同館の所在地は、静岡県沼津市千本港町83番地。
2015年03月24日明治は17日、「生物図鑑グミ 深海生物編」を発売する。○深海生物をリアルにかたどったグミは全18種類同商品は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)協力のもと発売する、深海生物などの魅力を伝えるコレクションカード付きグミ。近年大きなブームとなっている深海生物の形を、柔らかい食感が特徴のグミでリアルに再現した。種類は全部で18種類。また、深海生物の"驚異の生態"を紹介した全19種類のコレクションカードも1枚封入している。深海の世界観を表現したパッケージや、知的好奇心や探究心を刺激するコレクションカードは本格的な仕上がりとなっており、カードをコレクションすれば自分だけの「生物図鑑」を作ることができるという。グミは、コーラ味、ソーダ味、みかん味の3種類となる。内容量22gで、参考小売価格は100円(税別)。
2015年03月14日動画サービス「ニコニコ生放送」にて、深海生物漁の模様を完全中継する番組「深海生物ハンターと行く、深海漁見学ツアー」の放送が決定した。放送日は2月20日~21日。番組には、神奈川県・横浜にある水族館「ヨコハマおもしろ水族館」の名誉館長で深海魚専門漁師の長谷川久志氏と、深海プロジェクトディレクターの長谷川一孝氏が登場。両氏とともに、静岡県焼津市駿河湾で行われる深海漁見学ツアーの模様を、船上からノーカットで放送する。今回の漁のターゲットとなるのは、深海魚・ヌタウナギ(1日目)とオオグソクムシ(2日目)で、オオグソクムシは収穫後、"えんとつ焼き"にして試食する予定。なお、1日目のヌタウナギ編は収録放送、2日目のオオグソクムシ編は生放送となる。番組名:「深海生物ハンターと行く、深海生物調査漁 ヌタウナギ編(収録放送)」放送日:2月20日(金)放送時間:18:00~24:00(予定)出演予定:焼津の深海魚ハンター・長谷川久志さん&一孝さん親子、ヌタウナギ番組ページはこちら番組名:「深海生物ハンターと行く、深海生物調査漁 オオグソクムシ編(生放送)」放送日:2月21日(土)放送時間:9:30~14:00(予定)出演予定:焼津の深海魚ハンター・長谷川久志さん・一孝さん親子、オオグソクムシ、その他の深海生物番組ページはこちら
2015年02月19日医療社団法人スリープクリニックはこのほど、子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を「スリープクリニック銀座」(東京都・銀座)内に開設した。同クリニックは、内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来として日本で初めての開設となる。子どものいびき、無呼吸、不登校、アトピーなどの睡眠障害は、以前から問題視されていながらも専門の医療施設はなく、症状を放置している現状があったという。また、最近は生活習慣の変化などにより、子どもの睡眠に関する悩みを持つ母親も急増しているとのこと。「睡眠障害は子どもにも十分に起こりうる病気で、大人のものとは病気の程度も種類も違います」と同クリニック。また、症状や治療法が特殊なため、経験と技術を持った医師やスタッフ、医療施設が必要となるという。同クリニックは、このような状況に応えるべく、開設に至った。同クリニック院長で睡眠専門医の遠藤拓郎氏は、「毎日多くのことを学び、吸収しているお子さまにとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。この時期の睡眠が、お子さまの将来に大きな影響を与えるのは間違いありません。私は医師として、クリニックを通してお子さまたちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。なお来春には、子どもが自由に遊び、学べるオープンスペースとして「キッズステーション」を同ビル7階に開設する。
2015年02月07日医療法人社団スリープクリニックはこのほど、日本で初めて内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を、「スリープクリニック銀座」内に開設した。スリープクリニック調布の院長である睡眠専門医・遠藤拓郎(通称:えんたく先生)は、これまでに1万2,000名以上の不眠やいびきなどに悩む患者の診療を行ってきた。子供の睡眠障害は以前から問題視されているが、専門の医療施設はなく、症状を放置しているという現状がある。子供の睡眠障害は、大人のものとは病気の程度も種類も違うという。症状や治療法も特殊なため、経験と技術を持った医師、スタッフ、医療施設が必要となる。このような状況に応えるため、同院は子供のための専門機関として「キッズすいみんクリニック」を開設した。院長・遠藤拓郎をはじめとする医師が、小児の睡眠障害の治療にあたる。院長の遠藤拓郎医師は、子供のころは重症な睡眠時無呼吸症候群で、手術により症状が改善したという。「子供にとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。私は医師として、この『キッズすいみんクリニック』を通して、子供たちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。来春には、同ビル7Fに子供の健やかな睡眠を応援するため「キッズステーション」も開設する。同施設は自由に楽しく遊び、学べるオープンスペース。睡眠に関する知見を持ったスタッフが常駐し、夜泣きや不登校の対応をはじめ、子供の睡眠に悩みをかかえた人々のサポートを行う。
