「Wow!」が詰まった幕開けとなった。女子ソフトボール新リーグ『ニトリ JD.LEAGUE 2022』開幕戦の話である。3月28日・ZOZOマリンスタジアムでのビックカメラ高崎ビークイーン×トヨタレッドテリアーズには、JDリーグが目指す「驚き」「感動」「わくわく」「笑顔」に溢れていた。JDリーグがテーマに掲げる「Wow!」が随所に見られたのだ。試合前のフィールドでは新リーグを祝うイベントやJDリーグらしい親近感のあるセレモニーが行われた。18時前には親子キャッチボールを実施。事前に企画チケットを購入した小学1~6年生の子どもたちとその保護者たちがフィールドでキャッチボールを楽しんだ後はドリームノックがスタート。日本代表を『シドニーオリンピック2000』銀メダル、『アテネ五輪2004』銅メダルへ導いたレジェンド・宇津木妙子がビックカメラ高崎とトヨタを除くJDリーグ14チームの名手たちにノックの嵐。東京五輪金メダルメンバーの川畑瞳(デンソーブライトペガサス)、原田のどか(太陽誘電ソルフィーユ)の『東京五輪2020』金メダリストらが華麗な守備を繰り広げた。その後、ビックカメラ高崎、トヨタの順番でシートノック。両チームともプレーボールへ向けて、ウォーミングアップした。18時半過ぎにはマリーンズ・ダンスアカデミーがスペシャルパフォーマンスを披露。100名近い圧巻のダンスに続いて、開幕セレモニーが開始。オーロラビジョンにはJDリーグ全16チームのオーナーたちのコメント動画が流れた。開幕戦を戦わない全14チームの選手たちもグラウンドへ集合、トヨタとビックカメラ高崎のラインナップを聞いた。またオーロラビジョンで流れた「スタジアムのご利用と応援に関するご協力のお願い」と「新型コロナウイルス感染症対策へのご協力のお願い」の動画には選手たちが登場。ホンダリヴェルタの菱谷香実と日本精工ブレイブベアリーズの須藤祐美が観客に注意事項を説明した。18時50分には日本女子ソフトボールリーグ機構・三宅豊会長が開幕宣言。「やる人、観る人、支える人みんながワクワクするリーグを目指し、ここに16チーム各選手の活躍を期待し、開幕を宣言します」と高らかに宣言した。そして開幕花火が海浜幕張の夜空に大輪を咲かせた。国歌斉唱もJDリーグらしい人選となった。君が代を歌ったのは阿南恵子さんと河澄星菜さん。豊田自動織機シャイニングべガで活躍したOGがその大役を担ったのだ。ファーストピッチセレモニーにはファッションデザイナーのコシノジュンコ、千葉市・神谷俊一市長、JDリーグのタイトルパートナーのニトリ・似鳥昭雄会長、白井俊之社長が登場、始球式には元千葉ロッテマリーンズの黒木知宏が登板。黒木は内角をえぐるストレートでスタンドをどよめかせた。19時3分。前身の『日本女子ソフトボールリーグ』3連覇を達成した絶対女王・ビックカメラ高崎と、ビックカメラに次ぐ優勝10回優勝を誇るトヨタによる開幕戦がプレーボール。両チームへの応援が熱を帯び、ゆずの『栄光の架橋』が流れる中、歴史的オープニングゲームが熱戦の火ぶたを切った。開幕投手を務めるのはビックカメラは昨季最優秀防御率の濱村ゆかり、トヨタは最多勝&MVPの後藤希友だ。独特の緊張感が漂うマウンドに濱村はコロントールを乱し、先頭打者を四球で歩かせる。初回から1死二・三塁のピンチに陥るも、四番・下山絵里をセカンドフライ、五番・鎌田優希を三振に切って取る。一方の後藤は捕手・切石結女の構えるミットめがけて、速球を投じ、1・2回と三者凡退に抑える上々のスタート。3回はともにチャンスを迎える。トヨタは連続四球などで1死1・2塁とするが、三番・石川恭子はサードライナー、続く下山は三振。ビックカメラ高崎も2死1・3塁と最初のチャンスを作るが、二番・藤本麗のショートへの打球は遊撃手・石川にさばかれたのだった。石川の好守でピンチを防いだトヨタベンチは喜びを爆発させた。ピンチの後にはチャンスあり。4回表、トヨタが最大のチャンスを迎える。2死満塁でバッターボックスにはこの日2四球のバッバ・ニクルス。濱村の放った初球をフルスイングし、ファウルながら大飛球を飛ばして一塁側スタンドを沸かせた。しかし、最後は濱村が外角へ速球をズバリ。絶体絶命のピンチを2者連続三振で切り抜けて、今度は三塁側スタンドが沸いたのだった。5回終了時には再びスペシャル花火が打ち上げられた。ZOZOマリン名物のスペシャル花火が息詰まる熱戦に花を添えた。6回裏のマウンドには後藤、三輪さくらに続いてアメリカのエースとして幾度となく日本と名勝負を繰り広げ、『日本リーグ』でも4度MVPを獲得しているモニカ・アボットが登場。110kmを超える速球を連発し、圧巻の三者連続三振の奪三振ショーを見せ付けた。延長戦突入かという雰囲気に包まれた7回表、ゲームが動いた。2死三塁で打席は下山。この日2三振、チャンスを潰してきた四番が最後にきっちり仕事を果たした。濱村が投じた145球目を詰まりながらもフルスイング、打球はセンター前にポトリと落ちてトヨタが待望の1点を奪ったのだ。7回裏、モニカがビックカメラ打線を3者凡退に抑えて1-0。トヨタはまるで優勝したかのように歴史的勝利を喜んだ。時計は21時を少し回ったところ、6502人の観客が見守った手に汗握る投手戦は幕を閉じたのだった。フィールドではヒロインインタビューが行われた。決勝打を放った下山は「JDリーグ開幕戦で勝利できて本当にうれしいです。開幕戦はこの試合だけ、絶対勝つという思いがこの一打につながったと思います」とスタンドに声を届けた。ソフトボールの試合はスピーディに展開された。この日の試合時間は2時間3分。投手は20秒以内に次の投球をしなければいけないため、試合はテンポよく進む。20秒をカウントする掲示板はグラウンドで設置されているので、スタンドからも一目瞭然である。そして何よりも活気がある。スタンドの応援団も元気だが、ベンチの選手からは味方を鼓舞する元気な声が飛んでいた。ベンチが一体となって戦う姿勢もJDリーグらしさと言える。試合後、島田利正チェアマンは「感慨深い思いもあるですが、始まったばかり。まだまだこれからだという思いがあります。スタートを切れてホッとしているところと不安、両方あります。これからも期待も不安もあると思うので、一歩ずつ前へ行けばいいなと思います。『こうすればよかった』『ああすればよかった』というのはプレーボール前からかなり多くあったと思いますし、逆になければいけないと思うので、反省しながら前へ進んでいければ」と先を見据えた。両チームを指揮した監督はこのように開幕戦を振り返った。トヨタ・馬場幸子監督「まずこういう素晴らしい環境でビックカメラさんと試合ができて感謝しています。ありがとうございます。試合はチャンスがある中、なかなか点が取れなかったのですが、それでも選手たちが攻め続けてくれたことが今日の試合で一番よかったところかなと思います。本当に選手たちがよくやってくれました。苦しい戦いの中で気持ちを切らさずにやってくれたのがよかったです。若い選手が多いですが、1回からとにかくエネルギッシュに声を出して、選手たちが声をかけ合って、それを7回までできたことがチームの成長だと思います」ビックカメラ高崎・岩渕有美監督「新しいリーグの初戦ということで、これだけ素晴らしいスタジアムで試合がやれ、イベントもある中で、最初はなかなかかみ合わないところがありましたが、試合を進める中でみんながひとつひとつ取り戻していけたかなと思います。結果は負けましたが、今年のチームの戦い方は少し見えたかなと思っています」開幕勝利を飾ったトヨタナインはこのように喜びの声を発した。後藤「正直二・三塁になった時は今まではだめだという感じになっていましたが、前を見たら切石さんが『来い!』という顔をされていたので、すごく思い切って投げられました。今日はお互いにいい感じで集中できたと思います。ひと言で表すと、このチームはザ・元気。どこのチームよりもフレッシュさを出せるし、結束力があると思います。去年はチーム防御率が0点台でしたが、去年よりいい数字を出せるようバッテリーでがんばっていきたい」切石「トヨタがチャンスを作っている中なかなか点を取れない厳しい試合でしたが、後藤が相手に流れを持っていかないように踏ん張ってくれて、守備から攻撃にいい流れを作れたのはよかったと思います。一球一球集中して投げてくれたので本当に今日はいいピッチングでした。今年はバッテリーで抑えて攻撃につなげていきたい。お客さんを楽しませるのがプレーヤーの仕事だと思います。そのためにはまずプレーする私たちが楽しむのが大事だと思うので、私たちがソフトボールを心から楽しむことをやっていきたいです」モニカ「とてもいい舞台、素晴らしい雰囲気の中、素晴らしいエネルギーを持ってトヨタが素晴らしいスタートを切ることができました。少し緊張しましたが、最初の三振で流れを掴みことができました。トヨタにはいい先発が3人揃っています。3人それぞれタイプが違うのがトヨタの強みだと思います」鎌田「新リーグの開幕戦をできるのは私たちトヨタとビックカメラさんしかいなくて、まずそこで試合ができることに本当にわくわくして臨みました。自分たちらしく明るく元気に流れを作れたので、そこがよかったですし、なかなか点を取れない中、粘り強く戦い最後は四番の下山が決めてくれて本当にうれしかったです」下山「多くの先輩が抜けて、若いレッドテリアーズになりましたが、その中で私たちは挑戦することをやってきました。苦しい試合展開でしたが、攻め続ける守備と攻撃をし続けたのが、勝利につながったと思います。3打席チャンスで凡退していたので、最後は開き直って、絶対打つという強い気持ちで臨みました」惜しくも黒星発進となったが、ビックカメラ高崎の面々も次のように充実のコメントを残した。濱村「JDリーグがスタートしどうしても勝ちたかったのですが、勝てなくて悔しいです。探りながら一球一球、ボールが多くなっても失投だけはしないよう投げていたので、簡単に点数を与えなかったのはよかったかなと思います。一球一球丁寧に投げることがゲームを作ることにつながると思うので、それを意識して投げました」我妻悠香「こうしてたくさんお客さんが入った中で試合ができてうれしく思います。これから試合をしていく中で私たちもしっかり成長してればいいなと思いました。若手も増えて、移籍メンバーが入ってきたので、常勝チームと呼ばれてきたそういう雰囲気を伝えていきたい。今日のような劣勢のゲームを勝っていくのがうちのチームだと思うので、こういうゲームで揉まれながら、最後11月にチームがひとつになれればいいかなと思います」藤田倭「いろんな選手が抜けて新しいチームとして一発目のゲームでしたが、打つべき人、結果を出さないといけない人がはっきり決まっていると思うので、自分たちの役割を考えながら次のゲームにつなげていければいいかなと思いました。」内藤実穂「チャンスを生かせずに得点できなかったのが敗因だと思いますが、いい課題ができたので今後につながると思います」3月28日・ZOZOマリンススタジアムで華々しいスタートを切った『ニトリ JD.LEAGUE 2022』は今週末各地で第1節が開催される。宇津木スタジアムでは4月2日(土)・戸田中央×大垣ミナモ、ビックカメラ高崎×ホンダ、3日(日)・大垣ミナモ×ホンダ、ビックカメラ高崎×戸田中央メディックス埼玉、デンソーブライトペガサススタジアムでは2日(土)・太陽誘電×日立サンディーバ、デンソー×NECプラットフォームレッドファルコンズ、3日(日)・NECプラットフォームズ×日立、デンソー×太陽誘電、パロマ瑞穂野球場では2日(土)・東海理化チェリーブロッサムズ×シオノギレインボーストークス兵庫、トヨタ×伊予銀行ヴェールズ、3日(日)・伊予銀行×東海理化、トヨタ×シオノギ、草津グリーンスタジアムでは2日(土)・豊田自動織機×SGホールディングスギャラクシースターズ、日本精工×タカギ北九州ウォーターウェーブ、3日(日)・豊田自動織機×タカギ北九州、日本精工×SGホールディングスがプレーボール。チケット発売中。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)JDリーグのチケット情報
2022年03月31日有限会社アクロス(本社:大阪市中央区、代表取締役:中 礼)は、7月1日劇場公開されるキャンプ好きの女子高生達の日常を描いた人気作品「ゆるキャン△」より、なでしこ・リン・綾乃のなかよし3人のとっておきのキャンプをイメージしたポップアップショップを開催します。なでしこを通じて繋がった、リンと綾乃。バイク好きでマイペースなふたりはすぐに仲良しに。イベントキービジュアルは、楽しくキャンプに向かう3人の描き下ろしのビジュアルです。3人の着用しているアパレルや、バッグなどを再現した新作グッズや、実用的なアイテムを用意しました。『ゆるキャン△ポップアップショップ なかよしキャンプ』3月26日より、リニューアルオープンした富士山レーダードーム館(山梨県富士吉田市)を皮切りに、アウトドアショップCampoo!(横浜市都筑区茅ケ崎中央)、西武渋谷店(東京都渋谷区)等で開催する巡回型の限定ショップです。イベント特設サイト『ゆるキャン△ポップアップショップ なかよしキャンプ』にて、開催地のイベントスケジュールや最新情報を配信しています。ポップアップショップ専売商品として、3人の描き下ろしイラストを使用した、缶バッジやクリアファイル、アクリルスタンドなど、会場ごとに順次導入予定です。会場では対象商品を3,300円以上購入お買い上げの方へ、描き下ろしイラストのポストカードをランダムでプレゼント!聖地の特設会場では、アニメseason2に登場するリンの伊豆キャン仕様のモチーフバイクや、3人の等身大スタンディパネルも展示します。【開催スケジュール】<プレ開催>3月26~4月11日 富士山レーダードーム館(山梨県富士吉田市)<本開催>4月5~25日 西武渋谷店 B館 5F/イベントスペース ネオカルチャー7(東京都渋谷区)4月6~18日 Campoo!本店(横浜市都筑区茅ケ崎中央)4月29~5月30日 富士山レーダードーム館(山梨県富士吉田市)※商品は順次導入されます。詳しくはイベントHP・SNSにて配信します。《ゆるキャン△なかよしキャンプ オリジナルグッズ商品ラインナップ(第一弾)》〇なかよしキャンプ BIG缶バッジ(全8種:ランダム)各880円(税込)直径10cmの描き下ろしイラストのトレーニング缶バッジ〇なかよしキャンプ アクリルスタンド(リン、なでしこ、綾乃)各1,650円(税込)120×150mmのアクリルスタンド〇なかよしキャンプ等身大タペストリー(リン、なでしこ、綾乃)各8,800円(税込)約1600×750mmのワイドで上質な等身大タペストリー〇なかよしキャンプクリアファイル(リン、なでしこ、綾乃、全員)各550円(税込)全4種のA4サイズのクリアファイル〇なかよしキャンプモーテルキーホルダー(リン、なでしこ、綾乃)各880(税込)80×40mmのホテルのルームキーをイメージしたキーホルダー〇なかよしキャンプリフレクターマグネットステッカー(リン、なでしこ、綾乃)各1,210円(税込)反射して光る、夜も目立つリフレクターマグネットステッカー★4月中旬発売【イベントHP】 (C)あfろ・芳文社/野外活動委員会【ゆるキャン△とは】あfろ氏原作の山梨県を舞台に女子高校生たちがキャンプをしたり日常生活を送る姿をゆるやかに描く人気作品。2018年1月にTVアニメ化され、2021年1月~3月にはTVアニメ第2期となる「ゆるキャン△SEASON2」を放送。2022年初夏には「ゆるキャン△劇場版」も公開。キャンプを楽しむキャラクターや自然の美しさが魅力的に描かれている作品で、ファン層を広げています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月25日『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』第7節でふたつの注目カードがラインナップされている。ひとつが埼玉ワイルドナイツ×東京サンゴリアス。『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』プレーオフトーナント決勝の再現である。そしてもうひとつがクボタスピアーズ船橋・東京ベイ×トヨタヴェルブリッツ。『トップリーグ2021』4強対決であり、『NTTリーグワン2022』上位決戦でもある。前回の対戦でも手に汗握る好ゲームを繰り広げた。4月11日『トップリーグ2021』第7節でクボタスピアーズ(当時)とトヨタ自動車ヴェルブリッツ(当時)が激突。5分に南アフリカ代表HOマルコム・マークスが強引にインゴールにボールを運べば、11分にはCTBロブ・トンプソンの突破から南ア代表70キャップのFBウィリー・ルルーとつなぎ、最後はWTBヘンリー ジェイミーが走り切ってトライを返す。16分にクボタのCTB立川理道のグラバーキックをCTBテアウパ シオネが抑えれば、20分にはトヨタのSOライオネル・クロニエがPGを決める。前半終盤にはPR山本剣士、FLピーター・ラピース・ラブスカフニがシンビンで10分間の一時退場となりピンチに陥るが、前半は何とかクボタが14-8とリードをしたまま折り返した。だが後半早々に早いリスタートからFLフェツアニ ラウタイミが抜け出して独走トライ、クロニエのCGも決まり、ついにトヨタが15-14と逆転する。14分にフォーリーがPGを成功させてクボタが逆転すると、3分後にはクロニエのPGでトヨタが再逆転。ならばと24分にはマークスがFWとは思えない身のこなしでこの日2本目のトライをマーク。CGも決めて24-18とする。この後、FBゲラード・ファンデンヒーファーがPGを2本連続で外しセーフティリードを築けないと、ラストワンプレーでドラマが待っていた。自陣22mライン、トンプソンからFBチャーリー・ローレンス、ローレンスからWTB高橋汰地とトヨタがオフロードパスを連続でつなぐと、最後は高橋が快足を飛ばしてトライ。クロニエがサヨナラCGを決めて25-24。シビれるシーソーゲームにピリオドを打ったのだ。そして今季、コロナ禍で試合中止が相次ぐ中、両軍はともに5勝1敗の星を残している。S東京は勝点25で2位、トヨタVは勝点23で3位と6戦全勝・勝点28の首位東京SGに続いている(ちなみに4位は4勝2敗・勝点18の埼玉WK)。上位につける両チームであるが、決して順風満帆ではない。主力を欠いてなかなかベストメンバー組めないS東京ベイがほぼベストの布陣を並べたのは第5節・横浜キヤノンイーグルス戦のこと。一進一退の中28-21とリードして前半を終えると、後半にギアを一段上げたS東京ベイが5トライを叩き込んだ。オーストラリア代表71キャップのフォーリーのキックは12本中6本成功と精度を欠いたが、50-21と圧勝したのだった。一方のトヨタVは今季初陣となる第2節で東京SGに8-50とショッキングな大敗を喫したが、第4節は東芝ブレイブルーパス東京に圧力をかけ続けて33-23で勝利を奪う。続くブラックラムズ東京戦では前半を16-7とリードするも、風下となった後半は苦戦し、何とか23-19で逃げ切った。なかなかパワー全開の快勝とはいかないが、トヨタVは苦しみながら勝点を積み重ねている。2月24日、S東京ベイはトヨタV戦へ向けたメディア対応を実施。フラン・ルディケHC、立川主将、NO8ファウルア・マキシが意気込みを語った。指揮官は次戦へ向けてこうコメントした。「リコー戦がキャンセルになったが、グラウンドに戻って来られてうれしい。しっかり今週も準備しているし、大きなケガ人もいない。クボタウェイを見せるいい機会だと思っている。ファンが盛り上がる試合をしたいと思うので、江戸川区陸上競技場をオレンジ色に染めてほしい」ルディケHCはトヨタVをこのように分析した。「素晴らしいチーム。素晴らしいコーチがいて、素晴らしい選手がいる。FWがよくてBKもいい。アタックもディフェンスもバランスがよく、キッキングゲームでも対応できる。でも我々は自分たちフォーカスして試合に臨むだけ」さらにHCは若手に期待を寄せた。「若手の選手には期待している。高い能力を持っているし、ポテンシャルも高い。彼らが正しく成長できるようにいい環境を与えることが大事。根塚(洸雅)はスペースを見つけてからのカウンターに期待している。山本(剣士)、(オペティ・)ヘルには関してはワークレートが素晴らしい。ヘルはボールを持った時にいい働きを見せてほしい。トヨタの素晴らしいFWを相手にしっかりブレイクダウンしてもらいたい。山本はベンチからインパクトを出してもらう予定。後半の厳しい時間帯に正しい選択をして送り出したい」立川主将は次のようにトヨタ V戦での勝利を約束した。「今週末の相手のトヨタは順位的に近いし、近年接戦で負けてしまっている相手なので、きちんとフォーカスしてしっかり勝ちたい。大きなFWFをしっかり使いながら、ボールを動かせる選手もいるので、オールラウンドなラグビーをしたい。(今季は)大きなFWだけではなく、アンストラクチャーであったり、BKでもトライを取れている。スタッツ的にもいい数字を残せている。去年いろんなところから点を取れるようになったが、今年はよりいろんなパターンでトライ取れるようになり自信につながっている」ニュージーランド代表LOパトリック・トゥイプロトゥ、南ア代表FLピーターステフ・デュトイ、日本代表NO8姫野和樹という錚々たるメンバーを向こうに回すマキシは腕を撫す。「トヨタにはワールドクラスの選手がいるし、フィジカルバトルは今回の試合でキーになるので、楽しみ。そこで負けないようにしたい。ボールキャリーもしたいし、ディフェンスもしっかりタックルにいく」試合登録メンバーは以下の通り。【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】1北川賢吾、2マルコム・マークス、3オペティ・ヘル、4ヘル ウヴェ、5ルアン・ボタ、6トゥパ フィナウ、7ピーター・ラピース・ラブスカフニ、8ファウルア・マキシ、9谷口和洋、10バーナード・フォーリー、11根塚洸雅、12立川理道、13テアウパ シオネ、14金秀隆、15ゲラード・ファンデンヒーファー、16杉本博昭、17山本剣士、18松波昭哉、19デーヴィッド・ブルブリング、20末永健雄、21藤原忍、22桑江健一郎、23バツベイ シオネ【トヨタヴェルブリッツ】1三浦昌悟、2彦坂圭克、3木津悠輔、4秋山大地、5パトリック・トゥイプロトゥ、6ピーターステフ・デュトイ、7古川聖人、8姫野和樹、9福田健太、10ライオネル・クロニエ、11小原政佑、12岡田優輝、13ウィリアム・トゥポウ、14小澤大、15ウィリー・ルルー、16加藤竜聖、17清水岳、18淺岡俊亮、19吉田杏、20フェツアニ ラウタイミ、21茂野海人、22ティアーン・ファルコン、23彦坂匡克果たして、1敗を死守するのはS東京ベイか、トヨタVか。『NTTリーグワン2022』第7節・S東京ベイ×トヨタVは2月26日(土)・江戸川区陸上競技場にてキックオフ。試合当日は先着2000名にオリジナルコラボフェイスタオルをプレゼント。チケット発売中。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)クボタスピアーズ船橋・東京ベイ対トヨタヴェルブリッツNTTジャパンラグビー リーグワン 2022 DIVISION 1のチケット情報ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイドジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイドウェブ版
