ある日突然、嫌な臭いのする鼻水と顔の痛みに襲われ「副鼻腔炎」かと思い耳鼻科へ。耳鼻科へ行ったあとはいったんは治まりましたが、再び痛みに襲われました。今度は歯の奥から苦い味のする液体が漏れてれているような感覚があり歯科へ。顔の痛みが解消するまでの体験談です。ある日突然襲った鼻の異変手洗い、うがいを徹底するようになってから、ほとんど風邪らしい症状は皆無だった2020年。手洗い、うがいって大切なんだなと思ったのもつかの間。ある日突然、鼻に激痛が走りました。最初はもしかしたら、鼻に吹き出物ができるのかな?なんて思っていました。しかし、時間が経過するにつれて鼻の奥、耳の下がジーンと痛む感じに。その日の夜には鼻が痛いために、まるで顔全体が痛いような感覚になってしまいました。とりあえず市販の痛み止めでしのぐことにしましたが、痛み止めを飲んでも、数時間後には再び痛みが戻ってきます。次に痛み止めが飲める時間まで顔を冷やしながら耐えました。症状の特徴は、鼻の奥の痛みと緑っぽい嫌な臭いの鼻水が出ること。発熱はありませんでした。この鼻水が本当に不快で、顔中がくさいような気がしてつらかったです。この不快な症状をネットで調べてみたら「副鼻腔炎」かなという感じでした。今まで副鼻腔炎を患ったことがないのでわからなかったのですが、このくさい鼻水が続くのは耐えられない! 顔も痛い! 早くなんとかしたい!という気持ちでした。嫌な臭いと顔の痛みでなかなか寝付けなかったのですが、鼻をかむと少しラクになるので、悪いものは外に出そうと頻繁に鼻をかんで耐えました。耳鼻科へ駆け込みいったん鎮静朝になっても痛みは引かず、臭いのする鼻水も出続けており、よくなっている感じではありませんでした。そのため、朝一番に耳鼻科に駆け込むことに。診療を待っている間も、鼻水の臭いが気になってしまい、ほかの患者さんにこの臭いがバレていないか心配になるくらいでした。ひと通り症状を伝え、鼻の中の状態を診てもらい、レントゲンも撮ってもらいました。診断は「奥歯のあたりが痛いというのは気になるけど、副鼻腔炎でしょう」とのこと。薬を処方してもらいました。ただ、すぐによくなるわけではないので、薬を飲み切って様子を見るように言われました。すぐによくならないかもと言われ、「あとどれだけこの痛みと臭いに耐えなくちゃいけないの」と思いましたが、お医者さんに診てもらってひと安心。2日くらいで痛みが引いたものの、鼻水がなかなかよくなりません。鼻の中が気持ちが悪いので鼻うがいをすることにしました。慣れるまでは喉に違和感を覚えることがありましたが、臭いのもとになっているだろう鼻水を排出するとスッキリ! 水道水で鼻うがいをすると痛いので、鼻うがい専用の液体でおこなっていました。薬を飲み切るころには、かなりラクになり日常が戻りました。次の章で、再び痛みが襲ってきて、歯の異変に気付いたときのことをお伝えします。再びあの痛みが!今度は歯の異変も耳鼻科にかかってから約1カ月。もうあの痛みと嫌な臭いのする鼻水はコリゴリと思いながら鼻うがいを続けていたのですが……。またあの痛みが襲ってきたのです! 痛みの感覚を覚えていて「これは副鼻腔炎だ」と確信。しかし、前回のような、くさい鼻水は出ていません。その代わりに奥歯が染みるような感じと、変な臭いのする液が出るような感じがありました。耳鼻科で診てもらったときに歯の痛みが出たら歯科に行くように言われたので、今度は歯科へ。幸いすぐに予約が取れたのでそのまま駆け込みました。実は、歯科にかかるのは約2年ぶり……。前回の診療から時間がたっていると、歯科からはがきも来ていたのですが、異変がなかったのでそのままにしてしまっていたのです。ちょっと気まずいなと思いつつ症状を話し、歯のレントゲンを撮ってもらいました。どうやら昔、虫歯治療してもらったときの被せ物が痛んでしまったようで、細菌が入り副鼻腔炎になってしまったようです。定期検診をしていれば、治療したところが傷み始めていることに気付けたでしょうし、面倒くさがって定期検診に行かなかったことを後悔しました。薬をもらい痛みは数日で治まったものの、歯の治療はその後1カ月くらい続きやっと終わりました。まとめ歯が原因の副鼻腔炎は盲点でした。あの痛みは二度と味わいたくないので、鼻うがいだけでなく、3カ月に1回定期検診に通っています。虫歯も早期発見をすれば治療もすぐ終わりますし、年齢とともに歯も弱ってくるというので、歯科のかかりつけを持ち、定期的に診てもらうことが大切だと痛感しています。以前は「変わったこともないし、検診は結構お金がかかるんだよな」と思って定期検診をスルーしていたのですが、心を改めました。定期検診に行っていればこんな目には合わなかったと思うと若くないんだし、自分のメンテナンスはきちんとしなくちゃと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/川田悟司先生(川田歯科医院院長)イラスト/サトウユカ★関連記事:「後戻りはできない治療」インプラントかブリッジか? 50代が選んだ歯科治療は… #生まれて半世紀 13★関連記事:「歯が長くなってる!?」原因は歯周病?放置すると歯が抜ける?【医師解説】★関連記事:歯磨きしたら歯ブラシが血まみれに。原因は歯周病?対策は?【医師解説】著者/ayuko(44歳)小学生の子ども2人と夫の4人暮し。在宅ワーカーでひとりコツコツ仕事をしている。在宅仕事&運動不足で太り気味なのが最近の悩み。年齢特有の体調の変化も気になるところ。スポーツ観戦、ライブが大好き!いつまでアクティブでいたいお母さん。
2021年12月19日3人目の子どもを出産したあと、私はどんどん増えていく診察券やお薬手帳の収納に悩んでいました。内科に皮膚科に耳鼻科など……、増えすぎて管理しづらくなった診察券をスッキリまとめて収納できるケースはないだろうか。そう悩んでいたときに出合ったのが無印良品の「母子手帳ケース」でした。 シンプルな見た目と扱いやすいサイズ感「ポリエステル・母子手帳ケース・小」(税込み2,490円)は、無印良品らしく一切装飾がないシンプルな「母子手帳ケース」で、キャラ物が苦手な私の探し求めていた物でした。また、どんどん増えていく診察券やお薬手帳をたくさん入れたいので、ケース自体が軽いのも重要です。(現在は黒のみの販売となっているようです。画像はネイビー) 無印良品の「母子手帳ケース」はポリエステル100%で汚れに強く、とても軽いのが魅力です。サイズは20×15cmで、マザーズバッグにもすっぽり収まります。子どもを抱っこしていてもバッグからスッと取り出せるサイズ感が、とっても使いやすいのです。クリアポケット部分には予防接種の問診票を入れておくと、サッと取り出せるので便利です。 ガバっと開いて見やすいのが良い なんと言ってもガバっと開いて探しやすいジャバラ仕様がとっても便利です。どこに何があるか一目瞭然で、診察券を見つけやすいのがお気に入りポイントです。私は3つある仕切りを3人の子どもたちそれぞれで分けています。 20枚近くある子ども3人分の診察券がスッポリ収まるのです。病院に行くときはケースをかばんにドサッと入れるだけ。病院を受診するのに必要な物すべてが入っているので、忘れ物をする心配がありません。 付属のポーチで必要な物だけ持ち歩き 「母子手帳ケース」についているこのポーチが使い勝手バツグンです。私の場合は、「母子手帳ケース」は家に置いておき、子どもの保険証や医療受給券だけをポーチに入れて旅行や帰省に持っていきます。 旅行や帰省では少しでも荷物を軽くしたいけれど、万が一のことを考えて必要な物だけでも持っていきたい、そんなときにとても便利なのです。また、子どもの予防接種のときはポーチに母子健康手帳と保険証、問診票を入れて持ち歩きます。必要な物がしっかり入るのに、かばんの中でも邪魔にならない薄さがうれしいです。 無印良品の「母子手帳ケース」は、子育てに必要な母子健康手帳や診察券などをたっぷり収納できます。クリアポケットにペンホルダーなど、かゆいところに手が届いている機能性はさすが無印良品。期待を裏切りません。シンプルで便利な物が多く、ベビー服やキッズ服がプチプラで手に入る無印良品は、いつもチェックする私のお気に入りブランドです。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 監修/助産師REIKO著者:小山田ちよえ2男1女の母、アラフォー主婦。夫の仕事が忙しく平日はワンオペ育児に奮闘中。チョコレートとパンが大好き。復職に向けて資格取得を目指している。
2021年10月06日■前回のあらすじ子どもが食事を食べてくれないと不満を爆発させる母と夫。そして、ついに母の滞在が終り、私は手術に向け準備することに…■手術前の診察へ手術前の診察は手術に関わるすべての科で診察の必要がありました。先生方同士で手術前に会議をしてどんな手術をするか、という話し合いをされているようです。重要なことは主治医の先生から患者に伝えると言うのが決まりのようで…。■耳鼻科の診察、手術方法は…腫瘍が小さくなっていたため、手術は内視鏡で行うことに!手術のため再度入院になります。 ※この記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2021年02月14日一緒に耳鼻科に行ったお子さんが突然起こしたハプニングを紹介しています。突然、先生の足を踏みつけた意外な理由は、お子さんがママを思って起こした行動でした。ママはお子さんの成長を感じたそうです。 幼稚園の娘は、知らない人が近づいてきたり、自分の体を触ったりすることにまだまだ抵抗を感じているよう。病院などで耳や目、鼻や口の中などを診察してもらうのも同じこと。ある日娘の様子がおかしく、耳鼻科で専門医に診てもらうことになりました。 子どもと初めて耳鼻科へ行く幼稚園から帰ってきた3歳の娘。なんと耳の中に粘土が入っていることに気づき、早速耳鼻科で診てもらうことになりました。初めての耳鼻科での診察のため、娘は多少の抵抗を見せたものの何とか無事に診察終了。 耳鼻科の先生もとても気さくな方で、雑談をはさみながら耳の中に粘土が残っていないことも確認できました。子どもも診察してくださった先生のことを嫌いにならずに済んだようで、また何かあれば診てもらいたいと思いました。 私も子どもと同じ耳鼻科へ行く診察してもらってから1カ月も経たないうちに、今度は私のリンパ腺が腫れ、同じ耳鼻科へ子どもと行くことに。触診、採血後に、再度診察の流れでおこなわれました。 採血後の診察で先生と話し、帰ろうとしたそのときに事件は起こりました。何と娘が先生の足を突然踏みつけたのです。娘は悪びれる様子もなく、私は突然娘が起こした行動に驚いてしまいました。 耳鼻科の先生にられる足を踏みつけられた先生は「いて」と言い、「謝りなさい」と叱ってくれました。しかし、娘は「やだ」と言って逃走。娘の代わりに先生に謝罪しました。 帰宅中、どうして先生の足を踏んだのか聞いたところ、私のことを心配して起こした行動だったよう。私が採血や触診された様子を見て、自分が診察して嫌な思いを経験したことを思い出した結果の行動だったようです。先生の足を踏んだ出来事話しているうちに娘も自分がとった行動を反省することができました。 耳鼻科の先生の足を踏んだことは良いことではありませんが、自分の感じた不快感を私の立場に当てはめて守ってくれようとしたことは、母親として驚きました。娘の心も日々成長しているということが実感できた出来事でしたが、今後は踏まれた相手の気持ちなども考えられるように成長していってほしいなと思いました。 監修/助産師REIKO著者:坂本ひろ子1児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月21日■前回のあらすじ引っ越しの準備が慌ただしい中、家族全員が風邪をひきます。そんな中、なぜか私だけがなかなか治らず…■自己判断で、市販薬を飲み始める引っ越しの準備や手続きで慌ただしかったので、なかなか病院へ行く気になれませんでした。■ついに引越し…、子どもたちの姿に勇気づけられるどんなに大変な状況下でも楽しんでいる子どもたちを見て力が湧いてきました!みんなで頑張って、4月の中旬にやっと片付けが落ち着き…■ようやく耳鼻科を受診!やっと耳鼻科へ行けたと思ったら大ごとに…!大病院での検査の説明が怖すぎて震えました…。次回に続きます。※この記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 女性のがんとお金の話 この連載の全話を見る >> 湯本もゆのオドオド育児 この連載の全話を見る >> 長男の川崎病と職場の板挟みで大変だった話 この連載の全話を見る >>
2020年10月23日私たちが住んでいるところは、田舎の山。すぐそばに川もあって比較的虫が沢山います。梅雨の真っ最中。大雨の日でした。網戸が半開きになってしまっていたようで、小さい小バエのような虫や黒い羽アリのような虫が部屋の中に入ってきていました。(雨が続いたり大雨だったりするとたまに飛ぶ系の虫が電気の明かりを求めて入って来たりする)殺虫剤で退治したりするもまだまだ残っていたようで…確かに違和感はあったものの、かなり寝ぼけていたので本当に虫が入ったのか目でみたわけではなかったのですが、たまたまそんな話を次男としたその日の夜…。『耳に虫が入った気がする!』と言って起きた次男。ライトを当てて見るも何かが入っている様子はなく、しばらく当て続けても何も出てきませんでした。何度か続けてみても何も見えないし何も出てこない。日中、私が虫の話をしてしまったので、「過剰に反応しているのかな」とこの時は思いました。その日の夕方、スイミング行っていたので、その時に耳に水が入ってしまってそれが気持ち悪いのかな…?とも思いました。明るい部屋に連れて行って何度も見ましたが異常は見当たらず。痛くてたまらないわけではなく、ただ違和感を訴える状態だったので朝になって診察時間になってから耳鼻科に行くことにしました。まだ外も暗かったので再び布団に入らせるも、耳の違和感で寝られず…。そんな状態が続き、外が明るくなりだしたころ…。なんと、大きめの羽アリのような虫が出てきたのです。夜中、何度もライトを当てて確認したのに全く出てこなかったので、まさか本当に虫が入っているなんて思ってもみませんでした。あとから分かったのですが(あくまでネット調べですが)ライトを当てると逆に奥に逃げてしまうこともあるそうです。耳が傷ついているといけないので念のため耳鼻科へ行きましたが、特に異常はなく本当に良かったです。(夫が耳鼻科へ連れて行ってくれたのですが、耳に虫が入るというのは比較的よくある事なのだそうです)今までこんな経験をしたことがなかったので本当にビックリしました。
