第44回報知映画賞の受賞作・受賞者が28日に明らかになり、中井貴一が主演男優賞、長澤まさみが主演女優賞に輝いた。『記憶にございません!』の演技が評価された中井は、1994年(第19回)『四十七人の刺客』で助演男優賞を受賞して以来、25年振り2度目の報知映画賞受賞に。また『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマン JP-ロマンス編-』に出演した長澤は、2004年(第29回)に『深呼吸の必要』『世界の中心で、愛をさけぶ』で助演女優賞を受賞して以来、15年振り2度目の報知映画賞受賞となった。全体では『蜜蜂と遠雷』が作品賞・邦画部門、新人賞(=鈴鹿央士)の2冠に。今年社会現象を巻き起こした『翔んで埼玉』が特別賞を受賞した。○第44回報知映画賞 一覧作品賞・邦画部門:『蜜蜂と遠雷』(監督 石川慶)作品賞・海外部門:『ジョーカー』(監督 トッド・フィリップ)アニメ作品賞:『天気の子』 (監督 新海 誠 配給 東宝)主演男優賞:中井 貴一『記憶にございません!』の演技に対して主演女優賞:長澤まさみ 『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマン JP -ロマンス編-』の演技に対して助演男優賞:成田凌 『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』の演技に対して助演女優賞:小松 菜奈 『来る』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』の演技に対して監督賞:佐藤信介 『キングダム』の演出に対して新人賞:鈴鹿央士 『蜜蜂と遠雷』の演技に対して新人賞:玉城ティナ 『Diner ダイナー』『惡の華』の演技に対して特別賞:『翔んで埼玉』 社会現象化した稀有な作品。(監督 武内英樹)
2019年11月28日「グレイズ・アナトミー」のサンドラ・オーと英国注目女優ジョディ・カマーが主演を務める賞レースを席巻した大ヒットドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」が、12月1日(日)より動画配信サービス「U-NEXT」にて独占配信されることが決定した。イギリスの小説家ルーク・ジェニングスによる「ヴィラネル」シリーズを原作に、Amazon Originalドラマ「Fleabag フリーバッグ」や最新映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』も手掛けるフィービー・ウォーラー=ブリッジがクリエイターを務める本作。「グレイズ・アナトミー」のクリスティーナ役で知られるサンドラ・オーと、「女医フォスター」のジョディ・カマーが主演を務め、MI6捜査官と暗殺者とのスリリングな攻防をスタイリッシュに、ときにシニカルなユーモアを交えて描く。海ドラファン待望の賞レースを席巻した大ヒットドラマ2018年にBBCアメリカで放送されると、その反響の高さから即座にシーズン2への継続が決定。サンドラが、アメリカのテレビ界最高峰である第70回エミー賞主演女優賞にアジア系として初めてノミネートされたほか、第76回ゴールデン・グローブ賞では主演女優賞を受賞。ジョディは9月に行われた第71回エミー賞にて主演女優賞を受賞するなど、テレビ界の賞レースを席巻。2020年にBBCで放送予定のシーズン3には、「ゲーム・オブ・スローンズ」ヤーラ・グレイジョイ役のジェマ・ウィーランが出演することが決まっており、一層の期待が寄せられている。サイコパスな暗殺者と捜査官が織りなすノンストップサスペンス本作の見どころのひとつは、強烈な個性を放つ主役の女性キャラクターたち。自らが殺した人間の死に様を楽しむサイコパスの暗殺者ヴィラネル(ジョディ・カマー)と、イギリスの諜報機関"MI6"のもとで極秘に事件を追う捜査官イヴ(サンドラ・オー)のふたりが繰り広げる攻防戦が、物語の主軸となる。お互いを知るにつれ、ふたりの間で育まれていく奇妙で、特別な関係性の行方も本作の注目ポイント。暗殺者ヴィラネルは、笑顔で殺人をくり返す残酷な人間でありながら、暗殺者らしからぬ個性的な服装で七変化を見せ、“ヴィラネルファッション”として親しまれているのも魅力だ。好きにならずにはいられないキャラクターと、予想がつかないユーモアあふれる脚本に放送直後から各メディアが大絶賛。テンポよく進むスリリングな展開を、イッキ見で楽しめる機会となっている。「キリング・イヴ/Killing Eve」シーズン1は12月1日(日)よりU-NEXTにて見放題配信(全8話)。(text:cinemacafe.net)
2019年11月27日帚木蓬生原作、精神科病棟を舞台にした『閉鎖病棟―それぞれの朝―』が現在公開中。この度、中国版アカデミー賞「第28回金鶏百花映画祭(Golden Rooster & Hundred Flowers Film Festival)」の外国映画部門で本作が最優秀男優賞と最優秀作品賞をW受賞したことが分かった。中国の映画業界関係者、製作者、そして一般人からの投票も含め大賞を決定する「金鶏百花映画祭」。開催地は毎年変更され、今年は廈門(アモイ)にて行われた。外国映画部門の授賞式には、11月22日に行われ、平山秀幸監督、三宅はるえプロデューサーが出席。今回最優秀男優賞を受賞した笑福亭鶴瓶は、死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し、いまは精神科病棟にいる秀丸役を演じている。受賞にあたり、鶴瓶さんは「本当にみんなが望んでいた作品だったものですから、僕が皆さんの代わりに受賞したということで非常に光栄に思います。特に文化の違う中国で選んでいただいたのはありがたいです」と思いを明かしている。また、授賞式に参加出来なかった鶴瓶さんは、11月24日に名古屋市内で行われた自身の落語会檀上にて、賞状とトロフィを観客に披露。喜びの報告をファンに行った。そしてワゴンに載せられた賞状をバックに、トロフィを掲げた鶴瓶さんの写真撮影会がスタート。「皆、写真撮って拡散して。とにかく皆に広めて欲しい」と言いながら、ポーズを取ってファンにサービス。これには、観客も大喜びの様子だったという。『閉鎖病棟―それぞれの朝―』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:閉鎖病棟―それぞれの朝― 2019年11月1日より全国にて公開©2019「閉鎖病棟」製作委員会©H. Hahakigi / Sncs
2019年11月26日インディペンデント・スピリット賞のノミネーションが発表された。作品部門の候補は『名もなき生涯』『マリッジ・ストーリー』『The Farewell』『Clemency』『Uncut Gems』。監督部門はアルマ・ハレル(『Honey Boy 』)、ローリーン・スカファリア(『ハスラーズ』)、ジュリアス・オナー(『Luce』)、ロバート・エガース(『The Lighthouse』)、ベニー&ジョシュ・サフディ(『Uncut Gems』)。主演男優部門はロバート・パティンソン(『The Lighthouse』)、アダム・サンドラー(『Uncut Gems』)、クリス・ギャラスト(『Give Me Liberty』)、ケルヴィン・ハリソン・Jr. (『Luce』)、マティアス・スーナールツ(『The Mustang』)。主演女優部門はレネ・ゼルウェガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、エリザベス・モス(『Her Smell』)、ホン・チャウ(『Driveways』)、アルフレ・ウッダード(『Clemency』)、カレン・アレン(『Colewell』)、メアリー・ケイ・プレイス(『Diane』)。助演男優部門はウィレム・デフォー(『The Lighthouse』)、シャイア・ラブーフ(『Honey Boy』)、ノア・ジュープ(『Honey Boy』)、ジョナサン・メジャーズ(『The Last Black Man in San Francisco』)、ウェンデル・ピアース(『Burning Cane』)。助演女優部門はジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)、オクタヴィア・スペンサー(『Luce』)、テイラー・ラッセル(『Waves』)、ザオ・シュゼン(『The Farewell』)、ローレン・“ロロ”・スペンサー(『Give Me Liberty』)。授賞式は来年2月8日。文=猿渡由紀
2019年11月22日第11回TAMA映画賞授賞式が、17日に中央大学 多摩キャンパス クレセントホールで行われ、受賞者が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。映画『愛がなんだ』で注目を浴びた岸井ゆきの、成田凌はそろって最優秀新進女優賞・男優賞に。当日は今泉力哉監督がサプライズで駆けつけ、2人に花束を渡した。今泉監督は「素直に嬉しいです。今日はなんの受賞もしてないんですけどのこのこ現れました」と照れ笑い。岸井は「あまり成田凌くんと話さないようにしていて。できるだけ(成田が演じた)マモちゃん以外の情報を入れたくないというか。それでちょっと個人的なことをきかないようにしたりしてたんですけど、成田くんは気づいていなかった」と撮影を振り返り、会場を笑わせる。成田は「『この映画がヒットしなかったら日本はおかしい』と思ったくらいだったので、ほっとした、というのはあるかもしれません」と、作品への熱い思いを語った。また、『嵐電』で最優秀主演男優賞に輝いた井浦は「生まれ育った多摩、完全なる地元。中大の裏側で生まれ育って、中大をみながら通ってたので、感慨深いです」と会場にしみじみ。同作は最優秀作品賞にも選出され、フレッシュなキャスト一同がずらりと並んだ。井浦は「ここに並んでる若者たちの名前と顔をどんどん覚えて帰ってください。きっとここに立ってる人たちが、これから今、新進賞をとった成田凌くんたちを突き上げていく若者たちになっていくと思います」と紹介する。『嵐電』鈴木卓爾監督は、「京都にずっといて、学校の先生をやっているので、次にいつ映画を撮るのかわかりません。誰か仕事ください」とアピール。さらに「『嵐電』はきっともう1回観たくなる人も多いと思います。なぜなら、ストーリーがよくわからないから。途中でこの映画はストーリーがよくわからなくなるので、みなさま、あまりストーリーを追いかけないで観てください。でも、映画はぐいぐいいきます。何言ってるのかわからないかもしれないですけど、そうやって観ていただけたらと思います」とたたみかける。最後には「11月22日から公開される中村義洋監督の『決算! 忠臣蔵』という映画に、キャストの1人と私が赤穂浪士の役で出てるので、よかったらぜひ見つけてください」と他の映画の宣伝もするなど、自由なスタイルで会場を盛り上げていた。○受賞一覧■最優秀作品賞『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)■最優秀男優賞山﨑努 (『長いお別れ』)井浦新(『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)■最優秀女優賞蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)■最優秀新進監督賞山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)■最優秀新進男優賞成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)■最優秀新進女優賞岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)シム・ウンギョン (『新聞記者』)