2022年02月25日いよいよ最後の『トップリーグ』王者が登場する。1月23日(日)・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場での『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』第3節・埼玉ワイルドナイツ×横浜キヤノンイーグルス。埼玉WKが期待と不安を抱えながら、新リーグ初陣に臨むのだ。ここまで長かった。1月3日に新型コロナウイルス感染症の定期自主検査を実施し、翌日に3名の陽性疑い判定が確認された。その3名は保健所の指示のもと隔離、他の選手は再自主検査をするとともに自宅待機へ。5日に行動記録をもとに当該3名と濃厚接触の可能性が高い2名を加えた5名を医療機関にて検査し、4名の陽性判定が確認された。また4日の再自主検査の結果、新たに5名の陽性疑いとなり、医療機関での検査で5名が陽性、計9名が陽性となる。自主検査の結果で陰性となった選手も濃厚接触者として認定されたため、チーム活動を一旦休止する。これによりキックオフ48時間前までに試合登録に必要な選手が揃わないことが確定したため、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに基づき、国立競技場でのクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦の中止が決定となったのだ。6日にこれまでの検査で陰性だった選手に3回目の検査を実施、7日に21名の陽性が確認され、合計で30名の陽性となり、第2節・グリーンロケッツ東葛戦の中止も発表された。10日には4回目の検査で陰性であった者に検査を実施し、さらに1名が陽性、合計で31名が陽性に。13日に5回目、15日には6回目の検査を実施、それぞれ翌日に対象者全員陰性の判定がなされて、管轄の保健所よりチーム活動再開のゴーサインを受けて、17日に埼玉WKは再始動を果たしたのだ。埼玉WKは規定により2試合続けて不戦敗扱いとなり、勝点0。戦わずして失った勝点も痛いが、シーズン開幕へ向けて最後の調整をしていたところでの2週間の空白はもっと痛い。そして他チームが公式戦を消化する中放り込まれる試合勘のビハインドも計り知れない。第2節・東京サンゴリアス×トヨタヴェルブリッツを見ても、実戦経験の重要性はわかるだろう。両チームは『ジャパンラグビー トップリーグ』で数々の好試合を展開してきたが、新リーグ2戦目の東京SGが開幕戦中止となったトヨタVをブレイクダウンで圧倒、7トライを量産し50-8と圧倒した。このように『トップリーグ2021』王者は険しい船出を余儀なくされたのだ。しかも、第3節の相手は好調・横浜Eである。グリーンロケッツ東葛との第1節の前半こそ、開幕戦特有の難しさとFLコーバス ・ファンダイクのシンビン(10分間の一時的な退場)もあり、リードは13-5にとどまるも、後半になると徐々にらしさを見せていく。後半2分にハーフウェイ付近でボールを拾ったWTB松井千士が持ち前のスピードとステップを生かし密集を抜け出すと、FB小倉順平へパス。後半開始早々にトライを奪うと、SO田村優はCG、2本のPGを決める。後半26分にはスクラムからNO8アマナキ・レレイ・マフィがタックラーたちをものともしないパワー満点の突破でトライ。田村がCGも決めて33-5と勝負あり。終了間際に1トライ1ゴールを返されたが、33-12と白星発進した。第2節はコベルコ神戸スティーラーズを相手にしてやったりのゲームを披露。横浜Eはガス欠覚悟でキックオフからエンジン全開。1分に田村のグラバーキックに反応した松井がいきなりトライを決めると、10分から怒涛のトライラッシュがスタート。前半10分、田村のグラバーキックをマフィがキャッチし、PR岡部崇人へオフロードパス、さらにSH荒井康植へつないでトライを奪うと、12分にはCTB南橋直哉が自陣深くから抜け出すと、サポートしたCTB梶村祐介が独走。14分には前方へ弾んだキックをキャッチした小倉がトライ! 田村もCGを3本連続で成功させて26-0と主導権を握る。前半22分に神戸Sに一本返されると、その3分後に梶村がトライを奪い返し31-7。前半終了間際にも神戸Sが7点追加すると、後半最初のトライは3分にマフィがマークし41-14。最後の最後まで攻め手を緩めない横浜Eは後半34分に運動量が落ちない梶村がハットトリックを決めれば、39分にファンダイクもトライ。小倉がCGを成功させて55-21。昨季『トップリーグ』第2節で10-73と大敗を喫した神戸Sに新リーグでやり返したのだ。昨季5位と最高位に導き、今季はトップ4撃破をターゲットにする就任2年目の沢木敬介監督は「『自信を持っているフィットネスのところで勝とう』『前半からぶっ飛ばしていこう』というプランでやった。ただ、最後にガス欠した。ロッカールームでも選手たちに『フィットネスがもうちょっと必要』と話した」とニヤリ。田村主将も「僕自身もっとうまくコントロールしたり、バランスを保とうと思えばできた場面もあったが、このチームはやると決めたら極端に出した方がいいチーム。ちょっと強引に進めた場面もあったが、いい方に出てよかった」と強気のタスクの理由を明かした。移籍2季目の松井が「梶村選手と同様、走り切るということがしっかり出せた。去年70点いれられている相手なので、リベンジで勝てたことはよかった」と喜べば、新加入の梶村も「昨季まで自分の中で小さくまとまっている感覚があったので、『もう一度昔のプレースタイルに戻ろう』『アグレッシブにボールを前に運んで自分の強みのボールキャリーに戻ろう』と取り組んできた」と自信を深めた。昨季途中に加入したマフィも「9月から5か月くらいずっと走っている。フィットネスがある。沢木監督はこのチームを強くするためにフィットネスが一番大事だと強化している」と胸を張った。『トップリーグ2021』第3節ではイーグルスはワイルドナイツに0-47と完敗を喫しながらも、プレーオフトーナメトン準々決勝では17-32と確かな成長の後を見せた。アタックにさまざまなアイデアを持つ沢木監督が無策で第3節に臨むとは考えにくい。久々の公式戦となる埼玉WKを驚かせる秘策を用意していることだろう。それでも埼玉WKに気後れもなければ、気負いもない。1月17日、世界的名将として知られるロビー・ディーンズ監督は再始動を前に「みんなよく帰ってきてくれた。今季はシーズンが長いので、我々にも十分チャンスがある。エンジョイしよう」と選手たちに伝えたという。全体練習後にHO坂手淳史主将が「この2週間は正直メンタル的に難しく、グラウンドで練習できずに不安はあった。でもやってみたら体は動いた」と振り返れば、同じHOの堀江翔太も「今日の練習で頭は切り替わった。何となく不安もあったが、自信の方がちょっと増えてきた。間が空いた分、頭がリフレッシュした。(コンビネーションも)チグハグなところはなかった」と前向きな言葉を発した。キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。【埼玉ワイルドナイツ】1クレイグ・ミラー、2堀江翔太、3ヴァル アサエリ愛、4マーク・アボット、5ジョージ・クルーズ、6長谷川崚太、7布巻峻介、8ジャック・コーネルセン、9内田啓介、10松田力也、11マリカ・コロインベテ、12ハドレー・パークス、13ディラン・ライリー、14竹山晃暉、15野口竜司、16坂手淳史、17稲垣啓太、18平野翔平、19谷昌樹、20ラクラン・ボーシェー、21小山大輝、22ヴィンス・アソ、23福井翔大【横浜キヤノンイーグルス】1岡部崇人、2庭井祐輔、3津嘉山廉人、4コリー・ヒル、5アニセ サムエラ、6コーバス・ファンダイク、7嶋田直人、8アマナキ・レレイ・マフィ、9荒井康植、10永富健太郎、11エスピー・マレー、12梶村祐介、13ジェシー・クリエル、14竹澤正祥、15小倉順平、16高島忍、17五十嵐優、18松岡将大、19田中真一、20安井龍太、22天野寿紀、22ハヴィリ リッチー、23マイケル・ボンド埼玉WKはまさにスター軍団と言えるメンバーを揃える。日本代表がズラリと並ぶフロントローはどちらが先発でどちらがベンチかわからない。イングランド代表45キャップのLOクルーズにウエールズ代表29キャップのCTBパークスとともにSO松田力也、CTBディラン・ライリー、FB野口竜司ら日本代表勢もズラリ。中でもオーストラリア代表最強&最速トライゲッター・コロインペテの日本デビューに注目が集まる。またサブに控えるFLボージェー、WTB/CTBアソの新加入組も楽しみである。一方の横浜Eは田村、松井のメンバー外が残念である。果たして埼玉WKがブランクを感じさせない強さを披露するのか、横浜Eがフィットネスのアドバンテージを見せ付けるのか。『NTTリーグワン2022』第3節・埼玉WK×横浜Eは1月23日(日)・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場にてキックオフ。試合当日はDJ KOO、hitomiのスペシャルゲストが会場を盛り上げ、アンバサダーの福岡堅樹も来場する。さらに埼玉WKのオリジナルベースボールシャツを来場者全員にプレゼント。2週間遅れの“開幕戦”が楽しみでならない。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
2022年01月22日『トップリーグ』から『リーグワン』へ戦いの舞台が変わっても、この両チームによる熱戦に変わりはないだろう。東京サンゴリアス×トヨタヴェルブリッツ。『ジャパンラグビー トップリーグ』で毎年のように手に汗握る好試合を展開してきたカードが『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』第2節に組まれた。サントリーサンゴリアス×トヨタ自動車ヴェルブリッツの『トップリーグ』での名勝負の数々を記憶しているファンも多いだろう。『トップリーグ2017-2018』第8節ではトヨタが後半からの3トライ3ゴールで31-13とリード。しかし後半20分から3トライ1ゴールを返され、さらに後半35分PGを決められて31-32とサントリーに逆転を許した。それでもトヨタはラストプレーでハーフウェイライン付近でPGを獲得。劇的勝利を手にしたと思われたが、SOライオネル・クロニエのキックはわずかに届かず、サントリーが32-31で勝利したのだった。『トップリーグ2018-2019』開幕戦では試合終了のホーンが鳴ってもトヨタが25-20とリード。だが、ラストプレーからサントリーに猛攻にさらされたトヨタは後半44分、姫野和樹主将がシンビン(10分間の一時退場)となり、数的不利に陥る。それでも粘りのディフェンスを見せたトヨタだったがとうとう後半49分、認定トライを許し25-27の逆転負けを喫した。最後まで諦めないチームメイトの姿を見て姫野は涙を流したのだった。シーズン不成立に終わった『トップリーグ2020』では、残り10分まで相手を完封し、8トライを量産したサントリーが60-14のワンサイドゲームを披露。『トップリーグ2021』第5節では、ブレイクダウンで優位に立ったトヨタが26-12とリードして前半を折り返す。それでも後半に早々にテビタ・リー、中野将伍のWTB勢の連続トライでサントリーが主導権を握ると、後半19分にSH流大のトライでついに同点……と思われたが、TMOで確認の結果トライは無効となった。普通のチームであればここで流れを失うのだが、サントリーはひと味違う。4分後にテビタ・リーがこの日2本目のトライ目を奪い、あっさり同点。その後1本ずつトライとコンバージョンを決めて36-36で迎えた後半41分、10mラインを超えた左側からサントリーはPGを選択。この日6本中3本成功とショットの精彩を欠いたオールブラックスの司令塔ボーデン・バレットが、最後の最後でボールをポールに当てながらPG成功、劇的勝利を飾った。試合内容とは裏腹に『トップリーグ』での対戦成績を見るとサントリーが16勝1分2敗と圧倒。トヨタ自動車の勝利は2010-2011季まで遡らなければならない。さらに優勝回数もサントリーが最多タイの5回制覇に対して、トヨタ自動車は3位が最高位である。両チームの間には歴然として差が存在するのだ。東京SGは東芝ブレイブルーパス東京との『NTTリーグワン2022』開幕戦で幸先のいいスタートを切った。前半3分、CTB中村亮土の突破からWTB尾崎晟也がインゴールにボールを運び東京SGが先制すると、8分には19歳の長身LOワーナー・ディアンズがトライを返す。26分に東京SGのNO8ショーン・マクマーンが個の力を発揮してトライをマークすると、28分にこぼれ球に反応したWTBジョネ・ナイカブラがそのままインゴールへ突入。FBダミアン・マッケンジー(東京SG)、SOトム・テイラー(BL東京)の両キッカーがPGで加点し、前半を27-24の東京BLリードで折り返す。後半に入ると、一気に東京SGが畳み掛ける。後半4分ラインアウトからのアタックでマクマーンが中央突破、9分にはラインアウトからのドライビングモールでマクマーンがハットトリックを達成。後半13分にLOジェイコブ・ピアスのこの日2トライ目を決めると、東京SGは後半15分に昨季の最多トライゲッターのテビタ・リー、後半18分にSH齋藤直人、NO8テビタ・タタフを投入し、さらにギアを上げる。圧巻は後半23分だ。自陣5mラインで相手ボールをマクマーンが拾うとすぐさま走り、相手に捕まるとタタフへパス。タタフは左サイドのリーへボールを託すと、リーは爆発的なスピードとタックルをものともしない強さで相手陣5mラインまで距離を稼ぐ。最後はパスと見せかけた齋藤が自らインゴールへ飛び込んだ。後半27分にテビタ・リー、29分に中村と立て続けにトライを決めた東京SGは60-46という開幕戦らしいド派手なゲームで勝点4を手にしたのだった。持ち前のアグレッシブアタッキングラグビーを披露した東京SGだが、46失点とディフェンスに不安を覚えたファンもいることだろう。だが、そこはまだ開幕戦。ピークはまだまだ先にある。過度な心配は無用である。事実、試合後、監督とキャプテンは前向きにゲームを振り返った。ミルトン・ヘイグ監督が「『リーグワン2022』の開幕戦の独特な緊張感もある中で反則をしてしまった部分もあり、厳しい戦いになったが、勝利できたことはいい収穫。課題も多く見え、特にディフェンス面で課題があったが、試合の中で7トライ、60点を取れたことに満足している」と笑みを見せれば、中村主将も「今日の試合はいい意味でも悪い意味でも開幕戦っぽいゲームになった。チームがまだ完成し切れていない中でも自分たちの強みも出し、課題も見えた。全体を含めていいゲームだったと思う。シーズンは長いが、毎週毎週課題をクリアにして自分たちの強みを出して、最後のファイナルまで向かっていければと思う」と及第点を与えた。マッケンジーを15番で起用した意図を問われると、指揮官はこう答えた。「昨季のボーデン・バレットが10番の選手で15番もプレーできる選手であったのに対し、ダミアンは15番の選手で10番もプレーできると評価して起用している。10番で起用した田村(煕)はいいプレーをしている。彼はすごく勤勉でプロ意識やゲームの理解度が高い選手だと評価している」日本デビューでPG・CG計10本で25得点をマークしたマッケンジーは「はじめての試合、たくさんのファンの前でプレーできてうれしく思う。開幕戦は難しい試合になる中、しっかり勝つことができた。このチームはもっともっと良くなるという感触も得た。チャンピオンになるためにはディフェンスの精度を高め、チャンスを生かすアタックが必要となる」とコメント。指揮官はFBでの起用を示したが、本人はSOでのプレーを希望した。「今日は15番でプレーしたが、今後はできるだけファーストレシーバーとしてボールに絡んでプレーできるチャンスがあればいいと思っている」また主将が「ダミアンには基本的にフィールドの中で自由に動いてほしい。僕らがちょっとアジャストできていないので、彼の特徴をしっかり把握して、いいコンビネーションを作っていきたい」と気遣えば、マッケンジーも「チームメイトにアジャストするよう、日本のラグビーは『スーパーラグビー』よりも速いのでそこにアジャストしていかないといけない。ただ、スピーディなラグビーは自分のスタイルに合っていると思う。これからも学んで、アジャストしていきたい」とさらなる向上を約束した。プレースキックの際、笑顔を見せるルーティンについて改めて質問されると、マッケンジーはこのように返答した。「今日のキックはもう少し決めたかったが、全体を通していいキックはできた。何年もずっとやっていることだが、リラックスした状態でキックが蹴れるよう、ルーティンの中で笑っている。毎回機能するわけではないですけど、自分のプロセスの中としてやっている」一方、トヨタVの開幕戦・静岡ブルーレヴズ戦はご存じのように中止となった。新リーグへ向けて並々ならぬ意気込みを見せていたトヨタVとしては戦わずして勝点5を得て、複雑な思いを抱えていることだろう。トヨタVの今季こその思いは強い。12月20日の開幕直前メディアカンファレンスに出席した茂野海人共同主将は次のように語っていた。「今年こそベスト4ではなく、初代王者を目指してやっていきたい。(優勝のためには)小さいこと、詳細を詰めていくことが大事。優勝しているサンゴリアス、(埼玉パナソニック)ワイルドナイツを見ていると、本当に小さい一人ひとりの役割を全員がしっかり果たしている。僕らもしっかり一人ひとりが考えて、チームが持っているパフォーマンスを発揮できるよう突き詰めていきたい。初代王者もそうだが、日本で一番のチームになりたい」12月22日のチームの開幕前記者会見では、指揮官ともうひとりの共同主将が頂点に立つために必要なことをこう分析した。サイモン・クロンHC「たとえば昨年のプレーオフトーナメント準決勝のパナソニック戦は59分までリードしていたが、残り20分でプレーが変わってしまった。今に集中することが我々の課題だと言える。自分たちでプレッシャーをかけてしまった。しっかりゲームプランを遂行することが課題。今に集中するということで、ファイナルに進出するいい準備となる。今季は新たなプレイヤーを加えたし、スタートメンバー以外の層を厚くすることを意識してやってきた。今季はそういうところを見てもらえればと思っている」姫野共同主将「1年ぶりに帰ってきて、初代王者を狙って日々活動しているが、主将として今に集中させる、足元を見るということを意識している。リーダー陣では主体性にフォーカスしている。グラウンドの中で自分たちで問題を解決していかないといけないので、練習から選手たちが主体性を持って変えていくことが大事だとリーダー陣で話している。そういうところが残り20分勝ち切れるかどうか、ベスト4の壁を超えられるかにかかってくると思う」キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。【東京サンゴリアス】1石原慎太郎、2堀越康介、3中野幹、4ツイ ヘンドリック、5ハリー・ホッキングス、6下川甲嗣、7小澤直輝、8ショーン・マクマーン、9流大、10田村煕、11中野将伍、12中村亮土、13サム・ケレビ、14尾﨑晟也、15ダミアン・マッケンジー、16中村駿太、17森川由起乙、18垣永真之介、19辻雄康、20テビタ・タタフ、21齋藤直人、22仁熊秀斗、23テビタ・リー【トヨタヴェルブリッツ】1三浦昌悟、2彦坂圭克、3木津悠輔、4マイケル・アラダイス、5パトリック・トゥイプロトゥ、6ピーターステフ・デュトイ、7姫野和樹、8フェツアニ ラウタイミ、9茂野海人、10ライオネル・クロニエ、11ヘンリー ジェイミー、12マレ・サウ、13チャーリー・ローレンス、14岡田優輝、15ウィリアム・トゥポウ、16加藤竜聖、17清水岳、18崔凌也、19吉田杏、20古川聖人、21福田健太、22ティアーン・ファルコン、23小澤大東京SGは開幕戦と同じメンバーで臨む。タタフ、齋藤、リーがリザーブに回る層の厚さを見せ付ける。対するトヨタVはスタメンの15人中9人が外国出身というインパクトがある。LOトゥイプロトゥ、FLデュトイという世界最高峰のFW陣の日本デビューにも期待は高まる。果たして、東京SGが返り討ちするのか、トヨタVが11季ぶりの勝利を掴むのか。『NTTリーグワン2022』第2節・東京SG×トヨタVは1月16日(日)・味の素スタジアムにてキックオフ。試合前のおにぎり丸広場では、サンゴリアスマフラーや応援グッズ、サントリー製品のソフトドリンクの先着プレゼントの配布とともに、真壁信弥、菊谷崇の両OBによるプレミアムトークショーを実施。また、人気のキッチンカーが多数出店し、ラグビー体験コーナーも設置する。チケット発売中。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)東京サンゴリアス対トヨタヴェルブリッツNTTジャパンラグビー リーグワン 2022DIVISION1のチケット情報ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
2022年01月15日2022年より双子選手としてJリーグで活躍し、日本代表でもプレーした佐藤勇人氏、佐藤寿人氏が、 ジュニア年代における国内最大規模のサッカー年間リーグ「プレミアリーグ U-11」のアンバサダーに就任したことが発表されました。【関連記事】プレミアリーグ U-11 チャンピオンシップ3 年ぶり開催お二人はアンバサダー就任にあたって以下のコメントを寄せました。佐藤勇人氏、佐藤寿人氏 コメント「子供たちにとって、試合をすることが何よりの喜びであり、成長の源です。そうやって僕たちも小さい頃から試合を経験して成長してきました。プレミアリーグ U-11の3 ピリオド制で全員が試合に出られる仕組みは素晴らしいと共感して、このたび2人でアンバサダーを務めさせていただくことになりました。日本中の子供たちがプレミアリーグU-11 を通じてたくさんの笑顔になって、たくましく成長していくことを願っています」<プレミアリーグU-11とは>「豊かなサッカー文化を日本中に広めること」、「少年サッカーに関わる人を幸せにする環境づくり」をミッションとし、サッカーの育成年代におけるソフト面のソリューションとして発足。2021年までに全国37都道府県に拡大、約600チームが参加、約4,000以上の試合を実施する日本最大の私設リーグ。負けたら終わりのトーナメント方式の公式戦では、いわゆる「上手な子」しか試合に出られない勝利(成績)至上主義が根強い日本のスポーツ文化の現状に対する問題意識からスタートしており、「力の拮抗した相手と、年間を通じてホーム&アウェイを戦う」カテゴリー分けされた育成重視のリーグ戦を編成し、「全員出場」「3ピリオド制」など、他にない独自の競技規則を設け、『補欠ゼロ』への取り組みを行なっています。大会ホームページはこちら>>お問い合わせプレミアリーグU-11実行委員会 事務局担当:佐々木電話:090-4590-5713Email:sasaki@pl11.jp
