サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は、初心者に多い「アウトサイドでターンができない」という悩みを改善するトレーニングを紹介します。最初は小指の付け根辺りでボールを触ることが難しいかもしれませんが、このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、足の外側を使ってボールをうまくコントロールしながらターンする動きを身につけることができます。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親の前に目印を置く2.子どもはドリブルをしながら目印をアウトサイドターンで回って戻る3.足のどの部分でボールを触るか意識しながら何度か前へのドリブルを繰り返す4.目印に来たときに親が取りに来るので素早くアウトサイドターン5.慣れてきたら、スピードを上げる6.それができるようになったら、親はDF役としてターンするときにボールを取りに行く速さを調節する【ポイント】・小指の付け根あたりでボールを触ってターンする・慣れるまではボールをよく見る・ターンしたときに相手とボールの間に自分の身体を入れると取られなくなる・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!
2020年11月30日世間はお盆休みですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。お子さんが休みのこの時期に、改めてお子さんのサッカーの事を考えてみませんか。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2020年1月から7月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった「テクニック」をテーマにした記事をランキングでご紹介します。技術や判断力を磨くベースも、自分で考える力があってこそになります。どんなふうに習得させるのか、三菱養和サッカースクールにはご家庭での過ごし方なども伺いましたので、ぜひいま一度ご覧ください。第3位中村憲剛が語るDFにボールを奪われなくするための2つのポイントDFがいる状況でも「止める・蹴る」を実行するにはどんなことを意識すればよいのか。日本最高峰のMF、中村憲剛選手がコーチとなって教えてくれた「中村憲剛のプレーの極意」。日本の選手の中もトップクラスに技術、判断に優れた中村選手が直接教えてくれたDFにボールを奪われないためのポイントとは。DFがいる状況でも「止める・蹴る」を実行するにはどんなことを意識すればよいのかを理解するのにおすすめです。記事を読む>>第2位「勝負に徹するより"個"を育てる」40年以上も続く静岡学園高校サッカー部のスタイルとは?テクニカルかつ攻撃的なスタイルを貫く静岡学園のプレースタイルには、多くのファンがひきつけられました。拘り続けるのは、目の前の勝負ではなく、選手の10年後を見据えた育成。選手として上のステージに行った時に何が必要なのかを意識した静学の「個の育成」について、選手権優勝の川口修監督に伺いました。記事を読む>>第1位育成の名門、三菱養和サッカークラブに聞いたサッカー上達につながる「判断力」の身につけさせ方テクニック系の記事で1~7月に一番読まれたのは、三菱養和サッカークラブに伺った判断力のお話でした。サッカーに必要な判断力をどう身につけるのかは、多くの保護者にとって関心が高いことです。育成の名門、三菱養和サッカースクールが子どもたちの判断力を高めるために保護者達にお伝えしていることなどをスクールの統括責任者を務める、秋庭武彦さんにお話を伺いました。上手いけど伸びない子の特徴なども教えていただいたので、記事でご確認ください。記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。【保護者、指導者の皆さんへ】連日猛暑続きで夏バテが続いている方もいらっしゃるのではないですか?まだまだ暑い日は続きますが、お父さんお母さんの疲労回復のためにこちらの記事をご紹介しますので、参考にしてリフレッシュしてくださいね。バスクリンのお風呂博士に聞いた「正しい入浴と睡眠の知識」>>
