カウンセリングブランドとしての存在感を高める「ALBLANC(アルブラン)」花王株式会社は、カウンセリングブランド「ALBLANC(アルブラン)」をリステージし、「アルブラン 薬用ファーストエッセンス」(医薬部外品)を2020年5月16日に新たに発売する。アルブランは、ソフィーナカウンターにてスキンケア方法や商品を提案してきた、2004年誕生のカウンセリングブランドである。今回は、カウンセリングブランドとしてブランドの立ち位置を明確にするためのリステージであり、それに伴い炭酸泡の美容液『アルブラン 薬用ファーストエッセンス』を発売する。併せて、GMS(生活圏内の総合スーパー)のカウンターにおいては、従来の「SOFINA」から「ALBLANC」へとロゴを順次変更。アルブランならではのパーソナルな深いカウンセリングを提供していく。美白成分が配合されたマイクロ炭酸泡の美容液アルブラン 薬用ファーストエッセンスは、お手入れのファーストステップとして使用。肌に触れた瞬間とろけるようになじみ、濃密でなめらかなマイクロ炭酸泡の美容液が肌を潤していく。植物由来の美白有効成分カモミラETが、肌の奥深くまで入り込み、メラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防いでくれる。また、厳選したブランケア成分配合により、角層深く潤うことで明るさを際立たせ、人が見て気づく美しさへと導いていく。販売名は、「アルブラン 美白ベースケアM」。販売価格は、本体90g入りで11000円(税込)。レフィル90g入りで10450円(税込)。主な取扱店は、総合スーパー(GMS)やドラッグストアである。(画像は花王株式会社のニュースリリースより)【参考】※花王株式会社のニュースリリース
2020年03月23日27歳で結婚後、2年間妊娠できなかったので婦人科に通い始めました。タイミング法を6回、人工授精を6回しましたが妊娠しませんでした。半年ほど悩んだ末、体外受精専門の病院に転院。子宮鏡手術を経て、1回目の移植で妊娠できました。今回は、なかなか原因がわからなかった不妊治療の体験をお伝えします。 タイミング法・人工授精で結果が出ない結婚後すぐに「赤ちゃんに恵まれたらいいな」と思っていましたが、なかなか妊娠することができませんでした。不安に感じ、まだ20代でしたが、1度夫婦で検査を受けてみようと近くの婦人科を受診しました。その結果、各種の検査で夫婦ともに異常はなし。「タイミング法で解決するか」と楽観的にとらえていました。しかし、半年間試みましたが妊娠せず、人工授精にステップアップ。そして人工授精を6回しましたが、結果が出ませんでした。 体外受精へのステップアップを決断体外受精へステップアップする決断はなかなかできませんでした。そしてメンタル的にもPMS(月経前症候群)が悪化したり、友人の妊娠を喜べないなどの状態が続く時期だったと思います。決断のきっかけとなったのは実母からの一言でした。「どうしても子どもが欲しいなら、まずは1度、体外受精を試してみたら?」と背中を押してくれたのです。母の言葉で、まずはチャレンジしてみようと前向きになることができました。さらに同世代で3人の友人たちが先にステップアップして妊娠していく姿にも励まされました。 体外受精、そして妊娠・出産体外受精の専門病院に転院し、子宮鏡手術を経て体外受精をおこないました。1回目の採卵は仕事の繁忙期と重なってしまい、採卵できたのは2個。さらに受精もうまくいかず、移植できる受精卵が1個もない状態……。高額の費用をかけたにも関わらず、納得できない結果でした。2回目の採卵は仕事を休み、担当も院長先生を指名して調整し、5個の受精卵ができました。そして1個目の移植で妊娠でき、無事出産することができたのです。 赤ちゃんが欲しいなと思ってから出産に至るまで、約5年の月日がかかりました。ステップアップは経済的負担も身体的負担も大きいものでした。不妊原因のわからなかった私たちにとっては体外受精が解決策だったようです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小川かなえ2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。
2020年03月05日第一子は自然に妊娠しました。そして第一子を出産し、少し期間をおいて第二子への妊活を開始しました。しかし1年経っても子どもを授からず……。2人目不妊に悩んだ私の体験談をお伝えします。 第一子出産後、妊活開始第一子出産後、なぜか妊娠しませんでした。産婦人科に通い、基礎体温を測りながらわかったのですが、実は排卵していなかったようなのです。そんななか仕事へ復帰し、職場が変わってしまったこともあってか、精神面で弱ってしまい、うつ病を発症してしまいました。 育児と仕事の両立がうまくできずにいましたが、子どもが欲しい気持ちは強かったです。ところが、夫から妊活をやめたいと言われてしまいました。育児と仕事の両立をできずにいることに対して罵声を浴びせられ、私も精神的に追い込まれてしまい、当時は離婚の話もしました。 ですが、まずはうつ病を治して、職場も変えてから、今後についてどうするか決めようということになりました。 不妊治療をやめることに…半年後、子どもが欲しい気持ちに変わりはなく、不妊治療を再開しました。排卵誘発剤を使って人工授精を4回おこないましたが、妊娠せず。5回目のときに夫に原因があり、顕微受精でしか子どもができないということがわかりました。 私たちは共働きで、不妊治療の助成金は所得制限の対象になり受け取ることができません。高額な治療費がかかるため、夫に「不妊治療にお金をかけるなら、1人目の子にお金をかけてあげたい」と言われました。 悩んだ挙句、パートナーがそういう気持ちになっている以上、不妊治療を続けることができないと思い、不妊治療をやめました。 健康に意識して過ごしていたら夫との会話も一気に減り、しばらくは家庭内での笑顔が少なくなりました。でも、不妊治療をやめて、私の体への負担も少なくなったせいか、育児、家事、仕事をテキパキこなせるようになり、夫との会話もだんだんと戻ってきました。 そんななか、気休めではありますが、夫と共に運動を始め、夫は亜鉛のサプリ、私は葉酸サプリを飲み始めました。お互いの健康のために始めたことでしたが、ダイエットにも成功! 上の子は、トイトレがうまくいき始めており、また甥や姪と一緒に遊んでいるのを見て、ひとりっこでも、こうしてきょうだいのように遊んでくれる存在のありがたさを感じていました。 夫婦の心身が健やかであることそんなとき、生理が遅れていることに気づきました。妊娠していたのです!とてもうれしく、本当に感動しました。不妊治療は女の人だけでなくやはり男性にもプレッシャーはかかっています。改めてパートナーとの気持ちを通わせることは大切だな、と感じました。不妊治療は、先が見えず、不安なことだらけでした。だからこそ、心の負担が大きくなりすぎたときに一度思い切って休むことも必要だったんだな、と感じました。やはり夫婦の心身が健やかであることが大事なので、気休めでもストレス解消になることをして過ごせたことがよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:井上由美子3歳、0歳の二児の母。 今は子育てに奮闘中。
2020年02月28日私は第1子を不妊治療で授かり、現在は第2子不妊治療中です。不妊治療をしていると薬の服用やホルモン注射、度重なる通院などにより精神的にも肉体的にも疲れ、ささいなことでも苛立ってしまうことがあります。今回は、私が不妊治療をするなかで言われてイラッとした言葉があるので、いくつかご紹介します。 「諦めたら赤ちゃんが来るってよく言うよね」この言葉は、不妊治療をしていることを相手に伝えると大抵の人に言われる言葉です。言っている人はおそらく励ますつもりで言ってくれているのでしょうが、治療の最中であるとなかなか素直に受け入れられないのです。 もちろんその場では「 そうですよね!」 と答えますが、心の中では「 その諦めがつかないから治療をしているんです。諦めて赤ちゃんが来なかったらきっと後悔するんです」 と叫んでいます。相手が不妊治療を経験して赤ちゃんを授かった人であればまた受け止め方が違うのですが……。 「少し休んでみたらいいんじゃない?」これは夫に言われてすごくイラッとした言葉です。 1年間で子どもを授かることのできるチャンスは12回程度しかありません。だからこそ、今休んだらそのチャンスを1回捨てることになると感じてしまうのです。ゆったりとした気持ちのほうが妊娠しやすいのかもしれないと思いつつ、先の見えないトンネルを早く抜けて赤ちゃんを授かりたいと思ってしまうのです。 夫婦で治療に対する考えを伝え合うことの大切さを感じたきっかけとなった言葉でもあります。 「そんなに怒るから赤ちゃんが来ないんだよ」この言葉を言われたときの衝撃は、今でも忘れられません。一瞬何を言われたのかわからず、理解してから湧き上がる怒りに我を忘れるほどでした。実はこれ、3歳の娘に言われた言葉なのです。ついついイライラしてしまっている自分を自覚していたからこそ、言われたときは怒って娘に当たり散らしてしまいました。 その後、「この言葉は本当に傷つくし悲しくなる言葉だからもう言わないで」と娘に伝えましたが、それだけ私が怒っていたのだなぁと反省しました。 不妊治療をしていると、自分ではコントロールできないような怒りや悲しみに振り回されることがあります。それでも、周りの人の言葉をネガティブに捉えるのではなくポジティブに捉えて、かわいい赤ちゃんを授かることができるように頑張りたいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/imasaku監修/助産師REIKO著者:吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2020年02月23日不妊治療を始めて3年過ぎたあたりから、子どもを授かりたいと思う願望が義務のように変化していき、妊娠に対する感覚が徐々に麻痺し始めていました。ついに、私たちは精神的な余裕が完全になくなってしまいました。そして、治療へ真剣に向き合うことが怖くなり、できなくなってしまいました。 治療法を変えても、結果は出ず一度転院して新たに通い始めた病院で3年近く人工授精を続け、不妊治療期間が約5年過ぎていました。しかし、毎月決まった時期に儀式のように病院へ行き、医師から妊娠していない事実を聞くと、妻だけでなく自分の努力が無駄に感じてしまい、夫婦共々どんどん落ち込んでいきました。 さらに、医師のすすめで体外受精・顕微受精を数回試しましたが、1回につき約40万円の出費になるため、長期的に継続して治療することは断念せざるを得ませんでした。そして、医師と会話することすら嫌気がさしてしまって、また転院することにしました。 2度目の転院にして、最後の病院次の病院でできなかったらあきらめよう、と夫婦で決めていました。年齢と負担だけが増えていって、本来の目標を失いかけていたからです。 次に決めた病院では、お金も精神的負担もかけたくなかったので、タイミング療法のみで治療を再開しました。ここの診療方針は、上の子どもが一緒に行くことも自由、なんとなく決められた日程での診察というのんびりとした環境で、私たちはそのおかげである程度平常心を取り戻していきました。 しかし同時に、妊娠することへのこだわりも徐々に薄れていきました。もうここが私たちの不妊治療の限界だと感じていたからです。 ストレスが減り、そして…最後の病院は、負担を感じることがほとんどなく、通院することができました。電車でひと駅の距離にあることや、繁華街にあるため、寄り道して気を紛らわすこともできたことなども要因だったと思います。 あまりストレスを感じずに治療を続けた結果、最後の病院へ通院して半年、不妊治療開始から約6年目でようやく妊娠することができました。正直、喜びよりも驚きのほうが大きかったです。 今思えば私も妻も、経済的な不安も含む精神的な不安が赤ちゃんを授かることができなかった1番の原因だったように思います。自分が頑張りすぎると、妻にとって負担になります。逆の場合も同じです。妻のため、夫のためと思ってしている行動が、かえって相手を苦しめていたのかもしれません。 改めて感じること次女が無事生まれ、今、冷静に振り返って考えると、私たちは不妊治療を体験できて本当によかったと思います。 真剣に家族揃って同じ目標に向かって取り組み、家族の結束が一層深まりました。さらに、不妊治療に予想外に時間がかかったおかげで8歳差の姉妹になりましたが、長女が本当によくかわいがってくれており、楽しんで子育てに参加してくれています。 妻はもちろんですが長女も頑張って協力してくれたおかげで、子どもを授かることができたのだと私は感じています。 ゴールが見えないまま、どこまで続ければいいのか不安を感じながら治療を続けることが、ここまでつらいとは正直思っていませんでした。