世は空前の子役ブーム。ドラマに映画、CMで、かわいいだけでなく、しっかりとした演技力を備えた子供たちが広く支持を集めている。古くは美空ひばりに吉永小百合、90年代以降も安達祐実や神木隆之介など、人気の子役はこれまでも存在した。だが、特にここ1〜2年の史上空前の子役ブームのきっかけになったのは間違いなく、加藤清史郎の出現である。NHK大河ドラマでは“子役”などという区分が必要ない、大人の俳優たちに引けを取らない存在感を見せつけ、その後もCMやドラマで引っ張りだこに。そんな清史郎くんがアニメとして長年親しまれてきた『忍たま乱太郎』の実写版で映画初主演!学業と仕事で忙しい合間を縫って、撮影の思い出やお気に入りのシーンを明かしてくれた。怖い?優しい?鬼才・三池監督の印象は…?ドラマで見せる表情や大人顔負けの舞台挨拶などでの印象そのまま、インタビューでも9歳とは大人びた雰囲気を漂わせているが、小道具の手裏剣を見つけると一気に子供らしい表情に。カメラに向けて愛らしい笑顔でポーズを決めてくれた。「幼稚園の頃からアニメの『乱太郎』は見ていて、将来の夢が『忍者』だったんです。小学校に入ってからは(夢が)変わっちゃったんだけど…(笑)。だから最初に出演が決まったときはすごく嬉しかったです。友達にはすぐには明かせなかったんだけど、家族は『よかったね』って言ってくれました」。アニメでもおなじみの青い“忍たま”の装束を初めてまとい、丸いメガネをかけたときは「鏡を見て『あ、乱太郎だ』って思いました(笑)」。アニメのイメージが強いので、できるだけ忠実に再現しようと工夫を重ねた。「乱太郎は、(親友の)きり丸やしんべヱや仲間たちを仕切るんですよね。『まあまあ』ってみんなを抑えたり。現場でもそういうことをしようと考えてました。あと、乱太郎は自分のことを『わたしは』って言う。僕は『僕』なので(笑)、自然にちゃんと『わたし』って言えるように気を付けました。でも1回間違えて『ぼっ…』って言いかけたことがありました(笑)」。監督は三池崇史。これまで「実写不可能」と言われてきた作品を数多く手がけてきた鬼才である。鬼才…というか鬼のようなあの風貌、ガタイ、目つき…「最初に会う前は『怖い監督なのかな?』、『怖いのかな?』ってすごく不安でした」と清史郎くん。当然であろう。では実際会って、仕事をしてみての感想は?「会ってすぐにイメージが変わりました。本当に優しくて、面白くて、撮影中もすごく細かく指導してくれる監督でした」。監督から教えられて印象に残っているのは「走り方」。「かっこいい忍者の走り方を教えてもらいました。手をシャシャシャって動かすあの走りをやってくれって言われて。そしたら実際に走るのが早くなりました(笑)。普段の鬼ごっこでも強くなったし、50メートル走のタイムも上がりました!」と“忍たま効果”にご満悦だ。映画の中には激しいアクションシーンも!そこはさすが三池組、清史郎くんにもかなり高い要求が。特に苦労したのは乱太郎たちが崖をよじ登るシーンだったという。「あそこは本当に岩を登ってるんです。結構、高いところまで登ったんですけど忍者のわらじだと滑って、砂がぽろぽろ落ちていく。(安全用の)ヒモとかは特に付けていなくて、登るのは自分で登って、下りるときは危ないから(スタッフが)迎えに来てくれました」。名演の秘訣は「役の気持ちになること」演技をするときに何より心がけていることは「役の気持ちになって演じる」ということ。「ちゃんと役の人を演じる。その気持ちにならないと涙も出てこないし、演技もイマイチなんです。演じることの楽しさは、いろんな役になれることとたくさんの人に会えること。いろんな大人の人と会って、緊張することは…あります(笑)。でも、役者同士仲良く、それが一番大切です」。ちなみに、幾度となく変更されているようだが、いま現在の“将来の夢”は?「野球選手か俳優、それから忍者(笑)。役で野球選手やれたら嬉しいけど、本物のプロ野球選手になりたいです」。では最後に、この映画の清史郎くんオススメの見どころポイントをどうぞ!「僕が出てないところでもいいですか(笑)?鹿賀(丈史)さんのミュージカルシーンと学園長(平幹二朗)が手裏剣をよけるシーンは、小さい子供も大人も笑えると思うのでぜひ観てほしいです!」学校と仕事を両立させる生活も「結構、友達と遊ぶ時間はあるし、『(仕事を)休みたい』って思うことはないです。仕事というよりも、お芝居が楽しくてやってるので」と自然体でありつつも、しっかりとプロ意識が備わっているところはさすが。くれぐれも体に気を付けて!(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:三池監督が語る『忍たま』見どころは松方×平幹二朗の特殊メイクガチバトル!忍たまたちが大暴れ!『忍たま乱太郎』試写会に10組20名様をご招待古田新太がおばちゃんソックリに!『忍たま乱太郎』に豪華俳優陣が特殊メイクで参戦中村玉緒&杏が二人一役!『忍たま』美人“くの一”先生で変身の術披露『忍たま』学園長&八方斎に特殊メイクで大変身したのは…あのベテラン俳優陣!