2021年12月24日今年も新たな超大物たちが続々とやって来た。新リーグ『ジャパンラグビー リーグワン』に各国のスター選手がズラリと名を連ねたのだ。東京サンゴリアスは昨季在籍したボーデン・バレットに続き、ダミアン・マッケンジーと2年連続でオールブラックスの司令塔を獲得。マイケル・フーパー&キアラン・リードという豪州&NZ新旧主将が去ったトヨタヴェルブリッツのFW第三列には世界最優秀選手に2度選出された南アフリカ代表FLピーターステフ・デュトイが加入、セカンドローにはオールブラックスLOパトリック・トゥイプロトゥを補強した。さらに姫野和樹が『スーパーラグビー』から帰還した。ワラビーズのWTBマリカ・コロインベテ(埼玉ワイルドナイツ)に元オーストラリア代表のユーティリティバックスのイズラエル・フォラウ(シャイニングアークス東京ベイ浦安)、スプリングボクスのファンタジスタとの呼び声高いエントン・ヤンチース(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)など、期待のプレーヤーを挙げれば暇がない。新加入だけではない。元スコットランド代表のSHグレイグ・レイドロー(シャイニングアークス東京ベイ浦安)や南ア代表HOのマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、NZの経験豊富な元司令塔アーロン・クルーデン(神戸コベルコスティーラーズ)など、すでに日本でプレーしているレジェンドも揃う。世界最高峰のリーグを目標に掲げるリーグワンには、世界もうらやむタレントが在籍しているのだ。カウントダウンが進み、開幕戦への期待が高まる12月21日、東京SGの新リーグ開幕へ向けた記者会見が行われた。マッケンジーが出席し、次のように意気込みを語った。マッケンジー「日本に来られてうれしく思う。ここまで数週間、サンゴリアスでいい時間を過ごせている。『リーグワン』の開幕を楽しみにしている」日本行きを決断した理由を問われると、マッケンジーはこう答えた。「チーフスとしても、オールブラックスとしても日本へ来る機会があり、日本人のあたたかさにいい印象を持っていた。日本食も好き。日本でプレーするのは時間の問題だった。ボーデン・バレットのプレーも見ていたし、日本のスピーディなラグビーは自分のプレースタイルに合っている。バレットに相談した際も、日本行きをすごい勧められた。いい選手が揃い、マネジメントもしっかりしているので決断するのは楽だった」チームメイトについて質問が飛ぶと、このように返答した。「ショーン・マクマーンとはU-20で対戦した。レッズの(サム・)ケレヴィ、クルセイダーズにいた(トム・)サンダースともチーフスの時に対戦していた。その選手たちと一緒にプレーすることは非常に楽しみ。日本人では中村亮土、流大。流はスピードがあり、パスがうまく、ゲームマネジメントに長けている。亮土は素晴らしいリーダーシップの持ち主。ニュージーランドのチームにも参考になるほど、素晴らしいリーダーシップをピッチ内外で発揮している。非常に強い選手で、彼とケレヴィのCTBコンビは相手にとっては脅威になるはず」マッケンジーはサンゴリアスのスタイルは自身のプレースタイルは合致すると語る。「自分の身体はそんなに大きくないので、フィジカルコンタクトはできるだけ避けなければとならない。その分、スピードとスキルを駆使したプレースタイルを築いてきた。サンゴリアスのアグレッシブアタッキングラグビーは自分に合っている。時間とスペースのあるラグビーは得意にしているので、ピッチのどこからでもアタックできるところをファンにお見せしたい」SOかFBか、希望するポジションを聞かれると、こうコメントした。「SOでプレーするのが自分の希望。自分のスキル、能力を一番発揮できると思う。だが、チームファーストでFBを求められればしっかりその役割を果たしたい」そしてマッケンジーは『リーグワン』初代王者に名を刻むことを誓った。「新リーグで初代チャンピオンになること。初代チャンピオンになるためにやれることをすべてやる覚悟はできている」また記者会見に同席した田中澄憲GMは「我々のアグレッシブアタッキングラグビーに最も適した選手だと思っているし、アグレッシブアタッキングラグビーをさらに進化させてくれる選手」と期待を寄せた。(写真左より)パトリック・トゥイプロトゥ(トヨタヴェルブリッツ・以下同)、ピーターステフ・デュトイ、サイモン・クロンHC、姫野和樹、茂野海人(C)トヨタヴェルブリッツ翌日の12月22日にはトヨタVが開幕前記者会見を実施。サイモン・クロンHCに姫野と茂野海人の共同主将、新加入のデュトイ、トゥイプロトゥが登壇し、次のように抱負を口にした。クロンHC「非常にいい形でプレシーズンを過ごしている。チームで一体感を持ってトレーニングを積んでいる。これまで築き上げたコンビネーションを見るのを楽しみにしているし、選手層も厚みを増してきたので強みとしてやっていきたい。選手、コーチ陣全員が一番になるという思いを共有し、一番、チャンピオンになるためにプロセスが大事だと理解している。ひとりひとりがそれぞれの役割を果たし、同時にラグビーを楽しむことが大切にしていきたい。非常にエキサイティングな気持ちで開幕を待ち遠しく感じている」トゥイプロトゥ「まず日本に迎えてくれたトヨタ、日本のみんなに感謝している。毎日全力で取り組んでいるし、毎日楽しんでいる。日本、トヨタでプレーできることに感謝し、開幕戦を楽しみにしているし、全力を尽くしたいと思っている」デュトイ「『ラグビーワールドカップ2019』以来、日本でプレーできるチャンスをもらえたことに感謝している。トヨタを成功に導けるようにしていきたい。自分もラグビー選手として微力ながら貢献したい」 茂野海人「例年ベスト4が続いているので今季はその壁を超えて初代王者を目指していきたい」 姫野和樹「1年ぶりに帰って来て、初代王者を狙って日々活動しているが、キャプテンとしては今に集中させる、足元を見るということにリーダーシップを発揮していき、最高のパフォーマンスを見せられるようにしていきたい」トヨタV入りを決めた要因を質問されると、デュトイとトゥイプロトゥは次のようコメントした。トゥイプロトゥ「『スーパーラグビー』で8・9年プレーし、日本に来るのは新しいチャレンジとしてとらえている。選手のサイズは少し違うが、ラグビー自体は『スーパーラグビー』と変わらない。プレーヤーのサイズは変わるが、ラグビーのスピードやコンタクトはニュージーランドに似ている。日本のラグビーはランニングの要素が大きいので、そこは新たなチャレンジになる」デュトイ「このグリーンのジャージを着て日本のファンに会えるのは非常に楽しみにしている。トヨタは南アフリカでもとても有名な会社、その一員になれるのは光栄に思っている。『RWC2019』で日本の文化に触れて、今回のオファーに即答できた。日本のラグビーは非常にスピードがあり、スキルが高い。南アのラグビーはスピードがなく、フィジカル勝負なところがあるので、日本でフィットネスを上げてランニングラグビーを経験することは個人の成長にもつながると思っている」昨季4強に終わった理由を問われた指揮官と共同主将はこのように答えた。クロンHC「準決勝のパナソニック戦は59分までリードしていたが、残り20分でプレーが変わってしまった。自分たちでプレッシャーをかけてしまった。しっかりゲームプランを遂行することが課題。今に集中するということで、ファイナルに進出するいい準備となる。新たなプレーヤーを加え、スタートメンバー以外の層を厚くすることも課題としてやってきた」姫野「リーダー陣では主体性にフォーカスしている。グラウンドの中で自分たちで問題を解決していかないといけないので、練習から選手たちが主体性を持って変えていくことが大事だとリーダー陣で話している。そういうところが残り20分勝ち切るかどうか、ベスト4の壁を超えられるかにかかっていると思う」茂野「詳細のところ、しっかり一人ひとりが役割を理解して一瞬一瞬集中してプレーすることが大事」選手4名はファンに見てほしいプレーを次のように挙げた。トゥイプロトゥ「自分の強みはボールキャリー、チームとしてラックスピードで得点につなげられると思う。あとラインアウトのプランニングもできるのでそこも見てほしい」デュトイ「ランニングラグビーを見てもらいたい。体力勝負になるが、足を止めずにファイトし続ける。ディフェンスが息をできないほどのプレーを見てほしい」姫野「ジャッカルが自分の強みだし、チームを助けるプレーなので、そこを見てもらいたい」 茂野「アタック、ディフェンスともに強気にリードする姿勢を見てもらいたい。アタックの時にスペースを見つけて味方を生かすパスを見てもらいたい」ニュージーランド帰りの姫野はハイランダーズで得た自信をこう振り返った。「主体性を大きく学んだ。『スーパーラグビー』で、アーロン・スミスなど選手が主体となってチームを変えていくのを間近で見た。そういう意味でリーダー陣がもっともっと活動できると思った。プレー面でもハイスタンダードなすごいレベルの高いリーグで十何試合やれたので、余裕が出た。メンタリティも成長を感じた」さらに姫野は初代王者を目指しながらも、今に集中する重要性を説いた。「初代チャンピオンを目指しているが、あまり見えない先の未来のことを見るのではなく、1試合1試合、1日1日の練習、1分1秒の過ごし方が初代チャンピオンにつながっていくと思う。自分自身が常に全力でやる。1秒1秒全力で走る、体を張るということを常にやっていきたい」『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』は1月7日(金)に開幕。東京SGは1月8日(土)・味の素スタジアムで東芝ブレイブルーパス東京との府中ダービーでオープニングゲームを飾り、トヨタVは1月9日(日)・豊田スタジアムで静岡ブルーレヴズを迎え撃つ。チケット発売中。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)東京サンゴリアス対トヨタヴェルブリッツNTTジャパンラグビー リーグワン 2022DIVISION1のチケット情報トヨタヴェルブリッツ対静岡ブルーレヴズNTTジャパンラグビー リーグワン 2022 DIVISONO1のチケット情報ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
2021年12月23日アイドルグループ・NMB48と関西Jリーグ3チーム(ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸)のコラボビジュアルが18日、公開された。同企画は、結成11周年を迎えたNMB48が、11(イレブン)周年にちなみ、関西Jリーグ3チームとコラボ。11月3日に開催される「NMB48 11th Anniversary LIVE」に向けて、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸の3チームのユニフォーム姿のメンバーがSNSで動画などを発信していく。コメントは以下の通り。■小嶋花梨11周年を記念して、J1サッカー3チームのユニフォームをお借りして撮影させて頂けて、とても光栄です! ユニフォームを着ると自然とメンバーの団結力がアップした様な気がしました! NMB48 1期生全員卒業後初のコンサート。新生NMB48の団結力をお見せします!
2021年10月19日9月12日(日)にスタートする女子プロサッカーリーグ『2021-22 Yogibo WEリーグ』を記念してスペシャル鼎談を開催!『東京五輪2020』に出場した三菱重工浦和レッズレディースのDF南萌華と、移籍一年目ながら浦和レッズの攻撃を司るMF小泉佳穂、そして大のレッズファンというモーニング娘。’21の横山玲奈という異色の組み合わせでお送りする。サッカー選手とアイドル、初対面の3人がどんな話で盛り上がったのか、またどんな共通点を見つけたのか、ぜひお楽しみください。横山玲奈――横山さんがレッズを好きになったきっかけは何ですか?横山「私は埼玉県出身で、生まれた時から『横山家はレッズ』という感じで育ち、ずっと応援してきました。『埼玉県のいいところは?』って聞かれたら、『レッズ!』と言うくらい。応援もすごく楽しいですし、この前(8月25日)の(サンフレッチェ)広島戦も実際にスタジアムで観戦させていただき、声は出せないけれど、手拍子で応援してすごく嬉しかったです」小泉「レッズに来てから、まだ満員のスタジアムでプレーをしていないし声が出せる状況ではないのですが、やっぱり拍手の迫力もすごい。早く声が出せる状態になり、満員の埼スタや駒場でサッカーしたいですね」南「女子もいろんなチームがあって、それぞれにたくさんファン・サポーターの方がいらっしゃるのですが、レッズが一番見に来てくれる方が多くて、皇后杯の時は1万人以上の方が入って、応援してくれています。応援がすごく暖かいので、鼓舞されてプレーにもすごく気合が入るし、とてもありがたいです」横山「私は、そういうレッズがずっと好きで、家族でずっと応援しています。その中でも今は、小泉選手を見ていて、かっこいいなと思っているので、今日はとても緊張しています」小泉「すごく恥ずかしいです。照れますね(笑)」横山「FC琉球から移籍して加入した時に、金髪のインパクトが強くて、『どんな感じの選手なのだろう』って思っていました。私はボランチの選手を見るのが好きで、小泉選手がボランチもできると書いてあって注目して試合を見ていたら、トップ下でのプレーがすっごくかっこ良くって。そこからずっと見ています」小泉「嬉しいのと恥ずかしいので、うまく言葉にならないです(笑)」横山「すみません……オタク目線で。本当にかっこいいです」オンラインで鼎談に参加した小泉佳穂――小泉選手自身、一年目からこうしてチームの中心としてプレーしているということについては、どう感じていますか?小泉「新しい監督になり、選手も入れ替わりがあったシーズンで、自分としてはとてもやりやすい状況だったので、こうして試合に絡めて、中心としてやらせていただけているのかなと思います」南「加入してすぐチームになじむのって本当にとても大変だと思うのですが、それを感じさせないプレーを見させてもらっていて、ただただすごいなという印象で尊敬しています」小泉「ここまで褒められる日はなかなかないですね(笑)。なでしこジャパンの試合は五輪でもテレビで見ていて、レッズレディースの選手も何人かいたので、ひいき目で応援していました。これからWEリーグが開幕するという事でそちらも注目しているので、実際にスタジアムへいけたらいいなと思っています」南萌華南「五輪はなかなか立てない舞台なので、とても貴重な経験でした。正直言って、とても悔しい結果に終わってしまいましたけど、東京五輪で感じた課題や反省をしっかり次に生かせていければなと思います」横山「私も見ていました!私は観戦することは好きなんですけど、自分では全く出来なくて、今回五輪で南選手を見て『本当にかっこいいな』『尊敬するな』と思ってました」小泉「自分も久しぶりになでしこジャパンの試合をフルで何試合も連続で見たのですが、特に日本は全員攻撃、全員守備で、本当にチーム力で戦っている印象があって『男子とはまた違う面白さがあるな』と思いました」南「見ていただいたということがすごく嬉しいです!もっと勝ち進んで試合を見てもらいたかったというのが正直なところです。少しでもなでしこジャパンの良さを知ってもらえたなら良かったなと思います。次の大会にむけてまた頑張りたいです」(写真左より)南萌華、横山玲奈――ところで、今日は横山さんがいくつか質問を考えてきてくださったんですよね?横山「はい(笑)。まず、お二人がチームで一番仲いい選手が知りたいです」小泉「一番一緒にいることが多いのは明本(考浩)選手ですかね。やっぱり、同じJ2から同じタイミングでレッズに加入して境遇も似ているところがあるので。後輩だと大久保(智明)とも仲いいし、先輩だと西大伍さんとか、田中達也くんとか。でも、みんな本当に仲良くしてくれるので楽しくやっています」横山「うわぁ、いいですね! 明本選手がゴールを決めた時に、ダーッと走っていく小泉選手の様子がすごく好きだったので、それが聞けて嬉しいです。ありがとうございます」小泉「そんなところを見ていたんですね。目の付け所がおもしろくていいですね(笑)」南「自分はユースからずっと一緒の長嶋(玲奈)選手、あとは清家(貴子)選手、大先輩の(安藤)梢さんとも仲良くしてもらっていますが、レディースもみんな仲がいいですね」――では、次の質問にいきましょう!横山「はいっ!私は、高校生の弟がいるのですが、レッズが大好きで、サッカーをやっています。この前も一緒にスタジアムで試合を観戦したんです。その弟からの質問です。1対1になった時に、一番大事にしていることは何ですか?」小泉「小中学生の頃には、お兄ちゃんや友達と、1対1の数をたくさんやっていたんですよ。結局DFとの駆け引きなので、とにかく数をこなすことと、大事なのはボールを足元から離さない事ですね。自分の身体から大きく離れてしまうとボールを奪われてしまうので、そこから離さないということが大事だと思います」南「自分はDF目線でいうと、相手がボールを持っている時のスピード感と、自分の間合いを意識しています。相手が速いスピードで来た時は、寄せすぎてしまうと一発で縦で抜かれてしまうので、そこはスピードをうまく吸収しながらプレーするというのをやっていて、逆に離れすぎると相手がしかけられるスペースが出来てしまうので、そこの間合いは数をこなしながら自分の中で一番やりやすい位置をみつけながらやっています。相手との距離と相手のボールを持っている状況を意識しています」小泉佳穂(C)URAWA REDS――小泉選手のようなタイプはどうですか?南「小泉選手のように、ボールをあんまり自分から離さないで持ってドリブルする選手って対応がすごく難しくて、飛び込んでいってしまうと、ダブルタッチとかで外されてしまうし、DFからしたらすごくやりづらいタイプだと思います」横山「ありがとうございました。弟に伝えます!それと、もう一つ質問させてください。私もグループ活動をしていてあることなのですが、皆さんも、チーム内で、監督や選手同士で意見が食い違う時って絶対にあるんじゃないですか?私たちで言えば、メンバーだけじゃなく、ダンスや歌の先生となどとの話の中で、自分はこうしたいけど先輩方や他のメンバーはこうしたいとかいう時があります。他の仲間と違う意見になった時の対処というか、どういう風に話をするんですか?私はそれがすごく苦手で、いつも自分を押さえて終わってしまうので、そういう時はどう乗り越えていけばいいのか、知りたいです」小泉「本当にサッカーでも同じことの繰り返しです。これは僕も普段からよく考えていることで、状況が似ていて面白いですね。たとえば、僕のプレースタイルやポジションだと、攻撃のことだと意見を発信しやすい。自分の得意分野があったとしたら、周りを認めさせることが出来れば、自分の意見が通りやすくなるというのはあります。これはちょっとサッカーに特化している話なので、まず相手の意見を尊重することが大事だと思っています。お互いを尊重したうえで、譲れないラインというのがあると思うので、そこはなるべく感情的にならず、徹底的に話し合っていくしかないと思います。自分の意見を通したいという欲を出すのではなく、あくまでチームが良くするにはどうしたらいいかという視点で話し合えれば、うまくいくのではないかなと思います。でも、僕もそこは結構難しいと思っていて、いい方法があったら教えてほしいなという気持ちです(笑)」南「自分もレッズでも代表でも年下の方なので、本当に同じ悩みがあるんです。自分は、まずは話す時は、相手をしっかりリスペクトすることが大事だなと思っていて、自分の意見はちゃんと持ったうえで、言われた意見などは受けいれて、実際にやってみて、それでもうまくいかない時は相手に言うということを実践しています。チームやグループというのは、意見が合わないことも絶対あります。そんな中で、自分の意見を持っていることがすごく大事だし、それをしっかり言い合える関係でこそすごくいいチームだと思うので、一緒にいいものを作り上げていくことが大事だなと思います」横山「自分は、あきらめちゃうと言うか、ぶつかった時に引いてしまって、『はい』ってすぐに言っちゃう癖があるのです。その後に、『もっとこうしておけば良かったな』とか思うところが多いので、もっとちゃんと向き合うべきだと思いました。ありがとうございました!」横山玲奈――さて、話は変わりますが、いよいよ『2021-22 Yogibo WEリーグ』が開幕します。南選手はどんな心境ですか?南「自分が小さいころはプロリーグというのは想像もしていなかったので、いざ始まるとなると、まだ信じられないところはあるのですが、本当にプロとして恥じないような試合をしたいと思います。トレーニングの中で話をしながらチームとして力をつけてきているので、まずは開幕戦に日テレ東京ヴェルディベレーザと試合が出来るのでそこを100パーセントで迎えられるように、みんなで準備したいと思います」小泉「プロになるということはお金をもらって生きていくということで、重圧や責任がかかりますが、だからこそ勝った時に喜びはすごく増します。自分はプロになってからの方がサッカーが楽しいと思えているので、レディースの選手たちもそう感じてくれたら、サッカーが好きな人間としてはすごく嬉しいです」南「プロ化するということは、これからはお金をもらってプレーするというところが一番の違いだと思うので、まずは自分たちがいろんな責任を負いながらも、楽しみながらプレーするということを大切にしたいです。あとは今サッカーをしている小さい女の子たちが目指したいと思えるリーグにしていけるように、責任感をもってプレーをしていきたいなって思っています」南萌華(C)URAWA REDS――ジャンルは違えど、横山さんもアイドル、アーティストとして共通点を感じる部分もあるのではないですか?横山「ファンの方に見られるということは、自分が満足をするパフォーマンスをしても、ファンの方からしたら、『もっとこうしてほしい』とか、『もっとこうあってほしい』とか、いろんなアドバイスをもらえることが多くて、それですごく迷うことがあります。『どうしようかな?』『もっとこうした方がいいのかな?』など、いろんなことを考えたりするんですけど、ファンの方があってのアイドルなので、いろんな方の意見を取り入れてパフォーマンスすることによってどんどん新しいファンの方がついてくださったりするし、『モーニング娘。’21良くなったね』と言われるので、やっぱりファンの方と一丸になってお仕事することが一番だなって思っています」小泉「ファン・サポーターの方の期待に応えつつ、自分自身で評価して成長をしていかなければいけないところは同じですね。やっぱり人に見られる職業というのは、共通点があっておもしろいなと思いますね」南「今おっしゃっていたように、ファン・サポーターの方がいてこそというのはサッカーでも共通することですし、私たちは勝利を届けることが一番の恩返しだと思っているので、アイドルとサッカーでジャンルは違うけれど、プロとして一緒にがんばっていけたらいいなって思っています」横山「Jリーグはこれまでも観戦していますが、WEリーグの試合もスタジアムに見にいってみたいと思っています!」南「横山さんは話している時、とても楽しそうで輝いていて、本当にサッカー、レッズが好きなのですね」横山「はいっ!」小泉「こういう人たちにすごく支えられて僕たちがプロサッカー選手として成り立っているのだなと思うとすごく嬉しいし、ありがたいですね」南「女子サッカーも選手だけで盛り上げるのではなく、ジャンルは違うけれど横山さんにも是非、WEリーグも一緒に盛り上げていってもらえたらいいなって思います」横山「私もサポーターとして、SNSで発信したり、メンバーとかにもいっぱいお話をして、そういうところからどんどん広めていきたいなって思っています。女子サッカーがフィーチャーされることは私も嬉しいので、どんどん盛り上げられるようにがんばりたいと思います!!」話が弾んだ鼎談の模様――最後に今シーズンの意気込みをお願いします。南「9月12日(日)からWEリーグが開幕、20日(月・祝)にはホーム開幕を迎えるので、まずはチーム全員で初戦を勝てるようにがんばることと、これから女子サッカーを牽引していく身として、しっかり責任と自覚をもって全力でプレーしたいと思います」小泉「レッズは今、『ルヴァンカップ』も『天皇杯』も勝ち残っていて、ひとつはタイトルを絶対取りたいです。そして、リーグ戦では『ACL』出場圏内を目指しているので3位以内、これは絶対に成し遂げたい目標です。個人としてまだまだチームの助けになれていないところもあるので、もっともっと成長してチームを勝たせられるような存在になりたいと思います。レディースは昨シーズン優勝していて、王者としてのプレッシャーもあるかもしれないですけど、僕たちもレディースに負けないようにがんばるので、お互いいい結果を出し合っていい刺激を与え合って、お互いのリーグを盛り上げていけたらサッカー界にとってもすごくいいことだと思うので、注目して見ていきます。お互いがんばっていきましょう!」南「ぜひ一緒にがんばりたいと思います!!」横山「これまでこうして選手の方々とお話する機会がなかったので、貴重な時間を作っていただき幸せでした。そして、やっぱりレッズが大好きなので、これからも全力で応援していきたいと思います」取材・構成:日々野真理撮影:田中丸義治メイク:渡邉栄子チケット情報『2021-22 Yogibo WEリーグ』三菱重工浦和レッズレディースvsノジマステラ神奈川相模原9月20日(月・祝)17:00浦和駒場スタジアム『Yogibo WEリーグ オフィシャルガイドブック 2021-22』書店発売日:9月6日定価:1,100円