2019年11月18日シネマトグララフィーのフェスティバル、カメリメージで、『ジョーカー』の撮影監督ローレンス・シャーが、最高賞にあたるゴールデン・フロッグを受賞した。この賞の受賞者は、過去、ほぼ確実にオスカーのシネマトグラフィー部門にノミネートされる。2番目にあたるシルバー・フロッグは『2人のローマ教皇』、その次のブロンズ・フロッグは『The Painted Bird』が受賞した。『ジョーカー』は、この週末、全世界興収が10億ドルの大台を超えるという快挙を達成した。公開から二ヶ月経つ今も、アメリカではトップ10圏内にとどまっている。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年11月18日第11回TAMA映画賞授賞式が11月17日(日)、中央大学多摩キャンバスクレセントホールにて開催され、最優秀女優賞を受賞した蒼井優と前田敦子が登壇。蒼井さんは結婚、前田さんは出産と2019年、新たなスタートを切ったが、女優業に向けての熱い思いを吐露した。■蒼井さん「新しい一歩を踏み出す時期にこういう賞をいただけたことは光栄」TAMA映画賞は、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するもの。蒼井さんは『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐にわたる役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けたという評価で最優秀女優賞を受賞した。どの作品も非常に勉強になった現場だと語った蒼井さんだったが、なかでも「塚本晋也監督とご一緒した『斬、』の現場では、ものづくりの美しさを身体の底から体感させてただきました」とかけがえのない経験ができたことに感謝を述べていた。さらに蒼井さんは、塚本監督から得たことを胸に映画作りに励んでいくことを誓うと「新しい一歩を踏み出す時期に、こういう賞をいただけたことは非常に光栄でした。ある種の叱咤激励だと思って、これからも真面目に取り組みたいです」と今後の更なる飛躍を誓っていた。また『長いお別れ』で共演した名優・山崎努さんとの現場も味わい深いものであったと述べると「ご共演してまた好きになっちゃいました」と笑顔を見せる。続けて「画面に映らないようなシーンでも、アドリブを入れるんです。あれだけのキャリアを持つ方でも、常に挑戦する姿を目の当たりにすると、自分ももっと大胆に挑戦しなければいけないなと学ばせていただきました」と語っていた。■前田さん「映画の世界には夢が詰まっている」一方の前田さんは、主演を務めた『旅のおわり世界のはじまり』で演じた女性像が、前田さんの女優としての資質・魅力にシンクロして、稀有な存在感を放ったということでの受賞となった。2019年を振り返った前田さんは「これまでで一番映画に参加させていただいた年」と定義づけると「やっぱり映画の世界は夢が詰まっていると感じました。やればやるほどワクワクするんです」としみじみ語る。さらに前田さんは「映画の世界にいる方々のひさむきさが尊敬できるんです」と述べると「まだどういうペースでやっていけるのかは決めてはいませんが、またガッツリと映画の世界に携われる日がくるといいなと思っています」と未来に思いを馳せると「これからもしっかりと毎日ひたむきに過ごしていきたいです」と抱負を語っていた。第11回TAMA映画賞受賞作品、受賞者●『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)●『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)●新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)●藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)●山崎努 (『長いお別れ』)●井浦新 (『嵐電』『こはく』『赤い雪 Red Snow』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)●蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)●前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)●山戸結希監督 (『ホットギミックガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)●奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)●成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)●清水尋也 (『ホットギミックガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)●岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)●シム・ウンギョン (『新聞記者』)(text:cinemacafe.net)
2019年11月17日第11回TAMA映画賞授賞式が、17日に中央大学 多摩キャンパス クレセントホールで行われ、受賞者が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。最優秀新進男優賞を受賞した清水尋也は「人生で初めての映画賞。光栄です」と喜びを表す。出演した『ホットギミック ガールミーツボーイ』では同世代との共演となったが、「特に今回は板垣瑞生。前に共演して、その子とまた共演できたことが僕にとってすごく大きくて、少しでも成長した自分を見せたかったし、映画を通して彼と高めあえたらと思いました。彼の存在はすごく大きかったですし、同世代と共演できたことは僕にとっても大きかったです」と振り返った。同作のメガホンをとった山戸結希監督も、最優秀新進監督賞を受賞。山戸は清水について「天才」と語る。「天才って誰でもできる役をやっても意味がなくて、地球上で清水さんしかできないんじゃないかという役をやっていただくのがいい。これからもどんどん、清水さんにしかできなかったな、という役をやっていただきたいです。才能の塊だと思うので、ゴリゴリと進んでほしいです」とエールを送った。清水は「嬉しいです。役者にとって、『あなたにしかできない役だ』と言われるのは、これ以上嬉しいことはないので」と喜びつつ、「今ぐっと気持ちが引き締まりました。こんな大勢の前で天才と言っていただいてすごく緊張しています。変な汗をかいています」と照れ笑いを浮かべた。○受賞者一覧■最優秀作品賞『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)■最優秀男優賞山﨑努 (『長いお別れ』)井浦新(『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)■最優秀女優賞蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)■最優秀新進監督賞山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)■最優秀新進男優賞成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)■最優秀新進女優賞岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)シム・ウンギョン (『新聞記者』)
2019年11月17日山下智久が、WOWOW放送の「第62回グラミー賞授賞式」のスペシャルゲストに決定。2年連続の出演となる山下さんからコメントも到着した。音楽界で最も権威ある賞として全世界の音楽ファン、ミュージシャン、音楽関係者が注目するグラミー賞。62回目となる今回の授賞式は、現地時間2020年1月26日にロサンゼルスのステープルズ・センターで開催される。WOWOWでは、今回もその模様を2か国語版(同時通訳)で独占生中継。さらに、同日夜には字幕版も放送し、テレビを通して絢爛豪華な授賞式を体感することが出来る。本番組のスペシャルゲストの山下さんは、生中継直前のスペシャル番組にも出演し、グラミー賞の魅力を伝え、さらに、授賞式放送前には山下がさんLAの音楽スポットやグラミーアーティストたちの音楽づくりに迫った「山下智久 LA音楽紀行」も放送される。「第61回グラミー賞授賞式」を現地で体感した山下さん。その直前、エミネムなど多くのトップミュージシャンに楽曲を提供しているDJカリルのスタジオを訪れた山下さんは、曲作りの裏側をリポート。また、郊外のレコードショップではアナログレコードの実情に迫る。EDM界のカリスマプロデューサーZEDDとの対談も実現し、日本のメディア初公開の自宅を訪れ、音楽談義を繰り広げる。海外ドラマへの出演も話題となり、活動の場を海外へ広げている山下さん。「前回参加させていただいて、世界のトップで活躍されているアーティストの方たちを間近で見ることができ、グラミー賞という祭典が以前よりリアルに感じられるようになりました。本番はもちろん、リハーサルから見られたのは刺激的でしたし、感動しましたね。バックステージでのアーティストの姿に触れられたのは貴重な経験でした」と前回をふり返り、「前回よりは少しリラックスして臨めるのではないか?と思っていますので、心の鎧を落として、純粋にその場で感じたものを皆さんにお伝えしていきたいです」と意気込みのコメントを寄せている。(cinemacafe.net)
2019年11月17日日本時間の来年1月27日(月)にアメリカ・ロサンゼルスにて開催される「第62回グラミー賞授賞式」の司会が、前回に引き続きアリシア・キーズに決定したことが分かった。日本では、今年もWOWOWで生中継が行われる本授賞式。そのホストぶりが称賛された前回に引き続き司会に決定したアリシアは、過去に15回ものグラミー賞受賞歴を誇る人気歌手。今回の決定を受け、アリシアは「去年は一度きりのことだと思っていましたが、グラミー賞の司会をまた務められるチャンスがあるなら、迷う余地はありませんでした」と心境を明かし、「前回の授賞式は私にとって極めてパワフルな体験でした。会場からはもちろん、世界中から愛を感じました。音楽はすべての人を癒し、1つにすることを確認できました」と前回の興奮をふり返っている。「生中継!第62回グラミー賞授賞式」※2か国語版(同時通訳)は2020年1月27日(月)9時~WOWOWプライムにて放送。「第62回グラミー賞授賞式」※字幕版は1月27日(月)22時~WOWOWプライムにて放送。(cinemacafe.net)
