頑張っても上手くいかない子育て。それなら「伝え方」を変えてみては?出典 : 親が口を酸っぱく言っても聞いてない、根気よく諭してみてもわかってくれない、キツく叱って反省したかと思いきや、次の瞬間にはすぐに同じ間違いを繰り返す…なんてことばかりだと、お母さんもクタクタになってしまいますよね。その上、子どもがちょっとでも気になる行動をすれば、周りから「しつけがなってない」「叱り過ぎ」「甘やかし過ぎ」だとか、「ほったらかしてる」…こうした厳しい目線をチクチク感じてしまうと、「これ以上、一体どうすりゃいいの!?」と途方に暮れてしまいます。これは、毎日本当に疲労困憊しながら頑張っているお母さんにとっては、とても辛いことだと思います。だって、人1倍、いや、10倍は頑張っているのに、謝ることはあっても、誰も褒めてくれないんですから。私も以前は「頑張っているのに、なんで私だけこんなにうまくいかないんだろう…」と、いつも思っていました。でもね、もしかしたら「その子に合った伝え方」を見付けることで、子どもたちはルールを守ったり、ガマンや妥協ができたりするかもしれません。毎日しんどい思いをしているお母さんが、ほんの少しの工夫ですぐにできる、子育てのコツを3つ、うちの子専門家の楽々かあさんがお伝えします。Upload By 楽々かあさんつい言いがちな「ちょっと」や「ちゃんと」などの曖昧な表現や、「人の迷惑になる」などの抽象的な言い方は、まだまだ人生経験の少ない子どもにはイメージしにくいようです。その場合には「してほしいことを具体的に伝えて」みましょう。例えば、●ちょっと待って→あと◯分待ってね●ちゃんとしなさい!→シャツをしまって、背筋をピンとしてごらん●電車で騒ぐと迷惑だよ→声が大きいと、他の人が次の駅の名前を聞き逃しちゃうから、「これくらい」で話そうね(実際に小さな声の手本を見せる)●走るな!→歩こうね…という感じで変換し、「ちょっと」とは一体どのくらいなのか、「ちゃんと」とは一体どういう動きのことなのか、「迷惑」とは一体誰がどんな思いや不便をすることなのかを、「具体的に」伝えてあげると「ちゃんと」動きやすくなります。また、「〜してはダメ」「〜しない!」という否定形ではなく、「◯◯だったらOK」「◯◯するなら大丈夫」というように、「やっていいこと」を肯定形にして伝えます。あとね、夢中になると周りに気付けないお子さんには、遠くから大声で呼んでも耳に入らないので、ムダなエネルギーを消耗するだけです。その子の近くまで行って、名前を呼んでつんつんして気付かせたり、「かあちゃんを見て?」と言って、子どもが注目してから話し始めたりすると、効率が良いと思います。(これ以外の子どもに伝わりやすい声かけ例は、楽々かあさん公式HPから無料配布している「声かけ変換表」をご参照下さい)楽々かあさん公式HP参考:Facebook記事「声かけ変換表(指示・命令・禁止)」(初出:2014.7.4)Upload By 楽々かあさんまるで自動消音装置でもついているかのように、親の小言が見事に右から左へ抜けていく子は、耳からの情報よりも目からの情報のほうが受け取り易い可能性が高いです。「言っても言っても分からない子」は、「見えるようにすれば分かる子」なんです。だから、「よく言う小言は紙に書く!」というのは、うちの育児の鉄則です。いっつも同じことばかり、繰り返し言っている気がしたら、目につく場所に貼り紙をすれば良いのです。その時に分かりやすいマークやアイコン等を描いたり、目立つ色にしたりすれば、気付き易くなります。それから、●イラストやマンガ、写真●箇条書きのリストや手順●図や表、フローチャートなどで表示してあげると、複雑なルールや抽象的で難しいことも、延々とお説教するよりも、ずっとわかりやすく、そして頭に残りやすくなります。100回言っても伝わらないことも、1回絵を描くだけで伝わることもあります。絵を描くのが苦手なお母さんは、棒人間でも充分ですし、写真をスマホアプリで加工したり、ネットのフリー画像や園・学校のお便り、パンフレット、フリーペーパーなど、使えるところをコピーしたり切り抜いて貼れば大丈夫です。それから、「せっかく貼り紙をしてもそれを見るのを忘れる」というツワモノのお子さんには、もう一手間かかりますが、「何を見ればいいんだっけ?」と、紙を見るように気づかせる声かけを併用するといいと思います。参考:Facebook記事「おうち標識」(初出:2013.12.20)Upload By 楽々かあさん普段は子どもに7割くらい、穏やかに優しくできていても、ついに堪忍袋の緒が切れ「いい加減にしなさいッ!」と、大声でカミナリを落とすこともあるでしょう。そんな時だけ、パパやご近所さんは気が付くものですが、さっきまでできていた7割のほうもちゃんと見て欲しい、と思うこともあるのではないでしょうか。これと同じように、子どもが良くない行動をした時だけ注意していると、子どもも「いつも怒られてばっかり。おれだって頑張ってるのに全然わかってくれない!」と不満になるかもしれません。子どもが褒められるようなことをしていなくても、普通に過ごせている時には、そこを褒めてみましょう。例えばうちでは、3兄妹が特別美しい兄弟愛の姿を見せていなくても、ほどほどに楽しくケンカをせずに遊べている時には「かあちゃん、今日は平和で助かるわあ」と声かけしています。そして兄が弟を叩くなど、良くない行動があったときも、「やめて!」と強く短く言い、叩くのをやめてくれたら「やめられたね」と褒めます。しぶしぶでも、夢中になっているゲームの手を止め、宿題に取りかかれた時も同じです。一見ワガママに思えることや、他の子にとっては「できて当然」と思えることでも、ちょっとでもガマンできたり、気持ちを落ち着けたり、しぶしぶでも妥協できたときは、褒めるチャンスです。●「ガマンできたね」●「頑張ったね」●「譲ってくれてありがとう」と、努力や過程を褒めたり、感謝を伝えたり、その子の努力に応じて声をかけ、ポイントやごほうびを与えたりします。当たり前のようなことの頑張りであっても、気付いて伝えると、少々やんちゃなお子さんも、良くない行動をいつもより早めにやめてくれたり、ガマンや妥協したりできるようになると思います。大人でも、ちょっとしたことで「頑張っているね」「ありがとう」と言われたら、まんざらでもないですよね。参考:Facebook記事「ポイント手帳2015」(初出:2015.3.13)まとめ出典 : どうでしたか?「言っても言ってもわからない子」に伝わる、ほんのちょっとの子育てのコツはいくらでもあるんです。そして、子どもがなかなかわかってくれなくても、それは決してお母さんが頑張っていない、という意味ではありません。毎日、子どもに身支度をさせる、3食食べさせる、園や学校に行かせる、スーパーや公園に連れて行く、一日を無事に終える…そんな当たり前のような日常の、お母さんの大変さや頑張りには、なかなか周りの人もパパも気付いてくれません。でも、今日までお子さんが元気に無事成長できているのは、そんなお母さんの地道な日々の努力のおかげです。自分のことも、たくさんほめてあげて下さいね。参考書籍:著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」大場美鈴・著/汐見稔幸・監修(ポプラ社)
2016年09月26日親はわが子の将来を思い、幼い頃からさまざまな機会を与え、いろいろなことにチャレンジさせようとします。その中でなにが、子どもにとっての財産になるのか? 先輩ママたちが今までの経験から「やらせてよかったこと」について聞いてみました!先輩ママのオススメTOP7子どもの可能性は無限大。凝り固まったオトナと違って柔軟性に富み、制限や限界とも無縁。その気になれば何でもできちゃう才能のかたまりです。とはいえほったらかしでは、せっかくの芽も花開くまま。そんな子どもに、「経験」というチャンスを与えてあげるのがオトナの役目かもしれません。ただ、情報や選択肢が多すぎて、「何をやらせたらいいのか?」と、わからなくなっているママも少なくないはず。そこで、先輩ママの経験から、オススメを選んでみました。英語「英語がしゃべれると人生が広がる。ものおじしないで、外の世界へと飛び出していける」「人との関わり方が積極的かつ一生懸命になったような…」水泳「カラダが丈夫に。細マッチョのボディは、わが子ながらほれぼれ!」「身を守るスキルとして必須」「私自身、泳げなかったため苦労した過去が…。『泳げない』というコンプレックスだけは背負わせたくなかった」ピアノ「楽譜を読めるようになるのは大きな自信となる」「気分転換によく弾いている。いい趣味ができたと思う」アウトドア「お風呂に入れない、ぐっすり眠れない…など、キャンプなどでちょっと不自由な思いをしておくと、災害など、いざという時にへこたれにくい」「夜の暗闇や満点の星空など、普段経験できない自然の強大さに驚き!? 」「枯れ枝を拾って火をおこしたり、川で魚を釣ったり…サバイバル能力が磨かれる」 農業体験「いろいろな虫を怖がらなくなる」「花や野菜の生育過程が学べる。世話の大変さと収穫の喜びも」「汗水流して気分爽快。土いじりは心を安定させる」ペットの飼育「かわいがる、守るという意識が芽生えた」「ごはんをあげたり散歩に出かけたり…。どんなに面倒でも、やらなければならないことがあると学んだ」「病気の大変さや死の悲しみを知った」海外旅行「『違い』を受け入れ、楽しめるようになった」「自分の中にあるいろいろな常識がくつがえされ、変なこだわりが少なくなった」すべての経験にムダはなし!「これまでいろいろ経験するチャンスをあたえてみたけど、そのすべてにたいした興味を示さず。実際やらせても、好きになることもなし。これって、ムダ骨!?」せっかく機会をあたえても、見向きもしなかったり三日坊主で終わったり…。「ムダ」だと感じたママもいるようですが、たとえまったく成果を実感できなくても、落ち込む必要はありません。何事も、経験することに意義あり。「合わない」「嫌い」も立派な学習です。ママが子どもにあたえたチャンスはすべて、血肉となって子どもの人生を支えていきます。もっとも大切なことは…ママががっかりしたり、あきらめないことです!