2021年09月10日プレミアリーグU-11が誕生して7年。全国36都道府県537チームが参加する、日本最大のリーグ戦に成長しました。「全員出場」「3ピリオド制」など、独自のレギュレーションを設け「力の拮抗した相手と、年間を通じてホーム&アウェイを戦う」ことを目的とし、日本にリーグ戦文化を根付かせるための活動を続けています。プレミアリーグU-11創成期からのメンバーであり、70チームが参加する長谷工プレミアリーグ神奈川U-11(プレミアリーグ神奈川U-11)の責任者を務める、末本亮太氏(大豆戸FC代表)に「カテゴリー分けされたリーグ戦の意義」について話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之)長谷工プレミアリーグU-11神奈川1部あざみのF.C.の選手たち<<前編:「全員出場」が子どもたちの成長につながることを指導者たちも実感、プレミアリーグU-11がチーム強化につながるわけ■実力の拮抗している相手との真剣勝負の方がトレーニング効果が高いプレミアリーグ神奈川U-11は1部から3部に分かれていて、昇格・降格があります。ジュニアサッカーはクラブや少年団の間で力の差が激しく、2ケタの得点差がつく試合も少なくありません。そのような試合はお互いにとって得られるものは少なく、大量失点で負けた子たちの心情を察するに、デメリットにすらなります。この現状を改善するために、プレミアリーグは1部、2部、3部と実力に応じてカテゴリーを分けました。末本氏は言います。「プレミアリーグは『実力の拮抗した相手と、真剣勝負の中でプレーする』ことで、選手の成長に良い影響を与えられると考えています。かつては前後半15分ずつ、3本目は15分のフレンドリーマッチというレギュレーションでしたが、3本目の試合の強度がガクッと落ちてしまっていたんですね。そこで3ピリオド制にしたら、強度の高い真剣勝負が繰り広げられるようになりました」たしかに、結果が昇格・降格につながる試合とフレンドリーマッチでは、選手の意識が違うのはうなずけるところです。末本氏は「コンサートで言うと、本番とリハーサルぐらいの違いがありました」と、当時を振り返って言います。「フレンドリーマッチに意味がないとは言いませんが、真剣勝負の強度の高い中でプレーすることの方が、同じ時間試合をするとしても、トレーニング効果は何倍もあると思います」■点差がつく試合はどちらのチームにとってもメリットにならないプレミアリーグ神奈川に参加する、あざみ野キッカーズの佐渡誠監督は「拮抗したレベルの試合ができるのはいいこと。点差がつく試合は、どちらのメリットにもなりませんよね。全員出場というルールも、全体の育成という意味ですごく良いと思います」と、プレミアリーグのレギュレーションに賛同します。あざみ野F.C.の林和泉代表も「点差が開かない試合をシーズンを通してやることはすごく大切で、プレミアリーグの場合は、年に何試合かとくに重要な試合があります。そこには、指導者も子どもたちも、公式戦の重要な試合と同じモチベーションで挑んでいます」と話します。全員を出場させることで全体のレベルアップをうながし、真剣勝負の場を体験させる。その経験が6年生になったときに、活きていると感じることも多いようです。末本氏は言います。「今年のU-12横浜市春季少年サッカー大会の上位はプレミアリーグの参加クラブでしたし、地区予選を勝ち抜いて出場する、神奈川県大会の出場クラブのおよそ半数が、プレミアリーグに参加しているクラブです。5年生のときに、同じぐらいのレベルの相手と真剣勝負を繰り広げたことで力をつけて、6年生に良い形でつなげていると感じています」■子どものサッカーを「点」で見ないで「面」で見るプレミアリーグには昇格・降格があるので、次年度にどのカテゴリーに所属するかは、シーズンを終えてみないとわかりません。「今年の4年生が来年5年生になるので、そのときにプレミアリーグの1部に所属しているかもしれないし、2部かもしれません。4年生のコーチは、翌年のプレミアリーグのことも見据えて準備をする必要性が出てきます。全員出場なので、『8人の上手な子だけじゃ、試合にならないぞ』と理解すれば、自然とその学年の選手全員をレベルアップさせることに、意識が向いていくと思うのです」プレミアリーグに参加するクラブの選手は、「小学5年生のときに、年間を通した強度の高いリーグ戦に出場する機会が保証されている」と言えます。これは非常に珍しいケースです。「選手は試合に出ることで、間違いなく成長します。それが同じぐらいのレベルの相手ではなおさらです。メディアを通じて情報が発信されることで、『プレミアリーグに所属するクラブには5年生のリーグ戦があって、必ず試合に出られる』という理由で、選手や保護者に選ばれるクラブも出てくると思っています」プレミアリーグは年間を通した結果で優勝が決まり、各地域の優勝チームが争うチャンピオンシップもあります。2部リーグ以下では、U-11のセカンドチーム、U-10チームの登録を認めるなど、様々な出場機会を創出。サッカーの上手、下手に関係なく、プレーする場を提供し、経験を積む機会を与えています。「子どもたちのサッカー人生はこれからです。小学生のときにセカンドチームだった子がJリーガーになった例なんて、いくらでもありますよね。保護者は子どものことを、その瞬間という『点』で見ていますけど、僕ら指導者はその子のサッカー選手としての成長という、長い『面』で見ています。そこの違いはあると思いますが、プレミアリーグは両方のちょうどいいところにアプローチできるリーグだと思っています」■子どもの成長のためにどんな場を作るか、を大人が考えなければならない年間を通じて、実力の拮抗した相手と真剣勝負をする。全員を試合に出場させ、全体のレベルアップをうながす。その理念に共感した、全国的な家電メーカーのアイリスオーヤマが2019年よりスポンサードするなど、広がりを見せています。神奈川県では独自に、2020年度より長谷工コーポレーションがメインスポンサーとして、子どもたちの環境をサポートしています。子どもの成長のために、どのような場を作るか。情熱を持った大人たちが真剣に考え、毎年のようにレギュレーションがブラッシュアップされているのも、プレミアリーグの特徴のひとつです。このリーグを経験した子どもたちの中から、将来のJリーガー、日本代表選手が出てくるのも、そう遠くない未来になりそうです。末本亮太(すえもと・りょうた)JFA B級ライセンス、フットサルC級ライセンス、JFA公認キッズリーダー。大豆戸FC代表理事、U12監督。ジュニアユース、シニアチームの立ち上げ、クラブのサッカー以外の多角的な活動構築にも尽力。「ちょっと自慢できる、サッカーを通じて出会うはずのない感動、人、未来を創造し、非日常を提供すること」をミッションに掲げ、自チームの活動の他に「プレミアリーグU11神奈川」の運営や地域でサッカー広場を開催するなど、育成年代の活動に力を注ぐ。また、小学生を連れての被災地訪問などNPO団体として、サッカーだけにとどまらない活動も行っており、将来を担う子どもたちの育成にも力を注いでいる。
2021年08月16日プロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 20-21」のCHAMPIONSHIPが1日、都内で開催され、avex ROYALBRATSが初代王者に輝いた。「D.LEAGUE(Dリーグ)」は、日本のダンスの発展と普及、ダンスのプロフェッショナルの輩出を目指して発足。今年1月10日に開幕し、9チームによるレギュラーシーズンを勝ち抜いた4チーム、総合1位のFULLCAST RAISERZ、同2位のavex ROYALBRATS、同3位のSEGA SAMMY LUX、同4位のKOSE 8ROCKSが、CHAMPIONSHIPへと進んだ。CHAMPIONSHIPはトーナメント方式で行われ、セミファイナルを勝ち抜いたFULLCAST RAISERZとavex ROYALBRATSがファイナルに進出。そして、自分たちが得意とするヒップホップで勝負したavex ROYALBRATSが最終決戦を制し、初代王者に輝いた。なお、3位決定戦も行われ、SEGA SAMMY LUXが3位となった。優勝したavex ROYALBRATSのリーダー・KAITAは「この6カ月間楽しく終わりました。全員が挑戦の意味でやったことないことをやったり、挑戦した6カ月間になりました。Dリーグという機会を与えてくださったみなさんに感謝しています。本当にありがとうございました」と涙。「6カ月間やってきてDリーグは素晴らしい大会だなと実感しました。シーズン2も、この先もさらに盛り上がると思うので、これからもDリーグをチェックしてください。盛り上げます!」と熱く語った。大会後、報道陣の取材に応じたavex ROYALBRATS。ディレクターのRIEHATAは「最高にうれしいです。今までの12人の努力が報われたなというのを噛みしめています」と喜びを爆発。最終決戦を振り返り、「ステージに立つ8人が一つの脳、一つの心でステージに立っているというのを感じていました。8人一体となって、8人以外の4人の顔も思い浮かび、ROYALBRATSで心が一つだなと考えていました」と心境を明かした。
2021年07月01日ザック・スナイダー監督版の『ジャスティス・リーグ』が配信されてからまもなく3か月。主役の1人のアクアマンを演じたジェイソン・モモアが、このスナイダーカットの『ジャスティス・リーグ』に関してある発言をし、ファンを驚かせている。先日、ジミー・ファロンが司会を務める「ザ・トゥナイト・ショー」に出演したジェイソン。ジミーから『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』について感想を求められると、「ザックのことが大好きです。私が8年前に出演契約したのは、どんな風であれ彼のヴィジョンを形にするためでした」と語り始めた。「最高だったのは、4時間の作品になりましたが、私の再撮影が全くなかったことです。あれが(以前に撮影した)すべてです」と、アクアマンの登場シーンはスナイダー監督が降板する前に撮影したものでまかなわれたことを明らかにした。「だから、みんなに『すごくよかったよ。詳細に描かれていた。たくさんのことが明らかになったね』なんて言われるのがおもしろくて。私は『そうそう、これがみんなで(再)撮影して作ったものなんです』と言ったりするのですが、私自身はなにもやり直しをせずに済んだのです」と語った。2017年に公開されたジョス・ウェドン監督の『ジャスティス・リーグ』は、当初スナイダー監督がメガホンを取っていたが、娘の死によりスナイダー監督が降板。ウェドン監督が引き継いで完成させたものの、ファンが「スナイダーカット版が観たい!」と長年にわたって声を上げ続けたことで、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が実現。今年3月にアメリカなどで配信された。ジェイソンは「ザックの芸術をリリースすることができて本当にうれしいですし、たくさんのファンも喜んでくれました。最高の4時間ですよ!」と満足げだった。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット 2021年夏、デジタル配信開始©2021 Warner Media Direct, LLC All rights reserved. HBO MAX(R) is used under license.
2021年06月14日最後のチャンピオン争いは、とうとう4強に絞られた。『ジャパンラグビー トップリーグ2021』プレーオフトーナメントが準決勝に突入。勝ち残ったのは『トップリーグ』優勝5回の最多タイ記録を持つサントリーサンゴリアスに優勝4度で続くパナソニック ワイルドナイツ、最後のシーズンで初優勝を目指すトヨタ自動車ヴェルブリッツ、そして初のトップ4入りを達成したクボタスピアーズだ。準決勝の組み合わせはトヨタ自動車×パナソニックとサントリー×クボタ。カンファレンス1位の強豪に、初の日本一を目論むチャレンジャーが挑む形となった。5月12日・13日には準決勝進出チームの監督(ヘッドコーチ)・キャプテンによる取材機会が行われた。大一番を前に指揮官・主将たちは意気込みを語った。トヨタ自動車はここまでタフな戦いを積み重ねて来た。レッドカンファレンス第5節・サントリー戦では後半37分に追い付き引き分け濃厚と思われたラストプレーでニュージーランド代表司令塔ボーデン・バレットのサヨナラペナルティゴール(PG)を喫して36-39、第7節・クボタ戦では逆にラストプレーで自陣22mラインからセンターCTBロブ・トンプソンがゲインラインを破り、パスを受けたフルバック(FB)チャーリー・ローレンスが距離を稼ぎ、最後はウイング(WTB)高橋汰地が走り切りトライ!SOライオネル・クロニエがゴール(G)を決めて25-24と大逆転劇をやってのけた。プレーオフ準々決勝でもNTTドコモレッドハリケーンズの勢いに乗ったアタックに苦しみながらも33-29の逆転勝ち。サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)は準決勝に向けて「我々は一試合一試合集中し積み上げたことをさらに磨いていきたい。キックオフから今季の成果を見せたい」と自信を口にした。さらにHCは「パナソニックという素晴らしい相手と戦えるのは光栄。素晴らしい選手が揃い、素晴らしいシステムを持ち、キッキングゲームを得意とする。FWを使って前へ出ることもできるし、ターンオーバーからもスコアできる」と評価しつつ、「パナソニックと対する時は攻守の切り替えが大事になる。アタックからディフェンス、ディフェンスからアタックの切り替えはトヨタも得意としているところ。パナソニックはFWを使ってゲインラインを切りに来るので、トヨタとしてはいかにラックスピードを抑えていくかが大事」とポイントを挙げた。また5月11日の取材機会では「フェーズを重ねてプレッシャーをかけたい。パナソニックはキックが多いので、自分たちとしてはテリトリーとボールポゼッションを大事にしたい」とも語った。共同主将を務めるナンバーエイト(NO8)キアラン・リードは「(ロビー・ディーンズは)素晴らしいコーチ。最初の2年間(『スーパーラグビー』クルセイダーズで)彼のもとでプレーできたのは幸運。パナソニックと対戦する時はディシプリンが大事。弱みを見せると徹底的に突いて来る。長い間プレーをしてさまざまな経験を積んできた私にとっても、次は非常に重要なゲーム。決勝へ行けるよう、仲間のために戦いたい」と誓った。同じく共同主将のスクラムハーフ(SH)茂野海人は11日のオンライン取材でパナソニック戦のポイントに「ディフェンスラインの幅であったり、ブレイクダウンに誰が入るのかなどを修正したい。1週間で全部改善できるとは思わないが、できる限り修正してパナソニック戦に臨みたい」と挙げた。また茂野はニュージーランド代表オールブラックスの前主将リードとオーストラリア代表ワラビーズの現主将マイケル・フーパーのリーダーシップを「リードからはチームに向けての話し方を学んでいる。リードは伝え方がうまい。毎回みんなの頭に残る話し方をする。フーパーはポジティブなことしか言わない。ネガティブな問題が発生してもポジティブな言い方をする。このやり方はまだ取り入れられていないので今後取り入れていきたい」と手本としていた。一方のパナソニックはここまで危なげない戦いを見せて来た。競った試合は雨のコンディションで行われ13-13に終わった第6節・神戸製鋼コベルコスティーラーズとのホワイトカンファレンス首位攻防戦のみ。9試合で100失点という鉄壁のディフェンスを誇っている。準々決勝もスコアを見ると32-17とキヤノンイーグルスが善戦したと思われかもしれないが、20-3と前半を支配したパナソニックが終始余裕を持って試合を進めた。ロビー・ディーンズ監督は「チームとしてすべての局面で成長している。大事なのはディシプリン。今季はアタックでもディフェンスでもディシプリンを発揮している。チームの人間関係は非常にいい。ラグビーは究極のチームスポーツ。今チームモラルは非常に高いところにある」と手応えを語るとともに、好調の要因を「今季は代表選手がチームで長い時間を過ごしている。彼らが長くいればいるほど、チームは成長できる。今季はディフェンスも強化してきた」と分析した。もちろん、ディーンズ監督に抜かりはない。「プレーオフはリーグ戦とは全く異なる戦いになる。トヨタは全力で向かって来るし、今までやってこなかったようなイノベーティブなプレーも用意しているだろう。タフな80分間になる。トヨタは素晴らしいチームだ。そもそもトップ4に残るチームはみないいチーム。トヨタは大きくボールを動かしてくる。我々も最大限のパフォーマンスを見せたい」と警戒した。ケガのため準決勝はメンバー外となったフッカー(HO)坂手淳史主将も「毎週の準備の形がよくなっている。ノンメンバーが練習でゲーム以上のプレッシャーをかけてくれる。ディフェンス、アタックとともにペナルティが少ないのもワイルドナイツの強み。今季は強みを出せている」と手応えを口にした。準決勝が無観客試合で実施されることについては「僕らのやることは変わらない。ファンがスタンドで見ていないが、テレビで見ているという違いだけ。残念だが、テレビ越しで応援してくれると感謝しながらプレーしたい」とコメント。さらに今季限りで引退する同期のWTB福岡堅樹について、「堅樹は堅樹らしいプレーをしてくれている。ピッチ外で勉強があってもピッチ内のパフォーマンスは変わらない。キャプテンとして心強い。アタックでもディフェンスでもいい仕事をしてくれる。もったいないと言うか、もっと一緒にプレーしたい気持ちもあるが、堅樹の夢も叶えてほしい。多くてあと2試合、楽しみたい」と複雑な胸中を明かした。もうひとつの準決勝サントリー×クボタは同カンファレンスの戦いである。第6節ではSOバーナード・フォーリーのシンビン(10分間の一時退場)があり前半に23-7と突き放されるも、後半はクボタが巻き返し、後半29分には残り5mでのラインアウトからドライビングモールをFLトゥパ フィナウが押し込んで26-26の同点。勝点2を分け合う好試合と思われたが、ノーサイド間近にSOバレットが絶妙なランラインでトライを奪い、Gも決めてサントリーが33-26で勝利を手繰り寄せたのだった。サントリーはそのまま全勝でレッドカンファレンス(RC)を1位突破、NECグリーンロケットとのプレーオフ2回戦も76-31と一蹴。リコーブラックラムズとの準々決勝は中止となり、準決勝が2週間ぶりの試合となる。敗れたクボタも逆転負けのショックは完全に払拭した。サントリー戦の翌週のトヨタ自動車戦でもショッキングな逆転負けを喫し、RC3位となったクボタはプレーオフ2回戦から難敵ヤマハ発動機ジュビロと対峙。ここで2連敗の苦い教訓を生かした。前半から主導権を握り、コンスタントにスコアしていった。試合開始早々にトライを許しても、一家言持つスクラムで押されても、決して焦れずにゲームをコントロールし、終わってみれば46-12の完勝を収めた。続く準々決勝・神戸製鋼戦では前半30分を待たずにフォーリーが一発退場となるピンチに陥るも、そこから驚異的な運動量と粘りのディフェンスを展開し続け、後半31分についに前回王者に逆転を許す。クボタの善戦もここまでかと思われた中、残り燃料をすべて注ぎ相手陣内に攻め入ると36分にペナルティを獲得し、WTBゲラード・ファンデンヒーファーのPGで23-21と再逆転、その後は泥臭く体を張り続けてノーサイドの笛を聞いたのだった。初のトップ4入りを果たしたフラン・ルディケHCは準決勝へ向けて、「自分たちフォーカスに変わらない。これまでずっと自分たちにフォーカスしてきたし、今週も変わらない。自分たちのベストゲームをすることによって、勝利が近付く」とこれまでと同じセリフを言い、初のタイトルへ向けても「今週末にフォーカスしている。できることにフォーカスしたい。今週勝ってから決勝については考えたい」とした。これまでと変わらぬ姿勢を強調する指揮官だが、それは逆に5季目の今季に対する自信の表れでもある。ルディケHCは「5季やってきてチームとして成長してきた。今季はオールラウンドにできている。アタックやキック、ディフェンス、ひとつのことで勝っているわけではない」と胸を張った。立川理道主将も「1試合1試合学びを感じて成長している。特にメンタル。試合に出た選手は同じミスをおかさないよう選択ができている。一戦一戦学びを生かせているし、このプレーオフに入ってからも成長を感じている」と同意する。だからこそ、豪州代表71キャップの司令塔フォーリーに3試合の出場停止を課せられても指揮官にも主将にも気後れはない。「スコッド全員がクボタウェイを知っている。確かに10番はドライブしなくてはいけないし、コントロールしなくてはいけないし、判断をしなければいけない重要なポジション。ファレヌイ・ハウェラや岸岡智樹、10番になる得る選手はしっかりしたパフォーマンスを見せてくれると思う」(ルディケHC)「神戸戦はあの状況でもコントロールできたのは同じページを見ていたから。FWのがんばりがあったから。14人でもボールを持ってアタックできたことは自信を持っていい。フォーリーは試合に出る出ないに関係なく、チームの準備に関わっている。アタックもリードしてくれているし、ゲームメンバーをサポートしてくれている」(立川主将)立川もまたサントリー戦へ向けて「いいプランを持っているので実行したい。FW戦で優位に立ち、いいアタックをしたい。相手のBKのキーマンはバレットであり、CTB中村亮土主将。(SOかCTB)どっちに入っても、自分の力を出して目の前のその選手をしっかり抑えていきたい。でもそこの勝負にこだわるのではなく、23名の勝負で勝っていきたい」と決意を新たにした。ルディケHCとは対照的にミルトン・ヘイグ監督は優勝を意識した上で狙うとキッパリ。「最終的な目標は優勝すること。期待されているので、そこに対してプライドを持って優勝へ突き進みたい」準決勝の相手を「クボタは神戸戦でいいプレーをしたし、チームとして仕上がっている。リーグ戦でもかなり接戦になったし、今季はボールをキープし、フェーズを重ねてアタックして来る。フォーリーのようなインターナショナルレベルの選手の不在は影響があるだろうが、神戸戦では14名であれだけ素晴らしいプレーをした。自信を持っているだろうし、決して油断はできない」としながら、「リコー戦がなくなり、フレッシュな状態でプレーできると思っている。最後の20分で差を見せられと思っている」と日程の追い風を口にした。また指揮官は8試合で496点という爆発的なアタックについて「自分たちのストラクチャーの中いい判断でプレーできている。スキルをエクスキューション(遂行)するトレーニングをしているが、その結果が71トライという数字に表れているだろう」と評価しつつ、直近2試合で62失点を喫しているディフェンスについては「私はディフェンス中心に見ているので責任を感じる。50点差ついても集中力を切らしてはいけない。個人の判断が入りすぎた局面があったし、スイッチオフし軽いプレーも見られた。ただNEC戦から修正した。これからはいいディフェンスを見せられるだろう」と修正済みだとした。中村主将もクボタ戦へ「前回も厳しい戦いになった。また違った戦いを見せられと思う。お互いにプレースタイルをわかった中での遂行力が大事。勝負のポイントでの判断が大事になって来る。いちリーダーとしていい判断をしたいし、いちプレイヤーとしてベストプレーをしたい」と意気込み、同じCTBの立川理道について「ハルさんがいるので負けられない。僕がずっと見て来たCTBが目の前にいるので意識する。今季は(中野)将伍と組むことが多いが、彼が持っていないものを持っているので生かしてあげたいし、将伍がいるから自分も生きるということもある」とマッチアップを楽しみにしていた。楽しみはマッチアップだけではない。中村主将はヒリヒリするこの準備期間を楽しんでいた。「(準決勝がなくなり)先週くらいは試合勘がどうとか、リカバリーで有利だとか考えていたが、今週からはそんな言葉が出ないくらい自分たちに集中している。現段階で気になっていない。緊張感も出て来たし、これまでよりも負ける可能性も高まったが、この緊張感も楽しみたい。このチームでラグビーができるのも長くて2週間。色々準備があるので早く試合がしたいとは言わないが、この準備期間が楽しい。試合がすごく楽しみ」西の聖地・花園ラグビー場で東の聖地・秩父宮ラグビー場へのキップを手に入れるのはタイトルの常連であるパナソニック、サントリーか、それとも初タイトルに燃えるトヨタ自動車、クボタが割って入るのか。『第58回日本選手権』兼『トップリーグ2021』プレーオフ準決勝・トヨタ自動車×パナソニックは5月15日(土)、サントリー×クボタは5月16日(日)、場所は同じく花園ラグビー場にてキックオフ。試合は無観客で実施。決勝は上限5000人の有観客にて5月23日(日)・秩父宮ラグビー場で開催。チケットは5月16日(日)午前10時~17日(月)午後11時59分まで先行抽選販売、20日(木)午前10時より一般発売。試合の模様は3試合ともNHK総合にて生中継。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報
2021年05月15日『ジャスティス・リーグ』のレイ・フィッシャーを筆頭に、過去手掛けた「バフィー~恋する十字架~」「エンジェル」のキャストからも横暴な振る舞いが暴露されたジョス・ウェドン監督。このたび、『ジャスティス・リーグ』のガル・ガドットも、同作の撮影中にウェドン監督からキャリアを台無しにしてやると脅される経験をしていたことを明らかにした。ガルの母国イスラエルのメディア「N12 News」に語っている。「ジョスと私には問題がありましたが、なんとか対処しました。彼は私のキャリアを脅かしました。もし私がなにかをしたら、『キャリアを台無しにしてやる』と言われたんです」。今年4月、「The Hollywood Reporter」は『ジャスティス・リーグ』の撮影中に、ガルが新たに作られたセリフに疑問を呈するとウェドン監督が「私は脚本家でもある。だまってセリフを言え。そうでなきゃ、この映画の中でお前をものすごくバカに見せることもできるんだぞ」と脅迫したことを報じていた。上記のガルの発言はこの件について語ったものと思われる。ワーナーメディアは、『ジャスティス・リーグ』の撮影現場で起きたとされるウェドン監督のひどい言動や態度に対する調査を行い「是正措置が取られた」と発表したが、その具体的な内容は明らかにしていない。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年05月10日ザック・スナイダー監督が思い描いた全てが結実した『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が、5月26日(水)よりデジタル配信開始、6月25日(金)よりリリース。この度、日本語版予告編が解禁となった。本作は、2017年に公開され、全米NO.1大ヒットを記録した『ジャスティス・リーグ』製作中に降板したザック・スナイダー監督の初期構想に基づき、150分にもおよぶ蔵出し映像や新たに撮影された4分の新映像を加えて、再編集し製作された約4時間にわたる超大作。スナイダー監督が伝えたかった全てが詰め込まれている。あの“ジョーカー”やブラックスーツを纏うスーパーマンの姿も!2017年版『ジャスティス・リーグ』には登場しなかったジャレッド・レト演じる“ジョーカー”が、予告編映像ではほんの一瞬だけだが姿を見せる。どのようなシーンで、宿敵バットマンとどのような会話を交わすのか注目が高まる。また、ブラックスーツ姿のスーパーマン、スーパーヴィランのダークサイドや、ジョー・マンガニエロ演じるデスストローク、初登場となるマーシャン・マンハンターや、戦闘シーンにはグリーン・ランタンの姿も!?次々と登場するDCキャラクターに一時も目が離せない。ヒーローたちのサイドストーリーが明かされる本作では、アクアマン、フラッシュ、サイボーグのサイドストーリーが丁寧に描かれ、特にレイ・フィッシャーが演じたサイボーグについてはその苦悩や、家族との関係がより分かるストーリーに。ヒーローである以前に、様々な悩みを抱える等身大の姿が作品にさらなる深みを与えている。なお、2017年版『ジャスティス・リーグ』と同じ声優キャストで日本語吹替版を収録。約24分の映像特典には、スナイダー監督とベン・アフレックやヘンリー・カヴィル、ガル・ガドットらジャスティス・リーグ6名のキャストインタビューも収められ、『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の製作を通しての思いを語る貴重な映像に。セル商品にはストーリーをジェフ・ジョーンズ、作画をジム・リーが担当した28ページにわたる「ジャスティス・リーグ」コミックブック(日本語版)が日本限定で封入される。『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は5月26日(水)よりダウンロード販売/デジタルレンタル先行配信開始、6月25日(金)より4K ULTRA HD&ブルーレイ発売。(text:cinemacafe.net)
