青春時代に夢中になったドラマの裏には私たちの知らない“ドラマ”がいっぱい。出演者ご本人を直撃し、今だから話せるエピソードをこっそりお届け!【『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系・’85年~’86年)】ふだんは真面目で気弱な優等生・裕美(杉浦幸)が、別人格である不良少女・ユミに豹変し、夜の繁華街で大暴れするサスペンス&学園ドラマ。「古代ローマの神・ヤヌスは……」と始まるオープニングナレーションが怖かった。「芸能界デビューとほぼ同時に『ヤヌスの鏡』の主演が決まったため、心の準備も、技術的な準備もまったくできていませんでした。だから、1~3話の試写を見たときに演技が下手すぎて“これをテレビで放映して、本当にいいの!?”ってゾッとしました」こう振り返るのは、タレントで女優の杉浦幸さん(54)。昼は真面目な女子高生、夜はケンカも辞さない不良少女になるという、振り幅が大きい役に挑戦した。「撮影に入る前、本当はお芝居のレッスンや、ケンカのシーンのための合気道の稽古をする予定でしたが、スケジュールが前倒しになったため、ぶっつけ本番で演技を覚えていきました」’80年代を席巻した大映ドラマならではの、過剰な演出や浮世ばなれしたセリフにも悩まされた。「ウエディングドレス姿でオープンカーに乗ったり、風見しんごさんに『昨夜はどこに行ってたんだよ』と聞かれ『天の川で夕涼みしてたのさ』と答えたり……。どんな気持ちで演じていいのか困るシーンが多いんですよね(笑)」■撮影中に意識を失い、気がつけば病院に初井言榮さん演じる祖母から、折檻されるシーンも印象に残っている。「テレビ局には『そんなにぶたないで』という手紙が届くこともあったほどですが、初井さんはちゃんと寸止めしてくださっていました。でも、私は痛い表情がなかなか作れなくて。そんなとき、監督から定規でペシッと叩かれて『その顔だよ』と言われて、ハッとしたことも。父親役の前田吟さんは、私が監督に怒られてどうしていいのかわからなくなると、私が冷静になれるよう『お手洗いに行く』などと理由を作り、『大丈夫、大丈夫』と励ましてくださいました」教師役の山下真司に何度も投げ飛ばされるシーンにも挑戦。「20回も30回も投げ飛ばされていると、お互いに疲れて間合いが悪くなるんです。それで、受け身をうまく取れずに、頭を強く打ってしまいました」意識を失い、気がついたのは病院だった。「目が覚めたとき、3人くらいの医師がじゃんけんをしていました。レントゲンを撮るときに上半身裸になるからなのか、誰が担当するのかを決めていたみたい」むちうちと診断され、最低1カ月は首にコルセットをするように指導されたがーー。「もちろん、次の日の朝から、普通に撮影に戻りました。悪夢を見てガバッと起き上がるシーンは痛くてできませんでしたけど(笑)」体を張った撮影現場が、女優として成長させてくれたのだ。【PROFILE】杉浦幸’69年、東京都生まれ。『ヤヌスの鏡』の主役に抜擢されて芸能界デビュー。女優のほか、パチンコ番組やバラエティ番組などで活躍。最新情報はオフィシャルブログをチェック
2023年08月06日スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮で、トニー賞受賞舞台を映画化した『OSLO/オスロ』が6月28日(月)よりU-NEXTにて見放題で独占配信。ルース・ウィルソンやアンドリュー・スコットらキャストたちをとらえたティザー予告も日本初公開された。本作は、1組の夫婦が実現させた歴史的な和平交渉の裏側を描くHBO映画。トニー賞演劇作品賞受賞をはじめ数々の演劇賞を総なめにし、日本でも坂本昌行、安蘭けいによって今年初上演された同名舞台を、スピルバーグ製作総指揮で映画化。いまから約30年前の1993年、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の両代表が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」。この歴史的な和平交渉を叶えたのは、1組のノルウェー人夫婦だった。いかにして、お互い会うことすら禁じられ、激しく敵対する両者の対話が実現したのか?なぜ夫婦は危険を顧みず、献身的に寄り添ったのか?イスラエル人、パレスチナ人、そしてノルウェー人による、スリリングな秘密裏の会合、思いもよらない友情、そして静かな勇気が描かれていく。外交官の妻と社会学者の夫のノルウェー人夫婦を演じるのは、「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」「ミセス・ウィルソン」のルース・ウィルソン、「Fleabag フリーバッグ」「SHERLOCK/シャーロック」などエミー賞ノミネートのアンドリュー・スコット。製作総指揮には、スピルバーグ、マーク・プラット(『ラ・ラ・ランド』『シカゴ7裁判』『クルエラ』)が名を連ね、脚本に原作舞台を手掛けたJ・T・ロジャース、監督にエミー賞受賞舞台監督バートレット・シャー、撮影は『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』などでスピルバーグとタッグを組み、アカデミー賞に2度輝いた名匠ヤヌス・カミンスキーと豪華スタッフが集結。「圧倒的な力作」(ワシントン・ポスト)、「今、観られるべき作品」(TVガイド)、「夢中になった」(ハリウッド・レポーター)と海外メディアから絶賛評が送られ、映画批評サイト「ロッテン・トマト」でも81%の高評価をマーク。U-NEXTでは、5月29日に全米HBO・HBO Maxの放送・配信されたばかりの本作が、わずか1か月後に日本上陸となった。『OSLO/オスロ』は6月28日(月)0時~U-NEXTにて見放題独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:OSLO / オスロ 2021年6月28日よりU-NEXTにて配信© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