2016年09月08日聞くことが苦手な息子が考えた、コミュニケーション方法出典 : アスペルガー症候群の息子は、コミュニケーションにおいて、いくつかの困難を抱えながら生きています。言語は達者ですが「話す」ことの円滑さに相対して、「聞く」ことが苦手。だからこそ、「人の話を聞かない」「空気が読めない」などと言われ、同級生や先輩、年下の相手に至るまで、息子は上手く関わる事ができず、時々衝突します。子どもだけではありません。相手が大人でも、コミュニケーションが上手くいかないことがあるのです。ある日息子が自慢げに、説教の受け方を教えてくれたことが、あります。「大人が怒って説教を始めたら、タイミングよくうなずいて、時に『はいっはいっ』と相槌を打つ。相手の言葉が切れたところで、素早く謝る。僕の経験だと、この方法が1番早く説教が終わる。」息子は、説教を聴いて反省するのではなく、いかに早く説教を終わらせるかを、考えていました。これまでのお説教は、半分しか届いていなかった?出典 : 「大人の説教は雑音にしか聞こえない。不快な音にしか聞こえないから早く終わらせた方が良い。」こう考える息子は、決してふざけている訳ではありません。ガミガミくどくど言われても、頭に入っていかないようなのです。息子にとって説教する先生の声は、雑音があまりに多すぎるために、「伝えたいこと」が届かないのです。息子は、「何もかも一生懸命聞くと、頭がこんがらがってパニックになってしまうけど、聞かずに相槌と謝るタイミングを計るだけにしたら、耐えられるようになった」と教えてくれました。「お母さんのお説教も、雑音にしか聞こえないの?」と思わず聞きました。「お母さんの説教も半分は雑音だけど、お母さんはちょっと違うんだ。聞き流している僕の耳に、突然スコンと言葉が入ってきて、思わず納得してしまうんだよ」母親として息子の発見に感心しつつ、自分の言葉も半分は雑音だったかと思うと、少し複雑ではあります。「お説教の内容に納得してしまう割には、『うーっ』って唸ったり、泣いたりするよね?どうして?」と聞くと、「言われたことを脳が考えようとしてるのに、それも待たずに次々と言うから、混乱しちゃうんだよ」と息子。息子は注意をされる場面で、「ふてくされている」とか「返事がない」と思っていましたが、実は混乱しているだけだったんですね。妙に納得してしまいました。息子にとって嫌な説教というのは、厳しさではなかった!出典 : 説教の話で1人、思い出した先生がいます。中学に入った息子が「すごく良い先生なんだよ」と教えてくれたのですが、その先生の評判を聞いて驚きました。学年で1番厳しい先生だったからです。こんなに厳しい先生を気に入っているのはなぜだろう?不思議に思って聞いてみました。「先生は厳しいよ、でも正論しか言わない。どんなことを言われても納得してしまう。だから何を言われても大丈夫。僕がキライなのは、結論を出さずに話がどんどん変わっていく人。最後まで一生懸命聞いても、最終的に何が言いたいのか分からない人の話は、説教じゃなくても、雑音にしか聞こえない。」息子が苦手なのは怖い人ではなく、わかりにくい人だったんだ!目からウロコが落ちる思いでした。「話しているうちに、あちこちと話題が変わったあげく、明確な結論が出ない」といった会話は、息子を最も混乱させるのだと、思っておいたほうが良さそうです。息子が「お母さんの話も半分は雑音」と言った意味の謎が少し解け、気を付けるべきポイントも、把握できました。「わかりやすいこと」が成長につながる出典 : この先生、実は音楽の先生です。この点も私にとっては意外でした。小学校時代、音楽といえば息子が苦手な教科の1つでした。特に合唱は苦手で、毎回のように脱走!その様子から、この子は音楽に親しむことは無いだろうと思っていたのです。しかし息子は、この先生が結成した合唱団に率先して入り、部活と掛け持ちしてまで、厳しい練習に参加しています。先生からは音感の良さを評価され、見事パートリーダーを務めるまでになりました。小学校時代からは、とても考えられない変貌ぶりです。それには理由がありました。「小学校のとき、合唱は究極の雑音だった」とも話していた息子。そんな彼が「先生は、音が外れることを許さない。練習をしているうちに合唱は、雑音ではなくなっていった」と笑顔で話してくれました。これは先生の、ブレずに首尾一貫した指導方針が、導いて下さったからだと理解し、感謝しています。先生のわかりやすい伝達方法、コミュニケーションの方法が息子の感性と呼応して、良い結果が生まれました。この成功体験は息子の成長のために、大変意味がありましたし、私自身も気付かされる部分の多い出来事でした。雑音を減らすのは簡単じゃないけれど、できることはある出典 : それでも、わかりやすく話すのはまだ難しく、残念ながら未だに私の小言の半分は雑音のようです。感情的にならず、少ない言葉で伝えればよいのですが、これがなかなか難しいのです。私の話は時々「わかりにくい」と知ってから取組んでいるのは、感情のまま、言葉のシャワーで押しきろうとはせず、まずは親子でクールダウンを心がけることです。落ち着いたら、こちらから素直に謝り、息子の中に、わだかまりが残らないようにしています。ゆっくり話すと、大人側に「これは別にガミガミ言うほどのことじゃなかった」という気付きがあります。冷静であれば、大切なことだけを端的に話す事ができますし、何よりも「この子は受信より発信が得意だった」と、こちらも聞く態勢へ、シフトする余裕が生まれます。息子とのやり取りで、「聞き上手は話し上手」だと、私自身が気付かされました。とはいえ親だって人間!雑音を無くすことは難しいけれど、ひと手間かけて「わかりやすく」する工夫はできる。このひと手間、意外と親子の絆を深めてくれるかもしれませんよ。
2016年09月07日子どもが言うことを聞いてくれないのは、子育てにおいて大きな悩みの一つ。でもよく考えて見てください。ほんとうに子どもは、お母さんの言うことを全部聞かないといけないのでしょうか。ほんとうに大人の言うことが、全て正しいのでしょうか。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち第12回:「逆効果だらけ。親に口うるさく言われる子どもの気持ち」第13回:「すぐに『ごめんなさい』って言えないワケ」自分の目標達成より、ママの言いつけを守るのが正解?ママ:も~片付けてって言っても片付けないし、ご飯だよって言っても食べないし。何でママの言うことが聞けないの!?K:片付けてって言えば片付けて、ご飯だよって言えば食べる。ママはそういう子が好きなの?ママ:好きというか…ママの言うことをちゃんと聞いてすぐに行動してくれたら、ママが助かるのよ。K:ママのことは困らせたくないよ。でもさ、今いいところだったんだ。あと少しでブロックで家が出来上がるところだった。それなのに急にママが「早く片付けて、ご飯よ」って言ったんだ。ねぇママ、自分の目標の達成より、ママの言うことを聞くことを優先する。それでボクはほんとうにいいのかな?何だかモヤモヤするんだよ。ママ:それでは自分のことは犠牲にして、他人の目を気にする大人に育ってしまうわねぇ。自分というものが育たないわ。K:でもママに怒られるから、結局は自分を諦めることも多いんだよ。ママの言うことは全て正しいわけじゃないK:子どもは多かれ少なかれ、親の、特にママの顔色を伺うからさ。だから時々迷うんだ。自分の気持ちを守ればいいのか、ママの言うことを守ればいいのか。ママ:なるほどねぇ。ママは子どもの気持ちを聞かないで、自分の考えを押し付けていたかもしれないわね。K:あとさ、この前はママとおばあちゃんの言うことが違ったでしょ?ボクが車のオモチャで遊ぼうとしたら、弟が横取りしようとしたとき。ママはボクに向かって「お兄ちゃんなんだから貸してあげなさい」って言って、おばあちゃんは弟に向かって「お兄ちゃんはまだ遊んでないから、お兄ちゃんが遊んでから借りようね。