2020年08月19日東京衛生病院小児科の保田典子です。診療では、風邪などの一般診療に加え、循環器の病気や漢方治療、発達の相談などをしています。ママやパパたちが安心してお子さんのケアができるような診療を心がけています。 私生活では7歳・5歳・3歳の子育て中で、毎日ドタバタな生活をしています。これからベビーカレンダーでコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いします! まずはじめにお話ししたいこと。それは、「小児科医は安心できる子育てに必要な”サービス”の1つ」だということです。 初めてのお子さんであれば、育児は誰でも初めてです。初めての経験は、誰でもすぐうまくいくとは限りません。さまざまなツールやサービスをうまく使って、育児を乗り切ってもらえたらと思います。 私は、安心できる育児に大事なサービスの1つ、「小児科医」をうまく利用していただきたいなと思っています。 小児科は病気のときだけじゃない病院というと「病気を治すところ」ですが、小児科の役割はそれだけではありません。乳幼児健診などもおこなっていて、「赤ちゃんの健やかな成長を見守り、支える」役目もになっています。 そのため、多くの小児科医は「子育てで悩むパパママの助けをしたい」と思っています。 夜泣き、離乳食、疳の虫、イヤイヤ期…… 「小児科で相談すること?」と思えることが、意外に小児科で解決することもあるので、予防接種や風邪の診療のついででも、子育ての悩みをちらっと相談してみるのもいいと思います! どんな小児科医がおすすめ?初めてのママパパにおすすめなのは、「とにかく話を聞いていて、信頼できると思える先生」がいいと思います。 でも、それってすごく曖昧……クリニックの外観を見ても良くわからないし。 とりあえず、ぱっと探せる指標としては ●小児科専門医であること●行きやすい場所であること●(新しい・古いではなく)ぱっと見て清潔感があること●ある程度ホームページがしっかりしていること がわかりやすい指標でしょうか。 そんなクリニックを探して一度受診してみて、子育ての疑問なども質問してみて、「いいな」と思ったらそこに通ったほうがいいと思います。 とはいえ、小児科専門医であるというのは1つの指標にすぎません。 実は私の場合、今の場所に引っ越してきて、近所の人におすすめされてかかりつけにしている先生は小児科専門医ではありません。 上記の指標のほかにも、しばらく通って「信頼できる先生だと思えたこと」「小児の患者さんが多く経験豊富であること」がわかったので、そのまま通っています。何より、月曜日~土曜日毎日やっているので、他にかかる必要がないのも気に入ってます。 小児科受診。ここは気をつけて!時々来られる患者さんで、「3つ病院にかかったけど良くならなかったので、うちに来ました」という方がいます。 でも、個人的には何度も病院を変えるのはおすすめしません。特に小児はどこにいっても出すお薬はそんなに変わりません。そして、経過をみてこそ、わかることがたくさんあります。 「後医は名医」という言葉があり、あとで診た医師のほうが経過が長い分、事前に治療をされて効果判定ができる分、正確な診断ができます。 そもそも、初診での正診率(正確に診断できる)は15%とも言われています。 なので、この前なかなか治らなかった風邪が、このお医者さんに行ったら治ったから名医!という訳ではないのです。 合うお医者さんは人それぞれ口コミで「良い」と言われている先生でも、「自分には合わないな……」と思うこともあると思います。ママやパパの性格も人それぞれですし、小児科医の先生もそれぞれだからです。 私みたいに、「ママパパたちをとにかく支えたい」と思っている医師もいれば、「とにかく病気をきっちり治すことだけを大事にしたい」と思っている医師もいます。 ぜひ、1つだけでも「自分が行くと安心できる小児科医」をつくってみてください。これからの子育てライフ、心がグッと軽くなると思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2020年06月20日精神科の新人看護師がさまざまな症状を抱える患者と向き合う過程を描き、話題を呼んだ水谷緑さんの『精神科ナースになったわけ』。同様に精神科の新人看護師が主人公である『こころのナース夜野さん』は、その発展型といえる。心というブラックボックスと向き合うことで見えてくること。「何かしら前作の続きのようなものを描きたいと思っていました。といっても準備はまたほぼ一からだったので、果てしなかったです」ここでいう準備とは参考文献などを読み込むのはもちろんのこと、実際に心の病を抱える人や医療従事者を探して、取材をすること。センシティブな問題だけに、取材に協力してもらえる人を見つけ出すだけでも、気の遠くなるような作業なのだ。「医療従事者にしても当事者にしても、その人ならではの実感を聞き出したいんです。私自身が“早くこれを伝えねば!”という気持ちになることが、この物語を描くうえでは大事だと思っているので」1巻で登場するのは、たとえばこんな症状を抱える人たち。虫が家に入ってくる幻覚に悩まされる人、毎日のようにリストカットをする人、「死ね」という声が聞こえる人…。「症状自体は突飛に思えても、話を聞いてみると悩んでいる感情などは自分と同じだったりして、共感できるところが必ずあるんです。心の病気は当事者の人生そのものともいえるので、まずは等身大のその人を感じて、どういう理由で症状が出てしまっているのか、背景もなるべくきちんと描いていきたいです」新人ナースの夜野さんは先輩看護師とともに、虫が見える人に対しては虫駆除業者を装って訪問介護をし、リストカットの常習者とは安全な切り方を一緒になって考える。体の病気やケガに比べて、心の病気はケアの方法も患者の状態や医療従事者の考え方などで柔軟に変わる。患者と努めて一定の距離を置こうとする看護師もいれば、一緒にとことん悩む人もいて、治療の正解を導き出すことの難しさを感じさせる。「話の終わり方はいつも悩みます。お医者さんに何をもって病気が治ったと思うのか聞いたところ、その人自身が楽になったと思えるかどうかだと言われました。ハッピーエンドばかりではないですが、少しでも変化が表れるところが物語としては一区切りなのかなと思っています」生きづらさを感じていても、いなくても。心について知ろうとすることで見える景色はきっとある。みずたに・みどり2014年『あたふた研修医やってます。』でデビュー。最新作は『大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』。水谷 緑『こころのナース夜野さん』1心の病気について知りたいと思う新人看護師が、統合失調症やうつ病などの患者と向き合い、成長していく日々を描く。丹念な取材をもとにしたフィクション。小学館591円©水谷緑/『こころのナース夜野さん』/小学館※『anan』2020年4月15日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年04月13日赤ちゃんや子どもの耳掃除、どうしていますか? わが家では、これまでベビー綿棒で耳掃除をしていましたが、1歳を過ぎたころに初めて耳鼻科のお世話になってみてビックリ! 驚くほど大量の耳垢が出てきて、先生には「綿棒は使わないでください」と言われてしまいました。そんなわが家で役立っている、耳掃除の三種の神器を紹介します。 これまでは耳垢を押し込んでしまっていた 耳鼻科の先生によると、綿棒を使うと耳垢を奥に押し込んでしまうことが多いのだそうです。綿棒は、ほんの入り口付近をふき取るのに使うだけで、耳垢を綿棒で取ろうとしてはいけないとのこと。 それまで綿棒で子どもの耳掃除をしていた私は、押し込んでいるという意識はまったくなく、きれいに掃除できていると思っていました。そのため、耳鼻科で塊となった耳垢がごっそり出てきたときは衝撃でした。 今はライト付き耳かきとピンセットが活躍! 耳鼻科から帰ってきてから愛用しているのが、「ライト付き耳かき」と「耳用のピンセット」です。細かな耳垢は耳かきで掃除して、大きい耳垢は押し込まないようにピンセットで取るという具合で使い分けています。耳の中をよく見るために耳鏡も使っています。 ライト付き耳かきはダイソーで、ピンセットと耳鏡は医療用のものをネットで購入。普通のピンセットよりも細いので、小さな耳の中でも耳垢を掴みやすいです。耳垢がするっと取れると、子どもも痛がらず、掃除をするほうも気持ちがいいです! よく見える! 便利なヘッドライト そして、何より欠かせないのが「ヘッドライト」です。耳掃除のためにヘッドライトと言うと何とも大げさな感じですが、これが本当によく見えて便利なんです。わが家では災害時用に購入していたヘッドライトを使い回しています。 ヘッドライトを使うと、今まで見えなかった奥のほうまで耳の中がよく見えます。ただ、よく見えるからといって無理な耳掃除は禁物。奥のほうに耳垢が見えたら無理に取ろうとせず、自然に出てくるのを待つか、耳鼻科を受診するようにしています。 今回ご紹介した方法は、わが子が1歳を過ぎてから試したもの。月齢の小さい子は過度な耳掃除は必要ないと耳鼻科で聞きました。耳の中を傷付けないように気を付けたいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:松田佳菜二児の母。出産前は地方テレビ局で報道記者として勤務。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年04月08日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。生後半年をすぎると、赤ちゃんも活発に動くようになってきます。寝返り、ずりばい、ハイハイ、つたい歩き……上手に遊んで、赤ちゃんの発達を助けてあげられるといいですよね。今回は、ハイハイ時期のポイントをお伝えできたらと思います。 ハイハイの良いところ一般的な発達の順番としては、首すわり→寝返り→ズリバイ→ハイハイ、の順番で発達していきます。ズリバイ、ハイハイの時期になると、手足を同時に使って動く、自分の体重を手足で支えるようになる、など運動能力や筋力が向上している必要があります。 ハイハイには①手で体重を支えて腕の筋力がアップする②手で地面をとらえるので手の感覚や握力の発達にも良い③両足を交互に動かすので、歩くための準備にもなる など、いろいろな良いところがあります。また、ハイハイすることを含め、さまざまな運動をすることでケガの予防にもつながります。ズリバイやハイハイをするようになったら、ぜひたくさん運動をさせてあげたいですよね。 おすすめの遊びズリバイやハイハイをするようになったら、ぜひ広いところで遊ばせてどんどん動くようにしたいものです。公園で草の感覚を味あわせてあげるのもいいですし(晴れていて地面が乾いている場合)、児童館などで自由に動きつつ、他のお友達を見せてあげるのもいいでしょう。 まだお友達に興味を持つ、お友達と遊ぶという時期ではありませんが、歩いているお友達を見ると、歩きへの刺激にもなると思いますよ。 家でも、親が見ている間はケージを取りはらって、家の中を自由に探検させてあげるといいでしょう。赤ちゃんの後ろから声をかけてあげたり、ママやパパがいるところまで障害物(クッションなど)を置いてあげて、平地だけではない場所をハイハイさせてあげるのもいいでしょう。 気をつけるべき遊びは?ハイハイをしはじめる時期に使用を考えるのが、歩行器やベビージャンパーなどの育児グッズです。歩行器やベビージャンパーは喜ぶ赤ちゃんも多いため、ちょっと親の用事をしたい時などすごく重宝するグッズです。 ただ、ハイハイの時期の赤ちゃんは、腰を曲げているのが自然な姿勢なのですが、歩行器などは赤ちゃんが立つ形になり、自然な体位よりは背骨がまっすぐになり、腰が反る形になります。そのため、この時期に無理に立った姿勢を長く続けることは、赤ちゃんの腰にも発達にも好ましくありません。使ってはいけない、のではなく、長時間の使用は気をつけたほうがいいと思います。 ハイハイしなくても焦らないでハイハイをたくさんして、今後の運動能力向上につなげたいところですが、ハイハイをしない赤ちゃんもいます(私もハイハイをしなかったそうです!)。 ハイハイをしないで歩きはじめてしまった赤ちゃんは、足腰がきちんと歩ける準備が整ったから歩けるようになった、ということなので、「歩くようになったけど、ハイハイをさせなければいけない」と思う必要はありません。 また、寝返りで動いちゃうのでハイハイしない、寝転んでばかりでハイハイしない、という子も焦らなくて大丈夫です。心配であれば健診で発達の具合をみてもらいつつ、焦らずに楽しく動ける遊びをしていけたらいいのではないかと思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2020年01月24日こんにちは。助産院ばぶばぶ院長のHISAKOです。今日は、赤ちゃんが風邪などの体調不良のときに迷う「小児科と耳鼻科とどっち?」という疑問について、お話ししたいと思います。 小児科は総合的に診てくれる場所小児科は、子どもの全身状態を総合的に診てくれます。血液検査や点滴もしてもらえます。基本的に風邪はウイルス感染ですが、子どもは風邪を引くと抵抗力が落ちるので、鼻や耳の奥に二次的な細菌感染が起き、中耳炎や副鼻腔炎を併発することがあります。 小児科では、鼻の奥、耳の奥の二次的炎症までは詳しく診ることができません。鼻や耳の奥の膿を外に出してしまえば良くなるのだけど、小児科では「鼻を吸う」「鼓膜切開」などという処置はしてもらえません。 耳鼻科はのどから上の専門科耳鼻科は、のどから上の不具合の診断と治療の専門科です。小児科ではお手上げだった二次的感染は、耳鼻科の得意分野! 鼻を吸ったり、吸入器で鼻の奥にまんべんなく薬を吹き付けたりする処置も可能。中耳炎では、鼓膜切開で中に溜まっている膿を簡単に出してくれます。また、抗生剤も処方してくれます。 ただ、耳鼻科はのどから上の専門ゆえに、気管支や肺など、呼吸器系の病変の診断は不得意です。小児科のように、病気を総合的に判断するのは苦手なんですね。 風邪に抗生物質は効かない?「風邪は“抗生剤”を飲んだらすぐに治る」と思っている人も多く、 風邪をひいたら小児科じゃなく、抗生剤が欲しいから耳鼻科に行く、という話もよく聞きます。 でも実は、いわゆる風邪はウイルス感染症なので抗生剤は効きません。抗生剤は細菌感染にだけ効果があります。耳鼻科で安易に抗生剤を処方され、飲み続けていると、鼻の奥には抗生剤の効かない細菌がどんどん増殖してしまいます。結果、病気をしやすい子になってしまう可能性もあるんですね。 それぞれのメリットを理解しよう小児科は子どもの一生を考えて総合的な判断をするので、タチの悪い細菌感染症でないことを確認したうえで、重篤で細菌感染が起きる可能性が高いもの以外の緊急性の低い風邪に対しては抗生剤に頼りません。