ただ、子どもを授かることができ、さらに家族で苦難を乗り越えることができたという充実感も得ることができました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月15日何もかも手探り状態で始めた不妊治療ですが、小さな疑問や不安が少しずつ大きくなっていきました。自分たちに合う治療・病院とはなんだろうと考え続けても、答えが見つかりそうにない時期が続き、約2年が経過していました。 最初の転院原因が特定されないままに始めた不妊治療のため、タイミング療法をずっと続けていました。ただ、時間が経つにつれ、通院当初は気にならなかった片道約1時間の通院時間も負担に感じ始めました。今までの生活リズムも徐々に狂い、夫婦間の衝突も次第に増えていった結果、自宅から15分くらいで通院できる病院に転院することにしました。 次の病院は、地元では有名な不妊治療専門院に決めました。そこは院長先生がメディアにも度々露出して有名なので人気もあり、治療費も今までの病院と比べて割高でした。 毎週診察があり、1回の診察で約1万円、人工授精で約2万円、何かイレギュラーな診察があると、また数万円といった費用がかかりました。しかし、通院時間短縮や妊娠確率が上がるならと思い、その病院へ通院することにしました。 精神的な余裕がなくなっていった有名な病院だけあって、事前に大きな会場でいろいろな分野の先生から説明があり、大学のセミナーのような規模でした。ただ、ここでの説明は、私の予想と反して確率やリスクといった現実的な話ばかりでした。 私は、妊娠・出産は非常に神秘的で尊いものだと考えていたので、先生たちの生物学的な話が妊娠に対する神秘から離れていくように感じてどうしても受け入れられませんでした。うれしいはずの妊娠を前に、どんどん自分のなかに暗く不安なものを感じ始めました。 今思えば、2年続いた不妊治療でのストレスの結果、私は精神的に余裕がほとんどなく、自分本位の考え方になっていたのかもしれません。 ゴールが見えない不安の連続の毎日精神的な不安に加え、なかなか結果が伴わない状態が続いたため、この病院での治療は順調には進みませんでした。それでも、なんとか子どもを授かりたいという思いから通い続けていたのですが、2年の通院期間が過ぎたあたりから、この病院に対して不信感が芽生え始めました。 治療費だけがかさんでいき、いつまで経っても結果が出ないため、「病院側はきちんと治療しているのか?」と、病院に責任があるようにも感じ始めていました。さらに私自信の被害妄想は膨れ上がり、院内で笑い声が聞こえるたびに自分が笑われているのではないかと感じるほど、精神的に滅入っていました。 次の段階の治療へ治療内容は、この病院をきっかけにタイミング療法から人工授精へと変わっていました。医師の説明だと、治療法で飛躍的に確率が上がるわけではないと念を押されていたのですが、現状を変えたい、少しでも確率が上がるのでは、という思いで挑戦しました。 人工授精は、私の負担もさらに増大します。その病院では、朝6時に精子を病院に持ち込まなくてはなりません。そのため、不妊治療にかける時間も一気に増えました。病院によると思いますが、禁欲はもちろん、食生活から運動まで、いろいろと指示があり、妊娠のためと理解しているつもりでしたが、毎日が楽しめなくなってきていました。 自分たちが若くないため、育児できる体力や経済力を考慮すると、時間がないことが一層焦りを生んでいました。さらに、治療に時間がかかるほど経済的負担も大きくなっていくことも不安要素の原因にもなっていきました。 次回は2回目の転院・抱えていたプレッシャーについてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/(c)chicchimama監修/助産師REIKO 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月14日不妊治療が始まると、生活のすべてを治療のために調整しなければなりませんでした。これは事前に納得していたはずなのに、いざ治療のための調整となると、精神的にも肉体的にも、想像以上の負担を強いられるようになりました。 いよいよ治療初日なんとか治療する日程を調整し、初めて病院に行きました。不妊治療の検査は何をするのか想像もつかず、不安でいっぱいでした。 診察が始まり、軽い問診のあとに妻とは別室へ連れて行かれ、精子検査を初めて経験しました。小さな個室に入り、看護師さんに説明をされたのですが、説明があまり頭に入ってこないくらい部屋の様子に驚きました。 部屋の中にあったのは、小さなソファ、小さなテレビモニターと、選んだ人の性癖がわかるようなDVDの数々です。まるで漫画喫茶の個室をアダルトな雰囲気にした上、DVDのみをずらっと並べた感じです。病院内にこんなスペースがあることにびっくりしました。 初めての精子検査妻と看護師さんがドアの向こうで待っていると思うと、一刻も早くこの空間から出たい気持ちで、すぐに作業に移りました。 好みのジャンルでもないDVDの力を借り、ありとあらゆる想像力を働かせたのですが、精神的な影響もあって思うように捗りません。なかなかスムーズに作業できないことが、余計に恥ずかしく、より一層作業を遅らせてしまいました。 なんとか採取できたのですが、容器から伝わる温もりがとても生々しく、すぐには渡すことができませんでした。 不妊の原因は不明のまま私と妻はいろいろと検査をしたのですが、私の精子は正常、妻の卵子も年齢と比較するとかなり良い状態であるとの診断を受け、結局不妊の原因は特定できませんでした。 とりあえず、しばらくは通院をすることにしたのですが、通院する日程を決めることが大変でした。初診のときと同じく、仕事の調整・祖母の時間調整に加えて、排卵日など妻の状態も配慮しなくてはいけなくなりました。 このあたりから毎日診察日のために行動をしなければならなくなり、日常生活に徐々に影響が出始めました。 だんだん小さな衝突が増えるすぐに結果が出ないことは最初から理解していたとはいえ、終わりが見えない状態が続くと、私は日に日に疲弊していきました。妻の負担も目に見えてわかり、この時期から小さな喧嘩が増え始めました。私も家事の負担を少しでも減らそうと努力していたのですが、すべてを補うことができません。 小さな喧嘩から始まり、言い争いも激しくなると、結局は不妊治療の話になり、毎日がその繰り返しでした。 治療を始める前に、夫婦でお互い励まし合い治療に向き合うことを充分に話し合いました。しかし、頭では理解していても、今までの生活リズムに影響が出始めると、想像以上に治療に負担を感じました。 次回は人工授精についてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月13日私は、過去に原因不明の続発性不妊症で不妊治療を約6年間経験しました。自分には関係ないと思っていた治療でしたが、調べてみると経済的にも精神的にも負担の大きな治療だと初めて知りました。夫婦で話し合い、負担は納得しているつもりだった治療も、実際に始まるとイメージしていたものとは違うさまざまな経験をしました。 不妊治療を始めるきっかけ私たち夫婦が不妊治療を始めたのは、私が35歳、妻が32歳のときでした。私たちはすでに子どもを1人授かっており、そろそろ2人目が欲しいなと話していたのですが、なかなか授かることができませんでした。 長女を計画通り授かることができたので、2人目も欲しいタイミングで授かるものとばかり思っていたので不思議に感じていました。自然妊娠がなかなかできないので、ネットなどで情報を集めると、続発性不妊症という言葉が目にとまりました。続発性不妊症というのは、以前に妊娠したことがあり、その後妊娠しない場合を言うそうです。 さらに続発性不妊症について情報を集めると、私たちがその言葉に該当することがわかりました。そのとき、初めて私たちは不妊治療が必要なのだと認識しました。 不妊治療を始める前に私たちは、それまで不妊治療についての知識がほとんどありませんでした。ただ、「金銭的に大変」「女性は精神的にも負担が大きい」などマイナスなイメージだけ持っていました。そこで、具体的に金額がいくらかかるのか、どのような治療法なのか、精神的負担とは何かなどの情報を本やネットを通じて、事前にできるだけ調べました。 やはり、そこにあった情報は精神的、金銭的負担が大きいことや、夫婦の協力・理解が必要だということでした。私たちは、長女を含めて3人で話し合い、やはり子どもを授かりたいこと、無理なら治療を中断することを確認し、不妊治療を始めることを決意しました。 病院選びも難航まず、不妊治療をおこなっている病院選びを始めましたが、この作業が意外と難航しました。妻が、近所の病院だと誰かに知られてしまうのが嫌だということで、少し遠い病院に決めました。 しかし、その病院へ通うことで、私たちの予想していなかったハードルがありました。不妊治療をおこなっている病院ではよくあることですが、子連れ厳禁だったのです。そのため、祖母に長女を預かってもらう日程と私が仕事を休める日程を調整し、病院に予約を入れなければなりません。私は治療を始める前段階で、いろいろと戸惑うことがあり、徐々に先行きに不安を感じ始めていました。 私には関係ないと思っていた不妊治療でしたが、気軽な気持ちで始めました。おそらく、1人子どもがいるので2人目もすぐにできるだろうと、心のどこかで過信していたように思います。 次回は初めての精子検査についてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月12日カウンセリングから最適な製品を提供株式会社ファンケルは、新形態店舗「FANCL BEAUTY SALON」を2020年1月21日(火)にオープンする。場所は、大阪市北区にある阪急うめだ本店7階だ。同店舗は、健康や美容についての専門知識を有したスタッフからカウンセリングサービスを受けることができる新しい形態の店舗だ。店内にはカウンター席が6席設けられ、気軽に製品を試せるテスターのコーナーもある。また、他の直営店舗とは異なり、店頭に製品を陳列しない。カウンセリングから一人ひとりに最適な化粧品やサプリメントを提供してくれる。高級感のあるゆっくりと落ち着いた雰囲気で、コミュニケーションを大切にした店舗だ。肌のダメージリスクも測定できるさらに、肌の奥に潜むダメージリスクを測定する「角層バイオマーカー」を設置。現在と未来の肌についての測定結果から、約45分で最適な美容液を提供する。今後、45問の質問と尿検査の結果から、一人ひとりに最適なサプリメントをワンパックにして提供する「パーソナルワン」も販売する予定。百貨店を中心に、同形態の店舗を展開していく。(画像はプレスリリースより)【参考】※ファンケルニュースリリース
2020年01月21日私が不妊治療を始めたのは28歳。周りの人には「まだ若いんだから焦らなくても……」と言われることもありましたが、私が不妊治療に踏み切った理由、そして不妊治療の経過をお伝えします。 自己流でタイミングをとってみるも…私が結婚したのは27歳のときでした。1つ年上の彼と1年間同棲し、結婚式と同時に入籍。結婚式後すぐに新婚旅行も済ませ、もういつ妊娠してもいい! と結婚当初から思っていました。 自己流でタイミングをとってみたものの、妊娠せず半年が過ぎました。このままだとただ時間だけが過ぎていってしまいそうで、焦りの気持ちが出てきました。ですが、焦っていたのは私だけで、夫はいつか妊娠するだろうとのほほんとしていました。 産婦人科医に相談したところ…産婦人科医に相談したところ、まだ結婚して1年も経っていないことや年齢からしても、急がなくていいんじゃない? と言われました。 しかし私は早く赤ちゃんに会いたかったのです。今のままではまだ見ぬ自分の赤ちゃんとの距離がまったく縮まらない感覚があり、焦りの気持ちが強くなっていました。また、年齢が上がるにつれて妊娠率が低下することも知っています。できることをしていきたいと先生に訴えたところ、検査をおこないながら、タイミングをみていこうということになりました。 卵管造影検査、精液検査、フーナーテストをおこない、どの検査も問題なし。あとはタイミングが合えば妊娠できるかな? と言われ、半年が経過しました……。 不妊治療専門病院へ!結婚して1年が過ぎ、もうしばらくタイミング法を続ける選択肢もありました。しかしもっとできることをやっていきたいと考え、不妊治療専門病院へ。 不妊の原因ははっきりしませんでしたが、体外受精に進むことになりました。不妊治療費は跳ね上がりましたが、夫も赤ちゃんを迎えにいこうという気持ちで快く賛成してくれました。 自然周期メインの施設でしたので、1周期で1つ採卵・移植をしていきました。すぐには妊娠できず、数回採卵・移植を繰り返し、妊娠することができました。妊娠経過は順調で、元気な女の子を出産しました。 振り返ってみて、私は自分の焦りに向き合い、治療を進めたことに満足しています。治療中は不安に押しつぶされそうになることもありました。しかし不妊治療を視野に入れたとき、自分の人生の一部と捉え、後悔しないように治療を始めるタイミングや進め方を夫や主治医と相談してよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:金子ゆかこ6カ月の女の子の母。職業は助産師。現在育休中であるため、娘と一緒だから経験できることを求めてアクティブに出かけている。