2019年11月15日第92回アカデミー賞国際長編映画賞部門スウェーデン代表作品に選出されたLGBTQ作品『ダンサー そして私たちは踊った』が、シネマート新宿・シネマート心斎橋の劇場発信型映画祭「のむコレ3」にて上映されることが決定。併せて本作の予告編とティザービジュアルが解禁となった。「のむコレ」といえば、昨年スマッシュヒットした『ゴッズ・オウン・カントリー』が記憶に新しいが、同作の監督フランシス・リーが、「私たちを途方もなくエモーショナルな旅に連れ出す作品」と激賞している本作。今年の粒ぞろいのLGBTQ作品ラインアップの中でも必見の新作となっている。本作は「ジョージアへのラブレターだ」本作は、クィア・パルムにノミネートされた2019年・第72回カンヌ国際映画祭のプレミア上映を皮切りに、世界各国で高い評価を獲得。監督は、ジョージア(かつてのグルジア)にルーツを持つスウェーデンの新鋭レヴァン・アキン。舞台であるジョージアでは、11月8日から3日間のプレミア上映の5,000枚のチケットが13分で完売。しかし国内最大の教徒数を持つとされるジョージア正教会は、同性同士の恋愛を描いた本作に対して「ジョージアとキリスト教の価値を貶める」と上映中止を求める声明を発表し、右翼部隊が上映に抗議し映画館に突入しようとするなど、空前の騒動となった。アキン監督は本作を「ジョージアへのラブレターだ」と語っている。主演は監督がインスタでスカウト!主人公・メラブを演じるのはコンテンポラリーダンサーとしてジョージアで活躍するレヴァン・ゲルバヒアニ。Instagramで監督にスカウトされ、本作がスクリーンデビューとなる。野心と情熱を迸らせたダンスシーンと、現実にもがきながらも根底にある純真さ、あどけなさを見せる演技が高く評価され、スクリーンデビュー作である本作で21歳にしてオデッサ国際映画祭やサラエボ国際映画祭で主演男優賞を獲得するなど称賛を集めている。力強くあることが望まれる舞踏団で、出会った2人この度、解禁になった予告編では、彗星の如く舞踊団に現れたイラクリ(ヴァチ・ヴァリシュヴィリ)によってもたらされた、主人公メラブ(レヴァン・ゲルバヒアニ)のダンサーとしての葛藤や野心が映し出される。やがて2人だけの練習が契機となり、2人の関係性や、メラブ自身の変化がスピード感を持って映し出されていく。「ジョージアン・ダンスに弱さはいらない」というセリフが表す通り、ひたすら力強くあることが望まれる舞踊団の男性団員。しかし、突如訪れた同性への“恋”によって、大きな変化を余儀なくされたメラブが人生をかけて踊ったダンスは、これまでに誰も見たことのないものだった。また、併せて解禁となったティザービジュアルは、ヴィヴィッドなオレンジをバックに、ジョージアの民族衣装をまとい、思い切り体を反らせたジャンプを決めるのは主人公のメラブ。躍動感と解放感が溢れ、どこか官能的でもあるビジュアルに仕上がっている。ストーリージョージアの国立舞踊団で、幼少期からダンスパートナーのマリとトレーニングを積んできたメラブ。日中のハードな練習の後はレストランでのアルバイトで家計を一手に引き受け、気持ちの休まる暇もない。そんなある日、カリスマ的な魅力のあるイラクリが入団し、同時にメイン団の欠員補充のためのオーディションの開催が知らされる。イラクリの持つダンスの才能に驚き、芽生えたライバル心。それが、オーディションに向けての2人だけの特訓を経て、憧れと抗えない欲望へと変化していく…。『ダンサー そして私たちは踊った』は12月11日(水)よりシネマート新宿、2020年1月5日(日)よりシネマート心斎橋の「のむコレ3」にて上映。(text:cinemacafe.net)
2019年11月15日俳優の横浜流星が、「2019 第32回 小学館 DIMEトレンド大賞」でベストキャラクター賞に選出され13日、都内で行われた発表・贈賞式に出席した。同アワードは、ビジネスからエンターテインメントまで幅広いジャンルにわたり、その年のトレンドとなった注目商品やヒット商品・サービスなどを贈賞するもの。32回目となる今回、雑誌『DIME』およびWEBマガジン『@DIME(アットダイム)』で読者からの投票を募り、その結果をもとに編集部と選考委員(小山薫堂氏、眞鍋かをり氏、安田典人DIME編集室長)が協議を行って決定した。今年、TBS系ドラマ『初めて恋をした日に読む話』でピンク色の髪が印象的な“ゆりゆり”こと由利匡平を演じてブレイクし、さまざまな作品に出演した横浜。最も輝かしい活躍をおさめ、多くの人々の支持を集めた人に贈られるベストキャラクター賞に輝き、「素敵な賞をいただけて光栄に思います。本当にうれしいです」と喜んだ。そして、「自分にとってターニングポイントになった年でした。『はじこい』から始まってたくさんの方に認知してもらって、それ以降もたくさんの人に出会い、さまざまなことを経験して学んで、素晴らしい時間を過ごすことができました」と今年を振り返り、来年に向けて「俳優人生の新しいスタートだと思いますが、僕自身は変わらずに地に足をつけて、これからも良い作品を作れるように前向きに頑張っていきたいです」と語った。これから挑戦してみたい役を聞かれると、「どんな役もやりたいですけど、みなさんが僕に持っているイメージと逆の役をやったら面白いのかなと。例えば、クールな役が多いので、飛び抜けて明るいキャラクターだったり、すごくだらしない男だったり、そういう役をやったら自分もやりがいを感じますし、芝居の幅も広げられるなと思います」と答え、「これからいろいろな役をやって息の長い役者になりたい」と抱負を述べた。○「2019 第32回 小学館 DIMEトレンド大賞」各賞一覧■家電部門ルンバi7+(アイロボットジャパン)■IT部門ブロックチェーン(一般社団法人日本ブロックチェーン協会)■モビリティー部門エアバスA380「FLYINGHONU」(ANA)■日用品部門紙製ストロー「シルフィールTM」(日本製紙)■食品部門バスチー‐バスク風チーズケーキ(ローソン)■美容・健康部ウーノフェイスカラークリエイター(資生堂ジャパン)■マネー部門PayPay(PayPay)■リテール部門ワークマンプラス(ワークマン)■ホビー・カルチャー部門春水堂『タピオカミルクティー』(オアシスティーラウンジ)■ランドマーク部門渋谷スクランブルスクエア(渋谷スクランブルスクエア)■エンターテインメント部門キズナアイ(Activ8)■話題の人物賞神田松之丞■ベストキャラクター賞横浜流星■特別功労賞ラクビー日本代表(日本ラグビーフットボール協会)
2019年11月13日ロバート・デ・ニーロが、来年1月19日にロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで開催される全米映画俳優組合(SAG)賞授賞式で、功労賞を受賞する。これまでのSAG功労賞受賞者には、モーガン・フリーマン、ジュリー・アンドリュース、クリント・イーストウッド、オードリー・ヘプバーンらがいる。全米映画俳優組合の代表ガブリエル・カーテリスは、「ロバート・デ・ニーロは、傑出した能力と奥行きを持つ俳優です。彼が創り出すキャラクターは、私たちの心をとらえます」とロバートを功労賞に選出した理由を述べた。これまでロバートが演じた『ゴッドファーザー Part II』のヴィトー・コルレオーネ、『レイジング・ブル』のジェイク・ラモッタ、『マイ・インターン』のベン・ウィテカーの役名を挙げ、「彼は私たちの心に触れ、心を開き、共感と感動に満ちた新しく楽しい世界へと連れ出し続けています」と功績を称え、絶賛した。デ・ニーロは「私は50年以上、組合の会員だ。この賞を受賞できるのは、大変光栄なこと」と語っている。現在76歳のデ・ニーロはまだまだ現役。今年は『ジョーカー』、『アイリッシュマン』に出演し、今後も5本以上の作品が控えている。(Hiromi Kaku)
2019年11月13日10日(現地時間)、第45回ピープルズ・チョイス・アワードが開催された。映画部門では、MCU作品&キャストが圧勝。映画賞&アクション映画賞に『アベンジャーズ/エンドゲーム』、男優賞にロバート・ダウニー・Jr.(『アベンジャーズ/エンドゲーム』)、アクション映画スター賞にトム・ホランド(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)、女優賞にゼンデイヤ(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)が選ばれた。テレビ部門では、今年シーズン3が配信された「ストレンジャー・シングス」が作品賞とドラマ賞を独占。対抗馬は最終章が話題となった「ゲーム・オブ・スローンズ」、ティーンに絶大的人気を誇る「リバーデイル」、長寿番組「ウォーキング・デッド」、批評家も高評価の「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」などだった。「ストレンジャー・シングス」からはミリー・ボビー・ブラウンが女優賞も受賞した。注目を浴びたのは、みんなのアイコン賞に選ばれたジェニファー・アニストン。『マーダー・ミステリー』で夫婦を演じたアダム・サンドラーとの友情や、「フレンズ」のキャスト、視聴者などに対する感謝を語り、観客を涙させた。さらなるインパクトを与えたのは、自動車事故で大けがを負ったケヴィン・ハートが最優秀コメディ演技賞を受け取りにきたことだった。事故後2か月、初めて公に姿を見せ、受賞スピーチで「いままでよりも人生に感謝するようになった」と語った。(Hiromi Kaku)■関連作品:アベンジャーズ/エンドゲーム 2019年4月26日より全国にて公開©Marvel Studios 2019
2019年11月12日「ポーランド映画祭2019」が、東京都写真美術館ホールで開催。期間は2019年11月10日(土)から23日(土・祝)まで。日本×ポーランド国交樹立100周年などを記念したプログラム8回目の開催となる2019年の「ポーランド映画祭」では、日本とポーランドの国交樹立100周年およびポーランド民主化30周年を記念した8つのプログラムを用意。抱腹絶倒のコメディから歴史ドキュメンタリー、スリラーまで様々なジャンルの映画作品を上映する。日本とポーランドの“絆”を感じる作品たち1919年に国交を樹立して以来、政治、文化、経済などあらゆる面で友好関係を維持してきた日本とポーランド。そんな両国の“絆”を感じることが出来るような作品として、ポーランド人のアンジェイ・ワイダが監督を務め、坂東玉三郎が男女一役を演じた『ナスターシャ』(1994)や、ポーランド・ウッチ映画大学に在籍していた石川慶による『愚行録』(2017)などをラインナップする。民主化30周年記念&巨匠への追悼上映民主化30周年記念映画として共産党政権時代に制作された『月曜日が嫌い』(1971)、2019年のアカデミー監督賞・撮影賞・外国映画賞候補になったシリアスドラマ『COLD WAR あの歌、2つの心』(2018)を上映。また、2018年から2019年にかけて無くなったポーランド映画界の巨匠、カジミェシュ・クッツ、リシャルト・ブガイスキ各監督の作品『沈黙の声』(1960)『尋問』(1982)が登場する。アンジェイ・ワイダの短編作品をリストアップこの世を去ってからもなお、世界中の映画人が多大なるリスペクトを送るアンジェイ・ワイダ監督の代表作と短編作品をリストアップ。代表作として『死の教室』(1976)『灰とダイヤモンド』(1958)、3作品同時上映となる短編作品には『彼女の事情』(2006)『ゲーム』(2013)『ワイダの目、ワイダの言葉』(2014)のタイトルが並ぶ。映画音楽にフォーカスしたプログラム現代ポーランド芸術の立役者との呼び声も高い、即興音楽ユニット「シャザ」が来日。ロマン・ボランスキーとヴワディスワフ・スタレーヴィッチの両監督の短編映画集に合わせて生演奏を披露する。その他、ポーランド随一のジャズピアニスト・作曲家であり、多くの映画音楽を手掛けたクシュトフ・コメダの魅力が分かる2作品などを用意し、映画音楽に焦点を当てたプログラムを構成する。ポーランド映画初の米国アカデミー賞受賞作品をアンコール上映さらに、ポーランド映画初の米国アカデミー賞外国映画賞受賞作となった、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『イーダ』(2013)をアンコール上映。ポーランド映画史上の名作を是非スクリーンで堪能してみて。【詳細】ポーランド映画祭2019開催期間:2019年11月10日(日)~23日(土・祝)会場:東京都写真美術館ホール住所:東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内※11月11日(月)・18日(月)は休館。※詳細スケジュールは公式ホームページ(参照。
