第25回東京国際映画祭(TIFF)が10月20日、公式オープニング作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』の上映をもって開幕した。今や“名物”となった東京・六本木けやき坂通りのグリーンカーペットには、本年度のTIFFアンバサダーを務める元AKB48の前田敦子ら国内外のスターをはじめ、スタッフや関係者が闊歩。沿道に集まったファン約6000人から大歓声を浴びていた。その他の写真特に注目を集めたのが、本作の主役でもあるエンタテインメント集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”のパフォーマーたちによる世界初披露の演目『夢の小舟』。これはグリーンカーペットを緑色の川に見立て、パラソル形の“小舟”に乗った映画の主演女優エリカ・リンツと、彼女を取り囲むパフォーマーがまるで川面を歩くかのような華麗な動きを披露するというもの。その幻想的かつ超人的なパフォーマンスに、本作のオフィシャルナビゲーターを務める女優の上戸彩も「今日皆さんと、一緒にグリーンカーペットを歩かせていただいて、改めてこの映画が注目されていると感じた」と感激しきり。映画は異世界に迷い込んだヒロインが運命の青年を探し求めるラブファンタジーで、製作総指揮を務めるジェームズ・キャメロンは「“シルク・ドゥ・ソレイユ”という最高のエンターテインメントを、ぜひ3Dでお楽しみください」とビデオメッセージを寄せた。映画祭の目玉はやはり、コンペティション部門。昨年、最高賞“東京サクラグランプリ”を受賞した仏映画『最強のふたり』が、今年に入り世界中で大ヒットを記録したことで、俄然国際的な注目が集まっている。その証拠に本年度のコンペティション部門へのエントリーは1332作品で、昨年よりも36%増加。5年前(第21回)のエントリー数690本から比較すると、なんと倍増している計算だ。“今こそ、映画の力”をスローガンに、昨年に引き続き、震災復興への取り組みも継続。期間中は東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズをメイン会場に、コンペティション部門15作品をはじめ、約300本の映画が上映され、最終日の28日には“東京サクラグランプリ”など各賞が発表される。第25回東京国際映画祭10月20日(土)~10月28日(日)取材・文・写真:内田 涼
2012年10月22日長野県茅野市の蓼科高原で第15回となる「小津安二郎記念蓼科高原映画祭」が開催される。開催日時は10月27日(土)、28日(日)の2日間。上映場所は茅野市民館と新星劇場の2か所。日本映画史上、黒沢明、溝口健二と並び三大巨匠と称される小津安二郎監督は、蓼科高原を気に入り、蓼科にある山荘でシナリオライターの野田高梧とともに多くの作品を生み出した。この映画祭は、小津、野田両氏にゆかりのある蓼科高原・茅野市で「小津映画・小津のこころ」に触れるとともに、小津に続く国内外の映画の上映やさまざまなイベントをとおして、この地から21世紀の映画が生まれることを願って平成10年にスタートした。今回の上映作品は小津安二郎監督作品「父ありき」、「東京の合唱(コーラス)」。追悼・新藤兼人監督として「一枚のハガキ」、「午後の遺言状」のほか、日本映画監督協会新人賞作品、市民公募作品など13タイトル。さらに短編映画コンクールも行われる。ゲストは女優の樹木希林、川上麻衣子、映画監督の原田眞人、三島有紀子、砂田麻美、鈴木健介、活動弁士の澤登翠、近代映画協会社長兼プロデューサーの新藤次郎、共同通信社編集委員の立花珠樹各氏が出演の予定だ。なお、ゲストはやむを得ない事情により変更になる場合がある。映画上映のほか、シネマカフェ、交流パーティーなどが行われる。また、茅野市民館ロビーで新藤兼人監督写真展も企画されている。上映スケジュール、料金など詳細は蓼科高原映画祭ホームページで確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月22日アジア最大規模の映画の祭典であり、今年で25回目を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)がいよいよ明日、開幕!これを記念して、映画祭のプログラミングディレクターとしてコンペティション部門の作品選定の重責を負う矢田部吉彦と今年の「natural TIFF」部門で審査員に名を連ねるモデルの雅子の対談が実現した。現在、共にシネマカフェでブログを執筆する2人だが、若き日には知られざる接点が!?映画の道にハマることになったきっかけからTIFFの思い出までたっぷりと語り合った。雅子:シネマカフェのブロガー同士の対談は初めてということで(笑)、よろしくお願いします。もうすぐ開幕ですね、お忙しいんじゃないですか?矢田部:忙しいですが、夏頃の殺人的な忙しさと比べたらこれで少しは落ち着きました(苦笑)。シネマカフェのブログでお隣になるまで、僕は雅子さんを詳しく存じ上げなかったんですが、ここまでフランス映画がお好きな方がいて、しかもこんな風にお話しできるようになるとは…。ここ1~2年で僕の中で最大級の感動的なイベントです!プロフィールにもフランス映画がお好きとありますが、TIFFの話の前に、雅子さんの映画にまつわるルーツをぜひ教えていただけますか?雅子:私は育ちが日本橋で銀座まで歩いて行ける距離だったので、昔のテアトル東京などは頻繁に通いました。TVの日曜洋画劇場なんかもよく観ていたこともあり、いわゆる“名画”と呼ばれる作品は小学生の頃に一通り観てました。中学生になって、家族と行くのではなく自分でお金を出して観るようにもなって、『風と共に去りぬ』とか『太陽がいっぱい』などは名画座で観ました。特にフランス映画を観るようになったのは高校生のとき。学校が飯田橋にあったんですが、午前中に映画館に行ったり…(笑)。矢田部:佳作座(※飯田橋にかつて存在した名画座)ですね。僕も中学と高校が飯田橋でしたからよく行きましたが、基本は放課後か土日でした。佳作座でお会いしてるかと思ったけど時間帯が違ったみたいですね(笑)。雅子:「明日は4限目から授業に出るから」なんて宣言して(笑)。何となく古い映画を観ていたし、モデルの仕事をするようになった頃は、フランス文化と共にフランス映画がたくさん入ってきた時期でもあり、新旧作含め、等身大ですごく影響を受けました。矢田部:ではそろそろTIFFのお話を。80年代からフランス映画のエスプリをたっぷりと浴びてきた雅子さんが、去年のTIFFで鑑賞し、その後も合わせて計3回も観たという作品があるそうですね(笑)?雅子:はい(笑)、『最強のふたり』(※昨年の東京サクラグランプリ受賞作で現在、劇場公開中)です。去年の映画祭の2日目ぐらいに観たんですが、私の中で勝手にグランプリと決めたくらい、もう『うわっ!』っていう嬉しい衝撃でした。矢田部:コンペティション作品として選んだとき、「観客賞」は獲るだろうとは思ったんです。ああいう作品を選ぶと幅が広がるんですが、一方でおカタい筋からそこまで評価されるかなという不安が若干ありました。でも会期中にいろんな方に『面白かった』と言っていただけて、徐々に手応えを感じました。雅子:最初からやられました!奇跡的なくらい爽やかで嫌みがない作品でしたね。矢田部:正直、何十年に1本という作品だと思います。その後の劇場公開でのヒットを見てもそう思いますが、いろんな方に『今年もああいう作品を楽しみにしてます』と言われるとプログラミング・ディレクターとしてはプレッシャーを感じます(苦笑)。――雅子さんはコンペ以外の部門も含め、かなり多くの作品をご覧になってらっしゃるそうですね?雅子:“ワールド・シネマ”は世界中の映画が観れるので、毎回楽しみなんです。矢田部:ありがとうございます。あの部門は配給の付かない洋画作品の“受け皿”をという思いで僕が企画した部門なので(笑)、嬉しいです。雅子さんはどういうところを重視して観る作品を選んでますか?僕がよく聞かれて困る質問なんですが…(笑)。雅子:そうですねぇ、国や監督、それから知ってる俳優がいるかな?とチェックしたり。パンフレットの写真や文章も参考にしますし、邦題と原題を見比べて気になるものには印を付けておきます。矢田部:「どれを観たらいいですか?」とよく聞かれますが、僕はズルいので「なるべく、普段観ない映画を選んだ方が世界が広がりますよ」と言ってます。僕自身は全体を総合的に見ようと思うんですが、意外とファッションや細部については見てなかったなと思うんです。雅子さんはその点は見ているんだろうなと。雅子:特に女優のファッションは重視します。基本的に女性は同性に厳しいので(笑)、つい気になっちゃう。そこは男女の見方の違いかもしれないですね。矢田部:今年、その点で注目なのがコンペティションの『メイジーの知ったこと』という作品。子役の女の子がものすごくかわいいんですけど、全シーンで違うんじゃないかっていうくらい何度も衣裳を変えるんです。