産後に夫婦仲が悪くなる、という話を耳にしたことはないでしょうか? 出産を控えているママは、「なんだかピンとこないわ」と思うかもしれませんが、赤ちゃんを産んだとたん、「このことか!」と思うママは多いものです。それくらい、産後に夫婦の関係が良くない状況になってしまう家庭は多いのです。 産後クライシスとは産後、夫との間がギクシャクしている、夫の行動の一つひとつにイライラする、セックスするのはもちろんのこと夫に触られるのもイヤだ、というママは少なくありません。 これらの状況が悪化すると、子どもが生まれて幸せいっぱいのはずの産後に「離婚」という文字がチラツキ始めます。子どもの出産後に夫婦にさまざまなすれ違いが生じ、夫婦仲が急激に悪くなる状態を「産後クライシス」と言います。 産後のすれ違いはなぜ起こってしまうのか産後クライシスが起こってしまう原因はひとつではありません。 一般的には妻側からの視点で言うと、・ホルモンバランスの変化により、妻側がイライラしやすくなる・夫の育児やママに対する無理解などに不満がある・セックスする気分になれない、または、セックスが汚いもののように思えてしたくないなどが大きな要因となります。 しかし、夫からしてみれば、・なぜ、急にイライラして当たられるのかがわからない・自分は仕事を今まで通りしていて、育児にも協力しているつもりなのに怒られる・セックスを拒否されると理不尽な対応を迫られていると感じることが多くなります。 こうして書くと、産後クライシスになってしまうのは理解できるかと思いますが、実際に直面すると、赤ちゃんをお世話しなければならないという状況に追われ、精神面でも変化が起こっていることをママ自身がはっきりと自覚できるわけではないので、「なんだかイライラする」「夫はなんでちゃんと動いてくれないのか」と無自覚に夫に当たることになります。そのため、自分がなぜ夫に対してそのような対応をとるのか説明することもなく、夫もなぜ妻の態度が急変したのかを理解できない状況になります。 産後クライシスを防ぐ方法まずどれくらい、産後にママの負担が増えるのかをママだけでなく夫にも知っておいてもらうことが有効になります。とはいっても、事前に聞いていたことと実際に経験することとは雲泥の差です。事前に頭に知識を入れて理解していたつもりでも、お互いに実際その場になって「このことか」と理解し上手に対応ができるとはかぎりません。夫には、・ママがイライラする可能性が大いにあること・靴下を裏返しにしたまま部屋に放り投げておくなど、今まで許せていたことも許せなくなる可能性があること・育児が想像以上にママにとって大変なことを事前に知っておいてもらった上で、かつ、ママがイライラしたら、お互いの認識のズレを合わせに行くことが必要であることを伝えておきましょう。 たとえば、夫は妻に「あなたの担当は、赤ちゃんの沐浴ね」と言われた場合、赤ちゃんの沐浴だけをおこないます。赤ちゃんを拭いたタオルは床に放りっぱなし、沐浴に使ったバスタブはお湯がが入ったままで置き去りという状態のこともあるでしょう。ママも育児疲れで夫に説明するのを面倒に感じてしまうこともあると思います。気持ちはよくわかりますが、言わないと伝わらないこともあります。今後イライラしないためにも、沐浴であれば事前に2人で流れを確認しておくなど、コミュニケーションを心がけたいですね。 産後、精神面の変化も手伝って状況が大きく変わることがほとんどです。今まで阿吽の呼吸でできていたこともできなくなるということを念頭に、面倒だと思わず、コミュニケーションをしっかりとって産後クライシスを乗り越えましょう! 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年12月08日妻が妊娠中に夫が浮気するというのは、世間で非常によく聞く話です。赤ちゃんができてとても幸せな状況のはずなのに、これから生まれてくる子どもに対して責任を持たなければならない立場のはずなのに、妻からすれば「どうして夫はそんなことができるの?」という気持ちでしょう。まさか我が家の夫が浮気をするなんて思ってもいないママも多いのではないでしょうか。でも、どこの家庭でも起こり得てしまうのです。 【妊娠中に夫の浮気が増える理由その1】状況の変化そもそも、多くの男性が浮気心を持っているというのが現実です。あわよくば……、機会があれば……、背中をポンと押すような状況さえあれば……、実際に浮気するかどうかは別としても、このような気持ちを抱いている男性が多くをしめます。 そんな浮気心に着火させるような状況が、妻の妊娠中にはあるともいえます。たとえば、・妻の情緒不安定から解放されたい・セックスレスなので性欲の処理をしたい・妻がおなかの子どもに集中して夫に構わない・妻が実家に帰って家にいないという状況です。 夫としては(あくまでも夫側の意見ですが)、浮気をしても言い訳をできる状況ができてしまうのです。家庭に帰ってもおもしろくない場合は現実逃避したくなりますし、家にグチグチ言う人がいないとなれば羽を伸ばしてしまいたくなることもあるかもしれません。」 【妊娠中に夫の浮気が増える理由その2】心理の変化さらには、心理的な変化もあります。親とのしての自覚を持たなくてはいけない、妻のおなかに赤ちゃんがいるとわかってはいるものの、夫の普段の生活にはあまり変化がありません。そんな中、周囲から父親になることを言われると、少なからず重圧となります。プレッシャーから逃れるため浮気に走る男性もいます。または、妻がおなかの子どもにばかり目がいってしまっているので、自分が男として見られる快感を味わいたくて浮気をする人もいます。 妊娠中の夫の浮気を防ぐ方法男性の浮気の原因を考えていくと、男性が浮気をしないためは、・夫にイライラしないように努める・セックスに応じる・女性であることを意識して夫に接する・夫を男性と意識して接するというようなことが大切になってくるわけですが、ただでさえ妊娠して大変なときに、女性が夫に気を使わなければならないのは理不尽な気がしますし、「そもそもそこまで夫に気を使わなければならないわけ!?」というのも女性側の本音でしょう。しかし人間同士ですから、良好なコミュニケーションをとる努力は家族である夫に対しても必要です。 ・夫が家に帰ってきてもいつもイライラして居心地が悪い状況をつくらない・夫のことをきちんと認めるということも意識したいところ。この時期は「意識して」おこなうくらいがちょうどいいと思います。一方、妊娠中のママは心身ともにつらい時期でもあります。ママがいろいろと簡単ではない時期にあることを、パパとなる夫にもわかるように伝えておきたいですね。 赤ちゃんができて、夫との関係性も次の段階へと進みます。そんなときには、少なからず思ってもいなかったような困難が待ち受けているもの。浮気という最悪の事態を呼び込まないためにも、「夫が浮気をしがちな時期」であることに気をつけたいですね。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年12月07日同年代の子どもがいることで、わかりあえることも多いママ友。気が合い頼もしい友人の一人だと思っていたら、いつの間にかなんだかギクシャクする関係になってしまったということもあるのではないでしょうか。ママ友との関係は非常に壊れやすいという話をよく聞きますが、なぜなのでしょうか。ママ友との関係で気を付けたいこととは、どんなことなのでしょうか。 ママ友間でよくあるトラブル・子どもや自分の悪口を言われた・仲良くしていたと思っていたママから無視をされた・ママ友グループの中で突然、全員から無視をされた・夫や自分の学歴や収入、どこの学校に子どもを入れるかなどでマウンティングされた これらのことは、ママ友との付き合いがある以上、いつでも起こり得ることです。世間でもよく言われていることなので、できるだけ学歴や収入など嫉妬心を抱かれたり抱いてしまうような話題は避けたり、気の合わないママ友とはつかず離れずの関係を保っている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、気が合うと思っていたママ友でさえ起こってしまうのがママ友とのトラブルなのです。 なぜトラブルが起こる?一口にママ友と言っても、主に・すでに昔から友人で、同時期に子どもを産んだ友達・産前・産後セミナーや、同じ保育園やプレスクールで出会った、子どもができてから出会った友達この2通りに分けられます。 前者の場合、最初に一人の人対人で出会っているので、その人自体を知り、その人自体を受け入れて友達になっています。そのため、何を言われたら嫌か、どういったことをしては関係がギクシャクするかある程度わかっています。後者の場合、あくまでも“子どものママ”として出会い、その人自身を受け入れる前に友達という形をとることになります。そのママのバックグランドについてもあまり知らなければ、どんなことを嫌がるのかもわからない状況です。これは何も自分だけではなく、相手も同じ状況で、お互いに相手を真に受け入れている状況ではないところから関係が始まります。しかし、今までの友人関係と同様、付き合いが長くなるにつれ、相手についてわかったような気になってきます。そのわかったような気になったときが危険信号です。 ママ友にやってはいけないことわかったような気になったとき、ママ自身に対して知ったような口を聞いてしまうのはもちろんのこと、最もやっていけないことは、相手が求めてもいないのにも関わらず相手の子どもに対してアドバイスなり、意見を言うことです。 ご自身について考えていただいてもわかる通り、ママは日々迷いながらも一生懸命に子育てをしています。また、ひとつとして同じ家庭はありません。シングルマザーだったり、介護をしながら子育てをしていたり、夫が稼いでくれていたとしてもワンオペ育児だったり……。それぞれに大変な状況があります。大変な中、大事に大事に育てているかわいい我が子について、訳知り顔に「〇〇ちゃんは、こうしたらいいんじゃない?」「○○ちゃんは、こんなところがダメね」なんて言われてしまっては、親切心から出ているとはわかっていても、カチンときてしまいますよね。とたんに、「私のことならまだしも、子どものことをなんにも知らないくせに!」と反応してしまうママを誰も責められないのではないでしょうか。そこから、無視が始まったり、悪口が始まったり、ギクシャクした関係が始まってしまうことはよくあります。 さらに、もうひとつ気をつけたいのが相手の夫の悪口です。ママ友がいつも夫の悪口を言っているのでつい「あなたの夫ってひどいわよね」なんて言ってしまおうものなら、「なんにも知らないくせに」と相手は思いがちです。これは、夫の悪口を言われることによって、夫だけでなく自分の家庭を下にみられているような感覚を受けてしまうことから起こります。 相手が夫の悪口を言っているときは、自分の夫の悪いところを引き合いに出して「わかるわ!」と同調するか、「大変ね」と言うにとどめましょう。親しき仲にも礼儀あり。子どものことや相手の夫については、相手のママしか知らないことがたくさんあると思って、よかれと思っても口を出さないようにしましょう。 起こりにくいとはいえ、同じ時期に子どもを産んだ長年の友達でも起こり得るトラブルです。また、自分が先輩風を吹かせて、新米ママに一般的な知識ではなく自分のやり方を押し付けるのもNG。それぞれの家庭のそれぞれの子育てがあるということを頭の片隅にきちんと置いてママ友と付き合いましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年11月09日2歳ごろから始まるイヤイヤ期。この時期から多くのお子さんが自分の要求を通すためや、思い通りにいかないことにイライラして癇癪を起こし始めます。スーパーで欲しいものを買ってもらえないと大声で泣いたり、うまくおもちゃを動かせなくて物を投げたり……。 このような状況になったとき、親としてはどういった態度をとればいいのでしょうか。 【NGその1】怒鳴る・抑えつける子どもが癇癪を起こした際、ついつい「コラッ!」と怒鳴ってしまう人も多いでしょう。 これはNGなやり方の一つです。子どもは、自分に湧き上がる感情に戸惑い、どうしていいかわからなくなっています。それを言葉や態度で抑えつけられてしまうと、感情の逃げ場を失い、さらに泣き叫んだり暴れたりすることにつながります。実際、怒鳴って静かに落ち着いてくれることは稀ではないでしょうか。子どもが泣きわめいたり物を投げたりしたら、まずは優しく「どうしたの?」「何が嫌なの?」と子どもの気持ちを聞いてあげましょう。そして、子どもが落ち着くのを待ちましよう。