順番だよ」って教えてた。ボクはおばあちゃんの言葉を聞いてモヤモヤが消えたんだ。いつもママの言うことを聞いてすぐに弟にオモチャを貸してたから、モヤモヤしてたんだよね。ママ:ごめんね、あれはママも勉強になったわ。結局おばあちゃんの意見を優先したわよね。K:でも、ちょっと不安にもなった。ボクにとってはいつでもママが1番だったけど、あのときはおばあちゃんの言うことが正しかったでしょ。ママの言うことは何でも正しいわけじゃない、って不安になった。ママ:そうね…。ママはね、いつも「子どものため」を思って、話しているつもりなのよ。でもね、100%そうかって言ったら違うわ。「ママが大変だから」「ママの体裁が悪いから」って「ママのため」を考えて自己都合を押し付けているときもあるし、「疲れて頭が回らなくて言ってしまったこと」もあるし、おばあちゃんのときみたいに「ママの考え自体が間違っていた」こともある。そう考えるとママの正しさは80、70、60%…って下がる。もちろん命やケガの危険については正しいことを言ってるって自信があるんだけどね。ママはこのことを知らなかったんだわ。「無知の知」って大切ね。反抗は自分で考えるはじめの一歩ママ:実は間違えるのってママだけじゃないのよ。パパも、おばあちゃんも、お友達も、学校の先生も、偉いって言われる人でも、誰でも間違えるの。それにね、「正しさ」って人によって変わるのよ。K:じゃあボクは誰の言うことを聞けばいいの?まだ知識や経験の少ない子どものボクは困るよ~。ママ:それはあなたが決めていかないといけないのね。「いま自分は誰の言うことを聞くべきかな?」「いまの自分には何が正しいのか?」ってね。そう考えると、Kが言うことを聞かなくなったのは、ある意味自立の一歩ね。K:自分で決めて間違えたら?ママ:間違えるのが当たり前なの。全て正しいということ自体が無理なのよ。むしろ子どものことほど多くの間違いを重ねることで、正しさを見極める力がつくの。だから落ち込みすぎないで、糧にしていってくれると嬉しいな。K:ママにもサポートをお願いしたいな。ママ:まずはKの気持ちを聞くことからね。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち第12回:「逆効果だらけ。親に口うるさく言われる子どもの気持ち」第13回:「すぐに『ごめんなさい』って言えないワケ」ライター:宮野 茉莉子
2016年09月01日【ママからのご相談】子どもが音楽を聞きながら勉強しています。勉強をするのはいいのですが、音楽を聞いていたら集中できないので、意味がないのではないかと思います。注意するとすねて勉強をやめてしまうので、どうしたものかと……。 音楽を聞きながらの勉強は効果があるのでしょうか?●A. 子どもが集中しているか見極めましょう。ご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木です。子どもが勉強したり、宿題をしたりするのはいいのですが……。音楽を聞きながら勉強していたら、ちょっと気になりますよね。とはいえ、せっかく子どもが自分から勉強を始めたのに「音楽は聞くな!」と言うと、勉強しなくなってしまうのではないかと不安になるのではないでしょうか。悩ましい問題ですよね。●音楽を聞きながら勉強するのには理由がある音楽を聞きながら勉強する理由は大きく分けて2つです。ひとつは、“落ち着かない”から。音楽を聞きながら勉強する中学生は、こんなふうに言います。『静か過ぎると落ち着かない。少し音楽がある方が集中できるし、はかどる気がするんです』(中1男子)実はこれ、脳科学の観点でも言われていることなのです。人間は、“静かで壁に囲まれた狭い空間にたった一人でいること”に慣れていないそうです。たとえば、こんな経験はありませんか?自宅で読書よりも、カフェの方が落ち着く、はかどったという経験が。BGMや周りの人のおしゃべり、調理するときの音。適度な雑音がある方が、人間は集中できるのです。自然に生活していれば、何かしらの音が出るのが当然 ですね。全く音がない状態というのは、かえって不自然な状態なのです。だから、静かな部屋で一人で勉強するときに音楽を流したくなるのです。反対に、あまりにも音がうるさいのも、不自然な状態といえます。自宅の近くで工事をしていて騒音がひどい、家族がテレビを見ていてその音が漏れ聞こえてくるから集中できないという理由で、要するに耳栓がわり。私の生徒にも、こんな子がいます。『毎晩のように夫婦げんか、兄弟げんかが聞こえてくる。うるさくて集中できないから、音楽を流して聞かないようにしないと集中できないし、音楽がある方が安心できる』(中2女子)●勉強の環境は適切か?もし「音楽を流さないと集中できない」なら、静かすぎる、うるさすぎる不自然な状態に耐えられないのかもしれません。「音楽を聞きながら勉強してはいけない」と言う前に、環境改善が必要 です。音楽を聞くにしても、日本語の曲はやめて洋楽にするとか(日本語の曲は感情移入したくなったり、歌いたくなったりする)、集中できる音楽にするとか、音楽のジャンルを選びましょう。●音楽を聞きながら勉強してはいけない人そして、もうひとつの理由は、“音楽が好きすぎる”こと。『音楽が大好きで、音楽を流して歌いながら勉強しています』(中1女子)もしこちらの理由で音楽を聞きながら勉強しているなら、やめましょう。音楽に気を取られてしまい、勉強に集中できるわけがありません。特に、歌を歌ってしまうような人は絶対にやめた方が良いです。ただし、いずれの理由にせよ、「最初は音楽が聞こえていたけれど、気が付いたら聞いていなかった」という人は、音楽を聞きながら勉強しても大丈夫です。聞こえないのは集中している証拠。集中するための儀式として音楽を聞いている ならそれで大丈夫です。結論としては、集中できているなら音楽を聞きながら勉強してOK。集中できていないならやめるべきです。一度、お子さんが音楽を聞きながら勉強する様子を観察してみましょう。加えて、なぜ音楽を聞きながら勉強しているのか聞いてみてください。音楽がある方が集中できているようであれば大丈夫です。歌いながらであればやめたほうがいいでしょう。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年08月13日子どもが毎日オモチャを散らかしっぱなしにして困っているというママは多いものです。何度叱っても言うことを聞かないし、自分でやった方が早いから……とママが代わりに片付けることもしばしば。しかし、子ども自身に片付けさせなければ、子どもは一生“片付け下手”な人間として生きていくことになります。将来“汚部屋”の中で生活するような子にはなってほしくないですよね。そこで今回は、子どもをお片付け上手にする“収納教育”についてお話ししていきます。●なぜ収納教育が必要なのか“お片付け”って、軽く見られがちです。物を整理して収納する能力は、生きている限り絶対に必要なものです。自分の部屋だけでなく、スーパーやレジの商品陳列、オフィスの書類整理だって“お片付け”の能力があるかないかで仕事ぶりにかなり差が出てきます。また、物事を分類して整頓するクセがついていれば、頭の中も整理整頓することができ、混乱することなく生活することができます。そのぐらい“お片付け”は大事な能力 なのです。国語や算数とともに必修科目にしてもいいぐらいです。“お片付け”をする力は日頃から習慣づけることで成長していきますから、なるべく子どものうちから覚えさせた方がいいのです。●収納教育によって得られるメリット3つ収納教育をすることで、子どもにさまざまなメリットが生まれます。●(1)思考能力の向上物を片付けるということは、“いる・いらない”の取捨選択をすることなので、自然と思考能力が高まります。自分で考える力が強くなるのです。思考能力が向上することで、決断力や優先順位づけする力 が身につきます。