なるべく子どもが本来持っている自然治癒力を大切に考えます。 耳鼻科は、細菌感染で起きる中耳炎や副鼻腔炎を治すのが仕事だから、すぐに抗生剤を出してくれるわけだけど、よほどひどい中耳炎や蓄膿でない限り、単なる風邪にともなう中耳炎ぐらいなら、抗生剤を使わず、膿を吸って取り除いてもらうだけで十分だと私は思います。 ウイルス相手の小児科と細菌相手の耳鼻科。それぞれの立場で治療の方法が違います。うまく使い分けて受診することができたらいいですね。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年11人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2020年01月13日妊娠中がこんなに大変だなんて知らなかった! と驚いたのは私だけではないと思います。こんなに体調が悪くて本当に大丈夫なの? 赤ちゃんは……? そんな不安な妊婦生活中に私が発症した「目まい症」の体験についてお話しします。 私とつわりのファーストコンタクト「うっ」と言ってトイレへ駆け込む主人公。次に登場するときにはうれしそうに微笑みながらおなかの上に手を置く。「できちゃったみたい……」なぁんてシーンを、みなさんも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。 私がつわりというものを初めて知ったのはドラマの中でした。妊娠すると吐き気を催すらしい、そう漠然と思っていたのです。その体調不良は一時的なもので、まさか数カ月も続くことがあるなんて想像さえしませんでした。 初めての妊娠。私の体どうしちゃったの?気分がすぐれない、これってもしかして……? と妊娠検査薬を使用してみたら、結果は陽性。うれしい気持ちもありつつ、不安のほうが大きかったように思います。そんな私をもっとも苦しめたのが、妊娠17週ごろからの目まい。寝ている間まで目が回ってしまい眠れない……。 ついには洗濯機におなかをぶつけてしまい、これは危ない! と産院に電話したところ、耳鼻科の受診をすすめられました。目まいが耳鼻科で診察してもらえると知らなかった私は、半信半疑で受診してみたところ「目まい症」と診断されました。このとき、妊娠21週でした。 「目まい症」の診察と治療法診察ではベッドで横になり、目の動きを診ていました。キョトキョトと目が動いてしまうのが特徴ということで、その様子を私も見せてもらうと、素人から見ても黒目が細かく動いているのがわかりました。これでは目が回るはずです。妊娠中ということもあり治療方法が気になるところですが、私の場合、薬はなし。教えていただいた簡単なストレッチをするだけで、症状がとても軽くなったのには驚きました。 ストレッチは、布団の上で座った状態から体を横に倒し、起き上がり、また反対側に体を倒すという「おきあがりこぼし」のような動きをするだけ。妊娠中でも可能な簡単なものでした。 目まいは妊娠中のマイナートラブルの1つだそうです。私もつわりの吐き気で目まいがするんだと思い込んでしまい、受診するのが遅くなってしまいました。どうしても目が回る……という症状がある場合は、耳鼻科に相談すると解決するかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年01月06日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。1カ月健診のときによく出る質問のひとつが、赤ちゃんの目やにについてです。 赤ちゃんの目やには自然に治るものから、眼科で診てもらった方が良いものまでさまざま。新生児のときは、あまり気楽に外出もできないので、悩みますよね。今回は、目やにが出る原因、普段のケア、受診の目安についてお話ししたいと思います。 どうして「目やに」が出るの?目は、乾かないように涙で守られている臓器です。涙は目の上の方にある涙腺で作られて、目を潤したら、目頭にある涙点という小さい穴に吸い込まれ、鼻涙管(びるいかん)という管を通って鼻に流れていきます。この循環がうまくいっていると目やにはほとんど出ないのですが、どこかが停滞したり、何かしらの原因があると目やにが出ます。赤ちゃんは、いろいろなところのつくりがまだ小さいので、鼻涙管も細いです。ちょっとしたことで鼻涙管が塞がりやすく、目やにが出やすいのです。また、結膜炎など炎症が起きると、目やにがたくさん作られるため、鼻涙管を通って処理しきれずに、目やにが出ることになります。 普段のケア目やにがない、もしくは少ないようであれば、特にケアは必要ありません。お風呂のときなどに涙点がある場所を少しチェックしてみましょう。涙点の周りにちょっと目やにがついているだけで、栓のようになってしまい、目やにの原因になることがあります。お風呂の洗顔時に、目やにが残らないように目頭をガーゼなどでやさしく拭いてあげるようにしましょう。鼻涙管は鼻に抜ける管なので、鼻側で流れづらくなっても、目やにの原因になります。鼻涙管の鼻側で詰まる原因の第一は「鼻水」です。鼻水が多くて詰まりがちのときは、目やにを出さないためにも鼻水を吸ってあげてくださいね。(参照⇒親ができる鼻水ケアのやり方) 目やにが増えたら?目やにが増えたなと思ったら、まず、目が赤くないか、目の周りも赤かったり、腫れているところがないかチェックしましょう。目が赤い、目が腫れているなどあれば、眼科に受診を考慮した方が良いでしょう。 目が赤い等なければ、まずは、「鼻涙管マッサージ」を試してみましょう。【鼻涙管マッサージのやり方】目頭から鼻に抜ける場所をやさしくマッサージします。赤ちゃんの肌はすぐ赤くなってしまうので押さえるくらいでOK。グリグリしないように) 受診のタイミングは?1. 目やにが少し出るくらいなら慌てなくていいことが多いです2. 目が赤い、腫れている場合は眼科を受診しましょう3. 目が開かないくらいの目やにが出る場合も受診しましょう 家でできるケアと受診の目安を知っておいて、大事な赤ちゃんの目を守りましょう。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2019年12月26日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。小児科の受診で多い訴えでもあり、乳児健診でよく質問されることもある「赤ちゃんの嘔吐」。1回の嘔吐でも病気じゃないのか、脱水にならないのかと、いろいろ考えてしまいますよね。今回は、なるべく慌てずに、でも受診のタイミングを逃さないためのコツをお伝えしたいと思います。 赤ちゃんが嘔吐しやすい理由は…?生後3カ月くらいまでの赤ちゃんは、元気でもよく嘔吐します。それは、ミルクが食道を通って胃に入っていくときに、胃の入り口の噴門(ふんもん)が大人よりも逆流しやすくなっているため、構造的に嘔吐をしやすいのです。 また、赤ちゃんは自分のおなかに対して、大量の母乳やミルクを飲んでいます。赤ちゃんには嘔吐をしやすい状況がいろいろと揃っているのです。だから、1回の嘔吐で慌てなくて大丈夫! 赤ちゃんは体の中の水分の比率が高く、脱水になりやすいです。でも、1回多量に嘔吐しただけでは脱水にはなりません。冬は小児科の外来は風邪の子がたくさんいます。嘔吐してすぐに受診すると、他の風邪をもらってしまうこともあるので、慌てずに対処していくことが大切です。 この嘔吐は病気?赤ちゃんの嘔吐の原因になる病気はたくさんありますが、ここでは大きく2つご紹介したいと思います。 1. 肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)生後2週間から2カ月くらいの赤ちゃんに多い病気です。胃の出口である幽門(ゆうもん)が狭いために、ミルクが胃から先に進まないために嘔吐します。発症すると、母乳やミルクを飲むたびに毎回のように多量に嘔吐します。発症当初は元気ですが、栄養が入らないので、赤ちゃんは体重が減ってきます。 2. 胃腸炎代表的なものはロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどですが、それ以外にも嘔吐や下痢を起こす病原菌はたくさんあります。嘔吐があり、食欲が落ち、下痢をすることもあります。嘔吐が続く、水分が摂れないことが続くと、脱水になる危険があります。 嘔吐したときのケアは? まずは呼吸をチェック嘔吐をしたら、まず赤ちゃんの呼吸状態をチェックします。吐物が逆流して気管に入ってしまうことがあるからです。そして、口の中に嘔吐物がまだ残っていないかのチェックです。残っていたら、かき出してあげましょう。大事なのは、胃腸炎なら親も移ることがあることをお忘れなく。いつもと違う吐き方をしたら、まずは手袋マスクをつけて、ケアしてあげましょう。 縦抱きで様子をみる呼吸のチェックのあと、赤ちゃんがまだオエオエと気持ち悪いのが続いているようなら、縦抱っこで抱き上げて、背中をやさしくトントンしたりさすったりしてあげましょう。特に吐き気もなく、けろっとしているようであれば、嘔吐で汚れた衣類などを処理しましょう。 水分はすぐにあげなくてOK嘔吐をすると脱水が心配ですぐ水分をあげたくなるかもしれません。でも、1回の嘔吐ですぐ脱水になることはありません。赤ちゃんの機嫌をみて、元気がないようであれば、1〜2時間くらい何も口にせず様子をみましょう(私は自分の子どもであれば、4〜5時間くらい我慢させてしまったりします)。お腹が空いている様子がみられたら、本当に少量から水分摂取をしてみましょう。 水分は母乳やミルクでOK水分摂取は、まずはいつも飲んでいる母乳やミルクで大丈夫です。授乳が終わっている子であれば、白湯、麦茶、りんごジュース(乳幼児用)などを飲みましょう。まずは一口ずつから試してみて、15分経過しても再度吐かないようであれば、飲む量を増やしていきましょう。 受診のタイミングは? 1回の嘔吐では脱水にはなりませんが、それでも大人よりは脱水になりやすい赤ちゃん。水分をとっていなくても3~4時間しょっちゅう嘔吐が続くようであれば、一度受診をしましょう。あわせて、①下痢が半日で7-8回以上でる、②ぐったりしている、などの症状があれば、発症後半日で受診をしましょう。 元気で下痢などがなくても1回の嘔吐の量が多く、1日の吐く回数も4-5回以上が続くときは受診を考えてみてください。受診を迷った場合は小児救急電話相談(#8000)にご相談されてもいいかと思います。軽症だから何も処置されなかった、気がついたら脱水になっていて点滴になってしまった、など赤ちゃんの嘔吐は予測がつきにくいところもあります。救急相談などを利用して、慌てず対処できたらママやパパの負担も軽くなるのかな、と思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2019年12月22日今年の夏ごろだったでしょうか、一時期、息子がちょくちょく鼻血を出していたことがありました。はじめは、「子どもってよく鼻血出すよねー。私も子どものころはよく出てたけど、大人になったらめったに出なるもんで、不思議だよねー」と呑気に言っていたのですが、数日に1回だった鼻血が毎日になり、そのうち1日に2、3回出る日もでてきました。基本的にいつも楽観的な私でも、だんだんと心配になり・・・。最初は、「鼻ほじくったでしょ」とか「チョコ食べすぎたんじゃない?」と、ある程度原因が見えていたのですが、そのうち特に変わったことをしなくても出ることが増えてきて、さすがに怖くなって耳鼻科へ。先生によると、子どもは皮膚が薄いため、ちょっとひっかくだけで鼻血が出やすいものだそう。一度傷がつくと、くしゃみとか激しく動いたりといったちょっとした刺激で再度出血しやすいため、今回のように何度も鼻血がでることになるのだとか。息子の場合、鼻がかゆくて鼻をほじくる頻度も高かったように思えたので、全身のかゆみ止め(飲み薬)も処方してもらいました。すると、2~3日はちらほらと出ていましたが、気が付くと鼻血はおさまっていたのです。アレルギーもちの息子なので、それも影響していたのかも? しれません。いずれにせよ、子どもが1日に何度も鼻血を出すと「こんな小さな体なのに、こんなに血が出て大丈夫?」とか、「白血病とか、何か怖い病気の兆候なのでは?」と、心配になってしまうもの。「あれ?」と思ったら、早めに病院にいくことが大事なんだな、と思ったできごとでした。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は速やかにかかりつけの医師にご相談ください。
2019年12月20日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。生後5~6カ月から始める離乳食。準備もあるし、食べないこともあるし、ぐちゃぐちゃになるし……。心配のタネも増えますが、赤ちゃんがますます可愛いこの時期、離乳食をママもお子さんも楽しく乗り切るために知っていただきたいことをお話したいと思います。 そもそも「離乳食の役割」ってなんだろう?0歳の赤ちゃんの栄養摂取のメインは、母乳やミルクです。離乳食は、 WHO(世界保健機関)では「補完食」と言われていて、生後半年ごろから母乳やミルクだけでは足りなくなる栄養素を補充するための食べ物、という位置づけです。また、今後ずっと続く食事に少しずつ慣れていくための時期でもあります。 赤ちゃんによってはなかなか離乳食を食べてくれない子もいますが、この時期は母乳やミルクが栄養のメイン。離乳食はあくまで“不足する栄養を補うもの”なので、焦らずに、赤ちゃんの成長を待つイメージで食事ができればいいのではないかと思っています。 心配なことは、生後6~7カ月健診、9~10カ月健診などで、赤ちゃんを専門家に実際診てもらいながら相談してみてくださいね。 押さえるべき離乳食の新常識!2019年春、厚生労働省の離乳食のガイドが改訂されました。ポイントは… ①卵は生後5~6カ月から開始改定前は生後7~8カ月から開始推奨だった卵ですが、食べることを遅くしてもアレルギー予防にはならないので、卵は生後5~6カ月から開始することになりました。赤ちゃんは、この頃どんどん体が大きくなり、体を作るモトであるたんぱく質がたくさん必要です。卵は良質なたんぱく源なので、初めは少しずつ食べさせて、ちょっとずつ増やしていってみましょう。 ②生後6カ月ごろから鉄分不足を補う必要がある母乳育児の場合、改定前は生後9カ月ごろから鉄分が不足するとされていましたが、改定後は生後6カ月ごろから積極的に鉄分を摂るように推奨されています。体が成長する時期は、特に鉄分が足りなくなりやすいです。鉄分が不足すると、発育発達遅延や運動機能・認知機能低下のおそれもあるため、積極的に鉄分を意識しましょう。ほうれん草などは吸収率が低いので、赤身の肉などを使用するのがオススメです。