映画やドラマのシリーズものは数多あるが、作を重ねるごとに素敵になっていくヒロインなんて、どれだけいただろう?篠原涼子は『アンフェア the answer』でそんな否定的な思い込みを覆す。2006年放映のドラマ「アンフェア」、間にスペシャルドラマを挟んで映画版『アンフェア the movie』が公開されてから4年あまりが過ぎ、再びスクリーンに戻ってきた刑事・雪平夏見は、より美しく、より複雑な女性となっていた。トレンドマークのロングコートが、不安を払拭させた4年ぶりに雪平を演じてみて、どんな心境だったのだろうか。「やる気満々で撮影に挑みました。とても楽しみにしていたので。雪平は本当に好きなキャラクターだし、ずっとみんなで作り上げてきた作品が第2弾として映画化されるのはすごく嬉しかったんです」。彼女にとって何度も演じてきた当たり役だが、それゆえのプレッシャーもあるという。「やっぱり4年間というブランクが空いていましたから。作り手側の私たちよりも、見ているお客様たちの方が『アンフェア』のイメージを作ってたり、雪平夏見像をしっかりと持っているんです。その方たちに『なんか全然違う、変わっちゃったな』と思われるんじゃないかと、不安感はあったんです。でもやっぱり、大好きな作品ですから。そのプレッシャーに逆に背中を押してもらって乗り越えました」。不安を消し去ってくれたものはほかにもある。「やっぱりコートですね。あのコート」。雪平のトレードマークであるロングコートだ。「最初の衣装合わせのときに4年ぶりに着たんです。着た瞬間に『あ、これで大丈夫かも』っていう気持ちになれました」。『アンフェア the answer』で監督を務めたのは連続ドラマからずっと脚本を手がけてきた佐藤嗣麻子。映像作品における雪平夏見を創造し、雪平を知り尽くした存在でもある。「嗣麻子さんとは、個人的にお仕事を一緒にしたいとずっと思っていたんです。『アンフェア』がきっかけで、プライベートでもお会いしていたので。でも、それにも関わらず、私、知らなかったんですよね。今回、嗣麻子さんが監督になられるってことを(笑)」。製作側から映画化の話を聞いたとき、「誰が監督なんですか?」と尋ねて初めて、佐藤さんだと知らされたというエピソードを笑いながら明かしてくれた。「すぐに嗣麻子さんに『監督なんだって?』とメールしたら、『そうなの。いつ言ったらいいか分からなくて言えなかったんだけど』と返ってきました(笑)。今回ご一緒できたのはすごく嬉しかったです。やっぱり嗣麻子さんは雪平夏見を誰よりも知ってるんですよ。だから『雪平はこういう仕草をする』とか『こういう目をする』とか、細かく演出しくださって、すごく助かりました」。監督がこだわりぬいた雪平の“弱さ”今回、一番アンフェアなのは作風がガラッと変わったところ、と作品資料にあるが、その言葉に偽りはない。篠原さんも「いままでとはすごく雰囲気が変わっています。いままではアクション作の雰囲気だったけど、今回は心理的な物語になっている」と語る。「ある意味マニアックかもしれないけど、かっこよくてハイセンスな感じが、私はすごく素敵だと思っています」。雪平像も、これまでとは大きく変化した側面がある。「最初の打ち合わせで監督から『涼子ちゃん、今回は夏見はすごく弱いイメージでいきたいの』と言われました。でも『それはお客様たちへの裏切りになる』と私は言ったんです。だけど監督は『いや、それがいいの。私のこだわりだから。弱さの中に強さをちゃんと作るから』と。本当に全面的に弱さを出してるんですよね。追いつめられて震えたり。撮影中も『もっと震えて、もっと臆病になって』と指示がいっぱい来ました。監督がそう決めて脚本を作って、演出している。もう絵がしっかり決まってるんだから、信じて演じました」。雪平が強いことは誰もが知っている。でも、人間はそんな一面的なものではない。だから、いままでの作品で表面に出てこなかった彼女の隠された素顔がまた1つ現われる。互いをよく知る女優と監督の間にある信頼が、いままで以上に魅力的な雪平像を作り出した。篠原さんは佐藤監督と雪平のあり方について徹底的に話し合い、挙げ句にホテルの一室で佐藤浩市扮する一条とのラブシーンの自主練習まで行ったのは、いまや有名な話だ。「監督自ら浩市さん役になったり、ヘアメイクさんに雪平役をやってもらったりして、私は第3者的な感覚で『うーん、もうちょっとこっちかな』と監督に指示しちゃったりして(笑)」。こういう風に演じたい、というイメージがあったという。「単純にラブラブな雰囲気はちょっと嫌だったんです。お客さんを驚かせる裏切り的な要素のあるものにしたかった。台本では、じゃれあう2人が見つめあって、うふって笑うみたいな感じでした。それだと、ちょっと女っぽくなり過ぎちゃう。キスも露出もするんだから、ちょっと男っぽくというか、上から目線な感じを出したかったんです」。改めて雪平夏見と向き合った篠原さんは、雪平について「すごい芯が強いんだけど、今回初めて『守ってあげたい』って気持ちになる女性になったんじゃないかなと思います」と言う。「いままでは、この人ひとりでも生きていけそうって感じがしたんだけど」と語るとき、自然と笑みが広がり、優しい表情になる。最後に、これから映画を観る人にこれだけは伝えたい、と彼女から託されたのは「すべてを見逃さずしっくりじっくりと観て下さい」というメッセージ。「ちゃんと目を離さず観てもらいたいです。本当に一人一人の表情に謎が隠されてるんで、その表情ひとつ見逃しちゃうと、ミスリードされますから。それを見逃さなければ、より一層『アンフェア』な世界感に浸れるんじゃないかと思います」。(photo:Toru Hiraiwa/text:Yuki Tominaga)■関連作品:アンフェア the answer 2011年9月17日より全国東宝系にて公開© 2011 アンフェア製作委員会■関連記事:篠原涼子、初のベッドシーンを前に監督と“練習”!新宿コマ劇場の跡地に地上130メートルのシネコン&ホテル建設劇場版『アンフェア』続編に佐藤浩市、山田孝之、大森南朋が新たに参戦!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第14回)頼りになる“アネゴ”女優は?
