市川海老蔵が6月23日、都内で行われた歌舞伎座「七月大歌舞伎」第二部『夏祭浪花鑑』『雪月花三景』の取材会に出席した。『雪月花三景』では市川ぼたん、堀越勸玄と親子3人で共演することになり、「麗禾(ぼたん)とも一緒に1ヶ月の本興行ができるというのは、我が家としては初めてのことなので、うれしいですね。初物尽くしですし、私も(襲名を控え)海老蔵として舞台に立つ回数はどんどん減っていくので、一生懸命に集中して勤めていきたい」と喜びとともに抱負を語った。義太夫狂言の傑作『夏祭浪花鑑』では、海老蔵が8年ぶりに団七九郎兵衛を勤め、男伊達の義理人情と、歌舞伎ならではの様式美あふれる「殺し場」を錦絵のように繰り広げる。九郎兵衛の伜市松は、海老蔵の長男・勸玄が演じる。勸玄の様子について「襲名が延期になり、落胆もしておりましたが、この数ヶ月“やる気スイッチ”が入ってきた」と目を細め、「歌舞伎の家として当然ですが、次に渡していく作業があるので、麗禾と勸玄に対する責任も増してきている」と表情を引き締めた。続く『雪月花三景』は、成田屋ゆかりの新歌舞伎十八番のひとつで華やかな舞踊劇。貴人の悲恋を支える帝の忠臣・仲国(海老蔵)が胡蝶の精らとともに、五穀豊穣と天下泰平を祈念する旅に出かける物語で、女蝶の精を長女・ぼたん、男蝶の精を勸玄がそれぞれ勤めることになった。ぼたんが本興行で歌舞伎座公演に初出演。本興行としては、初めて親子3人での共演が実現する。ふたりによる可憐な舞踊も見せ場になっており、海老蔵は「親が言うのはヘンなんですが、舞踊に対する彼女の熱量はとても真面目。それが見ている人間に通用するところまで磨き上げている。そんな向き合う姿勢を、お客様に観ていただく機会を増やすことが、歌舞伎、舞踊、文化としても価値のあるもの」とぼたんの今後に期待のコメント。改めて、親子3人での共演について「夢のよう」と語り、「これが続けられるように、模索していきたい」と話していた。コロナ禍の影響で延期になっていた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露八代目市川新之助初舞台」の公演が、令和4(2022)年11月、12月の2ヶ月間にわたり歌舞伎座にて開催する予定だ。「海老蔵という広く知られるようになった名前をやめて、團十郎という新しい世界に入ることは、大変勇気がいる行動。私にとっても愛着がある名前ですが、團十郎という大きなお名前を襲名するのは、自分のことだけではなく、歌舞伎という伝統文化の中で生きていく部分が、より大きなものになる」と決意を新たにしていた。会見後の取材に応じた勸玄は、「堀越勸玄として、舞台をするのは7月が最後なので、皆さま観に来てください。精いっぱい頑張ろうと思います」と強い意気込み。ぼたんは「歌舞伎座に出させていただきます。蝶の精を一生懸命、躍らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします」と挨拶した。取材・文・写真=内田涼<公演情報>「七月大歌舞伎」2022年7月4日(月)~29日(金)第一部午前11時~第二部午後2時40分~第三部午後6時30分~※開場は開演の40分前を予定【休演】11日(月)、20日(水)【貸切】第三部:15日(金)、21日(木)会場:歌舞伎座