2015年02月03日岐阜大学は12月2日、微生物燃料電池により、豚の糞尿などを含む畜産廃水からリンを回収することに成功したと発表した。同成果は、同大 流域圏科学研究センターの廣岡佳弥子准教授、市橋修特任助教らによるもの。微生物燃料電池は、微生物が有機物を分解する時に出る電子で発電する電池である。廃水処理に適用した場合、廃水中から有機物を除去すると同時に電気エネルギーを回収できる。さらに今回、研究グループは、この発電に伴う化学反応を利用して、電極にリンを付着させて回収できることも突き止めたという。微生物燃料電池は、水槽内に電極が2種類あり、それらが電気回路でつながった構造になっている。水槽内に廃水を入れると、微生物が有機物を分解する過程で電子を電極に流す。これにより、電気が発生する仕組みとなっている。微生物燃料電池を利用した廃水処理システムが実用化すれば、発電しながら廃水を処理できるため、従来の方法に比べ省エネとなる。将来的には、処理にかかる以上のエネルギーを回収できるようになることも期待できるとしている。なお、同技術を実用化するには、大規模化とコストという2つの課題がある。現在の微生物燃料電池は、実験室レベルの小さなサイズが主流となっており、世界最大サイズのものでも一般家庭の浄水漕にも満たないサイズに留まっている。研究グループでは、より大規模な発電施設を構成すること、および低コスト化を目指し、10~20年後の実用化に向けて研究を進めていくとコメントしている。
2014年12月04日葛西臨海水族園では、12月25日まで「ToxinAnimals-知らないとまずい生物」を開催している。○毒持ち生物について学ぼう「ToxinAnimals-知らないとまずい生物」は、大人向けの平日限定クイズラリー。毒を持っている危険な生物についてのクイズに挑戦し、それらの持つ「毒」と「敵から身を守る術」について楽しみながら学んでいく。登場するのは、おなじみのマダコをはじめ、ソハールサージャンフィッシュ、イイジマフクロウニ、マアナゴ、アカハライモリ。クイズを解くことで、毒を持つ意外な生物たちの生態を知ることができる。開催時間は9時30分より16時30分まで。イベント詳細は、東京ズーネットにて。
2014年12月02日エムティーアイはこのほど、同社が運営するスマートフォン向け健康Q&Aサイト「カラダメディカ」(月額・税込324円)のメニューに、睡眠専門外来医師による「睡眠相談」を追加した。同サイトは、電話やメールで24時間365日、ユーザーの質問や疑問に現役医師や看護師、薬剤師などが回答するというもの。今回、睡眠相談を追加した背景には、睡眠への社会的関心の高まりがあるという。厚生労働省が3月に「健康づくりのための睡眠指針2014」を11年ぶりに改定し、新たな指針を発表したことを受けて、「睡眠は健康を考える上でも大切な要素となっている」と同社。また、睡眠に悩む人は、生活習慣病やうつ病のリスクが高まるといった不眠と健康との因果関係も明らかになってきているという。一方で、睡眠は自分でコントロールしにくいため改善が難しく、最近では専門外来を訪れる人も多い傾向に。同サイトでも、睡眠に関する相談が多数寄せられてきていたという睡眠相談では、都内に睡眠専門外来を展開する「スリープクリニック」の遠藤拓郎院長をはじめとする、専門外来の医師がメールでの相談に回答する。睡眠についての素朴な疑問から専門的な質問まで、24時間以内に回答をもらうことができるという。平均回答時間は13分で、メールでの質問は1人につき1カ月3つまで相談可能とのこと(2014年1月~10月の実績)。
2014年12月02日BS朝日で11月10日(月)より放送される「The Photographers」は、鉄道・飛行機・生物・スポーツの各ジャンルの第一線で活躍する写真家に密着したドキュメンタリー番組だ。本稿では、その試写会で観た第1回の内容などをお届けしたい。結論から言うと、カメラや写真が好きなら、あっという間に時間が過ぎていく必見の内容だ。放送日時とテーマは、第1回が11月10日(月)21:00~22:54で鉄道・飛行機、第2回が11月17日(月)21:00~22:54で生物、第3回が11月24日(月)16:00~16:54でスポーツ。登場する写真家は(以下敬称略)、「鉄道」が長根広和と山崎友也。「飛行機」がルーク・オザワとチャーリィ古庄。「生物」が福田啓人、戸塚学、福田幸広、前川貴行、福田豊文。「スポーツ」が中西祐介、田中宣明、水谷たかひと、田中伸弥、小林直樹、赤松孝。「The Photographers」の提供はキヤノン。4ジャンルとも望遠・超望遠レンズを多用し、動きのある被写体の「一瞬」を捉える世界。そんな勝負度の高い撮影シーンに密着した、見ごたえのあるドキュメンタリー番組となっている。○プロ中のプロが語る、鉄道・飛行機を撮る心構えとテクニック試写会で観たのは、第1回の鉄道と飛行機。冒険航空写真家のチャーリィ古庄は、「誰も見たことのない一瞬の光景を"捕獲"する」ことを哲学としている。