2011年07月21日手塚治虫の最高傑作と称えられる漫画「ブッダ」を、吉永小百合、堺雅人ら豪華ボイスキャストを迎えてアニメ映画化した3部作第1弾『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』。公開を目前に控え、その主題歌であるX JAPANのバラード曲「Scarlet Love Song」が5月27日(金)より主要音楽配信サイトにて順次リリースされることが決定した。X JAPANとしては、再結成後初のシングル「I.V.」を2008年に全世界23か国に同時配信して以来、実に3年4か月ぶりというファン待望のリリースとなった同曲。バラード曲としては、1998年発売の「THE LAST SONG」以来、実に13年2か月ぶり。YOSHIKIによる書き下ろしで、手塚作品の永遠のテーマである“いのちの尊さ”や“いまを生き抜く力”に寄り添った一曲に仕上げた。今回の主題歌制作にあたり、依頼を受けると同時に原作を読み、制作途中のアニメーションも見たというYOSHIKI。「この作品における音楽の重要性を確信し、また、アニメーションがとても美しく実に興味深い作品だったこともあり、自然と力が入った」と並々ならぬ想いを寄せている。「Scarlet Love Song」は、映画のエンディングに流れている主題歌と同じバージョン「BUDDHA Mix」として、5月27日(金)より東映うた♪パラダイス、特撮アニメ♪フル、mu-moにて、さらに6月8日(水)よりiTunesを含む主要音楽配信サイトにて一斉配信される。『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は5月28日(土)より全国にて公開。X JAPANオフォシャルサイトオフィシャルtwitterサイト■関連作品:手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年5月28日より全国にて公開© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会■関連記事:吉永小百合、訪問したばかりの被災地・名取への舞台挨拶中継で思いを吐露堺雅人ほかボイスキャスト登壇『手塚治虫のブッダ』完成披露試写会に15組30名様ご招待工藤静香渾身のブッダの絵を披露「何ができるか考え、ひとつずつやっていきたい」堺雅人が声優で参加!『手塚治虫のブッダ』試写会に10組20名様ご招待『手塚治虫のブッダ』漫画無料配信、主題歌担当のX JAPAN全米デビュー決定!