2019年11月10日エレン・デジェネレスが来年1月5日に開催される第77回ゴールデングローブ賞にて、キャロル・バーネット賞を受賞することが明らかになった。月曜日(現地時間)、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が発表した。エレンもSNSで「新しい週の始まりに、最高のニュース。ありがとう、ハリウッド外国人映画記者協会」と報告している。HFPAの代表ロレンツォ・ソリアは「彼女の番組はシットコムからスタンダップコメディまで、お茶の間に欠かせないものとなっています。彼女はテレビ界のパイオニアで、その魅力と知性で25年近く視聴者を引き付けてきました。また、テレビ界での成功に加え自分のプラットフォームが持つ影響力を通し、献身的な慈善家として声を上げ、優しさや喜びを広めてきました」とエレンの功績を称え、授賞の理由とした。今年新設されたキャロル・バーネット賞は、テレビ界への貢献者に贈られるもので、今年はキャロル・バーネット本人が受賞した。エレンは二代目の受賞者となる。なお、来年のゴールデングローブ賞で、映画界での貢献者に贈られるセシル・B・デミル賞はトム・ハンクスが受賞者に決定している。(Hiromi Kaku)
2019年11月05日子役の寺田心が1日、都内で行われた「2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」贈賞式に出席。フィルム部門 演技賞に選出された喜びを語った。フィルム部門 演技賞は今年、寺田、草なぎ剛と香取慎吾、樹木希林さん、リリー・フランキーが受賞。寺田は、ブックオフコーポレーションのテレビCM「フィクションは本だけに店員篇他1篇」での演技を評価され選出された。贈賞式で寺田は「今この場に立って、周りは素晴らしい方ばかりで、僕がいただいてもいいのかなー? ってわからないくらいとっても大きな賞をいただき、いろんな方に感謝の気持ちでいっぱいです」と恐縮しながら感謝。「この喜びをスタッフさんたちに、そしていつも僕を応援してくださるみなさんに伝えたいです。本当にありがとうございました」と堂々とあいさつし、会場の大人たちを感心させた。その後、同CMでおなじみのエプロンをつけた店員姿も披露し、可愛らしい姿で注目を集めていた。
2019年11月02日元SMAPの草なぎ剛と香取慎吾が1日、都内で行われた「2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」贈賞式に出席。フィルム部門 演技賞を受賞した喜びを語った。草なぎと香取は、アンファーの発毛剤「スカルプDメディカルミノキ5」のCM「アンファー・ミノキ兄弟2018/出会い篇他3篇」での演技が評価され受賞。同CMで2人は、“ミノキ兄弟”として兄弟役を演じた。草なぎは「名誉ある賞をいただき心より感謝し、本当にうれしく思っています」と喜び、「このCMでは香取くんと兄弟。香取くんとは30年近く一緒にいるんですけど、僕のほうが背が低かったりして香取くんのほうがお兄ちゃんと思われている方もたくさんいるんです。でもこのCMでは僕が兄。僕のほうがえらくなっている気がして気分がいい撮影なんです」とうれしそうにコメント。「30年近く一緒にいて兄弟役をやったことがなかったので、とても好きなCMで、新しい環境になってからいただいたお仕事でこのような形で評価していただいてうれしく思っています」と感慨深げに語った。香取も「素敵な賞をいただきうれしく思っています。演技を小学生の頃から30年以上やらせていただいているですけど、賞というものをもらったことがなく、この演技賞のためにここまでやてきたんだなと。演技で賞をもらえたのがこのアンファーの“ミノキ兄弟”っていうのが、一生僕の中に残ります」とややオーバーに話し、会場から笑いが。そして、「この賞をいただいたのは、子供の頃から自分の本当の兄のように慕ってきた草なぎさんのおかげだ。1人では乗り越えることはできなかったと思います。草なぎさんは俳優としてもとっても憧れの人で…」と草なぎを立てるコメントを続け、草なぎが「もう別に僕のことは…」とツッコミ。「すごくうれしいよ、兄さん!」(香取)、「弟よ!」(草なぎ)と“兄弟”のやりとりも披露して会場を盛り上げた。「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」は、テレビ、ラジオCMの質的向上を目的に、1961年より開催されてきた広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身とし、2017年よりその枠を大きく拡げ、あらゆる領域におけるクリエイティブを対象としたアワードにリニューアルした。フィルム部門 演技賞は、草なぎと香取のほか、寺田心、樹木希林さん、リリー・フランキーも受賞。贈賞式には、寺田、リリー、そして、樹木さんの代理として娘でエッセイリストの内田也哉子が登壇した。
2019年11月01日『シェイプ・オブ・ウォーター』で第90回米アカデミー賞で作品賞はじめ計4部門を受賞し、2019年にはハリウッドの殿堂入りも果たしたギレルモ・デル・トロ。オスカー受賞後はじめてストーリー原案・製作を担当した『SCARY STORIES TO TELL IN THE DARK』が『スケアリーストーリーズ 怖い本』として2020年2月28日(金)より日本公開が決定。初映像となる特報が解禁となった。本作の基となったのは、累計700万部もの売り上げを誇りながらも、全米では図書館に置くことが禁じられた児童書シリーズ「スケアリーストーリーズ怖い本」。ギレルモ・デル・トロが10代の頃に多大な影響を受けた本シリーズは、1981年に第1作が発表され、全米で大ベストセラーに。しかし、実際の事件を彷彿とさせるような描写やおどろおどろしいスティーブン・ガンメルの挿絵に親たちや教師から苦情が殺到、児童書にも関わらず子どもには過激すぎるとして全米の学校図書館に置くことを禁止する論争が巻き起こった。そして、日本文化をはじめ、幅広い物語に影響を受けてきたデル・トロは、自身の原点の一つといえるこの“怖い本”の映画化に、「今作を任せられる監督は彼しかいない」とスティーヴン・キング原作『死のロングウォーク』の監督にも決定している期待の新星アンドレ・ウーヴレダルを大抜擢。強力なタッグが実現した。「新たな恐怖は本の中からやってくる」解禁された特報映像では、全ての元凶である“怖い本”が登場し、背筋が凍りつくような戦慄の一部を体感することができる。ある夜、高校生のステラたちは、古い洋館の地下室で一冊の本を見つける。そこには美しい手書きの文字で書かれた物語が。しかし、それは絶対に持ち帰ってはいけない、読んではいけない危険な1冊だった。毎夜、血のように滲み出す文字が新たなページを綴るとき、一番の恐怖が現実となって襲い掛かる――。今回の特報で、赤い光が点滅する廊下に姿を見せた不気味な“何か”は、デル・トロがこだわりを詰め込んだフォルムになっており、恐ろしさを感じさせつつも好奇心を掻き立てる映像だ。また、併せて解禁となったポスタービジュアルでも、特報映像にも登場する白くて丸みをおびたフォルムで存在感を放つ“何か”が廊下の奥にうっすら見てとれる。本の1ページ目も大きく開かれ、まるで物語への入り口のよう。これから語られる“恐ろしい話”への期待が膨らむビジュアルとなっている。本作は現地時間8月9日(金)に全米で公開されると瞬く間に話題となり、初日には全米1位を記録するなど大ヒットを記録している。『スケアリーストーリーズ 怖い本』は2020年2月28日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月31日第71回エミー賞でリミテッドシリーズ部門作品賞、監督賞、脚本賞ほか計10冠を獲得した、話題の海外ドラマ「チェルノブイリ」。9月にBS10スターチャンネルで放送がスタートするや、回を重ねるごとに、思わず目を背けたくなる、見るも“しんどい”展開の連続でありながら、日本人として無視することのできない大惨事の裏側にSNS上は騒然となっている。この「チェルノブイリ」のような、1話あたり長くても1時間前後、全3~10話ほどのリミテッド(ミニ)シリーズのドラマは、近年ハズレなしといっていい。約2時間の映画では描き足りない深掘りしたテーマとメッセージを盛り込みつつ、20話近い通常のTVシリーズとはまた異なる濃密さを味わえることから、「ファーゴ」や「アメリカン・ホラー・ストーリー」「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」などを例に出すまでもなく映画界のスターやクリエイターが続々と参入している。また、話数の少なさから、見たいものをなかなか絞り切れない配信ドラマの“入り口”にもなりやすく、1シーズンで完結するというゴールが示されている点でも気軽さがある。そこで、この秋絶対に見ておきたいリミテッドシリーズ3作品に注目した。ある意味、ホラーよりも恐ろしい…「チェルノブイリ」1986年4月26日午前1時23分、旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故を、入念なリサーチを基に再現した実録ドラマ。これまで地球が経験してこなかった未曾有の原発事故が発生した後、建前の数字で実態をごまかし、隠蔽しようとした旧ソ連政府と、被害・影響を把握し、その拡大を少しでも抑えようとした科学者や技術者、消防士などの姿を、まるでこちらが追体験しているかのようにリアルに描いていく。現在では鋼鉄のシェルターに覆われ、観光地と化しているチェルノブイリ。いままでもドキュメンタリー映画や劇映画は公開されてきたが、「ゲーム・オブ・スローンズ」の米HBOのもと製作された今作は、どんなパニックスリラーよりも緊迫感と絶望感に支配されている。事故発生直後、閃光に数秒遅れて民家に届く爆音。オレンジ色の炎からひと筋、天に向かって立ち上るのは異様なまでの青い炎。しかし、原発内では事態を掌握できず、判断力、統率系統は混乱し、あまりにも無防備な作業員たちが次々と被爆していく。一報を受け、深夜休んでいた消防士たちもかり出され、消火活動に当たる。