番組では、ロサンゼルスで新型の獲物を捕獲する現場を追う。"超"をつけても足りないほどの飛行機マニアぶりも存分に発揮。鉄道では、師匠を同じくする長根広和と山崎友也の"今"を同時進行的に取材。まじめな性格で「風景と列車の融合」を作風とする長根と、パワーがあって「車両はなくてもいい」と革新性を追う山崎。二人のコントラストが興味深い。EOS 7D MarkIIにEF200-400mm F4L、さらにエクステンダーを付けて長根が狙った一瞬とは? EOS 7D MarkIIとEF70-200mm F2.8Lの組み合わせで山崎が捉えた光とは?第1回のトリは、情景的航空写真家のルーク・オザワ。空を愛する男が語る空との関係、自身に課している「3つの掟」、そして現場で使えるノウハウも番組を観れば知ることができる。1年のうちに数回しかチャンスのない現場で奇跡の一枚は撮れたのか? 放送後の週末は空港近辺に長玉の砲列が増加すること必至だ。
2014年11月07日農業生物資源研究所(生物研)、九州大学および名古屋大学は10月30日、イネにとって害虫であるトビイロウンカに対するイネの抵抗遺伝子を特定することに成功したと発表した。同成果は英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。トビイロウンカはイネの害虫の一つで、梅雨期に中国南東部などから日本に飛来して増殖し、甚大な被害をもたらしている。近年、殺虫剤が効きにくいトビイロウンカが出現したため、被害が深刻化しており、新たな薬剤、またはトビイロウンカに抵抗性を示すイネの品種開発が必要となっている。また、国内で栽培されている一般的な日本型イネ品種は、トビイロウンカ抵抗性を持たず、抵抗性遺伝子をもつインドやスリランカなどの品種と交配して単一の抵抗性遺伝子を導入した栽培イネが育成され、東南アジアで利用されている。しかし、このイネにも害を与えるトビイロウンカが出現したため、さまざまな加害性を示すトビイロウンカに対応した抵抗遺伝子を持つイネ品種の開発が望まれている。これまでの研究で、インドのイネ品種が持つ「BPH25」と「BPH26」という2つの遺伝子が同時に存在すると、現在問題となっている加害性バイオタイプのトビイロウンカにも抵抗性を示すことがわかっている。今回の研究で、「BPH26」遺伝子を導入したイネでは、トビイロウンカが針のような口をイネの師管(栄養分を輸送する組織)まで挿入するものの、師管液を吸汁できず、餓死することが判明した。研究チームは「BPH26」の染色体上の位置を特定し、育種に有用なDNAマーカーの開発にも成功。「BPH25」のDNAマーカーも作成されつつあり、これら2つの遺伝子の DNA マーカーを用いて、日本に飛来するトビイロウンカに対して幅広い抵抗性を示すイネの開発が、今後2~3年中に開始できる見込みだという。
2014年10月30日理化学研究所(理研)と農業生物資源研究所(生物研)は、日本で栽培されているイネ175品種の二次代謝産物に注目したメタボローム(代謝物の総体)のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、89種類の二次代謝産物の含有量の品種間差に関係する143箇所の遺伝子多型を検出することに成功したと発表した。同成果は理研環境資源科学研究センター統合メタボロミクス研究グループの斉藤和季 グループディレクター、松田史生 客員研究員(現 大阪大学大学院情報科学研究科 准教授)と、生物研農業生物先端ゲノム研究センターの矢野昌裕 センター長(現 農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所 所長)らによるもの。9月29日付け(現地時間)の「The Plant Journal」オンライン版に掲載された。イネには多くの品種が存在し、それぞれを比較すると、風味や耐病性の違いに関係する二次代謝産物の含有量に違いが見られ、その違いはゲノム中の遺伝子多型に由来すると考えられている。しかし、二次代謝産物の組成が品種間でどのくらい異なるのか、またその原因となる遺伝子多型との関連性などについてはわかっていなかった。同研究グループは、日本で栽培されているイネ175品種の葉からメタボロームデータを測定して、342種類の代謝物(一次代謝産物と二次代謝産物)を検出、そのうち91種類の構造を解明。イネの葉には、健康機能成分であるフラボノイドなどの二次代謝産物が多種類含まれており、その含有量は品種間で大きく異なることを突き止めた。さらに、このメタボロームデータと、生物研が整備した遺伝子多型のデータを組み合わせたゲノムワイド関連解析を行い、89種類の二次代謝産物の含有量の品種間差に関係する143箇所の遺伝子多型の検出に成功したという。今後この遺伝子多型情報とイネゲノム情報を併せて活用することで、遺伝子組換え技術を利用せずに、短期間で有用代謝成分を強化した品種改良技術や、健康機能性の高いイネの開発につながることが期待される。
