第35回東京国際映画祭の審査委員長を、舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアが務めることが決定。黒澤明賞復活、ジャパニーズアニメーション部門など主要企画も決定した。コンペティション部門 審査委員長が決定映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長を、舞台「ライオン・キング」(1997)の演出や映画『タイタス』(99)『フリーダ』(2002)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020)などを監督した舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアが務めることが決定。 昨年のイザベル・ユペールに続き、女性の審査委員長となる。そのほかの審査員(全5名予定)も、後日発表される。世界中から集められた珠玉のコンペ作品(全15作品)が世界の目で審査されることとなる。ジュリー・テイモア■ジュリー・テイモアコメント芸術は私たちを混沌の中から導き出し、道を切り開く道標です。暗い劇場の中、目の前で明滅する映像は、私たちを深く引き込み、孤立した単一の自己存在から引き離します。映画館で作品にひたってください。そこは、私たちがまったく知らないこと、知っていると思っていること、個人的に経験したことの境界をともに越えさせてくれる宮殿です。他人の人生や愛に没入して、鼓舞され、苦悶させられてください。第35回東京国際映画祭のコンペティション部門国際審査委員長として来日できることを、とても光栄に思います。■東京国際映画祭チェアマン 安藤裕康コメントジュリー・テイモアさんは、ミュージカルの演出だけでなく、多くの優れた映画を監督しています。特に、若い頃に日本で人形浄瑠璃を学び、それを自分の作品に活かすなど、日本との関係も深い。また、彼女は黒澤明の大ファンでもあり、黒澤明賞復活の年にふさわしい審査委員長でしょう。黒澤明賞が復活日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくために、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、黒澤明賞が今年の東京国際映画祭に戻ってくる。過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞していた同賞だが、今年は、山田洋次監督、仲代達矢氏、原田美枝子氏、川本三郎氏、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選ばれる。受賞者は後日発表される。また、同賞に合わせて、「黒澤明の愛した映画」と銘打ち、『フィツカラルド』『ミツバチのささやき』など黒澤明が愛した世界の名作も上映予定。黒澤明ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞を受賞した『青春神話』での監督デビューから30周年を迎える台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンの特集上映を、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、及び東京フィルメックス(10月29日~11月6日予定)との共催で開催。東京国際映画祭では『青春神話』『楽日』や日本未公開の短編などを、東京フィルメックスでは『西瓜』『ヴィサージュ』などを上映。両映画祭にとってこれが史上初の共催企画となる。ツァイ・ミンリャンNippon Cinema Now 部門特集 〈追悼 青山真治〉昨年新設された、この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する同部門では、今年3月に急逝した青山真治監督を追悼し、代表作2作品『EUREKA ユリイカ』と『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を英語字幕付きで特集上映する。青山真治国立映画アーカイブ共催「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」国立映画アーカイブと共催で特集上映「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」を開催。