“オードリー・ヘプバーンの再来”――図抜けた演技力と透明感あふれる美しさを持つ彼女を、人々は往年の名女優を引き合いに、そう形容した。キャリー・マリガン、現在24歳。彼女が生まれる20年以上前――“ビートルズ以前”のロンドンを舞台に、ある年上の男性との出会いをきっかけに大人の世界の入口に立ち、時に傷つき、切なさや甘酸っぱい思いを抱えながら一歩ずつ成長していく少女の姿を描いた『17歳の肖像』でオスカー主演女優賞にノミネートされた。この原稿が出る時点でオスカー授賞式まで数日。結果は神のみぞ知るといったところだが、受賞のいかんにかかわらず言えることがひとつ。今回のノミネートは、今後も続くであろう彼女の“輝かしい”女優人生における、序章に過ぎないということ。称賛と共に数々の映画賞が届けられたのと同時に、彼女を取り巻く環境はガラリと変わったわけだが、当のキャリーは“いま”の状況をどのように受け止めているのか?映画の公開、そして授賞式を前に話を聞いた。「仕事の量も増えたし、こういう映画に出なければかなわなかった人々との共演のチャンスが与えられるという面では、本当に素晴らしいことだけど、それは仕事の面での変化。私自身の普段の生活はほとんど変わっていないわ」。“狂騒”と言っても過言ではない現在の状況にも、彼女は静かにそう語る。もう一度、彼女に本作への出演に至る経緯、撮影の様子をふり返ってもらった。「かなり長いプロセスね。撮影の2年ほど前に初めて脚本を読んで、オーディションに参加しました。でも、インディペンデント映画ということで難しい部分もあって、撮影の1か月前くらいまで資金調達が出来なかったの。ピーター・サースガードやエマ・トンプソンは最初から映画に参加することは決まっていたけど、映画として実現できるかどうかハッキリしていなかった。そんな状況で監督が演じたスタッブス先生(※劇中ではオリヴィア・ウィリアムズが演じた)を相手に4回目のオーディションに臨んだの」。撮影は2年前。当時、この映画がのちにここまでの注目を集める作品になると思った?「6週間半の撮影期間の低予算で撮った作品だし、撮影中はいろいろあってそんなこと考える余裕もなかったわ。サンダンス(国際映画祭)で買い手がついたのは幸運なことだったけど、こんなに注目されることになるなんて想像もしてなかった」。自身が演じた16歳の高校生・ジェニーに対し共感した部分を尋ねると、彼女の持っていた“憧れ”を挙げた。「ジェニーがパリに憧れていたように、私もいま自分がいる場所に満足できなくて『とにかくニューヨークに行きたい!ブロードウェイの舞台に立ちたい』という気持ちを持っていました。彼女の、“ここではないどこか”に行きたいと切望する気持ちは理解できたわ」。キャリー自身、劇中当時のロンドンについて「若者が楽しめるような街になったのはこの(映画の設定の)数年後で、この頃は退屈な街だったと思う」と語るが、劇中のジェニーはまさに、ロンドンに希望を見出せず、対照的に年上の恋人に連れられて訪れたパリに自らの輝ける未来を投影する。そうしたキャリーの変化は、彼女のファッションにも表れる。60年代のファッションに身を包んだ感想は?「やはり衣裳というものは役作りをする上で、非常に重要なもの。パリを訪れたシーンで着ていた服や、彼女自身の服、ヘレン(ロザムンド・パイク)に借りる服やデイヴィッド(ピーター・サースガード)に買ってもらう服など、ファッションは考えるのも着るのもとっても楽しかった。当時の男性のファッションもすごく魅力的で、いまの男性たちにも、汚い格好ではなくてああいう格好いい服を着てくれたらいいなと思います!唯一、6年間着ていなかった(高校の)制服だけはちょっと変な感じがしました」。先述のように「普段の生活に変化はない」と語る彼女だが、では、“女優”として、この作品を通じて自分の中で感じる変化は?「以前は、失敗してはいけないとプレッシャーを感じたり、心配することが多かったけど、緊張せずにリラックスして、楽しんで仕事をするということをピーター・サースガードから学びました。彼は色んなことを試してみて、それがうまくいかなくてもまた別のことをやればいいという考え方の人で、私に楽しんで仕事をすることを教えてくれた人なんです」。映画の原題は“An Education(=教育)”。学校の勉強とはまた違った経験をピーターが演じる年上の恋人との出会い通じて学んでいく姿が描かれるが、まさしく映画と同じように本作を通じて“教育”を受け、成長を遂げたというキャリー。今後も、シャイア・ラブーフとの共演作で80年代の名作の続編『ウォール・ストリート』にカズオ・イシグロの小説「離さないで」を原作にキーラ・ナイトレーと共演した『Never Let Me Go』(原題)など出演作が目白押し。これから、スクリーンの中でどんな表情を見せてくれるのか楽しみに待ちたい。