2020年08月13日ゲームは好きだけど、複数人で協力するプレーがまだできない。一人でできるドリブル練習の方が集中できる子どもたち。U‐6世代ならそんなもの?今は個人のスキルを身につけさせた方がいいのか、それとも仲間との協力プレーを意識させる方法はある?と指導者よりご相談をいただきました。先日配信した、「日本での指導の順番が海外とは逆」という記事でお伝えした課題は、サッカーを始めたばかりの年代にも言えるのだそう。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが送るアドバイスを参考にして、子どもたちに仲間と協力するプレーを意識づけてあげてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを蹴るのは上手いけど、手で投げたりキャッチが苦手な子が多い。全身をうまく使えるようになる方法を教えて<お父さんコーチからの質問>U‐6世代を指導している者です。まだまだ集中力が続かない年代なので、楽しんでもらうことをモットーにしているのですが、自分が得意でなかったり、あまり好きではないメニューになるとどうしても気が散りがちです。ゲームは好きですが、複数人で協力し合うプレーなどがまだまだ苦手で、一人でできるドリブルなどのほうが集中できるようです。この年代では個人のスキルを身につけさせることが先決でしょうか。仲間との協力を意識させるようになる練習やウォーミングアップなどがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。いただいたメールを読んで、ジェフ時代にオシムさんに言われた言葉を思い出しました。当時私はジェフの普及事業として、ホームタウンにある小学校や幼稚園などを巡回して授業をする「サッカーおとどけ隊」の内容を考えていました。クラブハウスでスタッフと相談していると、オシムさんがやってきたので、「どんなことをしたらいいか考えている」と話したら、一言だけおっしゃいました。「子どもたちにサッカーのやり方を教えるのではなく、サッカーすることを教えなさい」と。■6歳でもプレーを止めて考える時間を与えようサッカーをするといえば、一番楽しいのはゲームです。ゲームをしながら、子どもがサッカーというスポーツを理解していく手助けをしてみましょう。この連載直近の回で「チームの底上げ」や「判断を伴う練習」というテーマでお伝えした、スペインリーグのビジャレアルの育成方法を憶えていますか?日本人コーチの佐伯夕利子さんが育成のトップで活躍されているこのクラブでは、子どもたちにゲームを楽しんでもらいながら、サッカーの成り立ちを理解(認知)させます。考えながら動くことは難しいので、その状況ではどんな選択肢があるかをわかってもらうために「一回止まって考えてみようよ」と呼びかけます。6歳でも、試合を止めて、一緒に考えてみます。一見すると、とても大変そうですが、少しずつやっていくと子どもとさまざまなコミュニケーションがとれるようになります。そんな時間をとれば少しずつ変わってきます。ビジャレアルは、これを3歳児からやっているのですから、日本の6歳児も十分できるはずです。私もこれを実践しています。大阪で「サッカープレーパーク」という無料のスクールを実施していますが、集まるとまずゲームです。様子を見ながら、プレーを止めて対話する時間をつくります。答えは言いません。「どうして、ここにいったの?」「なぜこうなったのかな?」周りを見ていなかった。パスするのを忘れた......ハッキリだったり、ぼそぼそだったり、いろんな声が聴こえてきます。子どもたちの意見は一切否定せず、私の意見も言います。「そうか。オッケー。コーチはね、こうするといいかなって思ったよ。そんなことも考えながらプレーしてごらん」詰問するような言い方ではなく、あくまでリラックスした状態で、伝わりやすい言葉を選んで話します。6歳くらいだと、ボール保持者にぶつかっていく子どももいます。「みんな、知ってる?ソーシャルディスタンス。あるよね?コロナに感染しないようにしてるよね。サッカーもそういうふうにしよう。サッカーの試合、思い出してみて!自分からぶつかっていく人はいないよね」子どもたちはゲラゲラ笑います。全員ではないにしろ、少しイメージできます。ディフェンスが間にいてパスができないとき、どうする?「ドリブルで少し移動してからパスを出す」そんな答えが出てきます。そうやって、子どもが自分で気づいて、自分で学んで理解していくと、パスが早く出始めたり、自分でひとりでドリブルでいってしまうことが減ったりします。■「パスした方がいい理由」を見つけられるように導くサッカープレーパークでは、小学1年生から中学1年生まで一緒にサッカーをします。ある日のこと。小学1年生でドリブルばかりする子がいました。サッカーの初心者では当然です。そこで止めて、私はみんなに声をかけました。「ねえ、君さ、自分の味方がだれか理解していますか?えっと、この子の味方の人?」周りにいた子が一斉に手を挙げました。「ほら、こんなにいるよ」ドリブルをしていた6歳の小学1年生に尋ねます。「君はドリブルしていたね。コーチが前にいたね。右のほうに味方がいるよね。ドリブルをしていた君は、コーチにボールをとられたね。どう?味方にパスする?ドリブルする?どっちのほうがいいと思う?」すると、次にボールをもったとき、その子はドリブルをしながら周りを見たのです。