1982年に長谷川和彦の呼びかけによって設立され、11年間にわたって個性的な作品を作り続けたディレクターズ・カンパニーの作品を35mmで上映する(会場は国立映画アーカイブ小ホール)。東京国際映画祭では日本映画クラシックス部門の中でディレクターズ・カンパニーの代表作4作品『台風クラブ』『光る女』『DOOR』『地獄の警備員』のデジタルリマスター版を上映する(会場はTOHOシネマズシャンテ)。ジャパニーズ・アニメーション部門特集2022年のテーマは「ゼロから世界を創る」。「アニメーションで世界を創る」と題して、最新アニメ映画『雨を告げる漂流団地』『夏へのトンネル、さよならの出口』『ぼくらのよあけ』の3作品をピックアップ。レトロスペクティブ「アニメと東京」ではアニメが「東京」という世界をいかに描いたかに注目し、4作品を上映する。「第35回東京国際映画祭」は10月24日(月)~11月2日(水)日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。「TIFFCOM2022」は10月25日(火)~27日(木)オンライン開催。(text:cinemacafe.net)
2022年09月16日ディズニー“究極”のファンイベント「D23 Expo」が7月14日(現地時間)、カリフォルニア州アナハイムで開幕!オープニングを飾ったのは、ディズニー社に多大な貢献をした人物に贈られる称号“ディズニー・レジェンド”の授賞式だ。今回、レジェンドを授与されたのは昨年亡くなった女優のキャリー・フィッシャー、『スター・ウォーズ』シリーズでルーク・スカイウォーカーを演じるマーク・ハミル、アメコミ界の伝説であるスタン・リーら錚々たる面々。彼らを紹介する映像が上映されると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれていた。また、キャリーの娘からは手紙が届いた。「彼女はシリーズの当初から関わっている、アイコニックな存在であり、世界中の『スター・ウォーズ』ファンにとって特別な存在。彼女の才能とユーモア、そして長年のつながりを失ったことは悲しいことだ。12月に公開される『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でも、彼女はレイア姫に強さやユーモアを持ち込んでくれた。まさに伝説的な演技だよ。彼女はあまりにオリジナルで、代わりがいない才能だった」(キャリーへのボブ・アイガー会長の哀悼コメント)「母はディズニー作品、そしてディズニーランドの大ファンだったので、レイア姫がディズニーファミリーの一員になれたことで、最高の夢を叶えたといえるでしょう。May The Force With You. Carrie Made The Force Be With You Always.」(キャリーの娘、ビリー・ラードから届いた手紙)「僕はディズニーにまつわるグッズや記念品のコレクターなんだけど、これ(レジェンド)を超える貴重なものはないね。地上で最も幸運な人間だよ。もちろん、それを実現させてくれたのは、ジョージ・ルーカスをはじめ、数多くのスタッフ、共演者、そしてファンの皆さんの応援なんだ。家族のような絆を感じるよ。かつて『スター・ウォーズ』旧3部作を観た大人たちから、いまの子どもたちに神話が受け継がれている。ちょうど、ディズニーのクラシック作品がそうであるようにね…。キャリーとは本当の兄妹のようだった。ときに大喧嘩をして、言葉も交わさないなんてこともあったけど、それだけ互いを深く信頼し合っていたんだ。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で久しぶりに再会したときは、ワクワクしたし、旧友だからこその居心地の良さを感じたね」(マーク・ハミル)「子どもの頃に、書店でウォルト・ディズニーの美術書を見つけたんだ。当時の私にはとても高価だったが、数か月お金を貯めて、手に入れた思い出がある。それ以来、ディズニーは私にとって、インスピレーションの源となり、『いつか、彼みたいになりたい!』と思うようになった」(スタン・リー)この日は3名に加えて、クライド・“ジェリー”・ジェロミニ、マニュエル・ゴンザレス、ウェイン・ジャクソン、ジャック・カービィ、オプラ・ウィンフリー、ゲイリー・マーシャル、ウーピー・ゴールドバーグ、ジュリー・テイモアが、ディズニー・レジェンドを受け取った。最後はアイガー会長が「お楽しみは最後までとっておくものさ。これはジュリーにも内緒だったんだ」と話し、テイモアが演出を手がけた舞台「ライオンキング」のオリジナルメンバーによる特別パフォーマンスを披露した。「D23 Expo」は7月14日~16日(現地時間)にアナハイムにて開催中。協力::ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:Ryo Uchida)