2014年10月29日東京都は9月25日、特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」を都内で初めて確認したことを明らかにした。海外では死亡例もあるため、東京都は発見しても触ることのないよう、注意喚起をしている。成熟したメスで1cmほどの体長になり、全体が黒色に覆われ、腹部と背面に縦方向に伸びた赤色の模様があるのが特徴のセアカゴケグモ。原産地はオーストラリアで、海外からの輸入貨物のコンテナ等に付着して日本に侵入してきた可能性が指摘されている。東京都福祉保健局によると、国内で初めて存在が確認されたのは1995年だという。環境省は、セアカゴケグモにかまれると疼痛(とうつう)やリンパ節の膨張などが生じるとしている。通常は数時間から数週間で症状は軽減するが、場合によっては脱力や頭痛、筋肉痛などの全身症状が数週間継続することもあり、重症になると進行性の筋肉マヒが生じるケースもあるとのこと。今回発見されたセアカゴケグモは、9月24日に三鷹市にあるマンションの庭で見つかっている。その後に三鷹市が周辺調査を行ったところ、さらに10数匹の生存が周辺の公園で確認されたという。ただ、9月25日の時点でセアカゴケグモ由来による健康被害を訴えている人は確認されていない。都内で初めてセアカゴケグモが見つかったことを受けて、Twitter上では「何で突然、三鷹なんだろう。また、全国ニュースになって三鷹の評判が悪くなりそう」「日曜日三鷹行く予定なのに」「幼稚園なんかにいたら、触る子絶対いるよね」「うわぁ~モロに地元だ気をつけないと」などの声が挙がっている(すべて原文)。なお、セアカゴケグモは人工物のくぼみや裏側、隙間などに巣をもうけることが多く、プランターの底や室外機の裏などが生息地の具体例として考えられている。東京都福祉保健局は、「素手で捕まえたり、触ったりしないようにすること」「かまれた場合は医療機関を受診すること」などの注意を呼びかけている。
2014年09月26日農業生物資源研究所(生物研)などの共同研究グループは9月12日、極度の乾燥条件に耐えうる能力を持つネムリユスリカのゲノム塩基配列を解読し、干からびても死なないネムリユスリカに極限的な乾燥耐性をもたらす遺伝子多重化領域と乾燥時特有の遺伝子発現調節機構を発見することに成功したと発表した。同成果は生物研、ロシア・カザン大学、沖縄科学技術大学院大学、基礎生物学研究所、金沢大学、ロシア・モスクワ大学、ロシア物理化学医学研究所、米国・ヴァンダービルト大学らの共同研究によるもので、英・科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。ナイジェリア北部に生息するネムリユスリカの幼虫は、半年以上続く乾季を生き延びるために、いったん乾燥状態になり、半永久的に代謝を停止させることが可能できる。しかも、水を吸収すると約1時間でこの状態から覚醒し、発育を再開する。さらに、乾燥状態にあるネムリユスリカの幼虫は、高温(90℃)、低温(-270℃)、放射線(10 kGy)、化学物質(アセトンやエタノール)などに曝しても完全な耐性を示す。宇宙空間に 2 年以上放置しても蘇生可能な状態を維持出来ていたという報告さえある。同研究チームはこの極限的な耐性の分子メカニズムを知るために、ネムリユスリカのゲノムを解析し、近縁種であるヤモンユスリカのゲノムと比較したという。その結果、ネムリユスリカのゲノムにしかない遺伝子が多重化した領域を発見。さらに、ネムリユスリカに特有な乾燥応答性の遺伝子発現調節機構の存在を確認した。多重化領域には抗酸化因子や老化タンパク質修復酵素、水と置き換わる効果をもつLEAタンパク質など、生体分子保護機能をもつ遺伝子が存在していたという。LEAタンパク質は今まで植物でしか発見しておらず、種の壁を越えてネムリユスリカのゲノムの中に入ったと考えられる。これらの事実から、ネムリユスリカはその進化の過程で遺伝子に「異常」がおきたことで極限乾燥耐性を獲得したと結論付けられた。同研究チームは「極限的な乾燥耐性をもたらす遺伝子を利用することで、ヒトのiPS細胞や家畜の受精卵及び血液などの常温乾燥保存法の開発促進が期待される」とコメントしている。
2014年09月16日文部科学省は21日、スイスのベルンで開催された「第24回国際生物学オリンピック」において、日本代表の高校生4人がメダルを獲得したと発表した。国際生物学オリンピックは、1990年に開始した生物学に関心を持つ高校生らを対象としたコンテスト。学生の能力育成や参加国の生物教育の向上、生物学分野における活動の相互理解などを目的としている。大会は個人戦で、実験問題と理論問題が課せられ、成績優秀者のうち上位約1割に金メダル、約2割に銀メダル、約3割に銅メダルを贈呈している。日本は2005年から参加し、毎年4名の選手を派遣している。今回は、2013年7月14日~21日の期間に開催され、62の国・地域から240人が参加。日本代表は、広島学院高等学校3年の新宅和憲さんが金メダル、灘高等学校2年の真田兼行さん、埼玉県立大宮高等学校3年の中村絢斗さん、東京都立西高等学校2年の横山純士さんの3人が銀メダルを獲得した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年07月23日西日本や九州でセアカゴケグモによる被害が増加している。オーストラリア原産の毒グモで、体長1センチほどながら、かまれて死んだ人もいるというから恐ろしい。もしも外来生物が攻めてきたらどうなるか?在来種を根絶し、生態系を狂わせ、毒や病気をまき散らし、恐怖に満ちた生活を強いられることになるだろう。