2021年04月16日熱戦続きのリーグ戦最終節から1週間、『ジャパンラグビー トップリーグ2021』がいよいよプレーオフトーナメントに突入する。来季スタートする新リーグ1部入り、そして最後のチャンピオンを決する戦いが始まるのだ。それにしても、リーグ戦は最後の最後まで目が離せなかった。4月10日・花園ラグビー場ではNTTドコモレッドハリケーンズが躍動。昨季0-97と記録的大敗を喫した神戸製鋼コベルコスティーラーズを相手に80分経過時点でリード、ラストプレーでモールからトライを許し29-31の逆転負けとなった。惜しくも金星を逃したヨハン・アッカーマンヘッドコーチ(HC)は、試合後の会見で「今日のパフォーマンスをひと言でまとめると、非常に誇らしい」と胸を張った。翌日の花園でもラストプレーでドラマが起こった。トヨタ自動車ヴェルブリッツとクボタスピアーズのスリリングなシーソーゲームは、自陣22mラインでの連続アタックからオフロードパスを受けたWTB高橋汰地が独走トライ、SOライオネル・クロニエが決勝コンバージョンを決め25-24とカンファレンス2位を獲得したのだった。前節・サントリーサンゴリアス戦に続き2試合連続逆転負けとなったクボタだが、「結果は残念だが、ここから立て直すことが大事。この負けがプレーオフへ向けて重要な糧になるようにしっかり修正していきたい」(立川理道主将)、「この試合はいい学び、ポジティブに捉えて成長していきたい。自分たちにフォーカスして、ノックアウトステージを戦っていきたい」(マルコム・マークス)と前を向いた。各カンファレンスの順位、個人賞は次の通り。【レッドカンファレンス(RC)】1サントリーサンゴリアス7勝・420得点129失点・勝点342トヨタ自動車ヴェルブリッツ6勝1敗・288得点186失点・勝点283クボタスピアーズ5勝2敗・236得点130失点・勝点254NTTコミュニケーションズシャイニングアークス3勝1分3敗・236得点254失点・勝点175東芝ブレイブルーパス3勝4敗・224得点229失点・勝点166Honda HEAT1勝6敗・133得点240失点・勝点67三菱重工相模原ダイナボアーズ1勝1分5敗・123得点309失点・勝点68宗像サニックスブルース1勝6敗・139得点322失点・勝点5【ホワイトカンファレンス(WC)】1パナソニック ワイルドナイツ6勝1分・318得点76失点・勝点312神戸製鋼コベルコスティーラーズ6勝1分・289得点138失点・勝点293NTTドコモレッドハリケーンズ4勝3敗・175得点175失点・勝点174リコーブラックラムズ3勝4敗・179得点184失点・勝点175キヤノンイーグルス3勝3敗・176得点230失点・勝点166ヤマハ発動機ジュビロ3勝4敗・239得点240失点・勝点157日野レッドドルフィンズ1勝5敗・90得点238失点・勝点78NECグリーンロケッツ7敗・139得点324失点・勝点1※第6節・日野×キヤノンは中止、規定により引き分け扱い、勝点2ずつ加点。個人賞【最多トライゲッター】テビタ・リー(サントリー)/マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機)10トライ/初受賞【得点王】ボーデン・バレット(サントリー)128得点(6T/37G/8PG)/初受賞【ベストキッカー】田村優(キヤノン)キック成功率(G:21回中19回成功/PG:3回中2回成功)87.0%/初受賞RC1位・サントリーのアタックは凄まじいものがある。420得点ということは1試合平均60点である。カンファレンスが異なり一概に比較はできないが、得点2位のパナソニックに100点差以上付けているのだから恐れ入る。合計60トライもダントツだ。トライ数2位はパナソニックと神戸製鋼の43トライである。最終節でもサントリーのアグレッシブなアタッキングラグビーは全開となった。センター(CTB)中村亮土主将、フルバック(FB)尾崎晟也らを温存、スクラムハーフ(SH)流大、スタンドオフ(SO)ボーデン・バレット、ウイング(WTB)/CTB中野将伍をベンチスタートに回しながらNTTコムを94-31と粉砕。圧巻はバレットだ。後半22分にピッチへ入ると、相手に触れさせないピンポイントのライン取りを見せてハットトリック、文句なしの得点王に輝いた。得点ランキング2位がクロニエの76得点と言えば、いかにバレットの128得点が傑出しているかわかるだろう。試合後、ミルトン・ヘイグ監督も「バレットはワールドクラスの選手だということを毎回言っているが、現役のオールブラックスでもある。20分間で挙げた3トライは、彼のワールドクラスの実力をしっかり示してくれたものだ」と全幅の信頼を口にした。第5節・サントリー戦ではバレットのサヨナラPGで勝点2を逃したトヨタ自動車だが、2位の座を死守。サイモン・クロンHCも「この7試合でどんなコンビネーションがいいのか探り、自分たちのプロセスと確固たるチームカルチャーを確立することができた。いいリーダー陣、いい選手が揃っている。トーナメントへ向けて自分たちのやるべきこと、プロセスに集中したい」と手応えを口にすれば、茂野海人共同主将も「目標は変わらない。日本で一番のチームになること。でもあまり先のことを見過ぎても仕方ないので、目の前の試合、自分たちの果たすべき役割に集中したい」とキッパリ。WCではパナソニックが最終節に先発を7位に入れ替えながら、強さを見せ付けた。4月10日・熊谷ラグビー場でプロップ(PR)グレイグ・ミラー、フッカー(HO)堀江翔太、SO山沢拓也らが先発、PR稲垣啓太、SH内田啓介、SO松田力也、WTB福岡堅樹がベンチに回りヤマハ発動機と対峙。開始早々56秒でミスを突き、WTB竹山晃輝が独走トライを決めると、CTBディラン・ライリーのハットトリックなどで55-19と難敵相手に危なげない勝利を飾った。試合後、ロビー・ディーンズ監督は「今日はチームとしても特別な日。堀江翔太選手がワイルドナイツとして通算150試合出場の試合だった。コーチとしてこのような選手を指導できること、一緒にラグビーができることを光栄に思う」とゲームキャプテンを称えるとともに、「トーナメントはやるか、やられるかの戦いになる。さまざまなことを準備していきたい」と次なる戦いを見据えた。第6節のパナソニック戦は13-13の引き分けながら、勝点2差で2位なった神戸製鋼だが、プレーオフには3試合出場で9トライを量産したNO8ナエアタ ルイが帰って来る。デーブ・ディロンHCは「パナソニックに次いで2位通過であるが、大きく離されていない。成長しなければならないが、コロナ禍で開幕が延期となり準備が難しい中、リーグ戦を終えてハッピーだ」と及第点を与えた。最後尾からチームを見続けたFB山中亮平は第4節・リコー戦に続き、最終節も苦戦を強いられたことを反省。「勝つ時はいいラグビーができるが、リコー戦など取り切るところで取り切れない。取り急いで普段の自分たちを出し切れていない。試合中の早い段階で修正できればいいが、今日は最後まで引きずった」と課題を口にした。プレーオフでは『トップチャレンジリーグ2021』1位・豊田自動織機シャトルズ、2位・近鉄ライナーズ、3位・コカ・コーラレッドスパークス、4位・清水建設ブルーシャークスも戦いの輪に入って来る。下部リーグと侮ってはいけない。豊田自動織機がイングランド代表フレディー・バーンズ&サモア代表トゥシ・ピシという屈指のゲームメーカーを揃えれば、近鉄にはSHウィル・ゲニア&SOクウェイド・クーパーという元ワラビーズハーフ団とともに1月の『第57回全国大学選手権大会』で天理大学を初の日本一へ導き、4月12日の日本代表候補にも選出されたCTBシオサイア・フィフィタも名を連ねる。プレーオフトーナメントの組み合わせは以下の通り。【1回戦】4月17日(土)M57三菱重工×コカ・コーラパロ瑞穂ラM58豊田自動織機×NEC花園4月18日(日)M59清水建設×日野たけびしM60宗像サニックス×近鉄秩父宮【2回戦】4月24日(土)M61東芝×リコーパロ瑞穂ラM62サントリー×M58勝者秩父宮M63クボタ×ヤマハ発動機江戸川M64M57勝者×神戸製鋼花園4月25日(日)M65M60勝者×パナソニック花園M66トヨタ自動車×M59勝者秩父宮M67NTTコム×キヤノン江戸川M68Honda×NTTドコモパロ瑞穂ラ【準々決勝】5月8日(土)M69M67勝者×M65勝者熊谷M70M66勝者×M68勝者えがおS5月9日(日)M71M63勝者×M64勝者エコパM72M62勝者×M61勝者昭和電ド【準決勝】5月15日(土)M73M70勝者×M69勝者 花園5月16日(日)M74M72勝者×M71勝者 花園【決勝】5月23日(日)M75M74勝者×M73勝者秩父宮初戦から興味深いカードがズラリと揃う。豊田自動織機×NECと宗像サニックス×近鉄は、トップチャレンジ勢が下克上を果たすのか、トップリーグ勢が意地を見せるのか、注目される。WC3位となったクボタは2回戦でヤマハ発動機と当たる厳しい組み合わせとなった。清水建設×日野の勝者と対峙するトヨタ自動車とはカンファレンス2位と3位の大きな隔たりが生じたと言える。4月11日、キヤノンで今季初出場初トライをマークしたNO8アマナキ・レレイ・マフィはいきなり古巣NTTコムと顔を合わせる。東芝×リコー、Honda×NTTドコモなどという好カードも並ぶ。NTTドコモ大躍進の原動力であるTJ・ペレナラはプレーオフへ向けて、「3位はうれしいし、誇りに感じるが、勝てる試合を落としている。もっと勝ち切り、成長しなければならない。トーナメントは全部勝ちにいくつもり。まずは目の前のことをひとつずつやり、ビッグチームに対して最後のもう一歩を改善していけば、どのチームでも勝てると思う」と鼻息が荒い。『トップリーグ2021』プレーオフトーナメントは4月17日(土)に開幕。1回戦のチケットは発売中。2回戦のチケットは4月21日(水)午前10時より一般発売。準々決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月1日(土)午前10時より一般発売。準決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月12日(水)午前10時より一般発売。決勝のチケットは5月9日(日)午前10時~10日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月19日(水)午前10時より一般発売。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)トップリーグ特設ページジャパンラグビートップリーグ2021プレーオフトーナメントチケット情報
2021年04月16日『ジャパンラグビー トップリーグ2021』第6節でふたつの全勝対決がラインナップされた。ホワイトカンファレンスの神戸製鋼コベルコスティーラーズ×パナソニック ワイルドナイツと、レッドカンファレンスのサントリーサンゴリアス×クボタスピアーズだ。『トップリーグ』初代王者であり前回覇者でもある神戸製鋼に最多タイの優勝5回を誇るサントリー、優勝4度のパナソニックと強豪ひしめく中、クボタが堂々と名を連ねる。これまでクボタはトップ4に入ったことすらない。最高位は6位である。2011・2012年度は下部リーグでの戦いを余儀なくされた。シーズン不成立となった昨季も4勝2敗に終わっている。立川理道(クボタスピアーズ)(C)スエイシナオヨシそれが今季は開幕5連勝を飾った。第6節・サントリー戦の結果次第ではターゲットであるトップ4入り、さらには悲願である日本一も見えて来る。大一番を前にさぞや気合も入っているだろうと思われたが、3月31日・オンライン取材に出席した立川理道主将には気負いもなければ気後れもなかった。「この試合が特別な試合だとは思ってはいない。全勝対決はうれしく思う。ポイントのセットピースで強みを出していきたい。セットピースで優位に立てれば、クボタのラグビーができるのでは」決してサントリーを軽んじているわけではない。今季のレギュレーションはリーグ戦後のプレーオフトーナメントで覇権を争う。勝負の時はまだ先である。主将は目の前の試合にフォーカスする重要性を説く。「この試合はレギュラーシーズンの1試合。自分たちはまだ優勝したことがないので、プレッシャーはない。今までやって来たプロセスを信じてやるだけ。あまり先を見ずに目の前の一戦一戦を見ていくことが重要」フラン・ルディケヘッドコーチ(HC)はサントリー戦へ向けて、興奮を隠そうとはしなかった。「エキサイティングな気持ち。この試合のために36週かけてきたと言っても過言ではない。ピークを迎えられるよういい準備をしている。我々のプランもある。土曜日の試合でどれだけベストなパフォーマンスを出せるか。両チームともレベルが高く、互いに強みがある中、鍵はいかに状況に応じたプレーができるかだ」2016-2017シーズンに就任して以来、チームを強化し続けて来たHCは今季の快進撃をこのように説明した。「過去5シーズンハードワークしてきたが、今季はいいスタートを切り、コンスタントにいいパフォーマンスができている。それはメンタルの成長が大きい。あとリクルートの部分。ライアン・クロッティ、マルコム・マークス、バーナード・フォーリーが加わり、彼らがチームを助けてくれている」今季加入した南アフリカ代表33キャップのフッカー(HO)マークスについて、指揮官が「ほかのチーム、どこに行ったとしても試合に出られる選手。フロントロウにもラインアウトにも自信を植え付けている」と称せば、主将も「これまでもセットピースに自信を持っていたが、彼が入ってトップリーグトップクラスのセットピースに押し上げてくれた」と評した。ここまでMVP級のパフォーマンスを披露しているマークスもサントリー戦を楽しみにしていた。「サントリーがいいチームなのは理解しているが、まず自分たちのやるべきことにフォーカスしたい。サントリーのアタックがいいことは知っているが、自分たちのラグビーに集中したい。(セットピースでは)すごいに戦いになるだろう。サントリーはセットピースが強いが、我々もセットピースに自信を持っている」所属2年目となるニュージーランド代表48キャップのセンター(CTB)クロッティもマークスらFW陣を頼もしく感じている。「FWパックは我々の強み。デカくて強い彼らもエキサイティングな気持ちだと思う。クボタのインパクトはトップリーグでも上位だと思う。自分は自分の仕事をするのみ。ハイスタンダードで臨めば、自分たちのラグビーはできるはず」ピッチ上の仕事だけではない。今季は外国人登録の関係でフル稼働できていないが、クロッティは問題ないと語る。「私の仕事はチームをよくすること。試合に出てなくてもほかの選手の成長に貢献できることはたくさんある。現在はノンメンバーがエネルギーを持ち、アグレッシブに準備することでチームの成長につながっている。このチームがうまくいっているのはクボタのチームカルチャーがよく影響している」勝利のためにできることはすべてやる。オーストラリア代表71キャップのスタンドオフ(SO)フォーリーに、オールブラックスのチームメイトだったボーデン・バレットの弱点は伝えたとクロッティは笑う。「バレットとは代表でも長いことやってきた。『スーパーラグビー』では敵同士だったが、日本で対戦するのは楽しみ。彼のプレースタイルを考えると、ディフェンスで時間とスペースを奪うのが大切。彼のラン、パス、キックを取り除けば効果的に止められる。フォーリーはアタックで多くの役割を担っているので、バレットの秘密もすべてを話した(笑)。今自分はクボタのキャップをかぶっているので、チームのために話した」ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)(C)F.SANO対するサントリーここまで一切隙を見せていない。スコアから両軍の力関係は計れないが、これまでの戦いぶりを振り返ってみたい。【第1節】クボタ43-17宗像サニックス三菱重工7-75サントリー【第2節】東芝7-39クボタHonda14-31サントリー【第3節】クボタ34-24NTTコムサントリー75-10宗像サニックス【第4節】クボタ38-7Honda東芝5-73サントリー【第5節】クボタ32-17三菱重工トヨタ自動車36-39サントリー改めて見ると、サントリーの圧勝ぶりが際立っている。しかも、前節はトヨタ自動車との接戦を制した。ブレイクダウンでトヨタが優位に立ち、前半は12-26とリードを許すも、後半に早々にテビタ・リー&中野将伍のウイング(WTB)勢の連続トライで主導権を握る。すると、19分にスクラムハーフ(SH)流大のトライでついに同点と思われたが、長いTMOによってトライは無効となった。並のチームならばここで流れを失うのだが、サントリーは慌てず騒がず。23分にテビタ・リーがこの日2本目、リーグトップタイに並ぶ9トライ目を奪い、あっさり同点に。その後1本ずつトライとコンバージョンを決めて36-36で迎えた41分、10mラインを超えた左側からサントリーはペナルティゴール(PG)を選択。ここまで6本中3本成功とショットの精度を欠いていたバレットだが、最後の最後でポールに当てながら成功、劇的勝利となったのだ。ワンサイドゲームで圧倒するだけではなく、負けパターンでも最後に勝利を手繰り寄せる勝負強さをサントリーは見せ付けたのだ。試合後にミルトン・ヘイグ監督は「接戦となったがボールがよく動いたいいゲームだった。前半はミスが多く、トヨタにプレッシャーをかけられた。後半はフェイズをしっかり重ねることで修正できた。後半の出来には満足しているが、試合を通して自分たちのプレーを出せなかった」と反省の弁を忘れなかった。またCTBを務める中村亮土主将は苦戦する展開にも「試合前から80分でポイントを勝っていればいいというマインドセットで臨んだ。前半からプレッシャーをかけ、これが後半に効いてくると思っていたので、余裕を持ってプレーできた」と想定内だったと明かした。さらにクボタ戦へ向けて「今まで大勝の試合が続いていた中、こういうタフな接戦を経験できたのは今後2試合、トーナメントへ向けてもいい反省ができるのがよかった。次もこれまでと同じようにベストの準備をすること。メンバー・ノンメンバー含めて一体感を持っていい準備をしたい」と続けた。シビれる場面でのキックを託されたバレットも「(最後のPGは)接戦だったが、その中でも落ち着いて自分のプロセスを大事に蹴られるように常にトレーニングしている。重要なキックだと理解しているが、落ち着いてキックできた。風の向きがコロコロ変わって難しかったけど」と落ち着き払った様子だった。キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。【サントリー】1森川由起乙、2中村駿太、3セミセ・タラカイ、4ハリー・ホッキングス、5辻雄康、6飯野晃司、7小澤直輝、8ショーン・マクマーン、9流大、10ボーデン・バレット、11テビタ・リー、12中村亮土、13中野将伍、14江見翔太、15尾崎晟也、16堀越康介、17石原慎太郎、18垣永真之介、19小林航、20西川征克、21齋藤直人、22田村煕、23サム・ケレビ【クボタ】1海士広大、2マルコム・マークス、3山本剣士、4デーヴィッド・ブルブリング、5ルアン・ボタ、6トゥパ フィナウ、7ピーター・ラピース・ラブスカフニ、8バツベイ シオネ、9井上大介、10バーナード・フォーリー、11山崎洋之、12立川理道、13テアウパ シオネ、14ゲラード・ファンデンヒーファー、15金秀隆、16杉本博昭、17羅官榮、18北川賢吾、19青木祐樹、20末永健雄、21藤原忍、22岸岡智樹、23ライアン・クロッティサントリーは中野が満を持して本職CTBで初先発、トヨタ戦でフィニッシャーの役割を担ったオーストラリア代表33キャップのサム・ケレビはベンチで戦況を見つめる。一方のクボタ、天理大を『大学選手権』初優勝に導いたSH藤原が早速メンバー入り。中野、SH齋藤との再会を「早稲田の同期のふたりがいるサントリー戦、彼らもおそらく出てくるので、自分自身もメンバーに入って勝負したい」と待ち望んでいたSO岸岡もメンバーに名を連ねた。今季もサントリーが勝利し、対クボタ12連勝をマークするのか、今季こそクボタが白星を獲得し、2004-2005季以来の勝利を飾るのか。果たして、全勝をキープするのはどっちか。『トップリーグ2021』レッドカンファレンス第6節・サントリーサンゴリアス×クボタスピアーズは4月3日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年04月02日抜群のスピードとテクニックに視線集中、バスケットボール界の注目株、Bリーグ・宇都宮ブレックスのテーブス海選手に迫ります。今のバスケ選手には賢さが必要。そこが魅力でもある。国内男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」の宇都宮ブレックスに所属するテーブス海選手。アメリカの大学でのプレーを中断し、チームに加入したのが昨年1月。試合に出場するや主戦力として早々に活躍し、Bリーグがバレンタイン時期に実施している「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦」では、ダントツの投票数で今年の1位に。でも、本人は謙遜気味。「ブレックスは本当にファンが多いチームですから。それで僕も応援してもらえたんだと思います(笑)。もちろん応援してもらえるのは嬉しいですし、プレーでもっとカッコよさを見せていきたいと思うようになりました」ファンから「セクシー」と言われる低めの声と、あどけなさが残る顔立ちとのギャップもテーブス選手の魅力。「本当はヒゲを生やしたいんですけど、なかなか生えなくて。チームでは僕が一番年下で、メンバーは見た目も大人なので、ベビーフェイスが目立ってしまうんです」とはいえプレーでは、その存在感を遺憾なく発揮。スピードに乗ったアグレッシブなオフェンスで会場を魅了。「アメリカでやっていた頃は対戦する相手の体が大きかったので、自分もパワーを重視していたんですけど、日本に帰ってきたら、体の大きさはあまり関係なく、とにかくみんな速い。そうなると自分もスピードを重視しなければと思い、9kgくらい体重を落としました」今のバスケットボールは、日本はもとより世界的にも、身長よりスキルやバスケットIQの高さが重要視される傾向に。テーブス選手も、バスケットボール選手の魅力は、そんなクレバーさにあると言う。「たとえば対戦相手が自分よりも身体能力があって、身長も大きかったとします。でも、自分のほうが賢いプレーをできたら勝てることもあるスポーツなので、そういうところが面白いし、カッコいいんじゃないかなって思います。僕のポジションはポイントガード(PG)といって、メンバーに指示を出す司令塔のような役割だから、まさにバスケットIQが必要。誰がどこにいるか、試合の流れや、相手のディフェンス、自分たちのオフェンスなど、常にいろいろ考えないといけないので、難しいポジションではありますが、やりがいも大きいんです」ベビーフェイスとは言うけれど、バスケットボールを語る真っすぐな眼差しや、しっかりとした考え方からは成熟した内面が窺える。そんなテーブス選手に、色気を感じる魅力的な男性について聞いてみると、「僕は、性格だと思います。顔とか髪型とか、見た目がカッコいい人はいますけど、実際に会って性格がそんなによくなかったら、そうは思えなくなってしまう。逆ももちろん、ありますよね。僕が思う色気のある人とは、自信を持っていて、頼りになる人。親切で、自分の感情を表せる人。