2017年07月15日アン・ハサウェイが、舞台劇『Grounded』の映画版に主演することになった。プロデューサーも兼任する。その他の情報ハサウェイは、同作品のオフブロードウェイでの舞台版に主演している。舞台版の演出は、ジュリー・テイモア。舞台版はひとり芝居で、ハサウェイは批評家から絶賛を受けている。ハサウェイが演じる女性パイロットは、妊娠のため、ラスベガスでドローンを操縦する任務に回されたという設定。映画版の監督は明らかになっていない。ハサウェイの最近作『マイ・インターン』は、全世界でスマッシュヒットとなった。次回作は、今月末北米公開予定の『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』。文:猿渡由紀
2016年05月06日昨年7月に日本公演通算10000回を突破し、四季劇場[春]での無期限ロングランを現在でも継続中など…数々の金字塔を打ち立て続ける劇団四季「ライオンキング」。この度、劇中のセリフから、ビジネスマンの心に響く名言・格言がステッカーになることが分かった。ディズニー映画『ライオンキング』を、色彩豊かな舞台美術や象徴的な仮面、そしてさまざまな趣向をこらした動物たちのパぺットなどを用いて舞台化した劇団四季のミュージカル「ライオンキング」。父の死に苦悩しながらも、試練を乗り越えて王となる宿命に生きるシンバを中心に、“サークル・オブ・ライフ=生命の連環”という普遍のテーマが描かれ、自然の摂理、生命の営み、その中で父から子へと受け継がれていく意志が伝わる感動作だ。さらに、舞台芸術家・ジュリー・テイモアが手掛けた美術・衣装の独創性や、舞台版のみに存在する楽曲などが、単なる映画版の再現というレベルを超えた表現を可能にし、絶大な人気を誇る。現在、四季劇場[春]にて上演中の本公演から「心に響く台詞ステッカー」が登場。シンバが、友だちのティモンとプンバァと歌う大ヒット曲「ハクナ・マタタ」の有名なセリフ「心配ないさ」や、シンバの叔父・スカーの「人生は不公平だ」、プライド・ランドの王に仕える執事のザズの「毎日行うこの名誉ある仕事に私は誇りを持っておりまする」、年老いたヒヒ・ラフィキの「止められないのだ人生は続いて行く」などと、どれも毎日働くビジネスマンの胸にぐっとくるに違いないセリフばかり。これは、本公演を仕事帰りに観劇した観客を対象にプレゼントされるオリジナルステッカー。「仕事帰りの時間を、明日への活力に繋がる『ライオンキング』観劇に」との思いから実現した企画であり、6月1日(水)から8月23日(火)までの「ライオンキング」東京公演・平日18時30分公演において、開場中・休憩中・終演後に「四季の会」カウンターにて、入場レシートの提示と、仕事帰りに来場した旨を伝えると贈呈される。ステッカーは全8種類とのこと。劇団四季「ライオンキング」は、浜松町・四季劇場[春]にて上演中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月08日「演じる」ということは、それほど魅力的で、まるで麻薬のように女優を惹きつけてやまないものなのか。英国を代表する名女優ヘレン・ミレン。歳のことを言うのは失礼かもしれないが、60代半ばにして、昨年と一昨年だけで計5本の映画に出演しており、中には『RED/レッド』のように大きな銃を手に激しいアクションが要求される作品も。一体何が彼女を動かすのか?まもなく公開となる『テンペスト』は、シェイクスピアの最後の作品。『アクロス・ザ・ユニバース』のジュリー・テイモアが映像技術を駆使して“映画”として作り上げた。シェイクスピアはヘレンにとって、生涯を通じて舞台で繰り返し演じてきた作品だが、今回、彼女は何を感じ、表現したのか――?数多くのシェイクスピア作品に出演してきた名女優の新たな挑戦シェイクスピアが“ゆるし”をテーマに書き上げたこの戯曲。謀略によってミラノ大公の座を追われ娘と共に流れ着いた孤島で12年。