このほかにも、③離乳食開始前に果汁は与えない、④ママやパパの負担を減らすため、ベビーフードの活用などもすすめられています。 卵などを食べ始める時期を遅くすることでアレルギーは予防できないことがわかってきています。逆に、食べるのを遅くするとアレルギー発症が増えるとの報告もあるので、あまり食べなくても、食材はどんどん増やしていってみましょう。 ママの負担が少ない離乳食生活を! 私が離乳食を作っていたころは、おかゆを小分けにして冷凍するのも面倒になってきて、最終的には炊飯器に小さなお椀を入れて炊飯して、おかゆを作っていました。炊きたてなのでおいしいのかよく食べてくれたので、この作戦はうまくいったかなと思います。これに味をしめて、炊飯器の中にいくつかお椀を入れて、具材とだし汁を入れて炊飯器のスイッチポン! おかずも同時に作って離乳食を作っていました。(※1)中期や後期からは、大人のおかずを取り分けしていました。日本食はそもそも塩分が多く、大人も塩分を控えめにした方が良いので、まずはだし汁だけでおかずを作って離乳食用に取り分けて、大人用はあとから少しだけ味を足す、というスタイルだと大人も子どもも簡単ヘルシーな食事が作れます。なるべく自分が疲れない方法で離乳食期を乗りきっていました。親に負担が少ない離乳食との付き合いかたは、人によって違うのかなと思います。「自分はやっぱり味の濃いガッツリメニューが好き!」ならば、取り分けは向いてないと思いますし、「料理大好き! 赤ちゃんもたくさん食べてくれる!」とかなら、離乳食を頑張って作ること自体を楽しめて、幸せ子育てにつながると思います。私はベビーフードを買うのも面倒だったので、レバーなど自分で調理がしづらい食材やお出かけの時だけベビーフードを使用していましたが、ベビーフードは清潔で安心だし、手軽だから良いですよね。離乳食づくりが負担だと思う方は、ベビーフードで乗り切るのも全然ありなのではないでしょうか。 家族みんなが楽しい食生活を目指しましょう栄養面ももちろん大事なのですが、離乳食のもう一つ大事なことは「食事の時間は楽しい、おいしい時間であること」と赤ちゃんにわかってもらうことです。食べなかったり、ぐちゃぐちゃにされることで親がイライラしてしまうこともあるかと思います。 そんな日もありますが、なるべく「おいしいね、楽しいね」という時間にしてあげたいもの。「食べなくてもいい」「汚れてもいい」親に負担の少ないスタイルを見つけて、楽しい離乳食期が過ごせるといいですね。 (※1)炊飯器で離乳食調理ができないものもあるので、事前にメーカー確認をする、専用の容器を使用するなど、ご自身の責任と判断によってご対応をお願いいたします。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2019年11月29日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。生後半年をこえてくると、赤ちゃんはママの免疫がなくなり風邪をひきやすくなります。うちの3人の子どもたちも、たくさん風邪をひいてきました。でも、ほとんど“風邪薬”を飲んだことはありません。その理由を今回はお伝えします。 “風邪の薬”はない病院に行くともらう風邪薬。風邪薬は”風邪を治すもの”ではありません。風邪による鼻水を出しやすくしたり、咳を少し緩和したりする薬です。風邪の症状を無理やり押さえつけているだけなので、結局は子どもの免疫で風邪のウイルスをやっつけて、症状を良くしていくしかありません。 風邪薬に劇的な効果はない【風邪薬に主に含まれているもの】咳止め:チペピジン、デキストロメトルファン痰切り:カルボシステイン、アンブロキソール鼻水止め:抗ヒスタミン薬(たくさんの種類があります) 2004年にアメリカのピッツバーグで行われた研究によると、咳止めのデキストロメトルファンとプラセボ(偽薬)では、子どもの夜の咳への効果は変わらなかったという結果が出ています。痰切りのカルボシステインは、発症後4〜7日くらいの痰に、いくらか効果があるとされています。(※1)抗ヒスタミン薬に関しても、先ほどのピッツバーグの研究では、プラセボと比較して咳止め効果はありませんでした。2010年のイランの研究でも、抗ヒスタミン薬はプラセボよりは少し効果があるが、ハチミツよりも効果が劣るという結果が出ている研究もあります(※2)。どちらにせよ、劇的な効果はないようです。 副作用にも注意が必要ですまた、副作用にも注意しなくてはいけません。今でも外来で普通に大量に処方され、市販のお薬にも入っているチペピジンやカルボシステインでも、副作用の報告があります。抗ヒスタミン薬は、昔から熱性痙攣を誘発する可能性があると言われており(※3)、抗ヒスタミン薬が熱性痙攣の持続時間を長くすることが研究で言われています(※4)。 なので、薬を使うときは「眠れない、咳が止まらないなどで生活に支障が出るときに、つらい症状を緩和してくれるもの」と考えましょう。 市販の薬をオススメしないワケ市販のかぜ薬は昔から成分が変わっていないものが多く、抗ヒスタミン薬が入っているものが多いです。抗ヒスタミン薬のなかには小児では禁忌(使ってはいけない)と言われている薬もあり、安易に使っていいものではないので、きちんと病院で診察してもらい、処方された薬を使うようにしましょう。 抗ヒスタミン薬はアレルギーの時によく使う薬です。アレルギー性の鼻炎などにはよく効きますが、風邪の鼻水には効きにくいため、少し鼻水がでているくらいなら、薬を使うのではなく、鼻水吸引器などでまめに吸い取ってあげるといいと思います。一概に「抗ヒスタミン薬は悪」とするのではなく、必要な時に適切なお薬を使いましょう。 風邪をうまく乗りきるために2003年のLancetに出た研究によると(※5)、6歳未満の子どもは平均して年6-8回風邪になり、1回の風邪が完治するのに2週間かかると言われています。1年でかなりの期間、風邪症状があると言えます。子どもが風邪をひいて苦しそうにしていると、ママたちは早く治してあげたいと思うでしょうが、本来、風邪は子ども自身の免疫で治るものです。副作用のない薬はほとんどありませんし、内服しなくていいものは、内服せず済んだら嬉しいですよね。風邪薬を必要のないものと決めつけるのではなくうまく利用して、お子さんが風邪をひきやすいこれからの時期を乗り切ってもらえたらと思います。 (※1)コクランシステマチックレビューに基づく(※2-※5)国立生物工学情報センター 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2019年10月29日東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳5歳3歳の子育て中です。夏も本番、本格的な暑さが続いていますね。今でも十分多くいますが、8月後半になるともっと増えてくる「蚊」。子どもは蚊に刺されやすいので、憂うつな季節ですよね。今回は赤ちゃんと虫よけについて解説したいと思います。 虫よけの種類を知りましょう虫よけには大きく分けて3種類あります。 1. ディートディートは昔から使われている虫よけです。蚊が嫌がる成分で、塗ったところに蚊がとまれないので刺すことができません。塗っていないところには蚊がとまれちゃうので、まんべんなく塗るとより高い虫よけ効果が得られます。神経毒性があるため、使うことを躊躇される方も多いですが、昔からさまざまな毒性の研究がされていて、決められた使用法を守れば安全に使えると私は考えています。ディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使用できず、生後6カ月以上でも使用量に気をつけなければいけません。 2. イカリジンイカリジンはここ数年前から日本で使われるようになった虫よけです。新しいイメージですが、ドイツでは20年ほど前から使われています。ディートは虫よけとしてかなり万能な効果がありますが、イカリジンは効果がある虫の種類がディートより少ないですが、イガリジンは使用制限がなく、ディートと同様の効果が得られると研究結果が出ています。 3. ハーブハーブ系の薬は虫が嫌がる匂いのハーブをいくつか組みわせて作ってあります。商品によってハーブの組み合わせが違うので、好きな香りのものを選んで使うというのも良いでしょう。「虫が嫌いな匂い」というものなので、使ったら確実、というほどではないと思っていてください。 赤ちゃんに虫よけを使うときはディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使えませんが、ハーブだからといって赤ちゃんに安全というわけではありません。私はアロマテラピーアドバイザーの資格を取ったことがあるのですが、生後6カ月未満の赤ちゃんはアロマも大人と違う濃度で使用します。イカリジンは生後6カ月未満でも使用可能です。 たとえば、ベビーカーで外出するときは蚊よけカバーをつけたりするなど物理的に防御したり、服の上に虫よけを使うなど工夫しましょう。 また、赤ちゃんに限らず、虫よけはスプレータイプよりもミストタイプがおすすめです。スプレーは口から吸入してしまいやすいので、喘息のある子などは特に避けたほうが良いでしょう。 蚊に刺されると怖いのは"感染症"蚊に刺されることで心配なのは、デング熱や日本脳炎などの感染症になること。デング熱は今のところほとんどが輸入感染症(海外から病原体が持ち込まれる感染症)で、日本脳炎はブタから蚊を介して感染する病気です。どちらも日本で今流行している訳ではないので、過度な心配は無用です。 シーンに合わせた使用方法で、安心の蚊対策を!わが家では、保育園の行き帰りなどはハーブの虫よけを手軽にシュシュッと使っています。週末のお出かけでは自然に触れ合うことが多いこともあり、ディート10-12%の濃度のものを使っています。 虫刺されの薬は、虫刺されを治すものではなく、かゆみを抑えたりするものなので、かゆみが強くなければ基本的には使わなくていいと思っています。子どもたちが薬を塗りたがるときは、かゆみが強そうであれば虫刺されの薬を、そうでないところ(もうそこはずっと前に刺されたやつでしょ、みたいなところ)には保湿剤を塗ってあげています(笑)。虫刺されの薬は市販のもので十分ですよ。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2019年08月26日東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳5歳3歳の子育て中!猛暑の季節になりましたね。先日、熱中症対策について質問されたので、私の見解をお伝えします。 熱中症チェックポイントまずはじめに、熱中症チェックポイントをお伝えします。 第1段階●汗だくになる●水分を欲しがるこの段階であれば、水分をとって体を冷やしてあげれば、熱中症というほどにはなりません。 第2段階●発熱したみたいに体が熱をもってくる●機嫌が悪い●少しぐったりしてくる屋外でこの状態に気がついたら、すぐに涼しい場所へ移動し、水分がとれそうならしっかり水分補給をします。また同時に、脇の下や首のうしろを、氷枕などを使って冷やしてあげてください。 第3段階●汗も出なくなることがある●ぐったりしている●意識が低下することも熱が高くこの状態になっていたら、赤信号です。すぐに病院を受診しましょう。赤ちゃんは大人よりも脱水になりやすいので、急激に症状が出ることもあります。暑い日はこまめに状態をみてあげてください。 熱中症対策には「水分補給」が一番有効です!水分補給するとどうなる?水分補給をすると、水分が体を冷やしてくれるだけでなく、 体内に吸収される↓汗やおしっこで体から出る↓出るときに熱を持っていってくれる 汗だと、蒸発するときにさらに熱を持っていってくれますし(気化熱)、おしっこも体温の温度がある水分を多量に出してくれ、水分補給をすることで多方面から体の熱を出してくれます! ひんやりグッズ、その効果は?熱中症対策としていろいろなグッズが発売されていますが、だいたいのひんやりグッズは「あー、ちょっと気持ちいいかも」と感じるくらいの効果で、体を冷す効果はあまりないと考えます。お熱のときも一緒ですが、額などに貼る冷却ジェルシートなどは、体を冷やしてくれません。 ベビーカーで外出する際、ベビーカーに取り付ける保冷シートなどのひんやりグッズを使用するのも悪くないですが、それよりもベビーカーの風通しを良くして、気温が上がりすぎないようにするほうが大事です。 夏もおっぱい、ミルクだけでいいの? 夏になるとよく「おっぱいやミルク以外のものをあげたほうがいいですか?」と質問されます。 おっぱいやミルクだけでも全然大丈夫です。 外出時にすぐおっぱいやミルクをあげられない環境だったり、飲ませすぎが気になる方は、これを機会に白湯や麦茶にトライしてみてはいかがでしょう? 哺乳瓶でもいいですし、コップから少しずつあげるもいいですよ!キンキンに冷えてなくてもいいですし、わざわざ経口補水液にしなくても大丈夫です。だだし、脱水っぽくなったら経口補水液が飲みやすいかもしれません。 わが家の熱中症対策休日は外に出かけることが多いわが家。猛暑だと、水分をとらないとすぐ熱中症になってしまうので麦茶をメインで準備しています。(そもそも猛暑の日の午後は、屋外での活動はあまりおすすめできませんが……!) ジュースを欲しがることもありますが、水分をとってほしいので、ジュースもある程度あげてます。スポーツドリンクは、1Lの水を入れて作る粉の製品で若干水多めで(味を薄めにして)作り、大きな水筒に入れてあげたりもしています(※1)。夏の屋外の活動時は、2Lの水筒がすぐなくなってしまいます。 家の中では、エアコンで快適にこの前、乳幼児健診にいらっしゃったママさんで「30度以上あってもエアコンはつけません」という方がいました。しかし、現在の猛暑環境の中では、ドライだけでもつけた方がいいです。(緑がたくさんでさわやかな場所なら要らない…のかも。) エアコンの温度設定は高めでもいいです。熱中症にかかると大変つらいので、熱中症にならないように水分補給をしっかりおこない、今年の夏も乗りきりましょう! (※1)金属製の水筒に酸性飲料を長時間保管したり、容器内部に傷があると、金属成分が飲料内に溶け出し、中毒などの事故につながるおそれがあります。金属製水筒に飲み物を入れる際は取扱い説明書をよく確認し、正しく使用してください。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2019年08月01日東京衛生病院小児科の保田典子です。診療では、風邪などの一般診療に加え、循環器の病気や漢方治療、発達の相談などをしています。ママやパパたちが安心してお子さんのケアができるような診療を心がけています。 