落ち着いたら、「嫌だったんだね」「○○したかったのね」「イライラしちゃったのね」と優しく共感を示してあげてください。3歳過ぎになって、一緒に考えることができるようになったら、「今度は泣かないで、どうしたらいいと思う?」と一緒に考えるのがおすすめです。 【NGその2】その都度態度が変わる時間があるときや家の中にいるときにはママにも余裕があるので、優しく接することができたとしても、忙しいときや外出先で大声でわめかれると余裕がなくなってしまうことも多いと思います。そのため、ついつい怒鳴ったり、泣き止まさせるために欲しいと言ったおもちゃを買ってあげたりしてしまうこともあるかと思いますが、これもNG。癇癪を起こしておもちゃを買ってもらえたら、子どもにとってはしめたもの。次もおもちゃが欲しいときに癇癪を起こせばよいと思ってしまいます。また癇癪を起こしてしまった際、ママが怒鳴る場合と優しい場合があると、子どもが安心して癇癪を起こせる場がなくなってしまいます。安心して癇癪を起こすことを続けることで、やってはいけないこととして、子どもが理解できるようになります。 【NGその3】できたことを認めない前回は気に入らないことがあっておもちゃを投げてしまったけれど、今回はぐっと我慢している我が子を見たら、しっかりできたことを認めてあげてください。認めてあげることで、子どもは何をすべきかを学び、また自分はできるんだ、という自己肯定感を育むこともできます。ママがちゃんと見ていてくれているという安心感も感じることができます。 癇癪を起こしたときは怒るのに、癇癪を起こさなかったときは知らん顔、というのは避けましょう。癇癪は子どもの成長の過程にあるものです。癇癪を通して自分の感情とどう向き合うべきかを少しずつ学んでいます。癇癪を起こしている子どもを見たら、「お! 成長するために、自分の感情と戦っているな! がんばれ!」と見守ってあげてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年11月03日子育て中のママの大きな悩みの一つとしてあがるのが、「子どもに対してイライラしてしまうこと」。家にいればおもちゃを散らかし放題、ごはんのときはこぼす、出かければじっとしていてくれないなど、子どものことはとてもかわいいと思うのに、子どもの行動についイライラしてしまう人も多いと思います。こんなこと言いたいわけではないのに……こんな言い方したくないのに……そもそもそれほど怒ることでもないのに……とイライラしてしまったことに自己嫌悪に陥り、さらにイライラしてしまうママは少なくありません。 子どもにイライラしてしまう理由子どもにイライラしてしまう理由は大きく2つです。 自分に余裕がないとき、人はイライラしがちです。食事を作ったり、洗濯物を片付けたり、やらなければいけないことが山積みのときに、子どもが麦茶をこぼすなど用事を増やしたり、靴下を自分で履くと言い張るので自分でやらせたら予定の時間に遅れそうになってしまったりというようなことは日常茶飯事。悪気があってやっているわけではないことは百も承知なのに、つい「何やっているの!」とイライラして怒鳴ってしまう……。もし、余裕があれば「大丈夫よ、今度は気を付けてね」と優しく諭せるはずですが、多くのママはたくさんのやることをいつも抱えています。イライラしてしまう元をすでに自分の中に持っているんです。 もう一つは、「こうでなければならない」と知らずに思い込んでいる場合です。 たとえば、2歳くらいの子どもが長時間じっとしていられない、野菜など好きでないものを食べないというのは普通です。・2歳でも外ではじっとさせていなければならない→本当にそうでしょうか? じっとさせることがそもそも難しいのではないでしょうか。・野菜を健康のために食べさせなければならない→全部食べなくても、口に入れただけでも今はいいのではないでしょうか。 このように自分の“こうあるべき”に対して疑問を投げかけてみれば、そうでない状況を許すことができ、イライラせずに済むことがあります。 イライラはママと子どもの成長の証実は、イライラしていることを紐解いてみると、子どももママも成長していることがわかります。麦茶をこぼすということはひとりで麦茶を飲めるようになったということ、靴下を履くのに時間がかかるということは、ひとりで靴下を履くことに挑戦してくれるようになったということ、生意気なことを言うようになったのは、自分で意思表示をできるようになったということ……。ママのイライラしている事柄に注目してみると、子どもがしっかり成長してくれていることがわかります。これってうれしいことでもありますよね? ママも子どもができる前は知らなかったイライラがあること、それに反省してなんとかしようと思っているからこそ悩んでいるわけですから、これもママの成長の証なんです。そう思うと、子どもに対しても自分に対しても少し余裕を持てるようになるのではないでしょうか? ダメと言わずに提案するイライラしてしまう元をすでに自分の中に持っていることも、こうでなければならないと思い込んでしまうのもごくごく普通のこと。自分を責めることではありません。ただ、いつもイライラされている子どもはやっぱりかわいそうですよね。 そこで、イライラして子どもに当たってしまいそうになったら、一度、深呼吸をして、子どもに提案するように心がけてみてください。たとえば、麦茶をこぼしてしまった場合なら「なんでこぼすのよ!」と言う前に、「今度はこぼさないように、飲まないときは手がぶつからないところに置こうね」など。まだ子どもが小さくてよくわからなくても、提案することで一度自分を冷静にすることができます。子どもも除々に「あ、ママがこの前も言っていたな」とわかってくれるようになります。以前に何度か言ったことがあることも「もう前にも言ったでしょう!」と怒らないように。子どもができるようになるまでは、まだまだ長い時間がかかると思って大きくかまえましょう。イライラしてしまうのは、どんなママにでもあること。自己嫌悪に陥って自分を責めてしまうと、さらに余裕がなくなってしまいます。またイライラしちゃった! 今度はイライラしないようにがんばるぞ! と前向きにとらえて、子どもには「イライラしちゃってごめんね」と優しく謝りましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年11月02日子育てと家事で忙しいのに偉そうな態度でちっとも手伝ってくれない、仕事ばかりして家庭を顧みない、義母の肩ばかりもってわたしの立場に立ってくれない……など、夫に対する不満が我慢の限界にきている方もいるでしょう。 「離婚」の二文字が毎日のように頭をよぎっては、「まだ子どもも小さいし……」と自分を抑え、でもストレスが溜まる毎日。そんな状況を脱するために、一度、真剣に離婚について考えてみるのも決して無駄ではありません。実際、離婚した場合、離婚せずに我慢して同居する場合、離婚せずに別居する場合とでは、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。実際の例をあげて考えてみましょう。 離婚を選ぶ場合【Aさんの例】夫との価値観の違いから離婚を決意。離婚訴訟を行い夫と離婚。現在2人の子どもをもつシングルマザー。離婚までの過程は大変だったが、離婚してよかったと思っている。 離婚を選択する場合、子どもをどちらが引き取るか、養育費をどうするかなど決定することがたくさんあり、訴訟を起こすとなると、またその手続に時間がとられ、心身ともに疲弊してしまうことがあります。けれど、最も次に進みやすくなるのもこの選択。あとがなくなるからこそ、離婚後は前を見ることに集中ができ、「すっきりした!」という声が多くあるのもこの選択です。 [メリット]・新しい未来を築きやすい[デメリット]・決断をするまでに覚悟がいる・決断をした後にも、手続きや決定しなければいけないことが多々ある 離婚せず我慢して同居する場合【Bさんの例】夫の浮気が止まず何度も離婚を考えるが、子どもが夫になついているため離婚に踏み切れず、また離婚はいつでもできるという思いから、離婚せず今の状況を受け入れることを選択。数年経ち、夫の浮気が落ち着いたこと、また再度浮気をしたところで自分がもう夫への恋心がないので、どうでもよくなってきたこともあり離婚しなくてよかったかなと思っている。 事態が好転、または自分の考え方が変わり、離婚しなくてよかったと思えることも多々あります。しかしながら、事態や自分の考え方が変わるかどうかはわかりません。状況を受け入れることができるまでは、つらい日々を送る可能性が高いのがこの選択です。 [メリット]・家庭の形を壊したくないという気持ちが強い場合、体裁を保つことができる・事態が好転した場合、家族として続けることができる[デメリット]・事態が好転するまで、つらい日々を我慢して過ごすことになる 離婚せず別居する場合【Cさんの例】「もうしない」と言っては浮気をする夫に嫌気がさし、最後通告のつもりで別居を提案。別居したてのころは、反省の色も見せていたが、結局浮気をやめないので、離婚しようと思っている。 男性に限らずのことではありますが、多くの男性は、とりあえず目の前の台風が去ってしまうことを待ち、去ってしまえば何事もなかったかのようにまた同じことをする可能性が高いです。妻がいつも「離婚する、離婚する」と言っている家庭では、夫は「この小言を聞き過ごしていれば、またいつもの状態に戻るだろう」と高をくくっている場合があります。そのため、妻から別居を切り出されて初めて「本気だったのか!」と慌てる夫は多くいます。離婚を覚悟で夫の本音を引き出すには有効な手段ともなりえます。ここで考えを改めてくれ、状況が好転することもありますが、一度は反省するものの、残念ながら変わらない男性がいることも事実です。一緒に過ごすのはもう無理だが、離婚せずに食費や養育費だけ入れてもらえればそれで良いと思っている人にとっては、良い選択となるでしょう。 [メリット]・夫の本音を引き出すには有効な手段ともなりえる・離婚をしない状況で、離婚と同じような状況をつくれる[デメリット]・事態が好転するまで、つらい日々を我慢して過ごすことになる場合がある 今の状況を受け入れるのも決断、離婚をするのも決断。どんな決断にもメリット・デメリットがあり、また、どんな決断も不正解ではありません。離婚をしてもしなくても自分でも思っていなかったような未来が開けることは多々あります。つらいときに離婚について考えることは、さらにつらいことではありますが、明るい未来を信じてあなたなりの決断をしてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年10月28日何を言っても「イヤ」と言われてしまう、2歳ごろから始まるイヤイヤ期。今まで赤ちゃんだった子どもに自我が芽生えはじめ、社会の一員としての一歩を踏み出し、ママのしつけのはじまりの時期とも言えます。でも、しつけといってもまだ焦ることはありませんよ。 多くの人が乗り越えなければならないイヤイヤ期イヤイヤ期は、寝てくれない、ミルクを飲んでくれないなどに悩まされていたママにとって、次にやってくる難関とも言えるでしょう。 何を言っても「イヤ」と言われてしまうので、ママとしてはイライラもしてしまうし、自分のやり方に不安を感じ、自信をなくしてしまう人も多いでしょう。けれども、イヤイヤ期の訪れは、それこそ息をするように普通のこと。イヤイヤ期が来てくれて、順調に育ってくれているのだと考えましょう。 両親や友人の話を聞いてみようイヤイヤ期の終わりが見えなくてつらいと感じたら、自分のお母さんや先輩ママに話を聞いてみましょう。みんなうんざりしながら、イライラしながら、イヤイヤ期を乗り越えたことがわかるのではないでしょうか。みんなもそうだとわかれば、少し心も軽くなるはずです。脅してしまう、怒ってしまう、いろいろ試して、だましだましやっていることに罪悪感を覚えてしまうこともあるでしょうが、子どもが自分の自我と向き合いはじめて戸惑っているように、ママが戸惑うのも実は当たり前のことなんです。 イヤイヤ期は子どももママも成長するための時期。自分がママとして成長している時期だと思って、自分を責めずに応援してあげてください。 ドンとかまえていよう「イヤイヤ」言ったら、うろたえず、危険でないかぎり「どうぞ、どうぞ、お好きなように」とドンとかまえていてください。自我が出始めた時期だけに「早いうちに悪いことは悪いと教えなくてはならない」と思ってしまいがちですが、おむつがなかなかとれない子でも、ある年齢にいったら必ずトイレでできるようになるように、まだまだ続く育児、焦ることはありません。