もちろん防護服など身につけていない。落ちていた黒鉛に触れたある消防士は、すぐさま動けない状態になってしまう。そして、原発から上がる炎をまるで花火でも見るかのように見物する近隣住民たちの上に(子どもや赤ちゃんにも)、死の灰が降り注ぐ。なのに、「事態は制御下にあります」と言い放つ所長。測定できる線量計はMAXで振り切れてしまっている。だが、事実ではない報告が上へと伝わり、ついにはゴルバチョフ書記長の耳に。この日、原子炉の運転実験を指揮しながら、冷静さを失ったかのように「タンクが爆発しただけ」と言い張っていた副技師長は、自身が倒れ所内から一歩外に出てようやく、とんでもない事態が起きていることに気づくのだ。海外ドラマでよく見かける顔ぶれが揃う中、この原発事故の調査と事後処理に挑むのは、数々の舞台や映画で鳴らした名優たちだ。放送に先駆けて解禁された10分の冒頭映像でまさかの選択をする調査委員会の責任者、核物理学者ヴァレリー・レガソフを、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のモリアーティ役で知られるジャレッド・ハリス。ゴルバチョフ書記長に現場対応を任された旧ソ連閣僚会議副議長ボリス・シチェルビナに、『アベンジャーズ』シリーズにも出演する北欧俳優一家の父、ステラン・スカルスガルド。そして事故の真相解明に奔走する核物理学者ウラナ・ホミュックに、『奇跡の海』や『博士と彼女のセオリー』のエミリー・ワトソン。さらに、『ダンケルク』『聖なる鹿殺し』のバリー・コーガンをはじめ、市井の人々を演じたゲスト出演者たちもそれぞれが強い印象を放っている。製作総指揮・脚本は、『ハングオーバー』シリーズや『最凶絶叫計画』シリーズとコメディ作品を数多く手掛けてきたクレイグ・メイジン。そして、スウェーデン出身で「ブレイキング・バッド」の伝説的エピソードや、マドンナ、デヴィッド・ボウイなどのミュージックビデオを手掛けてきたヨハン・レンクが監督をつとめ、全く救いのない現場に立つ様々な人間の内面を見つめながら、多彩な視点で観る者をぐいぐいと引き込ませていく。廃炉となったリトアニアの原発でロケを敢行したリアリティもあってか、“目には見えない”はずの放射能が見えてくるような気さえしてくる。旧ソ連は社会主義国家とはいえ、地球規模の核災害など起きていないという“建前”をふりかざす上層部の対応の様子は、何やらどこかで見たような…。東日本大震災による福島第一原発事故の処理が現在進行形だからこそ、私たち日本人にとっても重要なドラマであることは確か。見るのがつらい、という人もいるかもしれない。それでも、事態の悪化を食い止めようと命をかけて行動し、風化させてはならないと覚悟を決めた人間がたどり着いた境地と、それに伴ったあまりにも大きな犠牲を、どうか受けとめてみてほしい。※1話63~76分×全5話スターチャンネルにて放送中/Amazon Prime Video スターチャンネルEXにて配信中人生を奪われた冤罪の少年たち…「ボクらを見る目」今作は、全米を震撼させた実際の悪名高き冤罪事件「セントラルパーク・ジョガー事件」を、黒人女性監督として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた『グローリー/明日への行進』のエヴァ・デュヴァネイが手掛けたNetflixのリミテッドシリーズ。今年5月31日より190か国で配信されると、アメリカでは原題の「#WhenTheySeeUs」がTwitterのトレンド入り。また、Netflixの発表によれば、アメリカでの1日あたりの視聴回数の最高記録を達成したという。確かに、人生を奪われた少年たちが経験した理不尽さへの憤りや絶望、そして現在のアメリカへの痛烈な批判はNetflixのシリーズの中で過去最高級のクオリティと完成度かもしれない。1989年4月16日、ニューヨークのセントラルパークをジョギングしていた白人の女性がレイプされ、頭部を殴打され瀕死の重傷を負った事件が起きる。そのとき、たまたま友人に誘われて、あるいは単なる好奇心からセントラルパークに集まっていた黒人やラテン系の少年たち、ユセフ、ケヴィン、アントロン、レイモンド、コーリー。いずれもハーレム出身で、ユセフとコーリーは友人同士だったが、2人以外は顔見知りですらなかった。やがて事件が発覚すると、当時14歳から16歳だった少年たちは保護者や弁護士の付き添いもなく、水や食事も与えられないまま、警察の“シナリオ”ありきの圧迫的な誘導尋問により自白を強要されてしまう。裁判ではそれぞれ身の潔白を主張するも、現場から見つかったDNAが5人の誰とも一致しなかったにも関わらず、有罪判決が下され、彼らは収監。メディアは5人を「セントラルパーク・ファイブ」と名付けて晒し者にした。事件の発生と警察署での1話から、胸が締めつけられるような裁判所の2話、3話&4話では鑑別所での日々や、大人になり服役を終えた彼らの様子、さらに真犯人が罪を告白し、真相が明らかになるまでが丁寧に描かれていく。見事な起承転結。たった一夜で激変した少年たちと、その家族の境遇と心情に徹底して寄り添っていく。しかも、この冤罪事件が犯罪率の高かったニューヨークにさらなる影を落とす中、新聞4紙に“少年たちを裁くため”に「死刑制度を復活させろ」と大々的な広告を打ったのが、誰あろう、当時ニューヨークの不動産王だったアメリカ大統領ドナルド・トランプだ。当時からメディアを通じてヘイトをまき散らす姿が、ドラマの中ではっきりと映し出されている。そんな今作は、上記の「チェルノブイリ」と第71回エミー賞でリミテッドシリーズ部門の各賞を争ったことが記憶に新しい。結果的には「チェルノブイリ」圧勝だったものの、ジャレッド・ハリスやヒュー・グラント、さらにマハーシャラ・アリ、サム・ロックウェル、ベニチオ・デル・トロといったオスカー俳優たちを差し置いて主演男優賞に選ばれたのが、なんとコーリー役の少年時代から大人時代までを演じたジャレル・ジェローム。2016年の映画『ムーンライト』で、高校生の主人公が想いを寄せる相手役を演じて注目されたジャレル。彼が演じたコーリーだけは、当時16歳だったため少年法では裁かれず、たったひとり成人用の刑務所に送られ、最も長い刑期を過ごすことになった。受刑者からはリンチに遭い、刑務官からもいじめに遭い、独房に入れられた。「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」でも触れられていたように、こうした刑務所には潤沢な予算などなく、環境は劣悪だ。クーラーも壊れてしまった灼熱の独房で、次第に精神に異常を来していくコーリーが、“あの日セントラルパークへは行かなかった、もう一人の自分”に思いを馳せるシーンは涙なしでは見られない。このコーリーをはじめとする5人を、デュヴァネイ監督は新たに“無実の罪を晴らした(Exonerated)ファイブ”と呼んでいる。2002年に無実が証明された彼らは、2014年、実刑を下したニューヨーク市とも全面和解。実際の本人たちも映し出されるが、壮絶な体験をし、人生の一部を奪われたはずの彼らがみな、穏やかな表情をしているのが印象的だ。製作総指揮のひとり、オプラ・ウィンフリーによる「今、ボクらを見る目」では製作の裏側や本人たちの素顔も目にすることができる。ちなみに、無実の彼らを訴追した張本人の女性検事は、引退して小説家となっていたが、ドラマ配信後にSNSで大バッシングされ、出版社からは契約打ち切り、被害者支援のNPO団体を辞めている。演じているのが、子どもの裏口入学で逮捕された「デスパレートな妻たち」のフェリシティ・ハフマンというオチつき。※1話64~88分×全4話Netflixにて配信中性被害者が救われるたった1つの瞬間とは…「アンビリーバブル たった1つの真実」もう1本、今年の必見案件といえるのが「アンビリーバブル たった1つの真実」。現地時間10月16日に発表されたNetflix2019年度第3四半期決算で、配信開始から28日間で6,400万世帯に視聴される新記録をつくった「ストレンジャー・シングス 未知の世界3」と並ぶオリジナル作品のヒット作として挙げられ、いま注目を集めている。配信開始から28日間で3,200万世帯が視聴したという。これは今作が、連続レイプ犯を追う女性刑事コンビとその被害者であり、セカンドレイプにさらされた少女を主人公にした実録ドラマであることを考えると、かなり画期的なことだろう。ピューリッツァー賞を受賞したT・クリスチャン・ミラーとケン・アームストロングによる記事「An Unbelievable Story of Rape」(原題)と、ラジオ番組「This American Life」(原題)で取り上げられた実話から生まれたドラマは、性被害のトラウマと真の意味での救済と回復をつぶさに描き出している。「性的暴力の描写が含まれるため、ご自身の判断の上でご視聴ください」と、「13の理由」のように注意喚起から始まる今作。ワシントン州、里親を転々とし、いまは青少年保護施設に暮らす10代のマリー・アドラーは、2008年8月11日、窓から侵入してきた何者かにレイプされ、警察に届け出る。しかし、フラッシュバックに襲われ気が動転するマリーの話と、犯人の指紋跡が部屋に見当たらないことから、ベテラン担当刑事はマリーの“でっち上げ”ではないかと疑いはじめ、かつての養母や友人、カウンセラーも彼女に不信感を抱いていく。時は流れて2011年のコロラド州。何百キロも離れた場所で侵入者によるレイプ事件をそれぞれ追っていたカレン・デュヴァル刑事とグレース・ラスムッセン刑事は、あまりに手口が似通っていることから同一犯の犯行とみて合同捜査を開始するのだが…。「ビッグ・リトル・ライズ」などでも記憶に新しいが、なぜ、被害者である彼女たちが何重もの苦しみに直面しなければならないのか。マリーは最初に駆けつけた若い警察官と、後から到着した中年の担当刑事(どちらも男性)に同じ話を繰り返さなければならず、病院での検査も屈辱的といえるほど。“なぜ信じてくれないの。もうどうでもいい、どうにでもなれ”、そんな彼女の心の声が頑なな表情から聞こえてくる。そんな彼女にとっての救いは、犯人逮捕だけではなく、閉ざして冷めきった心に再び光がともることなのだ。このマリーという難役を熱演したケイトリン・デヴァーは、ブリー・ラーソン主演の映画『ショート・ターム』でも父親から性的虐待を受ける少女を演じており、キャスリン・ビグロー監督『デトロイト』では「ゲーム・オブ・スローンズ」のハンナ・マリーと暴動に巻き込まれる少女、『ビューティフル・ボーイ』ではティモシー・シャラメと薬物に溺れていく少女など、壮絶な役柄ばかり。「ヴァラエティ誌が選ぶ注目の10人の俳優」に選ばれるほどの演技力があるからこそだが、そろそろ幸せになって欲しい(?)と日頃から思っていただけに、2020年に待ち受けるだろうブレイクを喜んで見守りたいところ。次回作は、女優オリヴィア・ワイルドが初監督した映画『Booksmart』(原題)で、ジョナ・ヒルの実妹で『レディ・バード』のビーニー・フェルドスタインと共演している。一方、女性刑事グレース役を演じるのは『へレディタリー/継承』のトニ・コレット、そしてカレン役は『マーウェン』「ウォーキング・デッド」のメリット・ウェヴァー。トニは「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」、メリットは「ナース・ジャッキー」「ゴッドレス -神の消えた町-」でエミー賞を受賞している言わずと知れた実力派。