パスもするようになりました。このように頭で理解をさせるのが非常に大切です。コーチの方は子どもたちに「パスしろ!」と言いますが、どうしてパスしたほうがいいのかを子どもたちは理解していません。「ああ、だからパスしたほうがいいんだ!」と子どもたちが納得できるように、その答えを自分で見つけられるような指導をコーチのほうもしていません。そういった指導でも、もし子どもがパスしたとしたら、それはパスをしないと怒られてしまうからだと私は思います。私の孫はいま小学3年生です。先日、通っているサッカースクールの子たちでチームを作って大会に出ました。全員顔見知りではなく、互いに恥ずかしがっていました。孫は特に内気な子で、コーチにベンチから大声で名前を呼ばれるとびっくりしてミスをしてしまいます。ほとんどがポジションが悪くて失敗するのですが、それが重なるとどんどん下を向いていきます。その大会の後、私のプレーパークにもやってきました。私は子どもたちに「ナイス」「お、いいね」とほめることしかしないので、帰宅後に「今日はいっぱいほめられて楽しかった」と母親である私の娘に言ったそうです。リラックスして楽しくプレーしていれば、いいプレーはたくさん出て来るようになります。■褒めながらプレーの幅を広げていく声かけ(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ご相談者様いわく「協力し合うプレーなどがまだまだ苦手」とのことですが、少しでもみんなで協力してできたことがあったらほめてください。自分でドリブルしてうまくできたことを「すごいね」などとほめてしまうと、それだけしかできなくなります。「ドリブルうまいね。良かったよ。でも、こんなときはどうする?」そんなふうにプレーの幅を広げていくことが指導者の役目です。これまでは、6歳や小学校低学年は個人のスキルを身につけることに重点が置かれていました。でも、決してそうじゃないことがわかっています。みんなでサッカーをすることがどういうことなのか。ここをぜひ理解させましょう。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年07月31日未就学〜小学6年までを指導している。まずはサッカーというスポーツを楽しんでもらうことを前提に、年代が進むにつれ考えて動くプレーを身につけさせたい。おすすめのメニューや声かけはある?とのご相談をいただきました。今回も、これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが練習メニューや声かけをアドバイスします。(取材・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<試合ばかりで練習がつぶれる。技術は試合だけで身に付くの?練習を削ってでも試合を重視するべきか教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。街クラブで未就学児から小学6年生までを教えています。年代ごとに教えなければいけないことはあると思いますが、まずはサッカーというスポーツを楽しんでもらう事と、学年が進むにつれて、考えて動くプレーを身につけさせたいと思っています。楽しくやりながら、状況を判断して動けるチームにする練習や、自分で考えて動けるようになることを意識させるために伝えるべき言葉(説明)などがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。サッカーというスポーツを教えてあげることが肝要です。そして、それをなるべく早く、低学年でも、幼児からでも伝えてください。■全員がプレーに関わった実感を持てると楽しくなる小さいときは、体格や運動能力の違いが大きいため、他の子より少しできる子がひとりでドリブルをしてゴールを奪う。ボールを持ち続ける。そんな場面がよく見られます。ですので、子どもたちには最初にこう声掛けしてください。「サッカーってみんなでパスをつないで協力してゴールを奪うスポーツですよ。誰かひとりだけが頑張るスポーツではないよ。もしひとりの子の力で点が取れたとしても、それはいいチームじゃないよ」そのことをまずわかってもらったうえで、みんなの力を結集して点を取るためにはどうするか、を伝えていきます。「味方を助けるためにどこへ動く?」「パスをもらうためには?」「得点するためには、どこに行く方がチャンスになる?」そういうところからスタートしましょう。ボールを持っている子は周りをまず見ること。どこにパスすれば点を取れるか、ゴールに近づけるか考えること。相手がやってきて、ボールを取られそうになるかもしれないので、そうなる前に助けてくれる人がいるとしたら誰を使うかを考えましょう。そんな順番でサッカーを学んでもらいます。