社会に出てから必要な能力ですね。●(2)自発性が高まる自ら考えて行動することで、自発性が高まります。昨今では上司から指示されないと仕事ができない“指示待ち人間”が問題となっていますが、収納教育をすることで自立した人間に成長させることができます 。●(3)物を大切にするようになる自分でお片付けをすることで、物に愛着がわくようになります 。乱暴に扱って壊してしまったら、自分で捨てなくてはいけないからです。それが自分のお気に入りのオモチャであればなおさらツラいことです。自分で片付けさせることで、物を乱暴に扱うことがどういうことかを分からせることができます。●効果的に“収納教育”をする方法5つ●(1)子ども目線で分かりやすく説明する子どもにお片付けをさせるとき、「コレしまって!」とひと言で指示していませんか?もしかしたら子どもはそれをどこにしまっていいのか分からないのかもしれません。「前に教えたから」という気持ちは飲み込みましょう 。子どもが忘れているなら根気づよく説明してあげる必要があります。また、そもそもママの説明が難しくて理解できていなかったという可能性もあります。お片付けをする場所を教える際は、子ども目線で分かりやすく説明してあげましょう。●(2)絵本で“お片付け”の大切さを教える絵本の中には、お片付けがテーマの作品がたくさんあります。お片付け絵本は大体モノの大切さを教えている内容のものが多いので、ぜひ子どもに読み聞かせてあげましょう。オモチャに感情移入させる系の絵本が多いので、物を大切にするようになりますよ。●(3)収納方法を簡単にする子どもが物を片付けないとき、収納方法が難しくて放棄している 場合があります。わが家の収納方法が子どもの年齢に適しているかを見直してみましょう。細かく分類しすぎているようなら、大きなカラーボックスを用意してそこへオモチャをしまうようにしても良いです。まずはお片付けの概念を教えることが大切です。慣れてきたら次のステップへ進みましょう。●(4)たくさん褒める子どもは単純です。ママから褒められればやる気を出しますし、叱られればやる気がなくなります。そこで、子どもが上手にでお片付けできた場合は多少大げさでも構わないので、褒めてあげましょう。それを繰り返すことで、子どもの頭の中に「お片付けをすると褒めてもらえる」 という認識が生まれます。お片付け上手になるためには、まずお片付けを好きになってもらう必要があるのです。●(5)怒らずに考えさせる子どもは“お片付け初心者”です。オモチャを全く片付けない日があったり、間違った収納方法を取る場合があったりします。しかし、そんなときに「片付けなさい!」と怒るのはNGです。怒ると“お片付け=嫌なこと”になってしまいます。オモチャを片付けていない場合は、「オモチャを片付けないとどうなる?」と問いかけたり、「このオモチャはどこにしまうんだっけ?」と優しく聞いてみましょう。子どもは考えればちゃんとできます。それを信じてあげることが“収納教育”の基本 となります。----------いかがでしたか?物を片付けられない大人って結構いるものです。自分の子どもには整理整頓が上手な人になってほしいですよね。今のうちからしっかりと“収納教育”をするようにしたいですね。【参考リンク】・1.整理・収納のメリット | ワークアップ株式会社()●文/パピマミ編集部
2016年07月09日あなたは、お子さんに絵本の読み聞かせをしていますか?働くママは「毎日忙しくて、そんな時間はないわ!」と思うかもしれませんね。しかし、普段お子さんとゆっくり接する時間が少ない働くママにこそ、絵本の読み聞かせをおすすめしたいのです。絵本の読み聞かせは、子どもに対してたくさんの良い影響をもたらしてくれるからです。今回は、絵本の読み聞かせが子どもに与えてくれるメリットについてご紹介します。想像力や知的好奇心、表現力が育まれる 絵本を読んでもらいながら、子どもたちは「次のページではどんなことが起こるかな」「このとき、主人公はどんな気持ちでいるのだろう」と、わくわくどきどきしながら、さまざまな思いをめぐらせています。この積み重ねが、子どものイメージ力や想像力を育んでくれるのです。また、絵本を読んでもらうことで、まだ自分の知らない世界や物事に対して「これは一体何だろう」「これはどういう意味だろう」という知的好奇心が生まれます。また、絵本で使われている言葉や、イラストの表情やポーズなどを真似ることで、子ども自身が自分の気持ちを伝えるときに必要な表現力を身につけることもできます。社会常識や優しさ、思いやりの気持ちを学ぶことができる絵本という世界を通して、子どもは社会勉強をします。「こういうことをすると周りの人が困る」「お友達と楽しく遊ぶためには、約束や順番を守らなくてはいけない」などの社会的なマナーや 挨拶の仕方や、トイレの使い方、四季の行事などについての常識を、絵本を通じて子どもに学ばせることができます。また、絵本は「お友達が悲しい思いをするような意地悪な言葉は使わない」「困っている人がいたら、助けてあげたい」など、誰かのことを思いやる気持ちや優しい心、善悪を判断する道徳心を育てるお手伝いをしてくれます。絵本を読みながら「○○ちゃんはどう思う?」などと子どもと会話していくことによって、子どもは自分の頭と心を働かせて常識やマナー、道徳心を身につけていくことができます。そして、幼い頃に知らず知らずに育まれた常識やマナー・道徳心は、やがて子ども自身の社会適応力につながっていくのです。絵本の読み聞かせは学力の基礎となる親が子どもに絵本を読み聞かせてあげると、子どもはお話を最後までしっかりと聞く集中力を身につけるとも言われています。この集中力は、人の話をよく聞ける能力でもありますので、幼稚園や小学校での先生からのお話も注意深く聞き、行動できる子どもになるのです。また、親がさまざまな種類の絵本を読み聞かせることで、子どもは多種多様な語彙に触れることができます。語彙力がある子どもは、自然と国語力や読解力が伸びていくのです。読解力は、国語だけでなく数学や科学などの問題を解くための基礎にもなるものですから、絵本を読むことが、子どもの全体的な学力を伸ばす可能性を高めるとも言えるでしょう。子の「読解力」は成長してからつけようと思っても、そう簡単に身に付けられるものではありません。幼い頃から、親が絵本を読み聞かせ、子どもがその内容をイメージしたり、理解したりすることを繰り返し行うことが「読んで、理解する力」を育てるのです。子どもの未来のためにも読み聞かせをしよう最近は共働き家庭も増え、子どもは保育園や学童から帰ると急いで食事をとり、お風呂に入って、ろくに親子のコミュニケーションも取らないまま、慌しく就寝するというケースも多いようですね。「甘えたい盛りの子どもに寂しい思いをさせているのではないか」と心配しているママは是非、寝かしつけ前の20分か30分間、子どもと寄り添ってスキンシップしながら絵本を数冊、読み聞かせてあげましょう。このたった20~30分の絵本を通じた親子の触れ合いが、子どもの自己肯定感を高め、EQ(情動)の発達につながるからです。EQとは「心の知能指数」「感情調整能力」とも言われており、社会的に成功したり、人間関係を円滑にしたりするのに必要不可欠なものです。慌しい毎日の生活の中で、たった数十分だけだったとしても「親が自分のために優しく本を読んでくれた」ということで、子どもはしっかり親の愛情を感じ、自己肯定感を高めることもできるはずです。EQも自己肯定感も、子どもたちが幸せな人生を歩むためにはとても大切なものと言われています。忙しいママにこそ、絵本の読み聞かせをおすすめします。