2022年06月24日歌舞伎俳優・市川海老蔵の長女・市川ぼたんが、映画『DC がんばれ!スーパーペット』(8月26日公開)で声優に初挑戦することが21日、発表された。本作は、突然スーパーパワーを手に入れた可愛いペットたちの大冒険を描く物語。急にはパワーを操れないちょっとドジなペットの犬、ブタ、カメ、リスたち。世界征服を狙うあざと可愛い子猫とモルモットたちにさらわれたご主人様を救い出すため、最強の敵に立ち向かう。日本語吹替キャストには、楠大典、高木渉、魏涼子、松岡茉優、松尾駿(チョコレートプラネット)、梶裕貴ら豪華キャストが既に発表され、個性的で愛らしいスーパーペットたちの活躍に、期待の声が寄せられている。今回、新たに市川ぼたんが日本語吹替版の声優として参加することが決定した。2019年に8歳で日本舞踊の名跡・四代目市川ぼたんを襲名し、昨年は連続ドラマ『二月の勝者―絶対合格の教室―』にも出演した市川ぼたん。声優初挑戦となる本作で演じるのは、空飛ぶ犬のクリプトや“スーパーペット”たちの前に立ちはだかる最強の敵・子猫ウィスカーズ。あざと可愛い見た目に反して、しっぽマシンガン、ひげミサイル、毛玉ボムボムなど全身が武器。スーパーパワーを手にしたペットたちに容赦ない攻撃を繰り広げ「こんばんニャ♪」「ニャめんなよ~」と可愛い猫語を披露している。今回が声優初挑戦となるが、吹き替えならではの演技に「声の出し方をあまり知らなかったので、色々頑張りました」と新たな挑戦への奮闘を明かした。一方で、「初めての体験だったので、とても楽しかったです」と話した。自身が演じたウィスカーズについては、「可愛い!」「惚れちゃう!」と無邪気に話し、ワクワクしながら向き合ったという。自宅で飼っている2匹の犬の話を振られると、「撫でると癒されるので、ずっと撫でています」「私が泣いていたら涙をなめてくれたり、ガッカリしていたら『大丈夫だよ』みたいな、感情を読んでくれるところが自慢です!」とコメント。もし、ウィスカーズのようにスーパーパワーを手に入れられたとしたら、「透明になって色々な所に行って、悪い人がいたら倒したいです(笑)」と話し、最後に映画の見所を「おっちょこちょいな“スーパーパワー”を持った動物たちの活躍を、私と同じぐらいの(年齢の)方にもたくさん観ていただきたいです」とアピールした。さらに、“人間とペット”や“仲間”との絆が感じられる日本版本予告&本ポスターも公開された。エモーショナルなBGMと共に、画面に現れる子犬のクリプト。「あなたを決して裏切らない最高の友達、それはペット」というナレーションに続いて、クリプトと赤ちゃんのスーパーマンが楽し気にじゃれ合う。が、画面は一転! 成長し、空飛ぶスーパードックとなったクリプトは、ヒーロースーツを身にまとったスーパーマンにリードを掴ませて、空を散歩する。二人は手を取り合って街の平和を守る最強のコンビになっていた。しかし、スーパーマンの前に、世界征服を企むモルモットが現れ、捕らえられてしまう。クリプトは大好きな“親友”スーパーマンを助けるため、突然スーパーパワーを手に入れた動物たちに協力を求める。カラダの大きさが変幻自在のブタさんのPB、超高速カメのマートン、電撃必殺リスのチップ、無敵バリアドッグのエース。ちょいドジな“スーパーペット”たちは仲間クリプトの大切な親友スーパーマンを救出するため、最強の敵・子猫のウィスカーズ、モルモット軍団に立ち向かう。エースに「僕は彼(スーパーマン)にとっていいペットじゃなかった」と打ち明けるクリプト。弱気になっているクリプトに、エース、PB、マートンは、それぞれ“仲間”として励ましの言葉をかける。そして、クリプトは再び“親友”を救うべく、果敢に敵に向かっていく。なお本予告でも、特報と同じくリスのチップの声優を担当する梶裕貴がナレーションを務めている。本ポスターには、魅力あふれるスーパーパワーをもったペット達に囲まれるように、クリプトと赤ちゃんのスーパーマン、そして「ぼくの親友は、ぼくが守る」という言葉が添えられている。こちらも、ペットたちが巻き起こす「笑いと絆のアドベンチャー」に期待膨らむポスターとなっている。(C)2022 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