みんなが味方を使うことを考えられるようになれば、みんなにパスがいきます。そうすると、断然サッカーが楽しくなります。ゲームでない練習、例えば「とりかご」をするときは、10本パスを回すと得点がもらえる。そんなふうに、ちょっとした仕掛けをします。単なる練習にせず、そんなふうにやるだけで子どもたちは大喜びします。みんなにパスが来るから楽しい。そんな感覚をぜひ身に付けさせてください。自分が出したパスが通ると楽しくなる。それがゴールにつながればもっと嬉しい。もちろんゴールを決めてもうれしいのですが、そこにコミットしたという実感を全員が持てることが一番重要です。■FCバルセロナの指導で定義される「いいポジション」とはそこまでもっていくには、最初の段階では流れを止めて説明する必要があります。学年が下がれば下がるほど、ゆっくり説明します。「はい、ストップ。いま、こんなところにみんないたよね。そこにいてパスはもらえますか?」そんな問いかけをして考えさせます。これは、文句とか叱るといったことではありません。スペインでは、質問することを「フィードバック」という言い方をします。このフィードバックでどんな言葉を使うかがとても重要です。例えば「どうしてそんなところにいるの?」は、それは間違ってますよ、と否定することになります。大人なので「いいポジション」は1か所ではないことを理解していますが、具体的にいうといったいどんなポジションなのかをわかってもらう必要があります。FCバルセロナの育成で「いいポジション」とは、「それは自分とボールの間に相手選手がいないから線が引けるね」というふうに説明しています。そのうえで、そこに「顔を出しなさい」と声をかけるわけです。と同時に「でも、ボールに線を引けるところはいっぱいあるよね。できれば、ボールよりも前(ゴールに近いほう)でパスをもらうことを推奨します。ボールを下げないように指導します。例えば、「ボールより前に線が引けるところはどこ?」という言い方をします。このように、ボールをもらえるポジションはいっぱいあります。どこが正しいか、は誰にも決められないと私は思います。しかしながら、日本の指導者は、「もう少し右だよ」と言って一歩の差を指摘するコーチは少なくありません。フリーズさせて(プレーを止めて)「そこじゃもらえないでしょ。あと1メートル動かなきゃ」とアドバイスします。そうではなくて、スペースに出せばいいので、そういう練習をすればいいのです。やりながら互いに理解を深めていけば、悪いポジションにいることがわかってきます。中田英寿さんが現役時代、試合中も誰もいないスペースにスルーパスをよく出していました。味方が反応せず、外に出たり、相手に取られるのですが、それでもそのスペースがあるよと仲間に伝えたかったのだと思います。見ていると、日本は低学年でパスを使うゲームや練習をほとんどやらせません。メニューが個人技術、クローズドスキルに偏っている気がします。「ゲームをたくさんやらせましょう」という話をすると、ゲームではスキルが上達しないのではないかと不安そうです。それなのに、試合になると練習していないことを要求したりします。子どもは戸惑います。スペイン在住の育成コーチでJリーグ理事でもある佐伯夕利子さんがフェイスブックで発信している3~5歳くらいの練習動画と彼女の文章に驚かされたことがあります。小さな幼児が、どんどんパスを回してゴールを奪っていました。俗な言い方ですが「サッカーになっている」わけです。■育て急ぐのか、勝ち急ぐのか......。日本と海外の指導者の違い(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)佐伯さんは「3歳児には3歳児なりの考え方がある」と書いています。だんごになることもある。成長段階ではそうなることを理解しなくてはいけません。「年少さんだからだんごでも仕方ないよね。年中になるとこんなふうになったらいいかな」そんな展望を指導者が持っておく。そのうえで、ゆっくりとサッカーの本質を伝えていきます。コーチたちがゆっくりと問いかけをしながらやります。決して「だんごはサッカーじゃない」といった言い方はしません。「みんなここにいるけど、どうかな?味方もいるし、相手もいるよ。とられないところってどこかな?」そんなやり取りを佐伯さんたちはいっぱいしてきたと思います。3歳は3歳なりに意見がある。すぐに答えをいうのでなく、ダメでしょではなく。「ぼくはここがいいと思った」と言えば、「オッケー。なぜそこがいいのかな?」と常に彼女たちスペインのコーチはやさしく対話します。常にやさしいのです。日本のコーチの指導は性急に見えます。とても急いでしまう。育て急ぐのか、勝ち急ぐのか。両方かもしれません。ぜひそのような哲学的な部分も見直しながら、ゆっくり指導してください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年04月24日京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。