2011年05月27日アニメーション映画『手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−』の完成披露試写会が5月11日(水)、都内劇場で開催され、ボイスキャストを務めた吉永小百合、堺雅人、能楽観世流二十六世家元の観世清和、吉岡秀隆、黒谷友香、観世三郎太、尺八演奏者で、本作のメインテーマを手がけた藤原道山に森下孝三監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。巨匠・手塚治虫による仏教の祖・ブッダの歩みを描いた名作漫画をアニメ映画化した本作。シャカ国の王子として生まれ、後のブッダとなるシッダールタ(吉岡さん)、奴隷の身分から強国・コーサラの将軍へと上りつめたチャプラ(堺さん)らが、迷いや挫折、苦悩を抱えつつも混迷の時代を生きていく姿が周囲の人々の人間模様と共に描かれる。舞台挨拶ではまず、尺八演奏家の藤原さんが登場し、オリジナル曲である「東風」とメインテーマを続けて演奏。荘厳な尺八の音色に観客は酔いしれた。続いて、ボイスキャストが登場。チャプラの母の声とナレーションを担当した吉永さんは隣の堺さんを見やり「素敵な息子と一緒にワクワクしながらスクリーンを見つめていました」と笑顔で挨拶。この日の舞台挨拶の模様は、衛星中継で北海道から鹿児島まで全国の劇場にも届けられており、その中には震災で被災した福島(福島県)、名取(宮城県)の映画館も含まれる。実は、吉永さんは2日前に名取を訪れたばかりだそう。被災地に映像が届けられることを喜びつつ「まだ信じられない光景がありました。もっともっと長くサポートしていかなくてはと感じています」と継続的な支援を訴えた。堺さんも「みなさんにご挨拶ができて嬉しい」と笑顔で語りかけ、「いろんな意味で第一歩になる作品だと思っています」と思いを語った。シッダールタの父の声を担当した清和さんは、能以外のジャンルでの仕事は初めて。「普段は稽古をつける側ですが今回は先生に稽古をつけていただき、なんとか収録に臨みました」とふり返った。さらに「能は鎮魂の舞台と言われています。(この映画は)生と死という普遍をテーマにした能と通じる作品だと思います」と真摯に語った。清和さんの息子・三郎太くんは、声優として父子共演を果たし「良い思い出になりました」とニッコリ。黒谷さんも声優は初挑戦となったが「スタッフやキャストのみなさんのお力を借りて務めることができました」と充実した表情を見せた。吉岡さんは、“ブッダ”という存在の大きさにやや弱気。「こんな僕にブッダができるのかと、いまでも恐れ多い気持ちです。先ほども、裏で控えていたらスタッフと間違えられまして…」と苦笑交じりで明かすと、会場は笑いに包まれた。監督は、今年の4月まで絵コンテを描くなど実質6年かかって映画を完成させたと明かし「やっと終わったという感じ」とホッとした様子。本作は3部作を予定しており「体力が…」と少し不安そうな表情も。とはいえ、出来上がった作品については「ブッダを中心に生きる人々を描いた命のドラマ。観終わったらお釈迦さまとの距離が近くなったと感じてもらえると思います」と自信をのぞかせた。最後に再びマイクを握った吉永さんは「私は、子供の頃から映画に励まされ、感動して生きてきました。スポーツや音楽と共に映画が傷ついた方々のお心を癒すことができたらと切に願っております」と改めてその想いを語り、会場は温かい拍手に包まれた。『手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−』は5月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年5月28日より全国にて公開© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会■関連記事:堺雅人ほかボイスキャスト登壇『手塚治虫のブッダ』完成披露試写会に15組30名様ご招待工藤静香渾身のブッダの絵を披露「何ができるか考え、ひとつずつやっていきたい」堺雅人が声優で参加!『手塚治虫のブッダ』試写会に10組20名様ご招待『手塚治虫のブッダ』漫画無料配信、主題歌担当のX JAPAN全米デビュー決定!X JAPANアニメ版『ブッダ』の主題歌で壮大な手塚ワールドを表現!
2011年05月11日巨匠・手塚治虫が10年の歳月を費やして世に送り出した名作「ブッダ」が『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』として、全三部作のアニメーションで映画化されることが決定。吉永小百合、堺雅人、吉岡秀隆らが声優陣として参加することも発表された。原作は日本国内で約2,000万部が発行されており、英語、フランス語をはじめ各国語に翻訳され、海外でも出版されており、コミック界のアカデミー賞と称されるアイズナー賞最優秀国際作品部門において、2度にわたって受賞。仏教の祖・ブッダの生涯を、説話に基づいてではなく、独自のドラマを構築して大スケールで描き切っている。これまでにも映像化のオファーは何度かあったものの、原作の壮大さから実現に至らなかった。今回、東映アニメーションと手塚プロダクションがタッグを組む形で、初の映像化が実現することになった。第1部では、のちにブッダとなるシャカ国の王子、ゴータマ・シッダールタの誕生、そして、当時の厳しい階級社会の中で、身分の低い人間たちが、自らの運命を変えようともがくさまが描かれる。シッダールタは、最下層の身分の人々との交流の中で、人はなぜ生きるのか?なぜ苦しまなくてはならないのか?という問いに向き合い、その答えを見つけるために旅立ちを決意することになる。