2歳ですべてを教えこもうとする必要は全くないのです。 子どももまだ自分の変化に戸惑っている時期です。子どもが手探り状態の中でいろいろと教えようとしても、聞いてはくれません。それこそ「イヤ」と言われてしまうでしょう。本当にダメなことから少しずつ教えるようにしましょう。 イヤイヤ期の終わりは必ず来ます。とはいってもイヤイヤ期の次には、また新たな課題が出てくるのが育児。難題が次々と出てくる……と暗い気持ちにならずに、順調に成長してくれている! と前向きにとらえて過ごしてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年10月05日今日は、育児がつらくて、育児放棄してしまいたくなったときに考えたいことについてお話しします。 慣れない育児の中、・産後うつのせいなのか不安でたまらない・自分の時間を子どもに奪われている気がしてしまう・子どもがちっとも寝てくれず泣いてばかりでイライラする・毎日の育児がうまくいかず気が滅入る・鬱々として虐待してしまいそうな自分がいるなど、このような状況が続き、子どもをかわいいと思えず、さらには、子どもを愛せない自分に嫌気がさして自己嫌悪になってしまうママは多いものです。 でも、自分を責める前にちょっと考えてほしいことがあります。 子どもを愛することができる人ばかりではないちょっと前に友人が「うなぎっておいしい?」と聞いてきたことがあります。わたし自身はうなぎが大好きですので「おいしいと思うよ」と答えました。「おいしくて有名だというお店に食べに行ったが、それでもおいしいと思えなかった」と友人はどうにも納得がいかないようでした。 友人は、“うなぎはおいしいと思うべきで、おいしいと思えない状況はおかしいのではないか”と思っている様子です。この話を聞くと、うなぎをおいしいと思わない人がいてもなんら不思議ではないと思う方がほとんどではないでしょうか。でも、これが「自分の子どもを愛せない」となるとちょっと状況が変わる感じがしてしまいますよね。まるで、人としての失格の烙印を押されてしまうように感じてしまう方もいるかもしれません。でも、産んですぐに子どもを愛せないことは、悪いことでも間違っていることでもありません。それはあなたのひとつの考え方であり、感性であり、人からあなた自身を否定されるものではないのです。 ましてや、出産後でホルモンバランスが崩れ、自分の体に変調がある中、大変な育児をしているのです。疲れがたまっていて、他のものに力や愛をそそげなくてもなんら不思議ではありません。まず、「子どもを愛せない」ということで自分自身を責めるのはやめましょう。そのように責めてしまうことも、自分を疲れさせてしまう一因になってしまいます。 “育児がうまくいっていない”という状況はない子どもを愛せないと思ってしまっているとき、心身ともに疲れきってしまっていることが多くあります。前述したように、ホルモンバランスの崩れや日々の育児で疲れやすい状況にあるママであればなおさらです。真面目で一生懸命なママほどストレスがたまりがち。そして自分を責めてしまいがちです。「一生懸命やっているのになんで!?」「どうしてわたしはうまくいかないの!」と思ったときは、ちょっと立ち止まって、思い出してほしいことがあります。“育児に正解はない“ということです。育児がうまくいっていないという状況はこの世の中には存在しないのです。世界に一人だけの赤ちゃんがいて、世界に一人だけのママ。その組み合わせの子育ては世界でたった一つです。正解はこれから赤ちゃんとママで作っていくものです。こうしなければならない、ああしなければならない、という考え方から自分を解放してあげてください。 ちょっとだけ自分の時間をつくろうとはいえ、まだ自力で生きていけない赤ちゃんを放っておくわけにはいきません。イライラして虐待や育児放棄をしてしまいたくなったら、各地域にある子育て支援センターや祖父母などの頼れる人にお願いして、一人の時間をつくってリフレッシュしてみましょう。育児放棄をしたくなるくらいがんばっているママほど、子育て支援センターなどに頼るのに罪悪感を持ってしまいがちですが、つらいときこそ、餅は餅屋です。リフレッシュして心身の疲れがちょっと取れたら、赤ちゃんに優しく接する余裕も出てくるはずです。 24時間拘束され、大きくなればさらに異なった難問にぶつかる、それが育児です。どんなに偉大に見えるママも、それぞれが手探り状態でおこなっているのです。自分を責めずに休憩をうまくとりながら、肩の力を脱いて赤ちゃんに向き合ってください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年10月04日ニュースなどでイクメンの話題があがると、どうして我が家だけワンオペ育児なの……と思うママも多いのではないでしょうか。 夫は気が向いたときにだけしか手伝ってくれない、ママが洗い物をしている中、パパはテレビを見て寝っ転がっているだけなのに、赤ちゃんが泣いているのもおかまいなし。話を聞いてもらいたくて話しても、生返事。毎日24時間ひとりで育児に向き合っているママは、そんなパパにイライラしてしまうことも多いでしょう。 本当に「私だけ」がワンオペ育児なの?イクメンとしても有名だったオリエンタルラジオの中田敦彦さんが、ちょっと前に「良い夫やめました」宣言をされました。 これが良いか悪いかは別として、世間からは完璧なイクメンのように見え、中田さん自身も完璧なイクメンであると思っていたものの、結果的には妻の福田萌さんから見ると全くそうではなかったというお話でした。世間でイクメンと言われている人を見てみても、完璧とはほど遠い、という事実があるのです。 周りを見渡して、パパの育児においてのはたらきに満足している友人はどれくらいいるでしょうか。程度の差こそあれ、ワンオペ育児をしているのが「私だけ」ではないことに気付くのではないかと思います。「私だけ」と思うと、悲観的な気持ちが高まってしまいます。「私だけ」と思ってイライラを募らせるのはやめましょう。 ワンオペ育児がおこってしまう理由もちろん、「私だけ」ではないからと言って、夫が育児に参加しないことは良いわけではありません。では、どうして起こってしまうのでしょうか。ひとつには、おっぱいをあげるなど、どうしてもママにしかできないことがあるからです。ここからパパは「オレの仕事じゃないよね」という都合の良い理由を見つけてしまうのです。 そして、次に圧倒的な情報の差です。ママはお腹に赤ちゃんがいるときから、どうやったら赤ちゃんを育てられるのか、いろいろなところから情報を得る機会もあり、かつ得ようと努力をする場合が多いです。しかしながら、赤ちゃんができてもパパは基本、仕事が主流。育児への情報を入手する機会もママに比べると少ないでしょう。そうなると関心度合いもママと比較すると非常に低くなってしまうのです。つまり、育児を自分のこととして全く受け入れていないのです。 ワンオペ育児にしないためにできることパパにママのフォローを完璧にやってもらうためには、パパに情報を渡し、関心を持ってもらい、自分のこととして感じてもらう必要があります。かなりハードルが高いと感じるママも多いのではないでしょうか。逆に、そこまでするならワンオペ育児でもいいや、と思うママもいらっしゃることでしょう。とはいえ、これからも続く育児。パパに少しでも多くサポートしてもらうよう努力することはマイナスではありません。男性は、主観的な思いよりも客観的な事実に対してのほうが受け入れやすい場合が多いので、ママが「こんなに大変だから手伝ってよ!」というよりも、地域にいる専門家の人の話をパパに聞いてもらったり、ママがいかに大変かを記した漫画や本を読んでもらったりするのがおすすめです。 子育てと同じようにパパも育てるイメージで、焦らず、時間がかかるものと思って対応しましょう。人は自分で変わろうと思わないと変わりません。パパに変わってもらおうと思ったら、まずは「パパが変わらなければ」と思うような環境をつくることから始めてみてくださいね。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年09月29日出産後、夫との考え方にすれ違いが多くなったような気がする、夫の発言に幼稚さを感じイライラしてしまう、こういった状況は多くのご家庭で見られます。 出産したことによって自分でも気付かないうちにママ自身の考え方に変化が出てきていたり、ホルモンバランスの変調で心身に疲れが溜まっていたりするため、ちょっとしたことでイライラしやすくなっていることがひとつの原因です。さらには、出産時に変化の多いママと異なり、パパは通常の生活の延長であるため、なかなかママの状況を理解しにくい状態にあります。 結果と結論を大事にしがちな男性あくまでも一般論となりますが、女性のほうが男性より共感する力が強いといわれています。女性の友だちに話すと、自分のつらい状況をわかってくれるような気がするのはそのためでもあります。一方、男性は、共感するよりも、結果・結論を重視しがちです。たとえば、子どもがミルクを飲んでくれないということでママが悩んでいる場合、ママはいかに赤ちゃんがすすんでミルクを飲んでくれるかという過程や赤ちゃんへの共感を大切にしますが、男性の場合、おなかがすくまで放っておけばそのうち飲むだろう、というように飲めばOKと考えがちです。 ママとしては、それは雑なやり方のように思えて、イライラの原因のひとつとなることが多いでしょう。 目指していることは同じはず赤ちゃんが生まれる前は、なんとなく同じ育児方針かなと思っていた家庭でも、いざ赤ちゃんが生まれるとお互いの考え方ややり方に違いが見えてくるようになります。 想定と異なるということは育児以外でもよくあることです。現在は、ミルクのあげ方だったり、抱っこする時間だったりが問題になっていることが多いかもしれません。けれど、子どもの成長につれて、テレビやYoutubeを見る時間はどれくらいにするのか、お受験をするかしないかなど、その時々にどうすれば子どものために良いかを考えなければならなくなります。その都度、パパと同意見のこともあれば、わかりあえないことも多々あるでしょう。でも、異なる意見の場合、やり方が異なるだけではないでしょうか。子どもの幸せが目的であるのは一緒のはず。子どもの幸せを考えるからこそ、意見を出し合っているのだと思います。 そのときをやり過ごすことも悪ではない育児に正解はありません。ママにはパパのやり方が雑に思えても、もしかしたらパパのやり方が結果的には正しかったということもあり得ます。また、ママがイライラしているほうが赤ちゃんに悪影響の場合もあります。毎回、自分の思ったとおりにパパがやってくれないことに神経を尖らせてイライラしてしまうのではなく、今日はパパのやり方でやってみよう、とおおらかに接してみる日をつくってみてはいかがでしょうか。 大切な我が子。なんでも丁寧にやってあげなければ! とママは一生懸命です。でも、育児のやり方は何通りもあります。子どもの生命力を信じることも時には大切です。ひとつのやり方や考え方にこだわらず、パパの意見も取り入れていろいろと試してみてはいかがでしょうか。パパのやり方を真っ向から否定するより受け入れたほうが、パパもママの考え方を受け入れてくれる可能性が高くなるはずです。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年09月28日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 最近、気付いたら子どもに発するひとこと目やふたこと目が、「ほら、だからママが言ったでしょう!」「あー、もう、どうしてそうなの!?」というような注意や批判的な言葉だったりしていませんか?一人で着替えをしたり、手を洗ったり、トイレに行ったり……子ども自身でできることが多くなると、ついつい増えてしまうママの小言。でもこれ、どんなママでも少なからずこういった状況に陥ります。「わたしって、どうしてだめな母親なんだろう……」とは思わずに、反省を生かして、小言を抑えるようトライしてみましょう! 多くのお母さんの共通問題悪いところや直してほしいことばかりが目について、つい子どもにガミガミ言ってしまい後悔しているママは、たくさんいます。でも一方で、そういったママたちの多くは、きちんと自分の子どもに良いところがあるのはわかっていて、いつだって、子どもの良いところをみつけられるママになろうと努力しています。