子供服のカタログの全ページかってくらい(笑)!小さなお子さんのいる親やこれから子供がほしい女性にぜひ観てほしいです。ほかに気になっている作品はありますか?雅子:まずオリヴィエ・アサイヤス監督の『5月の後』(ワールド・シネマ部門)。矢田部:これは彼の最高傑作だと思います!!雅子:それからレイモン・ドゥパルドン監督の新作(『レイモン・ドゥパルドンのフランス日記』)も気になりますね。矢田部:これも僕は今年の全出品作品の中でもかなり好きな作品です。ぜひ観てください!徐々にヒートアップしてきた映画談議。<後編>では、雅子さんが審査員を務める“natural TIFF”の魅力や矢田部さんのコンペティション作品15本を選定する上での苦悩(?)などについて語ってくれています。「第25回東京国際映画祭」開催期間:10月20日(土)~28日(日)会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ・シネマート六本木・TOHOシネマズシャンテほか公式サイト:特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月19日ロバート・ゼメキス監督がデンゼル・ワシントンを主演に迎えて描くサスペンス大作『フライト』が、第40回ニューヨーク映画祭のクロージング作品として現地時間14日(日)に初上映された。その他の写真ゼメキス監督×ワシントンという、オスカー受賞コンビの初タッグ作品とあって、会場のアリス・トゥリー・ホールには、多くのファンと報道陣が駆けつけた。レッド・カーペットに夫婦そろって登場したワシントンは、「『フライト』は、亡くなった僕のエージェントのエド・リマートが、僕のテーブルに置いてくれた最後の脚本だったんだ。義務を感じたとは言わないけど、彼のためにやりたいと思ったんだ。それにロバート・ゼメキスが加わった。『すごい!』って思ったよ」と出演理由をコメント。一方、予定より30分以上も早く会場入りをする気合いの入れようだったというゼメキス監督は、アカデミー賞獲得への自信を聞かれると「それは、どうかな(笑)。デンゼルが主演だからこそ、可能になった作品だよ。彼の演技のすべてに驚かされたよ。あまりに素晴らしくて信じられないくらいだった。この映画を作る楽しみは、仕事に行って、デンゼルの演技を見ることだったよ。本当にワクワクしたよ」と、ワシントンの演技を大絶賛した。映画祭にはふたりのほか、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ドン・チードルら出演者とスタッフも登壇した。『フライト』は、高度3万フィートから緊急着陸を成功させ、多くの乗客を救い、一躍国民的なヒーローとなるも、ある疑惑によって一瞬にして非難にさらされることになってしまった機長の物語。『フライト』2013年3月1日(金)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年10月18日10月20日(土)より遂に開幕を迎えるアジア最大級の映画の祭典「東京国際映画祭」(以下、TIFF)。このたび日本映画を裏側から支える4団体から構成された「映画館に行こう!」実行委員会によるラインナップ・プレゼンテーションイベント「新作映画イッキに見せます in 東京国際映画祭」が、10月25日(木)に開催されることが決定した。邦画・洋画を問わず、大作から心に響く佳作まで各々の自信作を引っ提げ、このイベントに集結するのは19社の日本の映画配給会社が一堂に会し、2013年に公開される選りすぐりの作品の予告編64本を、日本初公開の映像を含め上映する。当日は、コーナー別にそれぞれ趣向を凝らしたプレゼンテーションが展開されるようで、もちろん一般映画ファンの入場も可能。また、日ごろの映画ファンへの感謝と今後の映画界そのものへのプロモーションイベントということで、なんと入場はすべて無料という太っ腹なイベントなのだ!残念ながら座席数に限りがあるため、入場引き換え券を手に入れることができるのは10月17日(水)23時59分まで受付中の「新作映画イッキに見せます」特設ページより受付を行い、翌18日(木)の抽選で当選した人のみとなる。松坂桃李主演の『今日、恋をはじめます』を始め、『黄金を抱いて翔べ』、『舟を編む』、『LOOPER/ルーパー』、『クラウド アトラス』、『リンカーン 』(原題)、『華麗なるギャツビー』など当日に予告編が上映される作品を取り上げれば切りがないが、そのどれもが今後要注目の作品であることは言わずもがな。この先公開を控える大作を、初公開映像と共に鑑賞できるまたとない貴重な機会を逃さぬよう、ぜひ会場に足を運んでみて。新作映画イッキに見せます!in 東京国際映画祭日時:10月25日(木)15:00開場/15:30開演場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン2(東京・六本木)〆切り:10月17日(水)23時59分まで (※抽選は翌18日となります)特設ページ:「第25回東京国際映画祭」開催期間:10月20日(土)~28日(日)会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ・シネマート六本木・TOHOシネマズシャンテほか公式サイト:特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催今日、恋をはじめます 2012年12月8日より全国東宝系にて公開© 2012映画「今日、恋をはじめます」製作委員会 © 水波風南/小学館黄金を抱いて翔べ 2012年11月3日より全国にて公開© 2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会舟を編む 2013年4月13日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2013「舟を編む」製作委員会LOOPER/ルーパー 2013年1月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011, Looper, LLCクラウド アトラス 2013年、全国にて公開© 2012 Warner Bros. All Rights Reserved.リンカーン (原題) 2013年4月、TOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2012 TWENTIETH CENTURY FOX華麗なるギャツビー 2013年夏、全国にて2D/3Dで公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年10月16日今年で記念すべき25回目を迎える、アジア最大の国際映画祭「東京国際映画祭」(以下、TIFF)が10月20日(土)より開幕する。例年以上に盛り上がりが期待される今年も、海外から多くの俳優や監督が来日の予定だが、このアニバーサリー・イヤーとなる今年、これまでに来日したゲストたちの貴重な写真を発見!レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピット、まで豪華ゲストたちをふり返り。まずは、いまから27年前の1985年に開催された記念すべき第1回目のTIFFに参加した、ハリソン・フォード。何とも年代を感じさせるモノクロ写真だが、この時代のハリソンと言えば、『スター・ウォーズ』や『インディー・ジョーンズ』の人気シリーズでの成功、さらに『ブレード・ランナー』(’82)とまさにハリウッドのトップに上り詰めた頃の彼なのだ。この年の日本では、渋谷に16もの映画館がオープンし、世界有数の“映画の街”として大きなブームを巻き起こしていた年でもある。次にふり返るのは、第9回目(’96)に参加したウィル・スミ。代表作となった『インデペンデンス・デイ』(’96)を引っ提げての来日となったが、この当時のウィルはまだ20代後半!ファッションももちろん“B-BOY”スタイルでキメ、まだまだヤンチャ盛りといった様子の彼の若さがうかがえる写真だ。続くは、“絶世の美男子”と謳われ、世界中の女子の心を鷲掴みにしたレオナルド・ディカプリオ。1997年に行われた第10回目のTIFFに、ジェームズ・キャメロン監督と共に『『タイタニック』のワールド・プレミアのために来日したレオ。いまでこそ髭を生やし、骨太なイメージの役者となった彼だが、23歳当時の彼はまさに“美麗”の一言に尽きる。誰もが見惚れ、会場は女子たちの歓喜する声で騒然となっていたとのこと。さらに、もう一人、翌年に開催された第11回TIFFの特別招待作品となった『ジョー・ブラックによろしく』のPRのために来日していたブラッド・ピットだ。