私生活では7歳5歳3歳の子育て中で、毎日ドタバタな生活をしています。これからベビーカレンダーでコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いします! まず初めにお話ししたいこと。それは、「小児科医は安心できる子育てに必要な”サービス”のひとつ」だということです。 初めてのお子さんであれば、育児は誰でも初めてです。初めての経験は、誰でもすぐうまくいくとは限りません。さまざまなツールやサービスをうまく使って、育児を乗り切ってもらえたらと思います。 わたしは、安心できる育児に大事なサービスのひとつ、「小児科医」をうまく利用していただきたいなと思っています。 小児科は病気の時だけじゃない病院というと「病気を治すところ」ですが、小児科の役割はそれだけではありません。乳幼児健診なども行っていて、「赤ちゃんの健やかな成長を見守り、支える」役目もになっています。 そのため、多くの小児科医は「子育てで悩むパパママの助けをしたい」と思っています。 夜泣き、離乳食、疳の虫、イヤイヤ期… 「小児科で相談すること?」と思えることが、意外に小児科で解決することもあるので、予防接種のついでや風邪の診療のついででも、子育ての悩みをちらっと相談してみるのもいいと思います! どんな小児科医がオススメ?初めてのママパパにオススメなのは、「とにかく話を聞いていて、信頼できると思える先生」がいいと思います。 でも、それってすごく曖昧…クリニックの外観を見ても良く分からないし。 とりあえず、ぱっと探せる指標としては ●小児科専門医であること●行きやすい場所であること●(新しい古いではなく)ぱっと見て清潔感があること●ある程度ホームページがしっかりしていること が分かりやすい指標でしょうか。 そんなクリニックを探して一度受診してみて、子育ての疑問なども質問してみて「いいな」と思ったらそこに通った方がいいと思います。 とはいえ、小児科専門医であるというのは1つの指標にすぎません。 実はわたしの場合、今の場所に引っ越してきて、近所の人におすすめされてかかりつけにしている先生は小児科専門医ではありません。 上記の指標のほかにも、しばらく通って「信頼できる先生だと思えたこと」「小児の患者さんが多く経験豊富であること」がわかったので、そのまま通っています。何より、月曜日~土曜日毎日やっているので、他にかかる必要がないのも気に入ってます。 小児科受診。ここは気をつけて!時々来られる患者さんで「3つ病院にかかったけど、良くならなかったので、うちに来ました」という方がいます。 でも、個人的には何度も病院を変えるのはオススメしません。特に小児はどこにいっても出すお薬はそんなに変わりません。そして、経過をみてこそ、分かることがたくさんあります。 「後医は名医」という言葉があり、後で診た医師の方が経過が長い分、事前に治療をされて効果判定ができる分、正確な診断ができます。 そもそも、初診での正診率(正確に診断できる)は15%とも言われています。 なので、この前なかなか治らなかった風邪が、このお医者さんに行ったら治ったから名医!という訳ではないのです。 合うお医者さんは人それぞれ口コミで「良い」と言われている先生でも、「自分には合わないな…」と思うこともあると思います。ママやパパの性格も人それぞれですし、小児科医の先生もそれぞれだからです。 私みたいに、「ママパパたちをとにかく支えたい」と思っている医師もいれば、「とにかく病気をきっちり治すことだけを大事にしたい」と思っている医師もいます。 ぜひ、1つだけでも「自分が行くと安心できる小児科医」をつくってみてください。これからの子育てライフ、心がグッと軽くなると思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。 経歴2003年筑波大学医学専門学群卒業大阪市立総合医療センター小児循環器内科研究医国立国際医療センター小児科臨床研修指導医東京女子医科大学大学院2014年より東京衛生病院勤務2019年株式会社メドイース創業 専門領域小児科専門医子どもの心相談医所属学会日本小児科学会日本小児循環器学会日本小児科医会日本周産期新生児学会ブログ忙しくても健康と発達を伸ばす子育て
2019年06月20日赤ちゃんの耳や鼻は大人にくらべると、とても小さいですよね。子育て中の私も、最初はどうやってケアしたらいいのかわかりませんでした。そんななか、息子が1歳のときに中耳炎を発症。そのときの体験談と耳と鼻のケアについてご紹介します。 1歳のときに中耳炎を発症当時、1歳の息子は風邪が1週間以上長引いていました。突然しきりに耳をさわり、激しく泣き始めました。普段の様子と違うと感じたため、耳鼻科を受診したところ、「急性中耳炎」と診断されました。 処方されたお薬を飲み、およそ1週間程度でよくなったことを覚えています。中耳炎を発症したことを機に、医師から赤ちゃんの耳と鼻のケアや注意したい症状について教わりました。 耳のケアは週に1回程度に医師に聞いた耳のケアは、週に1回、赤ちゃん用綿棒で耳の入り口付近を軽く拭く程度にするというものです。ケアしすぎるとかえって耳垢を奥に押し込んでしまうので要注意とのこと。 不機嫌な状態が続く、耳を痛がるなど、いつもと違った様子が見られる場合は、受診してほしいそうです。また、家庭では気付かない耳トラブルが潜んでいることもあります。耳鼻科を受診したことがない場合は、一度診てもらうと安心かもしれませんね。 鼻くそは無理にとらない気になる症状がなければ、とくに鼻のケアは必要ないとのことで、わが家でもほとんどしていません。入り口付近にある鼻くそは拭き取りますが、無理に取らないようにしています。 また、風邪をひいてサラッとした鼻水が出るときは、ティッシュでやさしく拭く程度です。鼻水が詰まって苦しそうであれば、吸引器を使って対処していました。ただ粘り気のあるドロッとした鼻水が出る、呼吸が苦しそうなどの症状がある場合は、早めの受診を心がけていました。 耳の付け根に垢がたまっていることも医師に指摘され、お湯で濡らしたタオルできれいに拭き取りました。教えてもらうことで、わかることがたくさんあります。少しでも気になることがあれば、専門医に相談すると安心できますね。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月01日皆さんこんにちは、チッチママです。今回は長女が1歳を過ぎた頃に起きた、耳鼻科関連のハプニングについてお話しします。チッチの鼻を覗いてみたら、奥の方にコーンが…!綿棒を使えば届く距離…だけど下手に手を出すと鼻腔内を傷つけたり、さらに異物が奥へ行ってしまうかも…。しばらく様子を見てから耳鼻科に受診かな…と思っていましたが、その時の時刻は15時を過ぎており、しかも翌日から3連休に入るという崖っぷちの状況。親子共々スッキリさせてもらうため、すぐに耳鼻科へ受診できるか電話で確認しました。なんと自力で出すことに成功!耳鼻科へは再度連絡し受診の必要がなくなった旨を伝えました。当時はまだ予防注射以外で病院にかかったことがなかったので余計にあたふたしました。
2019年03月20日3歳で号泣の耳鼻科デビュー!Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子娘が初めて耳鼻科での治療を受けたのは、3歳の時でした。風邪から中耳炎になり、小児科の先生から耳鼻科の受診をすすめられたのです。近所の人から評判を聞いて向かったのは、子どもに人気があるという耳鼻科。院内にはキッズコーナーがあり、おもちゃや絵本も充実していて、確かに大人よりも子どもの患者の方が多い様子でした。(診察室からは、ひっきりなしに子どもの泣き叫ぶ声が聞こえていましたが…。)キッズコーナーのおかげで、待ち時間は大人しく過ごせていた娘ですが、いざ診察が始まると予想通りに大暴れ。私は身をよじる娘を膝に乗せて診察台に座り、鼻を吸引してもらっている間は、泣き叫ぶ娘を後ろからずっと羽交い絞めにしていました。結局娘は鼻血が出るほど暴れ、治療が終わる頃には私も汗だくに…。それからも耳鼻科通いは続き、「待合室のキッズコーナーで楽しく遊び、診察中は大暴れする」というパターンが10日間ほど続いた後、娘の中耳炎は完治しました。「治療が終わったらお菓子」で乗り切った幼稚園時代娘は幼稚園に通っている間も、何度か中耳炎になりました。赤ちゃんの頃から家でも鼻水吸引器を使っていたのですが、やはり中耳炎になると、病院で吸引してもらった方が断然治りが早い。そのため、娘が中耳炎になる度に、私は毎回汗だくになりながらも耳鼻科に通いました。すると何度も通っているうちに、娘は耳鼻科での治療の見通しを立てられるようになりました。そして年長になる頃には、治療を嫌がりはするものの、泣き叫ぶことは無くなっていったのです。娘に「治療が終わったら、好きなお菓子を一つ買ってあげる」と伝えていたので、この作戦の効果もあったのかもしれません。小学校に入学後、花粉症での耳鼻科通院がスタート出典 : 娘の幼稚園卒業と同時に、我が家は主人の転勤で引越しをしました。しばらくすると、娘に花粉症のような症状があらわれるように…。耳鼻科で検査をして、スギ花粉のアレルギーがあることが判明しました。それ以来娘は、花粉の時期になると定期的に耳鼻科通院をするようになりました。でも以前通っていた耳鼻科とは違い、強く吸引することもなかったようで少しずつ安心できるようになったためか、娘は一人で椅子に座って治療を受けられるようになりました。小学校高学年からは、少しずつ「一人で」できるように出典 : 娘が4年生になったある日のこと。耳鼻科の医師が、子ども用の吸引器ではなく、大人用の長いノズルがついた吸引器を初めて取り出してきました。それを横で見ていた私は驚いて、娘が怖がるのではないかと心配していたのですが、なんと普段と変わらない様子で治療を終えることができたのです。娘が小学校高学年になる頃には、私は最初に症状や経過だけ医師に伝えて診察室を後にし、待合室で娘の治療が終わるのを待つようになりました。中学生になると、症状を書いたメモを娘が自分で医師に見せるようになり、私は診察室に入ることはなく会計だけするように。そして高校生になると、受付から診察、会計までのすべてを娘一人で済ますようになったのです。こうした段階を踏みながら、花粉の季節がやってくると自分で耳鼻科に通うようになった娘。通いはじめの頃を振り返って考えると、ずいぶん成長しました。娘が耳鼻科に慣れていったのは「あるテクニック」のおかげだった!娘はこうしてだんだん耳鼻科に慣れていったのですが、その理由が、息子との会話の中で明らかになりました。現在小5の息子は花粉症こそありませんが、鼻風邪を引いた時などに耳鼻科を受診しています。0歳の頃から娘の通院に同行していたので、耳鼻科には慣れっこ。それでも治療に慣れない息子に、先日娘がこんなアドバイスをしていたのです。息子「俺、大人用の長いノズルの吸引器、痛くて苦手なんだよね。」娘「それ、力んでるからだよ。」息子「どうしても力が入っちゃうんだよ。」娘「ボーッとすると痛くないよ。」息子「それができないんだよな~。怖いと緊張する。」娘「ほら私、普段も結構ボーッとしてること多いじゃん?ボケーッとするの得意だからさ、力を抜けば痛くないと気づいてからは意識的に”ボケー”を発動してるの(笑)。この方法、実は注射の時にも使えるんだよ。」息子「マジか!」発達障害の娘には、自分の世界に入ってボーッとしやすいという特性があるのですが、それがこんなところで役に立っていたなんて(笑)。耳鼻科通いを通して感じた娘の成長。だから…私自身も花粉症なので、定期的に耳鼻科に通っています。そして治療がいやでむずがる子どもや、それをなだめる親御さんを見かけると、娘が小さかった頃のことを思い出すのです。声こそ掛けませんが、いつも心の中で密かにエールを送っています。
2019年02月23日2月になってスギ花粉が飛び始め、花粉症の人にとって憂鬱(ゆううつ)な季節に入ってきました。子どもでも花粉症になることもあり、小児科や耳鼻科に受診する子も増えてきそうです。今回は、子どもの花粉症およびアレルギー性鼻炎について解説します。■花粉症の見分け方「この鼻水はカゼ? それともアレルギー?」花粉症の症状のひとつ、鼻水は小児科で最も多く見かける症状です。その中でも多い疑問のひとつが、「ずっと鼻水が続いている。花粉症ですか? カゼですか?」というものです簡単に区別することはできませんが、まず前提として、鼻水は生理的に出て当たり前ということを知っておいてください。鼻水が出たからといって、必ずしもカゼや花粉症というわけではありません。何もなくても少量出ることがあり、とくに鼻の通り道の狭い乳児であれば、生理的な鼻水でもつまって鼻がフガフガすることがあります。では、カゼの鼻水と花粉症の鼻水は、それぞれどういった特徴があるのでしょうか?まず、カゼの鼻水は症状のピークが2~3日で、ときにせきや発熱をともないます。おおむね1週間ほどで改善傾向となり、2週間もすれば出なくなるでしょう。一方、花粉症はスギなど特定の花粉にアレルギー反応を起こすもので、季節性アレルギー性鼻炎(結膜炎)といいます。花粉などに反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を引き起こします。そのほか、ダニや動物の毛など季節に関係なく身の回りにあるものに対して反応する通年性アレルギー性鼻炎(結膜炎)もあります。花粉症であれば特定の季節に悪化することが特徴で、その期間の症状には変動があまりなく、ずっと続く点がカゼとは異なるところです。例えば、毎年春先にダラダラと3週間、鼻水や鼻づまりが続くようであれば花粉症の可能性が高い症状と考えます。また、一般的に花粉症の鼻水は透明でサラサラです。熱もなく元気だけど、サラサラの鼻水だけずっと出続ける場合も花粉症の可能性が高くなります。ただ、花粉症の途中でカゼをひき、鼻水がドロドロになるなど症状が変動することもあるため、一概に鼻水だけでは区別できないことも多いです。そのほか、花粉症の症状としては、よくさわることで鼻に湿疹ができていたり、鼻にティッシュや指を入れることが多いために鼻血を繰り返している、目の周囲に黒いくまができやすいことも特徴にあげられます。子どもでも花粉症になるの? と思われるかもしれませんが、スギ花粉については5~9歳の有病率は13.7%(※1)と頻度の高いものです。2歳以下での発症は少なく、とくに1歳未満では稀(まれ)です。この年齢でずっと鼻水が続く場合は、カゼが長引いている可能性のほうが高いと考えてください。■子どもの花粉症「診断・治療・予防」診断先に述べたような特徴を、まず問診や診察で確認することが最も重要です。そのうえで、鼻の粘膜を直接観察する鼻鏡検査や、鼻水の性質を調べる鼻汁好酸球検査、アレルゲン(原因となる物質)を特定するための皮膚テストなどを組み合わせて総合的に診断します。