2016年06月02日【ママからのご相談】子どもが「どうして勉強しないといけないの?」と繰り返し聞いてきます。どうやら、勉強がつまらないらしく、やる気が出ずにこんなことを言っているようです。超有名な学校に入ってほしいとは思わないですが、せめて勉強を嫌いになってほしくありません。家でできることはありますか。●A. 子どもが興味をもつ4つのツボをおさえる!ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。これまで勉強に興味のない子どもに対して勉強を教え、興味を持たせることに取り組んできました。●勉強が嫌いになる理由勉強が嫌いになってしまう理由は大きく2つあります。1つは「できない」から 。上手にできないことを好きになるのは、大人であっても難しいですよね。上手にできないとき、頑張っても成果が出ないとき、一生懸命頑張れば頑張るほど、子どもは勉強を嫌いになっていきます。もう1つは「つまらない」から 。自分のやっていることに意義が見いだせていないのです。意味のわからないことを1日何時間もやらされていれば、嫌いになるのも無理はありません。大人はつい「勉強は我慢してするものだ!」なんて言ってしまいますが、子どもは楽しみが見いだせないとどんどん勉強が嫌いになります 。●勉強のやる気を引き出すツボ4つそこで、勉強が「できない」「つまらない」を解消するために、『ARCSモデル』 をご紹介します。ARCSモデルは、アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラーが「学習のやる気を出す方法」をモデル化したもので、4つの要素の頭文字をとって、このように呼ばれています。『ダイヤモンド社』の人材開発用語集サイトでは、以下のように説明されています。**********①注意(Attention)学習者の興味関心を引き、探究心を喚起する。マンネリを避け、学習者に「面白そうだなぁ」 と思わせることである。②関連性(Relevance)学習の目標に対して親しみをもたせ、与えられた課題を受身的にこなすのでなく、学習者が自分のものとして積極的に取り組めるようにする。目標に向かうプロセスを楽しめるようにし、学習者に「やりがいありそうだなぁ」 と思わせることである。③自信(Confidence)ゴールを明示し、成功の機会を与える。自分の努力によって成功したと思える教材にし、「やればできそうだ」 と思わせることである。④満足感(Satisfaction)学習の結果を無駄に終わらせない。目標に到達した学習者をほめて認める。公平な評価を行い、「やってよかったなぁ」 と思わせることである。**********この4つを順番に刺激できればやる気がアップします。どれか単体として刺激しても、効果が現れます。おうちで子どもと一緒に勉強する際には、この4つ全てを考えながら勉強を教えるのは難しいかもしれません。しかし、どれか1つをおさえることはできそうなのではないでしょうか。例えば、・勉強のときに一緒に絵を書いて「おもしろい!」と思わせる・勉強することやその内容が、日常生活と密接に関わっていることを教えて「やりがいがありそうだ」と思わせる・たくさんある、やるべきことを細かく小さく分解して、「これならできそうだ」と思わせる・勉強が終わったらほめて、「やってよかった」と思わせるこれだけなら、普段の取り組みと心がけ次第で、おうちでできることがたくさんあるはずです。むしろ学校よりも家でこのような話をしておいたほうが、勉強に対して興味関心を持てるかもしれません。この4つのツボをおさえて、お子さんと話をしてみてくださいね。【参考リンク】・ARCS(アークス)モデルとは | ダイヤモンド社の適性検査・社員教育・研修()●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年05月22日■子どもをきちんと叱れない親が増えている最近、子どもをきちんと叱れない親が増えています。たとえば、危ない場所で、危ない遊びをして、ケガをしそうなとき。たとえば、ほかのお友だちをケガさせてしまいそうなとき。あるいは、幼稚園や保育園、小学校の職員室に、誰もいないときに、子どもがこっそり入ったとき…。このようなどう見ても「ダメ」なことを子どもがしているときでも、子どもに「ダメ!」と禁止することができない親が増えているのです。なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。それは「子どもとの関係をこじらせたくない」と考える親が増えているからです。「ダメ!」「それをしてはいけません!」と厳しく禁止すると、子どもによっては、「どうして? いいじゃないか!」「だって、したいんだもん」などと反発して、親の言うことを聞きません。すると、親としては、ますます厳しく叱らざるを得なくなります。それに対して子どもは反発する…。こうやって、子どもの扱いがますます難しくなってしまうのをおそれます。そして、「友だち親子」のような仲良し関係でいられるために、子どもの行動を厳しく禁止することのできない親が増えているのです。■禁止すべきは子どもの「行動」また、子どもを厳しく叱ることの弊害を論じるメディアも増えています。たしかに、子どもに対して「おまえは、だめな子だね」「まったく、何度言ってもわからないんだから」「バカなんじゃないの」などと親から否定的な発言をされ続けると、「そうか、ぼくはダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせていく子どももいます。そして「どうせぼくは、何をやっても、無駄なんだ…」と、意欲を失ってしまう子どももいます。電車などで、子どもをヒステリックなまでに、大声できびしく叱り飛ばす親の姿を見ることもあります。「ほんと、あんたはどうしてまたそんなことするの!バッカじゃないのぉ!」と、大声で怒鳴るのです。これは叱っているというよりも、「プチ虐待」と言ってもいいと思います。子どもの心に傷がつき、前向きに生きる意欲を失います。その結果、大事なときにも頑張ることのできない子どもになってしまうのです。では、子どもに「ダメ!」と言ってはダメなのでしょうか。私の答えは、ノーです。つまり、子どもが禁止すべき行動をとったときに、親は「ダメ!」と言って、行動を押さえるべきなのです。これをしないと、自分をコントロールできない子どもになってしまいます。重要なのは、「行動の禁止」と「人格の禁止」を区別することです。「人格の禁止」は×です。「あなたは、まったくダメな子ね!もう!」などと厳しく叱り続けると、子どもの中に「ぼくはどうせダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせ、生きる意欲を奪ってしまいます。一方、「行動の禁止」は〇です。してはいけない行動を抑制するしつけは重要です。このとき、大切なポイントは、「人格を否定された」と子どもが感じないように、穏やかに、説明的に「なぜ、〇〇をしてはだめなのか」を理性的に子どもに、それがダメな理由が理解できるように、説明しながら、語りかけることです。「だめでしょ、それは! あんたはまったくもう!」などと、大声で怒鳴りながら叱っていると、親の側は「行動の禁止」をしているつもりでも、子どもの側からすると「人格を否定された」と感じて、生きる意欲を奪うことになってしまうのです。■いい子育て=手間ひまかけた子育てここまで、読まれて「なんだか。たいへんだな」「説明するって大変なんだよな。面倒くさい」と思った方もいることと思います。そうです。いい子育てには「手間ひまかける」ことがいちばん大切なのです。子どもと「友だち親子」になって、ダメなことも「ダメ」と言わない子育ては省エネ子育て。逆に、いつも「あんたはダメな子ね!」と感情的に怒鳴り続けるのも、省エネ子育て。一見、真逆でも、どちらも「手抜きの子育て」なのです。子どもに、なぜそれがダメなのかをわかるように、ていねいに説明するのは、かなり骨の折れる作業です。時間もエネルギーもかかります。しかも、「人格の否定」と伝わらないように、穏やかに、かつ、真剣に、話してわかってもらう必要があります。もう一度言います。よい子育ては「手間ひまかけた子育て」です。