写真を見る限りでは、短髪にスーツと、いまと雰囲気は変わらないものの、『セブン』での好演に続き、『12モンキーズ』ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、俳優として人気・実力ともに急成長を遂げ始めた頃の彼の貴重な一枚なのだ。さらに、この年は『アルマゲドン』を引っ提げて来日したブルース・ウィリスやベン・アフレック、マイケル・ベイ監督などハリウッドが誇るスターたちの参加が数多く見られた年でもある。また、世界に誇る日本の巨匠・黒澤清監督がこの世を去った年でもある。2000年代に入っても来日ゲストたちの豪華さは衰えず、第13回(’00)にはアーノルド・シュワルツェネッガーにエドワード・ノートン、第15回(’02)にはトム・クルーズ&スティーヴン・スピルバーグ監督を始めナオミ・ワッツにエイドリアン・ブロディと挙げていけば切りがないほど。果たして、25回目を迎えた今年はどんなゲストが観客を沸かせるのだろうか。開幕はもう目前!ぜひ、あなたも一度会場に足を運んでみて。「第25回東京国際映画祭」開催期間:10月20日(土)~28日(日)会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ・シネマート六本木・TOHOシネマズシャンテほか公式サイト:特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月12日人気グループ「東方神起」のユノとチャンミンが8日夕方(現地時間)、釜山国際映画祭で盛り上がる釜山でサイン会を開き、日本からも多くのファンが参加した。韓国での最新アルバム「CATCH ME」の発売記念イベントには、釜山でアルバムを買ったファンの中から、抽選で選ばれたラッキーな120人のみが参加できるというもの。中には90枚も買ってようやく当選したという、熱狂的な日本人ファンの姿も。ユノとチャンミンは、日本人ファンには日本語で話しかけるなど、終始なごやかな雰囲気だった。ビーチサイドに面したパラダイスホテルのガーデンでイベントは開催され、抽選に外れたファンもイベントの様子は見ることができるため、詰めかけた数百人が熱い歓声を送っていた。中には日本からのファンのみならず、韓国留学中だというフランス人のファンも参加しており、その人気の幅広さをうかがわせた。その後、夜には釜山国際映画祭の「Asian Film Night Supported by Dior」に参加。サイン会ではカジュアルな服装だった2人も、「ディオール」のタキシードに着替え、大人の魅力を発揮していた。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第17回釜山国際映画祭 [映画祭] 2012年10月4日から10月13日まで韓国・釜山にて開催
2012年10月11日最新作『終の信託』の公開を記念し10月8日(月・祝)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで「周防正行映画祭」と題した特別イベントが開催され、代表作である『シコふんじゃった。』(’92)、『Shall we ダンス?』(’96)、『それでもボクはやってない』(’07)の3本が上映された。幕間には周防監督を始め、役所広司、草刈民代、竹中直人、田口浩正、徳井優、加瀬亮、瀬戸朝香という“周防組”に縁の深い豪華な顔ぶれが勢ぞろい。「まるで生前葬(笑)」と照れくさそうな周防監督を囲み、出演作の思い出や知られざる(?)監督の素顔を明かした。『Shall we ダンス?』に主演し「その後の人生が変わりました」と語る役所さんは、「だって海外に行っても、あの映画観たよって言われるし、本当パスポートみたいな作品ですよ」と感謝しきり。「小細工せず堂々とした映画作家。心から愛しています!」と賛辞を惜しまない。同作で女優デビューを飾った草刈さんは「当時はバレリーナでしたし、映像の仕事は私がやることじゃないと思っていた。でも監督からシナリオをいただき、ものすごい取材量に『この人なら信頼できる』と思った」とふり返る。映画は日本アカデミー賞の全部門制覇という快挙を成し遂げたが、それ以上に世間をアッと言わせたのが、周防監督と草刈さんの結婚だった。「男としての魅力?出会った当初は感じなかったですね」と草刈さんが明かす一方、周防監督は「特に口説いた覚えはなくて、一番大きいのは僕のカン違い(笑)。ひょんなことから毎晩電話で2時間くらい話すようになって『これは好意的に思われている!』と俄然その気になった」のだとか。ただ「結婚してから知ったんですが、草刈さんは誰とでも長電話する」そうで、やはりおふたりの結婚には、大いなる“カン違い”パワーが働いていたのかも?役所さん×草刈さん×周防監督が16年ぶりにタッグを組んだのが、終末医療をテーマにした『終の信託』。周防監督が「ユーモアが一切ない映画で、いままでと違う緊張感にあふれている。ただいままで通り、映画らしい映画になったのでぜひスクリーンで深く味わってほしい」と静かに自信をみなぎらせるヒューマンサスペンスだ。竹中さんは1989年公開の『ファンシイダンス』を始め、『シコふんじゃった。』、『Shall we ダンス?』に出演する周防組の“顔”とも言える俳優。それだけに「最新作に呼ばれなかったのが、納得いかない。次は絶対呼んでください!」とアピールにも熱がこもる。一方の周防監督は「テクニックとパワーを持った俳優さんだから、最初は僕の言うことなんて聞いてくれないと思っていた。ところが、実際には監督の意図をくみ取って演じてくれる俳優さんで、こんなありがたい人はいない」と大絶賛。「まあこの先、出番があるか分かりませんが…」(周防監督)、「そんな…。僕、泣いちゃう」(竹中)と丁丁発止のやり取りで、会場は爆笑に包まれた。『それでもボクはやってない』で周防組にフレッシュな風を送り込んだのが、加瀬さんと瀬戸さんだった。「僕は気が小さいので、監督の前では緊張してしまう。ところが周防監督はいつもニコニコしていて、初対面でホッとできた初めての監督だった。何より正直で誠実な方だと思う」(加瀬さん)、「何を聞いても、すぐに答えが返ってくるし、現場のチームワークもすごく良かった」(瀬戸さん)と2人にとっても、同作は新境地だったようだ。「死ぬまで精進して、いい作品をたくさん撮ってほしい。(映画の題材の)貯金はしているはずなので、ファンのみなさんにも末長く応援していただけるよう、よろしくお願いいたします」と“夫”周防正行監督に愛あふれる激励を贈る草刈さん。これに対し、周防監督は「やっぱり役者ってすごいと思う。常に僕のイメージを超えた演技を見せてくれ、とても感謝している」と語り、さらに「映画は何よりも、映画を観た人のもの。これからもみなさんの心の中に生きる映画を頑張って作っていきたい」と抱負を語っていた。『終の信託』は10月27日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピーそれでもボクはやってない 2007年1月20日よりシャンテシネほか全国にて公開© 2006 フジテレビジョンアルタミラピクチャーズ東宝
2012年10月09日アジア最大級の映画の祭典、第17回釜山国際映画祭が4日(現地時間)、韓国・釜山市で開幕した。釜山市海雲台センタムシティに昨年、オープンした映画祭専用施設“映画の殿堂”で行われた開幕式には、アジアを代表するスターが続々と登場。現在、『王になった男』が韓国で大ヒット中のイ・ビョンホンを始め、オ・ジホ、ユ・ジテ&キム・ヒョジン夫妻、チソン、イ・ジェフン、ムン・グニョン、除隊したばかりのキム・ナムギル、「JYJ」のジェジュンら韓流スターに加え、オープニング作品に選ばれた香港の大作サスペンス映画『COLD WAR』(原題)の主演レオン・カーファイ、アーロン・クォックが、レッドカーペットを華やかに飾った。日本からは『るろうに剣心』の佐藤健、『ライク・サムワン・イン・ラブ』の加瀬亮と高梨臨、『かぞくのくに』の井浦新らが出席。大会場の外まで埋め尽くすファンからの歓声に、みな、顔をほころばせていた。特にレッドカーペット前に詰めかけたファンの熱狂ぶりはすさまじく、一時は警察と揉み合いになるほどの加熱ぶりだった。開幕式の司会は例年、韓国の人気俳優や監督が務めるが、今年は初めて『ラスト、コーション』、『レイトオータム』で知られる中国の女優タン・ウェイが、韓国を代表する名優アン・ソンギと共に大役を果たした。またセレモニーでは、「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ジ・イヤー」に選ばれた、日本の若松孝二監督の表彰も行われ、さらにニューカレント部門審査員を務める、チョン・ウソンと日本からは女流監督・河瀬直美も出席した。13日までの期間中、チャン・ドンゴン、チャン・ツィイー、ソ・ジソブ、チョン・ジヒョンらアジアが誇る人気スターが続々と登場するほか、「東方神起」や「江南スタイル」が世界中でヒットしているPSYのイベントも予定されており、例年以上の盛り上がりとなりそうだ。第17回釜山国際映画祭は10月13日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開© 2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reservedかぞくのくに 2012年8月4日より東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田ほか全国にて公開© 2011 Star Sands, Inc.ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開るろうに剣心 2012年8月25日より全国にて公開© 和月伸宏/集英社© 2012「るろうに剣心」製作委員会第17回釜山国際映画祭 [映画祭] 2012年10月4日から10月13日まで韓国・釜山にて開催