■触ると危険な食用生物外来生物とは、もともと日本に存在しない動植物を指し、わかっているだけでも2,000種を超えるといわれている。そのうち、日本の生態系、ひとの生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの(可能性を含む)を特定外来生物と呼ぶ。2004年に公布された外来生物法によって飼育や輸入が規制され、生きている状態であれば、卵、種子、器官も該当する。特殊な動植物に思えるかもしれないが、アライグマ、ハリネズミ、ウシガエル、ボタンウキクサなど聞き覚えのある名前も多い。また、被害に関する情報不足や、生態系への影響が不明確なため指定されていないが、特定外来生物の候補となっている要注意外来生物もあり、ミドリガメやフェレット、グッピーなどが名を連ねている。対して、甚大な被害や影響をおよぼす動植物は侵略的外来種と区分され、日本/世界ともにワースト100リストが存在する。日本のワーストリストにはヤギ、ドバト、ニジマス、ハルジオン、ヒメジョオンなど身近な動植物も含まれているから驚きだ。中でも強烈な生物を紹介しよう。まずはアフリカマイマイだ。東アフリカ原産で、成長すると殻の高さが20センチほどになる世界最大級のカタツムリは、落ち葉や生葉、動物の死骸(しがい)や菌類もエサにする雑食性で、農作物を手当たり次第に食べつくす。乾燥すると半年以上も仮眠で過ごすことができ、気温20℃以上なら10日周期で100~1,000個もの卵を産む。現在は輸入が禁止されているので要注意外来生物にすぎないが、餌食となった在来種は少なくない。これだけでもやっかいな害虫なのだが、広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)という寄生虫を媒介するから迷惑だ。感染すると幼虫が脳や脊髄(せきずい)に侵入し、好酸球性髄膜脳炎(こうさんきゅうせいずいまくのうえん)を引き起こすのだ。2週間ほどの潜伏期の後に、激しい頭痛、麻痺(まひ)、けいれん、こん睡の症状があらわれ死亡することもある。触れるだけでなく、はった跡からも感染する。アフリカマイマイがはった野菜を食べて感染することもあるので油断できない。アフリカマイマイが日本にきたのは1930年ごろで、目的はなんと食用。きちんと熱処理すれば問題なく、本場フランスでもエスカルゴの代用品として食されているのだが、この話を思い出すと食欲が失せそうだ。世間を騒がせているアカゴケグモは、α-ラトロトキシンという神経毒で運動神経系と自律神経系を侵す。咬(か)まれた直後はほとんど痛みを感じないが、1時間ほどたつとうずくような痛みが始まる。数時間後には全身に広がり、頭痛、おう吐、呼吸困難などの症状があらわれる。数日で軽減するが、ひとによっては数週間続き、進行性の筋肉まひに発展する場合もあるから楽観視できない。16歳以下の子供や持病のある高齢者には死亡例があるので、病院で血清を打ってもらうのが無難だ。■見えない攻撃日本の侵略的外来種ワースト100には27種もの植物が挙げられ、中でも極悪なのはオオブタクサだ。北アメリカ原産のオオブタクサはキク科ブタクサ属の一年草で、北海道から九州まで広く分布し高さ3mにも成長する。8~10月に花をつけ大量の花粉を産生するのだが、これが風でまき散らされブタクサ花粉症の原因となるのだ。第二次世界大戦後に、アメリカから持ち込まれた物資に付着していたのが始まりと言われ、現在はすっかりと日本に帰化したオオブタクサは、スギ、イネに次ぐ3大花粉症の原因となる。直径6mmの大きな種子が風で運ばれ、広範囲に分布し続けるから根絶は難しい。ひとの生活を脅かすオオブタクサは、植物ながらも侵略の名にふさわしい攻撃力を持っている。■まとめマングースはハブ駆除のために持ち込まれたが、役目を果たさないどころか絶滅危惧(きぐ)種のヤンバルクイナの脅威となり、いまや駆除対象となっている。長い年月をかけてその地に宿った生態系は、自然の奇跡と呼ぶべきだ。安易な操作を続ければ、やがて人間が駆除される日が来るに違いない。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年12月16日地球に生命が誕生して35億年。これまで人類によって発見されてた生物は200万種を上回る。だが21世紀の現代において、いまだ発見されていない生物は750万種に上ると言われ、我々人類は地球全体の15パーセントの生物しか確認していない。そして実際に毎年3000種以上の新種生物が発見され続けているのだ。そして、それら新種生物の多くが人間の想像を超えた独自の進化を遂げているのである。先般、筆者は『進化しすぎた「新種生物」ファイル』(本折浩之著/PHP研究所刊)を上梓し、近年に発見された数十種の新種生物を取り上げた。いずれも驚きの特徴を持つ生物ばかりだが、その中から特にユニークな新種生物をご紹介したい。2004年、アメリカ・サンフランシスコ近くの深海で、モントレー湾水族館研究所(MBARI)の調査により大きさ15センチほどの奇怪な魚が発見された。その名は「デメニギス」。透明なドーム状の膜に覆われた頭部のなかに緑色の眼球がある。透明な頭の中に眼球があるため、後ろから敵がやってきても、体を動かさずして目だけが後ろを向き危険を察知する事ができる。