2021年06月16日名優ハリソン・フォードが主演を務める映画『野性の呼び声』が本日から公開になる。地図にない場所を求めて旅に出た男と名犬の友情と冒険を描いた壮大な作品で、数々の名作を生み出してきた映画人が集結して製作された。本作の原作はジャック・ロンドンの小説で、これまでも繰り返し映像化・アニメ化が行われてきた。人間にさらわれ、脅され、傷ついて育った犬のバックと、傷心の旅をする男ソーントン(ハリソン・フォード)は偶然に出会い、少しずつお互いの信頼を築き上げ、いつしか相棒になっていく。やがて彼らは地図に載っていない未開の地を目指す旅に出発する。名優フォードと言葉の通じない犬のやりとりと、息つまる冒険を描く本作は、ハリウッドのヒットメイカーが大集結した1作だ。『リロ&スティッチ』や『ヒックとドラゴン』などの作品で“人間と言葉の通じない相棒”を描き続けてきたクリス・サンダースが監督を、『ブレードランナー2049』や『ローガン』のマイケル・グリーンが脚本を担当。スピルバーグ作品で知られる当代きっての撮影監督ヤヌス・カミンスキー、『ライオンキング』で映画ファンを驚かせた映像制作会社MPC(Moving Picture Company)、『キングコング:髑髏島の巨神』の作品世界を作り出したプロダクション・デザイナーのシュテファン・デシャントらが参加し、長年に渡って語り継がれてきた“名作小説”の映画化に挑んでいる。映画は最新の映像技術を駆使したアドベンチャーと、傷を抱えた男と犬の友情が絶妙なバランスで描かれており、幅広い年齢層から支持を集めそうだ。『野性の呼び声』2月28日(金) 全国ロードショー
2020年02月28日8月16日に配信開始したFODオリジナル連続ドラマ『ヤヌスの鏡』について、桜井日奈子さんにお話を聞きました。2つの人格に寄り添い、2人分心揺らして演じました。「このドラマのおかげで、ドロッとした人の闇の部分を演じる楽しさを知りました。新境地を開いてくれた作品と言えるかも」そう桜井日奈子さんが話すのは、8月16日に配信開始したFODオリジナル連続ドラマ『ヤヌスの鏡』。原作は宮脇明子さんの漫画で、34年前にもドラマ化され話題となった。主人公の小沢裕美(ヒロミ)は普段は気弱な優等生だが、時に凶悪な不良少女“ユミ”に豹変する。二重人格の少女をめぐるサスペンスタッチの作品で、怒涛の展開に息を呑む。「二役を演じるということで、違いを表現するのに特に気をつけたのは、目の演技。ヒロミでいる時は目の力を抜き、ユミは意志の強さを目に込めるよう意識しました。ヒロミのほうが演じていてしっくりくると最初は感じたけれど、だんだんユミでいることのほうが楽しくなっていったんですよ。我慢ばかりで内に閉じこもりがちなヒロミが、ユミに切り替わった瞬間に解放される。大空に羽ばたく鳥になったような気持ちよさを感じました」突如凶悪な顔に変わる二重人格者。ドラマならではの話かと思いきや、共感する部分も多かったとか。「ユミは、おばあさまに折檻される辛さから逃げるためにヒロミが作り出した人格なんです。おばあさまに反抗するよりも、ユミという逃げ場を作るほうがラクだから。誰しも自分の感情に目を背けているところってありますよね。自分の弱さを受け入れられない人の葛藤を描いたお話なんだと思う。2つの人格に寄り添い、2人分心揺らしたので、撮影は身を削りました。クライマックスは鼻水も涙も汗も垂らしながら撮り、すべて出しきって空っぽに。そのシーンを楽しみに最終話まで見ていただけたら嬉しいです!」『ヤヌスの鏡』厳格な家庭に育つ高校生・小沢裕美(ヒロミ)が、国生さゆりさん演じる祖母に閉じ込められた納戸で鏡台を見つけたことを機に“ユミ”という別人格の不良少女に変貌する。動画配信サービスFODにて配信中。さくらい・ひなこ1997年4月2日生まれ。「おかやま美少女美人コンテスト」でグランプリ獲得。9月27日公開の映画『任侠学園』に出演。主演映画『殺さない彼と死なない彼女』が11月15日公開。ワンピース¥76,000(masaco teranishi/apresdemain TEL:03・6274・8533)イヤリング¥14,000(somnium/ソムニウム TEL:03・3614・1102)※『anan』2019年8月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・阿井真理ヘア&メイク・今関梨華(P-cott)インタビュー、文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年08月26日女優・桜井日奈子が初の本格歌唱に挑戦した、主演ドラマ「ヤヌスの鏡」の主題歌「花と毒薬」のミュージックビデオが「桜井日奈子official」YouTubeチャンネルにて公開された。フジテレビ動画配信サービス「FOD」で配信中の桜井さん主演ドラマ「ヤヌスの鏡」は、1980年代にも衝撃を呼んだ伝説的作品の再ドラマ化。