2012年10月05日本日(現地時間)、今年も韓国最大の映画の祭典「釜山国際映画祭」が幕を開けた。チャン・ドンゴンやソ・ジソブ、タン・ウェイにチャン・ツィイーとアジア圏を代表するトップスターたちが数多く参加することで注目を集めている本映画祭。今年は、『G.I.ジョー』シリーズや『RED/レッド』の続編など、ハリウッド映画への出演でいまや国際的スターとなったイ・ビョンホンも、主演を務めた歴史大作『王になった男』を引っさげ現地入りを果たしているようだ。1616年、朝鮮第十五代王・光海君(クァンヘグン)。道化師・ハソンは、権力争いのため毒殺の危機に怯える光海と瓜二つという理由から、彼の影武者を務めることに。ハソンを王に仕立て上げる重臣たち、王を偽物ではないかと疑う家臣たち、そして心が通い合わなくなっていた王の突然の変化に戸惑う王妃。さまざまな人間関係が複雑に絡み合う宮中で、平民出身のハソンは戸惑いながらも、次第に民のことを考える“真の王”として頭角を現していく――。韓国ドラマの中でも、「トンイ」や「イ・サン」、「宮廷女官チャングムの誓い」など、日本でも人気を集めている時代劇だが、『王になった男』は人気・実力を兼ね備え、これまで数々の作品に出演したきたビョンホンが初めて時代劇挑んだ注目作だ。さらに、暴君・光海と道化師・ハソンの一人二役にも挑戦し、まったく性格の異なる役を完璧に演じ分けている。脚本は『オールド・ボーイ』のファン・ジュエン、監督は『麻婆島(マバド)』、『あなたを愛しています』のチュ・チャンミンが手がける。絢爛豪華な王朝時代を背景に、歴史から消された15日間に“王となった男”を緻密な構成とドラマチックな展開で描く本作。すでに公開を迎えている本国・韓国では絶賛を浴びており、現在、参加中の釜山国際映画祭では胸を張っての凱旋となりそうだ。ビョンホンは10月6日(現地時間)の夕方から行われるトークショー、同日夜のオープントークに出席する予定だという。『王になった男』は、2013年2月、全国にて公開。■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved
2012年10月04日10月5日(金)~7日(日)の3日間、東日本大震災で被災した宮城県三陸で、“第1回三陸映画祭in気仙沼”が行なわれることが決定し、上映作品や登壇ゲストが発表された。その他の写真映画祭期間中は、震災後に避難所にもなっていた気仙沼市民会館をメイン会場に、気仙沼周辺の建物を映画館として利用し、すべての作品を無料で上映するという。クロージングでは、気仙沼を舞台にした園子温監督作の『希望の国』が10月20日(土)の本公開を前にジャパンプレミア上映されるほか、本映画祭の発起人のひとりである堤幸彦監督の『自虐の詩』『明日の記憶』や、『第9地区』『ショーシャンクの空に』など、気仙沼市民を対象に実施したアンケートから選考した新旧の洋邦併せて約40作品が上映される。また、親子・家族でも楽しめるように、『ポケットモンスター』『ドラえもん』などの作品も上映。さらに、 園監督や堤監督をはじめ、作品出演者や映画関係者らのトークショーなどのイベントも行われる予定だ。メインスポンサーも無く、ボランティアを中心とした実行委員会は、運営資金をソーシャルファンディング“WESYM(ウィシム)”を通じて10月末まで募集中。地元住民や全国各地からの協力に、実行委員の臼井賢志氏は「多くの反響をうれしく思っています。来年、再来年も継続したい」と話している。『三陸映画祭in気仙沼』10月5日(金)~7日(日)気仙沼市民会館ほか、気仙沼市にある既存の建物にて上映
2012年10月01日今年で18回目を迎える「KAWASAKI しんゆり映画祭 2012」が、10月6日(土)から14日(日)まで川崎市の新百合ヶ丘で開催される。ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘でオープニング作品4作品が上映され、その後、川崎市アートセンターをメイン会場にして“映画よ どこへ”をテーマに、映画誕生から現代までのそれぞれの時代を彩る名作や、日本映画界の未来を担う新進監督作品、アジアの秀作など28作品が上映される。その他の写真「KAWASAKIしんゆり映画祭2012」は、1995 年に川崎市の“芸術のまち構想”の一環としてスタート。“市民(みんな)がつくる映画のお祭り”として、地域住民や地元企業の協力を得ながら、ボランティア・スタッフが中心となって企画・運営を実施。行政がバックアップする新しいスタイルの市民映画祭として定着・発展している。今年は「特集 役者一代・役所広司」と名打った特集も開催され、本映画祭にゆかりの深い役所の主演作『キツツキと雨』『Shall we ダンス?』『東京原発』『わが母の記』を上映。『キツツキと雨』の上映後には役所によるトークイベントも予定されている。また、映画祭では副音声ガイド・日本語字幕付きのバリアフリー上映も行なわれる。【第18回 KAWASAKI しんゆり映画祭 2012】開催概要期間:10月6日(土) ~ 14日(日)会場:10月6日(土)ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘、10月7日(日)~ 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 、アルテリオ小劇場上映作品:28作品(プログラムは公式サイトを参照)料金:800円/当日1000円一部プログラム無料、特別料金
2012年09月27日世界各地の秀作を集める映画祭「第13回東京フィルメックス」のラインナップ発表記者会見が26日に都内で行われ、林加奈子ディレクター、市山尚三プログラム・ディレクターと、審査員を務める秦早穂子氏、イスラエル大使館のニル・ターク氏、園子温監督、大森立嗣監督が登壇した。その他の写真毎年、世界各国の作品を紹介し、さらに日本映画を海外に紹介する取り組みも続けている本映画祭。今年も本日現在で46作品の上映が決定している。林ディレクターはコンペティション部門の作品について「独創的で、社会に向き合い、どう伝えるか工夫されている作品が揃った」と自信を見せ、オープニングにホン・サンス監督の『3人のアンヌ』が、クロージングにバフマン・ゴバディ監督の『サイの季節』が上映されることも発表した。また特別招待作品にも、アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラが手がけるオムニバス作品『ギマランイス歴史地区』や、アモス・ギタイの最新作『父へのララバイ』、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『メコンホテル』、今年のヴェネチア映画祭で最高賞を受賞したキム・ギドク監督の『ピエタ(原題)』など、本映画祭と縁の深い映画作家の作品が揃った。“ジャパン・フォーカス”部門で新作『ぼっちゃん』が上映される大森監督は、秋葉原で起こった連続殺人事件にインスパイアされた本作が上映されることについて「フィルメックスはお客さんの目が肥えているので、自分にとっての良い物差しになる」と述べ、1995年に撮影されるも未完成のままだった幻の作品『BAD FILM』を出品する園監督は「編集していて、今の自分の映画がすべてこの映画に通じていると感じたし、『BAD FILM』がなければ現在の自分はないと思いました。フィルメックスは稀有でストイックな素晴らしい映画祭で、観客がどんな反応をするのか楽しみにしています」と語った。本映画祭ではさらにイスラエル映画傑作選や、木下恵介監督生誕100年祭、人材育成事業“タレント・キャンパス・トーキョー2012”など様々なプログラムを開催する。第13回東京フィルメックス11月23日(金・祝)~12月2日(日)有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇で開催