2012年の発足からこれまでに接した人の数は11万人以上。たくさんの小学生とその保護者らを見てきたよっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」。今シーズンは子どもたちからの質問に答える形でお送りします。第7回目の今回は、「自分の限界を超えるにはどうしたらいいの?」と子どもからの質問です。サッカーでもほかの事でも、「これ以上無理かも」と思うときがありますが、果たしてそれは本当に乗り越えられない壁?最近増えている、失敗する姿を見られるのを頑なに拒む子らにチャレンジ精神を植え付けるやり方とは......<<前回|連載一覧>>バウンドしたボールをキャッチするプログラムも、みんなで一緒にチャレンジすることで次々にできるようになる【今月の子どもからのQuestion?】自分の限界を超えるにはどうしたらいいの?<よっしいコーチの回答>スポーツに取り組んでいると、どうしてもうまくいかないことがあります。「自分の力はここまでなのかな?」と思ったり、諦めて辞めてしまう人も少なくありません。しかし、今、あなたが目の前にしている壁は、単なる思い込みかもしれないのです。■自分で限界を決めてない?「ノミの法則」をご存じでしょうか?本来、ノミは30cm近くジャンプする力があるのですが、高さ5cmの容器を上から被せた環境でしばらく放置していると、容器を外してもその高さまでしか跳べなくなってしまうのです。しかし、そのノミを30cmの高さを跳べるノミがいる環境においてあげると、再び30cmの高さまでジャンプできるようになるというのです。つまり、高く跳べなくなったノミは自分で限界を決めてしまっていたのです。「ノミの法則」のような現象は、「サンガつながり隊」でたびたび見かけます。例えばボールをバウンドさせてキャッチするプログラムがあるのですが、難易度を上げると最初はみんなうまくできません。ところが、誰かひとりができるようになると、周りの子が次々とできるようになるのです。個人だけでなくクラス対抗のグループプログラムでも同じような現象が起こっています。大切なのは、「ムリ」と決めつけて諦めるのではなく、「仲間」あるいは「身近なライバル」と一緒に取り組みながらチャレンジする気持ちなのです。ペアで練習するようなトレーニングなどで、楽しみながら自然に成長できます■サッカーでの成長にも「とりあえずやってみよう」精神が大事最近は、自分の失敗を他人に見せるのを頑なに拒む子や、負ける自分が許せない子が増えています。しかし、「とりあえずやってみよう」というチャレンジ精神や、「うまくなりたい」という向上心を持たなければ、成長は望めません。山登り未経験の人がいきなりエベレストに登ることはできませんが、自分より少し上手い人は身近に見つけられるはず。私も小学校、中学校時代は1学年上の先輩に憧れ、彼らの練習を見ながら育ったことで、サッカーが上達できたと思っています。皆さんも、サッカーの練習であれば、パス練習などのペアトレーニングを一緒にやってみたり、学業なら成績の良い人と一緒に机を並べて勉強してみたりしてはいかがでしょうか?楽しい時間を過ごしながら、自然と自分が成長することを実感できるかもしれませんよ。<<前回|連載一覧>>福中善久(ふくなか・よしひさ)大阪体育大学卒業後、大阪YMCAで幼児~小学生を中心に様々なスポーツやキャンプ指導にあたった。また、大学生の指導者育成や高齢者スポーツなど幅広く活動。京都サンガでは未来を担う子どもたちに、スポーツを通じて「人と人がつながっていくことの大切さ」を伝える「サンガつながり隊」のコーチとして活動。地域の小学校を中心に年間2万人の子どもと関わっている。▼サンガつながり隊の詳細はこちら
2019年12月16日京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。2012年の発足からこれまでに接した人の数は11万人以上。たくさんの小学生とその保護者らを見てきたよっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」。今シーズンは子どもたちからの質問に答える形でお送りします。第六回目の今回は、「頑張っているのに上手くいかないときはどうすればいい?」と子どもからの質問です。サッカーでもほかの事でも、頑張っているのになかなか上手くいかないときはあるもの。そんな時、壁を乗り越えるためにどうしたらいいのでしょうか。上手な導き方とは?<<前回|連載一覧>>頑張っているのに上手くいかないときはどうすればいいのか【今月の子どもからのQuestion?】頑張っているのにうまくいかないときはどうしたらいいですか。