2019年12月30日夫婦2人とも健康なら、子どもは自然と授かるもの…とは限りません。今や約6組に1組のカップルが不妊( 日本産科婦人科学会「不妊症」より )といわれています。「もしかして不妊かも?」「2人目がなかなかできない…」「夫は大丈夫かな?」と感じたら、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか?今回は日本にわずか800人弱しかいない日本生殖医学会認定生殖医療専門医でもある、 桜十字渋谷バースクリニック 院長 井上治先生に、不妊やその治療、不妊につながる生活習慣についてうかがいました。教えてくれたのは…桜十字渋谷バースクリニック院長 井上治先生医学博士。2005年、福岡大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院産婦人科医局入局。東京歯科大学市川総合病院をへて、2018年、桜十字渋谷バースクリニック院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医、母体保護法指定。 >>桜十字渋谷バースクリニック 公式サイト ■女性の加齢と妊娠率の関係とは?最近の不妊治療の傾向「幅広い年齢の方が受診されますが、最近は、結婚間もない若い方が早めに受診されるケースも増えましたね。妊活して2~3カ月とか、まだ妊活もやっていないけれど『心配だから…』と来院される方もいます(井上先生)」井上先生は、若い方の受診増加傾向について、不妊治療に関する正しい情報が認知され、子どもが欲しい方の意識の高まりが影響しているのではないかと分析します。「以前は、40歳を越えても治療さえすればすぐ妊娠できると思われて来院される方が多かったんです。でも、女性の場合、加齢によって妊娠が難しくなるというのはデータ(下記グラフ参照)でも顕著に表れています。そういった情報が認知されて『何か不妊の原因があるなら、先に治療してしまおう』と考え来院される方が多くなっているのでしょう(井上先生)」受診する年齢の目安は?グラフでもわかる通り、不妊治療をしていても35歳を境に、妊娠率の低下は加速します。「35歳がひとつの目安となります。日本産科婦人科学会では、『妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しないもの』を不妊と定義づけています。これは、排卵検査薬などを使って排卵があることを確認し、一番妊娠しやすい日に性交するタイミング療法を取り入れての1年です。しかし、妊娠には加齢が大きく影響しますので、当院では、35歳以下なら1年、35歳以上なら6カ月、40歳を越えている方なら、できればすぐにでも受診していただきたいと考えています(井上先生)」。■最近よく聞く不妊の原因は?最近は、「2人目不妊」という言葉がよく聞かれるようになりました。「1人目はスムーズに自然妊娠できたのに、2人目がなかなかできない…」。その原因について、井上先生に伺いました。「2人目ということで当然、お母さんの年齢が上がっていますから、1人目の時より妊娠しづらくなります。女性の場合は、加齢による子宮筋腫や腺筋症なども増加します。また、授乳中は妊娠しにくいことも挙げられるでしょう。男性の加齢も影響します。それに加え、育児で忙しく、なかなかタイミングをとるのが難しいのではないでしょうか。2人目だから不妊になるというわけではなく、加齢と育児による忙しさが原因だと思います(井上先生)」若い男性の不妊傾向も一方、最近の不妊の傾向として、男性が原因というケースが増えているそうです。「最近は、最初から夫婦そろって検査にいらっしゃる方が増えていますが、男性側に不妊原因があるというケースが増えているように感じます。環境ホルモンの影響などといわれていますが、若い男性で精液所見が悪い方も散見されます。逆に、女性の不妊傾向は今も昔もあまり変わりません。しかし、ご夫婦両方を検査しても、実ははっきりとした不妊の原因がわからないというケースが多いです。その場合は、治療をステップアップしていくことになります(井上先生)」■あなたは大丈夫? 不妊リスクチェック実は、日常生活で何気なくやっていること、あまり気にしていない症状が、不妊の遠因になっているかもしれません。不妊に少なからず影響しているといわれる項目を、男女それぞれ井上先生に挙げていただきました。1つでも当てはまれば、不妊のリスクがあります。この中で、当てはまるものはありますか?【女性の不妊リスクチェックテスト】□1. 年齢が35歳以上□2. たばこを吸っている□3. 仕事や育児で忙しい□4. 運動不足□5. 生理不順□6. 不正出血や生理時の出血が多い【男性の不妊リスクチェックテスト】□1. 年齢が35歳以上□2. たばこを吸っている□3. 仕事で忙しく、睡眠時間が短い□4. 運動不足□5. サウナに頻繁に入る□6. 携帯電話をズボンのポケットに入れたり、ノートパソコンを膝の上にのせて作業する□7. 自転車やオートバイに乗ることが多い女性の不妊リスクチェック解説1.~4.は男女共通となります。「2. 喫煙」や、「4. 運動不足」は、万病の元といわれており、不妊にもつながります。また、「3. 忙しい」は、妊娠しやすい日に性交するタイミングがなかなか合わせられないことが不妊原因と考えられます。「女性の『5. 生理不順』は、排卵日の予測が難しいため。タイミング療法を取り入れるには、まず生理周期を整える必要があります。また、『6. 不正出血や生理時の出血が多い』というのは、筋腫といった別の病気が隠れている可能性があるためです(井上先生)」男性の不妊リスクチェック解説一方、男性の「5. サウナに頻繁に入る」、「6. 携帯電話をズボンのポケットに入れたり、ノートパソコンを膝の上にのせて作業する」「7. 自転車やオートバイに乗ることが多い」が不妊の遠因となるかもしれないことに、驚いた人も多いのではないでしょうか。「男性の精子は熱や圧迫に弱いんです。ある研究によると、サウナや熱を発する携帯電話・ノートパソコン、サドルによる圧迫が精子に悪影響を及ぼす結果が出ています。精子はとても弱く、Wi-Fiにも影響されるという研究結果もあるくらいです。最近は、精子をチェックできるアプリもありますから利用してみるのもいいですね(井上先生)」■「妊娠できるかな…」まずは気軽に受診を不妊治療には健康保険が適用にならない治療もあるため、高額となってしまう検査や治療があります。しかし、所得や年齢、回数などに制限はあるものの、2004年から特定不妊治療には国からの助成が受けられるようになりました。また、自治体でも助成金を給付しているところがあり、ハードルの高かった不妊治療が身近になってきました。初診の内容は?「当院は7~8割の方が不妊治療は初めてという患者さんなので、まず最初は希望をお聞きします。検査ご希望か、タイミング指導だけか、1人ひとりに合わせた治療をします。ただ、何か問題があって妊娠ができない場合もありますので、検査をされたほうが安心だと思います。初診時には、基礎体温表をつけているかどうか、排卵検査薬(排卵アプリ)を使っているかどうかなどをお伺いします。それも、つけていれば・使っていればなお良いくらいのお話なので、必須ではありません。まずは、ご相談にいらしてください(井上先生)」「子どもは欲しいけれど、妊娠できるかどうか」といった漠然とした不安を抱えながら年齢を重ねるのは、妊娠率を下げることにつながります。少しでも不安があるようなら、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか? 井上先生が院長を務める 桜十字渋谷バースクリニック のご紹介JR渋谷駅より徒歩約5分の好立地に、2018年開業した渋谷エリア唯一(※)の不妊治療専門クリニック。日本生殖医学会認定生殖医療専門医である井上治院長をはじめ、体外受精を数多く手掛けるクリニックで経験を積んだ培養室長など高い技術を持った医師・スタッフがそろい、胚(受精卵)へのストレスを最小限にした最新型培養器「タイムラプス」や培養液の工夫、卵子凍結技術の向上など、ソフトとハード両面で患者さんを支えています。※2019年12月現在【住所】東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル4階( Google Map )※JR山手線 渋谷駅 ハチ公口 徒歩5分/東京メトロ 渋谷駅 6番出口 徒歩4分【診療日】月~土 ※水土午後・日祝休診( 詳細はこちら )【TEL】03-5728-6626 渋谷バースクリニックを公式サイトで見る イラスト:グラハム子[PR]医療法人社団 東京桜十字
2019年12月25日1人目を妊娠しているときから、「子どもは2人欲しいよね」と夫婦の意見は一致。ですが1人目を不妊治療で授かったので、「2人目不妊になるのでは?」と心配に……。なぜなら1人目ができるまでに、3年かかっていたからです。1人目が落ち着いたら……と、そのときの私はのんびり考えていられませんでした。そのような状況で2人目を授かり、私が感じたことをお伝えします。 2人目不妊を想定して早めに妊活を開始1人目は不妊専門の病院に3年通い続けて、妊娠した経験があります。そのため、子ども同士の年の差を気にしていられませんでした。2人目も不妊となると、1人目を連れて頻回に病院に通わなければいけません。薬の副作用で思うように体が動かないことも……。万が一の事を考えると、私は1日でも早く妊娠できる体に整える必要があると考え、30歳で2人目の妊活をスタート。産後6カ月目のとき生理が再開したので基礎体温の測定を開始して、安定するのを待ちました。そして1人目が生後10カ月のころに断乳をして、葉酸摂取を開始したのです。 予想に反して2人目はすぐに妊娠!結果、1人目を妊娠するまでに3年かかったのですが、2人目は妊活を開始して2カ月で妊娠しました。一番心配していた不妊問題もあっさり解決して、私たち夫婦は晴れて年子を授かることができました。年子は大変だな……と思いましたが、子育てが落ち着いたら早めに再就職をしなければいけなかったので、早々に子宝に恵まれてよかったと一安心! 不妊治療には高額な治療費がかかるため、その分を教育費に回せられると考えると安心できました。 1人目に対してフォローしたこと子育ては1人だけでも十分大変ですが、子ども同士の年齢が近ければより手がかかるかもしれない、と感じていた私。早々に2人目を考えていたこともあり、1人目には自分でできることはなるべく自分でさせるようにしていました。 自分でごはんを食べる・簡単な脱ぎ着はもちろん、外では抱っこを極力せず「赤いボールまで歩こう!」「あっちにワンワンがいるよ! 見に行こう!」と声掛けをして、歩くことの楽しさを子どもに感じてもらえるよう工夫をしました。しかし1人目も1歳6カ月で、まだまだ甘えたい時期だったと思います。寂しい思いをさせないために、2人目の授乳中も1人目を一緒に抱っこをしたり、2人目が寝ているときは1人目との時間をたっぷりつくるよう意識しました。 私の場合は「不妊」の可能性があったため、2人目はかなり焦って妊活をしました。そのため子ども同士の年齢差も考慮できず、1歳6カ月差に……。ですが常にライバルであり心強い仲間になった子どもたちを見て、今は年子で本当によかったなと思っています。 著者:太田 いこ岡山県在住、年子姉妹の母。フルタイムで働きながらライターとしても活動中。主に、不妊・育児・ママ友などのテーマで記事を執筆している。
2019年11月22日2009年生まれの双子ちゃんのエピソードをブログやInstagramで公開しているかよポンさん(Instagram@kayoponkan)。不妊治療を経て双子を妊娠、出産するまでのエピソードを9回に分けてご紹介! 夫と「これが最後」と決めた不妊治療をおこなっています。洗浄の痛みに耐え、採卵を終えて帰宅しました。前回採卵したときに受精したのは、わずか2個。今回も…。せめて1個だけでも…。そんな気持ちで電話を待ちました。嬉しさと安ど感でホッとしたのもつかの間、今度は、次回の胚盤胞移植までキャンセルの電話が来ないことを祈る日々……。まだまだ気の抜けないときが続きます。 かよポンさんの育児エピソードはInstagramやブログなどから更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 この投稿をInstagramで見る かよポン(@kayoponkan)がシェアした投稿 - 2019年 8月月5日午後11時59分PDT ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡著者:イラストレーター かよポン2009年生まれの二卵性男女双子育児中の40代母。家族の出来事を4コマで。 趣味はキャンプ。不妊治療~双子出産、子育ての日常を描いたブログも人気!blog:「おじゃったもんせ双子~笑いと涙の双子育児」Instagram:かよポン@kayoponkan