またデメニギスが捕食するクラゲなどを発見した際も、眼球を回転させ体全体を獲物と直線状に並ぶように動かしながらターゲットに近づくのである。以前からこの魚の存在自体は確認されていたのだが、透明な頭部が非常に脆(もろ)いため形を維持して捕獲することができなかった。深海調査技術の発展により発見された「デメニギス」は、その異形に加え独自性あふれる進化で人類を驚かせたのである。アゴに生えた赤いヒゲが特徴のサル「ティティ」をご紹介しよう。コロンビア南部のカケタ県で発見された「ティティ」だが、その発見には大きな困難を伴った。「ティティ」の存在は以前からうわさされていたものの、生息する場所はコロンビア軍と左派ゲリラによる長年の国内紛争の中心地。足を踏み入れることすら危険な地域のため、調査することがかなわなかったのである。そして紛争が沈静化しつつあった2010年。エクアドルとペルーの国境近くのカケタ川流域の森林に突入した調査団により、ようやく「ティティ」は発見された。長いしっぽをもち、体の大きさはネコ程度。茶色と銀色の毛で覆われていて、顔にはアゴヒゲを思わせる赤い毛が生えていた。ユニークな外見の「ティティ」だが、調査を進めるにつれ最大の特徴は外見ではなく生態にある事が判明する。なんと「ティティ」は一夫一妻制の習性を持つサルだったのだ。一夫一妻制とは、一人(匹)の夫と一人(匹)の妻による婚姻の形態。一般的にサルの社会では一夫多妻制が多数派である。動物園にあるサル山の光景を想像してみたら分かりやすい。さらに「ティティ」の家族においては、子供の育児は授乳以外のほとんどを父親が担当するという。いわば「浮気をしないサル」。いつも物憂げな表情をしているようにも見えるが、「ティティ」の本当の気持ちは人間には分からない。(文/本折浩之)
2012年10月20日医師コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアは、「外来受診時の体重測定」に関する調査を実施。調査期間は7月25日~7月31日、2,818件の回答を得た。「外来受診時に体重測定を実施しますか?」という質問では、54%の医師が「必要時に体重測定を実施」と回答。特に体重測定が必要な疾患として、うつ病、心不全、メタボ、肝硬変、糖尿病、腎不全などがあげられた。小児科や妊婦の定期検診、抗がん剤治療時なども体重測定が実施されている。「体重測定は、ほぼ実施していない」と答えた医師は20%。「自己申告を記載する程度」、「洋服を着て体重測定しても正確性に欠ける」といったコメントがみられた。特に、呼吸器内科、泌尿器科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、神経内科などは、体重測定を必要としないことが多い結果となっている。一方、「ルーティンとして、ほぼ毎回体重測定を実施」と答えた医師は15%にのぼり、小児科、産婦人科、腎臓内科、循環器内科、精神科からの回答が目立った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月20日河本メンタルクリニック(東京都墨田区)では2009年12月、”婚活”を行っている過程で不調になった人のための「婚活疲労外来」を立ち上げた。この”婚活疲労”について同クリニック顧問の小野博行医師に話を聞いた。小野医師は河本メンタルクリニックで治療にあたるほか、院長を務めるおのクリニック(東京都東村山市)でインターネット電話サービスを活用した「婚活疲労スカイプ・カウンセリング」も行っている。「私自身は婚活というものについてよく知らなかったのですが、もともと鬱(うつ)の患者さんの中に婚活をしている方がいて、うまくいったかいかなかったかでそのときの病状に影響が出ていたんです」と小野医師。「ネットでも調べてみたところ、婚活をしているという人のブログの中には、こちらから見たら鬱(うつ)に足を踏み入れているような人も見受けられた。これはきびしいものなのだなと感じました」と振り返る。そこで婚活特有の精神疾患に対応するために、専門外来を立ち上げることになったという。婚活疲労外来を受診する人には当初男性が多かったそうだが、現在は男女半々くらいになった。年齢は30代~40代くらいが多いという。症状はうつ病、不安障害。「結婚相談所でマッチングされた相手からのメールが減った」などささいなことで疑心暗鬼になってしまう人もいるという。小野医師は、「婚活は、ほかにはないような特殊な場面。一回断られるだけでも大きなダメージを受けることになる」と語る。婚活においては、年齢、学歴、年収、性格、マナー、エスコートの仕方、家族、住むところなどあらゆるところから評価される。しかも、婚活ではどうして相手から断られたかがわからない。理由を伝えないのは相手のことを思ってのことなのだが、それが分からないだけに、あらゆる点、全人格を否定されたような気持ちになってしまうのだという。婚活疲労で不調におちいってしまうのは、きまじめな人や余裕がない人に多いそうだ。小野医師は「思い込みが激しい人にも多い。例えば、何歳までに結婚しなくては、と自分で年齢に制限を設けてしまうようなことです」と話した。「婚活は、疲労するにはする」と小野医師。「ただそれが疲労だけなのか病気なのかが、その人への道案内のポイントになる。ものごとをマイナス方向に考えがち、というと鬱(うつ)の可能性がある。