2022年06月21日歌舞伎俳優・市川海老蔵の長女、市川ぼたんが、アニメーション映画『DCがんばれ!スーパーペット』(8月26日公開)の日本語吹替版で声優に初挑戦したことが明らかになった。子猫のウィスカーズ役を任され、劇中では「こんばんニャ♪」「ニャめんなよ~」とかわいい猫語を披露する。2019年に8歳で日本舞踊の名跡・四代目市川ぼたんを襲名し、昨年は連続ドラマ『二月の勝者―絶対合格の教室―』にも出演したぼたん。声優初挑戦となる本作で演じた子猫のウィスカーズは、空飛ぶ犬のクリプトや“スーパーペット”たちの前に立ちはだかる最強の敵。あざとかわいい見た目に反して、しっぽマシンガン、ひげミサイル、毛玉ボムボムなど、全身が武器。スーパーパワーを手にしたペットたちに容赦ない攻撃を浴びせる。ぼたんは、「声の出し方をあまり知らなかったので、いろいろ頑張りました」と奮闘しつつ、「初めての体験だったので、とても楽しかったです」と収録を振り返った。自身が演じたウィスカーズについては、「かわいい!」「ほれちゃう!」と無邪気に話し、ワクワクしながら向き合ったという。自宅で飼っている2匹の犬については、「なでるといやされるので、ずっとなでています」「私が泣いていたら涙をなめてくれたり、ガッカリしていたら『大丈夫だよ』みたいな、感情を読んでくれるところが自慢です!」。もし、ウィスカーズのようにスーパーパワーを手に入れられたとしたら、「透明になっていろいろな所に行って、悪い人がいたら倒したいです(笑)」と、勇敢に戦いを挑むヒーローになれる素質をのぞかせていた。本作について、「おっちょこちょいな“スーパーパワー”を持った動物たちの活躍を、私と同じぐらいの(年齢の)方にもたくさん観ていただきたいです」と、アピールしていた。あわせて、“人間とペット”や“仲間”との絆がうかがえる日本版本予告&本ポスターも解禁。本予告でも、特報と同じくリスのチップの声優を担当する梶裕貴がナレーションを務めている。本ポスターには、魅力あふれるスーパーパワーをもったペットたちに囲まれるように、クリプトと赤ちゃんのスーパーマン、そして「ぼくの親友は、ぼくが守る」という言葉が添えられている。ペットたちが巻き起こす「笑いと絆のアドベンチャー」に期待膨らむビジュアルとなっている。
2022年06月21日市川染五郎撮影/渡邉智裕大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、木曽義仲(青木崇高)の嫡男・義高を好演。登場回(4月3日放送)では、許嫁に反対していた北条政子(小池栄子)も“良いお顔立ち”と秒でメロメロ。いずれ義仲の仇を討つべく立ち上がることを怖れられ、非業の最期を迎えると、多くの視聴者が哀しみに暮れた。「放送されるごとに、すごく大きな反響をいただいて。自分が思わぬところに反響をいただくこともありびっくりしたり、うれしく思ったり。いちばん意外だったのは、蝉の抜け殻のシーンへの反響でした。大河ドラマに出演したことで、空間を意識する舞台と映像作品とでは、お芝居をするとき発声方法が異なることも改めて実感しました」祖父・松本白鸚からは「頼らないでね」!?「義高と信康は、若くして悲劇的な運命をたどるところが似ていると思います」木曽義高から徳川信康へ。市川染五郎が『六月大歌舞伎』の第二部『信康』にて、歌舞伎座初主演を飾っている。「年齢的にも技術的にもまだまだですので、本当にありがたいお話をいただいたなと思いました。主役であろうが脇役であろうが、舞台に対する心意気は変わりませんが、自分にお客様を集められる力があるだろうかというところに不安もありました」17歳とは思えぬ、舞台への真摯な心構えを語る。徳川家康の嫡男・信康にスポットを当てた『信康』の上演は、’96年に市川海老蔵(当時は新之助)が演じて以来、26年ぶり。織田信長から謀反を疑われる信康と、信長に抗えず葛藤する父・家康(松本白鸚)。戦国の世に翻弄されて生きた親子の愛を描く。