堺さんが演じるチャプラは、第1部の物語の鍵となる登場人物で、奴隷の身分を隠して軍人として出世の道を歩んでいく。そのチャプラの母の声と本作のナレーションを務めるのが吉永さん。吉永さんは物語を「のちにブッダとなるシッダールタ王子を光とすれば、その対極にある、影とも言える奴隷少年・チャプラの栄光と破滅の物語。奴隷の身分を隠し、軍人として国家の英雄にまで上り詰めた少年が、奴隷の母親を『母さん』と呼んでしまったがゆえに、母と子は、破滅への道へむかいます」と説明し「大好きな手塚作品に参加できましたこと、とても嬉しく思っております」とその喜びを語る。堺さんは「アクションが多く、低い身分からスーパーヒーローに上り詰めるというスケールの大きい役だったので、楽しんで演じました」とふり返る。録音は別々ながら、堺さんは吉永さんの声を聞きながら演じたそうで「心に染み入るようなお芝居で、ご一緒させてもらい光栄です」と語った。そして、シッダールタの声を演じるのは吉岡さん。「22〜24歳くらいのときに(手塚さんの)『ブッダ』、『火の鳥』、『アドルフに告ぐ』、『ブラック・ジャック』などをすがるように読んだ記憶があります。人間の根底を描くそれらの作品に救われました」と明かし、「2,500年前のブッダの教えが現代まで受け継がれていることは素晴らしいことです。昔、『ブッダ』を読んだ大人の方たちが子供連れで劇場に来てもらえれば嬉しいです」と語った。ほかに、シッダールタの父・スッドーダナ王の声を能楽観世流二十六世家元・観世清和が、マリッカ姫を黒谷友香、シッダールタが心を通わす盗賊の少女・ミゲーラを水樹奈々が演じることも発表された。『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は2011年5月28日(土)より全国にて公開。© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会■関連作品:手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年5月28日より全国にて公開© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会
2010年07月07日映画『おとうと』の山田洋次監督、W主演の吉永小百合と落語家の笑福亭鶴瓶が3月11日(木)、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた同協会主催の記者会見に出席。外国人ならではの視点から質問が飛ぶ中、鶴瓶が外国人記者と軽妙なやりとりを繰り広げた。同作が先月開催された第60回ベルリン国際映画祭でクロージング上映され、山田監督が特別功労賞を受賞したことを受けて同協会側からオファーされたもの。同所での会見は、鶴瓶さんは初めて、山田監督と吉永さんは2度目。外国人記者ら約150人の盛大な拍手に迎えられて通訳の男性、司会を務めるイタリア人テレビ局記者、山田監督ら5人で登壇した鶴瓶さんは「本当にこんなことになるとは思っていなかったです。変な夢を見ているみたい」と緊張気味。冒頭はワンセンテンスを話したところで区切り、通訳される流れにも慣れない様子だったが「待った待った」、「どうぞ」、「以上」などと通訳の男性とコミュニケーションを取り、持ち前のトボけた持ち味を徐々に発揮。スウェーデン人の男性カメラマンは、日本では観客が、著名人に距離を感じて崇拝する傾向があるように思われるが?と質問。鶴瓶さんは「この前、道を歩いていたらオバちゃんが千円札を持って近づいてきて『くずしてくれへん?』って。『500円玉入っていいかい?』と答えました。僕の場合、ものすごい近いですね」とエピソードを明かし記者陣を笑わせる一方、「こっちの気持ちの持ちようだと思う。いかに普通であるかが大事。僕は普段と変わらないし、50年も(女優を)やられている吉永さんも全然普通でした」と真摯に話した。フランスの男性記者から、山田監督の作品には希望のメッセージが込められているように感じられるがいまの社会へはどんな思いが?と質問が飛ぶと、山田監督が「希望を持ちたいという願いを持って映画を作ることが大事」と回答。鶴瓶さんは「映画の影響力のすごさを感じています。この映画を観て、日本の演歌歌手で吉幾三という人が『姉ちゃんへ』という歌を作ってくれました。仕事じゃなく僕個人に作ってくれたんですけど、いまからかけます」と言って音源を初披露。1番が終わったところでスタッフに合図して「3番まであるので」とストップさせると、「3番がいいんですよ」とニヤリ。また記者陣を爆笑させた。締めで日本のTVディレクターから、同所での会見を初体験した感想を求められ、「ベリーベリーハッピー!」。本作や主演した西川美和監督の『ディア・ドクター』など出演作が国際的評価を得ていることを踏まえハリウッド進出の意気込みを聞かれると、「ことわざに『満つれば欠ける世の習い』とあるように、調子に乗ったらあかん、てウチのおばあちゃんがよく言ってましたわ」とその気ナシ。司会のイタリア人記者は「この会見中に、鶴瓶さんには今度、ここで落語をやっていただける約束を取り付けました」と明かし、鶴瓶さんを抱擁。いたく気にいった様子だった。『おとうと』は現在までに観客動員165万人を記録(配給の松竹発表)しており、全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:山田洋次に“名匠”の称号日本発『おとうと』、ベルリン映画祭閉幕で拍手喝采日本映画が健闘した第60回ベルリン国際映画祭【読者レビューをウォッチ】『アバター』旋風に負けず、邦画勢に高ポイント続々山田洋次のベルリン特別功労賞受賞に小百合「胴上げしたい」鶴瓶「あかん」『おとうと』加瀬亮から心温まる動画メッセージが到着!