<よっしいコーチの回答>サッカーを続けていると、なかなか上手くなれない時期が必ずあります。本人としては「こんなに頑張っているのに、どうして上手くならないんだろう」と不安になる人も多いのではないでしょうか?でも、そんな時は少し視点を変えることで、乗り越えるためのヒントを得ることができるのです。■上手くならないのは練習量の問題ではないサンガつながり隊では、つま先をくっつけた状態で仲間と手をつなぎ、立ち上がるプログラムや、「なべなべ底抜け」を行うことがあります。2人でやるのは簡単ですが、4人、8人と人数が増えてくるとなかなか上手くできません。二人でならばうまくいくことも...人数が増えると「今までのやり方」では成功しなくなるので、新しい方法を考えなければならないのです特にこの2つのプログラムは2人で成功できても4人、8人など人数を増やして成功させるには、方法を変えなければ成功しません。今までのやり方だけにこだわるのではなく、少し距離を置いたり、視点を変えることで、新しい方法を考えなければならないのです。つまり、「ある程度のレベルに達してから、なかなか上手くならない」「どうしてもできないことがある」というのは、練習量の問題ではなく、考え方や物事の見方の問題なのです。■ドリブルで相手をかわせない場合は......皆さんも「これはこうするものだ」と思い込んでしまっていたり、無意識に「枠組み」をつくってしまったりしていませんか?サッカーに例えるとすれば、ドリブルで相手をかわすことがうまくいかない場合、ドリブルで何とかすることを考えるより、「パスを使って相手をかわしてみよう」など考え方を変えてトライしてみてはいかがでしょうか。ずっとフォワードとしてプレーしてきた選手が伸び悩んでいるとします。そんな時は、試しにディフェンダーとしてプレーしてみるのはいかがでしょうか?センターバックとして相手フォワードと対峙すれば、身体の使い方やフェイントなど、どんなプレーがセンターバックとして守りにくいのか、また、サイドバックであれば、自分が攻め上がってクロスボールを入れる時、フォワードにはどんなポジショニングをしてほしいかを体験から知ることができるはずです。私自身も、試合に出ていてうまくいかなかったことが、試合に出られなくなった時に外から他の選手を見て気づくこともたくさんありました。学生時代、ファッションに詳しい友人に服を見立ててもらったことがあります。これまでの私はモノトーンの服ばかり着ていたのですが、友達が見立てたのは黄色のチェックのシャツ。自分では絶対に選ぶことはないものでしたが、実際に来てみるとすごく似合っていて気に入ったことがあります(笑)冬休み、これまでの考え方や物事の見方を変えて、新たなチャレンジをしてみてはいかがでしょうか?<<前回|連載一覧>>福中善久(ふくなか・よしひさ)大阪体育大学卒業後、大阪YMCAで幼児~小学生を中心に様々なスポーツやキャンプ指導にあたった。また、大学生の指導者育成や高齢者スポーツなど幅広く活動。京都サンガでは未来を担う子どもたちに、スポーツを通じて「人と人がつながっていくことの大切さ」を伝える「サンガつながり隊」のコーチとして活動。地域の小学校を中心に年間2万人の子どもと関わっている。▼サンガつながり隊の詳細はこちら
2019年12月09日『ドリブルデザイナー』として、世界中で活動する岡部将和さん。ネイマールやマテラッツィ、ダーヴィッツ、日本代表の乾貴士選手、原口元気選手など、様々なスター選手とドリブルを通して交流し、サッカーの魅力やドリブル技術と理論、チャレンジする心の重要性などを発信しています。子どもの頃からプレーの中ではドリブルが一番好きで、マラドーナのビデオを擦り切れるほど見ていた岡部さんは、フットサルのFリーグやスペインのフットサルリーグでプレーした後に指導の道に入り、現在は『ドリブルデザイナー』という肩書で活動を続けています。そして岡部さんが今回、「Jリーグの厳選プレーから学ぶ 日本人が世界で活躍するためのドリブル実戦テクニック」というDVDを監修するにあたり、サカイクでは岡部さんにドリブルを上達させるポイントや理論、Jリーガーや日本代表でお手本となる選手のドリブルについて話を伺いました。(文・鈴木智之)Jリーグの映像から>>岡部氏のドリブル理論も学べる>>DVDの詳細はこちら>>保護者やコーチの一番の役割は子どものやる気に火を灯すこと岡部さんに、子どもたちがドリブルを上達する上で大切なことを尋ねると、次のような答えが返ってきました。「どんな練習が大事なのかというよりも、どんな想いで取り組むのか。そこが大切だと思います。自分が本気で求めれば行動が変わるので、結果も自然とついてくると思います。ドリブルが上手くなりたい気持ちがある人は、ドリブルの上手な人のプレーを見たり、ドリブルが上手な先輩の練習方法を見たりすると思います。