「稽古前、祖父(松本白鸚)からは“自分のことで精いっぱいだから、あまり頼らないでね”と言われたんですけど、どこまで本気なのかちょっとわからなかったです(笑)。祖父は舞台でも映像作品でも、魂を削るような表現をしていると感じていて。自分も魂を削る表現ができるよう、信康を作っていきたいです」初日を迎える前に、物語のゆかりの地である岡崎城(愛知県)や二俣城跡(静岡県浜松市)などを訪れ、役のイメージを膨らませていったという。「信康を描いた作品では萬屋錦之介さんの映画『反逆児』(’61年)が有名で、気性が激しく、乱暴者に描かれているのですが、それだけではない。戦の能力にたけ、とても理知的であるがゆえに、信長がいずれ脅威になると感じた。徳川家のために自ら命を絶つ選択をしますが、決して憐れでみじめな人ではない。最後まで自分の強さを貫いた人だと思っています」そんな信康と自身との共通点を尋ねると、「うーん。何でしょうね?考えたことがなかったです。逆に似ていない点は、(信康は)頭がいいところかな(笑)」歌舞伎以外でも表現していきたいその妖艶さを世に知らしめた大河ドラマに加え、昨年はアニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』で主人公の声優も務めた。今後も、舞台以外でも活躍していきたい?「そうですね。代々、歌舞伎以外のことにも挑戦してきた家でもあるので、自分も歌舞伎ではないところでも表現していきたい気持ちはあります。でも、今は歌舞伎の古典作品の経験を積むことを大切にしたいと思っています」作品に関する質問については饒舌だが、好きな女性のタイプを尋ねると、「やさしい人がいいです」信康と妻・徳姫に絡め、その結婚観を尋ねると、「ちょっと想像できないですね」とシンプル回答。目指す役者像について尋ねると、「もちろん“こういう役をやりたい”という思いはありますが、それを目指すというより、いろんな役柄ができるような役者になりたい。そして若い方、僕と同世代の方にも歌舞伎を見にきてもらえるように頑張りたいと思っています」高麗屋の未来は明るい――。実はSキャラ?昭和歌謡ほか、マイケル・ジャクソンも好きだという。それを小耳に挟んだ『週刊女性』のカメラマンが果敢にムーンウォークを披露したところ、「2点ですね」と、バッサリ。ちなみに何点満点でしょうか?「5000点満点です(笑)」またの採点、よろしくお願いします!『六月大歌舞伎』【第二部】『信康』『勢獅子』午後2時15分~●チケットWeb松竹●チケットホン松竹0570-000-489
2022年06月19日市川染五郎(本人インスタグラムより)容姿端麗を指す言葉として使われる“二枚目”。もとは歌舞伎の芝居小屋に掲げられていた役者が描かれた看板の順番が語源で、一枚目は“主演”を意味する。そんな歌舞伎界に“二枚目な一枚目”が現れたようだ。「6月2日から歌舞伎座で始まった『六月大歌舞伎』の第二部『信康』の主演を市川染五郎さんが務めています。彼の祖父である松本白鸚さんとの共演も話題を呼びましたが、放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演しており、その美男子ぶりに新規のファンが増加中。その影響か、普段は歌舞伎を見ない人も舞台に足を運んだことで、チケットの売れ行きは好調のようです」(スポーツ紙記者)高校を中退、並々ならぬ努力を認められて“歌舞伎界のプリンス”と言われた尾上右近に続く新たなスターの誕生。歌舞伎評論家の中村達史氏も、今回の舞台に熱視線を送る。「染五郎さんはまだ17歳。その若さで、歌舞伎座という大舞台の主演を務めるのは、襲名公演や先代を称える追善公演など特別な興行を除けば、過去にも数例しかない大抜擢です。歌舞伎の主演は一興行を背負うのと同意。