2016年04月06日子どもの情緒を育てるために、また親子のコミュニケーションとして、積極的に行いたい「読み聞かせ」。でも、いざやってみようとすると、本選びに迷ったり、子どもが興味を示さなかったり、とうまくいかないことも。絵本の読み聞かせは、子どもに非常に大きな幸福感を与えると言われています。コツをおさえて、親子の時間をもっと楽しみたいですね。■読む絵本はどうやって決めればいい?「子どもに読み聞かせをしよう」と思ったとき、まず悩むのがこの問題。とくに赤ちゃんのうちは、どんな絵本を読んだらいいのか迷ってしまいますよね。まだ言葉を覚える前や、おしゃべりが上手にできないうちは、絵や色がはっきりしているもの、リズミカルな言葉で表現されているもの、シンプルな繰り返しが出てくるもの、などを中心に選んでみましょう。絵本に記載されている対象年齢を参考に、大きくなるにつれてストーリーのある絵本に移行していきます。子どもの年齢が上がってくると、徐々に本人の好みもあらわれてきます。でも、「この本は好きそうだな」と思って買ったのに、あまり喜ばなかった…というケースも。書店で何を買うか迷ったら、まずは図書館を利用してみましょう。子どもは、気に入った本があれば、何度も読みたがるはず。そうやって、お気に入りを見極めてから購入するようにすれば、子どもが本当に好きな本を与えてあげることができます。また、親が与えたい本と子どもが欲しがる本が食い違った場合は、交互に買うというルールを作るのもよいですね。■読み聞かせは膝の上で読み聞かせをするときに多いのが、子どもと向かい合って本を広げるスタイル。何人もの子どもを相手に読むときは、このような紙芝居スタイルになりますが、親子での読み聞かせは膝の上にすわらせて行うのがおすすめです。読み聞かせとは、ただ本の内容を伝えるだけでなく、子どもと本の世界を共有するということ。触れ合いながら、同じ目線で読み聞かせをすることで、絵本の世界により入り込めるはずです。■説明やアドリブを加えない少し難しい言葉が出てきたり、ストーリーがわかりにくそうだと感じたりしたとき、つい「これはこういう意味なのよ」と説明を加えたくなりますよね。子どもの理解を深めようとしてやりがちなこの行動、実はNG。話を中断することで、本の世界への感情移入や集中力を途切れさせてしまうのです。同じように「これはどういう意味だと思う?」「登場人物はどう思ったかな?」などと質問を投げかけるのも避けて。子どもから質問がない限りは、大人が先回りして働きかけをしないようにしましょう。もし子どもがわからなさそうな言葉が出てきた場合は、本を読み聞かせながら、その言葉があらわす絵を指差しましょう。こうすることで、話を中断せずに子どもの理解を促すことができます。そして、読み聞かせのもっとも大切なポイントは、自分も楽しむことです。子どもは「ママと一緒に楽しむ」ことが大好き。そして、ママの気持ちをとても敏感に感じ取ります。絵本の世界を親子で一緒に楽しみながら、素敵な時間を過ごしてくださいね。
2016年04月05日睡眠障害と聞くと、つい大人がなるものと思いがちですが、実は子どもも大人と同様に、睡眠障害になると言われています。 今回はその代表格でもある「夜驚症(やきょうしょう)」に着目し、それを抑える最新デバイスなども含めて紹介していきます。子どもの睡眠障害「夜驚症」とは?子どもに見られる睡眠障害のひとつに、「夜驚症」があります。これは睡眠中に突然目を覚まして泣きわめく、立ち上がって大声を発するなどの症状が見られるもの。夜驚症の発作が見られる前には、発汗や呼吸の乱れなど、自律神経関連の症状が現れることが一般的です。3~7歳ごろに最も多く発症するといわれています。夜驚症の特徴は、翌朝になると子どもは覚えていないことが多いという点。それは、深い睡眠であるノンレム睡眠のときに発作が起きているためと考えられています。発症から半年以内には発作が消えることがほとんどですが、心配な場合には早めに医師に相談するようにしましょう。夜驚症を防ぐデバイスがある?最近アップデートされた子どもの夜驚症を防ぐデバイスに「Sleep Guardian」があります。仕組みは子どもの布団の下に置き、発作兆候があった場合にのみ振動が起こって、不健康な睡眠サイクルを中断するというもの。それによって、夜驚症を未然に防ぐことができるといわれています。つまり、このデバイスは子どもの睡眠パターンを長時間追跡し、睡眠の状態を見守ってくれるというわけです。このデバイスを使ったことで、夜驚症の発作が2割程度にまで抑えられた子どももいるそうです。アメリカの製品なので、現在は英語版しか出ていないようですが、気になる方は「Sleep Guardian」で検索してみてくださいね。原因は精神的ストレス?病院での夜驚症の診察は、大半の場合は保護者である両親から発作時の症状や普段の生活などについて問診することで済むそうです。ただ、てんかんが疑われる場合は脳波測定を実施する病院もあります。夜驚症の原因はまだ明らかにされていませんが、日中に怖いテレビを見た、幼稚園で友達から嫌なことをされたなどがあると、それが刺激となって夜驚症を引き起こすことがあるそうです。保護者の方は心配になると思いますが、冒頭でも書いた通り、時間がたてば治ることがほとんどなので、過度な心配をせずに温かく見守ってあげるとよいかもしれませんね。photo by acworks
2016年03月07日子どもの学力と豊かな心を育むために、絵本を読むことがいいと言われています。どんな絵本を選んで、どんな風に読んであげるのがいいのでしょうか。年齢に応じた絵本の選び方と読み聞かせ方について、発達心理学が専門の内田伸子先生に伺いました。年齢にあった絵本の選び方と読み聞かせ方「赤ちゃんには、イラストや写真が大きくハッキリしていて、色も単純なものがいいでしょう。食べ物や動物、乗り物など、身近なもので子どもの興味を引くものが描かれている絵本がおすすめです。最初のうちは絵本をめくって絵を見せるだけもよく、絵本を通した『遊び』だという感覚を大切にすることがポイントです」「かわいいニャンニャン」「ピカピカ、キレイだね」などと、解説を加えたり、擬音を楽しんだりするのもいいそうです。「3歳までは、絵本の挿絵について話すなどしてもいいでしょう。4歳になったら、絵本の言葉は吟味されていますから、それを大事に、絵本に書かれているまま読み聞かせてあげてください。5歳ぐらいになると、『大きなカブ』のような、くり返しの文章を好むようになります」年齢によって楽しみ方が少しずつ変わってくるのですね。どの年齢にも共通して大切なポイントは、お子さんのリズムに合うように、語りかけるようにして読み聞かせることだそうです。1冊の絵本をじっくり読み込むのと、たくさんの絵本を読んで多くの語彙に触れるのとどっちがいい?「語彙を得るために本を読むのではありません。本というのは、親子で手を取り合って入っていく世界なのです。親も楽しみながら、真心をこめて読んであげてください」内田先生は、絵本の持つ力について次のお話をしてくださいました。「ベッテルハイムという児童精神科医の病院に、注意欠陥・多動性障害の子どもが入院していました。遊戯療法や箱庭療法など、さまざまな治療を施しましたが、症状は軽くなりませんでした。あるとき、ベッテルハイムが絵本を持って病室に入ると、その子はパッと絵本を見ました。ベッテルハイムが『読んであげようか』と言うと、ふだんは少しもじっとしていられない子が、動かずにじっと絵を見つめお話を聞いていたのです。次の日、ベッテルハイムが来る時間が近づくと、その子は入り口を見ていました。ベッテルハイムが来ることが楽しみだったのでしょう。ベッテルハイムが来て『絵本を読んであげようか』と言うと、その子は数冊ある絵本の中からまた同じ絵本を選びました。