自分で『もっとうまくなりたい』と強く想うことで、マインドが変わってくるんです」好き、楽しい、おもしろい、こうなりたい! という、心の内側から湧き上がってくる気持ちに耳を傾けることで、おのずと何をすればいいかを考えるようになります。これを『内発的モチベーション』と言うのですが、保護者やコーチの一番の役割は、子どものやる気に火を灯すことなのかもしれません。岡部さんは言います。「子どものときはボールタッチの練習でも、試合でも、楽しんでやれる、没頭できるものがいいと思います。ちなみに僕は子どもの頃、公園で試合をたくさんしていました。子どもたちが楽しんで没頭しているのであれば、指導者や保護者は口出しせず、応援してあげるだけでいいと思います」岡部さんはかつてサッカースクールの指導者として、子どもたちを教えていました。当時は保護者から質問をされることもよくあったそうで、そこでは「どんなドリブルをしたらいいですか?」や「子どもにどんな声かけをしたらいいですか?」と聞かることが多かったと言います。「極端な例かもしれませんが、子ども自身が不幸せでありながら、親の言うことを全部聞く状態と、子ども自身は幸せだと感じているけど、親の言うことを聞かずになにもできないのと、どちらが良いでしょうか?もちろん、親の言うことをすべて聞いて、何でもできる子になるのが一番良いのですが、なかなかそうもいかないですよね。なによりも子ども自身の幸せが大切で、楽しんで取り組んでいれば良いのではないかと思います」さらに、保護者に向けては、次のようにメッセージを送ります。「保護者の方は、お子さんと向き合うときに『なぜ子どもにサッカーをさせたいのか?』を考えてみると、良いのかもしれません。おそらく多くの人は、子どもをプロサッカー選手にする事を1番に考えて、サッカーをさせているのではないと思います。好きなことを続けてほしい、健康であってほしい、サッカーが成長にとって大切だと感じているから、子どもたちにさせていると思うので、まずは子どもが自発的に楽しめるような声かけをして、寄り添ってあげることができれば良いのかなと思います」ドリブルを実行する上で大切なのは「距離と角度と一歩を踏み出す勇気」岡部さんは、常々「ドリブルをするにあたって大事なのは、距離と角度と一歩を踏み出す勇気」と言っています。一歩を踏み出す勇気は、親や指導者といった、大人の声掛けでサポートできる部分かもしれません。たとえば、ドリブルを仕掛けようと思っても、相手に取られることが怖くてチャレンジできない子に対しては、次のような考え方がおすすめです。「まずは、ドリブルをして取られることの何が怖いかを明確にして、それ以上に怖いことがないかを伝えます。どういう事かと言うと、ドリブルを仕掛けて取られると、周りの選手からネガティブな反応をされたり、コーチに怒られて、試合に出られなくなってしまうかもしれません。これが最初の怖いことです」さらに、こう続けます。「でも、それ以上に自分のやりたいこと(ドリブル)を通せない、通すだけの責任をもってトレーニングができていないことの方が、人生において大きな痛手ですよね。まずはそのことを親や指導者が伝えてあげて、子どもたちには『チャレンジしようという気持ちになっているのだから、大きな意味で失敗ではないんだよ』と、マインドを変えてあげるような声かけができると良いと思います」ドリブルを仕掛ける勇気は、人生に立ち向かう勇気と似ているのかもしれません。納得できるほどに練習を重ね、チャンスと見るや積極的に仕掛ける。失敗と成功を繰り返し、チャレンジを続けることで、いつしか上手くなり、相手を抜けるようになります。多くのトッププレイヤーも、そうした幼少期を過ごし、スターへの階段を登っていきました。Jリーグにも、ドリブルが得意でお手本になる選手はたくさんいます。そのような選手のプレー、そしてマインドを想像して見ることも、上達するための一歩になるのではないでしょうか。ドリブルを上達させる上で大切なことや子どもたちをサポートする保護者や指導者の方に担ってほしい役割について話してくれた岡部さん。次回は岡部さんから見た「トップレベルの選手に共通している特徴」や「ドリブルをする上での心構え」についてお話しを伺っていきます。Jリーグの映像から>>岡部氏のドリブル理論も学べる>>DVDの詳細はこちら>>岡部将和(おかべ・まさかず)神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、フットサル選手として活躍。引退後は、誰でも抜けるドリブル理論を持つドリブル専門指導者『ドリブルデザイナー』として活動し、Youtubeを始め SNS上で配信するドリブル動画閲覧数は約1億PVを超える。少年サッカーから現役日本代表選手まで幅広いレベルの選手を対象に、独自のドリブル理論に基づいた指導を行っている。Jリーグの映像から岡部氏のドリブル理論も学べるDVDの詳細はこちら>>
2019年11月26日