2019年11月02日2009年生まれの双子ちゃんのエピソードをブログやInstagramで公開しているかよポンさん(Instagram@kayoponkan)。不妊治療を経て双子を妊娠、出産するまでのエピソードを9回に分けてご紹介! ~ あらすじ ~旦那さんと出会って半年でスピード婚。結婚当時、仕事が忙しく、不正出血が何週間も続き、婦人科を受診したところ左右両方の卵管が詰まっていることが判明!「自然妊娠は90%以上難しい」と告げられ、不妊治療を開始するも、出血が続き命の危険に……! その後、顕微授精、体外受精を試みるも妊娠判定は陰性。一度赤ちゃんを諦めようとしたものの、やっぱり赤ちゃんが欲しい…! 自分の周囲の赤ちゃんや子どもの姿をうらやましいと思いつつ、『夫婦二人で過ごすのもいいかもしれない』。そんな風に思い始めた矢先に、義母の病気が再発しました。義母に…子どもの顔をみせてあげたい。 やってみてダメならそれでいい。でも、やらずに諦めるのはいやだ。私にはまだ治療を頑張れる時間が残されている。だから、やりたいんだ。やってみたいんだ。 ついにダンナが「1回だけ…本当に治療はこれが最後、ダメなら諦めること」と、承諾してくれたのでした。個人差はあるものの、私の場合採卵よりも、その前の洗浄が「ひぃぃーーっ!」と、飛び上りたくなるほどの鈍痛で、永遠とも感じる時間を耐えに耐えました。 その時、看護師さんに「赤ちゃんほしいんだったらがんばる!」と励まされたものの、「わかっとるわい!」と心の中で思い切り毒づいてしまった私でした。そして、卵は無事、5つ採ることができました。 かよポンさんの育児エピソードはInstagramやブログなどから更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 この投稿をInstagramで見る かよポン(@kayoponkan)がシェアした投稿 - 2019年 8月月5日午後11時59分PDT ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡ 著者:イラストレーター かよポン2009年生まれの二卵性男女双子育児中の40代母。家族の出来事を4コマで。 趣味はキャンプ。不妊治療~双子出産、子育ての日常を描いたブログも人気!blog:「おじゃったもんせ双子~笑いと涙の双子育児」Instagram:かよポン@kayoponkan
2019年11月01日不妊に悩む人はどのくらい?あなたのまわりは、「望んでいるのだけれど、なかなか赤ちゃんができない」という人はいませんか?「子どもは望めばいつでもできるもの」と思っている人もいるかもしれませんね。実際に、望んだときにすぐできた、という人もいるかもしれませんが、そうでない人も、実はたくさんいるのです。その割合は、どれくらいだと思いますか?国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年実施)によると、不妊を心配したり悩んだりしたことがある夫婦は35%という結果でした。つまり、3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配した経験があるということ。そして、子どものいない夫婦の場合では、この数字は55.2%、半数以上にものぼります。(※1)不妊は、とても身近な存在なのです。 実際に治療を受けたカップルは5.5組に1組では、病院やクリニックを受診して、不妊の検査や治療を受けたことがある人は、どれくらいいるのでしょうか。同調査によると、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%でした。ということは、夫婦の約5.5組に1組が、不妊の検査や治療を受けたということ。そして、子どものいない夫婦での治療経験は、28.2%という結果でした。(※1) 子どもがいても不妊?!子どもが1人いる夫婦の場合の調査結果もあります。子どもが1人いる夫婦で不妊の心配をしたことがある割合は45.4%と、半数に近い数字です。そして、検査や治療を受けたことがある割合は25.7%でした。不妊を配したものの自然に子どもを授かることができた、または治療で子どもを授かった。もしくは、「1人目の子どもは自然に授かったけれど2人目がなかなかできないと心配している」といったケースもあることでしょう。 どのような背景があるかは具体的にはわかりませんが、いま子どもがいたとしても、「もしかして不妊かも?」と心配した経験のある人は、これだけ多いということです。こうしたことから想定すると、あなたのまわりにも、きっとたくさんの不妊体験者がいることでしょう。 不妊とはどういう状態のことなの?ところで、不妊とは、どういう状態をいうのか知っていますか?日本では、健康な男女が定期的に性交渉をもっているにもかかわらず、1年以上妊娠しないことを「不妊」といいます。ただし、女性は加齢とともに妊娠しにくくなるので、20代の人と40代の人をいっしょに語ることはできないでしょう。一概にはいえませんが、年齢が高い女性は若いときよりも妊娠しにくい状態である可能性が高く、妊娠するまでに時間がかかることもあります。もちろん、1年を待たずして、病院で検査や治療を受けてもかまいません。妊娠しにくい原因がないかどうか調べておくことは、妊活の第一歩といえます。とくに生理不順や子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科系の病気がある場合は、早めに受診したほうがいいといわれます。また、男性側に不妊原因があるケースもあります。1年というのは、「もしかして妊娠しにくいのかも?」と考えて、検査を受ける目安になりそうです。 不妊治療は身近な存在いかがでしょうか? 不妊で悩む人は、あなたが想像していたよりも、ずっと多い数ではありませんか? おそらくそれは、治療をしていると相手が言わないために、あなたが知らないだけなのかもしれません。実は、不妊治療によって子どもを授かっている人は多いのです。2016年の日本産科婦人科学会のデータでは、体外受精や顕微授精などの高度な生殖補助医療(ART)によって生まれた子どもは54,110人となっています。その年の日本の出生児の約18人に1人の赤ちゃんがARTによって誕生していることになるのです。 2018年に日本で生まれた赤ちゃんは、921,000人でした。(※2)そのうちのどれくらいの赤ちゃんが、両親に望まれて、積極的な妊活である不妊治療によって、この世に生を受けたのでしょうか。3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配する現在。あなたのまわりにも、きっとそんな経験をした人がいるはず。もしかして、あなた自身が不妊を心配したことがあったり、不妊治療を体験していたかもしれませんね。そう、あなただけではなく、たくさんの人が不妊で悩んでいる(いた)のです。いまや不妊や不妊治療は、とても身近な存在です。 ほかのママとは違う……不妊体験後の感情不妊を体験したあと、妊娠・出産、育児をしていて、なんとなくまわりとの違和感を感じたり、気持ちがざわついたりする……そうしたことはありませんか?「難なく子どもを授かった人と自分は違う。でも、子どもがいる自分は、不妊仲間には入れない。こんな気持ちを誰にも話せない……」こうした気持ちは、不妊を体験したゆえの独特の感情なのだそうです。NPO法人Fineでは、そうした人のためのグループカウンセリングを行なっています。生殖心理カウンセラーが同席して、不妊を体験したあとの特有の心理についてサポートしています。 参考:※1:2015 年社会保障・人口問題基本調査 <結婚と出産に関する全国調査>※2:平成 30 年(2018) 人口動態統計の年間推計 - 厚生労働省NPO法人Fine〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会 著者:ライター NPO法人Fineスタッフ 高井紀子北海道生まれ。編集者・ライター。広報誌、雑誌、書籍、ウェブサイトなどで、妊活や不妊治療に関する企画・記事を数多く手がける。不妊体験者を支援するNPO法人Fine()スタッフ。コミュニティFM「渋谷ラジオ」に出演中。趣味は月を見ること、温泉めぐり、ボルダリングなど。健康マスター(ベーシック)。
2019年09月10日不妊治療をしている上で大切なもの、それは「お金」と「時間」「お金」は、助成金を受けられると言っても額は決まっている上、後日給付なので一度は支払いをしなければなりませんし、長引けば長引くほどその金額は大きくなっていきます。そして「時間」、排卵日とホルモンの状態を、血液検査と内診で医師が予測しながら治療を進めていく為、どうしても急な診察や連日の病院通いがある上に、予約制ながらも待ち時間はかなりのものです。1回の診察で文庫本1冊読みきれます。(しかも病院によっては椅子が足りなかったりしてかなりしんどい)時は金なりという言葉にもある通り、時間を失うとそれだけお金を稼ぐ機会が減る訳で、この2つのバランスを取るのが非常に難しかったです。私はたまたま退職する機会とも重なったので、正社員から、比較的休みを取りやすいオフィスワークのパートに転職しました。最初に不妊治療中という事を知ってもらえていれば気持ちも楽かもと、求職中、いくつかの会社には面接で「不妊治療中です」と伝えてみたら見事に全部不採用でした。パートは日曜定休で週4の9時~17時のシフト制でしたが、休みをスムーズにとる為にしていたのは「他の人が急に休みを取る事になった時は進んで自分が代わりに出勤する事」。時給制だったのでシフトに入ればお金も稼げるし、急に通院の予定が入った時も普段から代わりに出勤していれば罪悪感も多少減るし、上司も快くお休みをくれるという打算的な理由で… 本当ならこんな気を使ったりせず、どの会社でも、どんな理由でも「お休みもらいますー」「どうぞー」っていう世の中になってほしいですが。そして助成金ももっと幅広くしてほしいですが。連日の通院で仕事の日程の調整を何度も余儀なくされ、もう働きたくない! と思った事もありましたが、やはり治療自体にかなりのお金がかかるので働き続けなければなりませんでした。心と体に影響の多い不妊治療中に、仕事と治療の調整でストレスを溜める事はできるだけ避けたいですよね。
2019年09月05日希望しているのにもかかわらず、なかなか妊娠しない場合は、早めに対策を取ることも大切です。今回は、不妊症や男女の不妊の原因、不妊の検査や治療について解説します。 不妊症とは不妊症とは「妊娠を望む健康な男女が避妊せずに性交しても1年以上妊娠しないこと」と定義されています。(※) 不妊症は、男性側または女性側に原因がある場合と、両方に原因がある場合、原因がわからない場合があります。これまでは一方的に女性が原因と思われることが多くありましたが、男性や女性に原因がある割合は、ほぼ半々とされています。 ※参考:日本産科婦人科学会「不妊症」 女性の不妊の原因女性にみられる不妊の原因には、次のようなものがあります。■排卵に問題がある場合ホルモンバランスに問題があり、卵胞が育たなかったり排卵が起こらなかったりする場合があります。特にホルモンバランスの乱れによる月経不順では、月経時に出血があっても排卵が伴わないことがあります。月経不順の方は排卵障害の可能性がありますので、なかなか妊娠できない場合は病院へ受診してみましょう。<ホルモンバランスの乱れの原因となる疾患>・甲状腺疾患・高プロラクチン血症・多嚢胞性卵巣症候群・早発卵巣不全・精神的ストレス・極度の肥満、ダイエットによる月経不順■卵管に問題がある場合細菌感染や炎症などによって卵管がふさがったり、くっついたりすると精子が卵子に到達できなくなり、妊娠の確率は低くなります。<原因となる疾患>・卵管閉塞・卵管狭窄・性器クラミジア感染症・子宮内膜症■子宮に問題がある場合子宮筋腫や子宮の形に異常がある場合、受精卵が着床できないことがあります。<原因となる疾患>・子宮奇形・子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮粘膜化筋腫・アッシャーマン症候群(子宮内膜の細胞の層の一部が欠けてしまい、くっついてしまう病気)■子宮頸管に問題がある場合子宮頸管を満たす粘液量が少なかったり、精子が侵入しにくい形をしていると、不妊症の原因になることがあります。<原因となる疾患>・子宮の奇形や子宮頸部の手術後・子宮頸部の炎症・頸管粘液の異常■免疫に問題がある場合免疫異常で抗精子抗体(精子を障害する抗体)を持つ女性の場合、精子の動きが悪くなるため、精子が卵子に到達することができません。 男性の不妊の原因男性にみられる不妊の原因には、次のものがあります。■精子の形成に問題がある場合精子の数が少なかったり、精子の運動性が悪かったりすると、不妊症の原因になります。