ましてや長い歴史を持つ歌舞伎の芸は、先人から長期間にわたる教えを受けて身につくものですから、人気がある大きな名跡の家系でも、主演を務めるようになるのはどんなに早くとも20代の中ごろが一般的です」10代の“一枚目”が極端に少ない背景には、歌舞伎界特有の事情もあるようだ。「歌舞伎の世界では、11歳ごろから19歳ごろまでの間を古い用語で“中供”といいます。子役を務めるには大きすぎて、大人の役を務めるには芸が浅すぎるため、この時期の役者はできる役がなく、舞台出演の機会が減ることが多いです」(中村氏)これまでのジンクスを乗り越えたかのように見える染五郎。そこには、相当の覚悟があったという。「彼は有名私立大付属の一貫校に幼稚園から通っていたのですが、高校3年生に進級する直前の今春に中退。本来であればエスカレーター式で大学まで進学できる環境でしたが、時間の多くを稽古や芸能活動に費やすため自ら退路を断ったそうです。興行主の松竹や白鸚さんが、そんな彼の並々ならぬ姿勢を認めたため、今回の主演に抜擢されたといわれています」(梨園関係者)一直線に歌舞伎道を邁進し始めた染五郎。なにが彼をそこまで突き動かすのか。「彼の夢は自身の屋号である高麗屋の芸を継承すること。特に祖父・白鸚さんの十八番『勧進帳』の弁慶を自分のものにしたいと思っています。ただ、彼の場合は人並み以上の努力が必要になるでしょう」(同・梨園関係者)というのも、彼は高麗屋の歌舞伎俳優として、普通ならぜいたくな悩みとも言うべき“弱点”を抱えている。「顔が小さいんですよ。一般的にはスタイルがよく見えるのでいいことなのでしょうけど、演技の迫力に欠けてしまい、デメリットになりかねないんです。それに高麗屋は豪快な芸を持ち味にしている家柄ですが、染五郎さんは細身。白鸚さんの芸を継承するなら、もっと貫禄をつける必要がありますね。ただ努力家の彼なら、いずれ弱点も克服できるでしょう」(同・梨園関係者)染五郎の挑戦は、まだまだ続くようだ。
2022年06月14日市川海老蔵「コロナ禍により延期となっておりましたが、このたび、十三代目市川團十郎白猿を襲名し、歌舞伎座において御披露申し上げる運びとなりました」5月31日、市川海老蔵はメディアに対して、今年11月と12月に待望の襲名披露公演を歌舞伎座で行うことを発表した。「4月に行われた囲み取材で尾上菊五郎さんが“今年、團十郎が誕生しそうだ”と漏らしましたが、そのとおりになりましたね。発表の前日にあたる5月30日には、客席を1席ずつ空けるといったこれまでの感染対策をやめて、花道横を除く全座席が販売されることも告知されました。5か月後の一大イベントに向けて盛り上げていこうという松竹の思いを感じます」(スポーツ紙記者)400年続く歌舞伎界の名門『成田屋』の大名跡である團十郎。9年ぶりの復活に色めき立つ梨園だが、不安の声も聞こえてくる。「本来であれば、團十郎襲名は『團菊祭』が行われ、成田屋とも縁が深い5月に開催するのがセオリーなのに、縁もゆかりもない11月に開催するというのは意外でした。新型コロナウイルスの状況も目まぐるしく変わっていますからね。再延期になってもおかしくありません……」(梨園関係者)片岡仁左衛門、坂東玉三郎らの“海老蔵評”どうやら松竹には、年内に行わなければならない理由があるようだ。「松竹の経営状況があまりよくないんです。コロナ禍で演劇事業が低迷して’20年・’21年と2年連続の赤字ですからね。今年度の’22年度は何とかして黒字着地させないと株主も納得しません。もし、襲名披露を来年5月に行った場合は、’23年度の決算に組み込まれてしまいますからね」(松竹関係者)慌ただしさの裏に垣間見える興行主側のやむにやまれぬ事情だが、別の懸念も浮かび上がってきている。「毎年12月は京都の南座で“顔見世興行”があるのですが、これは関西方面の歌舞伎役者にとって疎かにできない大事な興行。