2012年09月26日現在公開中の堺雅人主演映画『鍵泥棒のメソッド』が、台湾版アカデミー賞とも言われる第49回台北金馬奨映画祭(現地時間11/8~23)のパノラマ部門に出品されることが決定した。その他の写真本作は、『運命じゃない人』『アフタースクール』を手がけた内田けんじ監督が4年ぶりにメガホンを執った最新作。貧乏役者・桜井(堺)が、転倒して記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ(香川照之)になりすましたことで、ある事件に巻き込まれていく姿を描いた喜劇だ。本作はすでに上海、香港、マレーシアの映画祭で上映されており、第15回上海国際映画祭では日本で初めて脚本賞を受賞する快挙を成し遂げている。また、9月にカナダで開催されたトロント映画祭でも絶賛を受け、米「ヴァラエティ誌」は「3人のキャラクターを注意深く重ね合わせ、それを運命的な出来事に向かわせる。練りにねったチェスを動かしているような構造が出来ている」と評価しており、各国で高い評判を得ていることがわかる。今後は、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭と上映が決定しており、台北で現地時間11月8日より開催される金馬奨映画祭での上映にも注目が集まりそうだ。『鍵泥棒のメソッド』公開中
2012年09月24日第37回トロント国際映画祭ではコンテンポラリー・ワールドシネマ部門に選出され、同映画祭を沸かせた内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』が、11月8日(現地時間)より開催される“台湾版アカデミー賞”と呼ばれる第49回台北金馬奨映画祭パノラマ部門に出品されることが決定した。ある日、銭湯で転倒し記憶を失った伝説の殺し屋と、ひとりの売れない貧乏役者、2人の男の人生が入れ替わるところから始まる予想不可能なストーリーが、絶妙な笑いを生み出す本作。上海、香港、マレーシアの映画祭ですでに上映され、アジア全土で高い評価を得ている本作だが、先日行われたトロント国際映画祭でも大絶賛を受け、米「Variety」誌では「3人のキャラクターを注意深く重ね合わせ、それを運命的な出来事に向かわせる練りに錬ったチェスを動かしているような構造ができている」とベタ褒め!「上海国際映画祭で脚本賞も受賞しており、ほかのテリトリーでのセールスを感じられる」とも同誌に書かれている通り、北米、ドイツ、アジア各国から問い合わせが殺到しているようだ。今後は、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭と海外映画祭での上映が相次ぐ。日本ではすでに公開を迎えているが、今回の出品決定のニュースを受け、さらなる注目が集まることは間違いなさそうだ。『鍵泥棒のメソッド』は全国にて公開中。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月24日フランス映画ながら、日本での観客動員数が36万人を突破する大ヒットを記録している『最強のふたり』。先日、本作の監督を務めたオリヴィエ・ナカシュとエリック・トレダノが自身のtwitterを通して、2013年度のアカデミー賞外国語映画賞のフランス代表として本作が選出されたことを明らかにした。事故で車いす生活になった大富豪と彼の世話をすることになった黒人青年。生まれも育ちも全く異なる2人が衝突しながらも互いを受け入れ、友情を築いていく姿を描く。本国・フランスでは3人に1人が観たと言われ、各国の大統領なども関心を寄せる社会現象を巻き起こした本作。昨年の東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞するなど、公開を前に日本でも大きな注目を集めていたが、公開を迎えてからもその勢いは衰えることなく、公開3週目に入っても全国興行収入ランキングでに3週連続TOP10入りを果たすなど、口コミでその良作ぶりは広まり続けている。さらに、北米でも本年度外国語映画No.1の動員数を誇り、世界各国で開催される映画祭ではすでに数多くの賞を総なめにしてきた『最強のふたり』。今年のアカデミー賞で作品賞ほか5部門を制したフランス映画『アーティスト』の再来を予感させる本作の快進撃に、再び世界が注目している。オスカーのノミネート作品発表は2013年1月10日(現地時間)、昨年に続くフランス映画旋風からまだまだ目が離せない。『最強のふたり』はTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開中。■関連作品:最強のふたり 2012年9月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORPアーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm
2012年09月21日今年で25回目を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)の記者会見が、9月20日(木)、東京・六本木で行われ、上映作品の選定に携わった代表の矢田部吉彦やチェアマンの依田巽らTIFF関係者に加え、今年のアンバサダーに就任した女優・前田敦子、コンペティション部門に出品することとなった映画監督・松江哲明が出席した。毎年、ハリウッドスターや著名な監督たちが国内外から数多く参加し、大きな盛り上がりを見せるアジア最大級の映画の祭典である本映画祭。この日、前田さんは「AKB48」を卒業し、アイドルではなく女優として登壇。「25回目の開催、本当におめでとうございます。今回、TIFFアンバサダーに選んで頂いて、とっても嬉しいです。でもとっても緊張しています」と、映画祭の“顔”となった胸の内を明かした。「本当に映画が大好きで、映画館に1人で行ったり、DVDを借りて家で見たりしてます。映画館に行ったら、隣にいるかも(笑)」と“会いに行ける女優”であると明かし報道陣を沸かせた。さらに、今後どんな“女優”になりたいかとMCに問われると、「いま、素敵なスタートラインに立たせて頂いていると思います。(人々に)求められる女優になりたいです」と意気込みを語った。今年は世界中から、映画祭史上最多となる1,332本もの中から選ばれた作品がコンペティション部門で上映される。昨年、同映画祭の「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した『トーキョードリフター』の松江哲明監督は、今回『フラッシュバックメモリーズ 3D』でコンペティション部門への出品となったが「昨年からの流れがあって、コンペに出させて頂けたので、非常に嬉しいです」と感激を隠せない様子。そのほかにも、『きみに読む物語』などで知られるニック・カサヴェテス監督の新作『イエロー』など、例年以上にバラエティーに富んだラインナップ。この日の会見では、今年のオープニング作品に決定した『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』で製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロン監督からのメッセージも上映。「『タイタニック』が映画祭で上映されてから15年。東京国際映画祭とは、『タイタニック』、『アバター』と長年深いご縁があります。きっと今回の作品もみなさんに夢中になってもらえるはずです」と自信をうかがわせるコメント。また、クロージング作品となるクリント・イーストウッド主演作『人生の特等席』や、特別オープニング作品としてオスカー受賞監督のリドリー・スコットが製作総指揮を務め、東日本大震災から1年たった2012年3月11日の日常の投稿映像を繋いで製作された映画『JAPAN IN A DAY』の上映に加え、この日新たに、生誕50周年となる『007』シリーズの最新作『007スカイフォール』のフッテージ上映が行われることも発表された。さらに現在、国際情勢上での不和が取り沙汰されている中国や韓国などからも作品が出品されるとあって、報道陣からは政治的な事情が影響の質問が飛ぶなど国際映画祭ならではの会見となった。第25回東京国際映画祭期間:10月20日(土)~28日(日)まで場所:六本木ヒルズほか公式サイト:■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.人生の特等席 2012年11月23日より丸の内ピカデリー3ほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.JAPAN IN A DAY 2012年11月3日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2012 FUJI TELEVISION NETWORK, JAPAN IN A DAY FILMS LTD.
