江戸時代の芝居小屋を現代に復活させた『平成中村座』。今年11月より来年5月まで旗揚げの地である東京・浅草隅田公園内での上演が決定した。8月29日、都内で行われた会見には中村勘三郎と11月興行に出演が決定している片岡仁左衛門が登壇した。『平成中村座』は2000年の第1回公演以来、東京、大阪、名古屋、さらにはアメリカ・ニューヨーク、ドイツ・ベルリン、ルーマニア・シビウなどの各地で上演を重ね、好評を得てきた江戸時代の芝居見物が体験できる芝居小屋。今回は、かつてないロングラン公演での上演となる。会見では、仁左衛門が「僕の今の気持ちは、中村屋(勘三郎)が東京で久しぶりの復帰。嬉しさで胸がいっぱいです。この芝居が成功することが彼へ元気を与える事だと思いますので、どうかよろしくお願い致します」と挨拶すると、勘三郎も「お久しぶりでございます。(仁左衛門は)病院にも何回もお見舞いに来てくれるし、本当に心強かった。ロングラン公演ですが身体がついていくようにちょこっとずつやっていきたい」と今の心境を語った。また、自身も闘病の経験のある仁左衛門は「元気な人は弱い人のことがわからないけど、(病気をすると)思いやりが出てくる」と話すと、勘三郎も「本当にそう。(以前は人の)好き嫌いが激しかったけど、嫌いというのがなくなった。あの人も大変なんだなと思うようになった」と茶目っ気も交えて笑わせた。また、この日11月興行の演目も発表された。昼の部は『双蝶々曲輪日記』『お祭り』『義経千本桜』、夜の部は『猿若江戸の初櫓』『伊賀越道中双六』『弁天娘女男白浪』を上演。公演は11月1日(火)から26日(土)まで。チケットは9月20日(火)より発売。12月以降の演目は後日発表する。
2011年08月30日今年9月、東京・新橋演舞場『秀山祭九月大歌舞伎』興行で、三代目中村又五郎、四代目中村歌昇をそれぞれ襲名する歌舞伎俳優の中村歌昇と長男の中村種太郎が、中村吉右衛門、中村歌六らとともに8月22日、東京・浅草寺で「お練り」を行った。チケット情報鳴物の山車と木遣り(きやり)に先導され、雷門を盛大に出発。1万人の人で賑わう仲見世を経て、「播磨屋!」、「又播磨!」などの掛け声が飛び交う中、本堂に向かい成功を祈願した。朝から激しく降っていた雨も「お練り」が始まるとすっかり止み、天さえも味方につけているかのよう。なお、浅草寺での「お練り」は2005年1月の中村勘三郎以来6年7か月ぶり。三代目又五郎を襲名する中村歌昇は、「本日は本当にありがとうございます。お天気の悪い中、木遣りの方々、お囃子のあやめ連の方々、浅草の芸子の皆様、ありがとうございます。皆様のご声援に応えるべく、この道一層の精進をいたし、ひとかどの役者になることが、皆様へのご恩返しだと思っております」とコメント。また、四代目歌昇を襲名する中村種太郎は「このようにお練りをさせていただくことは、色々な方々のお力があってのことだと思っております。感謝の気持ちを持って、一所懸命舞台を勤めることが一番の恩返しだと思ってております」と抱負を語った。播磨屋一門の長である中村吉右衛門は「本日はお足元の悪いなか、かくも賑々しくお運びいただき誠にありがとうございます。皆様方のお力によって、舞台で力を発揮できることと思います。ぜひとも又五郎、歌昇をどうぞ宜しくお願いいたします」と締めた。公演は同劇場にて9月1日(木)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年08月23日