これらの検査は一部、小児科でも行っている場合はありますが、通っている小児科で難しいようであれば、耳鼻咽喉科に相談するのがよいでしょう。ちなみに、アレルギーの血液検査は必須ではありませんが、もし食物アレルギー等で検査をする機会があれば、一緒に花粉やホコリ、動物の毛などを調べると、原因アレルゲンを知ることができます。治療主要なものとして内服の抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬の2つがあります。まず抗ヒスタミン薬は、いわゆる花粉症の飲み薬として処方されるものです。花粉などのアレルゲンが侵入するとヒスタミンという物質が出てきて、鼻水やくしゃみなどを引き起こしますが、そのヒスタミンをブロックするお薬です。こちらは効き目や副作用の眠気に個人差があるので、合わない時はほかの薬に変更してもらってください。抗ヒスタミン薬はカゼの時にも処方されることがありますが、花粉症とは鼻水の出る仕組みが異なるため、カゼの場合はあまり効果が期待できません。もう一つのお薬、ステロイド点鼻薬は鼻の穴にシュッと噴霧するものです。アレルギー反応をおさえ、鼻の粘膜のはれを改善します。効果は大きく、くしゃみや鼻水、鼻づまりがましになってとても快適に過ごせるようになる患者さんも多いです。これらの治療は、あくまでも症状を改善させる対症療法ですが、最近は、根本的に花粉症を治療する免疫療法も注目を集めています。これは、スギやダニなど特定のアレルゲンのみが対象になりますが、その成分をお薬として摂取することでアレルギーそのものを治す方法です。ただし、今のところ治療できる施設や、投与できる年齢に制限があるため、治療を希望する場合はまず医師とご相談ください。予防花粉症を予防するには、まずアレルゲンをさける、減らすことです。花粉情報をチェックして花粉が多い日の外出はさける、マスクやゴーグルを利用する、外出から帰宅したら衣服についた花粉を払ったり、すぐ洗濯機に入れて家の中に持ち込まないようにするなどです。鼻の穴の中にワセリンを塗ることで、侵入するアレルゲンを減らすという方法(※2)もあります。ただ、これらの対策には限界があるので、アレルゲンが来ても大丈夫なようにステロイド点鼻薬等で治療をしていくほうが現実的でしょう。花粉症の症状は、鼻水やくしゃみがつらいだけでなく、学校の授業に集中できない、鼻づまりでよく眠れないなど生活全体に影響をおよぼします。ここにあげた予防法や治療法を参考にして、快適な春を迎えていただけたら幸いです。参考資料※1:『鼻アレルギー診療ガイドライン2016』鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会 編※2: 『Efficacy of pollen blocker cream in the treatment of allergic rhinitis.』National Center for Biotechnology Information
2019年02月19日皆さん、耳鼻科ってお好きですか?私は苦手です。なぜかというと、細長い管を鼻の奥まで入れられる鼻掃除がつらいから…。以前、急性副鼻腔炎にかかり、耳鼻科通いをしていた時期がありましたが、毎回この鼻掃除が憂うつでした。子どもたちを連れて診察に行ったときは、すごいしかめっ面で処置されている顔を見られ、大笑いされてしまったことがあります。そんな子どもたちも、もちろん耳鼻科は苦手です。■「もう絶対行かない…!」と涙した娘近くの耳鼻科は、そんな子どもたちの苦痛をわかっていて、診察が終わるとコインが一枚もらえてガチャガチャが一回まわせるようになっています。三度の飯よりガチャガチャが好きな娘ですが、一度行った以来、耳鼻科は断固拒否です。風邪をひいたときは、小児科を受診すべきか耳鼻科を受診すべきか悩みますが、娘には耳鼻科という選択肢ははなからないようで、「小児科いこ! 小児科がいい! 」を連呼します。どちらでも診てもらえそうな症状のときは問題ないのですが、ある日息子が耳の痛みを訴えたときは、中耳炎の疑いがあったので耳鼻科に行くしかありませんでした。耳鼻科に向かう車の中で、「今回は弟が診てもらうだけやんね? 私は何もされないやんな? 」と、娘は何度も繰り返しきいていました。■全然平気な息子…それを見た娘は前回、娘と同じように泣いていた息子でしたが、今回は泣かないばかりか、うんともすんとも言いませんでした。それには娘も私もびっくりしました。「すご~い!かっこいい~!」二人で息子を褒め称えると、「でんでん(全然)いたくなかったもん!」と得意そうな顔をする息子。そして数日後、娘が鼻水だらだらになり、病院に行く機会が訪れました。だめもとで「お鼻のことやし、耳鼻科行ってみる?」ときいてみると、思いがけない言葉が返ってきたのです。■弟の姿に触発され、耳鼻科リベンジ!「お鼻のやつは怖いけど、弟も泣かずにできたんだから、私もやってみる!」と、いうわけで…いざ耳鼻科リベンジ!看護師さんにコインをもらって、颯爽(さっそう)とガチャガチャをしに走る娘。大人が言葉でどれだけ「怖くないよ」「痛くないよ」と言っても効果はなく、『自分と同じくらいか、もっと小さい子でもできている』というのが娘にとって一番説得力があったようでした。また、「病は気から」と昔からよく聞きますが、同じ痛みでも「すごい痛い」と思えばそう感じるし、「あんまり痛くない」と思えば本当に痛くなくなる…ということもあるんだろうと思います。注射でも同じですよね。実際の痛みはちょっとつねられた程度でも、「皮膚に針を刺して、そこから薬を注入する」って考えると、恐怖心によってたちまちすごく痛く感じるから不思議。前回は一緒に鼻掃除で泣いていた息子が泣かなくなったことで、「あ、これは大丈夫なやつだ。だって自分より小さな息子だってできているんだから」という気持ちが娘を強くしたようです。これで心置きなく耳鼻科に行けるようになり、ほっと一安心です。
2019年01月25日寒い日が続き、我が子のまわりでも風邪が流行っています。みなさんはいつ頃、どのようにかかりつけ医を決めましたか?今回は、わたしがかかりつけ医を選んだポイントをまとめてみました。小児科デビューは、地元で人気のクリニック人の病院の付き添いなんてあまりしたことがなかった私。自分自身も特にかかりつけ医がいるわけではなく、ましてやまだ自分で症状の説明もできない赤ちゃんのお医者さん探しとなるとより慎重に…。息子の産まれた産院では、すぐにかかりつけ医を決めるよう指導していたので、出産後すぐ近くの小児科の場所や数、評判をチェックしていました。実は、息子の初めての小児科受診は、退院して二日後のお昼頃。検温すると、なんだか熱が高い…!リサーチしておいたなかから、急遽一番近所にある小児科に行ってみることに。急な病気の時に頭に浮かぶ病院がいくつかあるのはとても心強かったので、妊娠中や産後すぐに小児科のリサーチをしておくことは大切だなぁと実感しました。息子が診てもらった先生は、感じがよく信頼できそうな印象。新生児~低月齢のうちは病院にかかる基準がわからない新米ママの私に、「心配しすぎくらいでいいですよ」と言ってくれたのも安心できました。結局、この小児科がそのままかかりつけ医に。通うようになって後から知ったのですが、ここの小児科地元では超人気。病児保育やおでかけ広場も併設していて、地元の人の小児科検診やワクチン接種はだいたいここなんじゃないかというくらい。風邪が流行っている時期などはすごく混みますが、何人か先生がいるし、ネット予約も出来るので長時間は待ちません。どの先生も感じがよいから質問しやすいし、親身に向き合ってくれることが一番の良いところでした。立地や設備も、病院を選ぶ条件に先生の印象のほかに、病院を選ぶ基準となるのは、通いやすい立地と、院内の設備。距離が近いというだけでなく、アクセスが良い立地であることも大事。私にとっては保育園の帰りにサクッと寄れる場所にあるというのもポイントでした。また、院内の設備も病院の心遣いの表れのひとつ。月齢が低いうちは少し離れたところの待合を使わせてくれるのは、伝染する風邪が流行っている時期などには有難かったです。もちろん、オムツ替えシートも完備、清潔なキッズスペースもあり、待合ベンチの配置や院内の雰囲気は総じて心地よいものでした。最近では、ワクチンや検診の予約がネットでできるかどうかも、病院選びのポイントに。具合の悪い赤ちゃんを抱えて電話するのは大変だし、診療時間外に調子が悪くなったときにもネットで予約すれば安心できます。いざという病気のときに、大型病院への連携は?また、いざという病気が判明した場合や、風邪が悪化して入院が必要な症状になってしまった場合など、その小児科がどういった大病院と連携しているかも大事です。小児科のサイトに、地域連携医の登録などが記載されていると知ることができます。息子を出産した病院は小児分野が専門の大病院で、自宅からバスで30分ほどかかりますが、救急もやっているので心配な症状の時は足を運んでいます。最新の研究も行ってるので、マイナーな病気を見逃してしまうなんて可能性も低い気がするので、地域の総合病院を知っておくのはリスクヘッジにつながると思います。かかりつけ医が、なかなか見つからない場合は?私の知人には、通っていた小児科が閉院になったり、「なんだか先生と合わない…」と感じているママも。そんなときに何よりタメになるのが、やっぱりご近所ママたちの声。児童館や地域の子育てセンター、保育園や幼稚園ママたちに話を聞いてみて。また、乳幼児家庭訪問で来た保健師に、地域のママたちが通っている小児科を聞いてみてもいいかもしれません。でも一番はやっぱり、自分と自分の赤ちゃんが、その小児科に合うかどうか。小児科難民だからっていろいろなところを転々とするのはおすすめできませんが、小さなうちは予防接種項目が続くので、数院回ってみるのも手。納得できるかかりつけ医選びのためにも、かかりつけ医が休診だったときのためにも、いくつかの小児科を知っておく方がいいと思います。保育園生活スタート、鼻水の症状は耳鼻科に!保育園入園前は、前述した小児科だけに通っていた息子。しかし、入園後は治れども治れどもちょっとした風邪をうつしあってしまい、鼻水がだらだら出ている状態が続いたことも。基本は家の自動吸引器で吸ってるのですが、あまりにひどい時は病院に行きます。鼻水の症状が強い場合は、小児科ではなく耳鼻科に連れて行くように。耳の中を細かく見たり、薬をつけたりする機械などが耳鼻科のほうが充実しているからです。こちらも、近所の耳鼻科が一児のママである先生がやっていて、子どもを診せやすかったのでかかりつけに。待合にキッズスペースもあったり、ネットで順番待ちも出来るので助かっています。小児科以外の病院にかかる場合、子供歓迎の雰囲気があると◎。風邪から中耳炎になりかけてしまったときにもすぐに見つけてくれて薬もよく効いたのでこれからも耳や鼻の症状はこちらにかかろうと思っています。最近では、なんだか耳を気にしているなと思って耳鼻科に連れて行ったらものすごく大きな耳垢が!綿棒ではとれない耳垢ってよくあることらしく、いつでも来てくださいねと言ってくれました。お子さんの様子が気になったら行ってみてくださいね。1歳を過ぎた頃から…、歯医者さんの選び方は?息子は、1歳ではじめての歯医者さんを経験。歯磨きが苦手な息子に悩んでいたので指導を受けたかったことと、フッ素塗布がきっかけです。歯医者さんは口の中を長時間診るため、こどもが嫌がってしまうと診察にらないので、お医者さんとの相性はとっても大事。赤ちゃん慣れしていて優しい先生のところに通うことにしました。それでもやはりグズりますが、なんとか診察できています。小児専門歯科もたくさんありますが、虫歯や病気などでない場合は、検診やフッ素塗布がメインなので、近所で通いやすく雰囲気の良い歯科で十分かなと思います。病院へ行く時の注意点!診察時の吐き戻しの心配があるので、診察の30分~1時間前までには食事や授乳を済ませておきましょう。熱を測ったり、防寒やマスクも忘れずに。病院へいくときは、保険証、乳児医療証、診察券、お薬手帳、この4点セットは、母子手帳ケースにまとめて!それと子どものことに気を取られて忘れがちですが、感染予防にママ用マスクも必須です。キッズスペースや絵本がない病院では、おもちゃや絵本があると待ち時間に退屈させずに済みます♪着替えやオムツなども適宜持参して。子どもが風邪や病気、ケガなどでつらいときにママが焦ってしまっては本末転倒。信頼できるかかりつけ医さんにを見つけて、親子で安心して診てもらえるといいですね。
2019年01月11日婦人科検診で受けられる検査は?ひとことで、婦人科検診といっても、受ける病院や人間ドックによって検査内容は様々です。なので、検診を申し込む前に、どのような検査内容が含まれているのかを事前にチェックしておく必要があります。一般的には・子宮頸がん検査・内診・子宮体がん検査・乳がん検査が挙げられます。 婦人科検診は何歳から受けられるの? 婦人科検診は、何歳から受けるべきという基準は特にありません。いつでも婦人科を受診することは可能ですし、自治体などでは30歳を過ぎると1年に1回程度、子宮がん、乳がんなどの検診を受けることができます。婦人科の病気と言ってもいろいろあります。内科などと同じく、症状が現れてからの受診でも治る病気がほとんどですが、がんなど、症状が出てからでは遅すぎる病気については、定期的に検査をしておくほうがよいでしょう。 婦人科の選び方と予約方法 どんな病院を選んだらいいの?インターネットで検索して評判の良い病院、家や通勤途中にある病院、一度電話で問い合わせして対応の良い病院、女医さんのいる病院など…。選ぶ基準は人それぞれですね。特に気をつけたいのは、乳房の検査をしたいときです。子宮や卵巣の検査は婦人科ですが、乳房の検査は、基本的に外科だということを覚えておくとよいでしょう。婦人科でも乳がん検診をしてくれるところもあるので、事前に確認することをおすすめします。また、最近では、乳房を専門に見てくれる乳腺外来も増えているので、そちらを探してみるのもおすすめです。 予約の仕方は?受けたい検査をしてくれる病院を見つけたら、まず電話やネットで予約。そのときに気をつけたいのは、月経日です。時期によっては受けられない場合があるので、あらかじめチェックしておきましょう。 婦人科検診当日の準備。必要なもの、服装は? 必要なものは?保険証、費用は忘れないようにしましょう。クレジットカードが使えないところもありますので、予約の段階で、あらかじめ費用などと合わせてチェックしておくとよいですね。 診察費はいくらくらいなの?・STD(性感染症)を疑って受診した場合自己負担額は6,000円~11,000円ほどです。内訳としては、だいたい以下の通り。