2人はホラーやコメディのイメージを捨て去り、卑劣な連続レイプ犯を信念で追い続ける女性刑事をときに痛快に、ときに繊細に演じており、絶妙な距離感を保つバディぶりが深刻なストーリーにユーモアをもたらしてくれる。さらにショーランナーが、『エリン・ブロコビッチ』や『イン・ハー・シューズ』「アニタ~世紀のセクハラ事件~」などのスザンナ・グラントと、『キッズ・オールライト』やフランシス・マクドーマンド主演「オリーヴ・キタリッジ」(これも傑作)のリサ・チョロデンコとあって、グレース&カレンの女性刑事2人と、マリーをはじめとする被害女性たちとの力強いシスターフッドには勇気をもらえるはずだ。※1話45~58分×全8話Netflixにて配信中いずれも、人間の弱さと強さを真摯にすくい上げた見応えのある社会派ドラマで、つらいけれども続きが気になるものばかり。この3作は、映画賞とともに発表される来年1月のゴールデン・グローブ賞(テレビの部)でも大きな話題を呼ぶに違いない。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年10月31日世界54か国でNO.1となり、第92回アカデミー賞長編アニメ映画部門にもエントリーしている『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』が10月30日(水)、現在開催中の第32回東京国際映画祭にて特別上映。製作・監督・脚本のディーン・デュボア監督が、映画を観終えたばかりの観客とQ&Aを行った。シリーズ最新作にして完結編となる本作を引っ提げて来日したデュボア監督はまず、「日本のアニメはいつも我々にインスピレーションを与えてくれる。そして日本人は子供向けのアニメであっても大切に思ってくれるところが好きです」と挨拶。本シリーズが愛される理由については「ドラゴンというクリーチャーは、世界中の色々な文化に存在しており、ゆえに親和性の高いものです。そんなドラゴンと人間が仲良くなり、背中に乗って空を飛ぶという願望を叶えてくれる物語だから人気になったのかもしれません。そしてそんなドラゴンがこの世に実際に存在するのではないか? と思わせてくれるリアルなストーリーも世界中の人々に愛される理由かもしれません」と考察した。ドラゴンの抱きしめたくなるようなデザインは大型のネコ科がヒントに会場のファンとのQ&Aでは、ヒックの相棒“トゥース”として活躍するドラゴン、ナイト・フューリーのデザインについて質問されると「ドラゴンを造形する場合は、地球上に実在している野生動物を参考にデザインしています」と監督。「ナイト・フューリーの場合は、世界で最強のドラゴンであり、バイキングに恐れられているイメージを与えたかったので、ブラックパンサーのエレガントさやほ乳類的な部分を参考にし、そして犬や猫のような親しみやすさや、抱きしめたくなるような魅力が出るように大型のネコ科の動物たちの動きと資質を加えてデザインを考えていきました」と、クリエイターとしてこだわりを紹介した。『きつねと猟犬』『タイタニック』『E.T.』と共通点も!?さらに、本作のエンディングの意図について問われた監督は、「シリーズ2作まではヒックと仲間たちは、ドラゴンとの共生という道を示しました。今作では人間が抱える問題にも触れられると思い、感情的により複雑なラストを提示しました」と、鋭い質問に笑顔を見せながら回答。「主人公のヒックは、自分にはまったく価値がないというところから始まり、最後には聡明で他人のために何かをするという成長を見せます」と、最終章に相応しいラストについて期待が膨らむコメントを示しつつ、「自然は守らなければいけないのに、人間たちは自然を傷つけるということを繰り返しています。そのような描き方には宮崎駿監督の作品から大きなインスピレーションを受けています」と、日本が誇るアニメ界の巨匠へのリスペクトも覗かせるひと幕も。さらに、ディズニーアニメーション『きつねと猟犬』から映画『タイタニック』『E.T.』『ロスト・イン・トランスレーション』などのタイトルを挙げ、「一時の素晴らしい友情などによりお互いが深く繋がり、それによってお互いが永遠に変えられ、そしてそれぞれの道を歩み始めるというスタイルのストーリーが私は好きです。そういった物語の伝統に本作で貢献したいとも考えました」と、本作に込めた思いについて言及した。最後にデュボア監督は、「ワクワクするし、作品を気に入って楽しんでもらえたら嬉しいです。一人でも多くの日本の方に響くことを願っています。それが作品に携わったスタッフたちのなによりもの喜びだからです」と語り、日本公開に向けて期待を込めていた。『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は12月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒックとドラゴン聖地への冒険 2019年12月20日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2019 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.
2019年10月31日笑福亭鶴瓶主演映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』が、中国版アカデミー賞と呼ばれる金鶏百花映画祭の外国語映画部門にノミネートされたことが分かった。本作は、帚木蓬生の山本周五郎賞受賞作「閉鎖病棟」を、『愛を乞うひと』の平山秀幸監督・脚本で映画化。主演の鶴瓶さんが、死刑囚でありながら刑の執行が失敗し精神科病棟にいる秀丸を演じ、綾野剛、小松菜奈らが出演。精神科病棟を舞台にしたヒューマンドラマが描かれる。そんな本作がノミネート決定した今年で28回目を数える金鶏百花映画祭(Golden Rooster & Hundred Flowers Film Festival)は、中国の映画業界関係者、製作者、そして一般の人々からの投票も含め大賞を決定する、参加者約4万人規模の映画祭。開催地は毎年変更され、今年は11月19日から23日まで、廈門(アモイ)で開催。東映配給作品としては、これまで『おしん』(冨樫森監督)が日本映画初として外国語映画部門最優秀作品賞を受賞したほか、『ツレがうつになりまして。』(佐々部清監督)も同賞を受賞。昨年は山崎努と樹木希林が共演した『モリのいる場所』(沖田修一監督)が外国語映画部門最優秀作品賞、最優秀監督賞を受賞した。なお、本作のノミネートが決定した外国語映画部門の授賞式は22日に行われ、平山監督が出席する予定。平山監督は「映画の現場も大きな祭りでした。映画祭への参加は、文字通りまだ祭りが続いている気分がします。しっかり楽しんできたいと思います」と意気込んでいる。また今回の発表と同時に映画の場面写真とメイキング写真も到着。メイキング写真には、監督が鶴瓶さんと小松さんに真剣な眼差しでアドバイスする場面が切り取られ、初解禁の場面写真では、秀丸に優しく微笑む綾野さん演じるチュウさんの姿が写し出されている。『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』は11月1日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:閉鎖病棟―それぞれの朝― 2019年11月1日より全国にて公開©2019「閉鎖病棟」製作委員会©H. Hahakigi / Sncs
2019年10月29日「東京ドラマアウォード2019」授賞式が10月28日(月)、都内にて開催され、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」の菅田将暉が主演男優賞を、さらに「初めて恋をした日に読む話」にてピンク髪の「ゆりゆり」を熱演した横浜流星が助演男優賞を受賞した。「世界に見せたいドラマがある」というスローガンのもと始まった「東京ドラマアウォード」は、芸術性や良質な番組といったことだけではなく、市場性や商業性にスポットを当てたアウォード。世界水準で、海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰している。対象となる作品は、2018年7月から2019年6月までの1年で放送されたTVドラマとなっている。主演男優賞受賞の菅田さん、「屈指の演技派ですよね?」と聞かれ…菅田さんが主演男優賞を受賞した「3年A組-今から皆さんは、人質です-」は、連続ドラマ部門でグランプリも受賞。さらに、山田孝之とW主演した「dele」は優秀賞を受賞し、菅田さんは八面六臂の活躍を見せている。「3年A組-今から皆さんは、人質です-」は3年A組担任の柊一颯ことブッキー(菅田さん)が、クラス29人の生徒を人質にとり、「最後の授業」を始めるというセンセーショナルな作品。永野芽郁、片寄涼太、川栄李奈ら生徒陣の鬼気迫った演技も共に話題になり、学園ドラマというジャンルの枠組みを超えて、いまを生きる人々に生きることは何かを問い続けた。トロフィーを受け取った菅田さんは、「外側の仮面みたいなものを全部剥ぎ取って、僕らの思う当たり前の哲学みたいなものを発信しようというだけでした。スタッフともども、本当にこの哲学が世の中に伝わらなかったら“もう、やめよう”と思ってやっていました」と強い意志をのぞかせ、しっかりとした口調で伝えていた。本ドラマのみならず、菅田さんの過去作を何本か見たという司会の石坂浩二は、菅田さんに「あなたを見ていると新しい世代の演技だなと思っています。あなたは屈指の演技派ですよね?」と語りかけた。「うれしいです」と言いながらも、菅田さんは「それでマイクを向けられるのは、ちょっと(笑)」と大先輩からの言葉に照れ笑いを浮かべていた。横浜流星、次なる出演作は時代劇!?一方、横浜さんが助演男優賞を受賞した「初めて恋をした日に読む話」は、何もかも上手くいかない人生だったアラサーの崖っぷち塾講師・春見順子(深田恭子)が、髪をピンクに染めた不良高校生・由利匡平(横浜さん)と出会い、転機を迎え、人生を取り戻していく物語。横浜さんの冷めたまなざしが、順子と接することで輝きを取り戻していき、やがてかけがえのない恋に落ちていく姿に、視聴者が熱狂。横浜さんの整ったシャープな顔立ちと、色気をたたえた雰囲気も手伝い、世代を超えて女性たちが次々と「ゆりゆり」に陥落した。一大ブームとなったばかりか、以降はメディアで横浜さんの姿を見ない日はないほど、横浜さん自身が俳優として注目され、大ブレイクとなった。由利匡平役について、横浜さんは「自分と共通点もあり、共感できるような部分も多かったんです。匡平はすごく真っ直ぐな少年で、僕も学生時代は極真空手をずっとやっていまして、突き進んでいました。受験勉強や、順子先生への恋心とかも、その真っ直ぐさが共感できるところでした」と澄んだ瞳で語った。背筋を伸ばしはきはきと答える横浜さんに、石坂さんが「いつか戦国時代の時代劇をやってほしい!」とリクエストすると、「僕もぜひ、挑戦したいです!」と前向きな姿勢を見せていた。そのほか、主演女優賞は清原果耶が「透明なゆりかご」で受賞し、「どうやって演じようとすごく悩んだり考えた分、大切にしたいという意識がとてもありました。もし表れていたのならうれしいです」と真摯 に話した。「獣になれない私たち」で助演女優賞を受賞した黒木華は、「この役は面白くて、自分でやっていてもすごく楽しかったです。本当に野木(亜紀子)さんにいい役書いてもらったな、と思いました」と笑顔でコメントを寄せていた。(cinamacafe.net)