<原因となる疾患>・精索静脈瘤(精巣周辺の陰嚢部に発達した静脈のこぶ)・染色体異常・停留睾丸(陰嚢の中に睾丸が入ってない状態)■射精に問題がある場合過去の炎症(精巣上体炎)などにより精子が通る管が詰まっている場合があります。精子がペニスの先端まで通る道が詰まっていると、射精しても精子が排出できません。■男性の性機能に問題がある場合ストレス、動脈硬化や糖尿病の疾患の原因などなんらかの原因でペニスの勃起に問題が生じることを性行為がうまくいかなくなることがあります(ED:勃起障害)。■加齢による影響男性は35歳ごろから、精子の質の低下が起こります。 不妊症検査の内容と費用日本生殖医学会では、不妊期間を1年として不妊症と診断し、検査と治療を開始したほうが良いとしています。■女性に対する検査産婦人科の不妊外来を受診した際に、問診により、既往歴、月経周期、喫煙、飲酒などの生活習慣などが質問されます。その後、診察して以下のような検査がおこなわれます。・内診・経膣超音波検査超音波プローブを腟に挿入して、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫などの病気の検査をおこないます。病気の疑いがある場合は、さらにMRI検査や腹腔鏡検査をおこなうことも。・子宮卵管造影検査子宮の入り口から造影剤を注入し、子宮の形に異常がないか、卵管の詰まりがないかを調べる検査です。子宮卵管造影により治療的な効果もあり、卵管の通りがよくなることもあります。・ホルモン検査血液検査では、女性ホルモンの分泌や甲状腺の機能などを調べます。月経周期にあわせて検査がおこなわれます。・AMHアンチミュラー菅ホルモン検査卵巣の予備能力や卵がどれくらいあるのか予測でき、卵巣年齢を知る検査です。・性交後試験・フーナーテスト性交渉をおこなった翌日に受診し、女性の子宮頸管粘液を採取して、その中に運動している精子が進入しているか、精子の数や運動率を調べます。体調によっても精子の状態は変化しますので、数回だけの検査することもあります。・クラミジア抗体検査性感染症の原因でもあるクラミジアは卵管をくっつけてしまうため、血液検査によって感染の有無を調べます。・子宮がん検査子宮頸部の細胞を採取し、がん細胞の検査をおこないます。■男性に対する検査・精液検査プライバシーに配慮された個室に案内され、マスターベーションで採取した精液を検査します。もしくは自宅で採取した精子を2時間以内に病院に持参したものを検査します。精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを調べます。検査結果に異常がある場合、精密検査がおこなわれます。・泌尿器科的検査精液検査で異常があった場合におこないます。不妊症に関する病気の既往歴の有無、勃起や射精などの性生活など問診をおこないます。精巣などの外陰部の診察、精巣サイズの測定、精索静脈瘤の有無などを触診でチェックします。■検査費用について不妊検査は、保険適用になる分と自己負担になる分がありますので、初診では2~3万円は準備しましょう。初診は、問診、内診、超音波検査、血液検査などがおこなわれ、一般的に内診と血液検査だと5,000円で健康保険適用内になります。精密検査が必要になれば、数十万円の費用がかかる可能性もあります。病院によって不妊検査の費用が異なりますので、あらかじめ費用の目安についても確認しておくとよいでしょう。 ※参考:日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」 不妊治療の内容と費用不妊治療のステップとして、タイミング法など自然妊娠をサポートするものから、排卵誘発や体外受精など人工的な授精が段階的におこなわれます。●治療内容について・タイミング法排卵日の2日前から排卵日までに、夫婦の性生活をもつタイミングの指導がおこなわれます。排卵予定日数日前に経腟超音波検査で、卵巣内の卵胞の大きさを測定することで、排卵日を推定します。また、ホルモンの分泌状態から排卵日を予測します。・排卵誘発法内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を促す方法です。排卵のない女性に使用されますが、人工授精や体外受精などにも使用されることがあります。・人工授精手を使って採取した精液から運動している成熟精子を回収して、子宮の中に注入する方法です。妊娠に至らない場合は体外受精へ進みます。・体外受精腟から細い針を穿刺して卵巣から卵子を取り出し、体外で精子と受精させます。受精に成功した受精卵は、培養して分割させ、子宮の中へ移植します。1回の体外受精で複数の受精卵が得られた場合、残った受精卵は凍結します。・顕微授精体外受精で精子と卵子が自然に受精しない場合に、細い針で精子を卵子の中に注入して受精させる方法です。●費用について不妊治療でも気になる人が多いのが、治療にかかる費用です。不妊治療にかかる費用の目安は以下のようになります。【健康保険適用内】タイミング法 1~2万円【健康保険適用外】人工授精 1~4万円体外受精 20~60万円顕微授精 30~70万円 まとめ不妊治療がうまくいかないと、気分も落ち込むことも多いと思います。不妊治療をきっかけに夫婦が険悪な雰囲気になってしまうケースも少なくありません。そのため、不妊治療は高額で長期間に及ぶこともあるので、夫婦でコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。不妊で悩んでいる場合は、まずは原因を明らかにするために医療機関に相談してみましょう。 ※参考:・日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」・日本産科婦人科学会「不妊症」・一橋大学 国際・公共政策大学院「コンサルティングプロジェクト最終報告書『不妊治療をめぐる現状と課題』」・日本産科婦人科学会・Reason for your choice「生殖補助医療(assisted reproductive technology: ART)の実際」 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2019年08月03日結婚したいと思った時に皆さんが次に考えるのが『婚活』ですよね。あなたはどんな結婚相手をイメージして婚活を行っていますか?相手の年収や見た目、希望する条件を具体的にイメージすることが出来ているでしょうか。それとも、「いい人がいたら…」とぼんやりと考えて活動していますか。実は具体的にイメージできているかどうかが、婚活が成功する人と上手くいかない人の大きな違いとなります。自分にとって『いい人』や『普通の人』って具体的にどんな人?婚活をしている女性に「男性の好み」を聞くと『いい人』や『普通の人』と結婚したい、という声をよく聞きます。でも、それでは相手が具体的にどんな人か全く予想がつきません。これが正に大きな落とし穴です。周囲から『いい人』や『普通の人』と評価されている男性であっても、自分にとって『いい人』や『普通の人』でなくては意味がないからです。つまり、自分にとって『いい人』や『普通の人』の基準を明確にしていかなくてはなりません。結婚生活や老後を具体的に考えてセルフカウンセリングをしよう自分自身の気持ちを知るにはどうしたらいいのか、と悩んでしまいますよね。そんな人にオススメなのがセルフカウンセリングです。これは、スポーツ選手などが大切な試合前などに行うこともある『自分自身と向き合い、自分自身を受け入れる方法』です。具体的に言うと自分が結婚やその後の結婚生活、さらには老後をどう過ごしたいか具体的に考えることです。それなら友達に聞いてもらった方がいい…と思うかもしれませんが、人間は自分の欲望を人にありのまま出すことを躊躇する傾向があります。その為、セルフカウンセリングは自分自身で書き出すなどして行う様にしていきましょう。実践!セルフカウンセリングの方法① どんな相手と結婚したいか (性格、年収、容姿など具体的に)② 結婚後の生活はどうしたいか (仕事を続けるのか、専業主婦がいいのかなど)③ 結婚後は何処で生活したいのか (住む地域、住まいなど)④ 子供は欲しいのか、どのように子供を育てたいか⑤ 老後は何処に住み、どんな生活がしたいのか上記の事を自分自身に問いかけてみましょう。ついつい、こんな事を人に聞かれたら欲張りだと思われる、高望みだと思われると躊躇するかもしれません。しかし、ノートに書き出すときは欲望のまま書き出してください。誰にも見せない物なので遠慮することはありません。そして、自分自身の感情を素直に出してみましょう。そうすることにより、自分にとっての理想的なパートナーの基準がはっきりとしてきます。そうすれば自ずと自分の理想的な相手を探しやすくなります。
2019年05月27日28歳のときに不妊治療で第一子を授かり、出産した筆者。第一子である娘が1歳を過ぎたころから第二子の不妊治療を始めたのですが、治療を受けるなかで失敗したと思うことがいくつかあります。今回はその失敗体験を紹介します。 不妊治療の記録をすべて捨てた待望の第一子は、タイミング法を3回した後の人工授精3回目で授かりました。おなかの赤ちゃんは順調に育ってめでたく出産となったのですが、産後2カ月が経った後に急遽夫の転勤で引越しをすることに。 引越し後は見知らぬ土地で子育てをしながら片付けにハマり、勢い余って第一子の不妊治療に関する書類をすべて捨ててしまったのです。第二子の治療は引越し先の病院で受けたため、過去の資料が一切なくて困ったのを覚えています。 領収書の管理がいいかげん第一子の不妊治療では人工授精3回目で娘を授かることができたので、治療にかかる費用はそこまで高額にならず助成金の申請はおこないませんでした。 けれど、第二子の不妊治療では10回を超える人工授精をおこなっても子どもを授かることができませんでした。治療費も高額になったため助成金申請をしようとしたところ、領収書がいろいろな場所に保管してあったり日付通りでなかったりして大変な手間がかかり、領収書の管理はきちんとしておく必要があると痛感しました。 妊娠に対する考えが甘かった不妊治療当初から「自然妊娠をする確率はほぼゼロで体外受精でも難しい」 と先生から言われていましたが、娘を3回目の人工授精で授かったので次も思っているよりも簡単に妊娠すると考えていました。 ところが、人工授精12回、体外受精を1回おこなったものの未だに妊娠に至っていません。筆者も夫も年齢はどんどん高くなり、体も衰えていくなかでどこまで治療を続けるのかまだ決めていません。出費は増え続ける一方なので、子どもが授からなかった場合にいつ諦めるのかを考えなくてはならないなと思っています。 不妊治療をしていると、まだ見ぬ未来の赤ちゃんと会える日を楽しみに気持ちが前向きになる一方で、現実的に考えなくてはならないことがたくさんあり、気持ちが後ろ向きになることもあります。それでも、後悔のないように納得のいくまで治療に取り組んでいきたいです。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2019年04月29日「2015年社会保障・人口問題基本調査」 によると、5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがあるそうです。わが家もそのうちの1組で、筆者が27歳、夫が33歳のときに不妊治療を始め、約1年の治療期間を経て第一子を授かりました。今回は筆者と夫が不妊治療を始めたきっかけについてお伝えします。 今赤ちゃんができたら困る筆者が結婚したのは25歳のときで、就職して3年目の仕事もまだまだ半人前のころ。6歳年上の夫は早めに子どもが欲しかったようですが、筆者は 「まだ仕事がきちんとできないのに、今赤ちゃんができたら困るな……。あと2年くらい子どもは欲しくない」 と考えていました。 夫も筆者の考えを尊重してくれて、その間は妊娠しないようにしていましたが、そのころは 「子どもが欲しくなればいつでも妊娠できるだろう」 と軽く考えていました。 そろそろ赤ちゃんが欲しいと思ったら結婚して2年が経ったころ、筆者が仕事に少し慣れたこともあり 「そろそろ赤ちゃんが欲しいな……」 と思うようになりました。職場には妊娠して出産する女性もたくさんいたし、妊活を始めればすぐに子どもを授かるだろうと考えていたのです。 ところが、基礎体温をつけてタイミングを図ってもなかなか妊娠せず……。数カ月しても妊娠しなかったため、不妊治療のできる病院を調べて診察を受けることにしました。 自然妊娠する確率はゼロに等しいと言われてしまう生殖医療婦人科を受診し、血液検査や卵管造影などの検査を進めながらタイミング法での治療を始めました。しかしタイミング法を3度おこなっても妊娠しなかったため、人工授精での治療をおこなうことに。ところが、人工授精をするために精液を提出したところ、 「この数値だと自然妊娠する確率はゼロに等しいです。顕微授精でないと難しいでしょう」 と先生に言われたのです。 