魔法の力を極めた主人公がついに自らを陥れた者たちへの復讐の機会を手にするのだが…。今回の映画の何よりの特徴は、主人公のプロスペローの性別を変更し、プロスペラという女性としたこと。だがヘレンは映画の話が来る以前から、この主人公を女性として演じることは可能だと考えていたという。どのように役を作り上げていったのだろうか?「特にジュリーとの間で話し合いといったことはしてないの。というのは、すでに原作のしっかりとしたセリフがあり、それは女性に置き換えても納得のいく素晴らしいものだったから。ジュリーから言われたのは、映画として撮る上で、芝居臭さをなくしてほしいということ。これまでに何度もシェイクスピアの作品に参加して、この『テンペスト』も違う役で何度も演じたことがあったから、そうした中で身についてきた芝居っぽさを落として、自然な会話をするというのはチャレンジだったわ。でも、女性だからこその難しさというのはほとんど感じなかったわね」。だが完成した作品を観ると、プロスペラの“復讐”と“ゆるし”のはざまで揺れる心情やほかの登場人物との関係性において、女性であるがゆえの空気感といったものが確実に感じられる。「そうね。例えば娘のミランダ(フェリシティ・ジョーンズ)との関係で、エモーショナルで心温まる部分、娘を深く愛しているという気持ちが強く出たと思うけど、それは女性ならではと言えるわね。それからエアリエル(妖精/ベン・ウィショー)とも単なる主従というだけでない、ソフトで知的な関係が築けたと思う。この部分もセリフは原作からほとんど変更されていないけど、より面白くなった部分ね」。「やり尽くしてと思うこと?もちろんあるわ(笑)」「シェイクスピアというのはいつでも何かを学べる深さがあるの。深く掘り下げるべきものがね」とヘレン。プロスペラの燃えるような“憎悪”と“寛容”で揺れる心理の変化の過程を女優として、彼女はどのように捉えたのか?「あの復讐の思いを表現するということは、自分の女優としての個人的な経験や心理を役に重ね合わせていくことが演技の中で要求されたわ。それから“ゆるし”という部分に関しては、プロスペラがどのようにして死を迎えようとするのか――それはシェイクスピアが描こうとしたことでもあるのだけれど――自らの死に対して準備をする、ということが重要なテーマとして横たわっているの」。それにしても、本作のプロスペラもそうだが、ヘレンの演技からは“円熟”や“老練”というよりも、荒々しいまでの情熱、熱さが伝わってくる。年齢を重ねるということについて、ヘレンはこんな言葉を口にする。「年を取るということはもちろん、誰にとっても悩めることではあるけど、私は意外と上手にそこに向き合えたと思うわ。13歳、14歳の少女の頃は自分の欠点を挙げては『ああすれば良かった』、『こうなりたかった』なんて思っていたものだけど、年を重ねてそういうことを気にしなくなった。それが上手に年を取るコツかしら(笑)?」では、冒頭の質問に戻ろう。すでにオスカーをはじめ、ありとあらゆる賞を手にし、大英帝国勲章まで受勲しているヘレンだが、それでも彼女が常に新たな作品に挑戦し、情熱を役にぶつける理由はどこにあるのだろう?「いろんな俳優が言うのは『いまある仕事をもらわないと、干されちゃう』ということ(笑)。その心配は私もあるから、どんどんやってしまうのかもね。いろんな映画でいろんな場所に行けるのも魅力ね。『RED/レッド』ではハンガリーとイスラエル、この作品ではハワイで撮影できた。そういう好奇心でついつい受けてしまうのね(笑)」。本当にそれだけ?「もうやり尽くした!」と思ってしまうことは…。「あるわよ!もちろんあるわ(笑)。時々『もう十分ね、やめようかしら』と思うわ。でも、少し休みを取ってのんびりすると不思議とまたやりたくなるの。自分の中では“不思議なイマジネーションの旅”って呼んでるわ(笑)。しばらく演技をしてないとこう思うの。『また、イマジネーションの旅に出ようかな』って」。願わくばその旅路をいつまでも続けてもらいたいところ。70歳、80歳になっても新たな表情を見せてほしい。(text:Naoki Kurozu)© Startraks/AFLO■関連作品:テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:小林幸子がオスカー女優着用の衣裳で登場!「結構、重たいです」ケイティ・ペリー、一緒に来日した夫のラッセル・ブランドが国外退去処分にシェイクスピアの名作が蘇る『テンペスト』試写会に15組30名様ご招待
2011年06月10日