2010年03月11日日本国内の観客動員が130万人を突破し、大ヒット上映中の山田洋次監督×吉永小百合主演によるホームドラマ『おとうと』(英題:About Her Brother)が、2月20日(現地時間)、第60回ベルリン国際映画祭のクロージング・フィルムとして上映された。およそ1,600席の会場がたちまち満席となる中、現地に駆けつけた山田監督と吉永さんによる舞台挨拶が行われ、2人は盛大な拍手に迎えられた。2002年の『たそがれ清兵衛』以来、全ての監督作品を同映画祭コンペティション部門に出品している山田監督。今回は栄えあるクロージング作品に選ばれたのに加え、特別功労賞(Berlinale Kamera ベルリナーレ・カメラ)が贈られた。同賞の日本人受賞は市川崑監督(’00)、熊井啓監督(’01)についで3人目の快挙。授賞式では、同映画祭ディレクターのディーター・コスリック氏から「彼は小津安二郎の伝統にのっとって映画を作っており、大きな愛情をもって日本に住んでいる人々を描き続けています。我々ベルリン国際映画祭は、彼をここにお迎えすることを光栄に思っています」と“日本の名監督”として紹介された。登壇した山田監督は、本作が先輩・市川崑監督に捧げたオマージュであることに触れながら、「いまは亡き市川崑監督に『市川さん、僕もあなたと同じ賞をもらいました』と報告したいと思います。僕を選んでくださったディーター・コスリックさん並びにベルリナーレ関係者のみなさまに心からお礼を申し上げます。そして会場のみなさん、どうもありがとう。ダンケシェン」と感謝を述べた。また、舞台挨拶に登壇した吉永さんは、「ベルリンのみなさま、こんばんは。このベルリン映画祭に3度目の参加をすることができまして、私はとても幸せです。2年前に『母べえ』を上映したときのみなさまの温かい拍手が、いまでも私の胸の中に残っています。『おとうと』もまたみなさまの心に残る映画になることを願っています。ありがとうございました」とドイツ語でスピーチし、喝采を浴びた。その後、囲み取材に臨んだ監督は、一日をふり返り「この受賞は一生の記念になると思います。長年の功労に対して贈られたのであれば、みんなでもらった賞だと思う。寺島さんの銀熊も良かった。決して順調とは言えない日本映画だが、こんなことを機会に日本の時代が来たらいいなあと、今日の拍手を聞いて思いました」とコメント。さらに、吉永さんも「山田監督の授賞式に立ち会えただけで嬉しい。私にとって市川崑監督は“師匠”、山田監督は“先生”。この尊敬するお二人が同じ賞を受賞されたことは、生徒として、弟子として、とても嬉しいことです。きっと、市川監督も天国で喜んでおられると思います」と2人の巨匠のミューズとして喜びを語った。なお、本作を観終わった観客からは「笑えて最後は涙があふれてきた。素晴らしい作品だった!」、「心を深く揺さぶられた」といった感動の声が寄せられ、国境を越えて広く受け入れられたことを証明、文字通り有終の美を飾った。『おとうと』は全国にて公開中。photo:KAZUKO WAKAYAMA■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会第60回ベルリン国際映画祭 [映画祭]■関連記事:日本映画が健闘した第60回ベルリン国際映画祭ベルリン“銀”の快挙の寺島しのぶ、大阪で会見「ヤッター!」藤原竜也「自由にさせてくれた監督の力量」ベルリン批評家連盟賞受賞の喜び【読者レビューをウォッチ】『アバター』旋風に負けず、邦画勢に高ポイント続々レオナルド・ディカプリオ、ベルリンでのワールド・プレミアで「ダンケシェーン!」