きっと、これを読んでくださっているママもそうではないでしょうか? ママ自身がとても真面目で、社会に迷惑をかけない人に育てよう、社会に出て恥ずかしくない人に育てよう、と思っているママほど口うるさくなってしまいがちです。つまり、ガミガミ言ってしまったり、小言を言ってしまったりするのは、とっても普通のことなのです。むしろ、良いママの条件でもあるのかもしれません。 イライラした際にチェックしたい3つのポイントとはいえ、いつもいつもガミガミ言われている子どもの立場になってみたら、たまったものではありません。ずっと続けていると、ママが口を開けば怒られるに違いない、と構えてしまい「言われたことを直さなければならない」と思う前に、「あー、またママの小言が始まった。耐えなければ……」というように、ママの注意が全く頭に入ってこなくなってしまう可能性が高くなります。これでは悪循環です。そこで、口うるさく言いそうになったら、以下の3つのことを考えてみてください。 1.友人の子どもだったら?友だちや、電車の中でなどで見ず知らずの人が自分の子どもを叱っているのを見たとき、「そんなことで叱らなくてもいいのに」「あんな言い方しないでもっと優しく言ってあげればいいのに」と思ったことありませんか?振り返ってみたら、自分の子どもには勢いにまかせて注意してしまい、優しく対応していないママは多いのではないでしょうか。子どもに口うるさく言いそうになったら、“友人の子どもが全く同じことをしていたら、その子どもにどのように言うだろうか” “そもそも叱るだろうか?”ということについて考えてみてください。 2.マストとベターどっち?たとえば、子どもに普段から片付けなさいと言っているのに片付けない、足をぶらぶらしてはいけないと言っているのに座ると足をぶらぶらさせている、といったような場合、ガミガミ言う前に、これは“絶対してはいけないことなのか” “できればしてほしくないことなのか”に分けてみてください。ベターに振り分けられることであれば、マストなことができるまで待ってから注意してみても遅くはないはずです。 3.立て続けに叱らない立て続けに子どもに注意しているなと思ったら、いったんベターに振り分けたことは、叱らずにいてあげてください。立て続けに注意されても、怒られている状況をなんとか回避しようと考えるのが先じてしまいます。さらにいえば、そんなにいっぺんには直せません。分刻みで叱っている、注意していると思ったら、ぐっと我慢してみましょう。 口うるさくしてしまったときは、迷わず「ごめん!」子どもは親をしっかり見ています。親がやっていることは、当然、自分もして良いと思ってしまいます。子どもの態度が良くないと思ったときにイライラや気分に任せて怒ってしまうと、お子さんも多かれ少なかれ親と同じような態度をとる可能性が高くなります。思わず、イライラや怒りに任せて注意してしまった場合には、「イライラしてしまってごめんね。イライラして言ってしまうのはとても悪いこと。でもおしゃべりしながら食べるのはお行儀が悪いからやめようね」とお子さんにイライラしてしまったことをきちんと謝って、直してほしいことを伝えましょう。さて、ちょっと自分自身を振り返ってみましょう。“二日酔いがつらくて、二度とこんなに飲みすぎないぞ” “今月も無駄遣いをしてしまった。来月は無駄遣いしないぞ“と自分自身に誓っても、もう何年、何十年と同じ過ちを繰り返している人も多いでしょう。 子どもも直さなければとは思っています。でも、そんなにすぐには直せないものです。まだまだ小さな子ども。ちょっと長い目で見守りましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年08月29日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 夫の実家に行って憂鬱な気分になるママも多いことと思います。義母に、夫にとって自分が良い母親だったかを誇示されたり、「まだおむつが取れていないのねー」と嫌味を言われたり、孫の将来について言及されたり……。納得できず言い返したくても義母にはなかなか言い返しにくいですよね。そんなとき、どのようなコミュニケーションをとればいいのでしょうか。 自分も肯定し、相手も肯定するかわいい我が子を毎日一生懸命育てているママ。普段世話をしていない人からもっともらしいことを言われると、ムッとしてしまうこともあるででしょう。でも、義母も自分を誇示したい気持ちとともに、孫に幸せになってほしいという気持ちが根本にはあるはず。 義母が話出した際に、壁を作るのではなく、成功体験のひとつとして聞く姿勢をもってみることをおすすめします。人は相手が話を聞いてくれないと思うとムキになってしまいますが、聞いてくれると思うと話し方が穏やかになるので、同じことを言われても聞いている際にラクになることが多いです。 共感を示す相手が聞いてくれると思うと、さらに意気揚々と話してしまう義母もいることでしょう。ここは、共感を示しながら聞きましょう。共感とは、意見に同感するわけではありません。そういった意見もあるんだな、と相手の言うことを否定せず、受け止めることです。 ここで、共感をしてもらっていないと思うと、後々、夫に「あの嫁はなにもわかってはいない」「この間の話だけど……」と問題を蒸し返されてしまう危険性を残してしまう可能性が大きくなってしまいます。 夫に相談するそれでも、義母とのコミュニケーションがうまくいかないと感じたら、夫に相談してみるのもひとつの手です。ただし義母の否定は避けましょう。今まで育ててくれた人のことを悪く言われるのは、気持ちのよいものではありません。あくまでも、義母の言うことも正しいと思うというスタンスで。 義母の口撃で自分の子育てが間違っていると自信をなくすことがないように、あくまでも自分の育児を肯定することも忘れずに。その上で、義母の子育てで良いと思う点はどんどん取り入れる気持ちで話を聞いてみると、義母も喜んで味方になってくれると思いますよ。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年08月13日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 旦那さんがイケメン、家庭がお金持ち、おうちが素敵などなど、SNSから流れるリア充を感じるママ友情報に嫉妬してしまい、なんだかイヤな気持ちになったことはありますか? 自分がそれほど充実していない事実にもイラ立つし、そのようなことにとらわれている状況にも自己嫌悪に陥ってしまうことも。どうしたら嫉妬を心に留めずに、ラクに流すことができるのでしょうか。 嫉妬とはなんだろう?人間関係を築く上で、他人と自分を比較することは避けて通れないことです。その上で、他人が自分より優れている、恵まれている状況に対して羨んでしまうことが嫉妬です。嫉妬は誰でも持ちうる感情であり、それ自体は決して悪いものではありません。嫉妬によって、自己を成長させるきっかきにもなりうるからです。 けれど、嫉妬心によって、その感情に囚われて自信がなくなってしまったり、生活がスムーズにいかなくなってしまったりするのは問題です。 嫉妬が起こったときの対処法誰でも起こり得る感情ですから、嫉妬心が出てきてしまったからといって、自分自身を責める必要はありません。それでも、嫉妬心を持っている状況は気持ちの良いものではないでしょう。暗い気持ちに囚われそうになったら「人のことなどどうでもいいや」「自分には関係のないことだ」と、できうる限り明るい吹っ切った気持ちで声に出して言ってみましょう。声に出すことで、そんなふうに思えてくるから不思議です。 それでもイヤな感情に囚われてしまったら…声に出してみても、なかなか気分が晴れなかったら、自分が実際にその人になりたいか考えてみてください。その人になるということは、自分の子どもも自分の子どもではなく、友達も自分の友達ではなくなるということ。それらをすべて代えてみても、その人が羨ましいと感じるでしょうか? 今ある自分の大切なものを思い浮かべてみれば、自分の人生がそれほど悪いものではないことに気付くのではないでしょうか。また、自分の良いところを探してみるのも有効です。「あなたもOK、私もOK」という考えのもと、あの人もすごいが、わたしもすごい、と自分を存分に褒めてあげてください。 どんなにリア充に見えても、悩みがない人はほとんどいません。ママ友のSNS自慢も、もしかしたら、誰かに勝ちたいという嫉妬心から出ているものかもしれませんよ。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年08月06日家事や育児はまったくしてくれない。けれど、まるで物を欲しがるかのように「子ども可愛いし、2人目欲しいな〜」という夫。自分は一人を育てるだけでも精一杯。そのような夫に対して、どう対処したらいいのでしょうか。 「人は変えられない」が基本心理学的には、残念ながら「人は変えられない」が基本の考え方となります。 いくら、「2人目が欲しいなら家事や育児を手伝ってくれないと困る」と伝えておいたとしても、実際にその状況になった際に手伝ってくれることは稀でしょう。深く考えずに2人目を欲しいと言っている男性は、多くの場合「なんとかなる」「やってみなければわからない」と思っています。自分が家事や育児をしなければならないと現実的に考えていないのです。そして、「現実的に考えて」といくら妻が訴えたとしても、夫の身にふりかかって自身の問題として捉えてくれないかぎり、人は変わらないし、変われないのです。 “なんとかしている”現実をわかってもらう家事や育児に参加していない夫の多くは、「子どもがすくすく育っている」という結果だけを見ています。そして「なんとかなっている」と思っています。その裏に、妻の家計のやりくりや、日々の子どもに対する奮闘があることを微塵も考えずに……。 妻がなんとかしている現実について考えてもいないし、そもそも、そんな大変なことがあることに気付いてもいない場合が多いのが現状です。つまり、無邪気に2人目が欲しいという夫に対しては、妻がなんとかしている現実をわかってもらうことが必要になってきます。伝える際は、決して、「わたしはこんなに大変なのよ!」と感情的にならないようにしましょう。夫は、問題を考える前に「うるさいなあ」と感じて、妻の話を聞くことをシャットアウトしていまう可能性が高くなってしまいます。 現実的に起こり得ることを共有する夫が本当に2人目を欲しいと思っていることがわかったら、現実的に起こり得る問題を2人でしっかり話し合いましょう。何を不安に思っているか、何が大変かを夫婦で共有することが大切です。ここで、共有できないようであれば、いったん2人目は待ったほうがいいかもしれません。そして、なによりも大事なのは、自分が欲しいか否かをしっかり考えること。どうしても、妻の負担が多くなってしまうのを避けられない育児。夫の気持ちよりも自分が欲しいのか、についても考えるようにしてくださいね。 育児は、しっかり考えてもその通りにはいかないこともたくさんあります。あまり考えすぎて不安だけが先走り、欲しい子どもを諦めてしまうことはできれば避けたいものです。人は変わらないということを念頭に、とりあえずの不安をできるだけ取り除けるよう、夫と話し合ってみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年08月05日好きで結婚したはずなのに、離婚したいと思うことがしばしば……と離婚するか否かで悩まれるご夫婦はたくさんいます。夫婦といえど相手もひとりの人格をもった他人。自分と全く同じ考えを持っていることなどありえません。ましてや自分が思うように動いてくれないことは当然です。離婚したいと思ってしまったとしても、全く不思議なことではありません。どの家庭にも起こり得ることです。 1.離婚したいと思う原因は何か?離婚したいと思ったとき、まず、どうして離婚したいと思ったのか、冷静に考えてみてください。夫の育児への不参加、意見の不一致、不倫など、離婚したいと思う理由は家庭によってさまざまだと思いますが、イライラや憂鬱な気持ちに任せて離婚の話し合いを進めてしまうとあとで後悔しかねません。 理由がひとつでない場合は、どの理由が最も離婚したい原因となっているか順位付けしてみてください。 2.解決方法はないか?離婚したいと思う一番目の理由から、解決方法がないかゆっくり考えてみましょう。実は夫にしっかり話を聞いてもらえば解決できることかもしれません。 できるだけ、具体的な方法を検討してみてください。「自分はどうしたいのか」「夫にどうしてほしいのか」を考えていきます。 