子どもの頃は、お父さんがその理想像でした。見た目は怖かったけど(笑)」現在、ブレックスはBリーグ東地区1位※をひた走る。「昨シーズンも強かったけど、残念な終わり方で(コロナ禍で中断)。今季はなんとしても優勝したいです」※2021年3月12日現在てーぶす・かい1998年9月17日生まれ、兵庫県出身。身長188cm。高校2年でアメリカに渡り、高校、大学でプレー。NBAを視野に日本で腕を磨こうと、2020年、宇都宮ブレックスに加入。©B.LEAGUETシャツ¥15,000腰に巻いたスウェット¥26,000ショーツ¥27,000(以上アクネストゥディオズ/アクネ ストゥディオズアオヤマ TEL:03・6418・9923)※『anan』2021年3月31日号より。写真・天日恵美子スタイリスト・中根美和子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年03月29日ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとプロ野球 セントラル・リーグ6球団(以下、セントラル・リーグ)は、双方間におけるイベント・パートナーシップ契約締結を記念して、セントラル・リーグ各球団の代表選手やマスコットたちを迎えた発表イベントを開催した。この契約は招待形式の大規模イベントを2019年から検討しているセントラル・リーグが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの賛同を得て、パークを貸し切り、セ・リーグファンを招待。イベントを実施する内容だ。それだけでなく、各球団の本拠地球場のビジョンに球団マスコットとパークの人気キャラクターたちが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが20年間の集大成として贈る参加型ダンス・ショー「NO LIMIT! タイム」にも登場する「NO LIMIT!ポーズ」で盛り上がる様子を映し出すなど、球場側でもパーク20周年イベントと連携する企画もスタートする。発表イベントには、代表選手たちがリモートで参加。会場と一緒に野球の応援歌を連想させるトランペットや太鼓の音をポップにアレンジしたアップテンポな音楽に合わせ、「NO LIMIT!ポーズ」に挑戦した。ソーシャルディスタンスが必要なニューノーマルな社会でも、離れた仲間と一緒に盛り上がり、絆を深められることを体現していた。以下、各チーム代表選手のコメント●読売ジャイアンツ岡本和真選手子供のころ、よく遊びに行っていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンとパートナーシップを結んだことを聞いたときは、本当にうれしく思いました。今年は皆さまを超元気にできるプレーをして、優勝!そして、日本一を目指してがんばりたいと思います。●阪神タイガース近本光司選手チームスローガン「挑・超・頂」は、挑戦する姿勢、自分自身を超える、頂点に立つことを意識し、強い意志で1年間しっかり戦っていこうという思いが込められています。自身も3年連続の盗塁王をめざして、自分の可能性を超えていきたいと思います。●中日ドラゴンズ高橋周平選手今回のパートナーシップ契約の中で、「セ・リーグ フェスティバル」に一番、興味をもちました。ぜひ参加したいです!●横浜DeNAベイスターズ三嶋一輝選手セーブのかかった場面、そうでない場面もマウンドに立って、チームのために、そしてファンの方々が超元気になってくれるようなプレーをがんばりたいと思います。●広島東洋カープ大瀬良大地選手僕にとって、手術明けのシーズンになるのですが、チームスローガンの「バリバリバリ」のように、超元気でバリ熱いプレーをファンの皆さんにお届けしたいなと思っております。ぜひ、球場に足を運んでいただきたいです。●東京ヤクルトスワローズ村上宗隆選手チームスローガン「真価・進化・心火」の通り、成長するためには進化することが大事なので、とにかく失敗を恐れずに、超元気にがんばりたいと思います。画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(C)&(R) Universal Studios. All rights reserved.(text:cinemacafe.net)
2021年03月16日府中ダービーである。『トップリーグ』最多優勝5回を誇る名門チーム同士の対決でもある。東芝ブレイブルーパス×サントリーサンゴリアス。オールドファンを沸かせてきた名勝負数え歌が3月13日(土)『ジャパンラグビー トップリーグ2021』第4節にラインナップされているのだ。東芝は前節やっと今季初勝利を挙げた。開幕戦ではトヨタ自動車ヴェルブリッツ相手に後半怒涛の追い上げを見せるのも33-34とわずかに届かず、第2節はクボタスピアーズに後半何もさせてもらえず7-39の完敗を喫した。まさかの連敗発進にトッド・ブラックアダーヘッドコーチ(HC)はフレッシュなメンバーを組み込んだ。第3節・三菱重工相模原ダイナボアーズ戦では前節から8名先発を入れ替え、ルーキーのロック(LO)伊藤鐘平が初めてスタメンに名を連ね、スクラムハーフ(SH)ジャック・ストラトンがスタンドオフ(SO)に回り、2年目のSH高橋昂平も初先発、新人フランカー(FL)佐々木剛も初めてメンバー入りするなど、23名の試合登録選手は25歳以下の若手が半数近くを占めた。高橋昂平(東芝ブレイブルーパス)(C)スエイシナオヨシ東日本大震災から10年、3月6日・釜石鵜住居復興スタジアムで東芝のフィフティーンは躍動した。この日は相手に「痛い」と嫌がられる東芝伝統の強烈なタックルが炸裂。LO小瀧尚弘、FLリーチ マイケル、ナンバーエイト(NO8)山本浩輝、センター(CTB)ジョニー・ファアウリがハードタックルを連発した。アタックでは12分に連続攻撃からCTBセタ・タマニバルがトライを決めると、20分には自陣トライライン手前から高橋が90m以上を走り切る独走トライ。小瀧がディフェンスラインのギャップを突いたかと思えば、ドライビングモールから佐々木が2本目のトライを奪い、ロングパスからWTB松延泰樹が2本抜け出すなど、取りも取ったり9トライ。これまでのうっ憤を晴らすかのようなトライラッシュを披露したのだった。試合後、ブラックアダーHCが「チームが素晴らしい準備をしてきたことをいいパフォーマンスで証明できてうれしい。我々がやろうとしたこと、準備してきたことを試合に出せるようになった。ディフェンスもセットピースのプラットフォームもうまくいった。改善しないといけなのは規律の部分。80分通して満足している」と満足げな表情を見せれば、ゲームキャプテンを務めたリーチも「東芝としては2連敗して今週の準備、自分たちにフォーカスしていい形でできた。反省点があるとすると、それはディシプリンの部分」と同意した。若手たちの活躍について質問が飛ぶと、指揮官は「高橋だけではなく、チームが成長していると感じている。選手はよくなっている、自信が徐々についている。この試合で新しい選手を起用したが、それはプランではなく、ベストなメンバーを選んだ結果。彼らにチャンスを与え、彼らがチャンスをつかんだ。チームの競争としていいことだ」と歓迎した。さらにリーチは「サントリー戦は本当にタフな試合になる。フィジカルでもいい準備をして臨みたい」と気を引き締めた。中野将伍(サントリーサンゴリアス)東芝とは対照的にサントリーは開幕3連勝を飾った。開幕戦では11トライを量産し、三菱重工相模原に75-7と大勝。ニュージーランド代表の司令塔のSOボーデン・バレットが1トライ8ゴールで21点を叩き出せば、ウイング(WTB)テビタ・リーは5トライをマーク。WTB中野将伍もデビュー戦で初トライを記録した。続く第2節はHonda HEATの魂のこもったタックル、粘り強いディフェンスに手を焼きながらも31-14ときっちり勝利。初スタメンを果たしたSH齋藤直人が自ら2トライを奪うなど、ボーナスポイントも手繰り寄せた。早稲田大ルーキーコンビは、それぞれ初先発した試合後に「(WTBは)初めてのポジションだったので、最初はうまくいかない部分もあったが、練習をする中で、自分の持ち味であるフィジカル、突破力を活かせるように周りとコミュニケーションを取っている。WTBでもCTBでも出場できるように準備し、自分の持ち味を発揮したい」(中野)、「(バレットとのコンビは)今後のために経験を積めている。1日1日、1試合1試合学ばせてもらっている。9番でもリザーブでもチームとして準備してきた。サントリーで自分を成長させたい」(齋藤)と前向きなコメントを発した。先週行われた第3節では宗像サニックスブルースを75-10と圧倒。世界トップクラスのCTBサム・ケレビが3戦連続となるトライを2本決めれば、FLツイ ヘンドリックも2トライ、1トライ10ゴールのバレットは25点を積み重ねた。サニックス戦後、ミルトン・ヘイグ監督は「内容に関しては満足している」としつつ、「これから取り組まなければいけない課題もある。80分間通して、自分たちのやりたいことを体現できていない。これからもっとできる部分はある」と課題を口にした。サニックスのコーリー・ブラウンHCが「ポジティブな部分で言えば、ケガ人が出なかったこと。今日の試合でケガ人が出なかったことはポジティブだと考えている」と脱帽するほどの圧勝ぶりにも実に淡々としたものだった。さらにヘイグ監督は「シーズンが始まってから毎週改善していかないといけない点はある。自分たちの現在地は次の東芝戦を終えれば、明確に見えるのではないか。チームとしてのポテンシャルは、これからまだまだいい方向に仕上げていけると感じている」と先を睨んだ。中村亮土主将に代わってCTBで先発した梶村祐介は激しいポジション争いについて、「CTBはいろいろな選手がいい持ち味を持っているので、違いを出さないといけないと思っている。僕はボールを持った時のプレーや外を生かすスキルの高さで差をつけていきたい。練習の強度が上がる日が週に1日ある。やはりみんな試合に出たいので、僕も紅白戦でトイメンがサム・ケレビだと、その強度が試合以上になる。試合ほど長い時間はやらないが、強度で言えば試合以上」と明かした。キックオフ48時間前に発表される両チームの試合登録メンバーは以下の通り。【東芝】1金寛泰、2橋本大吾、3知念雄、4梶川喬介、5小瀧尚弘、6リーチ マイケル、7マット・トッド、8山本浩輝、9小川高廣、10ジャック・ストラトン、11松延泰樹、12ジョニー・ファアウリ、13セタ・タマニバル、14ジョネ・ナイカブラ、15豊島翔平、16平田快笙、17三上正貴、18深村亮太、19サム・トムソン、20佐々木剛、21高橋昴平、22巴山凌輔、23宇薄岳央【サントリー】1森川由起乙、2堀越康介、3垣永真之介、4トム・サベッジ、5ハリー・ホッキングス、6ツイ ヘンドリック、7小澤直輝、8テビタ・タタフ、9流大、10ボーデン・バレット、11テビタ・リー、12中村亮土、13サム・ケレビ、14中野将伍、15尾崎晟也、16中村駿太、17石原慎太郎、18中野幹、19飯野晃司、20ショーン・マクマーン、21齋藤直人、22田村煕、23塚本健太『トップリーグ』以降、直接対決の通算対戦成績は東芝の12勝11敗とほぼ互角。直近のゲーム『トップリーグ2020』開幕戦でも東芝が26-19で勝利している。果たして、サントリーが開幕4連勝で対戦成績を五分に戻すのか、東芝が下馬評を覆して『プレーオフトーナメント』に希望を見せるのか。最後の『トップリーグ』での府中ダービーは3月13日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。文:碧山緒里摩(ぴあ)トップリーグ特設ページ東芝ブレイブルーパスサントリーサンゴリアスチケット情報
2021年03月12日米動画配信サービスHBO(R)maxにて配信される『Zack Snyder’s Justice League(原題)』が、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』として日本国内でもデジタル配信及びBlu-rayリリースされることが決定した。2017年に公開され、全米No.1大ヒットを記録した『ジャスティス・リーグ』。その製作中に降板したザック・スナイダー監督が、初期構想に基づき追加撮影、再編集の上で製作したのが『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。『ジャスティス・リーグ』では見られなかった、ジャレッド・レト扮するジョーカーの登場ほか、約4時間に及ぶ本編の内容に多くの注目が集まっている。なお、米配信開始に先駆けて、アメリカで開催される先行オンライン試写会(英語版のみ/字幕なし)に日本から限定招待する応募もスタート。本作の劇場公開予定は無く、詳しいリリース情報は4月16日(金)に発表を予定しているという。『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は初夏、デジタル配信&Blu-rayリリース予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年03月09日オールドファンもにわかも、ラグビーを心行くまで満喫していることだろう。『ジャパンラグビー トップリーグ2019-2020』は前半でシーズン中止となり、『トップリーグ2021』開幕は延期、ラグビーファンの飢餓感がピークを迎えた中、最後の『トップリーグ』は開幕した。今季も世界各国の超大物たちが大挙して来日。ニュージーランド代表の司令塔ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)やオーストラリア代表現主将マイケル・フーパー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、元スコットランド代表スクラムハーフ(SH)グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、オールブラックスでハカのリーダーを務めるTJ・ペレナラ(NTTドコモレッドハリケーンズ)らが全国各地で超一流のスキルを披露しているのだ。待ちに待った甲斐があるというものである。ナエアタ ルイ(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)さて『トップリーグ2021』は2節を終えたところ。優勝候補たちのパフォーマンスを見てみたい。初代『トップリーグ』チャンピオンであり、連覇で最後の王者を目指す神戸製鋼コベルコスティーラーズは開幕戦でらしくない姿を露呈してしまう。昨季1勝も挙げられなかったNECグリーンロケッツを突き離せず、47-38と苦しんだのだった。初戦で守備と規律に課題を突き付けられた神戸製鋼だが、そこは王者。1週間後に一発回答して見せた。キヤノンイーグルスを相手に11トライを量産し、73-10と粉砕。5トライをマークしたNO8ナエアタ ルイが「コロナの影響でトンガに帰ることができず、日本でずっとトレーニングを積んできた。昨季より走れている。トライはみんながハードワークしてくれたおかげ」と語れば、デーブ・ディロンHCも「今日はキックオフから80分まで攻める姿勢を保ってくれた。最後のトライを見てもらえればわかるだろう。選手、コーチ陣を誇りに思う」と称えた。また2トライを決めたフランカー(FL)トム・フランクリン共同主将は「選手みんなで『トップリーグで優勝できるチームを2チーム作ろう』と言い合っている」と胸を張った。NZ代表50キャップのスタンドオフ(SO)アーロン・クルーデン、日本代表51キャップのSH日和佐篤、日本代表PR(プロップ)中島イシレリら主力を欠いてこのトライラッシュなのだから恐れ入る。テビタ・リー(サントリーサンゴリアス)サントリーも11トライを挙げた。東芝ブレイブルーパスとともに最多優勝5回を誇るサントリーは三菱重工相模原ダイナボアーズとの開幕戦で75-7の大勝。神戸製鋼がNO8なら、サントリーはウイング(WTB)である。テビタ・リーが5トライをマークした。リーは緩急と初速のスピード、キレキレのステップで相手を置き去りにしたのだ。続く、Honda HEAT戦では相手の強烈なタックルと粘り強いディフェンスに苦しみ、ペナルティもおかしながらもサントリーは31-14と連勝した。試合後、センター(CTB)中村亮土主将は「思っていた以上にプレッシャーを感じ、ペナルティが多く、自分たちがゲームを壊してしまった。もっと自分たちでコントロールできる部分を増やしたい。ここを調整しないと今後厳しい試合が続くので、修正したい」と課題に目を向けた。神戸製鋼然り、サントリーも然り。今季の『トップリーグ2021』はV候補と言えども、完勝の連続とはいかない。事実、第2節・クボタスピアーズに7-39で敗れたリーチ マイケル(東芝)は「トップリーグのレベルが上がっている。それぞれのチームのディフェンスのレベルが上がって、トライを取るのが難しくなかった。外国人選手のインパクトが大きい」と口にしている。山沢拓也(パナソニック ワイルドナイツ)そんな中、パナソニック ワイルドナイツはリコーブラックラムズに開幕戦で55-14と快勝すると、第2節も日野レッドドルフィンズに60-12の会心の勝利。リコー戦では前へ出るディフェンスからシンプルかつスピーディなアタックで7人がトライを奪えば、日野戦ではSOに入った山沢拓也が多彩な足技を駆使して2トライ5ゴール1ペナルティゴール・23点をマークする大活躍を見せた。試合後、名将ロビー・ディーンズ監督が「見ていただいたように、これぞ山沢というプレーをしてくれた。彼は誰も真似できないようなプレーをしてくれる選手だと評価している」と称えるも、当人は「前半のようなゲームマネジメントをしてしまうと国を代表するような試合に出場するのは難しいと思う。どんな試合でも、しっかりと勝ち切る、チームに勢いを戻せるプレーヤーにならないといけない。自分の持ち味は消さず、ゲームマネジメントを勉強、経験していきたい」とさらなるレベルアップを誓った。優勝4度を数えるパナソニックだが、最後のタイトルは2015-2016シーズン。リーグ随一の選手層を誇る野武士軍団は神戸製鋼、サントリーとともに優勝戦線の中心を担っていくことだろう。茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)初優勝をターゲットにするトヨタ自動車も連勝スタートを切った。東芝との開幕戦は前半こそ24-7とこれまでとの違いを見せたが、後半は一転して東芝ペースに。ミスからトライを奪われたが、34-33と辛くも勝点4を手にした。続くNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦も前半を25-8で折り返し、終盤に35-29と迫られも同じ轍は踏まなかった。最後に立て続けにトライを奪い、最終的に47-29とボーナスポイントも手繰り寄せた。連勝発進にSH茂野海人共同主将は「課題に関しては簡単に修正できると思うので、来週改善していきたい。一試合一試合を通してチームとして成長している。今週より来週の方がいいチームになっていると思う」と確かな手応えを口にした。バーナード・フォーリー(クボタスピアーズ)あと開幕2連勝を飾ったのはクボタとNTTドコモ。五郎丸歩のラストシーズンを日本一で送り出そうとチーム一丸となっているヤマハ発動機は第2節・リコーブラックラムズ戦では前半に10個ものペナルティをおかし22-23で敗れた。まさかの敗戦に堀川隆延監督は「この敗戦から何を学ぶのか。次は生まれ変わったつもりでヤマハスタイルを発揮したい」と巻き返しを約束した。果たして、リーグ戦7試合を経て行われるプレーオフトーナメントではどのような結末が待っているのか。神戸製鋼が連覇を飾るのか、サントリーが最多Vで締め括るのか、パナソニックが5季ぶり優勝を決めるのか、トヨタが悲願の初優勝を達成するのか、それとも……。優勝トロフィーの行方はわからないが、これだけは言える。5月23日(日)のプレーオフ決勝までかつてない熱戦が全国各地で繰り広げられるはずだ。今週末も『トップリーグ2021』が日本を熱くすることだろう。文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報トップリーグ特設ページ
2021年03月05日『トップリーグ』初優勝の可能性を計るひとつの試金石と言える。トヨタ自動車ヴェルブリッツにとって『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』第2節は重要な戦いと言える。NTTコミュニケーションズシャイニングアークスとの一戦は、レッドカンファレンスの勢力図を見る絶好のカードである。オーストラリア代表100キャップを超える超大物フランカー(FL)マイケル・フーバーが加入し、優勝をターゲットにするトヨタ自動車だが、日本一は1998年度までさかのぼらなければならない。前身の『全国社会人ラグビーフットボール大会』の時の話である。『トップリーグ』では2007年度の3位が最高位。2017-2018・2018-2019シーズンはともに4位。4位はじつに6回とトップ4の壁をなかなか超えられずにいる。シーズン不成立となった昨季は3勝3敗……。黒星を喫したのはヤマハ発動機ジュビロ、パナソニック ワイルドナイツ、サントリーサンゴリアスといずれも強豪だが、不本意な成績に終わっている。グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)スエイシナオヨシ一方、NTTコムも元スコットランド代表主将だった世界的スクラムハーフ(SH)グレイグ・レイドローを獲得し、悲願のトップ4入りへ向けて虎視眈々。昨季はサントリーとクボタスピアーズに敗れて、4勝2敗。2016-2017・2018-2019季は5位と4強入りまであと一歩に迫ってきた。ここ3試合のリーグ戦での直接対決を見ても、2018-2019第6節・Nコム36-38トヨタ、2017-2018第12節・トヨタ22-15Nコム、2016-2017第7節・Nコム19-13トヨタといずれも熱戦を繰り広げている。そう、トヨタ自動車としてはNTTコムに勝利しない限りトップ4の先は夢のまた夢、Nコムとしてもトヨタを超えない限りトップ4は見えてこないのだ。ライオネル・クロニエ(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)JRFUここでそれぞれの開幕戦を振り返りたい。2月20日『トップリーグ 2021』開幕戦でトヨタ自動車はホームにサントリーとともに最多優勝5回を誇る東芝ブレイブルーパスを迎え撃った。4分、ラインアウトからのサインプレーでウイング(WTB)ヘンリー ジェイミーが抜け出すとそのままトライ。12分には東芝に22mラインを超えたところまで攻められるも、密集でのこぼれ球を南アフリカ代表61キャップをマークするフルバック(FB)ウィリー・ルルーが拾い、70m超の独走トライを披露。26分は鮮やかなパスワークからFLフェツアニ ラウタイミが右隅へトライ。スタンドオフ(SO)ライオネル・クロニエはこの難しい角度からのコンバージョンゴール(CG)を含め3本とも成功し、21-0と早々に試合を決めにかかる。キアラン・リード(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)JRFUしかし2分後、インゴールまで10mと迫った東芝にラインアウトからドライビングモールで1本返されたが、34分にはクロニエのペナルティゴール(PG)が成功し24-7、接点で優位に立ちポゼッションをコントロールしたトヨタ自動車はしてやったりの展開で前半を終えた。だが、後半は試合内容とスコアが一変。44分にPGで27-7とするも、その後2本東芝にトライを決められたのだ。8点差に迫られたトヨタだが、慌てず騒がず。すぐさまWTB高橋汰地がトライを奪い返し、CGも決めて34-21。残り20分、どのように試合を締めるか注目される中、東芝の勢いは止まらなかった。69・75分と立て続けにトライを決められてわずか1点差に詰め寄られたのだ。だが、最後はトヨタ自動車が時間を効果的に使い、ノーサイド。34-33の薄氷を踏む勝利で白星発進した。茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)F.SANO試合後、指揮官も共同主将も反省の弁を口にした。サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)が「前半はかなりいい形で試合を進められた。アタックもポゼッションもよかった。後半はスキルエラーもあり、簡単に攻められてしまった」と振り返れば、SH茂野海人も「前半は自分たちのラグビーができたが、後半はポゼッションのところのミスで自分たちのラグビーはできなかった」と課題を挙げた。