桜井さんが、大人しい優等生・ヒロミと夜の繁華街に現れる不良少女・ユミという正反対の人格を演じ分けることで注目を集めている。その主題歌「花と毒薬」は、本ドラマのために書き下ろされたオリジナル曲。作曲とプロデュースを人気ロックバンド「MY FIRST STORY」のShoさんが手がけ、ドラマのストーリーを象徴するようなSally#Cinnamonさんによる歌詞が要所に散りばめられた、ハードなロックナンバーとなっている。MVでは、桜井さんが白ドレス、黒ドレス、カジュアルな衣装の3ポーズでそれぞれにキャラクターを演じ、人の多面性を表現。撮影中は、昂ってくる自身の感情を必死にコントロールしながら、時に涙することもあったという桜井さん。「花と毒薬」の世界観を監督と相談しながら表現しながら、初めてのMV撮影を楽しんでいたそう。桜井さんは「MV出演に憧れがありました。初めてのMV撮影が、自分で歌っているものになるとは思いもしませんでしたが、とても貴重な経験をさせていただきました」と喜びを表現。「『ヤヌスの鏡』のように、MVにもホワイト、ブラック、等身大といろんな私が出てきます。ブラック日奈子の時には、自分でもみたことのない表情をしていたので、曲の世界観と合わせて楽しんでいただきたいです」と期待を寄せている。「花と毒薬」は各音楽配信サイトにて配信スタート。「ヤヌスの鏡」はFODにて配信中。※毎週金曜日0時最新話配信(全8話)(text:cinemacafe.net)
2019年08月18日女優・桜井日奈子が、もうすぐ配信スタートするFODオリジナル連続ドラマ「ヤヌスの鏡」の主題歌を担当することが決定した。本作は、1981年~1982年に「週刊セブンティーン」にて連載され、1985年にドラマ化もされた「ヤヌスの鏡」の再ドラマ化。桜井さんが、大人しい優等生・ヒロミと夜の繁華街に現れる不良少女・ユミという正反対の人格を演じ分けるほか、白洲迅、塩野瑛久、仁村紗和、森マリア、萩原聖人、国生さゆりらが出演する。このほど発表された、ドラマのために書き下ろされた楽曲のタイトルは「花と毒薬」。ジャケットビジュアルにもなっている桜井さん演じる主人公・ヒロミのもう一つの人格、不良少女のユミが、様々なしがらみに縛られながらもそれに抗う心の叫びを表しているようなハードなロックナンバーだ。歌詞と桜井さんの力強くもクリアな歌声が、ドラマの世界観を表現する。今回初めてドラマの主題歌、さらに初めて人前で歌を披露するという桜井さん。「初めて二重人格を演じた特別な作品で、まさか私が主題歌を歌わせていただけるなんて驚きでした」とその衝撃を明かしつつ、「ユミの想いが詰まった歌詞とメロディのおかげで、歌は得意ではないですが、感情を込めて気持ちよく歌うことができました。とても貴重な体験をさせていただきました。私に歌わせてくださった全ての関係者の皆様に感謝したいです」とコメントを寄せている。なお、楽曲プロデュースはインディーズであるにも関わらずアリーナ規模の会場を埋めるロックバンド「MY FIRST STORY」のShoが担当した。「花と毒薬」は8月16日(金)0時~配信スタート。「ヤヌスの鏡」は8月16日(金)0時~FODにて配信開始。※毎週金曜日0時最新話配信(cinemacafe.net)
2019年08月03日桜井日奈子(22)がドラマ「ヤヌスの鏡」(フジテレビ系)のリメイク版で主演を務めると、6月14日に発表された。今回は動画配信サービスFODにて連続ドラマ化され、8月からの配信を予定。熱狂的なファンを持つ同作だけにネットで大きな反響を呼んでいる。「ヤヌスの鏡」は厳格な家庭に育った真面目な高校生・裕美に、不良少女の別人格・ユミが現われることで始まる物語。原作は週刊セブンティーンで81年から82年にかけて連載されていた漫画で、85年に大映テレビが制作しドラマ化された。これまで18年の映画「ういらぶ。」や19年のドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」(テレビ朝日系)といった作品でピュアな役柄を演じてきた桜井。各メディアによると「ヒロミは今まで演じてきた役に近かったのですが、ユミは今までに演じたことがない挑戦的な役でした」とコメント。「ユミの何にも動じない余裕と強さを表現するにはどうすればいいのか、強がりに見えないように気をつけました」と葛藤を語ったという。いっぽう大映ドラマ版「ヤヌスの鏡」といえば、その独自の世界観がファンを魅了してきた作品。「古代ローマの神・ヤヌスは、物事の内と外を同時に見ることができたという……」というセリフに続いて、主演の杉浦幸(50)が合気道を披露するオープニングシーンが印象深い。また大映ドラマ版の第7話には「あれが噂のBカップル」、第16話には「私が勝ったと叫ぶ魔少女」と特徴的なサブタイトルが付けられている。その言語感覚がファンを惹きつけてやまないため、Twitterではリメイク版に当時のセリフの再現を期待する声が上がっている。《ヤヌスの鏡の良さは、なんと言ってもセリフ。そんなこと言わねーよ的なクサイ台詞がないと魅力半減。時代錯誤な台詞をリメイクでも言って欲しい》《「泣くのはよしな!ババアが泣けば足元から蛆が湧くって言うじゃないか。」ってセリフ聞いた時はなんかスゲェこと言ってんなぁって震えたけど再現されるんだろうか》《今回も「タッチン、あたしについてくるとヤケドするよっ!」というセリフがあるのかだけが気になっている》放送まで待ちきれない!