日程が海老蔵さんの襲名披露と重なることも想定されますが、片岡仁左衛門さんらの関西勢の役者さんたちが南座での舞台を理由に出演しないかもしれません」(前出・梨園関係者)襲名披露公演は名のある役者たちの共演も魅力のひとつ。本来であれば、海老蔵のためにスケジュールを空けるという粋な計らいが見られそうなものなのだが……。「仁左衛門さんや坂東玉三郎さんといった大御所クラスの役者さんは、そもそも海老蔵さんと共演したいとは思っていないでしょうから、出演を断る理由ができて都合がいいかもしれません」(同・梨園関係者)彼らの間に、いったい何があったのか。大名跡を継ぐ域に達していない「’10年に海老蔵さんが暴行事件に巻き込まれ、その被害者として急きょ入院したことがありました。当時、彼は京都での舞台に出演予定だったため、代役を仁左衛門さんが務めたのです。歌舞伎の品格を落とし、尻拭いまでさせられたことを今でも許していないといいます。玉三郎さんも海老蔵さんの素行の悪さにあきれていて“息子さんのほうが期待できる”と冗談めかしながら発言したこともあります」(同・梨園関係者)’20年5月に行う予定だった團十郎襲名披露公演でも、こんな一悶着が。「演者と演目が決まったのは本番の3か月前でしたが、これは、大御所たちが出演を渋るというボイコットのようなことが起きて、彼らを説得するのに時間がかかったためなんです」(同・梨園関係者)これまで“自由すぎる”振る舞いで数々のスキャンダルを起こしてきた海老蔵。今年に入ってからも義姉・小林麻耶からの暴露攻撃や女性との多重交際報道など、ネガティブな話題が絶えないため、周囲から敬遠されているのだろうか。「素行もそうですが、なにより海老蔵さんは古典歌舞伎に対する意識が低く、大名跡を継ぐ域に達していないと思われているんですよ。そのため、大御所たちは“時期尚早”と彼の襲名にあまり協力的でないんです」(同・梨園関係者)歌舞伎評論家の中村達史氏も海老蔵の技量不足に苦言を呈する。「歌舞伎の演技には脈々と受け継がれる文法や型があり、そういったものを身につけなければいい古典は上演できません。しかし、海老蔵さんはそういった点を疎かにしていたため、彼と同世代の松本幸四郎さんや尾上菊之助さんと比較すると、古典に対する理解が少々下がるのは否定できません」海老蔵は5月に、お家芸である古典歌舞伎『暫』を演じているが……。「あれは豪快な演技が求められ“荒事”といわれるジャンルです。型を正確になぞることよりも多少粗削りでも勢いや力強さが魅力となる“フリースタイル”のようなものです。それは海老蔵さんの大きな武器として磨きつつ、團十郎として自由な演技だけでなく伝統的な芸も身につける必要があると思います」(中村氏)暗雲が漂い出した海老蔵の晴れ舞台。挽回のチャンスはあるのだろうか。「襲名直前の舞台はこれまでの総決算であり、襲名後の活動に向けての意思表示のような意味合いを持ちます。『七月大歌舞伎』もですが、“海老蔵”として活動する間の舞台でうまく演じきれれば、先輩たちの心証も変わるかもしれません」(梨園関係者)一大イベントが“人気役者不在”の寂しい事態に陥ることだけは避けてほしい。中村達史歌舞伎評論家。歌舞伎学会に所属。歌舞伎やその他のジャンル含め、年間に50〜80公演ほどを観劇。主な著作に『若手歌舞伎』(新読書社)
2022年06月08日歌舞伎俳優の市川海老蔵が7日に自身のアメブロを更新。水だけの生活をした際の驚いた出来事についてつづった。この日、海老蔵は「サッカーの後気絶するように寝ました、笑笑」と明かし「水生活寝つきが更に良くビビります」と報告。「こんなにも瞬時に寝てしまうのかと、思うほどに即寝、後二日行けるのか?!わからない」とコメントし「今日も多くの方々が幸せで愛を感じ楽しめる最高の一日でありますように」とつづった。その後に更新したブログでは「目覚めに体重計に、こんなものかな」と現在の体重を体重計の写真とともに明かし「上手く行けば明日の朝には78キロ台になるのかな」とコメント。「とりあえず起きよう」とつづり、ブログを締めくくった。