2012年09月20日8月にアイドルグループのAKB48を卒業した前田敦子が20日に都内で行われた第25回東京国際映画祭(10月20日~28日開催)のラインナップ発表会見に出席し、映画祭の“顔”ともいえるTIFFアンバサダーの就任を発表した。その他の画像卒業後は目標だった女優の道を歩み出し、先日も黒沢清監督の最新作『一九〇五』でトニー・レオンと共演することが明らかになったばかり。今回、TIFFアンバサダーとして一足早い国際舞台でのデビューを飾り「25回おめでとうございます。素敵なお役目をいただき、本当に嬉しいです。緊張もしていますが、私自身も映画が大好きなので、たくさんの人と交流できるのを楽しみにしている」と抱負のコメント。今後の女優業について「素敵なスタートラインに立たせていただいた。どんな役にも挑戦し、求められる女優さんになりたい。頑張ります!」と決意を新たにした。コンペティション部門には松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ 3D』(日本)をはじめ、『イエロー』(ニック・カサヴェテス監督/アメリカ)、『もうひとりの息子』(ロレーヌ・レヴィ監督/フランス)、『シージャック』(トビアス・リンホルム監督/デンマーク)、『未熟な犯罪者』(カン・イグァン監督/韓国)、『黒い四角』(奥原浩志監督/日本)など15作品を予定している。今年のコンペティション部門の審査委員長は、“インディペンデント映画の神”として名高いプロデューサーのロジャー・コーマンが就任。昨年、映画界に多大な功績を残した半生を検証するドキュメンタリー『コーマン帝国』が特別招待作品として上映された鬼才が、1年ぶりに“凱旋”し新たな才能に光を当てる。また、オープニング作品は『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』(アンドリュー・アダムソン監督)、クロージング作品にはクリント・イーストウッドが俳優復帰を果たした感動作『人生の特等席』(ロバート・ロレンツ監督)が上映される。また、特別オープニング作品として『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』の上映も決定。同作はリドリー・スコット監督による「3.11から1年後の“あの日”を、あなたはどう過ごしましたか?」という問いに対し、YOU TUBEを通して投稿された映像の数々を紡いだソーシャル・ネットワーク・ムービーだ。映画祭期間中は、昨年の“TIFF ARIGATO プロジェクト”に引き続き、募金などを通して震災復興への取り組みを継続することになっている。チェアマン就任5年目を迎えた依田巽氏は「今年のスローガンは“今こそ、映画の力”。今回、世界中からコンペティション部門に応募いただいたのは1332本。5年前の数字から倍増している」と国際的な注目の高まりをアピール。「多くの映画人による“国境”のない交流を通して、さらなるリンケージ(提携)が広がれば」と国際映画祭としてのさらなる飛躍を誓った。
2012年09月20日6日から開催されていたトロント映画祭が、現地時間16日に閉幕した。観客賞を受賞したのは、デビッド・O・ラッセル監督の『Silver Linings Playbook』。園子温監督の『希望の国』は、今年新設されたNETPAC賞を受賞した。その他の写真カンヌやヴェネチア映画祭と違い、トロント映画祭では、映画祭が選んだ審査員が話し合って賞を決めることはしない。観客もチケットを買って映画を観られるオープンな映画祭で、観客が投票する観客賞が最高賞となる。『アメリカン・ビューティ』『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』など、トロントで観客賞を取った映画がオスカーで作品賞を取ったケースは多く、近年、トロントの動向はますます注目されている。『Silver Lining Playbook』は、ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロらが出演し、家族の関係を描く、笑いと感動にあふれる物語。次点はベン・アフレックが監督する『アルゴ』。1979年に起こったイランにおけるアメリカ人捕虜救出の裏側にあった本当の作戦を描く、スリル満点の娯楽作だ。また、ミッドナイト・マッドネス部門で上映された作品を対象にする観客賞は、マーティン・マクドナー監督の『Seven Psychopaths』に贈られた。園子温監督の『希望の国』が受賞したNETPAC賞は、Network for the Promotion for Asian Cinemaが選出するもので、今年新設されたもの。トロントでワールドプレミア、あるいは海外プレミアをしたアジア映画の中から選ばれる。『希望の国』は10月20日(土)、『アルゴ』は10月27日(土)日本公開。『Silver Lining Playbook』の日本公開は未定。『希望の国』10月20日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー『アルゴ』10月27日(土) 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー取材・文:猿渡由紀
2012年09月19日したまちコメディ映画祭に新しく創設された「ソフト・スルー・コメディ大賞」が、東京都美術館で17日に開催され、投票で選ばれた大賞作品の発表と、ソフト・スルー新作『Mr. ズーキーパーの婚活動物園』が上映された。その他の写真“ソフト・スルー”とは、外国映画などを日本で劇場公開をしないまま、DVDやブルーレイなどでソフト化することを言い、特にコメディ作品に多い傾向にある。本賞は、ソフト・スルー作品の活性化を目的として、したまちコメディ映画祭と雑誌&WEB媒体「DVD&ブルーレイでーた」とのコラボレーションにより実現。2011年8月~2012年7月にDVD、ブルーレイでリリースされた外国映画のソフト・スルー作品の中から、「DVD&ブルーレイでーた」特設WEBページでの投票により“最も笑える映画”を選出、表彰した。会場では、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの杉本光成氏、映画祭ディレクターの大場しょう太氏らが登壇。大場氏はコメディ作品のソフト・スルーについて、「『ハングオーバー…』や『キック・アス』などの成功例もあり、ニーズが出てきているのではないか?」と分析。杉本氏は「言葉の違いもあるので、コメディは文化色、ローカル食が強くなるが、コメディ=国の文化だと思っている。(今日来場している)お客さんはそこがわかっている方だと思う。どんどん広まっていけば」とアピールした。また、「DVD&ブルーレイでーた」の新井京子氏は、「劇場公開されずにDVD化される作品が増えてきている。読者に作品を観て欲しい、来年もやります!」と意気込みを見せ、大場氏は、「ミニシアターが減っているのがこの現象の原因なのかなと思う。シネコンでちょっとでもこういう作品が上映できるように、映画祭で頑張っていきたいと思う」と語った。大賞は、『聖トリニアンズ女学院 史上最強!?不良女子校生の華麗なる強奪作戦』(発売・販売元/アットエンタテインメント)が受賞。本作は『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースや、ルパート・エベレットらが出演するイギリスの青春コメディで、シリーズ2作目もDVDでリリースされている。
2012年09月18日ブラッドリー・クーパー主演作『Silver Linings Playbook』(原題)が第37回トロント国際映画祭で最高賞を受賞した。『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセルがメガホンをとり、ブラッドリーとジェニファー・ローレンスが共演する同作は、最高賞にあたる「ピープルズ・チョイスアワード」を獲得した。過去には『スラムドッグ$ミリオネア』や『英国王のスピーチ』などが同賞に輝いている。マシュー・クイック原作の同名小説の映画化となる本作は、ブラッドリー扮するパットがノイローゼから回復して幸せを探そうと決意し、ジェニファー扮する女性・ティファニーに出会ったことで将来に希望を見出せるようになるというストーリーだ。ブラッドリーとジェニファーのほかに、ロバート・デ・ニーロやクリス・タッカーが出演している。『Silver Linings Playbook』は11月21日(現地時間)に全米公開予定だ。