30回くり返したそうです。30回読んであげたら、やっと次の本に興味を持った。つまり、30回かけてその本の栄養を吸収しつくしたということです。絵本には栄養があります。十分に味わわせてあげてください。子どもは何度でも『読んで』とせがみます。『昨日、読んだわよ。違うのにしましょう』ではいけないのです」子どもが求めている限り、その本を読み続けてあげるのがいいのですね。親子で絵本を楽しみながら、大切な「見えない力」と豊かな心を育んであげましょう。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2016年01月02日「コトバが足りない」「うまく説明できず、察してほしいと思ってしまう」。そんなアンアン世代に、伝え方ひとつで、がらりと変わる方法を『伝え方が9割』の著者・佐々木圭一さんが教えます!今回は、こんなお悩みがテーマです。■お悩み「大ピンチ!子どもが、全く言うこと聞いてくれない!」今日は、夢に見た教育実習!小学校で社会科の授業を担当することに。クラスで「先生!」って呼ばれちゃうのかな?!子どもたちに喜んでもらおうと、資料も徹夜して準備した。昔から先生になるの夢だったんだ。さっそく「みなさん、この地域について、調べてください」って言ったら、あれ???反応がにぶい。教育実習生だからナメられてる?後ろの席なんて、完全に聞いてない。先生、どうすればいいですか!?あ、先生は私だ。■佐々木さんの答えは…「今日これからみんな、観光大使になってもらいます!」観光大使になれるって言われたら、楽しそうですよね。子どもたちも喜んで参加したくなるでしょう。これは、伝え方のレシピ「相手の好きなこと」。子どもは、楽しそうなことはするけど、そうでないことはやりません。調べてほしいから、そのまま「調べてください」と言ってはダメなのです。◇ささき・けいいちコピーライター、作詞家、上智大学非常勤講師、株式会社ウゴカス代表。アメブロ「伝え方の秘密」スタート。『伝え方が9割』ビジネス書大賞2014年総合1位、シリーズ82万部の大ヒット。待望の第2弾『伝え方が9割 2』ビジネス書史上、初版数1位で発売中!※『anan』2015年12月25日号より。イラスト・吉野永里子
2015年12月19日幼い子ども同士で遊んでいると、おもちゃの取り合いになってしまうことが多々あります。子どもの年齢にもよりますが、「お友だちに貸してあげたら?」とママが言っても、まったく聞く耳を持たず、子ども同士のケンカに発展してしまうこともあるでしょう。ママの目の前でいざこざが起こってしまった時は、これから挙げる4つの方法を参考に対処してみてください。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(1)「10まで数えたら交代」などのルールをつくる普段から、物の貸し借りのルールをつくっておくことが、いざというときに役立ちます。「10まで数えたら貸してね」「『いいよ』って言われてから貸してもらうんだよ」と、子どもにしっかりと伝えておくことが大切です。なお、子ども同士がおもちゃの取り合いをしている時は、決して頭ごなしに「やめて」「ダメ」とは言わないように。小さな子どもは否定の言葉に敏感です。「先にお友だちに貸してあげよっか?」などと、子どもの立場に立った言い方をしましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(2)貸し借りができたら思い切り褒める子どもがお友だちに、渋々ながらでもおもちゃを手渡すことができた時は、オーバーなくらいに褒めてあげましょう。「貸し借りできるのはすごいことなんだ」と思わせることで、少しずつ子ども同士のやり取りもうまくいくようになります。自分の意志でおもちゃを貸すということは、子どもにとって大きな成長。そんなわが子の成長を心から褒めて、喜びを共有しましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(3)代わりのおもちゃを勧めるプレイルームや児童館なら、たくさんのおもちゃがあるはず。1つのおもちゃに執着しているようなら、「こんなおもちゃもあるよ」「あっちのおもちゃのほうが楽しそうよ」と、子どもの興味をほかのおもちゃに持っていくように働きかけてみましょう。ただし、この方法では、ただ単にその場から離れ、トラブルの火種を未然に避けるだけになってしまい、お友だちとのやり取り、すなわちコミュニケーションを学んでいるわけではないことを覚えておきましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(4)どうしてもダメな時は、相手の子どもに対応してみるどんな方法を使っても、わが子の気持ちをそらすことができない、ということもあるでしょう。どうしてもおもちゃを貸すことができない時は、相手の子どもにやさしく言葉をかけてあげてください。「ごめんね。もうちょっとだけ貸してもらえる?」「一緒にほかのおもちゃで遊ぼっか」などと声をかけて反応を見ましょう。近くに相手の子のママがいるなら、「すみません、うちの子、わがままで…」とひと言伝えておくことも忘れずに。こうした気遣いは、決して無駄ではありません。何も言わずに子どもの好きなようにさせているのと、ひと言声をかけておくのとでは、相手の気持ちが違ってくるはずです。幼いながらも、お友達と関わることや協調性、社会性を学ぶきっかけとなるので、ある程度は見守ることも必要。とはいえ、まだ加減のわからない幼児同士の場合、できれば無用なトラブルは避けたいのが親心。適切な時に適切な対応を取れるようにしておきましょう。
2015年03月24日「寝る子は育つ」というのはよく聞く言葉ですよね。この言葉に従って、子どもには「眠れ、眠れ」と促していった方が良いのでしょうか? 実は子どもに一律に昼寝をさせる習慣は、現在少しずつ見直されつつあります。それにはどんな背景があるのでしょう? 子どもの健康的な成長を支えるための睡眠の秘訣をご紹介します。子どもの成長と共に変化する眠りの状態生後半年から1年くらい経つと、パラパラとしていた子どもの眠りのリズムがまとまり始めます。夜の就寝時刻は3歳から5歳頃まではほとんど変わりませんが、それに対して昼寝の時間は顕著に変化するようです。2004年に行われたアメリカでの調査「2004 Sleep in America Poll」では、昼寝の時間を設けなくても特に体に不調を来たさない子どもが3歳以降年齢と共に増えていくことが明らかになりました。その人数は、3歳で約4割、4歳で約7割、5歳で8割を超えています。少しずつ昼寝の時間が不要になり、小学校入学の学齢になると、ほぼ昼寝が不要になり昼間は学習に集中できるということになります。発達にそった昼寝を促すことが重要子どもの眠気を解消する適切な手立てとは子どもは徐々に昼寝が不要になっていくことが明らかになりましたが、日本の保育園の多くは、まだ一律に昼寝を取らせるところが多いようです。自宅でも同様で、子どもは「眠くない」と言っているのに眠るように指導している場合が多いようです。「寝る子は育つ」をそのまま子育てにつなげていくのではなく、子どもによって昼寝の必要性は異なるということを理解して子育てをしていくことが重要でしょう。また、成長段階によって昼寝が減っていくのも当然。成長の証だと捉えていく必要があるのです。子どもが眠気を訴えたら、それに応じて昼寝させても良いでしょう。しかし、「みんながさせているから」などの理由でお昼寝させるのは望ましいことではありません。子どもに合った睡眠指導ができていないとどんな問題があるの?身体が欲していないのに昼寝をさせると、夜の眠りに問題が生じることがあります。日中に睡眠時間を十分に確保しているので、夜の寝ぐずりがひどくなったり中途覚醒が頻発したりします。こうなると、子どもにとっても保護者にとってもストレスが大きくなってしまいますよね。また、無理に寝かされるというイメージが付いてしまうと、睡眠自体が子どもにとってのストレスになりかねません。子どもの昼寝について、ポイントをまとめると下記の通りです。・子どもが「眠い」と言ったら昼寝を促す・夜眠れない様子であれば、昼寝の時間や習慣を見直す・他の子どもと比較して、「もっと寝かせなければ」と焦らない(子どもの個人差を認める)・毎日昼寝する習慣があったとしても、成長と共にある時を境に昼寝をしなくてもよくなることを知っておく子どもの成長段階に合わせて、また必要な眠りの量には個人差があることを踏まえた上で、子どもの睡眠を確保していってくださいね。Photo by Brent Gambrell