50分からピッチへ投入され、日本デビューを果たしたフーパーは「ハードワークだった。疲れた。とてもフィジカルで、ボールの動きも速い。スコアも最後までわからない激しいゲームだった」と口にしつつ、元ニュージーランド代表ナンバーエイト(NO8)キアラン・リードとのコンビに「リードとはたくさん試合をしてきたが、まさか一緒にプレーするとは思わなかった」と感慨深げに話した。ウィリー・ルルー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)F.SANOまた、スプリングボクスのエースとして君臨したルルーはオールブラックス前主将リード、ワラビーズ現主将フーパーと同じチームでプレーすることについて「今までニュージーランド、オーストラリア、南アフリカと異なるチームで対戦してきたが、同じジャージを着てトレーニングしていて、彼らから学ぶことはとても多い。敵ではないことが本当にうれしい。NZ代表や豪州代表でキャプテンをしてきた彼らは、どんな状況でも冷静にチームメイトに話している」と歓迎した。フレッチャー・スミス(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)スエイシナオヨシ対するNTTコムは2月20日にHonda HEATと激突。NTTコムはSHレイドロー、SOフレッチャー・スミスの新しいハーフ団がアタックをリードし、自らも1本ずつトライを奪いながらも風下に苦しみ、Hondaを突き離せずに19-13で前半を折り返す。後半に入り、風上に立つとNTTコムが完全にゲームを支配する。50分にレイドローのPGで先にスコアを動かしながら、57分にロック(LO)ジミー・トゥポウがシンビンで10分間の退場……。一気にスコアを縮められるピンチに陥るも、3分後にはFLリアム・ギルが逆にトライをゲット。さらに集中力切れた相手のミスや隙を逃さずに33・40分ときっちりトライに結びつけ、終わってみれば41-13の快勝スタートとなった。金正奎(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)F.SANO試合後、ヒュー・リース・エドワードHCが「例年、初戦は苦しい展開になりがちだが、勝点5を得られ、この結果に満足している。ボーナスポイントを取りつつ、課題をたくさん見つけられた。チームにとっていい勝利となった」と喜べば、金正奎共同主将も「勝って反省できるのはいいこと。伝統的にファーストゲームを落とす、またはギリギリの状態で勝つ試合が多かったので、例年と違ったシャイニングアークスを見せることができた」と胸を張った。さらにHCは日本デビューで13点をマークしたレイドローを「彼は、誰もが認めるワールドクラスの選手であり人間。今日も球出しをうまくコントロールしていた。味方がシンビンの時は、10番としてもプレーした。すぐに求められるポジションをこなせるワールドクラスの実力があることを証明してくれた」と評価した。続いて第2節の試合登録メンバーを見てみたい。キックオフ48時間前に登録選手は以下の通り。【NTTコミュニケーションズシャイニングアークス】1上田竜太郎、2三浦嶺、3三宮累、4中島進護、5ジミー・トゥポウ、6リアム・ギル、7金正奎、8ヴィリー・ブリッツ、9グレイグ・レイドロー、10フレッチャー・スミス、11張容興、12池田悠希、13シルヴィアン・マフーザ、14石井魁、15安田卓平、16セコナイア・ポレ、17齊藤剣、18平井将太郎、19佐藤大樹、20目崎啓志、21湯本睦、22石橋拓也、23トロケ マイケル【トヨタ自動車ヴェルブリッツ】1三浦昌悟、2彦坂圭克、3淺岡俊亮、4秋山大地、5マイケル・アラダイス、6フェツアニ ラウタイミ、7佐藤穣司、8キアラン・リード、9茂野海人、10ライオネル・クロニエ、11ヘンリー ジェイミー、12マレ・サウ、13ロブ・トンプソン、14高橋汰地、15ウィリー・ルルー、16加藤竜聖、17吉田康平、18崔凌也、19タウファ オリヴェ、20マイケル・フーパー、21滑川剛人、22岡田優輝、23チャーリー・ローレンス三浦昌悟(トヨタ自動車ヴェルブリッツ/中央右手前)(C)JRFUトヨタ自動車は2月23日のオンライン記者会見を実施。指揮官、ルルー、プロップ(PR)三浦昌悟がNTTコム戦へ向けて、次のように意気込みを語った。「ポゼッションとテリトリーのコントロールをしたい。ワールドクラスのコーチがいて、パワフルなプレーが強み。相手の弱みがどこにあるか探り、自分たちの強みを出せるようプレーしたい」(クロンHC)「開幕戦でハーフがいいプレーをしていた。9・10番はキック、ラン、パスすべてでよかった。彼らのオプションにうまく対応しないといけない」(ルルー)「NTTコムはHonda戦でスクラムを修正していた。僕らも第1節はいい形で組めたが、まだ個々の強さに頼ったスクラム。8名で組んだ方向性が次の課題。もっともっと成長できるように貪欲に戦っていきたい」(三浦)果たして、トヨタ自動車が初優勝への階段を一歩ずつ進んでいくのか、NTTコムが4強入りをしっかりと視界にとらえるのか。『トップリーグ2021』第2節・NTTコム×トヨタ自動車は2月28日(日)・ユアテックスタジアム仙台にてキックオフ。チケット発売中。チケット情報トヨタ自動車ヴェルブリッツコミュニケーションズシャイニングアークストップリーグ特集ページ
2021年02月27日ザック・スナイダー監督が、3月18日にHBO Maxで配信されるスナイダー版『ジャスティス・リーグ』について、「Vanity Fair」誌に語った。スナイダー監督は撮り直しや再編集に与えられた予算は7000万ドル(約74億円)だったと明かし、「私はギャラを受け取っていない」と話している。(もちろん、降板前に撮った映画についてはギャラが支払われている)。その理由を、「だれにも借りを作りたくなかったから。また、ギャラをもらわないことで彼ら(ワーナーやHBO Max)に対して強くものを言える交渉権を保つことができた」と赤裸々に語っている。2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』は、スナイダー監督が家庭の事情で途中降板したため、バトンタッチを受けたジョス・ウェドンが完成させた作品。これが残念ながら不評で、「スナイダー監督が最後まで手掛けた『ジャスティス・リーグ』が観たい!」という声が、ファンの間で何年も上がっていた。ベン・アフレックやガル・ガドットらキャストも「#リリース・ザ・スナイダー・カット」というハッシュタグでスナイダー版の製作を応援し、製作にこぎつけた。スナイダー版にはオリジナルのキャストに加え、『スーサイド・スクワッド』でジョーカーを演じたジャレッド・レトもジョーカー役で出演している。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年02月24日ザック・スナイダー監督が、スナイダーカット版『ジャスティス・リーグ』よりジャレッド・レトが演じるジョーカーのファーストルックを公開した。ツイッターにジョーカーの画像を投稿するとともに、「きみは本当に素晴らしいキャラクターを作り上げてくれました」とジャレッドにメッセージを送っている。昨年10月、ジャレッドはスナイダー監督と配信元のHBO Maxに、ジョーカー役での出演オファーを受けたと報じられていた。ジャレッド演じるジョーカーは、デヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』に登場したキャラクター。スナイダー監督は、「2つの世界をぶつけ合わせることができて光栄です」とエアー監督にも感謝の意を表している。スナイダー監督のツイート後、「Variety」誌がジャレッドにインタビュー。ジャレッドは「秘密厳守を誓っているから」と前置きし、「スナイダー監督と仕事ができる機会をもらえて最高です。彼はみんなが影響されてしまうようなクレイジーなエネルギーを持っています。彼の作品にかける情熱と献身ぶりはすごいんです」とスナイダー監督を称えた。「だからファンも監督や監督の作品に、情熱的・徹底的に応えるんでしょうね」と、語った。今回のスナイダーカット版『ジャスティス・リーグ』は、ファンが何年にもわたって「製作してほしい!」と声を上げ続けたことで実現したともいえる。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年02月04日プロの女子選手が、男子リーグに入って対等にプレーする―異例の選択が話題を集める永里優季。なでしこジャパンの一員として、2011年ワールドカップで日本を優勝へ導いたレジェンドは、国境も、男女の垣根も自由にマイペースに越えていく。チャレンジを惜しまず、伝えたいメッセージがあるから。プロサッカー選手永里優季どんよりとした曇り空と初冬の肌寒さに見舞われた2020年11月22日の神奈川県・厚木市荻野運動公園陸上競技場。同市を本拠地とする神奈川県社会人サッカーリーグ2部の『はやぶさイレブン』がリーグ最終戦『VERDRERO港北』との一戦に挑んでいた。1部昇格への挑戦権を得るための大一番でスタメン入りしたのが、フォワード(FW)の永里優季(33)。東日本大震災の起きた’11年に日本中を勇気づけた、女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝メンバーのひとりである。■男性チームに入って活躍女子選手が男子チームに加入するのは異例中の異例。しかし、ためらいはなかった。永里は昨年9月の入団会見で「ずっと昔から、いつか男子のリーグでプレーしたいという思いがあり、いかにそのレベルに近づけるかというのを目標にやってきました。’11年女子W杯決勝で対戦したミーガン・ラピノーが女性の地位向上を訴えていることも自分の背中を押しました。女性でも男性のチームに入って活躍できるんだとメッセージを伝えたい。サッカーをやっている女の子たちにもひとつの選択肢を作ってあげられれば」と、堂々と言い切ったのだ。この日の試合で、彼女は兄・源気(35)とツートップを結成。試合開始から猛然とボールを追いかけ、ゴールに突き進む。「優季の技術の高さなら、このレベルでも十分にやれる」と、元・Jリーガーの阿部敏之監督(46)も信頼を寄せていたが、女子選手という事実を忘れそうなほどの存在感とオーラを放っていた。最初の得点チャンスは前半19分。左からのボールをゴール前で受けた場面だ。みずから打てる状況だったが、より確率の高い位置にいた兄・源気にあえてラストパスを送った。次の瞬間、シュートは枠をはずす。2人はそろって悔しそうな表情を見せた。「兄と公式戦でコンビを組むのは初めてでしたけど、お互いに考えていること、感じることが似ている。あのときは動き出しているのが見えたので、パスを出しました。決めてくれたら最高だったんですけどね(苦笑)。今回、男子チームに入るきっかけになったのは兄の存在。本当に感謝しています」と、永里自身もきょうだいの絆を感じつつ、全身全霊を注いで63分間プレー。最終的に、はやぶさイレブンはこの一戦を2─1で勝利した。「優季はこの3か月、ずっと自然体でサッカーをやっていました。男子のスピード感を経験して、女子サッカーのレベルを引き上げてくれると思います。下の妹・亜紗乃(31)も『はやぶさイレブン+F』でフットゴルフをやっていますし、きょうだいそろって地元・厚木のサッカー界に貢献できたのはうれしいですね」そう話し、現在はクラブ運営にも携わっている源気は目を細めた。家族や周囲の力強いサポートを受けながら、ジェンダーを越えたチャレンジに踏み切ったトップアスリート・永里優季。ユーチューブやツイッターなどによる発信、起業家、ドラマーと多彩な顔も持つ。そんな彼女が「人とは違う、自分らしい生き方」を選ぶまでには、どのような物語があったのだろうか。■「協調性がない」「負けず嫌い」な少女時代永里3きょうだいの2番目・優季が生まれたのは、昭和の終盤である1987年。2つ上の源気、1学年下の亜紗乃とともに、にぎやかな環境で育った。幼少期からそろばんやピアノなどの習い事に通っていたが、いちばん熱中したのがサッカー。兄の影響で小学1年から地元の林サッカークラブに入り、本格的に取り組み始めた。「父が“ひとつのことを極めてトップレベルになってほしい”という考えだったんで、とにかく上を目指すしかなかったですね。母はかばってくれましたけど、ホントにやめてしまったら家から追い出されそうな雰囲気もあったんで」と、彼女は苦笑する。眼前に立ちはだかる厳格な父親。盾になってくれたのは、妹思いの兄だった。「“そんなんだったらやめちまえ”みたいな理不尽なことを父親が言うんで、“ちょっと言いすぎでしょ”と口を出したことが何度かありました。孫に当たる僕の子どもにも同じように厳しく接しようとするんで“いいおじいちゃんになってよ”と、口を酸っぱくして言ったくらいです」と、源気は冗談まじりに話す。そんな厳しい愛情を通して「何事も自分で考えて決断し、筋の通った生き方をする」という哲学は3きょうだいに刻み込まれた。父の教えのもと、貪欲にボールを蹴った永里もグングン成長。地元女子チームの『FC厚木レディース』を経て、中学から名門クラブ『日テレ・メニーナ』へと進む。同クラブはJリーグ『東京ヴェルディ』(東京V)の女子チームである『日テレ・ベレーザ』の下部組織。東京・稲城市の練習場に片道1時間半かけて通うことになった。「中学が終わったら母が車で迎えに来てくれて、移動中にご飯を食べ、着替えて、最寄り駅まで送ってもらって、電車を乗り継いで練習場に行く形でした。1学年下の妹も翌年からメニーナに入ってきたので、一緒に行くようになりました」12歳から超多忙な生活を送ることになったが、日本女子サッカー界最高峰チームでの毎日は刺激的だった。1つ上には’11年女子W杯優勝メンバーの岩清水梓がいたし、同じグラウンドで練習していたベレーザには、澤穂希、大野忍といった偉大な先輩がズラリと並んでいたからだ。逸材の指導に当たったのは、寺谷真弓監督(現・東京Vアカデミーダイレクター)。「優季は最初に見た小6のころから165センチくらいあって、頭ひとつ抜けた存在感を誇っていました。中1から試合に出て、中3でU─18(18歳以下)全日本選手権MVPを獲得するなど活躍していました。ただ、常に年上の選手とプレーすることが多かった分、自分のことを考えるだけで精いっぱいだったんでしょうね。“もう少し周りのことを考えて行動し、チーム一丸となってやってほしい”と思うところはありました」そんなある日、永里は寺谷監督から衝撃的なひと言を突きつけられる。「おまえには“協調性”がないんだよ」本人は当時の胸中をこう述懐する。「思春期真っ盛りの中3だったので戸惑ったし、“協調性って何だろう”って真剣に考えました。私はたぶん、昔から人と同じことをやるのが苦手だったのかな。“人との違いを見せることで上に行ける”という自負もあって、少し尖った行動をしていた気がします」没個性化と言われる昨今、彼女のように中学生のころから「自分らしくありたい」と考え、行動できる人間というのは非常に頼もしい。けれども、サッカーは集団競技。しかも20年前の日本では「強すぎる個性はいかがなものか」「もっと和を大事にすべき」という意識が根強く、永里のようなタイプは周囲から浮きがちだった。そんな実情を踏まえ、寺谷監督は警告を発したのかもしれない。こうした壁にぶつかったうえ、中学卒業直前の’03年1月に右ひざ前十字靱帯を断裂。実は中2の春にも左ひざ前十字靱帯損傷の重傷を負って長期離脱していただけに、本人には大きすぎるショックだった。それでも幸いにしてベレーザ昇格は決定。地元の進学校である厚木東高校にも合格し、好きな勉強をしながらリハビリに専念できた。ベレーザ時代の永里を指導した松田岳夫監督(現『マイナビベガルタ仙台レディース』監督)は「彼女は根っからの負けず嫌い」と話す。「ベレーザに上がってきたころはケガを治しながらプレー感覚を取り戻すことに集中していました。もともと人見知りで寡黙な子だけど、泣き虫な一面もありましたよ。試合に負けると本当にすぐ泣く(笑)。そうやって感情をストレートに出すのがいいところだと僕は感じていました」■なでしこジャパンで痛感した「世界の壁」飽くなき向上心と闘争心を関係者も高く評価。’03年10月には’04年アテネ五輪を目指していた女子日本代表(なでしこジャパン)の候補にも初招集される。「なんで私が?」と本人は驚き半分だったが、女子基準をはるかに超えたパワーとスピードを兼ね備えたフォワードが16歳でお呼びがかかるのは、ごくごく自然の成りゆきだった。そして翌’04年4月のアジア最終予選・タイ戦で、なでしこデビュー。同時に日本は8年ぶりの五輪切符を獲得する。「7月の本大会にも永里は選出されるだろう」と誰もが確信していたが、まさかの落選。初の五輪参戦は夢と消えた。この悔しさを糧に、高2のストライカーとしての自分自身に磨きをかけた。松田監督はこのころの様子を思い浮かべ、こう語る。「永里には“力強さだけじゃ通用しない”とよく言っていました。彼女も自分なりに考えてシュート練習を毎日欠かさずやっていた。技術や駆け引き、状況判断力を向上させようと目の色を変えて取り組んでいました。サッカーに関して絶対に妥協しないのが永里。その姿勢は本当に凄まじかったですね」地道な努力の積み重ねもあり、’05年からはなでしこジャパンに定着。高校卒業後は東海大学に進み、夜にベレーザの練習へ参加する生活に。とはいえ、サッカー以外の時間も大事にしていた。外食チェーン『やよい軒』でアルバイトをしたり、学校の友達と語り合ったりするなど、限られた時間を有効活用しつつ人間としての幅を広げていった。そして迎えた’08年。なでしこジャパンの中核選手に上り詰めていた永里は、ようやく五輪の大舞台を引き寄せる。’08年北京大会だ。佐々木則夫監督(現『日本サッカー協会』理事)率いるチームは1次リーグを順当に勝ち上がり、ベスト8に進出。準々決勝では中国相手に永里もゴールを奪って勝利。アテネ超えを果たした。しかし、準決勝・アメリカ戦で敗れ、ドイツとの3位決定戦も落とし、あと一歩のところでメダルを逃してしまう。佐々木監督は「思いのほか、永里が点を取れなかった」と振り返ったが、その事実を誰よりも強く噛みしめたのは本人だった。「私にとっては世界の壁をいちばん強く感じた大会でした。チームとしてはステップアップしたとは思うんですけど、準決勝、3位決定戦では本当に力の差を見せつけられた。そこが自分にとって大きなショックでしたし、海外を意識するきっかけになりました」この時点で先輩・澤は、すでにアメリカでのプレーを経験。なでしこの司令塔・宮間あやも翌’09年にロサンゼルスへ赴いたが、日本の女子選手が海外クラブに所属するのはまだまだハードルが高かった。それでも「高いレベルでやりたい」という永里の思いは強く、国内外の遠征時の移動途中に英語の勉強を地道にコツコツ続けるなど、準備に余念がなかった。そんな永里の願いが叶ったのは’10年1月。ドイツ女子リーグ1部のトゥルビネ・ポツダム移籍が決まったのだ。当時、男子では長谷部誠(フランクフルト)らがドイツで活躍していたが、女子選手の挑戦はまったくの初めて。「オリジナルな生き方」を求める彼女にとっては理想的な新天地だった。■「点取り屋」が背負う宿命と葛藤「旧東ドイツ側なので街並みもそこまで明るくないし、ひっそりした感じの、すごく静かな町でしたね」永里がこう評したのが、最初に暮らした海外の地・ポツダムだ。ベルリンから26キロ南西に行った人口18万の町は、第2次世界大戦時に日本への降伏要求「ポツダム宣言」が出された歴史的な土地でもある。到着後、すぐ練習に参加したが、ドイツ語はまったくわからない。ほかの選手がやっていることを細かく観察して、実践することからスタートした。英語を操る選手も少ないため、全員とは意思疎通ができない。それでも家から練習場まで送り迎えしてくれる仲間ができ、サポートを受けられるようになった。「その彼女はドイツ育ちの外国人。ドイツ語はネイティブで英語もしゃべれたんで、“今日車で送れる?っていうドイツ語はこう言うんだよ”“誰かを探して必ず言いなよ”と教えてくれて、ホントに助かりましたね。ドイツ語の学校にも週2回通って1日4時間、勉強しました。すべてドイツ語で授業をするんで、最初は何を言っているのか理解できなかったけど、3か月くらいたったら、なんとなくわかってきた。その状態でインタビューも受けるというムチャぶりもあった。なんとかやりとげましたね」と、懐かしそうに笑う。それから1年余りが過ぎた’11年3月11日、東日本大震災が発生した。「1000年に1度の災害」に見舞われ、福島第一原発事故も起きるなど、日本中が絶望感に襲われた。’11年女子W杯が開幕したのは、その3か月後。ドイツ暮らしの永里は「第2のホーム」とも言うべき場所での世界舞台ですべてを出し切り、母国を勇気づけようと奮起した。日本はニュージーランド戦からスタート。最初のゴールを奪ったのが永里だった。2─1で勝利し、幸先のいい一歩を踏み出すと、次のメキシコ戦も4─0で勝利。3戦目のイングランド戦は0─2で敗れたが、背番号17をつける最前線のキーマンはここまで全試合にフル出場していた。ところが、北京で敗れた宿敵・ドイツと準々決勝。リベンジに燃えていた永里は前半のみで丸山桂里奈との交代を強いられる。その理由を佐々木監督はこう説明した。「ドイツ移籍から1年以上がたった優季をなでしこの合宿に呼んだとき、“攻守の切り替えが遅い”と感じたんです。本人に聞くと“ポツダムでは点を取るのが仕事。ゴール重視でやってます”と言う。でも、なでしこのサッカーは切り替えが生命線。気がかりに感じていたときに、イングランド戦で失点した。優季の動きも一因になっていました。それをドイツ戦の前に、再び優季に話すと“ノリさん(佐々木監督)の言うことはわかりますし、自分の役割も理解していますけど、私は点を取ってチームに貢献したい”と強い意思を示した。私も悩みましたが、チームバランスを考えて別のFWを使うことにしたんです」■「勝てば官軍、負ければ賊軍」FWの宿命ドイツ戦は丸山が延長後半に値千金の決勝弾を決め、日本は準決勝に駒を進めた。そのスウェーデン戦は3─1で勝ったが、永里は控え。ファイナルのアメリカ戦も後半途中出場となった。日本中を熱狂させたこの歴史的大熱戦は、延長終了間際に澤がミラクル同点弾を挙げ、PK戦に突入。最終的に日本が史上初の世界一に輝いた。が、歓喜の輪の中で23歳の若きFWは一抹の寂しさを感じていたのではないか。「自分の中ではやれることをやり尽くしたと思っています。一方で、FWとしての考え方を変えるきっかけにはなりました。世間はFWに対して得点という結果を求めるのに、(チームプレーより得点を狙うことを優先する)エゴイストは非難される。ホントに“どっちやねん”と言いたかった。葛藤の中で、自分はもっとチームメートを生かすプレーをしていこうと気持ちが固まったんです」彼女は苦渋の表情を浮かべたが、これはFWを主戦場とする者なら、誰もがぶち当たる壁かもしれない。「ストライカー=点取り屋」と世間一般ではとらえているが、佐々木監督が求めたように最前線から敵を追ったり、プレスをかけたりと守備の仕事も担っている。ボールを奪ったら即座にゴールに向かうハードワークも不可欠だ。攻めているときは自分が点を取るだけでなく、味方のためにスペースを作ったり、ラストパスを送ったりと多彩な役割をこなさなければいけない。しかし、そうやってチーム第1に考え、献身的に働いていても、数字がついてこなければ「ダメなFW」と酷評される……。非常に皮肉な宿命を背負っているのだ。古い話だが、1997年に行われた’98年フランスW杯のアジア最終予選で、ケガを抱え満身創痍の状態で戦い、ゴールを取れなかったカズ(三浦知良=横浜FC)は狂信的サポーターからイスを投げつけられた。その本大会で、エースに指名されながら結果を出せなかった城彰二は帰国時に成田空港で水をかけられた。「勝てば官軍、負ければ賊軍」となるのがFWの宿命。その苦しさを永里は嫌というほど味わったに違いない。それでも彼女は逃げなかった。パートナーという心強い味方を得たことも大きかっただろう。24歳になったばかりの2011年7月、永里はメンタルトレーニングのコンサルティング会社経営の大儀見浩介氏と結婚。登録名を「大儀見優季」に変え、海外挑戦を続けた。’13年にはイギリス・ロンドンに本拠を置くチェルシーへ移籍。’15年1月に再びドイツに戻ってフォルクスワーゲンの本社所在地として知られるヴォルフスブルクへ。さらに同年夏にはフランクフルトへ赴いたのだ。■“おまえは自分の人生から逃げている”その間にも’12年ロンドン五輪銀メダル、’15年女子W杯・カナダ大会準優勝など、なでしこでの活動もあった。長い別居生活で夫との時間はほとんど持てなかったが、「好きなサッカーを突き詰めたい」という気持ちは何よりも勝っていた。「彼とはそれなりに楽しいこともたくさんありましたし、いろんなことも学べた。知らない人と会う機会も多くて、人見知りの部分も免疫がつきましたね。でも正直、結婚という感じでもなかったのかな……。生活をともにしなかったし、ただの遠距離恋愛みたいなものだったのかもしれません。