2010年02月22日吉永小百合、笑福亭鶴瓶を姉弟役に迎えて贈る、山田洋次監督10年ぶりの現代ホームドラマ『おとうと』。家族ならではの悲喜こもごも、そして深い絆を描いた本作の公開を記念して、シネマカフェの映画体験型サイト「シネマライブ!」では、「家族へのメッセージ」をテーマにした『おとうと』“かぞく”川柳コンテストを開催、多数の投稿が寄せられた。五・七・五から見えてくる、各々の家族のかたちとは…?家族だから言えるユーモアを交えたものから、親から子へ、または子から親へ贈るちょっと切なくなるような想いまで、多様なメッセージが寄せられ、優秀賞に次の3本が選ばれた。「嘘泣きも妻に似てきたおしゃまな娘」(美桜パパさん)「血より濃いキャラが遺伝の我が家族」(ezomomo32さん)「彼女から妻になっても愛してる」(玉龍さん)家族同士で似ている部分というのは自分では意外と気づかないこともあれば、年をとってふと気づかされるものも。そんな微笑ましい様子が伝わってくる2本と、結婚を経ても変わらないストレートな思いを伝えた1本が入賞。そして、見事大賞に選ばれたのは「ありがとう言えずに今日も洗う皿」(ジョージさん)近すぎる存在ゆえにかえって「ありがとう」という一言が照れくさくて言えない、そんなもどかしさに共感する人も多いのでは?ほかにもたくさん寄せられたユニークな川柳を『おとうと』“かぞく”川柳コンテストページにて掲載中。ぜひチェックしてみては?『おとうと』は1月30日(土)より全国にて公開。『おとうと』“かぞく”川柳コンテストページ映画体験型サイトシネマライブ!■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:笑いと感動を贈る“家族”の姿『おとうと』オリジナル一筆箋を5名様にプレゼント現在とこれからの日本の家族の姿を描く『おとうと』試写会に合計65組130名様ご招待温泉宿泊券&山田洋次監督サイン入りプレスをプレゼント!『おとうと』“かぞく”川柳コンテスト開催首相登場に小林稔侍ガチガチに緊張するも、鶴瓶が石田ゆり子へのセクハラ疑惑を暴露山田洋次が描く日本の“家族”『おとうと』試写会に20組40名様ご招待
2010年01月18日山田洋次監督の最新作『おとうと』の完成披露試写会が12月1日(火)に行われ、山田監督に主演の吉永小百合と笑福亭鶴瓶、小林稔侍、石田ゆり子が舞台挨拶に登壇したのに加え、スペシャルゲストとして鳩山由紀夫総理大臣も出席。思わぬ大物ゲストの登場に会場は大きな盛り上がりを見せた。東京で真面目に生きる姉と放蕩を尽くす弟の姿を描いた本作。鳩山首相は「私も、弟ともっといい関係になりたい。今日も弟は私のことを何か言っているようですが…」と弟の鳩山邦夫氏との関係性に触れ、会場は大きな笑いに包まれた。12月1日は「映画の日」に制定されており、首相は映画という芸術の素晴らしさについて熱弁をふるいながらも「事業仕分けされないようにしたい」、「妻(幸夫人)は『亭主の面倒見るよりも映画を作りたい』と言っています」などと語り、観客の笑いを誘った。残念ながら首相は挨拶のみで、映画を鑑賞することは出来なかったが、代わりに幸夫人が二階席に座り、しっかりと映画を最後まで鑑賞!山田監督は「新しい政府を担う鳩山総理に映画の発展のためにご協力いただけたら」と語った。首相の降壇後、キャスト陣の挨拶がスタート。吉永さんが「私は1959年に初めて映画に出演いたしまして、とうとう50年が経ちました。あっという間で信じられない気持ちです」と語ると会場からは大きな拍手が。続けて「新しい技術に、心の部分が置いていかれそうで、私はついていけないのでは?と思うこともありましたが山田組はいまでもみんなで手作りで映画を作っています」と、優しい笑みを湛えながら語った。あれこれと問題を起こし、姉(吉永さん)に迷惑ばかりかける弟役の鶴瓶さんは「どうも。(弟の役が)私で申し訳ございません」と笑顔で挨拶。そして、吉永さんについては「初々しい!」と感想を語り「何でそんなに初々しいのか?50年ですよ!それで、メイク室で直接聞いてみたんです。そしたら『慣れてないんです』って。私は反省しました。慣れちゃいけませんよ!」としみじみと語った。石田さんは「憧れの山田監督の作品に出演できて、嬉しくてたまりませんでした。