夫婦で治療の進め方を話し合った結果、顕微授精は高額になるということもあり、まずは人工授精に10回程度までチャレンジしてそれでもだめならば顕微授精にステップアップしようということになりました。 結局第一子は人工授精3回目で授かることができましたが、まさか自分たちが不妊治療をしないと子どもを授かることが難しいとは想像もしていませんでした。赤ちゃんが欲しいと思ってから早いうちに検査や治療を受けたことで、必要な治療が受けられたのはよかったと思っています。著者:沢田真紀子自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月25日筆者は不妊治療をして娘を授かりました。現在は第二子妊娠のために再び不妊治療中です。今、娘は幼稚園に通っていますが、入園前は一緒に病院へ連れて行っていました。そこで子連れでの不妊治療の経験を元に筆者が考えた「子どもを抱えながら不妊治療に通いやすい病院の条件」をご紹介します。 子どもを連れて行きやすい雰囲気かどうか子連れで不妊治療に通える病院かどうかというのは1人目の不妊治療では考えなくていいことですが、第二子以降の不妊治療では重要だと思います。他の患者さんへの配慮で子連れでの来院を断る病院もあると聞いたことがあり、筆者は最初の予約の際に電話で確認をしました。また、子連れでの通院が可能であっても、子どもが遊ぶスペースやおもちゃがないこともあります。混んでいる病院であれば数時間待つこともあるので、子どもが飽きない工夫は必要だと思います。 託児の施設が近くにあるかどうか筆者が不妊治療に通う病院には、すぐ近くに病院が運営している託児所があるのですごく助かりました。空いているときの診察や注射のみの場合はあまり時間がかからないので一緒に通院することも可能ですが、人工授精や検査などで時間がかかるときは預かってもらえる場所があるというのはすごく便利です。また、病院の診察のための託児であれば通常よりも安く預かってもらえるという制度であったため、金銭的にも非常に助かりました。 家から近いかどうかこれは一人目の不妊治療の際にも大切な条件かもしれません。人工授精や体外受精などをおこなう場合は、朝早く病院に行かなければならないこともあります。筆者が体外受精をおこなったときには、深夜に排卵を促す注射を打ちに行かなくてはならないこともありました。治療の内容によっても通院の頻度は違いますが、子どもがいる場合は特に準備に時間がかかるため、家から病院が近いと通院をすることのストレスは少なく済んでいます。 いつか生まれてきてくれるわが子のためにと思っても、不妊治療に通うのは肉体的にも精神的にも金銭的にも負担がかかります。少しでも通院することに対するストレスを減らすことができれば、治療に対するモチベーションの維持もしやすいと思いました。 著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2019年04月09日陽性判定が出て、妊娠が判明。悪阻も始まり、正式に不妊治療クリニックを卒業する日を迎えました。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。初めて見る赤ちゃんの心拍4回目の移植で陽性判定をもらい、3日後再受診しました。HCG(※)=394。※=ヒト絨毛性ゴナドトロピン。妊娠中に産生されるホルモン。前回の78より増えているので、とりあえず安心とのことです。ネットでいろいろ検索していたので、この数値だと双子ちゃんではないだろうなぁと分かりました。2個移植したのだから、両方とも育ってほしかったのが本音でしたが。さらに1週間後、超音波で胎嚢の確認をしました。胎嚢はしっかりと映っていました。胎嚢の中にペコペコ動くものあり。 心拍でした。 初めて見る心拍に「ほ~、これが…」と感心します。 少し前から悪阻も始まっていました。 ずっと船酔いのような感じです。 匂いにも敏感になりました。ネギ、玉ねぎなどの匂いがダメでした。 あと、口臭が…。オット&愛犬の口臭に毎回「ウッ」。 隣で寝ていると、寝息がこちらまで漂ってきて「ウッ」。 オットは悲しそうでした。心拍を確認してから1週間後、8週目の診察へ。 頭と体の区別がついていました。 体の丸いポチポチは手足だと説明されました。 芋虫みたいだったのに、人間らしくなってきたね。 身長1.65cm。 軽くなったと思った悪阻はなかなか完全にはなくならず、たまに横になることもありました。 出産予定日が決定。そして初めての母子手帳数日後、出血があり、心配になって受診するも、子宮内に血の塊が残っているのが原因とのことで、赤ちゃんもしっかり見えているし、大丈夫と言われ安心しました。前回とそんなに変わっていませんでしたが、今回は見ているときに動きました(!)。首をカクカクっと左右に振っていました。ベテランお笑い芸人さんのモノマネのような感じ(笑)。おいおい、動くとちょっとかわいいじゃないか。9週の診察。身長2.62cm。順調とのことで、今日は背骨が見えました。 内診後、ドクターが「7月12日だね」と言いました。 とうとう出産予定日が決まりました。「今週中に生む病院を決めて、来週予定している10週の診察後、転院しましょう」と提案されました。 「転院までに母子手帳をもらっておいてください」とも言われました。 …スゴイ。 ここまで来ました。 自分が母子手帳を持つなんて。 オットに母子手帳をもらえると伝えると「そっか~、そうなのか~」と感慨深げです。 自分たちの生活に縁のなかった事が次々とやってきます。 浮かれるというより、なんということだ…という気持ちでいっぱいです。 10週目の診察。これをクリアすると、不妊治療クリニックは卒業です。ドキドキしながら内診へ向かいます。赤ちゃんは、手をバタバタさせながら元気に動いていました。指を確認しました。マンガみたいな短い指。「今日でおしまいです、お疲れさまでした」とドクター。最後にしてはあっけない終わり方です。待合室でオットに報告メールを打ちます。「順調だったよ。とうとう卒業だよ。」と打とうとしたら、「とうとう」のところで急に胸がつまって涙が出そうになりました。必死に我慢しました。3年という月日が長いのか短いのか、よく分かりません。しかし、この3年間、夫婦でさまざまな感情を持ち寄って、話し合い、ぶつかり合い、理解し合ってきたことは事実です。失敗するたびに凹み、考え、立ち上がり、また挑んだことも事実。自分で自分の気持ちをこんなにも深く考えた出来事はこれまでの人生にありませんでした。私は、私をほめようと思います。まだまだ先は長いけれど、とりあえず卒業おめでとう。よく頑張ったぞ、私(…と、オット。笑)。 3年通った不妊治療クリニックを卒業しました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2019年01月09日3回目の受精卵移植失敗の後、心理カウンセリングを受けたことにより、新たな心持ちになれたこてつさん。4回目の移植に臨みました。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。4回目の受精卵移植を行いましたカウンセリングを受けた後日、4回目の移植をしました。前回のように管が子宮に入らないなどのトラブルはなく、スムーズに終わりました。今回も2個移植で、受精卵(1)はグレードBB、受精卵(2)は「収縮中」。当時、担当してくださった培養士さん曰く、胚盤胞は収縮と拡張を繰り返しながら大きくなっていくとのこと。収縮したまま移植した卵は、時間がたてば普通の卵と同じようになるかもしれないし、ならないかもしれない。すでに移植して子宮の中なので見ることはできない、などの説明を受けました。そっか~…。残りの凍結卵は1回分です。それは今回のものよりも状態は良くないとのこと。グレードは関係ないというけれど、やっぱり気にしてしまいます。とりあえず、今回のものが着床してくれるよう、今は卵の持つ力を信じよう。その後、黄体補充の注射をして帰宅しました。4回目ともなると心穏やかに…待てるわけもなく、そわそわしながら迎えた判定日前日。夕方に出血しました。少量でしたが、見た瞬間ガーンとなって、冷静ではいられなくなりました。またか。なんで私だけ。そんな思いがグルグルと頭の中をかけめぐります。油断すると涙が出そうになりました。腹痛もありました。生理痛とにている痛み…。今までの移植でホルモン補充をやめる前にリセットすることは一度もなかったので、心の準備もできていませんでした。飲み会だったオットが帰ってきて、出血があったことを説明したら我慢できなくなって涙が出ました。そのまま翌朝になり、重い気持ちでクリニックへ。診察室に呼ばれ、ドクターから妊娠判定の結果が言い渡されました。 結果は「陽性」。え? 前日、リセットと思って泣いたはずが…。…そうか、よくよく考えたら着床出血とも考えられるんだよね。陰性続きで、まさか自分が妊娠するとは考えられずパニックになってしまい、その可能性を微塵も思い出しませんでした…(苦笑)。すっかり出血は生理だと思っていたオットも「ええっ!!」とビックリしていました(笑)。出血はこの時期よくあることだそうです。HCG(※)=78。まだ胎嚢すら見えません。次回は3日後、HCGがググっと上がっていなければなりませんが、今の時期はどうなるにしても卵の力次第。再び、妊娠しました。自分の中では、喜びもあるし、戸惑い・ためらいもあります。それは、妊娠で得るものもあるけれど、失うものもあるから。カウンセリングで教えてもらえていたので穏やかに受け止められました。どっちも自分の本当の気持ち。でも、それでいいんだよね。それが今の私。I'm OK. I'm OK.※=ヒト絨毛性ゴナドトロピン。妊娠中にのみ産生されるホルモン。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月26日3回目の受精卵移植失敗後、心理カウンセリングを受けたこてつさん。深い自己分析をすることで、治療に対する意識にも新たな発見があったようです。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。心理カウンセリングで見えてきた「自分の本音」前回のカウンセリングの続きです。姉弟間の関係で、両親から「必要とされていない感」をずっと感じていた私…。 高校での部活の話もしました。私はキャプテンでしたが、監督は厳しく、何かあると「お前にその資格はない!」とすぐにキャプテンを交代させられました。しかも私は上手いほうではなく、キャプテンなのに補欠というポジション。プレイが上手くないうえに、部員を力強く引っ張ることもできず、「監督は別の人に本当はキャプテンになってほしいんだろうな…」と、劣等感と自分が必要とされていない感を強く感じていました。実際、両親や監督がそんな風に思っていたわけではないのかもしれません。でも、私の受け取り方はそうであったことは事実。ずっと自分を必要としてくれる人、愛情に飢えていたのかもしれません。そんな中、オットに出会いました。年が一回りも離れたオットに対して、私はとても安心感を持ちました。自分に自信がないから、同年代と付き合うことはありませんでした。「若い」分、捨てられないはずという歪んだ考えがあったのです。愛情に飢えていた分、オットと出会ったことで今までの人生を『生き直して』いるのかもしれませんね、と心理士さんが言いました。だから、すごく2人の生活が幸せで、満足している。そんな中に、「赤ちゃん」という存在がやってきたら? オットはその子をとても愛するだろう。そしたら私は? 私の幸せな生活が壊れてしまう? せっかく私を必要としてくれる人が現れたのに…。…心理士さんは教えてくれました。妊娠することで喜びや希望を得る反面、失うものもある、と。それは、2人の楽しい生活だったり、経済的な余裕であったり、好きに人生を謳歌できる自由であったり。それを「喪失」と言うのだそう。「喪失」という言葉は「毎周期、妊娠できなかったときに感じる気持ち」としても以前学んでいました。でも、妊娠した場合も、喪失を感じるとは…。だから私は妊娠できたとき、激しく動揺し、怖かったのかもしれません。だから私は子どもを強く求めないのかもしれません。心理士さんから言わせれば、私が生まれて育ってきた環境を考えると、そういった思考になることは当たり前のことであるとのこと。妊娠して流産して、気付くことができたことは、かえって良かったのかもしれないと。ずっと、嫌われないように、丸く収まるように、気付かないうちに自分を犠牲にしてきたことも多かったのでは?あなたは他人にはOKを出すけど、自分自身にはOKを出さない人。他人にNOを出すことに罪悪感を感じる人なのでは? と聞かれました。本当にその通りです。だからイヤなことがあっても「でも、これがあるからいいか~」と、別の良い面でカバーしてイヤなことを放置してしまう。 イヤなことはイヤだなと感じることも必要。「○○がイヤだ~っ!」と思っていいんですよ、そこに罪悪感を感じる必要はないんですよ、と心理士さんは続けます。 良い面でイヤな面を隠すことは、見えなくなるだけで結局解決してはいないのです。争い事は嫌い。だから少しくらい自分が不満でも丸く収まるほうがいい。