2014年12月01日「子どもは風の子」と言われ、子どもと言えば元気なものというイメージがあったのは、もう昔のことなのかもしれない。キリンMCダノンウォーターズ株式会社が、2012年10月、全国の小児科医107名に対し「子どもの低体温傾向とその対策に関する調査」を実施したところ、近年、子ども(小学生以下)の低体温(一般的にいわれる平熱が36.0未満の状態)が増えていることがわかったという。その原因は? そしてどんな対策を取ればいいのだろうか。低体温の子どもが増えているというのは、多くの小児科医が実感していることだった。調査では、約8割の医師が「増えている」(2.8%)、「やや増えている」(75.7%)と答えた。ここ数年(3年前まで)で増加していると感じる医師が約4割で、「5年前」(36.9%)「10年前」(20.2%)と加えると、ほとんどの医師がこの10年で変化が起きたと考えている。では、低体温になるとどのような問題が生じるのだろう。低体温児の特徴として多いのが、「やせ気味」(49.5%)と「疲れやすい」(38.3%)のふたつ。さらには、「集中力がない」(16.7%)、「動きが緩慢」(17.8%)、「食欲にムラがある」(16.8%)といった、およそ子どもらしくない問題も生じている。これらの原因となっているのは、「代謝の低下」をあげる医師が最も多く、次に「睡眠不足」と「就寝時刻が遅い」(それぞれ45.8%)、「食生活の乱れ」(42.1%)、「冷暖房の使用による体温調節機能の低下」(41.1%)、「運動不足」(35.5%)が続いており、生活習慣の乱れは低体温に結びつきやすいと考えられていることがわかった。低体温を防ぐために、医師が勧めていることとしては、「適度な運動」(72.9%)、「十分な睡眠」(65.4%)、「食生活の改善」(57.9%)があげられる。「適度な運動」というのは、「ジョギングや鬼ごっこなどの軽く汗をかく程度」のものであり、軽い運動でも十分と考えられている。また、「十分な睡眠」の目安は、「8時間以上」が9割を占めた。ただ、早く就寝することが大切と考える医師が半数近く(47.7%)いたことから、単に睡眠時間数を増やすだけではなく、「早寝早起きをする」など、基本的な生活習慣を正すことが、まずは大切だろう。さらに、子どもの低体温対策として、水分補給が有効と考えている小児科医は7割を超えた。水分補給することで、からだを温めることができるのである。水分補給の方法は、「少量をこまめに」と回答した医師が9割近くにのぼる一方、「たくさんの量を飲む」という回答はなかった。また、温めて飲むよりも「常温を飲む」をあげた医師のほうが倍以上多く、特に温かいものを飲まなくても、常温での水分摂取でも低体温に効果的と考えられていることがわかった。なお、10歳前後の子どもが必要な1日の水分量は「1.5リットル」と考える医師が40.2%で最多。ほか、「1リットル程度」(32.7%)、「2リットル程度」(21.5%)、と続き、全体では94.4%の医師が「1~2リットルの水分補給」を推奨している。これらの調査結果を考えると、低体温を防ぐためにも、子どものころから意識的に水分補給する習慣をつけさせたい。常温の水をこまめに飲むのであれば、美味しい水を選びたいところだ。また、子どもに飲ませるのならば、安全面にもこだわりたい。ミネラルウォーターは国内外で生産されたものが多数販売されている。その中でもキリンアルカリイオンの水は、自然豊かな富士山がはぐくんだおいしい天然水をアルカリイオン化した、口あたりまろやかなやさしい味わいが特長だ。また、人間のからだに必要なナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムといったミネラル成分をほどよく含んでいるから、飲みやすく、からだにもうれしい。これからの寒い季節、夏のように冷たい水をごくごく飲むというわけにはいかないが、子どもでも1~2リットルの水分補給が必要ということを忘れず、低体温を防ぐためにも、美味しい水をこまめに飲む習慣を身につけたい。情報提供:キリンMCダノンウォーターズ株式会社 公式サイト 親子でやりたい! 「汗かき親子体操」をチェック!
2012年11月29日「大人は汚い」よく聞く言葉ではありますが、それって本当なんでしょうか? 我々大人としても「汚い」と言われて黙っているわけにはいきません。純粋な子どもたちに大人は汚いのかを直接聞いてみました。■「大人になりたくない。働きたくない。お手伝いとかするのめんどくさい」(隼人くん/5歳)「大人は汚いですか?」と聞いたら、返ってきた答えがこれでした。質問の意図が通じてませんね。ちょっと質問が難しいのかな……。ちなみに隼人くんの中では握手ブームが来てるらしく、このやりとりの間に7回ぐらい握手しました。可愛いなぁ、もう。■「………」(大樹くん/4歳)ダンゴムシに夢中で一切答えてくれませんでした。えーと、もうちょっとアンケートの対象年齢を上げてみようかな……。■「汚いと思う。大人は違うことを言うからズルい」(雄大くん/10歳)なるほど、これはありますね。僕も子どものころに「よそはよそ、ウチはウチ」って言われたり、かと思えば「〇〇くんも行ってるから塾に行こっか?」とか言われたり、ふに落ちなかったのを覚えています。■「ダメと言っておいて自分はやるから大人は汚い。口だけで、自分は全然できてない!」(春菜ちゃん/11歳)「夜更かしするな」、「お菓子ばっかり食べるな」とか、確かに大人は自分で守れてないことを言ってしまう場合も多そう。こんなアンチ大人代表のような手厳しい意見の春菜ちゃんですが、お母さんのことは大好きで「将来はお母さんみたいになりたい」と言っていました。良かった。汚いかどうかと好き嫌いはまた別問題のようです。■「別に汚くないと思う。大人かどうかよりも人による」(和幸くん/14歳)こちらは中学二年生にあがったばかりの和幸くん。この意見自体がとっても大人です。「人による」っていうのは究極の回答ですよね。「人生の先輩だから大人は尊敬している」とも言っておりました。まったく、最近の中学二年生は大人だなぁ。■「汚いって思う人とそうじゃない人半々くらい。ポイ捨てをする人は汚いと思う」(綾香ちゃん/14歳)なるほど。こちらも「人による」という意見ですね。ポイ捨てをするマナーの悪い人はやっぱり汚いって思いますよね。綾香ちゃんに嫌われないためにもポイ捨てをしてる人は今すぐやめましょう!世代によってかなり差があったこのアンケート。年齢が高くなり大人になるにつれ「人による」という回答が増える傾向にありました。ちなみに5歳以下は「汚い」って言葉の意味を理解できないようです。「大人って本当に汚いの?」あなたはどう思いますか?(永田兄弟/オモコロ)【関連リンク】あなたがひそかに持っている"オヤジギャグ"教えてください汚い、汚くないは別にしてオヤジギャグばかり言う大人は嫌です今年あげたお年玉の金額はいくら? 気になる懐事情全然あげないと子どもから汚いって思われるかもしれませんよ!私はこう考える! 女の浮気と男の浮気はここが違う浮気なんて汚い!大人のための常識力クイズに挑戦
2010年04月13日