特集:2010アカデミー賞© Reuters/AFLO© Kazuko WAKAYAMA■関連作品:第82回アカデミー賞 [アワード]© Omelette/AMPAS17歳の肖像 2010年4月17日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開ウォール・ストリート 2010年、全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:NAACP(全国有色人種向上協会)イメージ・アワードで『プレシャス』6冠!年を重ねてもハリウッド最前線で輝く秘訣メリル・ストリープに習う“女の手本”『ハート・ロッカー』のプロデューサーがあり得ない失態で、オスカー規則違反【どちらを観る?】大人への道開く、輝けるヒロイン『17歳の肖像』&『プレシャス』ザックにマイリー、『トワイライト』コンビも!アカデミー賞プレゼンター追加発表
2010年03月04日クリスマス・ムービーと言えば、家族・恋人・友人同士で楽しめる名作の数々がこれまで誕生してきたが、その中でも1本を選ぶとしたらどの映画を選ぶ?シネマカフェの映画体験型サイト「シネマライブ!」では、エンターテイメントチャンネル「LaLaTV」との合同企画により「あなたにとっての珠玉の“クリスマス・ムービー”」をテーマに投票企画を実施。気になるその結果は…?女性からの多くの支持を集め、見事1位に輝いたのは、2003年に劇場公開され人気を博したオムニバスムービー『ラブ・アクチュアリー』。クリスマスを目前にしたロンドンを舞台に、19人の男女の恋愛模様を描いたラブストーリー。ヒュー・グラントやリーアム・ニーソン、コリン・ファース、エマ・トンプソン、キーラ・ナイトレイなど数々の英国スターたちの演技が冴え渡る1本。「心が温かくなる」(34歳・女性)、「いろんな『愛』が詰まっていて大好き」(37歳・女性)といった声が集まった。第2位に輝いたのは、言わずと知れたクリスマス・ファンタジー『クリスマス・キャロル』。チャールズ・ディケンズの同名傑作小説を原作に、実写・アニメと幾度となく映画化されてきた本作だけに、幅広い世代からの支持が集まるが、新たにロバート・ゼメキス監督の手により3Dアニメに蘇り、今年世界中で大ヒットを博した『Disney’sクリスマス・キャロル』の影響も大きいそう。続いて第3位にランクインしたのは、かのマコーレー・カルキンを子役スターに押し上げた『ホーム・アローン』シリーズ。1と2、いずれもクリスマスを舞台に、一人取り残されてしまった主人公・ケビンの奮闘を描くが、ラストシーンでの家族との再会を想起する人も多いのでは?「ロックフェラーセンターのイルミネーション点灯式のニュースを見るたびに、この映画を思い出します」(27歳・女性)、「あの映画の中のツリーが見たくて、新婚旅行はN.Y.に行ってきました」(41歳・女性)という声も。僅差で第4位となったのは、こちらも1947年に公開されたジョージ・シートン監督によるオリジナル版と、1994年に公開されたリメイク版共に支持を集める『34丁目の奇跡』。そして5位に『ホワイト・クリスマス』(’54)が続いた。主演のビング・クロスビーが歌う同名主題曲とともに、時代を超えて語り継がれる名作。ほかにも「クリスマスシーズンに降る雪を見る度にこの映画を思い出す」(26歳・女性)というジョニー・デップの出世作の一つ『シザーハンズ』(’90)や、「私自身はあんな大変なクリスマスはイヤですけど」(43歳・女性)という『ダイ・ハード』(’88)など、数々の名作が並ぶほか、邦画からも『7月24日通りのクリスマス』を挙げる声も。冬のいろんな思い出と共に心に残るクリスマス・ムービー。この年末、懐かしの1本を観るのも楽しいかも?「あなたにとっての珠玉の“クリスマス・ムービー”は?」1位:『ラブ・アクチュアリー』2位:『クリスマス・キャロル』3位:『ホーム・アローン』4位:『34丁目の奇跡』5位:『ホワイト・クリスマス』6位:『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』7位:『ポーラー・エクスプレス』8位:『ゴースト/ニューヨークの幻』9位:『シザーハンズ』10位:『ダイ・ハード』映画体験型サイトシネマライブ!■関連作品:Disney’sクリスマス・キャロル 2009年11月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.■関連記事:【どちらを観る?】“お金”を考える『クリスマス・キャロル』&『キャピタリズム』“地球滅亡”予告、やっぱり気になる?『2012』北米初登場1位!ジム・キャリー&ゼメキス監督『クリスマス・キャロル』動画インタビューが到着!JUJU熱唱&ハリセンボン乱入!春菜「独り身の人は映画館で温め合いましょう!」クリスマス・シーズン到来を前に『クリスマス・キャロル』全米初登場1位!