不安障害だと頭痛や胸の痛み、過敏性腸症候群など体に出る場合も多い」と話す。こうした不調におちいらないためのアドバイスとしては、「婚活仲間をつくる」があるという。婚活をしていることを人に知られたくない、友人や親にも言っていない、という人も多いそうだが、「自分だけの考えの中に入り込んでしまわないように、人に相談することが大切」と小野医師。さらに「断られたときの大きなダメージは、体験していない人にはなかなかわからないもの。相談相手にするのは婚活を体験したことのある人のほうがよいと思います」と述べた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月19日6月5日(火)、NHK放送センターにて「謎の巨大生物を追う~仲間由紀恵・小笠原の海をゆく~」の取材会が開催された。この番組は、仲間由紀恵の初となる長期ドキュメンタリー取材が実現。謎に満ちた巨大な海洋生物が集う世界有数のスポットである小笠原諸島で、スキューバダイビングや2級小型船舶免許なども持ち、沖縄で育ち海をこよなく愛する仲間が、その神秘に迫る。会見では、ロケを終えて、あるときはその過酷さ、そしてそれを超えた感動を情熱的に語った。放送は6月30日(土)・7月1日(日)ともに午後9:00~11:00(BSプレミアム)の2夜連続放送。世界自然遺産にも指定されている小笠原は、海の怪物“クラーケン”として恐れられてきた世界最大の無脊椎動物・ダイオウイカの目撃例で世界一といわれている。また、そのダイオウイカと深海で壮絶なバトルを繰り広げているというマッコウクジラが集まる、マッコウ・ポイントという不思議な場所も存在する。空港がない上、6日に一度しか定期船がでない“日本で一番遠い島”だが、仲間はぜひ一度訪れたいと以前から熱望していたという。仲間は、今まで見てきた海と比べて、小笠原の海を「野生的で男っぽい、パワフルな海」と印象を語った。荒々しい岩場や、大きな珊瑚礁に包まれていると感じ、大胆さと神秘が入り混じる海を実感したようだ。仲間は、当ドキュメンタリーをこう振り返る。「相手は野生の動物なので、もちろん計画通りにいかない大変さがあったり、撮影中はほぼ毎日船に長時間乗って動物たちを追いかけて…ときには気分が悪くなってしまいそうな瞬間もありました。けれど、マッコウクジラのブロー(潮吹き)を見て、全てが報われた気がしました」大変珍しいものとして、マッコウクジラのジャンプを見ることができたり、またドルフィンスイムといって野生のイルカと泳ぐことも実現したという。「相手は野生のイルカ。最初は、私に興味を持ってくれるのかと心配していたら、ふと近づいて私の目を覗き込んでくれて、アイコンタクトをしてくれたんです。たぶん2~3秒なんですけど、自分にとっては10秒以上の出来事に感じた。その後も近くに沿って泳いでくれたり、少し離れてもまた戻ってきて寄り添ってくれたりしたんです」ほ乳類最長の“腕”といわれる巨大な胸びれを持つザトウクジラも、船のすぐ真横に現れたという。マッコウクジラ・ザトウクジラ、ダイオウイカなどこれらの想像以上の巨大な生物が息づく小笠原の海に触れ、仲間は「私たちよりも大きな生物がこの海で存在していることを実感することによって、地球自体をより間近に感じ、捉えることができた」と語った。仲間由紀恵が臨場感豊かに伝える、巨大海洋生物の“命の揺りかご”小笠原。2夜連続の壮大なスケールで放映されるこの番組で、神秘の生物、そしてそれらと共存していく地球と人間の存在を、仲間とともに体感しよう。謎の巨大生物を追う~仲間由紀恵・小笠原の海をゆく~放送日時第1回:6月30日(土)午後9:00~11:00 BSプレミアム第2回:7月1日(日)午後9:00~11:00 BSプレミアム・ 番組公式HP
2012年06月12日メドピア株式会社は、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」の会員医師に対して「外来患者の香水」についてアンケートを行った。8割以上の医師が「外来患者の香水について注意しない」という結果が出た。調査は4月16日~4月22日にかけて、MedPeer会員医師を対象にオープン回答型の「ポスティング調査」で実施。2,781件の有効サンプルが得られた。「外来患者の香水がきつい場合に注意しますか?」という問いに対して、82%が「注意しない」と回答。その理由として「個人の嗜好(しこう)の問題」、「医学的に問題無ければ、注意する理由がない」という意見が多かった。一方、「トラブルの原因になるので無視する」「職員なら注意するが、患者さんにはできない」というコメントも寄せられた。一方、「遠回しに注意する」は10%。その方法としては「看護師に注意してもらう」「注意書きを提示する」というものがあった。「はっきりと注意する」は3%で、理由は「ぜんそく外来なので発作を起こすことがある」「産婦人科ではつわりや化学療法でにおいに敏感な患者さんがいる」など、診療する科独特の事情があるようだ。また、香水のほかに、困ったにおいとして、タバコや体臭などを挙げた医師もいた。対策としては、「マスクをする」「消臭スプレーを使う」などのコメントがあった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月07日女優の仲間由紀恵が出演するNHKの長編ドキュメンタリー「謎の巨大生物を追う~仲間由紀恵・小笠原の海をゆく~」が6月30日(土)と7月1日(日)の2夜連続で放送が決定。