2019年06月14日桜井日奈子が、1981年~1982年に「週刊セブンティーン」にて連載され、1985年にドラマ化もされた「ヤヌスの鏡」の再ドラマ化で主演を務めることが決定した。FODオリジナル連続ドラマとして8月より配信される。原作は宮脇明子による人気漫画(集英社文庫<コミック版>刊)。物語の主人公、厳格な家庭に育つ優等生の高校生・小沢裕美(オザワ・ヒロミ)はあるとき、厳しい祖母に閉じ込められた納戸の中で、古い鏡台を見つけたことをきっかけに“ユミ”という全く別の人格を持った不良少女に変貌してしまう。1985年にフジテレビでドラマ化され、「古代ローマの神・ヤヌスは、物事の内と外を同時に見ることができたという。この物語は、ヤヌスにもう1つの心を覗かれてしまった少女の壮大なロマンである。もし、あなたに、もう1つ顔があったら…」という独特のナレーションが大きな話題となった今作が、34年の時を経て再び映像化。小沢裕美役を演じるのは、今年はドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」や「みかづき」が放送され、主演映画『殺さない彼と死なない彼女』(秋公開)、『任侠学園』(9月27日公開)が待機するほか、コントライブ「内村文化祭‘19三茶」にも参加する桜井日奈子。大人しい優等生・ヒロミと夜の繁華街に現れる不良少女・ユミという正反対の人格を演じ分ける、かつてない難しい役どころに挑戦する。ヒロミとユミの切り替え、表情、所作、言い回しなど変貌する桜井さんの姿や表現力には注目。ユミのような不良役やアクションシーンなどは新境地となるだけに、どんな姿を見せてくれるのか、期待が高まるところだ。桜井さん自身も「ヒロミは今まで演じてきた役に近かったのですが、ユミは今までに演じたことがない挑戦的な役」と語っており、「ユミの何にも動じない余裕と強さを表現するにはどうすればいいのか、強がりに見えないように気をつけました」と明かす。「衣装やメイクが特徴的なので、2人のスイッチの切り替えはそういったことで助けていただきました」と語り、「誰でも多面をもっていると思います。それは、理性がきちんと働く普通の人でも少なからず心のバランスを保つのに必要だし、多面であって当たり前なのかもしれないな、と改めて思いました」と興味深くふり返っている。ストーリー主人公・ヒロミは、幼い頃から祖母の貴子に厳しく教育されてきた。特に異性との交際などもってのほか。しかし、ヒロミも普通の女子高生と同様に恋をし、ひそかに生徒会長の進藤に憧れていた。あるとき、進藤の存在が貴子に知られ、激怒した貴子は納戸にヒロミを閉じ込めてしまう。その納戸で見つけた古い鏡台の引き出しの中には、口紅や香水、さらに母・由起子の破れた写真が…。動揺したヒロミは誤って香水を床に落としてしまう。すると、幼いヒロミが鏡台に映った自分に話しかけている姿を見て、過去の記憶がフラッシュバックし、ついには気を失う。気がつくとヒロミは、全く違う人格のユミになっていて…。FODオリジナル連続ドラマ「ヤヌスの鏡」は8月、FODにて配信予定。(text:cinemacafe.net)
2019年06月14日ダニエル・ブリュールとヴォルフガング・ベッカー監督の『グッバイ、レーニン!』コンビが贈る最新作『僕とカミンスキーの旅』。本作で描かれるのは、盲目の美術家として、60年代ポップアート界でアンディ・ウォーホルらと並び時代の寵児となった伝説の画家マヌエル・カミンスキー。このほど、20世紀の美術史において、数多くの偉人たちと交流を持ったカミンスキーの人生をドキュメンタリータッチで振り返る、華やかな本編冒頭の映像と、“20 世紀の偉人”たちとの交流写真がシネマカフェに到着した。金と名声ほしさに芸術家の伝記を書こうと思い立った無名の美術評論家ゼバスティアン(ダニエル・ブリュール)は、スイスの山奥で隠遁生活を送る画家カミンスキーを訪ねる。ゼバスティアンは知られざる新事実を暴くため、年老いたカミンスキーを言葉巧みに自宅から誘い出し、若き日に愛した女性のもとへ連れて行こうとするが、トラブル続きの旅はいつしか奇妙な方角にねじれ、思いがけない終着点に向かっていく――。『グッバイ、レーニン!』監督&主演コンビが12年ぶりの再タッグで、盲目の天才画家と青年の奇想天外なロードムービーを描く本作。そのリアルな世界観や現代美術への痛烈な皮肉は、美術界の第一線で世界的に活躍する奈良美智氏、会田誠氏、森村泰昌氏などからも絶賛の声を受けている。そんな本作から今回到着したのは、巨匠カミンスキーの訃報を伝える各国のニュースの声から始まる、およそ5分もの冒頭映像。1920年代にポーランド人の母親とともにパリへ渡り、アンリ・マティスの弟子となり、パブロ・ピカソにも一目置かれたマヌエル・カミンスキー。1960年代にポップアート花盛りのニューヨークを訪れるや、“盲目の画家”としてメディアに祭り上げられ、時代の寵児に。ところが突然、表舞台から姿を眩まし、スイスでの隠遁生活に入ってしまう。“伝説の盲目の画家”カミンスキーとは、いったい何者なのか?映像では、カミンスキーと親交があった“20世紀の偉人”たちが数多く登場する。「ゲルニカ」など20世紀絵画に革命をもたらせたパブロ・ピカソ、フォービズムのリーダー的存在でありカミンスキーの師匠とされるアンリ・マティス、彫刻家で画家のアルベルト・ジャコメッティ、芸術家・詩人のジャン・コクトーなど、名だたる偉人たちを魅了した若き日のカミンスキーが前半では映し出される。60年代に入り、NYへ進出したカミンスキーは“盲目の画家”として脚光を浴び、ついにアメリカンポップアートで最も有名な巨匠アンディー・ウォーホルと並び評されるまでに。その交友は美術界を超え、「ザ・ビートルズ」やサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック、モハメド・アリも。