初診料:保険適用3割負担で800~1000円ほど検査費用:4,000~9,000円ほど薬代:1000円前後自費診療の場合は、総額で15,000~20,000円ぐらいが相場となります。 ・子宮頸がん、子宮体がん検診の費用自治体からの公費検診であれば、無料から、2,000円程度の自己負担が一般的です。また、自費診療の場合は、各機関によって異なりますが、子宮頸がん検査のみで、3,500円~6,000円程度というケースが多いようです。 服装は脱ぎ着しやすいもので検診の当日は脱ぎ着しやすい服装で向かいましょう。診察台では下着を脱ぐ場合もあるので、パンツスタイルより長めのスカートが◎!検査着を用意してくれている病院もあるので、事前に確認してみましょう。 なるべくナチュラルな状態でメイクはせずに、すっぴんに近い方が、顔色の状態が分かりやすく貧血などの症状もわかるのでベターです。 婦人科検診でわかる病気 婦人科にかかわる病気には、以下のものが挙げられます。・乳がん・HPV(ヒトパピローマウイルス)または子宮頸(けい)がん・子宮体がんが挙げられます。それでは、それぞれの検査の内容について解説していきましょう。 乳がんの検査について 乳がんってどんな病気?乳がんとは、乳房組織に発生する悪性腫瘍のこと。妊娠・出産経験のない人の方がなりやすく、30代でも発症する病気です。乳がんは、早期発見し、治療を開始すれば完治が可能な病気。ですので、乳がん検診は定期的に受けることが大切です。 乳がん検査の方法は?乳がん検診は上半身裸で行います。基本的な流れは以下の通り。【視診】↓両側の乳房をくまなく観察します。↓【触診】しこりを探します。↓【医療機器による検査】マンモグラフィーか超音波検査のどちらかを合わせて行います。施設によっては、マンモグラフィーと超音波検査を両方とも行うところもあります。それぞれの方法に一長一短はありますが、一般に、40代より上の年齢ならマンモグラフィー、40代より下の年齢ならエコーが推奨されます。 マンモグラフィーとは?検査って痛いの?マンモグラフィーとは、乳房専用のレントゲン検査を行う装置のこと。マンモグラフィーは乳房を上下に挟んで一枚、さらに挟んだ状態で斜めにねじって一枚撮影する方法が一般的です。欧米人のように乳房にボリュームのある方は挟みやすく、挟まれる痛みもそれほどありませんが、東洋人は比較的乳房のボリュームがなく、特にやせて乳房の小さい方は挟みにくいので、多少挟まれる痛みがあると思います。しかし、個人差はありますが我慢できる程度の痛みですので、さほど心配はないでしょう。 HPV・子宮頸がんの検査について 子宮頸がんってどんな病気?子宮にできる悪性の腫瘍(しゅよう)のうち、子宮の入り口にできるものを子宮頸がんと呼びます。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)という病原体のうち、高リスク型HPV感染により発症します。このHPV はほとんどが性行為による感染とされていて、約80%の女性が一生のうちに一度はHPVに感染するといわれています。 HPV・子宮頸がん検査の方法と流れ・HPV高リスク型HPV感染を調べます。検査室でおりものを採取し、ウイルスの有無を判定します。子宮頸部の細胞診と同時にHPV検査も行うこともあります。医師にしてもらう他、自己採取で検査する方法もあります。自分で膣の中に綿棒を入れて、おりものを採取する方法です。ただ、自分で綿棒を入れるほうが怖いということであれば、医師に採取してもらいましょう。また、自宅などで自分で採取した子宮頸部の細胞を郵送し、検査してもらうサービスもあります。 ・子宮頸がん一般的に次のような流れで検査します。病院によって異なる場合があります。【問診】↓【視診】下着を取って内診台へと向かい、医師が子宮、おりものなどの状態を目で診ていきます。↓【内診(触診)】医師が直接、膣内に指を入れ、腫れ、しこり、その他の異常がないかを確認します。↓【細胞診】クスコという器具を膣に入れて中を広げ、子宮の入り口をブラシで擦って細胞を採取します。クスコは様々な大きさのものがありますが、一番小さいものだと人差し指くらいです。性行為の経験がなく不安な方は、受診の際に初めて検診を受けることを伝え、一番細いクスコを使ってもらえるよう、あらかじめ相談しておくといいでしょう。細胞診でがんが疑われる場合は、さらに精密検査を行います。 子宮体がんの検査について 子宮体がんってどんな病気?子宮にできる悪性の腫瘍のうち、子宮体部(内膜)にできるものを子宮体がんと呼びます。子宮の入り口に発生する子宮頸がんとは性質が異なります。症状としては不正出血、おりものの増加などがあり、子宮体がんになる前段階から見られることがありますので、月経の不順と簡単に片づける前に疑いを持ってみましょう。逆に子宮体がんになってからも自覚症状が全くない場合もあるので、早期発見には定期的な検診がもっとも重要です。ただし、自治体や会社などで行われる検診は、頸がんの検診だけのことが多く、体がんを発見するのは困難です。また、月経不順は子宮体がんだけでなく、ほかの病気の兆候であることも多いので、繰り返しになります、「体質だから」と簡単にとらえずに、積極的に婦人科の診察を受けることをおすすめします。 触診や機械での内診は、絶対に必要なの?検診には、視診、指での触診の他、「プローブ」という細長い超音波器具を膣に入れる経膣エコーの検査を受けることがあります。ただし、膣内に器具を入れることに抵抗があるようであれば、検査の際に「経膣エコーの代わりに腹部エコーかCT/MRIで検査してほしい」と話してみてください。受診前に問い合わせをしたり、かかりつけのお医者さんに、この点を記載した紹介状を書いてもらったりするのもよいでしょう。 子宮体がんの検査方法と流れ一般的に次のような流れで検査します。病院によって異なる場合があります。【問診】↓【視診】医師が性器周辺、膣内、分泌物のチェックをします。↓【内診(触診)】子宮や卵巣の状態を、腟から指を入れて調べます。肛門から指を入れ、直腸やその周囲に異常がないかを調べることもあります。↓【細胞診】子宮口から細い器具を挿入し細胞を採取し、検査します。分泌物や子宮細胞の検査結果はだいたい一週間後くらいかかります。細胞診でがんが疑われる場合は、さらに精密検査を行います。 わかれば怖くない!婦人科検診に行ってみよう 子宮頚がんと乳がんは一番早期発見しやすいがんであり、早期発見すれば、命を救うことはもちろん、子宮や乳房を温存する治療法も選択できます。また、がん以外でも、子宮筋腫や卵巣のう腫などの病気であれば20代でも多く見られることがあります。様々な婦人科の病気を早期に発見するためにも、若いうちから定期的に検診を受けたり、異常を感じたらすぐに受診することが大切です。怖がらないで、ぜひ検診を受けてくださいね。 wellfyより
2018年12月11日精神科は行きにくい場所?出典 : 自分や家族が精神的なつらさを感じている、悩みや困りごとをずっと抱えているという方に精神科の受診をすすめると、「病院に行くほどではないから」と断られることがしばしばあります。精神科はもっと深刻な悩みや症状を抱えた人が行く場所ととらえている方や、子供が行く場所ではないのでは…と考えている方も多いのかもしれません。しかし、もしも何らかの病気や障害だった場合、早めに治療を始めれば症状が軽くなったり、対処法を知ることで生きやすくなったりします。自分や家族だけで悩んでいるだけだと、対応策が見つけられないことも多いものです。専門家の診察があってはじめて、状況を理解して良い方向へ進むことができるようになった人もたくさんいます。そこで今回は、どんな病気の人が精神科にかかっているのか、診察はどのように行うのかなどが理解できる本をご紹介します。これらの本を通して、精神科がどんなところかイメージできるようになると、受診しやすくなるかもしれません。「精神科ではどんな病気をみるの?」が分かる本出典 : 冊目にご紹介するのは、精神科医である斎藤環先生・山登敬之先生の共著である『世界一やさしい精神科の本』。「14歳の世渡り術」シリーズとして出版された単行本の文庫版になります。この本は、発達障害やひきこもり、摂食障害、うつ病、統合失調症といった精神科で診療を行うメジャーな病気や障害、症状について解説されたものです。もともと14歳の子どもたちを対象に書かれた本なので、難しい言葉が使われておらず、とても分かりやすい内容になっています。「発達障害って、そもそもどんな特性があるの?」「ADHDやアスペルガー症候群などと言われるけれど、どう違うの?」といった疑問の解決にも役立つ1冊となりそうです。「精神科医は何を考えながら診察をしているのか」が分かる本出典 : 精神科が対象としている病気や障害について理解ができたら、次に読んでみたいのが『精神科医はどのように話を聴くのか』という本です。精神科医である藤本修先生の著書で、「精神科医はどのようなことを考えながら診察をしているのか」について書かれています。精神科医というと、ただ話を聴いて薬を処方する、というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、その行為の裏にはさまざまな思慮が隠されています。同じ病気であっても、詳しく話を聴かないほうがいい場合もあれば、適切な治療をするためにしっかりと聞いたほうがいい場合もあります。また、病気によっては話を聴き過ぎると逆効果になってしまうこともあり、精神科医は場面ごとに見極めながら対応をしているのです。診察中の医師の考えがわかると、受診したときに何を話せばいいのか、医師がなぜそのような対応をするのかなどが理解しやすくなると思います。そうすると、精神科を受診することへのハードルが低くなるかもしれません。巻末には、藤本先生が提案する「聴き上手になるための10箇条」も掲載されています。子供が悩んでいるときにどう接したら良いのかなど、家族と会話をする上での参考書にもなる1冊です。「精神科って行きにくい…」と感じる人に読んで欲しい本出典 : 最後にご紹介するのは、『ラブという薬』。タレントや作家として活躍するいとうせいこうさんと、精神科医でありながらミュージシャンとしても活動している星野概念さんの対談を本にまとめたものです。帯に書かれている、「つらいことを無理に我慢するのではなく、つらいときはもっと気軽に精神科に行こうよ」というメッセージ。精神科ってすごく困っている状況じゃないと受診してはいけないのでは…と思われがちですが、そんなことはありません。実際にいとうさんは、仕事ができなくなるほど深刻な状態ではなかったけれど、診察を受けるようになって楽になったと本書の中で話しています。風邪をひいたら内科へ行くように、怪我をしたら外科へ行くように、心がつらいときは精神科を頼っていい。そのことが腑に落ちると、我慢しすぎていた「きつい現実」が、誰かを頼ってもいいんだという「少しゆるい現実」に変わっていきます。読み物としても非常に面白いので、精神科の本と難しく捉えずに、ぜひ気軽に読んでいただきたい1冊です。まとめ出典 : 「なんだかつらいけれど、これくらいのことで受診していいの?」「病院に行っても、大したことないって言われたらどうしよう…」そんなふうに悩んでいる方もおられるかもしれません。ですが、悩んでいるうちに問題がより深刻になってしまうことも少なくありません。精神科は、こわいところではありません。もし、受診しようかどうか悩んでいるのであれば、今回ご紹介したような本を少し読んでみてください。精神科を受診するためのハードルが、少し低く感じられるのではないかと思います。
2018年04月14日心療内科とは出典 : 心療内科とは、何かしらのストレスが招いた体の不調を診ることを専門とする診療科です。「内科」とついているところからも分かるように、頭痛やめまいなど体に表れた症状を主に診ます。精神疾患の中には、症状として頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良が現れるものがあります。しかしその不調の原因が精神的なものと分からないまま対処しても、なかなか症状が改善しないことがあります。そんなとき、症状の原因となる精神的なストレスに、カウンセリングなどを通してケアも同時に行うのが心療内科です。そのため、本来は精神科の領域のものでも程度が軽いものは心療内科でも診てもらえます。心と体の関係を考えながら、体の不調をケアしてくれるのが心療内科なのです。精神科・内科と心療内科の違い出典 : 心療内科は1996年に政令で表示を許された、比較的新しい名称の診療科です。名前のイメージから、精神科や内科と混同する人も多いようです。それぞれの科によって、診療できる疾患や得意とする診断領域、治療のアプローチが異なることもあります。心療内科ともっとも混同しやすいのは精神科ではないでしょうか。心療内科は大きなくくりで言うと内科です。体に表れた症状を治す診療科ですが、原因がストレスにあるため、カウンセリングなどで精神的なケアも行います。体と心の両方にアプローチして治療をするのが心療内科なのです。一方、精神科は不安や落ち込み、イライラなど心に現れた症状に向き合います。対象となる病気は躁うつ病、アルコール依存症、統合失調症などです。とはいえ厳密にはっきりと線引きされているわけではなく、両方の看板を掲げる病院も少なくありません。うつ病など、本来は精神科の範囲にある病気でも症状や程度によっては心療内科で診ることもあり、心療内科で相談したら精神科を紹介されたというケースもあります。心療内科も内科も、体の不調を治療するという点では同じです。違うのは、心療内科は体だけでなく心も含めて治療をするということです。内科はさまざまな症状に対応してくれるイメージもあるため、原因のよく分からない不調はとりあえず内科へ行く人も多いでしょう。そのため内科の検査では異常が見つからず、心療内科を紹介されたというケースもあります。心療内科や精神科ではなく、「メンタルクリニック」「メンタルヘルス科」という看板を掲げる病院も多くあります。これらは病院によって診療内容のとらえ方が違います。「精神科」という名前に抵抗のある人が多いと考え、精神科でありながらあえて名前を変えているケースもあります。また心療内科と精神科の両方の診療をするため、メンタル全般を診るという意味合いで看板を掲げるケースもあります。【参考】みんなのメンタルヘルス|厚生労働省心療内科の専門領域は、ストレスが招く体の不調出典 : ストレスが招く体の不調には以下のようなものがあります。・頭痛・倦怠感・めまい・不眠・過呼吸・食欲減退、過食・吐き気・腹痛、胃痛・動悸・発汗・抜毛頭痛や吐き気など、身近な症状が多く並びます。このような不調の背景には、以下のような疾患が隠れている可能性があるのです。心療内科の対象となる病気や障害など出典 : 心療内科の対象になる病気をいくつか挙げました。