これに先駆け6月5日(火)、仲間さんが出席しての取材会がNHK放送センター(東京・渋谷)にて行われた。巨大海洋生物が集う世界有数のスポットである小笠原諸島に仲間さんが渡り、世界最大の無脊椎動物であるダイオウイカやその天敵のマッコウクジラやザトウクジラを生で目撃すべく海に出る。沖縄県出身で自身もスキューバダイビングや小型船舶の免許を持ち、海に慣れ親しんできた仲間さんだが小笠原諸島について「この島にしかいない植物や生物が生息しており、一度は行ってみたいところでした」と明かす。住所の上では“東京都”ではあるが、船が出る竹芝からおよそ1,000キロ離れており、仲間さんは25時間半もの船の長旅。島には2週間ほど滞在し、毎日船で移動しながら巨大生物を追いかけたという。特に、古くは西洋で船を襲う怪物“クラーケン”として恐れられていたダイオウイカは、これまで深海を泳いでいる姿が映像に収められたことがなく、目撃されることも稀な生物だが仲間さんは「運よく出会うことができました!」と満面の笑み。どれくらいの時間をかけてどのように出会ったのかは「見てのお楽しみ」とのことだが、「ドキュメンタリーという仕事はドラマなどとは違って、もちろん台本やシナリオはあるんですが相手がどこにいるか分からない野生の動物ということで計画通りに行かない大変さがありました」と苦労を述懐。だからこそ、これらの生物に出会ったときの感動はひと潮のようで「いままでの苦労が吹き飛びました。私たちの何倍もの大きさの生物が、あんなに力強く生きて動いてるということに感動しました」と興奮した面持ちで語った。また、小笠原で仲間さんはイルカの群れと泳ぐ“ドルフィン・スイム”も体験したそう。「初めは不安でした。『(イルカと)アイコンタクトしてください』と言われるんですが、『できるかな?』と思ってました。それが実際に潜ってみると、2匹のイルカが近づいてきて本当にこちらの目を覗き込んでくれるんです。緊張しながら見返したら、フッと泳ぎ始めたので頑張って泳いで付いていきました」と神秘体験の感動を明かした。番組を通じて伝えたいことを問われると仲間さんは、クジラの群れが世界中の海を巡っていることに触れ「大きな地球をグルグルと行ったり来たりすることが、もしかしたらそんなに大変なことじゃないのかも?と思えるくらい大きな生き物でした。そう思うと、同じ地球で生きているということで地球をもっと近くに感じることができた気がして、環境というものがとても尊いものに感じました。小笠原の美しさと巨大な生物のダイナミックさを感じていただき、彼らとこれからも共存するために私たちはどんなことに気を付けなくちゃいけないのか?ということも考えていただけたら」と語りかけた。「謎の巨大生物を追う~仲間由紀恵・小笠原の海をゆく~」は6月30日(土)、7月1日(日)の2夜連続で21:00よりBSプレミアムで放送。
2012年06月05日医師限定のSNS「MedPeer」を運営するメドピア株式会社では、「外来以外で医療相談を受け付けているか」についてインターネットリサーチを行った。メドピアに会員登録をしている医師を対象とした調査で、有効回答数は2,631件。「外来受診のみ」と回答した医師は全体の72%。「責任が持てない」「電話やメールでは誤解が生じる」「細かいニュアンスがやり取りできない」といった意見があった。一方、「かかりつけの患者さんの電話相談には応じる」というコメントも散見される。電話相談等のほとんどが無料で行われているが、電話相談費として徴収しているという回答もみられた。また、電話の対応は看護師が行っており、場合によって受診をすすめる、とした回答もあった。判断が間違っていた場合の責任の所在が不明となるため、電話相談は基本的には受け付けないという声も。電話相談やメールでのやり取りなどは、あくまでも外来による受診の入り口としてとらえている医師が多いようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月28日マネックス証券は19日、中国株取引システムをリニューアルしたと発表した。このリニューアルにより、中国株取引における特定口座の利用が可能となる。これまでマネックス証券において中国株取引は特定口座の対象ではなかったため、中国株の取引で譲渡益や配当が発生した場合、および国内株式等との損益通算を行う場合は、原則として顧客自身による確定申告が必要となっていた。だが今回の取引システムのリニューアルで、中国株取引が特定口座の対象となることにより、国内株式等に加えて、中国株の譲渡損益や配当金が特定口座の受け入れ対象となり、顧客の確定申告および納税手続の負担が軽減される。また同社では、本リニューアルを記念して、対象期間中に中国株を取引した顧客に対して買付手数料の半額相当を返金するキャッシュバックキャンペーンも実施する。キャンペーン期間2012年3月19日~2012年4月30日キャンペーン内容期間中に中国株を買付けた際の手数料の半額相当額をキャッシュバック※「税金」、「その他費用」はキャッシュバックの対象外。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月21日