2011年09月13日デミタスコーヒーシリーズのCMキャラクターに起用先日妊娠発表をおこない、それ以来公の場には姿を見せていなかった、女優の篠原涼子が8日、ダイドードリンコ「デミタスコーヒー」シリーズのCMキャラクターに起用され、都内で行われたCM発表会に出席した。新CMのイメージに合わせたという、黒のワンピースにジャケット、アクセントベルトにハイヒールという凛とした美しさのある元気な姿で登場。いつもと変わらぬ姿を見せてくれた。報道陣の祝福の声にも「ありがとうございます」と応じていたという。幸せいっぱいこれからの彼女にも注目&新CMも第2子の妊娠発表後、初めての公の場ということで、質疑応答の時間はとくに設けられてはいなかったものの、写真撮影時には報道陣から妊娠に関する質問が相次いで飛んだそうだ。彼女はそのまま笑顔でうなずいたり、首を振ったりしつつ、軽い受け答えで流したという。幸せいっぱいでさらに輝いている彼女。これからの子育てスタイルやさらなる活躍も注目される。今回の新CMにも注目だ。9月19日から全国オンエアされるそうで、“あなたを、満たす。デミタス”がコンセプト。彼女の魅力の深みにもハマって満たされそう?!元の記事を読む
2011年09月09日篠原涼子主演の人気ドラマの4年ぶりとなる劇場版第2弾『アンフェア the answer』の完成披露試写会が8月25日(木)、東京・豊洲の「ららぽーと豊洲」および同所内の映画館で開催。篠原さんをはじめ、佐藤浩市、香川照之、山田孝之、加藤雅也、寺島進に佐藤嗣麻子監督が来場し、レッドカーペットを歩いた。ネイルガンによる連続殺人事件が勃発し、雪平(篠原さん)の元夫の佐藤(香川さん)が容疑者に浮上。さらに、警察の捜査は北海道に赴任中の雪平にまで及ぶが、その裏には国家の秘密を蔵したUSBの存在が…。連続TVドラマにスペシャルドラマ、劇場版第1弾を経て全ての謎が明かされる。黒いドレスに身を包んだ篠原さんは、ボディガードよろしく黒のスーツ姿の共演男優陣5人を従えてレッドカーペットを闊歩し、ファンのサインや握手の求めに気軽に応じた。篠原さんはイケメンの男優陣に囲まれての撮影を「毎日現場に行くのが楽しみだった」と笑顔でふり返るが、本作で佐藤さんを相手に初のベッドシーンにも挑戦!「初めてで迷惑をかけたり、自分ができないと思われるのが恥ずかしいので、監督を相手に練習した」と明かす。佐藤監督によると「私が浩市さんの役で、服を脱いでアングルをチェックしたりした」とのこと。栄えあるお相手を務めた佐藤さんはこれまでにラブシーンを「200回くらいやった」(佐藤さん)という歴戦の強者だが、「照れるので実はラブシーンが嫌い(苦笑)」と明かし、「篠原さんにすごく気を遣っていただいて、リラックスさせてもらいました」と語った。TVシリーズからの付き合いである加藤さんは「今回は雪平が非常にエロい!この4年でいったい何があったの?」と“セクシー”雪平を強調。監督も「エロく撮った自信があります。いじめがいがありました」とニンマリ。香川さんは「僕は元夫なのに、一度もラブシーンがなかった」と“アンフェア”を訴え、寺島さんも「おれはラブシーン大好きなのに。歯磨いてるんだけどな…」と不満を漏らし、会場は笑いに包まれた。写真撮影では、一行は海上のクルーザーへ。合図とともに盛大な花火が打ち上げられ、篠原さんは「今年初めての花火でした」と満面の笑みを浮かべていた。『アンフェア the answer』は9月17日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:アンフェア the answer 2011年9月17日より全国東宝系にて公開© 2011 アンフェア製作委員会■関連記事:新宿コマ劇場の跡地に地上130メートルのシネコン&ホテル建設劇場版『アンフェア』続編に佐藤浩市、山田孝之、大森南朋が新たに参戦!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第14回)頼りになる“アネゴ”女優は?
2011年08月25日