症状の程度や原因によっては精神科など、他の診療科を勧められる可能性もあります。何らかの理由で学校や会社にいけない、あるいは行きたくても行けないのが不登校・出社拒否です。登校や出社をしたい気持ちはあるのに、体がそれを拒否して腹痛や頭痛といった症状が表れるというケースもあります。休んで家にいれば症状が落ち着くこともあり、休むための嘘だと思われてしまうこともあります。ですが、子どもの不登校や配偶者の出社拒否から、本人だけでなく周りの人までストレスで体調を崩してしまうことも少なくありません。そのため、早めのケアが重要となります。主な症状は吐き気や腹痛、倦怠感、動悸などです。うつ病の中でも、心の不調が体の不調に隠れてしまっているものが「仮面うつ病」と呼ばれています。うつ病によくある気分の落ち込んだ状態が見られず、頭痛やめまい、不眠といった症状が目立つため、内科で診断を受けても異常は見つからず、単に調子が悪いだけだと思い込んでしまうことも多くあります。腹痛や下痢、便秘といった腸の不調が見られる病気です。日常生活への支障は痛みによる不快感だけではありません。急におなかが痛くなってトイレへ駆け込む、出勤前にトイレから出られなくなる日が多いなど、学校や仕事に影響が出ることもあります。症状を訴える人は男性と比べると女性が約1.6倍多く、年齢では30代までの比較的若い人に多く見られます。【参考】機能性消化管疾患心療ガイドライン2014|日本消化器病学会自律神経とは、体のバランスを整える神経です。その自律神経のバランスが崩れているというのが自律神経失調症ですが、自律神経の働きは検査ではなかなか正確に測れません。そのため、何となく体調が悪いのに検査では異常の見つからない状態が長く続いているものを自律神経失調症と呼んでいます。症状は倦怠感、不眠、めまい、頭痛、動悸、食欲不振などさまざまです。寝込んで起き上がれないほどの症状になることは少なく、多くの人は「なんだか調子が悪い」という状態がずっと続きます。片頭痛は名前の通り頭の片側に起こる頭痛ですが、両側に起こることもあります。ストレスなどにより頭部の血管が収縮、その反動で血管が広がったときにズキンズキンという痛みが起こります。主な症状は頭痛ですが、ひどくなると吐き気をともなうこともあります。頭や体を動かすと痛みが増すこともあるので、光や音の刺激を避けて安静にすると症状が緩和されます。発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。広汎性発達障害、学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、症状や特徴でいくつかの種類に分類されます。不登校やうつ(気分が落ち込んでいる)状態をきっかけに心療内科へ行ったところ、発達障害が判明したというケースもあります。発達障害の場合、環境とのミスマッチや人間関係がストレスとなったりすることも多く、発達障害の二次的な障害として、睡眠障害やうつ、不安障害などが併存するケースもあります。甲状腺の機能異常により起こるのがバセドウ病で、動悸や疲労感、発汗が主な症状です。脈拍も早くなり精神的にも落ち着かないため、「体が常に全力疾走をしている」と形容されることもあります。まぶたの筋肉が緊張することで常に目を見開いているように見えたり、眼球の周りの筋肉が肥大して眼球が突出することもありますが、バセドウ病が必ずしも眼球への変化をきたすとは限りません。突然息苦しさを感じ、呼吸が乱れ、息が入ってこないように感じるのが過換気症候群の特徴です。動悸や胸の圧迫感のほか、手足のしびれや筋肉のけいれんを感じることもあります。発症した場合、呼吸を遅くしたり止めたりすると症状は改善しますが、本人が呼吸をコントロールするのは難しいものです。紙袋などを口に当てて呼吸をするという対処法もありますが、医師の指示を仰ぐのが良いでしょう。【参考】過換気症候群|日本呼吸器学会突然息苦しさや動悸、冷や汗、恐怖感などを感じてパニック状態になり、そのせいで社会生活に支障の出ている状態をパニック障害と言います。電車やエレベーターなど閉鎖された空間では「逃げられない」と感じるため、外出ができず、学校や会社へ行くことができなくなることもあります。状況によってはだれもがパニック状態に陥る可能性はありますが、自宅でテレビを見ているときに突然、寝ているときに突然など、予期しないところで発作が起きるのが特徴です。食事をうけつけなくなる「拒食症」と、無謀な食べ方を繰り返す「過食症」。この両方を合わせて摂食障害と呼びます。食べては吐く、を繰り返すこともあり、その場合は体内のカリウムが下がって不整脈を起こすこともあります。拒食により栄養状態が悪くなり、月経が止まることもあります。拒食と過食、行動は正反対ですが根っこは同じです。拒食から過食へ、過食から拒食へと症状が変化することも少なくありません。「やせたい」という思いから治療を拒むケースもあるため、まずは治療の必要性を理解するところから始まります。生活習慣病と言われる糖尿病ですが、ストレスがホルモンバランスに影響して血糖値を上げることもあります。倦怠感やのどの渇きなどが症状として挙げられます。治療は一般の糖尿病と変わりませんが、運動や食事などの生活コントロールがうまくいかずにストレスをためることにならないよう、注意が必要です。40代以降に見られる、様々な体調不良や情緒面での不安定な状態を更年期障害と呼びます。ホルモンの影響を受けやすい女性に多いのですが、男性にも症状が表れます。症状は自律神経失調症に似ていて、動悸やめまい、疲労感、イライラ、不眠など様々です。ちょうど子どもが就職や結婚で親元を離れる時期と重なることも多く、環境の変化に心がついていけずにうつ状態となることもあります。皮膚に病気や傷がないのに円形に毛が抜けてしまうのが円形脱毛症です。痛みはなく、社会生活に直接の支障はありません。自覚症状がないのが特徴で、美容院で髪を切ってもらうときに指摘され気が付くということもあります。しかし容姿が変わることでショックを受けて、他人の視線が怖くなり外出を拒むなど、間接的に影響が出ることはあります。皮膚に症状が現れるため皮膚科を受診するのが一般的ではありますが、背景にはストレスがかかわっている場合もあります。その点から考えると心療内科で治療を受ける選択肢もあります。心療内科における治療の流れ出典 : 心療内科ではカウンセリングを含めた診察、検査を経てそれぞれの症状に合わせた治療を行います。まずは医師に現状を伝えます。病歴や症状、薬を飲んでいるかなどはもちろん、原因になりそうなストレスや家族との関係、生育歴などを話します。もし同じ病状で他の病院にかかっていた場合はそれも話しておくと良いでしょう。うまくまとめて話せないことも多いため、受診前に簡単に話す内容をまとめてメモしておくとスムーズです。話しているうちに人間関係や仕事の相談をしたくなる気持ちも出てくるかもしれません。ですが、心療内科の医師は体の不調の原因を探るために話を聞いています。悩みを聞いて答えを探してほしいという場合は、カウンセリングルームを利用するという方法もあります。じっくりと話を聞いてもらえますが、保険が適用されないため、1時間で1万円くらいの費用がかかることもあります。問診の後は体の不調の原因や程度を探るため、必要に応じて血液検査、心電図、MRIなどが行われます。心理状態や性格を知るために、心理検査(心理テスト)をすることもあります。簡単な質問に答える検査のほか、カードに描かれた模様を見て何に見えるかを答えるロールシャッハテストなど、あいまいな質問で深層心理を見る検査が行われることもあります。心療内科の対象となる病気は、原因にストレスなどがあると考えられます。そのため、生活習慣や考え方を変えることにより、症状が改善することもあります。内科的な治療としては薬物療法があります。病気やその症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、自律神経調整薬といった薬が使われます。最終的には薬物を使わなくても安定して社会生活を送れるように、徐々に薬を減らしていきます。ほかには患者の無意識を探りストレスの原因をあぶり出す精神分析療法、行動を変えて不安を減らす行動療法、認知のゆがみ(思い込み)を正して心を軽くする認知療法といった心理療法が用いられることもあります。診療にはどのくらい費用がかかる?出典 : 心療内科へ行こうと思ったとき、気になるのは費用ではないでしょうか。内科と違って問診(カウンセリング)の分の時間もかかるので、高額なイメージはあるかもしれません。しかしカウンセリングルームとは違って保険が適用されますし、カウンセリングと言っても何十分も時間をとれるわけではないため、驚くような額にはなりません。保険適用で3割負担のため、初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度です。症状によっては薬や検査代が別途かかることもあります。臨床心理士によるカウンセリングを行っている場合など、別途予約料が必要なところもあります。予約の要不要を含めて、行く前に病院のシステムを調べておくと安心です。心療内科では、子どもが不登校の場合など、本人以外だけで話を聞きたいという要望にも応えてくれます。ただし本人不在の場合は自費診療となるため、費用も高額になってしまいます。パニック障害など、心療内科の対象となる病気には、自己負担が1割となる「自立支援医療制度」が適用されるものもあります。利用には医師の診断書と市町村での申請が必要で、市町村や都市に指定された「指定自立支援医療機関」でなければ適用されません。治療に時間と費用がかかる場合は、制度の適用について医師に相談してみると良いでしょう。【参考】自立支援医療制度|厚生労働省まとめ出典 : 心療内科は、ストレスが原因と考えられる多様な症状に対応してくれます。費用もほかの診療科とそれほど変わらず、特に高額ではありません。症状の中には自覚しづらいものも多くあるので、気になる症状があれば、一人で抱え込まずに一度心療内科へ行ってみるのも良いでしょう。ストレスの内容や症状について話すことで、客観的に自分を見つめることもできます。あわせて普段からストレスをためないような生活を送ることも重要です。ストレスは多くの病気の引き金になります。学校や仕事、人間関係など、ストレスと無縁に生きることはできませんが、できる限りため込まず上手に発散できると良いですね。
2018年04月05日背中ニキビは皮膚科で治すのが最適といえるのですが、保険が適用された治療とそうではない治療というのがあります。皮膚科で行われるその背中ニキビの治療法について、解説していきます。背中ニキビを病院で治すタイミング背中のニキビは他の場所と違って見えにくいところにあるので、背中に違和感を覚えても確認することが困難です。気づいたときにはすでにニキビが大きくなっている、または炎症を引き起こしていることが多いとされています。背中ニキビに気をつけるため、外側だけでなく内側のケアを心がけても、治らない場合は皮膚科への受診が求められます。背中はニキビの発生率が高いです。背中に皮脂腺と呼ばれる皮脂の分泌腺が集中しているので皮脂の分泌量が多く、汗もかきやすく、衣服などで常に覆われているなど、さまざまな要因によってニキビができる環境が整っていると考えられます。上述したように、みえにくいのでケアも遅れがちになるのがほとんどです。ニキビができても、炎症や化膿などの重症化に至っていない場合は、日常的なケアなどで改善が見込めるでしょう。背中ニキビの皮膚科での治療方法と処方薬治療法を説明する前に、健康保険が適用されるかどうかについて、説明していきます。治療ですので基本的に健康保険が効きますので、経済的な負担も少なくて済みます。しかし、治療方法の種類によっては健康保険が効かず自由診療となります。保険適応の治療法と保険適応外の治療を次にあげて、解説していきます。保険適用の治療法毛穴につまっている皮脂などの内容物を取り除くという治療である面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)というのがあります。内容物を取り除くことによって、ニキビの治りを早くします。しかし、保険適用内に限定すると、一度に多くのニキビの面皰圧出ができないことが多く、5〜6個までが一般的とされています。外用薬は抗生物質が一般的に使われています。抗生物質で炎症を起こしたニキビの原因菌とされるアクネ菌を殺菌して治療します。もうひとつ、毛穴のつまりを解消してつまりにくくするという効果を持つ外用薬(アダパレンなど)があり、この外用薬もニキビの治療薬として使われています。内服薬も抗生物質が処方されますが、漢方製剤、また少ないのですが原因がホルモンバランスの乱れであることが判明している場合は、ホルモン治療として低用量ピルや抗男性ホルモン薬などが処方されます。ホルモンバランスの乱れによって、男性ホルモンが過剰に分泌され、男性ホルモンが持つ作用である、皮脂の過剰分泌や角栓の発生や毛穴の縮小などがあります。その作用の働きを抑えるには、ホルモンバランスを整えるなどの治療が求められます。しかし、ほとんどはホルモンバランスが崩れていないことが多いようです。改善のために皮脂のコントロールの意味で、ビタミン剤が処方されます。美容皮膚科などでは保険適用外の治療も一般的な治療法は、イオン導入、ケミカルピーリング、そしてレーザー治療などがあげられます。ほとんどの場合はクリニックで処置されます。イオン導入は微弱な電流を流して、ニキビに有効とされる成分を肌深くまで浸透させます。痛みなどはほとんどありませんが、ペースメーカーを装着している場合は、この治療を受けることができません。ケミカルピーリングは、簡単にいえば古い皮膚をはがして、新しい皮膚を蘇らせるという治療法です。これによって、ニキビやニキビ跡の改善、さらにシワやたるみなどにも効果が期待できるとされています。レーザー治療は、ニキビの原因菌でもあるアクネ菌を殺菌し、ニキビ跡のケアなどを目的とした治療法です。ケミカルピーリングとレーザー治療は肌に負担がかかるので、肌の弱い人はクリニックで事前に申告し、受けられるかどうかを事前に相談するようにしましょう。背中ニキビの予防法食生活を含む生活習慣の乱れなどを改善することによって、背中ニキビの予防につながることに期待が持てますが、背中のケアも心がけることも求められます。入浴時、背中を洗うときにおすすめなのが一般の固形石けんです。抗菌作用のある石けんもありますが大きな効果の違いはありません。消臭効果もあるので、体臭の予防には効果的とされています。入浴後、汗をかかないようにすることが大切です。衣服など、背中に触れるものすべて清潔に保つことも求められます。また、背中の風通しのよい肌着や衣服の着用も心がけましょう。監修:馬野詠子
2017年04月25日