次に、自分が主語のものと、夫が主語のものに分けていきます。たとえば、「わたしは、ひとりで映画を見に行くような時間がほしい」というものと、「夫に家事をやってほしい」というものに分けます。 次に、夫にしてもらいたいことについては、「夫に家事をやってほしい」から「わたしは、夫に家事をやってもらえると嬉しい」というように、自分を主語に変換してみましょう。夫に伝えるときは、あくまでも自分を主語にして伝えましょう。 3.自分の覚悟はどれくらいか?夫にイライラ、ムカムカして、勢いで離婚を切り出してしまう前に、本当に自分は離婚したいのか、離婚してからどのように生活していくのか、これからの自分の人生をどうしたいのかについても考えてみましょう。日常生活に追われてなかなか考えることはないかと思いますが、自分の人生について考える良い機会でもあります。ちょっと長い目で夫婦生活を考えると、また違った視点で夫婦関係を見直せるかもしれませんよ。 離婚はその気になればいつでもできます。焦らず、まず気持ちを落ち着けて考えてみてください。ただし、DVやモラハラなど、自分の心身を脅かすようなことが離婚を考える原因であれば、迷わず専門家に相談してください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年07月31日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 なんど言ってもちゃんとやってくれない、注意しても同じ間違いをするなど、しつけをする上で困っているなら、もしかしたら伝え方をちょっと変えたほうがいいかも。 記憶のメカニズムを知って、子どものしつけをラクにしませんか。 記憶するまでの過程とは記憶の過程には情報をキャッチする第一過程、記憶を定着させる段階の第二過程、記憶を蘇らせアウトプットする段階の第三過程に分けられます。 たとえば電車内でのしつけに当てはめてみると、第一過程:子どもが電車内では静かにしていなければならないということを知る第二過程:子どもが電車に乗るたびに静かにしなければならないことを思い出し、試みる第三過程:子どもが、親などに言われなくても自ら電車内で静かにするようになる このうちの第二過程を何度か繰り返すことによって、第三過程の状態になります。また、情報をキャッチした段階と思い出す環境が同じだと記憶の再生率が高いとされています。 子どもが自らやるようになるには?人の記憶について調べたところ、最初に聞かされた単語と最後に聞かされた単語の再生率が高いということがわかっています。つまり、あまり長々と話しても覚えていられないということです。ましてや子どもであれば、端的に伝えるのが効果的といえます。 また、単純に反復して覚えるより、意味や関連を考えて覚えたほうが長期記憶に移行しやすいとされています。「やりなさい」と言い続けるより、「○○だから、こうしようね」と伝えたほうが記憶に残りやすいのです。 感情的にガミガミ言ってしまうのは要注意言っても言ってもきちんとやってくれないと、つい声を荒げてしまったりしてしまうこともあるでしょう。けれど、これには注意が必要です。 努力して覚えようとしなくても忘れられない記憶を「フラッシュバブルブ記憶」といいます。これは一般的には、大切な人との死別や大きな事故を目の当たりにしてしまった場合などに起こるとされていますが、日常でも起こり得ることです。 感情的に怒られることによって、子どもが知らずのうちに心に大きな衝撃を受けてしまい、場合によっては、成長していくにつれて、忘れたくても忘れられずに苦しむ要因ともなりえます。あくまでも、“しつけは冷静に“が重要です。 つい長々と諭してしまう、つい声を荒げてしまう、などはしつけには逆効果。端的に伝えて、焦らず、そしてこどもがきちんと反復して自分のものにするまで温かく見守りましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年07月04日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 子どものしつけって難しいですよね……。子育てをしていると身にしみて感じることのひとつではないでしょうか。 そもそも「しつけ」とは、どういった意味なのでしょうか。小学館の「デジタル大辞泉」によれば、「礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。また、その礼儀作法」とあります。 いずれの意味をとっても、大人の思う通りに動かすことではないということがわかります。 “しつけ=怒る“ではないジュースをこぼした、ごはん中にふざけている、お友達のおもちゃをとったというような子どもの様子を見て、つい、声を荒げて「やめなさい!」と感情的になってしまっているママは多いのではないでしょうか。 こういった場合、自分ではしつけをしているつもりでも、実はママの気持ちを表に出して怒っているのであって、しつけではなくなってしまっています。しつけは、「身につくように教え込むこと」であり、「正しく整えるために仮にざっとあらく縫うこと」。つまり、導くことが大事なのです。 思い通りにさせようとしていませんか?テレビをたくさん見てほしくないという思いから、「テレビを見てはダメ」と言ったり、早く寝かせなきゃと「早く寝なさい」と言ったり。もともとは子どものためと思って発していることばでも、いつの間にか「今寝てほしい」「今テレビをみるのをやめてほしい」という思いが主になってしまい、子どもをしつけているつもりで自分の思い通りに子どもを動かそうとしてしまうこともありがちです。 子どもが言うことを聞いてくれない! とイライラしている自分に気づいたら、注意が必要です。一度冷静になって、子どもを思い通りにしようとする自分をストップし、改めてしつけをする態勢を整えましょう。 理由を伝えて「してみよう!」「してね!」が基本繰り返しになりますが、しつけとは子どもが正しい行いをできるように導くこと。どうしてそれをすることが必要かをきちんと説明をしてあげることが大切です。 そして、「しなさい」ではなく、「してみよう!」「してね!」と伝えましょう。子どもがきちんと納得して、自分自身でやってくれるよう促すことが、子どもの行動の再現性につながります。 そしてきちんとできたら、できたことを褒めてあげてくださいね!「すごい!」というような漠然としてことばではなく、「○○がよくできたね」とできたことを具体的に伝えましょう。 実際に子どもと接していると、つい、しつけという名の元に、感情的になってしまうことも多いでしょう。簡単に、そして完璧に「しつけ」をできる親御さんはそうそういません。子どもをしつける自分も、自分自身でしつけていくイメージで試してみてくださいね。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年07月03日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 日々の子育て。頑張れば頑張るほど、つらいことや苦しいことが出てきて、モヤモヤ気分が募るママも多いのではないでしょうか。モヤモヤがしまいにはストレスになってしまうことも。ストレスを溜める前にモヤモヤ気分を上手に撃退しましょう。 心=脳!? 感情は脳からできている?つらいと思ったり、苦しいと思ったとき、胸がぎゅっと締め付けられるような感覚におちいるのではないでしょうか。そのため、感情は心(=心臓)が司っていると思われがちです。 しかし、人間が感情を抱くときには必ず脳の神経系に変化が表れているということがわかっており、心理学上では、脳が心の働きを担っていると考えます。脳には、さまざまな役割があり、大脳辺縁系では喜びや悲しみ・怒りを、海馬では記憶や学習、扁桃体は情動学習の中枢としての役割を、前頭連合野は自発性や計画性に関連しているといわれています。 脳が人間の心としての機能の多くの部分を司っていることがわかっているのです。 モヤモヤの原因を頭の中から探してみる心(=心臓)で感じているモヤモヤした感情をどうにかしようとすると、モヤモヤしているがゆえに、手のつけようがないのではないでしょうか。そこで、苦しくなったりつらくなったりしたとき、このモヤモヤは心から発せられているのではなく、脳から心に司令を出していると考えてみてください。 脳が司令を出しているのであれば、なんらかの司令の元となる事象があると考えます。この事象を探してみることにより、つらさを軽減できることがあります。 つらいと思ったことを書き出してみる司令の元となる事象を探し出すには、まず、つらいと思ったり苦しいと思ったりしたときの原因を書き出してみましょう。 たとえば、「ママ友との付き合いがつらい」ということで心に痛みを感じているのであれば、なぜつらいと思ったのかを思う存分書き出してみます。正しい正しくないは関係ありません。思いあたることを全て書き出してみましょう。 たとえば、・ママ友に責められている感じがする・いつもママ友が誰かの悪口を言っている・ママ友が自慢話ばかりしていて聞いていて気が重くなるなどなど。 書き出しきったら、次に事実であるもの、自分の推測の域を出ないものに分け、事実であるものについて焦点をあててみましょう。 上記の例でいえば、・ママ友に責められている感じがする→推測・いつもママ友が誰かの悪口を言っている→事実・ママ友が自慢話ばかりしていて聞いていて気が重くなる→事実となります。 その事実に対して、なぜ自分が嫌な気分になっているのか、余裕があれば、ママ友に会わないようにする、ママ友があまり悪口や自慢話をしないシチュエーションに持ち込むなど、自分なりの解決方法を考えてみましょう。 自分の中で渦巻いている感情の原因がわかれば、だいぶ、モヤモヤが薄らいでくるのではないでしょうか。 原因を特定し自分なりの対応策を自分自身で出せれば、苦しみもだいぶラクになるかと思います。ここで、“問題について放置する”という対応策に落ち着くのでも全く問題ありません。自分が問題の原因を掴んで、それへの対応に対して自分なりに納得できれば、ひとまずOK。 モヤモヤを消し去りたい、モヤモヤと戦いたい、と思ったら、まずはモヤモヤの原因を探しましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年07月02日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 赤ちゃんが無事に生まれ、「良いお母さんになろう!」「素敵なママになろう!」と気持ちを新たにする人もたくさんいると思います。 けれど一方で、自分でかけた「良いママ」という呪縛に苦しめられ、ストレスを溜めてしまうママも少なくありません。 苦手な家事に追い詰められてしまったママ【Aさんの場合】Aさんはもともと家事が苦手でした。料理もレシピ通りに作っているはずなのに、どうしてもおいしくできません。嫌いな家事の上に、慣れない育児。周りを見れば、みんなうまくこなしているように見えます。 ママになって家事をもっとできるようにならなければと焦り、結果、ストレスでいつもイライラしてしまう、食事を作ることや片付けについて考えると鬱々としてしまうようになりました。 夫にはもちろん、赤ちゃんにもあたってしまい、ますます物事がうまく進まなくなってしまいました。産後にAさんのようになってしまうママは、決して珍しくありません。程度の差こそあれ、全てのママに起こる可能性のあることなのです。 すべての物事は、自身の考え方から発生心理学上では、しなければならない、こうでなければならないと思い込んでしまうことを「イラショナルビリーフ」といいます。 ここで重要なのは、否定的な感情の原因は出来事から発生しているわけではなく、自身の考え方や感じ方から生じているということです。 「ママは家事もきちんとできなくてはならない」「赤ちゃんのいる家はいつもきれいにしておかなければならない」「片付けをできないわたしはダメだ」「料理をできないわたしは主婦失格だ」と感じてしまったり、考えているのは自分自身であり、他者のせいでも、過去のせいでもないのです。 どうしてそう思ったのか、現実的な考えか、を考えるイラショナルビリーフの状態になってしまったら、片付けをできない自分はダメなのか? 料理をできないと主婦は失格なのか? というように、今の考え方、感じ方が本当に正しい物事の捉え方なのか検討してみてください。 絶対的に、片付けをできないとダメ、料理をできないと主婦失格、なんてことはないことがわかると思います。