そうやって首尾よく生きてきたのに、不妊治療を始めたときに、頭では分かっているのに、心がついていかなかったのでしょう。初めて「なんだかイヤだな」とモヤッと思い、そこから矛盾を感じました。 「この時点で気付けたことは幸いだった。OKだった」と言われました。今後どうしていけばいいかには、まず自分をほめましょう。自分にOKを出しましょう、と。思考をプラスに変えていくことは、とても大事だと気づかされました。自分でも薄々感じていましたが、私はかなりのマイナス思考らしいです。それを隠したいので、反動でおちゃらけているのです、いつも。寝る前に、今日1日を振り返り、あんなことをした、これができた、OK! OK! よくやった自分! と、ほめることから始めてみてはと提案されました。寝る前に1日を振り返るのは私の癖です。けれども、今までは振り返って「あぁ言わなきゃよかった~」とか「あの行動はまずかったな…」など反省と後悔ばかりしていました。まったく真逆のことをしていたようです…(苦笑)。自分で自分にOKを出す。これまで30年間、マイナス思考で生きてきているから、案外難しい…。でも、過去と他人は変えられないけれど、自分は変えられるのだ…。それから「矛盾していると感じたままの治療には、旦那さんを理由にしてもいいんですよ」と言われました。「オットが欲しがっているから」と旦那さんのせいにしちゃえばいいんですよ、と。今まで私は、それは責任転嫁・罪悪だと感じていたのです。そっか、そういう理由があってもいいのか…。心にストンと落ちるものを感じました。40分の予定が結局、1時間30分くらい話しました。話しているうちにモヤッと感じていることが形になってきて、自分というものが少し理解できて、カウンセリングを受けてすごく良かったと思いました。心理士さんは、最終的に「今日は悩みはないんだけど~」と世間話に来てくれるのが理想。とおっしゃっていました。人に話すことって大事なんだなあとすごく感じました。このカウンセリングのおかげで、これまでとは少し違った心持ちで4回目の移植を受けられそうな気がしました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月12日不妊治療を始めようと思えば、女性はネットなどで不妊治療について熱心に調べると思います。旦那さんは……自分で調べないで、奥さんが言うことを「うん、うん」と聞くだけという人もいます。そういう旦那さんであっても、子どもができるのを渇望していたりするのだから、なんかおかしい。新しい命の誕生を渇望するくらいなら、みずから情報を仕入れるくらいのことはしないと!というようなことを、不妊治療をテーマとした小説『鈴虫』を書きながら思ったのだけれど、「夫が調べないとどうなるのか」というのが、これまたすごいのです。夫が不妊治療についてみずから調べないとどうなるのかといえば夫が不妊治療についてみずから調べないと(=勉強しないと)どうなるのかといえば、奥さんが婦人科医に言われたことを真に受けるようになります。正しい情報のみならず、お医者さんが「言外に匂わせた」不安も焦りもすべて真に受けるようになります。奥さんに時間があり、かつ勉強熱心であれば、セカンドオピニオン、サードオピニオンの意見も聞きに行き(いくつかのクリニックに行き)、わりとフェアな情報を得ることができて、みずからの治療に道筋をつけることができます。がしかし、セカンドオピニオンにしたいクリニックが遠かったり、行っているクリニックのドクターが「ゴッドハンド」だったりすれば、どうしても1つのクリニックでひとりの先生の言うことを素直に聞くしかなくなる、ということになりますよね。不妊治療に限らず、どのような治療であっても、現在ではセカンドオピニオンを持ちましょうと言われているので、1つのクリニックから得た情報だけで治療をするのは、言うまでもなく、みずからリスクを高めることになりますよね。お医者さんによっては「おれだけを信用しろ」と言う人もいるのかもしれないけど、でも一般論としては、セカンドオピニオンって大事じゃないかなと思います。不妊治療の倫理これはある哲学科の教授から聞いた話なのだけれど、医学部で倫理学の授業をしても、学生は全員寝ているか内職(国家試験の勉強)をしているのだそうです。それがイヤで、その先生は定年を機に医学部で教えるのを辞めたそうです(看護学部では教えている。授業を熱心に聞いてくれるから)。倫理学って、「人とはなにか?」とか「愛とは?」とか「命とは?」というようなことについて、よく考えることです。その教授が知る限り、そういうことに、お医者さんの卵たちは皆目興味がないということなのでしょう。不妊治療に関して、婦人科医は、おそらく医学的にまちがったことを言わないはずです。タイミング療法でいけそうなら、それをすすめるでしょうし、それでは無理そうなら人工授精を試みるなど、医学的に正しいことをわたしたちにすすめてくるはずです。夫婦愛の倫理でも、不妊治療をしていたらどうしても精神的に不安定になりがちです。風邪を引いただけでも人間、心が折れることがあるわけだから、ゴールが見えない不妊治療においてをや。そういうときって、どうしても「情報の正しさ」より、「その情報を納得できるかどうか」という感情の問題が出てきます。ドクターの言っていることに間違いはないと思うけれど、でも感情として納得できないとか、納得したいけど先が見えない不安があるゆえに納得しきれない(信用しきれない)とか。そういうとき、ネット情報でもいいから、みずから不妊治療について勉強している夫がいると、きっとあなたはすごく心強いはずです。これがひとつの夫婦における倫理です。お医者さんの卵が倫理学の授業で寝ていようと、でもお医者さんは医療倫理を持っていることが多いのもまた事実です(クローンをつくる技術に自主規制をかけるなど)。でもやっぱりどうして、倫理が持つ愛の側面に思いを馳せるなんていう牧歌的なことをしてこなかった人が多いのもまた事実なのではないかと思います。医者に限らず、どのような業界においても、愛について考えてきた男の人って少ないでしょう。不妊治療は、医学的に正しい情報がなくてはならないものだけれど、それと同じくらい、愛に関する正しい倫理観を夫婦で共有しないと、女性が大変です。愛に関する倫理とは、なにか情緒的な漠然としたものではなく、夫が正しい不妊治療の知識を持つことじたいです。それが不妊治療にいどむ夫婦における愛の倫理です。夫に不妊治療について勉強させる――強制的にでも奥さんがそうすることが大切なことだと思うのです。(ひとみしょう/作家)
2018年12月05日3回目の受精卵移植が失敗。回を重ねるごとに気持ちが凹む。そこで、心理士さんにカウンセリングを受けたこてつさん。そこで納得のいく分析をしてもらい…。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。心理カウンセリングを受けました3回目の受精卵移植が失敗に終わってから3日後。生理がきました。4回目の移植に向けて始動です。子宮内膜をふかふかにすべく、内服薬を飲み始めます。めそめそしている暇もない(苦笑)。でも、それくらいがちょうどいいかな…。前回の卵も「いい卵」と言われていました。その前も。その前も。子宮内膜も問題なく厚くなりました。それなのに、どうして上手くいかないのか。まだ3回しか移植していないのに、そんなことを考えるのは気が早いのでしょうか。1度は着床しているわけだし、回数をこなすしかないのかな。人工授精のときもそうだったけれど、回を重ねるごとに凹み方が激しくなります。この頃、心理士によるカウンセリングを受けました。病院と提携した先生だけど、希望がない限りクリニックには内容を伝えないとのことでした。40代くらいの女性の心理士さんでした。悩みというわけではないけれど…と自分の今の気持ちをポツポツと話しました。…なぜ自分が子どもが欲しいのか理由がないまま、すごく欲しいと思えないのに治療に通っている、それは矛盾しているのではと思う。前回、妊娠できたときにヤッタ! というよりどうしよう…という動揺の気持ちが大きかった。結局流産して、とても悲しい気持ち。欲しくないわけではない、生まれたらきっとかわいい。子どもを求める気持ちが100%ないのは、夫婦2人でも充分楽しいのに、その生活を否定するような気がするのかもしれないと思っている…。などなど、会話を挟みながら話しました。心理士の先生はそれを聞きながら、「今まで達成感を感じたことがないのでは?」と私に聞きました。たしかに、それはありました。成功したことでも何かしら後悔・反省点を見つけて、いつまでもマイナスな方にウジウジ考え続けるタイプです…自分に設定するハードルが高いのか、低いはずなのに高く見えてしまっているのか、どちらにしろ自分を過小評価してしまうところがあるようですねぇと先生。それを言われて、それなら思い当たることがあると自分の家庭環境を話しました。私は、姉・姉・私・弟の4姉弟です。両親は男児を切望していて、男の子が生まれるまで生み続けるつもりだったと冗談交じりに聞いたことがあります。加えて姉から、弟が生まれたとき母は泣いて喜んでいた、と聞きました。「あれ? じゃあ三女の私って残念な子…? ハズレだった?」 ずっとそんな気持ちを心の中に持っていました。「必要とされていない感」をすごく感じていました(だいぶ後に、そうではなかったと誤解は解けましたが)。それを聞くと先生は納得したようで、「きょうだい葛藤」という言葉を教えてくれました。生まれたポジションによって感じる私のような気持ちを、そう呼ぶのだそうです。長子は長子なりに、末子は末子なりに、間の子は間の子なりに、いろいろな葛藤があるそうです。長子は初めての子だからかわいがられる、末子はやはり一番小さいからかわいい。そんな中、中間子は、親になんとか注目されようと目立ちたがり屋だったり、変な子と言われるタイプが多いとのこと。当たっています(笑)。そして、よっぽど秀でた才能(一般的に認められる、勉強やスポーツなど)がない場合、「褒められた」と感じることが少ないそうです。カウンセリングは続きます。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年11月28日最近のアンアン世代の女性たちが抱えている悩みとは?数々のクライアントをカウンセリングしてきた、占い師・しいたけ.さんと精神科医・名越康文さんがananカウンセリングルームを開設します。「SNS上でブランディングしたり、面白いことを言わなくてはいけないという思い込みや、常に自己表現を求められる圧迫感です。自分を表現できる場所があるからこそ、1対1でわかり合うよりも、数多くの人の反応を求めてしまう。だから、この人と結婚していいのかとか、自分が行う選択に確信が持てなくなっている人も増えている気がします」(しいたけ.さん)「気にしすぎて、自己表現の中に“自己”が込められなくなってしまっているわけですよね。昔は表現をする場所は限られていたので練り上げる時間があった。でも今は常に必要とされてしまっているから、次々に出さなくちゃならない。揚げ句、その場所を離れて実生活に戻ると自分が誰かわからなくなってしまうんでしょう」(精神科医・名越康文さん)「そんな中で溜まったストレスを吐き出すのに、悪口にのっかることを自己表現にしてしまっている人もいる気がして。そこに自虐を加えて笑いに変えられればいいんですけど」(しいたけ.さん)より具体的な悩みや、自分との向き合い方をおふたりがアドバイスします![お悩み]変われない!転職やイメージチェンジに興味はあるのですが、失敗が怖くて、行動できません。N(名越さん):まず転職するにしても、本当にそれがやりたいのか、ただその職に就いた自分がかっこいいからなのかっていう確認が必要だよね。S(しいたけ.さん):そうですね。あと、そもそも論なんですけど、「彼氏できた?」って周りから言われ始めたら、それはもう彼氏ができる前兆であるように、目の前にある職場が過去のものとして見えていたら、それはもう辞める時期なんですよね。100%でやってきて、これ以上実入りがないから次に行くっていう。「変わりたい」って言ってる人は、まだ思いが100%まで届いていない気がして。転職が逃げになっちゃうと、活路ってなかなか開かれないと思うんです。N:「私は今のままでいいの」と口では言いながら、心の中では、新しい自分になりたい、という思いでいっぱいで、フラストレーションが溜まっていたり。そういう分裂した状況にあるのかもしれないね。S:僕も昔、ずっとモテたいって叫んでた時があって、それでマネージャーに「じゃあ、デパートに行こう」って言われたんですよ。ジャージーの自分を愛してもらいたいと思っていた僕が、年相応の清潔感ある高級ブランドの服を汗だくで震えながら人に見てもらって買わされて(笑)。今まで一番着たくなかった服を着る“高級デパートチャレンジ”を越える覚悟はあるのかという試練を与えられたんですよ。そこで僕の本気度が試されたわけです。自分が変わりたいという気持ちが、それまでいかに自分本位だったかということを思い知らされました。僕はこのチャレンジを経て、変われたわけですが。N:だから、「沸点まで行け!」っていうことだよね。