2012年09月18日第69回ヴェネツィア国際映画祭が8日(現地時間)に閉幕し、コンペティション部門作品賞にあたる金獅子賞は韓国のキム・ギドク監督『Pieta』(原題)が受賞した。韓国映画の金獅子賞受賞は史上初。ギドク監督は受賞スピーチの代わりに「アリラン」を熱唱した。銀獅子賞(監督賞)を受賞したのは『The Master』(原題)のポール・トーマス・アンダーソン監督。サイエントロジーの創始者であるロン・L・ハバードをモデルに、とある新興宗教団体のリーダーと第二次世界大戦から復員後に信者となった男の物語。リーダーを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと、やがて主人公の右腕となる男を演じたホアキン・フェニックスは共に優秀男優賞を受賞した。アンダーソン監督とフェニックスは既にトロント国際映画祭に向かった後だったが、ホフマンは単身ヴェネツィアに戻り、空港から直接会場入りして賞を受け取った。実はその後、コンペティション部門の審査委員長マイケル・マン監督が賞を渡し間違えるハプニングが発生。場内アナウンスがイタリア語だったために混乱したようで、審査員特別賞を授賞すべきところで、マン監督が発表したのは銀獅子賞受賞者、『The Master』のポール・トーマス・アンダーソン監督の名前。だが、アンダーソン監督に代わって再登壇したフィリップ・シーモア・ホフマンは何の疑いも持たずに審査員特別賞の楯を受け取った。この時点で一部の審査員や会場の観客は異変に気づいたが、マン監督は次の賞の授与をする際、銀のライオン像が用意されているのを見て、ようやく間違いに気づいたという。そこでホフマンは三度壇上へと呼ばれ、審査員特別賞の受賞者、『Paradise:Faith』(英題)のオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督と、楯と銀獅子像を交換した。優秀女優賞はイスラエルの『Fill the Void』(英題)のハダス・ヤロン、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)はマルコ・ベロッキオ監督の『Dormant Beauty』(英題)と『E Stato Il Figlio』(原題)の2作に出演したファブリッツォ・ファルコが受賞。優秀脚本賞は、現在『カルロス』が日本でも公開中のオリヴィエ・アサイヤス監督の新作『Apres mai』(原題)が受賞した。オリゾンティ部門の最優秀作品賞、オリゾンティ賞は中国のワン・ビン監督の『Three Sisters』(英題)が受賞。日本からの出品したコンペティション部門の『アウトレイジ ビヨンド』(北野武監督)、オリゾンティ部門の『千年の愉楽』(若松孝二監督)は惜しくも受賞は逃した。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会千年の愉楽 2012年秋、全国にて公開
2012年09月10日トロント映画祭が、現地時間6日に開幕した。今年の開幕作品は、『LOOPER/ルーパー』。ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ブルース・ウィリス、ライアン・ジョンソン監督が、会見で映画への思いを語った。その他の情報本作の舞台となる近未来では、30年後の世界から送り込まれる人間を殺す通称“ルーパー”たちがいた。だが、ある時、すご腕“ルーパー”のジョーが直面した男は、30年後から送られてきた自分だった―。“今”のジョーを演じるのはゴードン=レヴィット。彼の30年後を演じるのはウィリス。ジョンソン監督は、『BRICK〈ブリック〉』に出演したゴードン=レヴィットに早くからこの構想を話しており、彼をイメージしてジョーというキャラクターを書いたと会見で明らかにした。「当時、僕は、フィリップ・K・ディックにはまっていて、彼の作品を連続して読んでいたんだ。短編として書き始めたけど、次第にアイデアが広がっていったのさ」。未来のジョー役をオファーされたウィリスは、「脚本があまりに賢くて、読み終えた直後に、僕はこれに出ると宣言していたよ」とコメント。もし、実際に過去の自分に直面することができたらどんなアドバイスをするかと聞かれると、人生というものはほんの先のことすらわからないものだと指摘した上で、「何事も真剣に取りすぎるなと言うね」と語った。トロント映画祭は現地時間16日まで。『LOOPER/ルーパー』は1月12日(土)日本公開予定。『LOOPER/ルーパー』2013年1月12日(土)日本公開予定取材・文・写真:猿渡由紀
2012年09月07日昨年、日本で劇場公開され映画ファンの熱い支持を集めた『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングが再タッグを組んだクライム・サスペンス『The Place Beyond The Pines』(原題)が2013年、日本公開されることが決定!これに先駆けて、カナダ・トロントにて現在開幕中のトロント国際映画祭にて、ライアンと共演者で恋人のエヴァ・メンデスが本作を引っさげ、揃って登場する。輝きを放つ恋愛期間から色褪せていく夫婦の関係を叙情的に描き、男女共に支持を集めた『ブルーバレンタイン』。徹底した役づくりでミシェル・ウィリアムズと共に、すれ違う夫婦の関係をリアルに演じきったライアン。その後、『ドライヴ』や『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』など、主演作が続くいま最も忙しい人気俳優の1人となった彼だが、再びシアンフランス監督とタッグを組む本作で演じるのは、バイクのスタントマン。元恋人のために銀行強盗を働き、刑事に追われる身となる彼だったが、元恋人の元には彼の子供がいて…。その元恋人を演じるのが、本作をきっかけにプライベートでもライアンの恋人となった『ワイルド・スピード』シリーズのエヴァ・メンデス。さらに、彼を追う刑事役に『ハング・オーバー』シリーズのセクシー男優、ブラッドリー・クーパーと、色気あふれる男女が揃い踏み。また、このたび9月7日(現地時間)にカナダのトロント国際映画祭にて、本作の世界初披露となるワールドプレミアを行うことが決定!当日は、シアンフランス監督にライアン、エヴァが揃って登場予定とのこと、恋人同士となった2人が公の場に揃うのはこれが初となるため、ツーショットが待ち望まれる。『The Place Beyond The Pines』は2013年、全国にて公開。第37回トロント国際映画祭は9月16日(現地時間)まで開催。■関連作品:The Place Beyond The Pines (原題) 2013年、全国にて公開© 2012 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved
2012年09月06日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日8月25日(土)の公開以来、82万人を超える動員数を記録している、高倉健6年ぶりの主演作『あなたへ』が現在開催中の第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品され、高倉さんが18年ぶりに海外での映画祭で現地に赴いた。1994年の『四十七人の刺客』でヴェネチア映画祭に参加して以来の海外の映画祭への参加となる高倉さん。モントリオール映画祭では、盟友・降旗康男監督とタッグを組んだ傑作『鉄道員』で日本人俳優としては初の最優秀賞男優賞を受賞したが、実際に映画祭に参加するのは今回が初めてとなった。31日(現地時間)に現地入りした高倉さんは、「良い街ですね。一番良い季節に来ることができたので、とてもきれいで気持ちが良いですね。モントリオールに部屋を借りようという話もしていました」とリラックスした様子で、街を散策するなど、初めてのモントリオールを満喫してしていた。翌々日の2日に行われた公式会見には海外メディアなど約100人もの人々が集まり、「こんなに大勢の方がいらっしゃるとは思いませんでした。大変嬉しいです」と驚きを隠せない様子の高倉さん。前作『単騎、千里を走る』からなぜ6年も俳優業を休んでいたのか?という質問があがると、「Very difficult question.(難しい質問です)。いまはまだ分かりません。6年前に中国映画に出てから、自分の仕事の仕方を考え直していました。まだ結論は出ていません」と明かすや、今回の映画祭への出席の理由を「13年前に『鉄道員』で最優秀男優賞をいただいたので、どこかで御礼がしたかったことと、降旗監督が来れなくなったのでしぶしぶ来ました」と冗談を飛ばし、会場を沸かせた。また、同日に行われた公式上映では、エンドロール開始直後から拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションが続いた。この光景を目にして涙を浮かべた高倉さんは、手を上げて観客に応え、自らも観客に声をかける姿に、さらに観客から盛大な拍手が送られた。会場を後にした高倉さんは、「泣いちゃったね。ふっと出てしまったよ。映画祭は良いものだね。