イラショナルビリーフの状態になっているとき、多くの場合、極端に一般化した考え方になってしまっていることが多いのです。 ここまで読んで、「こんなふうに考えてしまう自分はやっぱりダメなんだ」とは決して思わないでください。そう思ってしまったら、また、どうしてそのように思ってしまったのか、本当に正しい捉え方なのかについて考えてみてください。 自分ひとりで考えていても自分を責めてしまうようであれば、ぜひ、友人や夫、カウンセラーなどに、状況を話してみてください。イラショナルビリーフの状態から、抜け出せるきっかけをもらえるはずです。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年07月01日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウヒロコさんからメッセージです。 1歳ごろから、自分で飲み物をコップから飲めるようになり、そして、自分でいろいろとやりたがるようになります。 うれしい成長ではありますが、ママとしては、飲み物をこぼしたり、遅かったりすると、ついイライラしてしまいがちではないでしょうか。特に、時間のないときだと、子どもは悪くないとわかっていても声を荒げてしまい、自己嫌悪に陥ってしまうことも。 そんな日常での子どもに対するイライラを鎮めて気持ちをラクにする方法を紹介します。 怒りのピークをやり過ごす怒りのピークは6秒経てば静まっていくといわれています。 イラッ! ときたら、ゆっくり数を数えて6秒待ってみてください。その際、深呼吸をするのも効果的です。鼻から息を吸って口からゆっくり息を吐きましょう。イライラが静まっていくのを実感できるはずです。 子どもの件にかぎらず、普段からイライラしがちだと思われる方は、日常生活のなかで苛立つ瞬間に出会ったときに、一度時間をおく練習をするのもおすすめです。 一生懸命やっている様子を確認する朝、幼稚園や保育園へ行く前に、自分でやりたがる着替えや靴の脱ぎ履き。自分でやらせると遅くて、つい「早くしなさい!」とイライラを子どもにぶつけてしまうことはないでしょうか。 でも、イライラをぶつける前に子どもの顔を見てみてください。真剣に一生懸命やっていませんか? 子どもの一生懸命やっている様子を観察しながら、怒りのピークの6秒をやり過ごしてもいいですね。 怒らずにほめる子どもにイライラするとき、多くは子どもが悪いわけではなく、ママにとって都合が悪い状況であることがほとんどです。たとえば、あと5分で出かけないといけない状況だったり、こぼしたジュースの掃除をするのが面倒だったり。もし、時間があったら、掃除の手間を考えなかったら、子どもが自分で物事をやり遂げようとする素晴らしい事実がそこにあることに気づきます。 怒るのではなく、「ちゃんと自分でやってえらいね」とほめてみてください。子どもをほめることで、「どうしてできないの!」という気持ちから「成長している証!」というように、ママの考えの転換にもなります。 イライラしてしまうのは、人間の一つの発散の形なので、決して悪いことではありません。イライラした自分に対して自己嫌悪に陥り、さらにイライラが増してしまっては悪循環です。イライラしてしまったら、子どもに当たる前にまず6秒間おいてみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年06月15日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 子育てをしていて、パパに手伝ってもらいたい場面はたくさんあると思います。しかしいざ、手伝ってもらおうとすると、気乗りのしない返事をされてしまったり、やってくれたとしても、思った通りにやってくれなかったり……。パパにお願いすること自体がストレスになってしまうことも。できるだけ効果的にパパにお願いする方法とは? 要点をはっきり伝えるついつい、手伝いをお願いする前に「わたしばっかりやって、ちょっとはあなたもやってよ」というような愚痴から始めていませんか? 誰でも、愚痴から始まるとその後は聞きたくなくなりますよね。 「おむつを代えてください」「お湯を温めてください」など、やってほしいことの要点を伝えるようにしましょう。 「○○さんのパパはあんなこともやってくれるんですって」というようなお願いすること以外の情報も、シャットアウトです。 主語は「わたし」にする要点をはっきり伝えるということにも関連しますが、「あなたはゴロゴロしているだけなんだから、手伝ってよ」というように、パパを主語にするのは避けましょう。 ゴロゴロしているだけかどうかはパパが決めること。パパもこのように言われたら「疲れを癒やしているんだよ、うるさいな」と返してしまいたくもなります。 「わたしは今、どうしても手が放せないので、手伝ってくれないかしら」というように、お願いするときは、あくまでも自分を主語にしましょう。 数は少なく、初めてのことは時間のあるときに一般的に脳科学の分野では、男性はシングルタスクが得意とされています。 ひとつのことに集中するのは得意ですが、一方で同時進行で物事を動かすことは苦手といわれています。 ただでさえ、慣れない育児について一気にたくさんお願いすると、やり忘れがあったり、一つひとつのことが荒くなったりしがちです。パパにお願いすることは、なるべく慣れているものにしぼり、あまりやったことがないこと、初めてお願いすることは、パパの時間があるときにお願いするようにしましょう。 初めてのことだらけで猫の手も借りたい状況でパパがスムーズに手伝ってくれたら、ママの負担も少しは減るはず。上手にお願いして、ラクに家事をすすめましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年06月09日子どもに社会できちんとした振る舞いをしてほしい、正しい対応をしてほしい、と親なら思うもの。それゆえ悪いことをしたら、親としてはきちんと叱らなければならないとも思いますよね。 けれど、それ、本当に叱っていますか? 怒っていませんか? 「怒る」と「叱る」の違いママが言ったとおりに動かない、ママの言うことを聞かない……など、「ママ」が主語になっていたら要注意です。ママの思う通りに子どもが動いてくれないことで感情的になって怒っている可能性があります。一方、冷静に、何が悪くてどうしてそれをやってはいけないのか、きちんと説明できていたら叱っていると思っていいでしょう。 それは本当に「子どものため?」とはいえ、「怒る」と「叱る」の境界線は日々の中ではかなり曖昧です。たとえば、電車の中で騒いでしまったわが子に「静かにしなさい」と言ったとき、人に迷惑をかけるのが悪いこと、と思う前に、ママが車内の人の目が気になって「早くやめさせなければ」という気持ちが先走り、怒り口調で言ってしまうということも多々あるかと思います。 ママが感情をぶつけてしまうと、子どもは反省する前に「怖い」という感情を持ってしまい、結果、なぜ悪いのかの根本を理解できないままになってしまう原因にもなります。 怒りが出てきたときの対処法怒りをコントロールするスキル「アンガーマネージメント」によれば、怒りの感情がピークにあるのは6秒程度と言われています。まず、“子どもが悪いことをしている“と感じたら、1、2、3……とゆっくり6まで数えてみましょう。それから、子どもにどう言えばわかってもらえるか考えて、ことばを発してみましょう。 感情に任せて怒ってしまうと、子どもにとって悪い影響になりかねないだけでなく、ママにとっても気持ちのよいものではありません。怒らなければ、と思ったら、子どもにことばを発する前に、6秒間待ってみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年06月02日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 4月から登園が始まり、そろそろ、お子さんも保育園に慣れてきたころではないでしょうか。 お子さんが慣れてきた一方で、ママと保育園の先生とのコミュニケーションがうまくいかず、先生への不満がちらほら出てくるころでもあるかもしれません。 保育園の先生もママたちとのコミュニケーションに悩んでいる!実は、保育園の先生たちもママとのコミュニケーションで悩んでいる人がたくさんいます。大切なお子さんをお預かりしている中で、伝え方をちょっとでも間違えてしまうと、ママたちが先生へ不信感を抱くきっかけとなってしまったり、不安を感じさせる一因となってしまう可能性があるからです。 また、子どもの話をしたいのにママ自身の話をされてしまい、どうしていいかわからなくなってしまう先生も多いようです。 前のめりなコミュニケーションになっていないか注意!大切なわが子を預けているという理由で、ついつい前のめりなコミュニケーションになってしまっていませんか。たとえば、自分が気になることを一方的に話していたり、子どもではなくママ自身の話をしてしまったり。 「うちの子に対してちゃんとやってくれていますよね?」という威圧的な態度を知らずのうちにしてしまっているかもしれません。これだと、保育園の先生も伝えたいことを言えなくなってしまいます。 保育園の先生の話を受け止める保育園の先生とのコミュニケーションがうまくいっていないないと感じたら、まずは、自分の言いたいことはおいておいて、先生の話しを聞いてみてください。その際、プラスのストロークと言われる対応をするのが大切です。 プラスのストロークとは、・うなずく・ほほえむ・はげます・ほめるなどです。 逆に、マイナスのストロークとは・見下す・にらむ・軽蔑する・悪口をいう・けなすというようなことがそれにあたります。 コミュニケーションはお互いに取りやすい状況を作ってこそ、豊かなコミュニケーションが成り立ちます。 子どもを侮辱するような発言をしたり、自分の非を認めないような先生は論外ではありますが、保育園の先生に不満をもったら、不満を増長させる前に、プラスのストロークをしてみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年05月28日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 ママ友と話しているときに、意見が合わない、どうも責められている感じがしてしまう、何気なく言われた言葉に嫌な気持ちになってしまう、結果、その場の雰囲気が悪くなってしまい、ますますママ友に会うのが憂鬱になってしまう……。 そんなときは、もしかしたら、コミュニケーションの過程で「会話のクロス」が起こってしまっているのかもしれません。 「会話のクロス」とは精神科医エリック・バーンは、「他者と関わるときの人の中の傾向」=「自我状態」には、大きく分けて、3つのパターンがあると提唱しました。 ルールなどを重視する親のような視点を持つP、冷静に現在の状態を把握する成人のA、今までの経験などから特に意識せずに反応してしまう子どものような自我状態のCの3つです。円滑なコミュニケーションには、会話のベクトルを並行にすることが必要であるといわれています。 例えば、友人Aに「久しぶりに子どもを置いて飲みに行かない?」と言われて、「そんな小さな子を置いていけるわけないわ」と思うのがP、「夫に預けられるといいのだけれど」と返すのがA、「いいわね! 行きたいわね」と返すのがCです。 この場合、友人Aが、Cの自我状態での返答を希望しているのに、PまたはAで返してしまうと、会話のベクトルが並行にならずクロスが起こってしまいます。 うまくいっていないときの自分の傾向を知ろう人は、相手によって異なる反応をしますが、Pの反応が多い人、またはAやCの反応が多い人と人によってそもそもの傾向があります。コミュニケーションがうまくいっていないと感じるとき、自分は、どの態度で相手に接することが多いかを考えてみましょう。そして、実際、どのように返せば会話がクロスしなかったのかを検討してみましょう。 基本は「あなたもOK、私もOK」会話のクロスを発生させないためには、会話のベクトルを並行にすることが必要になるわけですが、これは、相手の意見に同意する、相手の顔色を伺うということではありません。 重要なのは、「あなたもOK、私もOK」ということ。 あなたの考えは素晴らしい、そして私の考えも合っている、という考えのもと、相手を受け入れ、共感することが大切なのです。 前の例でいえば、飲みにいくか行かないかはまた別の問題。相手の意見を肯定することから入ることで、だいぶコミュニケーションがラクになるはずです。 