S:でも難しいですよね。はたして、変わることが幸せなのか。N:「勇気とは何か」という話になるんだけど、夢に向かって階段を駆け上がるぞっていう時は、ただの自己愛。でも上りきって、自分くらいのセンスのやつなんて吐いて捨てるほどいるってわかった時、それでもやりたいって言えるのが勇気なんですよ。その“踊り場”を越えられるか越えられないか。S:踊り場を越えると今度は攻撃されたりもしますから、踊り場にいることも大事ですよね。別に変わらずとも、同じ場所で手堅くやるってことも必要だと思います。[お悩み]厳しすぎ!完璧を目指しすぎて、自分に厳しく他人にも厳しい性格を変えたい。S:これは年代によって誰でも経験することだと思うんですよね。僕はお酒が飲めないので、若い頃は終電間際でフラフラになってる酔っ払いが許せなかったんですよ。N:間口が狭かったんだね(笑)。S:でもやっぱり、自分に厳しい時って他人にも厳しくなりますよね。とくに能力を伸ばしていく時期は、すごく排他的で人を許せなくなって、理想の自分と、少数ながら自分が認める人しか受け入れられなくなる気がするんです。でも、そういう時期も必要かな、と。N:本当にそうですよ。S:若い時は好きなお笑い芸人は誰かで揉めたりするじゃないですか。「あんなの笑いじゃねぇ」とか。でも、それぞれの味というか良さの棲み分けがわかる頃って、尖ってた時期を越えてからなんですよね。N:こういう方はもしかしたら上手く褒めてもらいたいのかもしれない。S:だから、どっかで“B級”を取り入れてほしいんですよ。原材料がすごく安いラーメンを食べるとか。N:そういうものをたまに食べると、なんか自分に戻れるんだよね。S:「なんでこんなの食べてるんだ」って途中で我に返るくらいなんの感動もない味を食べると、やっぱり自分のことを「頑張ってるな」って思えたりするので。N:あとこういう方って、大人ってすごいと思っているんですよ。たとえ30歳の女性でも。だから大人に近づこうと頑張りすぎて、完璧しか許せなくなってしまう。それで、大人になりきれないコンプレックスを他人に投影して「あなたはなんで子供のままなの!」って。でも、本当はこの人もまだ子供なんですよね。ただ、それを非難するつもりは全然なくて、僕は「大人って意外とたいしたことないよ」ってことを教えてあげたいんです。S:本当にそうですね。N:チームで仕事をしてる時とか、完璧主義の人から見たら75点のレベルのものしかつくれてないって思うかもしれないけど、成果として75点って結構すごいし、世間的には90点くらい行ってるんですよ。みんなでやってるんだから、不備があって当たり前。どんな名作映画だって、同じシーンなのに服が変わっていたりといった不備が必ずある。だから“完璧”なんてないし、名作になるのに、実は完璧なんて必要ないんですよね。なこし・やすふみ精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。NTV系『シューイチ』ほか、さまざまなメディアでコメンテーターとしても活躍。著書多数しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら占いを学問として勉強。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)ほか。最新刊『しいたけ.の部屋ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)が12月15日に発売予定。名越先生から「体癖」について学ぶなど師弟関係にある。ツイッターでのふたりのやりとりに注目者多数※『anan』2018年11月28日号より。イラスト・100%ORANGE文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年11月25日8月に不妊治療をテーマとした『鈴虫』という中編小説を出版したら、即座に何人もの人から「実話ですか?」と聞かれました。「実話だと小説としてではなく、ノンフィクションとして売り出します」なんて、つれない返事ができるわけもなく「いや、まあ」とお茶を濁しました。 小説って、「小説的な書き方」をするから小説になるのであって、実話をもとに書いたとしても、そこにはいわゆる小説的な嘘が含まれているものです。 さて今回は、不妊治療に協力的でない彼に協力してもらうにはどうすればいいのか?について、一緒に見ていこうと思います。とにかくよく話し合うこと!これに尽きる不妊治療にかかわる肉体的な負担は、言うまでもなく女性が一身に受けることになります。「もし子どもを授かれなかったら」という不安や恐怖、それに加え、治療のために会社を早退する時の心苦しさなども、女性が一身に受けることになります。彼にできることは……まずは言うまでもなく、彼女が安心して治療を受けることができる経済的な環境を整えることです。心身の苦痛と経済的不安、それらすべてを女性が引き受けなくてはならないとなれば、女性はもう地獄ですよね。 がしかし、「頑張っても今月も妊娠しなかった」という結果を聞いて、ある旦那さんは近所のスナックに飲みに行くそうです。半分やけ酒みたいなことだろうと思いますが、「そのお金、婦人科に渡せば?」ですよね。彼に悪気はない、理解できていないだけ当たり前みたいに聞こえるかもしれないけれど、不妊治療に協力的でない彼に協力してもらうには、まずは夫婦でよく話し合うことです。これに尽きます。男はなにも悪気があってスナックに行くわけじゃあないんですよね。また、悪気があって「今日の治療も大変だったよ」と言う奥さんの話を聞き流しているわけでもないんですよね。男として、不妊治療がいかに大変かを理解・想像できないから、女性がカチンとくる(あるいは悲しくなる)言動に出るのです。そのような男に、妊娠の大変さをリアルに想像できるまで理解させようと思えば、これはもう話し合うしかないです。 女性は小6か中1の時に、女子だけ集められて妊娠の話を先生から聞かされたと思います。その時、男子が何をしていたか知ってますか?自習です。あるいは自習とは名ばかりのおしゃべり大会。それ以降、男が女性のカラダについて知る機会は……保健体育の授業で「男」の先生がちょろっと教えてくれて……あとはエロ本の世界でしょう。 つまり男って、女性のカラダのことや妊娠のことを、ほぼ何も知らないのです。だから女性が言って聞かせるしかない。不妊治療の「ゴール」を旦那さんと共有しようとはいうものの、不妊治療をしていればお金はどんどん消えていくし、婦人科に通っていれば夫婦ですれ違いの生活になりがちだしで、どうしても、「気がつけば今週は夫と10分しか会話してない」ということになりがちだったりします。夫婦で話をする時間を「強制的に」たくさんつくる――この意識を旦那さんに刷り込むことです。それしかないです。 男って、不妊治療をすれば妊娠すると、牧歌的なことを考えているところがあります。だから、治療の終わりをいつにするのかを考えたことのない人が大勢います。「治療の終わりは妊娠した時であって、それ以外の終わりって、わたしが妊娠しないとわかった時だって言いたいわけ?」というトークは「なし」です。治療の終わり、つまり妊活のゴールが漠然としているがゆえに、夫婦がすれ違うこともあるのだから。いったんすれ違ってしまった夫婦の心には、鈴虫が鳴くのみです。それはあなたにとっても旦那さんにとっても、生き地獄以外のなにものでもないのです。そうなる前に、まずは夫婦でおしゃべりをば。(ひとみしょう/作家)
2018年11月10日不妊治療が原因でカップル(夫婦)の関係が悪化し、別れることになると、泥沼のような気持ちがずっと尾を引きます。たとえば彼の精子に問題はなく、彼女のみが不妊治療を受けた場合、治療にかかわる心身の苦痛を一手に引き受けるのは言うまでもなく女性で、だから彼女には「わたしはこれだけ治療を頑張ってきた」という自負があるはずだし、同時に「でも妊娠できなかった」という申し訳なさや不甲斐ない気持ちも生まれて、もう何を言えばいいのかわからない複雑な気持ちになったりしますよね。不妊治療の終わりをいつにするのか彼だって、言葉にならない気持ちを抱えることになります。「おれがもっと治療費を稼いでいれば治療を継続することができたかもしれない」とか「あの時、彼女の心をフォローしてあげていれば、つまらないケンカばかりする関係ではなく、もっと穏やかな家庭になって離婚せずに済んだかもしれない」などと、いつまでも後悔することになります。不妊治療のリスクは、テレビなどでときどき放送されているから、おそらく多くの女性はどのようなリスクがあるのか知っていると思います。でも、テレビであまり言われないリスクもあって、それは「不妊治療の終わりをいつにするのかを明確にしておかないと、万が一、子どもを授からなかった場合に、カップルの(夫婦の)関係がぎくしゃくすることがある」ということです。メディアが報道しない&なんとも言葉にならないリスク思うんですが、これから不妊治療をしようと希望に燃えている人に「治療の終わりをいつにするのか明確にしましょう」と言うこと自体が、おそらくタブーなのかもしれない。「治療の終わりは妊娠した時であって、それ以外の終わりって、わたしが妊娠しなかった時のことを言ってるわけ?」みたいな、感情的な意見が出てくるのを恐れて、テレビはあまりそういうことを言わないのかもしれない。でも現実を見ると、妊娠できなかった時のほうがよほど問題ではないかという事象も起きていて、たとえば、治療を続けても子どもを授からなかった人の中には、発狂する人もいます。生きる意味を見出せなくなり鬱っぽくなって、メンタルクリニックに通う人もいます。そういうことを、夫婦愛&不妊治療をテーマとした中編小説『鈴虫』を書くときに、取材を通して僕は知ったのだけど、まあとにかく「不妊治療=女性の心身の負担が大きい&経済的に大変」というリスクしかない、ということではないということです。メディアが報道しない&なんとも言葉にならないリスクもそこにはちゃんと存在しているのです。国内における不妊治療の問題点日本国内における不妊治療って、その選択肢が限定的であるにもかかわらず、「治療を続けるといつかは妊娠する可能性があります」という美しくも漠然とした前提に立っているので、「いつ治療を終わりにするのか、ゴールを明確にしてから治療を始めましょう」と言われないままスタートすることがよくあります。ゴールが明確でないということは、治療がうまくいかなかったとき離婚するしかない雰囲気が生まれるというリスクもありますよ、そしてそういう雰囲気は治療で疲れたふたりの関係にかなり濃い影を落とし続けることになりますよ、とは誰も教えてくれない。夫婦の全財産を不妊治療に注ぎます――たとえばこう言う人がいるらしいのだけれど、それに対してあるお医者さんは「夫婦の貯蓄の何割かが残っているうちに治療を止めたほうがいい」と言います。夫婦の財産を何に使おうと、それはその夫婦の自由なわけだけれど、このお医者さんの発言には、不妊治療を超えた、生きることに対する哲学を感じます。子どもを授かれなかった&夫婦のお金が底を尽いた、という二重の苦しみを、治療を止めたのち夫婦で協力して乗り越えるといいや、では済まされないなにかが、そこには確実にあるからです。そしてそれは誰の人生にも言えることだからです。不妊治療が原因で彼と別れないためにやっておくべきことカップルで(夫婦で)いつ治療を止めるのかを話し合い、それを決めることは、すなわち命というものをどう捉えているのかということを話し合うことであり、ある意味では愛のもっとも厳しい側面を語り合うことです。そしてそれをやろうと思えば、夫婦ともに、より深いレベルで自分の気持ちに正直に向きあう必要があります。今のうちから彼氏や旦那さんとそういうことを意識しておくことが、万が一、治療がうまくいかなかった時、別れないで済むために求められることではないかと思います。(ひとみしょう/作家)
2018年10月14日メガネブランド ゾフ(Zoff)が8月8日より21日まで、カウンセリング接客を行うポップアップショップを伊勢丹新宿店本館4階=イーストパークに期間限定で出店する。ゾフは2001年2月に東京・下北沢に初出店した当時、スリープライスを適正価格とし、即日渡しするビジネスモデルを業界で初めて築いた。その後、首都圏の駅ビルや郊外型ショッピングモールを中心に出店してきたが、今回、伊勢丹新宿店に初めて出店する。今回の店舗は、EYE-POPPING EYEWEAR!(アイポッピング アイウェア!=驚きのメガネ体験を!)をテーマに、この時期気になる紫外線を100%カットするレンズを始め、50種類を超えるカラーレンズなど豊富な商品のラインアップを用意。さらに、店内にはスタッフが来店した方の悩みをしっかりとヒアリングできる着席ブースも用意し、ライフスタイルやお好みのファッションに合わせた「メガネが主役」となる一本を提案する。【ポップアップ情報】Zoff POP-UP SHOP(ゾフ ポップアップショップ)会期:8月8日〜21日会場:伊勢丹新宿店本館4階=イーストパーク住所:東京都新宿区新宿3-14-1時間:10:30〜20:00
2018年07月24日