2019年10月28日サム・メンデス監督映画『1917 命をかけた伝令』が、第92回アカデミー賞において<録音賞><撮影賞><視覚効果>を受賞。日本では2020年2月14日(金)より、全国の劇場で公開される。“究極の没入感”を追求する戦争映画第一次世界大戦を舞台にした映画『1917 命をかけた伝令』。物語の主人公となるのは、若きイギリス兵スコフィールドとブレイクの2人の兵士で、危険待ち受ける敵の陣地を抜け、進軍する仲間と兄弟が所属する1,600人の友軍兵士たちの命を救うべく、一刻も早く「作戦中止」という重要な伝令をするために立ち向かう。オスカー監督サム・メンデスが描く、“リアルタイム”の兵士の一日監督を務めるのは、サム・メンデス。アカデミー賞監督賞を受賞した『アメリカン・ビューティー』や、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる「007」において、3・4作目となる『007 スカイフォール』『007 スペクター』を手掛けた人物だ。世界の映画祭で快挙!『1917 命をかけた伝令』においては、兵士たちの一日を“リアルタイム”で映し出すことに注力。“屋外ロケでワンカット撮影”という驚きの手法で注目を集め、世界の映画祭で数々の賞を受賞している本作。第77回ゴールデングローブ賞においては、監督賞・作品賞(ドラマ部門)の主要2部門を受賞。また第92回アカデミー賞では、10部門(作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、美術賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞、視覚効果賞、メイ クアップ&ヘアスタイリング賞)にノミネートされ、そのうち録音賞、撮影賞、視覚効果賞を受賞した。“長回し”による撮影が生む没入感その驚きの撮影方法とは、カットの繋ぎ合わせで辻褄を合わせるのではなく、可能な限り“長回し”による撮影で物語を語る、といもの。これにより、例えば戦場に迫撃砲が降り注ぐ中、大量の兵士の間を縫うように走って逃げる兵士の動きや一つ一つの息遣いにリアルな緊迫感が生まれ、鑑賞者はまるで戦争を実体験しているかのような没入感が体験出来るという。撮影監督は、これまでに13度アカデミー撮影賞にノミネートされ、2017年の『ブレードランナー 2049』で初受賞を果たしたロジャー・ディーキンスが務める。サム・メンデス「撮影がいかに困難だったか、その苦労と努力が映像全てに集約されている」メンデスによれば、完璧に途切れなく物語を描くため、全てにおいて秒単位まで計算するなど緻密な調整をした上で撮影を敢行。それでも、映像に一貫性を持たせるために“天候待ち”の時間が多くあったこと、カメラを俳優のアクションにピタリと合わせるため、また長回しのために照明機材を置けないことなど、多くの苦労があったという。しかしその出来栄えについては、「撮影がいかに困難だったか、その苦労と努力が映像全てに集約されている」と自信を覗かせている。フレッシュな英国俳優に加え、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファースら出演キャストには、主人公の若きイギリス兵役にジョージ・マッケイ(『マローボーン家の掟』)や、ディーン・チャールズ=チャップマン(「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)などフレッシュな英国俳優を起用。そのほか、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロングらイギリスを代表する実力派俳優が脇を固めている。作品情報映画『1917 命をかけた伝令』公開日:2020年2月14日(金)監督:サム・メンデス脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ製作:サム・メンデス、ピッパ・ハリス出演:ジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ=チャップマン、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロング
2019年10月28日世界のドキュメンタリー映画とドキュメンタリストが一堂に会す<山形国際ドキュメンタリー映画祭2019>(以後、ヤマガタ)の授賞式が16日行われた。注目は最高賞となるロバート&フラハティ賞の行方。その栄冠には、中国のワン・ビン監督の『死霊魂』が輝いた。今回のヤマガタのインターナショナル・コンペティションはフレデリック・ワイズマン監督やアナンド・パトワルダン監督といったドキュメンタリー映画界の巨匠から、今回が初長編作の新人監督まで、まさにドキュメンタリー映画のこれまでの歩みと現在地、そしてこれからの未来をみるようなラインナップだった。その中でも、映画祭開幕前からとりわけ大きな注目を集めていたのがワン・ビン監督の『死霊魂』だった。いまや世界を代表する映画作家である彼だが、過去に『鉄西区』『鳳鳴-中国の記憶』の2作がヤマガタで大賞を受賞。ヤマガタが見い出した映画作家といっていい。それが注目を集める理由のひとつにあることは間違いない。ただ、注目を集めた理由はもうひとつあった。それは作品の尺だ。ワン・ビン監督の作品ということで驚きはしないといえばしないが、495分の超長編。3部にわけての上映は途中で、45分の休憩を2度入れ、朝10時から始まって夜8時に終わる、まさに丸1日かけてのものだった。映画祭はやはり1本でも多くの映画を観たいもの。その中で、「『死霊魂』を1日かけてみるか?それとも数多くの作品をみることをとるべきか」というのが映画祭参加者の合言葉のようになっていた。1950年代後半に起きた中国共産党の反右派闘争で粛清され、再教育収容所へ送られ、過酷な労働を強いられる中、生き延びた人々の証言をまとめた本作について、審査員を代表して評を述べた諏訪敦彦監督は「人間の本質に分け入っていく稀有な叙事詩である。映画の本質に分け入っていく稀有な叙事詩である。存在はもっとも強力な証拠である。映画が歴史を呼び覚ます」と語った。ビデオメッセージを寄せたワン・ビン監督現在、新作ドキュメンタリーが佳境ということでワン・ビン監督は今回のヤマガタへの参加はかなわず。ただ、ビデオメッセージを寄せ、「『死霊魂』を選んでくださり、ほんとうにありがとうございます。今年は<山形国際ドキュメンタリー映画祭>が30周年ということで、私もとてもうれしく思っています。<山形国際ドキュメンタリー映画祭>が今後、ますます発展していくことを願っています」とコメントした。また、審査委員長を務めたオサーマ・モハンメド監督は、総評で「15本の作品があって、賞は5本にしかあげられない。ほかの作品を私は愛していないわけではない。ひじょうに腹立たしいのですが、こうするしかない(笑)」とコメント。ここから垣間見えるように、審査はかなり難航し、悩ましいものだったようだ。次に、アジアの新たな才能を見い出す<アジア千波万波>部門の大賞となる、小川紳介賞はガッサーン・ハルワーニ監督の『消された存在___立ち上る不在』が受賞した。本作は、35年前のレバノン内戦時に誘拐され行方不明となった人間の存在を浮かび上がらせる1作。残念ながらハルワーニ監督は欠席だったが「2011年に私がこの作品をベイルートで映画を作り始めたとき、ある小さな美術展に誘われ、広島を訪問する機会がありました。そのとき、広島の街を歩いていますと、矢印が書かれてることに気づきました。それは爆心地へと導いていました。ここから爆心地まで何メートルあるか記されていました。わたしは、あえてそこへは行かないことに決めました。その間、なぜいくべきでないか、私は何度も何度も言い聞かせようとしました。2週間後のある日、歩き回っていたところ、知らないうちに原爆ドームの前に立っていました。それがなんであるかに気づくのにしばらく時間がかかりました。そこで私は石の上で焼き付けられた影をみました。そのとき、その影が1945年にそこに立っていた人間の唯一の痕跡であることに気づきました。この出会いが、この作品『消された存在___立ち上る不在』のコンセプトのバックボーンとなりました。わたしは、この作品がヤマガタで上映されること知ったときに、光栄に思いました。そこにいられなくてとても残念です」とコメントを寄せた。受賞作は以下の通り。<インターナショナル・コンペティション>ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)『死霊魂』監督:ワン・ビン山形市長賞(最優秀賞)『十字架』監督:テレサ・アレドンド、カルロス・バスケス・メンデス『ミッドナイト・トラベラー』監督:ハサン・ファジリ優秀賞『これは君の闘争だ』監督:エリザ・カバイ審査員特別賞『インディアナ州モンロヴィア』監督:フレデリック・ワイズマン<アジア千波万波>小川紳介賞「消された存在、____立ち上る不在」監督:ガッサーン・ハルワーニ奨励賞『ハルコ村』監督:サミ・メルメール、ヒンドゥ・ベンシュクロン『エクソダス』監督:バフマン・キアロスタミ市民賞『死霊魂』監督:ワン・ビン日本映画監督協会賞『気高く、我が道を』監督:アラシュ・エスハギ今回の開催は台風の影響で上映が一部中止。後日、振り替え上映になったり、交通網の影響でゲストの山形入りが遅れたりと、いくつか大きなトラブルに見舞われた。それでも、最後は滞りなく無事全プログラム終了。16日時点でおよそ1万9000人の来場を記録した。来日した監督たちからは今回の台風で被害に遭われた人々に思いを寄せる言葉が多く寄せられたことも付記しておきたい。なお、本日17日、受賞作の上映をもって同映画祭は閉幕。次回は2年後、2021年に行われる。今回、30周年の節目を迎え、次回は新たな一歩を踏み出すことになる。取材・文・写真:水上賢治
2019年10月17日映画芸術科学アカデミーが、第92回アカデミー賞の長編アニメ映画部門にエントリーされた32本を発表した。「Variety」誌によればアカデミー賞史上、同部門では最多のエントリー数だという。昨年は25本、2017年は26本、2016年は27本だった。日本からは新海誠監督の『天気の子』、渡辺歩監督の『海獣の子供』、高坂希太郎監督の『若おかみは小学生!』、今石洋之監督の『プロメア』がエントリー。ディズニー作品は、11月22日に公開となる『アナと雪の女王2』、『トイ・ストーリー4』がエントリーされたが、今年大ヒットを記録した実写版『ライオン・キング』のタイトルは見当たらない。同作は、公開当時から“アニメ”として扱われるのかどうかという議論が交わされており、「ディズニーが『ライオン・キング』を同部門にエントリーすることはないだろう」と予想されていた。ここ数年賞レースで話題となっているNetflixは、オリジナルアニメ『Klaus』(原題)、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞した『失くした体』を引っ提げ、同部門に初参戦。ほかの作品は、アニメ映画版『アダムス・ファミリー』、『ペット2』、『ディリリとパリの時間旅行』、『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』など。来年1月13日にノミネーション作品が発表される。(Hiromi Kaku)■関連作品:若おかみは小学生! 2018年9月21日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会プロメア 2019年5月24日より全国にて公開©TRIGGER・中島かずき/XFLAG天気の子 2019年7月19日より全国東宝系にて公開(C)2019「天気の子」製作委員会海獣の子供 2019年6月7日より全国にて公開©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会