会話をクロスさせないように、ということばかりに気をとられて無理に続けると、さらに憂鬱な気分や不安を増長させてしまうこともあります。うまくいかない場合は無理に続けるのはやめて、専門家に相談するなどしてくださいね。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年05月17日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 新年度が始まり、仕事復帰したママも多いことと思います。仕事が始まる前は「やるしかない!」と意欲満々だったママでも、近頃、働いていると子どもがかわいそう……と思い始めていませんか? ・朝も夜も時間に追われ、子どもにイライラと当たってしまって自己嫌悪の日々……・平日は仕事と育児で忙しく、土日もたまった家事に忙殺され、気分転換どころか、誰かに相談する時間もない。こんな余裕のないママをもって子どもがかわいう……と鬱々としてしまう そんなときは、ちょっとだけ行動を変えてみるといいかもしれません。 「認知」と「行動」は選択できる人は毎時間、毎分、「認知」と「行動」を繰り返して生活しています。そして、この「認知」と「行動」は自分自身で選択できるものです。たとえば、「土日にたまった家事をする」という行動は自身で選択したものです。しない、という選択もできます。 一方、土日にたまった家事をしたことで、「子どもの相手をできなかった。かわいそうなわたしの子ども」という認知をすることもできれば、「ママは土日もがんばった! こんなスーパーママをもったあなたは幸せね!」という認知もできます。 自分の行動を書き出してみる毎日、時間に追われているママは、行動も認知も意思をもって自ら選択できずにいる状態です。そしてそれゆえ、自然に出てきてしまうネガティブな感情や気分に支配されていることが多いのです。 そこで、ちょっとだけ時間をとって、自分の毎日の活動を書き出してみてください。そこから、ちょっと手を抜いてよい時間やネガティブな感情に支配されている時間などを見つけてみてください。 パターンをちょっとだけ変えてみる手を抜いてよい時間は思い切り手を抜いてみる、ネガティブな感情に支配されている時間は、自分の好きなことに没頭してみるなど、いつもの生活パターンをちょっとだけ変えてみてください。すぐにいろいろ変える必要はありません。1日だけ、数時間だけ試してみることからはじめてみましょう。 いつもの「認知」と「行動」の選択パターンをちょっと変えることで、現在の悪循環から解放される糸口が見つかることは多いものです。ネガティブな感情や気分から解放される自分なりのパターンを見つけてみてくださいね。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年05月15日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 イクメンが話題の昨今。 わが家の夫もありがたいことに、家事分担の話し合いに応じてくれているし、しかも実行もしてくれる! が……、やってくれるのはいいけれど、どうもやり方に納得がいかない。 洗い物をしてくれるけれど洗い残しがある、洗濯してくれるといっていたのに洗濯機のボタンを押しただけ、洗濯物のたたみ方が荒い、赤ちゃんの面倒は気の向いたときだけなど、イライラを抱えるママは多いのではないでしょうか。 そこで、パパの家事や育児のやり方にイライラしない方法をお伝えします。 「人は変えられない」が前提心理学では、「自分で変わろう!」とその人自身が思わないかぎり、他人がどんなにがんばってその人を変えようとしても、人は変えられないということを前提にします。つまり心理学的には、ママがどんなにパパに変わってほしくても、パパ自身が変わろうと思わないかぎり、パパが変わることはないのです。 そもそも、パパにとっては「家事分担をする」という約束ははたしているわけですから、文句を言われる筋合いはない、というのが考え方の基本でしょう。 では、どうしたらスムーズに、ママが思うような家事や育児をやってくれるようになるのでしょうか。 感謝の気持ちを忘れずにちゃんとやっていると自分では思っているのに、イライラされたり、文句を言われたりしたら、やる気がなくなるのはママでも同じですよね。まずは、やってくれること、やってくれたことに感謝しましょう。「なんで分担なのに、わたしが感謝しなきゃいけないの!」とは思わず、ここは大きな心をもって「ありがとう」の一言を伝えてみましょう。 直してほしいことや、やり方を変えてほしいことがある場合は、「こうしてくれたらもっとうれしい」というように伝えましょう。 焦らず、徐々に! が大切当然のことながら、パパはママではありません。ママと全く同じには、そもそもできないのです。その上で、ママとは違うやり方をやっていたとしても、それでよしと思うようにしましょう。 視点を変えてみたら、パパのやり方のほうが実は効率がよかった、なんてこともあるかもしれません。すぐにパパがママの思うようにしてくれなくても、イライラせず、気長にやってくれるように待つことも大切です。 自分でやったほうが早くかつ思い通りにできるため、自分でやってしまい、結局ママの分担のほうが多いというのはありがちなこと。ママの思い通りの状態の完成度で、分担を均等にするためには、それなりの時間が必要です。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年05月08日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 おむつも替えた、授乳もしておなかもいっぱいなはずなのに寝てくれない……。まとまって睡眠をとれずに毎日を過ごしていれば、イライラしてしまうのも仕方のないことです。とはいえ、できるだけイライラしないで過ごしたいですよね。そんなときに少しラクになれる思考法をお伝えします。 イライラしている原因を突き止めるイライラの原因も人それぞれです。ただひたすら寝たいのに寝られないことにイライラしてしまう人もいれば、赤ちゃんに当たってしまっている自分が嫌でイライラしてしまう人もいます。 まずは、イライラしてしまっているとき、自分が何にイライラしているのかを考えてみてください。 認知と行動は選択できる心理学の考え方のひとつに、「自然に発生する感情や身体反応をコントロールするのは難しいが、認知と行動については選択できる」というものがあります。つまり、イライラしてしまうのをコントロールすることは難しいのですが、その後の認知と行動は自分自身で選ぶことができるというものです。 例えば、イライラしてしまったあと、イライラした感情をそのままに赤ちゃんのお世話や家事をすることもできますが、なぜ今イライラしたのかを思い返して、「最近の寝不足が原因かな?」「大好きなスイーツを今日は食べてないからかも!」など、異なる考えを見つけることもできます。 行動もまた、そのままイライラして物にあたることもできれば、物にあたるのをストップするということもできるわけです。 気持ちを少しラクにするために緊張をやわらげるために呼吸法はおすすめです。イライラしてしまったら、以前お伝えした記事【イライラしてしまったときに!心を落ち着かせる「呼吸法」】を参考に、まず呼吸法を試してみてください。自身で考える余裕があれば、対処できる方法を考えてみましょう。 例えば、じっくり1日寝たいのであれば、産後ケアセンターや一時保育の利用、ご両親に赤ちゃんのお世話を頼むことができないかなど、現在まだおこなっていないことを検討してみましょう。赤ちゃんにあたってしまい自己嫌悪に陥っているのであれば、自分がイライラしてしまう過程を書き出し、今の状態を総合的に理解してみるのもおすすめです。 具体的には、・イライラしたときの状況(赤ちゃんが泣いたなど)・自分の認知(どうしてうまくいかないんだろうと思うなど)・そこから起こる自分の気分(イライラしてしまうなど)・身体反応(胃のあたりがどんと重くなる)・そこから自分がおこなっている行動(抱っこして泣き止むのを待つ)を書き出します。 ここで、自分の認知は変えられないのか、行動を変えられないかについて客観的に考えてみます。「今」の問題に焦点を当てて、自分の認知と行動を変えることができないかを検討してみるのです。認知と行動が変われば、自ずと状況も変わるはずです。大事になのは、焦らず「今」の問題に焦点を当てて、今の状況を好転させること。一気に状況を変えようとすると無理を生じさせる場合があります。少しずつ状況を改善し、イライラを少なくしていきましょう。 心理学全般に言えることですが、対処法には向き、不向きがあります。試してみたものの、しっくりこない、さらにイライラが募ってしまう、ということがあれば、即ストップしてください。著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年04月17日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 ママ友と一緒にいるとなんだか、とてもイヤな気持ちになる……。そんなときは、もしかしたら、コミュニケーションの過程で「マイナスのストローク」が起こってしまっているのかもしれません。 心理学におけるストロークとは……心理学でいうストロークとは、身体表現、言語表現、非言語表現を使って「相手の存在を認める行為」のことです。ストロークには、プラスのストロークとマイナスのストロークがあります。 [プラスのストローク]身体表現:手をつなぐ、なでる、抱きしめるなど言語表現:励ます、褒める、慰める非言語表現:うなずく、微笑むなど [マイナスのストローク]身体表現:殴る、蹴る、ぶつかるなど言語表現:悪口を言う、けなす、罵倒するなど非言語表現:見下す、睨む、軽蔑するなど人間は、できる限りマイナスのストロークはいらず、プラスのストロークを欲しいと感じます。 スムーズなコミュニケーションを育むには前提として、「あなたもOK、わたしもOK」という考え方をベースにします。相手のことはもちろん、自分のことも肯定します。その上で、プラスのストロークをおこないましょう。 相手のことも自分のことも肯定できない状況でおこなうと、信頼の気持ちからストロークが発せられず、結果的にマイナスのストロークを相手に与えかねませんので心の底から肯定することが重要です。 例えば、苦手だなと思っているママ友がいたとします。彼女の発言内容問わず、「どうしてああいう言い方しかできないのかしら」などと思っていると、非言語表現でマイナスのストロークを相手に投げかけてしまいかねません。 人は、プラスのストロークを受け取るとプラスのストロークを返そうとするといわれています。逆にマイナスのストロークを受け取ると、マイナスのストロークを返してしまいがちなのです。 プラスのストロークを返すよう心がけましょうもし、ママ友からマイナスのストロークを受けたと感じてもプラスのストロークで返しましょう。そうすることで、プラスのストロークが始まる可能性が高くなります。一方で、どんなにプラスのストロークを返しても、マイナスのストロークで返してくる人もいるでしょう。 そんなときは、できるだけその人と一緒に過ごす時間を減らしていくことをおすすめします。 プラスのストロークの投げかけは、普段から意識しておこないたいものです。お子さんやパパにもプラスのストロークで接すると、家庭のコミュニケーションが円滑に進む可能性が高まりますよ! まずは、自分がマイナスのストロークを投げ続けていないかチェックしてみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年04月13日何かと不調を感じやすい妊娠中、赤ちゃんのお世話で大変な出産後。それでもキレイをキープしたいときはどうしたらいいのでしょうか?美しくなれて、かつ時短・簡単なお風呂術を、睡眠とお風呂の専門家で、 『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読むお風呂の魔法』 (主婦の友社)の著者である小林麻利子さんにうかがいました。お話をうかがったのは…小林麻利子(こばやし・まりこ)さんナイトケアアドバイザー、睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員、上級心理カウンセラー。身体の不調に悩む女性のための生活習慣改善サロン「flura」をオープン。これまでに1700人の女性の不調を悩みを解決し、サロンは1年半先まで予約待ち。