さらにウディ・アレンが出演するクイズショーに登場するカミンスキーの様子まで、ドキュメンタリータッチに、華やかに映し出していく。アート界の裏側や皮肉までをも描いた虚実入り交じる作品にふさわしい、巧妙で遊び心満載のオープニングは、公開に先駆けて行われたマスコミ試写会でも絶賛されたという。奇しくも、本作の公開近くには、「キリンラガービール アンディ・ウォーホルデザインパッケージ」が発売されるなど、ポップアートが熱いこの春。60年代、一世を風靡した伝説の画家マヌエル・カミンスキーに、この映像から迫ってみては?『僕とカミンスキーの旅』は4月29日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:僕とカミンスキーの旅 2017年4月29日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開(C) 2015 X Filme Creative Pool GmbH / ED Productions Sprl / WDR / Arte / Potemkino / ARRI MEDIA
2017年04月28日映画『グッバイ、レーニン!』で知られるヴォルフガング・ベッカーが監督・脚本を務める映画『僕とカミンスキー』が、2017年4月29日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国の劇場で順次公開される。東西ドイツ統合という歴史的な一大事を背景に、社会の激変に翻弄される庶民の姿を哀歓豊かに描いた映画『グッバイ、レーニン!』(03)。公開当時のドイツにおける歴代興収記録を塗りかえ、ベルリン国際映画祭やヨーロッパ映画賞ほかで数多くの賞に輝いたこの家族ドラマは、日本でも多くの観客の笑いと涙を誘ってヒットを記録した。この『グッバイ、レーニン!』で愛する母親のために“優しい嘘”をつき続ける主人公アレックスを好演した主演俳優ダニエル・ブリュールは、その後ハリウッドに進出して国際派のスター俳優へと成長。そしてブリュールが出世作『グッバイ、レーニン!』のヴォルフガング・ベッカー監督と12年ぶりに組んだ本作『僕とカミンスキーの旅』は、世代も境遇もまったく異なる31歳の青年と85歳の老人が織りなす奇想天外なロードムービーだ。高慢で崖っぷちの美術評論家ゼバスティアンを演じるのが、そのダニエル・ブリュール。美術史にその名を刻んだ“盲目の画家”で、年老いた見た目からは想像もできない破天荒さでゼバスティアンを振り回すカミンスキー役には、『007』シリーズのMrホワイト役で知られるイェスパー・クリステンセン。そして主人公たちの旅に割り込むホームレス役をドニ・ラヴァンが演じる。本作の最大のポイントは、主人公ふたりの型破りなキャラクターだろう。他人の迷惑を顧みないエゴイストで、行き当たりばったりの突撃取材を行うゼバスティアンと、美術史にその名を刻んだカリスマであり、病弱な見た目からは想像もできないしたたかさで相手を振り回すカミンスキー。そんな彼らがスイス、フランス、ドイツ、ベルギーの雄大かつ美しい風景をバックにドタバタ続きの珍道中を繰り広げ、摩訶不思議な友情で結ばれていくドラマは、異色のバディムービーとしても観る者を魅了してくれそうだ。【作品情報】映画『僕とカミンスキーの旅』公開日:2017年4月29日(土) YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開監督・脚本:ヴォルフガング・ベッカー原作:「僕とカミンスキー」 ダニエル・ケールマン著(三修社刊)出演:ダニエル・ブリュール、イェスパー・クリステンセン、ドニ・ラヴァン、ジェラルディン・チャップリン、アミラ・カサール原題:ICH UND KAMINSKI© 2015 X Filme Crea>ve Pool GmbH / ED Produc>ons Sprl / WDR / Arte / Potemkino / ARRI MEDIA
2017年04月04日スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』が間もなく開幕するカンヌ映画祭でお披露目され、9月に公開されることが決定した。その他の情報本作は、『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダールの『オ・ヤサシ巨人BFG』を映画化したもので、ロンドンから巨人たちが暮らす国にやってきた少女ソフィーと、心優しい巨人BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)の交流と冒険を描く。世界中で愛され続ける児童文学を実写化するため、スピルバーグ監督はこれまで数々の名作を共に手がけてきたスタッフを再び呼び寄せた。フランク・マーシャルが製作を、キャスリーン・ケネディが製作総指揮を務め、『E.T.』のメリッサ・マシスンが脚本を執筆。ジョン・ウィリアムズが音楽を、ヤヌス・カミンスキーが撮影を、マイケル・カーンが編集を手がけ、『ジュラシック・パーク』『アバター』のリック・カーターがプロダクション・デザインを担当する。新鋭ルビー・バーンヒルが主人公のソフィー役に抜擢され、スピルバーグ監督作『ブリッジ・オブ・スパイ』でアカデミー助演男優賞に輝いた名優マーク・ライランスが巨人BFGを演じる。『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』9月 全国ロードショー(C)2016 Storyteller Distribution Co. LLC. All Rights Reserved.