何十年も役者をやってきても、こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました。映画にはそういう力があります」と感激しきりといった様子だった。海外プレスや一般観客からは「日本的な内面の感情表現がとても美しい」、「高倉健が81歳だなんて信じられません。これからも何本も作品に出てほしい」など作品や高倉さんの演技に対して高い評価を集めていた本作。受賞にも期待がかかる。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年09月04日「ぴあ」調査による9月1日公開の映画・満足度ランキングは、フランスで昨年の興収ナンバーワンに輝いた『最強のふたり』がトップに輝いた。2位に“レゲエの神様”ボブ・マーリーのドキュメンタリー映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』が、3位に赤塚不二夫原作の人気漫画を綾瀬はるか主演で実写化した『映画 ひみつのアッコちゃん』が入った。その他の写真1位の『最強のふたり』は、年齢も生活環境も異なるふたりの男性が出会い、深い友情を育んでいく姿を描いた人間ドラマ。観客からは「ふたりの掛け合いにお腹を抱えてげらげら笑い、爽快感を味わえた」「ときには先のことばかり考えずに動いてみるのもいい。明日から頑張ろうと思った」「キャストふたりの演技が素晴らしい。前向きに生きる力が伝わってきた」「新しい発見があり、障がい者との接し方を改めて考えさせられた」「この作品の魅力は、感動と笑いに包まれながら話が進んでいく点」「ふたりの信頼関係には、それぞれの人間性が表れていて、外見や人種の違いをこえたハートを感じることができた」などの声があがり、幅広い世代から高い満足度を獲得。公開初日は、満席の回が続出する注目度で、口コミによるさらなる動員増が期待できそうだ。2位の『ボブ・マーリー…』は、家族や友人、バンド・メンバーによる貴重なインタビューなどでボブ・マーリーの素顔に迫った記録映画。出口調査では「本人の映像を観ながら、時系列で彼の人生をたどれたので、曲の背景を知ることができてもっと好きになった」「厳しい人生の中で平和を願って歌い続ける姿は素晴らしいしカッコイイ」「レゲエの紹介にとどまらず、戦争や人間の根源に関わるテーマを、音楽を通じて紐解いていくので考えさせられた」「レゲエを知らない人でも展開に引き込まれていくのでオススメ」などのコメントが寄せられた。(本ランキングは、2012年9月1日(土)に公開された新作映画6本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年09月03日先日、大盛況のうちに幕を閉じた野外映画祭「星空の映画祭」。シネマカフェでは、今年初めてオフィシャル・メディアパートナーとして同映画祭を応援するため、映画祭史上初となる1泊2日のオフィシャルツアーを開催した。まだ知らないあなたのために、映画祭の見どころを映画祭を初体験した参加者の声を交えてご紹介!8月18日(土)・19日(日)の1泊2日にわたり敢行されたこちらのバスツアー。長野県諏訪湖周辺にある伊勢神宮と並ぶ名パワースポット・諏訪大社に参拝し、夕方に会場の原村に到着。素敵なご夫婦が夏限定で運営するペンションで、長野県産の野菜をふんだんに使った夕食で腹ごしらえをし、一同は映画祭へ!だが、野外で映画の上映が行われるこの日は午前中からまさかの豪雨…。すると諏訪大社のご利益か、夜になると夕方まで降り続いた雨がうそのように晴れあがり、会場へと向かう人々が夜空を見上げて歓喜する姿があちらこちらで見られた。この日上映されたのは、小栗旬と岡田将生主演で大ヒットを記録した『宇宙兄弟』。ばっちりと晴れあがった夜空の下で観る壮大な“宇宙”の物語とあって、この体験で感じた「ロマンチック度」を聞いてみると参加者の8割以上の人が、100点満点中「100点」以上をつけていた。今回このツアーに参加したメンバーは全員、同映画祭に参加するのはこれが初めて。特に恋人や夫婦での参加が目立っていたが、「大切な人とロマンチックな時間は過ごせましたか?」という質問には、参加者全員が「はい」と回答。さらに、「とにかく良かった!星空が一面に広がっていて感動しました」(20代・女性)、「(上映作品の)画面が暗くなったときや、空のシーンになったとき、森や空との一体感を味わえ、そのときの星がとてもキレイ!大自然の中で笑ったり泣いたり、感情を共有できるところがいい」(20代・女性)と、満点の星空の下で観る映画に大感激だった様子がうかがえる。そのほかにも「映画も星空も、東京でもいつでも見れるものですが、同じものでも美しさや自然の中で感じるそれらは、いつもよりもすごくすごく素敵でした!」(20代・女性)、「本当に最高のシチュエーションです!!自分を見直すきっかけにもなりました」(20代・男性)と、“非日常”の体験に興奮する声も。さらに、「(山の上は)ちょっと肌寒いので、つい隣の人とくっつきたくなる(笑)」と同行者との急接近も期待できる効果も(?)。標高1,300メートルの山上での開催とあって、真夏にも関わらず参加者同士が熱々のコーヒーを手に身を寄せ合う微笑ましい姿も見られた。例年に比べて動員数が大幅に増加し、当初予定していた人数を大きく上回り4,000人超が参加する大盛況となった今年の「星空の映画祭」。この隠れた名スポットに、来年こそはあなたもぜひ参加してみては?特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」「星空の映画祭」公式サイト■関連作品:宇宙兄弟 2012年5月5日より全国東宝系にて公開© 2012「宇宙兄弟」製作委員会
2012年08月31日10月5日(金)~7日(日)の3日間、東日本大震災で被災した宮城県三陸で、第1回「三陸映画祭in気仙沼」を開催。約40作品が無料で上映される。その他の写真会場は、気仙沼から南気仙沼にいたる中心部や、米軍によるトモダチ作戦の拠点となった大島の大小12の建物。震災後、避難所にもなっていた気仙沼市民会館をメイン会場に、気仙沼市最古のお茶屋さん・齋藤茶舗や、もともと鼎座というシアターでもあったリアスシャークミュージアムなど、大小さまざまな既存の建物が映画館として利用される。上映作品は、気仙沼市民を対象に実施されたアンケートなどからも作品が選考され、親子でも楽しめるように、アニメなどの子ども向けの映画の上映も計画されている。さらに、映画祭開催期間中は堤監督をはじめとする映画関係者によるトークショーなどのイベントや、地元の漁師や商工会議所などの協力で、カツオやマグロなどの名産物を楽しめる屋台も展開される予定。なお、映画祭の実行委員会はソーシャルファンディング・WESYM(ウィシム)で映画祭運営資金の支援を求めており、支援参加者にはTシャツやトークショー招待などのプレゼントが用意されているという。被災地で大規模な映画祭が実施されるのは、今回が初の試み。いまだ前例がない本イベントに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。三陸映画祭in気仙沼10月5日(金)~7日(日)
2012年08月31日「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2012」が9月14日(金)から23日(日)までTジョイ・博多ほかで開催される。同映画祭は、アジアの玄関口・福岡で、アジアとの交流の輪をさらに深めるために開催される「アジアマンス」の主要事業のひとつとして1991年にスタート。上映作品は、映画祭ディレクターが事務局スタッフとともに実際にアジア各地に足を運び、現地調査を実施し選定。本映画祭ではアジア各地から参加するゲストや、地元の留学生が鑑賞できるように、日本語のみならず英語字幕も付けられる(一部作品を除く)。このため、本映画祭で上映した作品が話題となり、世界各地にフィルムが貸し出されて高い評価を得るなど、情報発信の役割も果たしてきた。また、監督や主演俳優等をゲストとして招待し、会場での舞台挨拶や上映後のQ&A、シンポジウムなども行なうなど市民との交流も図っている。今回も、Tジョイ・博多をメイン会場にトルコ、インド、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、タイ、中国、韓国など、様々なアジアの国の映画を上映。国内ではなかなか観ることのできない貴重な作品が揃う。また今年は、映画祭初の試みとして、9月14日(金)17時から福岡市役所前広場でオープニングセレモニー&野外上映も開催(無料・要応募)。オープニングの上映作品は、昨年のメガヒット・韓国コメディ『ダンシング・クイーン』。映画祭のゲストが多数登場するレッドカーペットも行なわれる予定だ。オープニングセレモニー参加の応募は、アジアフォーカス・福岡映画祭公式HP()まで。(9月2日(日)締切)。映画祭のチケットは現在発売中。(※一般上映は9月15日(土)より)。
2012年08月30日