著書は『美人をつくる熟睡スイッチ』(ジービー)、『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイアモンド社)など。ただいま7カ月の男の子のママ。■妊娠中、お風呂は入らないほうがいいって本当?――妊娠中はつわりや体形の変化などで入浴を億劫に思い、シャワーですませる方も多いようです。お風呂には入ったほうがいいのでしょうか?小林麻利子さん(以下、小林さん):妊娠中の不快症状に加え、温度が高いお湯はおなかの赤ちゃんに悪影響と思って、シャワーですませる人が多いとも聞きます。でも、これは間違い。2016年の研究(※)では、妊娠後期に41度で10分間入浴しても問題ないという結果が出ています。今回推奨しているのは40度なので、さらに安心ですさらに、妊娠中は胎児の成長のためにも、お母さんのホルモンバランスを整えることが大切。しっかりとお湯につかり、リラックスすることで、自律神経を整えて、ホルモンバランスをコントロールしてあげたいものです。そうすることで、妊娠後期の寝つきの悪さや眠りの浅さを解消することもできます。――妊娠中の不快を軽減する入浴法はありますか?小林さん:妊娠中から出産後まで、むくみに悩まされる方は多いですね。おなかが圧迫されて、下半身のリンパの流れも血流も悪くなりますから。鏡で自分の顔を見て、ガッカリなんてことも…。でも、お風呂に入ると水圧によってリンパの流れがよくなり、むくみが解消されます。さらに入浴中、ふくらはぎや足の指をやさしくマッサージしてあげれば、水圧と相まってより効果的でしょう。また、妊娠中は血圧が高くなりがち。息を吐くたびに「あーっ」と声を出しながら入浴すると、体の力もほぐれ、血圧上昇を防ぐこともできます。■出産後「肌荒れや便秘、体重増加…」解消のカギは?――出産後だからこそ、キレイになるためにやるべきことはありますか?小林さん:人間の体には太古の昔から地球で生きていくために形成された体内時計があります。それに従い、とにかく生活リズムを崩さないことが大切!夜中の授乳などで疲れていて、朝遅くまで寝たいという欲求にかられても、一旦はパパと一緒に起きましょう。太陽の光を浴びて、一緒にごはんを食べて、排泄をしてから二度寝するようにしてください。実は、ママになってから朝早く起きれず、排泄のタイミングを逃して便秘になってしまう場合が。それが原因で、肌がくすんでいる方が多いようです。また、ごはんは朝昼晩、同じ時間にちゃんと食べること。そうすれば産後、ムリに特別な運動をしなくても、体重の戻りが比較的早いようです。――産後のイライラや憂鬱(ゆううつ)に悩まされる方も多いと思います。それが原因でやつれてしまったら、キレイも台なしですね。小林さん:出産後はママがひとりきりになれる時間って本当にないですよね。だからこそ、 前回 ご紹介した分浴タイムを大切にしてもらいたいです。そのために、浴室を思いきりお気に入りの空間にするといいでしょう。例えば…●お風呂をリビングに……お風呂のふたをテーブル代わりにして、優雅にハーブティを飲みながら、雑誌を読む●音楽を聴く:ヒーリング音楽、なかでもイライラの元になる交感神経を下げてくれるシューマンの『トロイメライ』などがオススメ。●歌を歌う:歌を歌うのはもちろん、「あーっ」と大きな声を出すだけでも、副交感神経が優位に。湯気で鼻やのどの粘膜が潤い、風邪予防にも。●アロマオイルを利用する:浴槽のお湯に直接アロマオイルをたらしてもすぐ揮発してしまうので、お風呂のふたの水滴や、お湯を入れたマグカップにアロマオイルを。お気に入りのシャンプーや入浴剤の香りをかぐだけでもOKです。ポイントは、緊張やイライラのもととなる交感神経を下げて、リラックスのもととなる副交感神経を優位にすること。心を落ち着けたり、気持ちをリセットしたりすれば、心身の疲れもスッキリと取れるでしょう。■「石けんで体全体を洗うのはムダ?」知っておきたいお風呂の時短テク――お風呂でのんびり時間、大切ですね。では逆に、お風呂でこれは省いていいということはありますか?小林さん:実は、体をまんべんなく石けんで洗うのはムダ。体の汚れは水溶性なので、入浴だけで取れるものです。湯船の外に出ているデコルテや首、皮脂の多いわき、足裏だけ石けんで洗えば十分なのです。体を洗うのが省略できれば、お風呂はぐっと楽になりますよね。また、洗髪後のドライヤーの時間がなくて困るというお母さんも多いですが、髪の毛にタオルを当てながらドライヤーで乾かすと、驚くほど時間短縮できますよ。――時短といえば、入浴後にお湯を抜いて、お風呂掃除まで終わらせるママも少なくないようです。これは、その後の睡眠に影響がありますか?小林さん:それはオススメできません(笑)。せっかくお風呂に入ったら、リラックスモードのまま寝て欲しいですね。掃除中、「あ~ここにカビが!」なんてイライラして、覚醒しちゃうかもしれませんから(笑)。特に、冬は体が冷えやすいですから、入浴後30分、遅くとも1時間後には布団に入って眠りましょう。2回にわたって、お風呂の効果や入り方について小林さんにお話をうかがいました。ママは子育てや家事に追われて自分の入浴タイムをおろそかにしがち。でも、快眠、むくみ、イライラ解消など、お風呂の効果が絶大であることを実感できましたね。お風呂と上手に付き合って、ニコニコ&キレイママを目指しましょう!参考資料:※:前田眞治・山本 潤・近藤 智・今井 舞『妊娠後期における炭酸温水入浴の胎児心拍数と 子宮収縮率への影響』日本温泉気候物理医学会雑誌 第 79 巻第 1 号 36-58(2016)参考図書: 『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読むお風呂の魔法』 (主婦の友社)ダイエット、体質改善に効くお風呂習慣から、忙しいママのための入浴テクニックまで。1児の母であり、ナイトケアアドバイザー、睡眠改善インストラクターである著者の小林麻利子さんが指南しています。
2019年02月17日ゆっくりお風呂につかりたい! でも、子どもと一緒だとお風呂場は戦場だし、そんなのムリ! というママも多いでしょう。かといって、お風呂にゆっくり入らないことが、心身の不調の原因になることも…。そこでオススメしたいのが、子どもとの「分浴」という入浴法。睡眠とお風呂の専門家で、 『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読むお風呂の魔法』 (主婦の友社)の著者である小林麻利子さんにうかがいました。お話をうかがったのは…小林麻利子(こばやし・まりこ)さんナイトケアアドバイザー、睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員、上級心理カウンセラー。身体の不調に悩む女性のための生活習慣改善サロン「flura」をオープン。これまでに1700人の女性の不調を悩みを解決し、サロンは1年半先まで予約待ち。著書は『美人をつくる熟睡スイッチ』(ジービー)、『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイアモンド社)など。ただいま7カ月の男の子のママ。■「疲れがとれない、イライラする…」間違った入浴が原因!?――ママがゆっくりとお風呂につかるメリットは、どんなところにあるのでしょうか?小林麻利子さん(以下、小林さん):お母さんたち、子育てですごく疲れていますよね。気が張って、睡眠中でも何度か目覚めて、睡眠不足でイライラ…なんて人も多いと思います。でも、心身の調子を整えて、いつも笑顔でいるためには、質の高い眠りを得ることが大切。そのためには、お風呂にゆっくりつかることが不可欠なのです。内臓や脳など、内側の体温が深部体温、手足などの体温を表面体温というのですが、眠りに重要なのは深部体温。この深部体温を入浴でしっかり上げて、急激に下げることで、その後深い眠りを得ることができます。――深部体温を上げるには、どれくらいの温度のお風呂に何分つかるのがいいのでしょう。小林さん:ベストの入浴温度と時間は、40度のお風呂に15分つかること。秋田大学の研究(※)からも、これが最善であることが分かっています。そうすることで、深部体温が0.5度上昇。すると、深部体温がお風呂から出た後は急激に低下するので、それにともなって深い眠りを得ることができます。■「分浴」って何? 子育てママに実践してほしい入浴法――子どもが一緒の入浴では、寝る頃には体が冷えきって、寝つけないなんてことになりがちです。でも忙しいママが30分も1時間もお風呂に入るなんて、ちょっと難しいかも…。効率よく熟睡できる入浴法はありますか?小林さん:1回目は親子で、2回目はママだけというように、1日の入浴を2回に分ける「分浴」がオススメです。――「分浴」という言葉。初めて聞いたという方も多いかもしれません。どんな入浴方法かくわしく教えていただいてもいいですか? 小林さん:まずは、入浴1回目。子どもの寝る時間に合わせて、親子一緒にお風呂に入ります。このとき、髪や体も洗い、スキンケアもすませてしまいましょう。そして、入浴2回目。子どもが寝たあと、ママひとりでゆっくりと湯船につかりましょう。すでに髪も体も洗い終わっているので、入浴だけを堪能できますね。――子どもの様子が気になって、ゆっくりできないというママはどうすれば?小林さん:私も活用していますが、ベビーモニターやベビーセンサーを使ってもいいと思います。■子どもがぐっすり寝てくれる「ぼんやり照明&ゆったり歌」――分浴するためには、子どもの寝かしつけもスムーズにできないと難しいですね。小林さんが実践されている方法はありますか?小林さん:もともと浴室は転倒予防などのために、明るめの照明が設置されていることが多いですね。でも、寝る前の子どもにとって、浴室の照明は光の刺激が強すぎるのです。また、子ども目の水晶体は澄んでいて、光をダイレクトに受けてしまいます。ですから、私が親子一緒にお風呂に入るときは浴室の照明はつけず、脱衣所の照明だけつけるようにしています。もし、それでは暗くて不安、危険ではないかといった心配があるようなら、照明を昼白色ではなく、少し暗めの落ち着いた光を放つ電球色に変える、浴室の電気がふたつあるなら、ひとつに減らすだけでもいいと思います。あと、睡眠の儀式ではないですが、入浴中は落ち着いた声でゆっくりと、いつも同じ歌を歌ってあげるといいでしょう。私の場合は「森のくまさん」を歌ってあげています。そして「もうそろそろ、おねんねだよ~」と伝えると、7カ月の息子も「もう眠るんだな」と分かるようで。入浴後は水を飲んで、すんなり眠ってくれますね。■「2回もお風呂に入るなんて」夫にイヤミを言われたら!? ――2回もお風呂に入ることで、夫からクレームが…といった声も聞こえてきそうです。そんなときはどうしたらいいでしょうか?小林さん:頭ごなしに「私は疲れてるんだから!」って言っても、「俺も疲れてる」って返事が帰ってきそうですよね(笑)。男性は論理的だから、分浴の必要性を筋道立てて話してみてはいかがでしょうか?例えば、「子どもと一緒にお風呂に入っただけだと寝るときに冷え切っちゃう。だから最近、カゼを引きやすいの。私が倒れたら大変でしょ」と言ってみるとか。あとは、「最近あなたにイライラしたり、当たっちゃったりしているのはよく眠れていないから。認知機能が低下しちゃっているみたい。でも、あなたのことも大切に思いやりをもって接したいし、おいしいごはんも作りたいし。やさしくいるためにもお風呂に入らせて」と伝えれば、分浴をいやがる旦那さんはいないと思いますよ(笑)。子どもが小さいうちは、「ひとりでゆっくりお風呂につかる」なんて、夢のまた夢のように感じているママは多いでしょう。小林さんが推奨する「分浴」なら、今日からでも取り入れられますね。心も体も冷え切ってしまうこの季節、ぜひ試してみてください。 次回 は、巷で信じられている間違った入浴法を正し、よりリラックスできる、キレイになれるお風呂術をくわしくご紹介します。参考資料:※:上村 佐知子ら『簡易脳波、深部体温と遠位・近位皮膚温から見た温泉浴の睡眠への効果, 不眠研究』112 – 117、2012参考図書: 『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読むお風呂の魔法』 (主婦の友社)ダイエット、体質改善に効くお風呂習慣から、忙しいママのための入浴テクニックまで。1児の母であり、ナイトケアアドバイザー、睡眠改善インストラクターである著者の小林麻利子さんが指南しています。
2019年02月14日