私の役はモデルとなった方が実在するのですが、身寄りのない人々や病が芳しくない方々を看取られていらっしゃるんです。こんなに心の美しい人の役を私が演じていいのか?という気持ちでした」と心境を明かした。小林さんは、首相夫妻の登場でかなり緊張している様子。首相が去った後も「えー、奥様がいらっしゃるということで…」とガチガチ。すかさず鶴瓶さんが「さっきまでずっと、石田さんにセクハラしてたのに」と暴露し、会場は再び大きな笑いに包まれた。『おとうと』は2010年1月30日(土)より全国にて公開。■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:山田洋次が描く日本の“家族”『おとうと』試写会に20組40名様ご招待“ダメ弟”鶴瓶、吉永小百合に甘えっぱなし!蒼井優のことは「この女」呼ばわり
2009年12月02日吉永小百合と笑福亭鶴瓶が姉弟を演じる『おとうと』の完成記者会見が11月9日(月)、都内で開かれ、吉永さんと鶴瓶さん、そして吉永さんの娘役を演じた蒼井優に山田洋次監督が出席した。しっかり者の姉(吉永さん)と問題ばかりを起こす弟(鶴瓶さん)の姿を通じて現代の“家族”のあり方を描いた本作。吉永さんは自身の役柄、そして弟の存在について「こんな弟が本当にいたらどう受け止めるか?私には支えられないかも…とも思いました」と語った。さらに、本作の撮影を通じて2か月で15キロもの減量を行った鶴瓶さんについて「日に日に痩せていく姿を見て、胸が苦しくなりました。撮影のさなかに、ご自分で『痩せ方がまだ足りない』っておっしゃって、ボクシングのスパーリングを9ラウンドもこなしたり…撮影中は裏表のない本当に優しく楽しい方だったんですが、激しい一面も持ってらっしゃるんです」とふり返った。当の鶴瓶さんは撮影を思い返してニンマリ。「痩せていくたびに吉永さんは大根のスープを差し入れてくださったり、しまいには『もう痩せないで!私が太るから』って。これ、すごい言葉ですよ!『死んでもええ』思いました」と語った。鶴瓶さんは続けて「吉永さんは、台本と関係ないのに僕の足をさすってくれまして(笑)。吉永小百合さんが僕の足を、生足をさすってくれるんですよ!それから、僕の家に電話してくださいまして…電話のコードにサランラップ巻いておこうかと思いました。あ、メールも来るんですよ!昨日もメールが来てました。もう、どない返事していいか…」とひとしきり、吉永さんに関する自慢話を並べてご機嫌な様子。そして、ふと蒼井さんの方をふり返り「蒼井優なんか全然、連絡せえへんし。電話もしてきませんよ、この女!蒼井優、ふざけたヤツや…。(吉永さんは)メールの返事もすぐですよ」と徹底的に吉永さんを持ち上げ、蒼井さんをこき下ろし会場の笑いを誘った。散々な言われようの蒼井さんは、反撃とばかり、ラスト近くのシーンについて「吉永さんが鶴瓶さんの体を支えるんですが、『カット』の声が掛かっても鶴瓶さんはそのままでいるんです、幸せそうな顔で!」と明かした。蒼井さん自身は、山田監督の作品への出演について「ずっと夢でした」と語り「自分が出ていないシーンの撮影でも、憧れの監督が、私の大好きな俳優さんたちに演出をつけているのを特等席で見ていました」と満面の笑みで語った。山田監督は、代表作『男はつらいよ』シリーズと本作の関連について尋ねられ「どんなに幸せな家庭でも、人には言えないような変な人物が遠縁の親戚とかにいたりするものなんですね。『男はつらいよ』の寅さんというのはまさにそういう、『兄です』『甥です』って人に言えないような存在。(寅さんとさくらの)兄と妹、本作の姉と弟という違いはあるけど、関係性は似ているな、と思いながら作っていました」と明かした。『おとうと』は2010年1月30日(土)より全国にて公開。■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会
2009年11月09日