2016年05月09日『ブリッジ・オブ・スパイ』で映画ファンを魅了させたばかりのスティーブン・スピルバーグが、久々にファンタジー映画を監督。少女と“やさしい巨人”の心温まる友情と奇想天外なアドベンチャーを描いた『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』が、9月に日本公開されることが決定。さらに、本年度カンヌ国際映画祭にて現地時間5月14日にワールドプレミア上映されることになった。物語の舞台はロンドン、児童養護施設に暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーは、真夜中に窓から入ってきた“巨大な手”に持ち上げられ、突如“巨人の国”に連れていかれてしまう。ソフィーを連れ去ったのは、夜ごと子どもたちに“夢”を届ける、やさしい巨人のBFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント。ひとりぼっちだったソフィーは、孤独なBFGと心を通わせ、奇妙な友情と信頼関係を育んでいく。SFファンタジーの金字塔『E.T.』で、少年と異星人とのハートフルな交流を描いたスピルバーグが、『チャーリーとチョコレート工場』などで知られるイギリス児童文学界の巨匠ロアルド・ダールによる「オ・ヤサシ巨人BFG」(評論社)を映画化。奇しくもダール生誕100周年にあたる年に、映画界の巨匠スピルバーグによって映像化されることになった。さらに本作には、『インディ・ジョーンズ』や『スター・ウォーズ』などにも関わり、スピルバーグを支えてきた熟練のドリーム・チームが結集。製作はフランク・マーシャル、製作総指揮にキャスリーン・ケネディ。脚本を、本作が遺作となった『E.T.』のメリッサ・マシスンが手がけている。さらに『プライベート・ライアン』『シンドラーのリスト』でアカデミー賞を受賞したヤヌス・カミンスキーが撮影、マイケル・カーンが編集とビッグネームが名を連ね、音楽はスピルバーグ作品には欠かせない名匠ジョン・ウィリアムズが担当する。また、やさしい巨人BFG役を演じるのは、『ブリッジ・オブ・スパイ』で「第88回アカデミー賞」助演男優賞に輝いたことも記憶に新しいイギリス演劇界のレジェンド、マーク・ライランス。ソフィー役には、新鋭ルビー・バーンヒルがオーディションから大抜擢された。今回解禁された画像も、足元だけのBFGと、その上でつま先立って見上げるソフィーの姿が描かれ、想像力をかきたてるビジュアルとなっている。この2人がどんな冒険を繰り広げていくのか?スピルバーグが絶大の信頼を寄せる、超一流のメンバーによって作り出された新たなファンタジーに期待が高まる。『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は9月、全国にて公開。5月14日(現地時間)、カンヌ国際映画祭にてワールドプレミア上映。(text:cinemacafe.net)
2016年05月09日スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『ブリッジ・オブ・スパイ』の予告編が公開になった。世界中が冷戦状態にあった1960年代を舞台に、命をかけて信念を貫こうとした男が、極めて危険な交渉にあたる姿を描いた大作だ。その他の画像/予告編公開映画は、CIAが極秘裏に遂行していた高度偵察機U-2が、スパイ飛行中にソ連に撃墜され、パイロットが捕獲されるという1960年5月1日に起きた“U-2撃墜事件”がベースになっている。この作品の舞台になっている1950~60年代、世界はアメリカとソビエトによって二分される“冷戦”状態で、両陣営はいつもお互いを監視し、新たな戦争の引き金があちこちに埋め込まれていた。そんな折、大統領ジョン・F・ケネディから極秘指令を受けた普通の弁護士ジェームズ・B・ドノバン(トム・ハンクス)は、ソ連からの米国スパイ救出という誰も成し遂げた事が無い不可能なミッションに、型破りな方法で挑むことになる。本作は、ジョエル・コーエンとイーサン・コーエンが脚本を手がけ、ヤヌス・カミンスキー(撮影)、マイケル・カーン(編集)らスピルバーグの“右腕”と呼ぶべきスタッフが集結。予告編ではアメリカでソビエトのスパイが捕らえられる場面と、ソビエトでアメリカのパイロットが捕獲される場面がスリリングなタッチで描かれる。ハンクス演じるドノバンは、スパイでもヒーローでもなく保険の分野で活動してきた弁護士だったが、いきなり“アメリカとソビエトのスパイ交換”の交渉にあたることになる。冷戦時、人々は核戦争の恐怖や、まだ記憶が生々しい世界大戦が再び来るのではないかという恐怖におびえていた。そのため、ドノバンがもし失敗すれば世界が再び戦火に包まれると考える者や、彼の行動を阻止しようとする者が現れる。しかし、彼は自らの信念を曲げず、苦悩しながらも、戦争の可能性を取り除き、人命を救助するために懸命に行動する。彼に与えられた交渉の舞台は、ドイツのベルリンにあるグリーニカー橋。彼は交渉を成立させ、戦争の危機を回避できるのか?本作は、これまでのスピルバーグ作品同様、全編が35ミリフィルムで撮影されており、予告編でも陰影に富んだ重厚な映像も堪能できる。『ブリッジ・オブ・スパイ』2016年1月全国ロードショー(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.