それでも、離れているストレスは特に感じなかった。やりたいサッカーがあれば、それ以外のことは特に気にならなかったから。家庭とサッカーの間で揺れ動くこともなかったですね」淡々とこう語る永里は’16年4月に離婚。登録名を永里に戻し、なでしこジャパンから距離をおくという決断もした。長年、苦楽をともにしてきた澤や宮間の引退、チームの若返りといった環境の変化に加え、「自分が追い求めるFW像」と「他人に求められるFW像」の乖離も年々大きくなっていった。「これでは大好きなサッカーを楽しめない」と感じたのは、まぎれもない事実だろう。’15年まで一緒に戦った佐々木監督は「優季は’11年時点の課題だった攻守の切り替えがロンドン五輪のときにはしっかりと改善されていたし、パーソナルコーチの中西哲生さんとトレーニングにも取り組んだ。アスリートとして常人をはるかに超えた領域を目指したからこそ、代表138試合出場、58得点という目覚ましい実績を残せたんだと思います」と、最大級の賛辞を送っている。だが、それでも永里は代表続行を選ばなかった。「戦場に行くような壮絶な重圧から自分を解き放ちたい」というのが本音に違いない。「’16年夏に高倉(麻子)さんに監督が代わってから“クラブでのプレーに専念させてください”と自分からお願いしました。あのときの私はすごくモヤモヤしたものがあって中途半端だった。自分がどういう生き方をしたいのか、何のためにサッカーをやっているのかをしっかり考え直したかったんです」永里の決断の背景には、生き方のヒントを与えてくれるいくつかの出会いがあった。そのひとりが、26歳でフランス・ミシュランガイド1つ星を獲得したシェフの松嶋啓介さん。同じ海外というフィールドで勝負してきた10歳上の人物から厳しい指摘を受けた。「“おまえは自分の人生から逃げている”“目を背けている”という言葉を投げかけられました。痛いところを突かれたし、グサッときましたね。でも、似たような人生を送ってきた人の発言だからこそ共感を持てたし、深く考えられました。周囲の評価に関係なく、自分らしく永里優季というFW像を築いていければそれでいい。シンプルにそう思えたのは大きかったです」そう話すと、彼女は柔らかな笑みを浮かべた。■サッカーが人生のすべてではない理由そこからの永里はやりたいこと、興味のあることを貪欲に突き詰めるようになった。1つ目は自身の会社『ライデンシャフト』の設立だ。本田圭佑のサッカースクール経営やアメフト・前田眞郷(オービックシーガルズ)のコミュニティーサービス事業など、近年はアスリートの起業は珍しくなくなった。だが、女子サッカー選手で具体的に動き出したのは彼女が初めてだろう。「自分からアクションを起こしやすいハブがあったらいいなと思って設立しました。メンバーは、まだきょうだいだけ。事業も兄のボール遊び教室くらいなんですけど、いずれは雇用を生み出せるようにしたいです」こう語る永里だが、すでに松嶋氏やなでしこの先輩・川澄奈穂美とのオンラインイベントのほか、Zoomを利用して1時間、永里と自由に話すことのできる「対話」も展開している。兄・源気は「社長の優季が“日本と外国との懸け橋になりたい”と考えているので、そういう存在になれればいい。僕もできるだけ力になれるように頑張ります」と目を輝かせる。第2子妊娠中の妹・亜紗乃も含め、いずれは「世のため人のためになる活動」をしていきたいというのが3きょうだいの願いだ。「もともと、わが家では家族にいろんなことを相談しません。結婚や離婚のことも事後報告でした」と、あっけらかんとしている永里ではあるが、きょうだいとの絆は強い。合計5人いる甥っこや姪っこたちには「ベストフレンド」と言うほどの愛情を注ぎ、一緒にダンスをしたり、公園で遊んだりしている。「いつか再婚したいし、子どもが欲しいな」と考えながらも、今は公私ともに支えてくれる家族の存在を力にして、前に進んでいる。やりたくて叶えたことは、ほかにもある。アメリカでの新生活だ。足かけ7年過ごした欧州を離れ、’17年5月にアメリカ女子プロリーグ(NWSL)の『シカゴ・レッドスターズ』へ移籍した。これが彼女にとって海外5つ目のクラブ。身体能力の高い大型選手との激しいバトルにつれて、FWとしての引き出しも増え、プレーヤーとしての意欲もレベルも確実に高まった。グローバル化が進むアメリカでは、人種や国籍に関係なく多種多様な人々が入り交じっている。スポーツ界も“人種のるつぼ”と言っていい状況だ。多彩な人々と接することで、永里は確実にオープンマインドになっていった。さらに言うと、前出のラピノーのように同性婚を選び、カミングアウトする人も身近にいた。1人1人が自由に生きる姿を目の当たりにして、固定観念に縛られていた自分自身が大きく変化するきっかけを得たのは、確かだろう。本人もしみじみこう語る。「アメリカに行って、サッカーがすべてではなく“生活の一部”と考えられるようになった。それは大きかったですね。いろんなことに興味を持てましたし、精神的にすごく楽になれた。自分の内面にあるものを大切に生きていくことが、いちばんの幸せなんだと心底、思った。その重要性に気づいたんです」30代になって大きく心境が変化した永里。異国の地ではバンド活動も始めた。もともとピアノは、小・中学校時代は人前で演奏できるくらいの腕前だったが、ドラムを本格的に習い始め、ライブハウスに観客を入れてコンサートを開催するくらい熱を注いだ。「優季はアーティストになりたいって言ってます」と兄・源気は笑うが、一方で「なでしこをやっていたころみたいに肩に力が入った状態じゃなくなった。人間味も出たと思うし、兄としてホッとしました」と、安堵感も吐露する。永里はなでしこジャパンという重い責任の伴う場所から距離をおいたことで、「自然体の自分」を取り戻した。それは彼女にとっては日本のエースに君臨することよりも意味あることだったと言っていい。■境界を越えて女子へ届けたいメッセージ大好きな街・シカゴで足かけ4年を過ごして迎えた’20年。世界は新型コロナウイルスによる混乱に見舞われた。NWSLもリーグが中断。変則的な短期大会も設けられたが、永里はケガの影響もあって2試合出場にとどまっていた。そんな自分を変えるべく、9月に大胆なアクションを起こす。それが冒頭の男子チームへの加入だった。そもそも男子と女子のサッカーには大きな実力差がある。小学生までは男女ともに同じチームで練習するケースが多いが、思春期の中学校からは別々になり、身体の大きさや体力などフィジカルの差も相まって、その差は広がっていく。なでしこジャパンもしばしば強豪高校のBチームと試合をするが、それでも勝てないのが現実。永里のチャレンジを「無謀」と見る向きもあっただろう。それでも、はやぶさイレブンの仲間は彼女をリスペクトして受け入れた。元・日本代表の永井雄一郎(41)は「優季は本当にサッカーが好きで貪欲にうまくなろうとしている。ボールを止める・蹴るの技術も普通の社会人選手より高いですよね」と感心していた。その反面、「やっぱり女子だから身体の強さでは劣る部分がある。パスを出す側としては少し心配になります」と課題も口にしていた。現実を受け止めながらも、それを自分なりに消化し、どこまでも突き進むのが永里優季という人物。それは、なでしこ時代の佐々木監督も太鼓判を押している点だ。「優季の男子チームの挑戦は後進の女子への力強いメッセージだと感じます。彼女は男子選手も顔負けの“戦士”。そう痛感したのは、ポツダムの試合を視察に行ったときでした。真冬の零下でグラウンドがカチカチに凍っている中、彼女はストッキングが破れるまで思い切ってスライディングにいっていた。ドイツ人の女子選手はそんなことしませんし、男子選手だってグダグダ文句を言うと思った。そんな勇敢さを目の当たりにして、当時、男子の日本代表監督だった岡田武史さん(現『FC今治』代表)も“日本人でいちばんほしいFWは永里だ”と話したくらい。優季なら、もっともっと上へ行けると思います」日本女子サッカー界で唯一無二と言うべき存在だけに、’21年に延期された東京五輪での「なでしこ復帰待望論」も高まってくるかもしれない。永里自身は重圧に苦しんだ過去の経験もあって「今はまったく考えていません」とコメントしていたが、恩師・寺谷監督は「最前線は今の高倉さんのチームにいちばん足りないところ。永里がいれば助かるでしょうね」と話す。松田監督も「高倉も必要なら遠慮せずに声をかければいいし、永里が表現者として割り切れるなら行けばいい。いずれにしても、彼女は澤や宮間みたいに基準が高い選手。現状に満足せず、貪欲に自分自身を追求していく姿を多くの仲間に示せると思います」と期待を込めて語る。だがその前に、永里は男子チーム挑戦で得た貴重な経験を新天地で生かさなければならない。’21年1月からNWSLの新興チーム『レーシング・ルイビル』への移籍が決定。現在はアメリカに戻り、新たなスタートを切っている。「サッカー選手は1年1年が勝負。いつ引退しても納得できるような生活を送っていきたいです。その中で見えてくることも、新たに感じることもある。これまでにないアイデアも出てくるでしょう。それらを組み合わせて形にしていくような、チャレンジングな人生を歩みたい。好きなことをやって、その延長線上で社会へのメッセージも発信できるといいですね」そう語り、すがすがしい表情で前を見据えた永里。男女の境界やアスリートらしさなどの決まりきったイメージを取り払い、既成概念を打ち破る。その力強い生きざまは、多くの女性たちに勇気や希望を伝え続けるだろう。撮影/高梨俊浩、吉岡竜紀取材・文/元川悦子(もとかわ・えつこ)スポーツジャーナリスト。長野県松本市生まれ。業界紙、夕刊紙記者を経てフリー。サッカーを中心に執筆、日本代表から海外まで精緻な取材に定評がある。『僕らがサッカーボーイズだった頃』(カンゼン)ほか著書多数
2021年01月24日年末年始の恒例スポーツは、このコロナ禍においても形を変え、変わらぬ熱戦を繰り広げる。12月23日に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、東京都で1月11日(月・祝)まで行われる大規模イベントの人数制限の上限を収容人員の50%から5000人に戻す方針を発表。同時に販売済みのチケットのキャンセルは求めなかった。よって『天皇杯 JFA 第100回 全日本サッカー選手権大会』決勝は12月26日にチケットの一般発売を予定していたが中止し、11月7日から1月4日(月)に延期になっていた『JリーグYBCルヴァンカップ』決勝はすでに販売済み2万6000枚は有効となったのだ。まずはふたつのサッカーカップ戦決勝を紹介したい。“元日・国立・決勝”の『天皇杯』は川崎フロンターレとガンバ大阪によって覇権が争われる。史上最速&最多勝点&最多得点など記録尽くめの『明治安田生命J1リーグ』優勝を果たした川崎Fは12月27日・準決勝で『明治安田J3』優勝のブラウブリッツ秋田を2-0で一蹴。中村憲剛の最後の花道をタイトルで飾ろうと、モチベーションも十分である。中村憲剛(川崎フロンターレ) 写真:長田洋平/アフロスポーツ中村が「『天皇杯』にかける思いは、僕もあるし、みんなの悲願。重く考えすぎず、自分たちらしいプレーができたら勝ちは転がってくる。元日、新しい国立で戦えることをうれしく思う。勝って完結させたい」と言えば、背番号10・大島僚太も「憲剛さんと最後になる寂しさはあるが、ピッチに立てる喜びと今まで教えてもらったたくさんのことを、チームメート全員で勝つために表現して、優勝して憲剛さんを送り出したい」と思いを口にした。一方、ガンバ大阪も花を持たせるつもりはさらさらない。G大阪イレブンは悔しさを忘れてはいない。11月25日・等々力競技場での第29節、G大阪は川崎Fに0-5で粉砕され、2年ぶり3度目の優勝を決められたのだった。準決勝で『明治安田J2』優勝の徳島ヴォルティスにキッチリ2-0で勝利した試合後、エース宇佐美貴史は「自分たちを奮い立たせるには十分な材料。大きな借りを返したい。クラブとしても10個目のタイトルを取って、来年波に乗っていけるように何としても川崎に勝ちたい」とキッパリ。ラストマッチとリベンジマッチ、それぞれのモチベーションを胸に約1か月の時を経て、等々力から国立に舞台を変えて行われる頂上決戦はどんな結末を迎えるのか。“元日・国立・決勝”の3日後には“イッテンヨン・国立・決勝”が待っている。11月7日に予定されていた『JリーグYBCルヴァンカップ』決勝は柏レイソルのネルシーニョ監督をはじめ選手・スタッフに新型コロナウイルスの陽性者が出たため、急遽延期。1月4日(月)・国立競技場に仕切り直しとなった。『AFCチャンピオンズリーグ』ラウンド16で悔しい敗戦を喫したFC東京だが、帰国後は『明治安田J1』第33節でサンフレッチェ広島に1-0、最終節に『ACL』ベスト4のヴィッセル神戸に1-0と『ルヴァンカップ』決勝へいい流れを作って来た。森重真人(FC東京) (C)J.LEAGUE17勝6分11敗・勝点57の6位のFC東京に対し、柏は15勝7分12敗・勝点52の7位。コロナ陽性者が出た影響で終盤戦は変則スケジュールとなり失速した。特に最終節は柏にとって悔しい敗戦となった。王者川崎Fを相手に2点リードしながらも3点を奪い返されたのだ。このままシーズンを終えるわけにはいかない。タイトルでシーズンを締め括り、来季へつなげるためにMVP&得点王&ベストイレブンのオルンガをはじめ一戦必勝を期す。オルンガ(柏レイソル) (C)J.LEAGUEサッカーだけではない。1月2日(土)・秩父宮ラグビー場では1月11日(月・祝)・国立競技場での決勝のキップをかけた戦いが繰り広げられる。『第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会』準決勝・帝京×早稲田、明治×天理がキックオフを迎えるのだ。果たして2年連続の早明決勝戦となるのか、V9帝京、関西の雄・天理が阻むのか。大学日本一を決める戦いは予断を許さない。丸尾崇真(早稲田大学) (C)JRFU正月の風物詩の大学スポーツと言えば、『箱根駅伝』である。1月2日(土)・3日(日)の『第97回東京箱根間往復大学駅伝競走』の優勝争いも注目される。『第52回全日本大学駅伝対校選手権大会』で6年ぶりに優勝した駒澤は2冠達成へ向け、自信を深める。『全日本』で4位に沈んだ青山学院は『箱根』での巻き返しを誓う。神林勇太主将とエース吉田圭太の2トップが連覇へ向けてリードする。さらに塩澤稀夕、名取燎太、西田荘志の3本柱擁する東海に下級生が力を付けている早稲田、1万m28分台の選手がズラリと揃う明治、西山和弥&宮下隼人のダブルエースで臨む東洋も頂点へ向けて虎視眈々。10区間、217.7kmを襷でつなぐ戦いは今年もドラマを繰り広げるだろう。(写真左より)田澤廉(駒澤大学)、名取燎太(東海大学) 写真:アフロ駅伝と言えば、元旦朝8時30分スタートの『ニューイヤー駅伝』を忘れるわけにはいかない。今年の『箱根駅伝』2区で区間新記録を叩き出したのも記憶に新しい『日本選手権』1万m優勝の相澤晃をはじめ、27分台ランナーを7人揃える旭化成は5連覇へ向けて死角なし。前回大会2位のトヨタ自動車、『第61回東日本実業団対抗駅伝競走大会』優勝の富士通も旭化成の牙城を崩そうと躍起だ。年末年始のスポーツはまだまだある。『皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会』決勝は12月29日(火)・サンガスタジアムでキックオフ。4連覇を狙う日テレ・東京ヴェルディベレーザと6度目の挑戦で『皇后杯』初制覇を目指す『2020プレナスなでしこリーグ1部』女王・浦和レッドダイヤモンズレディースが激突する。アメフト日本一を決める『第74回ライスボウル』は1月3日(日)・東京ドームでキックオフ。史上最多8度目の優勝を狙うオービックシーガルズと19年ぶり2度目の戴冠を目論む関学大ファイターズが雌雄を決する。年末年始も通常のレギュラーシーズンを戦う『2020-21 B1リーグ』では、1月3日(土)~5日(火)の第16節に東地区1位・千葉ジェッツ×西地区2位・琉球ゴールデンキングス、西地区3位・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ×東地区2位・宇都宮ブレックス、西地区1位・シーホース三河×東地区5位・川崎ブレイブサンダースなど好カードがズラリ。富樫勇樹(千葉ジェッツ) (C)B.LEAGUE『2020-21 V.LEAGUE DIVISION1』男子は1月8日(金)、女子は1月9日(土)にレギュラーラウンドが再開する。男子はウルフドッグス名古屋、パナソニックパンサーズ、サントリーサンバーズ、ジェイテクトSTINGSの混戦の中からどこが抜け出すのか、女子は全勝をキープする東レアローズがどこまで走るのか、興味深い。年末年始は格闘技・プロレスもビッグイベントが並ぶ。12月31日(木)・さいたまスーパーアリーナでは『RIZIN.26』がゴング。朝倉海×堀口恭司のバンタム級タイトルマッチをはじめ、那須川天心×クマンドーイ・ペットジャルーンウィットのキックルール、朝倉未来×弥益ドミネーター聡志のMMAルールなど好カードがズラリ。スタンディングバウト特別ルールで行われる五味隆典×皇治や『リオ五輪』グレコローマン59kg級銀メダルの太田忍が所英男に挑む総合デビュー戦など、大晦日らしいカードも並ぶ。新日本プロレスは来年も東京ドーム大会を1月4日(月)・5日(火)で敢行する。初日のメインは王者・内藤哲也に『G1 CLIMAX 30』覇者・飯伏幸太が挑むIWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合、翌日は内藤×飯伏の勝者がジェイ・ホワイトの挑戦を受ける。『BEST OF THE SUPER Jr. 27』優勝者・高橋ヒロム×『SUPER J-CUP 2020』覇者エル・ファンタズモ、その勝者が第87代王者・石森太二にチャレンジするIWGPジュニアヘビー級選手権試合も見逃せない。年末年始の高校スポーツは無観客の中、全国大会を開催。『全国高校ラグビー大会』は記念すべき第100回大会を12月27日に開幕。史上最多63校が鎬を削る決勝は1月9日(土)・花園ラグビー場でキックオフを迎える。V争いは東海大仰星(大阪A)、京都成章(京都)、桐蔭学院(神奈川)、東福岡(福岡)の4強を中心で繰り広げられるのか。『第99回全国高校サッカー選手権』は12月31日(木)に開幕、1月11日(月・祝)・埼玉スタジアム2002での決勝へ向けて熱戦を繰り広げる。2年連続決勝進出の青森山田(青森)が2年ぶりの3度目の優勝を果たすのか、Jリーグに4人が内定した昌平(埼玉)が初の頂点に立つのか、それとも波乱が起こるのか。男女7チームが事態を余儀なくされた『ウインターカップ』こと『第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会』はいよいよ男子決勝を残すのみ。12月29日(火)・東京体育館でティップオフの時を待つ。『春高バレー』こと『第73回全日本バレーボール高等学校選手権大会』は1月5日(火)~10日(日)・東京体育館で男女の日本一を決する。ありとあらゆるジャンルのスポーツが、ありとあらゆるカテゴリーで開催される日本の年末年始の恒例スポーツ。コロナ禍の静かな年末年始は家でスポーツ観戦を決め込むのはいかがだろうか?文:碧山緒里摩(ぴあ)
2020年12月29日17日(現地時間)、ザック・スナイダー版『ジャスティス・リーグ』の白黒版・カラー版2パターンの最新予告動画が公開された。同日は、スナイダー監督が降板し、ジョス・ウェドン監督が引き継いだ『ジャスティス・リーグ』が公開されてから3年という記念日でもある。最新予告動画は8月に「DCファンドーム」で披露された予告動画とほぼ同じではあるものの、ヴィランのダークサイド、スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)、サイボーグ(レイ・フィッシャー)、ヒッポリタ(コニー・ニールセン)の新しいシーンなどが追加されている。これらのシーンに関しては、インスタグラムの「ザック・スナイダーのジャスティス・リーグ」(@zacksnydersjusticeleague)で静止画が公開されている。スナイダー版『ジャスティス・リーグ』は1話1時間、全4話構成で2021年にHBO Maxで配信を予定している。つい先日、スナイダー監督がフラッシュ役のエズラ・ミラーの追加シーンを「Zoom」で行ったと明らかにし話題になった。エズラは『ファンタスティック・ビースト』第3弾の撮影中でロンドンにいるため、同作のスタッフに手伝ってもらい、遠隔撮影を成功させたという。どちらもワーナー・ブラザースの作品だからこそ実現できたようだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2020年11月18日来年1月10日に開幕するプロダンスリーグ「D.LEAGUE」のプレスカンファレンスが15日、都内で開催され、レギュラーシーズンを戦う各チームがダンスパフォーマンスを初披露した。「D.LEAGUE」は、日本のダンスの発展と普及、ダンスのプロフェッショナルの輩出を目指し、今年8月に発足。2021年1月10日の開幕に向けて、計9チームが発足し準備を進めている。全12ラウンドを計9チームで競うレギュラーシーズンと、上位4チームによるチャンピオンシップにて構成。6月末に初代シーズンチャンピオンを決定する。参加チームは、「avex ROYALBRATS」(エイベックス)、「KADOKAWA DREAMS」(KADOKAWA)、「KOSE 8ROCKS」(コーセー)、「CyberAgent Legit」(サイバーエージェント)、「SEGA SAMMY LUX」(セガサミーホールディングス)、「SEPTENI RAPTURES」(セプテーニ・ホールディングス)、「FULLCAST RAISERZ」(フルキャストホールディングス)、「Benefit one MONOLIZ」(ベネフィット・ワン)、「HOLDINGS USEN-NEXT I’moon」(USEN-NEXT)の全9チーム(カッコ内はオーナー企業)。カンファレンスでは、「avex ROYALBRATS」、「KADOKAWA DREAMS」、「KOSE 8ROCKS」、「SEGA SAMMY LUX」、「SEPTENI RAPTURES」、「HOLDINGS USEN-NEXT I’moon」の6チームが初パフォーマンスし、それぞれ個性豊かなダンスを披露。クリエイティブユニット・PKCZからEXILE MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAも登場し、各チームのパフォーマンスを盛り上げた。同リーグのチーフクリエイティブアドバイザーを務めるEXILE HIROは、各チームのパフォーマンスを見守り、「キレキレでした。1月が楽しみだなと思いました」と称賛した。
2020年11月15日自分が上品な女性かどうかを分析するのは、意外と難しいですよね。そこで今回は4つの項目から簡単にチェックできる、やまとなでしこ度テストを実施しました。さっそく自分に当てはまる項目がないか、一緒にチェックしていきましょう。(1)女性らしい仕草を心得ている女性らしい仕草を心得ている人は、やまとなでしこ度が高めです。脚を揃えて座ったり笑う際は口元に手を当てたりといった仕草は、古きよき日本女性のイメージを強調してくれます。こういった仕草に目がない男性は非常に多いので、恋のチャンスが舞い込みやすいかもしれませんね。(2)綺麗な言葉遣いを意識している綺麗な言葉遣いを意識している女性も、やまとなでしこの素質あり!上品さや礼儀正しい一面を自然とアピールできる綺麗な言葉遣いは、あなたの大きな武器となってくれるはずです。「自信を持って周囲に紹介できる」なんて男性意見がたくさんあがっていたので、真剣交際へ発展する可能性が自然と高まるかもしれませんよ。(3)美しい姿勢をキープできている美しい姿勢は育ちのよさや上品さを連想させるだけではなく、スタイルをよく見せる手段の1つでもあります。そのため、美しい姿勢をキープできている女性はワンランク上の魅力を身に付けている可能性大!立ち姿だけではなく座り姿も意識して、男性からの視線を独り占めにしちゃいましょう。(4)身なりに気を配っている最後にモノを言うのが内面だとしても、やはり身なりに気を配ることは非常に大切です。ツヤツヤな髪や透き通るような肌は自然と透明感を生み出し、自然とあなたの魅力を底上げしてくれるはず!年齢に沿った上品な服装やナチュラルメイクをやまとなでしこ力の例にあげる声も多かったので、自分に当てはまるかチェックしてみましょう。異性だけではなく同性をもアッと言わせることができるやまとなでしこな女性は、自然と多くの人を惹きつけます。そんなたぐいまれない魅力を身に付けるためには日頃の努力が必要不可欠となるため、早めに行動を起こすのが吉!あなたのまばゆい一面を存分に発揮して、たくさんの人を虜にしちゃいましょう。(恋愛jp編集部)
2020年11月13日