2009年12月25日『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役でおなじみのエマ・ワトソンが、11月下旬の感謝祭の休暇を恋人とジャマイカで過ごす姿をキャッチされた。現在アメリカのブラウン大学でアートと文学を学んでいるエマは、ロンドン在住で26歳の銀行マンのジェイ・バリモアと約2年前から交際中。だが、前週に同じ大学の2年に在籍するスペインの人気ロックバンドのドラマー、ラファエル・セブリアンとニューヨークでアイスホッケー観戦デートに出かけ、親密そうな様子から「新恋人?」とうわさになり始めていた。恋人からの疑惑を晴らすためか、感謝祭の5日間の休暇はジャマイカに飛び、そこでジェイと落ち合い、ビーチでのバカンスを楽しんだ…と言いたいところだが、大胆な黒いビキニ姿のエマはジェイと一緒にデッキチェアに寝そべっていても、海の中に入っても、ずっと険しい表情のまま。前週、ラファエルと一緒のときは楽しそうな表情だったのに。ジェイの方もあくびをしていたり、19歳と26歳にして倦怠期を迎えた夫婦のよう。果たしてこのバカンスで2人の関係は修復したのか、それとも…?(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009年7月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights © J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.■関連記事:来年5月フロリダにオープン『ハリー・ポッター』テーマパークの内容をご紹介!ハリーのライバル・ドラコ役、トム・フェルトンに直撃「彼は、状況の犠牲者なんだ」ハリーのライバル、ドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンが初来日&ダルマに目入れヴォルデモートの過去が明らかに!『ハリー・ポッター』最重要シーンを独占公開『ハリポタ』シリーズのホグワーツのいじめっ子役が、大麻栽培の有罪に
2009年12月02日いよいよ公開が迫ってきた、待望のシリーズ最新作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』。だが、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは、9月の大学入学を機に、女優業から距離を置きたいと話している。9月からアメリカのコロンビア大学に入学すると言われているエマ。イギリスではなくアメリカの大学を選んだのは「ロンドンに住んでいると、他人から気づかれずに過ごすのは難しいから」だという。「どこかにある、どれかのキャンパスに行って、目立たずに過ごすようにしたいわ」と言うエマは、現在ロンドンのハムステッドにあるアパートを友人と2人でシェアしているが、エマは狭いロンドンの街で追いかけられることを嫌い、当初予定されていたイギリスの超名門・ケンブリッジ大学への入学は断念した。現在『ハリポタ』シリーズは最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』を撮影中だが、彼女はこの作品を撮り終えたら、自分の人生も終わってしまうような気がしていると言う。イギリスの女性誌「ELLE」の取材にエマは「ちょっとドラマティックに聞こえてしまうかもしれないけど、私の人生の大半は、『ハリー・ポッター』で占められてきていたの。それが(シリーズ映画化終了に伴い)ついに終わってしまったら、どんな感じになるのかわからないわ。大学に行きはじめる9月は私の転機になるでしょうね」と正直に語った。(text:Yuki Tominaga)6月3日、ロンドンの高級百貨店ハーベイ・ニコルズで行われたディナーパーティに出席した際のエマ。© AFLO■関連作品:ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009年7月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights © J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.ハリー・ポッターと死の秘宝(前編) 2010年冬、丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開ハリー・ポッターと死の秘宝(後編) 2011年夏、丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開■関連記事:次はどの新聞に掲載?新聞×モバイルの初の試み『ハリー』携帯コンテンツ配信開始いよいよクライマックス!『ハリー・ポッターと謎のプリンス』ジャパン・プレミアに10組20名様ご招待『ハリー』最新ポスターが解禁ハリーが画面を飛び出す!IMAX3D版上映も決定『ハリー・ポッター』シリーズ最終作の撮影は順調。エマ・ワトソンは恋人同伴ハリポタ新ビジュアルでさらに深まる謎最新予告編では遂にハリーとスネイプが…
2009年07月01日