2015年08月18日カミンスキーXY(KAMINSKI XY)が10周年を記念するポップアップショップを、3月13日から8月30日まで表参道GYREの3階にオープンする。カミンスキーXYのメインブランド「ヘレンカミンスキー(HELEN KAMINSKI)」は、ヘレン・マリー・カミンスキーが子供たちのためにラフィアハットを作製したことをきっかけに設立されたラグジュアリーハットブランド。1年後、彼女が最初にデザインしたアイテム「Classic5」が1 人の『ヴォーグ(VOGUE)』編集者の目に留まり、現在に至る。ヘレンカミンスキーが提供するのは帽子を中心とした、ハンドバッグやアクセサリーなどのコレクション。シンプルなデザインと伝統的なハンドクラフトの技を組み合わせたアイテムは、文化や国境を超えて世界中で愛されている。国内では六本木ヒルズ店、京都三条店、博多阪急店などの直営店を中心にアイテムを展開中だ。カミンスキーXYでは日本初の単独ショップとなる同店は、2ヵ月ごとにコンセプトを変えてリニューアル。カプセルコレクション「アクセント(Accent)」も登場し、ブランドの新しい世界観を発信する。なお、カミンスキーXYの15SSコレクションでは、複雑な地形が作り出した造形をテクスチャーのディテール、パターン、構成で表現している。「VOHEMAR」(2万円)に加え、アーカイブからの展開となるアイコンモデル「ABAKA」では、マダガスカル産のラフィアを使用。クラシックな中折れ帽を丸めて収納可能なデザインに仕上げ、機能性を重視するノマド族の男性へと捧げている。
2015年03月10日1982年にイギリスから生まれた名作小説「War Horse」。第一次世界大戦中のイギリスとフランスを舞台に、希望を信じて生き抜く人間たちの姿を、一頭の美しい馬の目線を通して描いた感動作として多くの人々に愛され、2007年に上演された舞台は英国演劇界の最高賞にあたるトニー賞5部門に輝いた名作である。そんなイギリスが誇る名作に心奪われた男、言わずと知れたハリウッド映画界の巨匠スティーヴン・スピルバーグがこの作品と出会ってからわずか7か月で撮影に入ったという渾身の一作『戦火の馬』。巨匠スピルバーグはこの物語に何を見出し、その感動をいかにして伝えたかったのか?少年のように情熱を注ぐ監督に話を聞いた。『未知との遭遇』(’77)に『インディ・ジョーンズ』シリーズ、さらに奇才J.J.エイブラムスとタッグを組んだ『SUPER 8/スーパーエイト』(’11)など、遊び心あふれる冒険活劇を数多く送り出し、映画ファンをワクワクさせてきたスピルバーグ監督。その一方で、『シンドラーのリスト』(’93)や『プライベート・ライアン』(’98)など、「戦争」を通しての人間ドラマを描き続けてきた。そんな彼が本作で描きたかったこととは?「『戦火の馬』は“勇気”について多くを語っているんだ。少年(アルバート)の勇気は、彼自身のためだけでなく親友である愛馬・ジョーイのために、耐えて乗り越えて求めていたことを成し得る。また、本作では驚異的な動物の勇気と不屈の精神も描かれている。この勇気というテーマは、マイケル・モーパーゴの小説にも、舞台版にも、そしてリー・ホールとリチャード・カーティスが書いた(本作の)映画脚本にも一貫して描かれているよ。これが映画『戦火の馬』の1コマ1コマに流れている潜在意識的なテーマだと、僕は思っているんだ」。本作の大きな見どころとなるのが、雄大な自然を捉えた圧倒的な映像美。SF作品を得意とするスピルバーグ監督だが、本作ではほとんどCG技術を使わず、ありのままの自然の景色をカメラに収めている。その苦労の甲斐あってか、監督の予想を遥かに超える映像が生み出された。「自然をありのまま描くために、太陽や正しい形をした雲を待ったんだ。僕が映画撮影において、ここまで太陽を待ったのはずいぶん久しぶりだよ(笑)。(『大いなる遺産』で知られる巨匠)デヴィッド・リーン監督は太陽が出てくるまでいくらでも待ったと(撮影監督の)ヤヌス・カミンスキーは言うんだけど、リーン監督は1本の映画に130日をかける余裕があった。それに対し、僕らは64日間しかない。ただ、自然光を使うべきだというヤヌスの主張を尊重したおかげで、目覚ましい効果を得たと思う。エンディングでは美しい太陽が出てくる。あれは撮影最後の3日間に素晴らしい夕陽に恵まれて、フィルターで強調してはいるけれど、本物の夕焼けをそのまま描いている。アルバートとジョーイにとっての新たな希望や約束の象徴として描いたつもりだよ」。御歳65。人生の半分以上を映画に捧げ、ハリウッド映画の歴史そのものを象徴するスピルバーグ監督。本作は先日発表された第84回アカデミー賞にはノミネートされるも、惜しくも受賞ならずとなったが、同賞で快挙を果たしたモノクロ・サイレント映画『アーティスト』然り、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』然り、古き良き時代の映画への“オマージュ”に光が当たっていた。本作で映し出される雄大な景色にもその精神が見て取れるのだが、監督の真意のほどは?「少なくとも僕自身は意識的にはやっていないよ。この作品を手がけるにあたり、僕が唯一意図したのは、それぞれの土地をキャラクターとして描くことだった。