2019年10月17日カンヌ国際映画祭パルムドール受賞に加え、第92回アカデミー賞においても有力視されている『パラサイト 半地下の家族』。すでに韓国動員1,000万人突破、フランス動員160万人突破ほか、各国でヒットしている本作は、細部(ディテール)にまでこだわるポン・ジュノ監督の映像表現に“ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)”なる造語も生まれ、称賛を集めている。“ボンテール”という造語まで誕生!唯一無二の圧倒的な映像表現今年100年目の記念年を迎えた韓国映画界に、初めてのパルムドールをもたらしたポン・ジュノ監督。その最新作となる『パラサイト 半地下の家族』は現代社会が抱える問題を内包しつつ、ユーモア、サスペンス、アクション…映画全ての要素を融合させながらツイストの効いた展開で描き切った。物語の構成だけでも超一級のエンターテインメント作品として申し分ないが、それに加えて“ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)”も余すことなく堪能できる! と評論家たちが声を揃える。“ボンテール”とは、役者の台詞や動き、小道具、背景など画面に映し出されるあらゆる要素にメッセージを込める監督の繊細さと緻密さを称賛するため、メディアや評論家が生み出した造語。だからこそ、ポン・ジュノ監督の作品は何度見ても新たな発見があるのが、魅力のひとつだ。日本漫画大好き!『オールド・ボーイ』原作をパク・チャヌクに薦めたのはポン・ジュノ監督無類の日本漫画好きとしても知られるポン・ジュノ監督。もともと漫画家を志していたこともあり、いまも映画の撮影前には、緻密な絵コンテを描き、イメージを明確に表現することでも知られている。そんなポン・ジュノ監督にまつわるエピソードとして代表的なのが、名匠パク・チャヌク監督に、原作:土屋ガロン、作画:嶺岸信明による漫画「ルーズ戦記 オールドボーイ」を読むよう薦めたという話。のちにカンヌ国際映画祭グランプリ受賞を果たした傑作『オールド・ボーイ』を、実はアシストしていたのだ。そんなポン・ジュノ監督の過去作も、一筋縄ではいかない考え抜かれた設定のものばかり。目の離せない衝撃的なアクションやサスペンスがありながらも、現代社会に通じるテーマが必ず隠されている。その一方、キャラの濃い登場人物たちの姿は人間くさく、思わずクスリと笑ってしまうユーモアも織り込まれており、“漫画”の趣も色濃く感じさせる。韓国映画にはあまり馴染みがないという人でも、一度観たらその作風にどっぷりはまってしまうこと間違いなし!最新作日本公開を前に、これまでのポン・ジュノ監督作品も併せてチェックしてみてほしい。ソン・ガンホとの初タッグ作『殺人の追憶』(’03)先日、30年の時を経て真犯人が判明したことでも話題となった、実際の未解決連続殺人事件に着想を得たサスペンス。犯人を突き止めようとするソン・ガンホ演じる刑事たちの前に、衝撃の結末がおとずれる。ポン・ジュノの名を世に知らしめた代表作。歴代動員1位のメガヒット作『グエムル 漢江の怪物』(’06)アメリカ軍が有害な薬品を韓国・漢江に流した実際の事件がモチーフとなっており、薬品の流出により生まれた謎の怪物に拉致されてしまった娘を救うべく、ふがいない父親(ソン・ガンホ)とその家族が奔走する。韓国では当時、歴代動員1位を記録するメガヒットとなった。“息子役”ウォンビンにも注目『母なる証明』(’09)女子高生殺人事件の容疑者となった息子のため真相に迫ろうとする、母(キム・ヘジャ)の狂気に近い盲愛を描いた。ウォンビンが息子を演じたことでも話題に。国内外で20を超える賞を受賞、世界中の映画ファンに衝撃を与えた。ハリウッド俳優も多数出演!Netflixオリジナル映画『オクジャ/okja』(’17)謎の巨大な動物オクジャを、親友の少女ミジャが巨大な多国籍企業から守ろうとするアクションアドベンチャー。資本主義における食肉産業の闇を描いた。ネット配信作品としては初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、パルムドールを争ったことでも話題を呼んだ。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月15日先日行われた第71回エミー賞でドラマシリーズ部門作品賞をはじめ、歴代最多タイの12部門を受賞した「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」が、10月15日(火)よりオンライン動画配信サービス「Hulu」にて全話一挙配信されることになった。ジョージ・R・R・マーティンの大ベストセラー小説「氷と炎の歌」シリーズをHBOが映像化した「ゲーム・オブ・スローンズ」は、架空の大陸ウェスタロスを舞台に、王座をめぐる陰謀と策略が渦巻く権力争いを描いたファンタジー巨編。シリーズ当初から、映画顔負けの壮大なスケールや、人間味あふれる魅力的なキャラクター、誰も予想できない怒涛の展開に世界中でハマる人が続出、熱狂的なファンを獲得してきた。本年度のエミー賞では、ドラマシリーズ部門作品賞、主演男優賞(キット・ハリントン)、主演女優賞(エミリア・クラーク)など史上最多の32ノミネート、作品賞、助演男優賞(ピーター・ディンクレイジ)を含む最多12部門の受賞という快挙を達成。結果、全8章合計で161ノミネート59受賞という、エミー賞の歴代最多受賞記録を更新したばかり。授賞式で今回ノミネートされたキャスト陣が壇上に勢揃いした際には、スタンディングオベーションが巻き起こっていた。名実ともに海外ドラマの歴史を塗り替え、ついにフィナーレを迎えた本作。第一章から最終章まで、現時点で追加料金等なしで見放題配信となるのはHuluだけとなっている。「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」は10月15日(火)0時からHuluにて全話一挙配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゲーム・オブ・スローンズ[海外TVドラマ]© 2012 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
2019年10月15日10月14日(月・祝)深夜の日本テレビ「映画天国」は、第83回アカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞など世界中の映画賞を総なめにした『英国王のスピーチ』をオンエアする。英国史上、もっとも内気な国王と言われるジョージ6世の実話を映画化。2010年に公開されると、第83回アカデミー賞では12部門にノミネートされ作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の主要4部門に輝いたほか、先行して発表されたゴールデングローブ賞でも7部門にノミネート、主演男優賞を獲得。また米プロデューサー組合(PGA)賞、全米監督協会賞受賞に英国アカデミー賞、トロント国際映画祭など世界の各賞を総なめにした本作。ジョージ6世役には『シングルマン』『キングスマン』『マンマ・ミーア!』などの作品で知られるコリン・ファース。エリザベス妃には『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』『オーシャンズ8』などのヘレナ・ボナム=カーター、ジョージ6世の吃音を治療するライオネル・ローグには『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『キング・オブ・エジプト』などのジェフリー・ラッシュ。そして『レ・ミゼラブル 』『リリーのすべて』などで知られるトム・フーパーが監督をつとめている。兄のエドワードが王室が認めない恋のために王冠を捨てたことから、ジョージ6世は予期せず国王となるのだが、彼には吃音という悩みがあった。何人もの言語聴覚士の治療を受けるが一向に改善しないなか、心配した妻のエリザベスは、スピーチ矯正の専門家・ライオネルを訪ねる。堅く閉ざした心に原因があると気づいたライオネルはユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。折りしも第二次世界大戦が始まり、ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた…ジョージ6世が第2次世界大戦開戦にあたって国民を勇気づける見事なスピーチを披露して人心を得るまでを描く。また番組お馴染み「さらば青春の光」によるオリジナルコントは全国にて公開中の『HiGH&LOW THE WORST』をテーマにお届け。映画天国『英国王のスピーチ』は10月14日(月・祝)深夜25時59分~日本テレビでオンエア。(笠緒)■関連作品:英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.
2019年10月14日今年、『ROMA/ローマ』でNetflixに外国語映画賞、監督賞、撮影賞の3つのアカデミー賞をもたらしたアルフォンソ・キュアロン監督が、Appleと複数年に渡るコンテンツ契約を締結。11月1日にスタートする動画配信サービスApple TV+で、作品を製作するという。「Variety」誌などが報じた。これまでほかにAppleと複数年契約を結んだことが明らかになっているのは、司会者のオプラ・ウィンフリー、ケリー・エーリン(「ベイツ・モーテル」)、ジャスティン・リン(『ワイルド・スピード』シリーズ)、ジェイソン・カティムス(「ロズウェル」)。製作はロンドンを拠点としたキュアロン監督の製作会社「Esperanto Filmoj」を通して進められ、日常的な業務は、長年製作パートナーを務めてきたガブリエラ・ロドリゲスが行うとのこと。Appleと契約を結んでも、ほかのコラボレーターとの契約も継続し、Apple以外の作品も製作していくという。キュアロン監督は、テレビ作品としては米ドラマ「Believe/ビリーブ」、メキシコドラマ「Hora Marcada」などを手掛けたことがある。競争が激化している動画配信サービス市場において、優秀なクリエイターの確保でも激戦が繰り広げられている。最近、Netflixが「ゲーム・オブ・スローンズ」のD・B・ワイス&デヴィッド・ベニオフと、ワーナーメディアがJ・J・エイブラムスと複数年契約を結んだことが報じられた。(Hiromi Kaku)■関連作品:ROMA/ローマ 2018年12月14日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始
2019年10月11日