風景をキャラクターとして描くことにしたため、アップよりもワイドショットを多用して観客に好きな箇所に注目してもらうようにしたんだ。こういう手法を多用していたのは、1930年代と40年代の映画ではジョン・フォード(『荒野の決闘』)。50年代には黒澤明(『七人の侍』)やハワード・ホークス(『紳士は金髪がお好き』)といった監督がやっていたものだよ。彼らは目の前にあるロケーションやスペースを最大限に利用して、撮影環境そのものをキャラクターにしたんだ。ただ、そういう手法を採用することによって、オマージュなんじゃないか?という解釈が出てくることは想像できた。でも、この作品は、ジョン・フォードやほかのどの監督へのオマージュでもないんだ。もしオマージュが存在するとすれば、それは馬のジョーイに対してであり、動物である彼がいかに様々な人間の人生を変えていくかという点だけに焦点を当てたつもりだよ」。スピルバーグ監督がオマージュを捧げたというジョーイ役の馬の演技にもぜひ注目してほしい本作。最後に、そのジョーイと新星ジェレミー・アーヴァィンが見事に演じた少年・アルバートが生み出した“魔力”について語ってくれた。「第一次世界大戦で馬のジョーイが役畜(軍事に使用される動物)として従軍するため戦争に送り出され、(アルバートと)離れ離れになる頃には、本物の感情のこもった共同関係が彼らの間に築かれていたんだ。だからこそ観客はその時点で、いつか必ず再会する運命の日がやってくるだろうと確信できる。そして、少年と馬にその運命の日が訪れる。そこがこの映画のちょっとした“魔力”のようなものになっているんだ」。■関連作品:戦火の馬 2012年3月2日より全国にて公開© Dream Works II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.■関連記事:S・スピルバーグ渾身の感動作『戦火の馬』ビジュアルブックを2名様プレゼント鳥越俊太郎、矢沢心の妊娠報告に「やっぱり女の子がいいよ!」と連呼スピルバーグ監督も圧倒された雄大な自然に酔いしれる『戦火の馬』本編映像が到着!スピルバーグ待望の新作!『戦火の馬』ジャパン・プレミア試写会に5組10名様ご招待人間以上にバトル過熱化?巨匠&名優が擁立する、アカデミー賞級の“犬”たち
2012年03月08日先週末より公開を迎え好評を博している『リアル・スティール』の製作を手がけた巨匠スティーブン・スピルバーグの監督最新作にして早くもオスカー最有力候補として注目を集める感動作『戦火の馬』の予告編がシネマカフェに到着した。1982年にイギリスで出版されブロードウェイで舞台化もされた同名小説を原作に、第一次世界大戦時下のイギリスを舞台に、ある一頭の美しい馬と悲劇に打ちのめされながらも希望を失わずに生きる人々の姿を描き出す。スピルバーグというとSF大作映画の名手というイメージが先行する人もいるだろうが、『シンドラーのリスト』(’93)や『プライベート・ライアン』(’98)といった戦争を題材にした社会派ドラマを数多く手がけてきているひとり。そんな彼が今回スクリーンに映しだすのは、戦時下の壮絶な時代を生きる美しい馬とひとりの青年の出会いから別れを軸にした壮大な物語。こちらの予告編映像では、スピルバーグとこれまでも数多くのタッグを組んできた撮影監督ヤヌス・カミンスキーが切り取り、スピルバーグもこだわった美しく広大な草原が画面いっぱいに広がり、“戦火の馬”となる運命を背負ったジョーイと青年・アルバート(ジェレミー・アーヴィン)の出会いのシーンが映し出される。だが、やがて戦争によって2人の絆は引き裂かれていき…。不況や災害、さらに終わらぬ戦争により苦しむいまの状況の中で、世界中の人々に希望を伝えたいという思いで製作された本作。予告編と共にお披露目となったポスターには「前を向いて、走り続けるんだ…」というメッセージが刻まれている。先日のワールド・プレミアでもスピルバーグが語っていた「行く先に希望が待っていると信じて頑張って下さい!」という日本へのエールもそこから感じ取ることができる。まずは予告編映像に映る、本作の厳しくも幻想的な世界観を体験してみて。『戦火の馬』は2012年3月2日(金)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:リアル・スティール 2011年12月9日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© DreamWorks II Distribution Co. LLC戦火の馬 2012年3月2日より全国にて公開© Dream Works II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.■関連記事:ヒュー・ジャックマン、自身の公演でチャリティを敢行。3週間で85万ドル超を集める12歳にして名優、ダコタ・ゴヨ『リアル・スティール』で見つけた新たな夢成長する“ダメ親父”に多数の女性が胸キュン!『リアル・スティール』試写会レポートスピルバーグ「希望は必ず見つかる」とエール!『戦火の馬』ワールド・プレミア開催宮迫博之&ゴリ、久々の競演で“息子自慢”バトル勃発?
2011年12月12日