2022年06月07日歌舞伎俳優の市川右團次が5月31日に自身のアメブロを更新。「十三代目市川團十郎」を襲名する歌舞伎俳優の市川海老蔵らを祝福した。この日、右團次は「今日はおめでたい発表があった」と述べ「團十郎白猿御襲名…新之助初舞台が…決定しました」と新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため延期していた『十三代目市川團十郎白猿襲名披露八代目市川新之助初舞台』が今年11月と12月の2か月間にわたり、東京・歌舞伎座で開催されることについて言及した。続けて「本当におめでとう御座います」と海老蔵や「八代目市川新之助」を襲名しての初舞台となる海老蔵の息子・勸玄(かんげん)くんを祝福し「さっきまで曇っていたのに…お二人を祝福するかの…この斜陽…」と景色の写真を公開。最後に「陽は沈み…そして新たな陽が昇る…!!」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「ようやくですね」「おめでたい話題ですね」「とても楽しみです」などのコメントが寄せられている。
2022年06月01日六月大歌舞伎第二部の『信康』で、タイトルロールの徳川信康を勤める市川染五郎。その取材会が都内で開かれた。若き武将徳川信康と、父・徳川家康との心の葛藤を描いたこの作品が、歌舞伎座で前回上演されたのは26年前。その際には市川海老蔵(当時・新之助)が信康を、徳川家康を十二世市川團十郎が勤めた。今回は家康を祖父の松本白鸚が勤める。「『信康』は歌舞伎座でこれまで2度上演されています。また(信康が登場する)『築山殿始末』という演目もありますし、映画にもなっていますが(1961年公開『反逆児』)、今回はこれまでとは違う新しい信康を作ろうと演出の齋藤雅文さんと話しています。齋藤さんからは信康がどういう人物だったのかお話しいただき、一対一で稽古もしました」宣伝用ポスターでは、葵をあしらった清々しい青の着付に袴、青色の足袋という拵えに、鉄砲を肩に担いだ姿で撮影。「信康の若々しさが出ていてすごくいい衣裳だなと思いました。稽古に入る前に役の姿になれたのは(役を)作っていく上で大きかったですし、信康に近づけた感じがします。撮影にあたり、父(幸四郎)と齋藤さんとで『鉄砲を持ってみたら』と。知的で常に冷静なのに、どこか危険なところを感じさせるアイテムとして、鉄砲を持ってみました。前回の『信康』では(鉄砲は)出てこなかったのですが、今回は鉄砲を手にするシーンがあります」『信康』(令和4年6月歌舞伎座)徳川信康=市川染五郎撮影:永石勝実際にこの作品の中で信康の存在は、織田信長から危険視されることになる。「過去の作品から信康=乱暴者というイメージがありますが、今回は、戦の能力が高く理知的で、だから信長には脅威となった。そんな人物として描かれます。信康はすべてを受け入れ、徳川のために自ら命を絶つことになりますが、決して哀れでみじめな死ではない、最後まで自分の強さを貫いた人として演じるつもりです」信康の人生に共感する部分もあると染五郎は語る。「信康は父を尊敬はしているのですが、でも織田家に従っているやり方にはどこか不満を感じています。こういうことは現実にもあると思います。周りの大人たちのやりかたに不満を覚えたり、なぜこんなことがわからないんだろうと疑問を感じたり。そこに僕は共感しますしお客様にも共感していただけるのではないでしょうか。僕と似ていない点は(信康は)頭がいいところかなあ(笑)」大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、非業の死を遂げる木曽義仲の嫡男・義高を涼やかに演じ話題となった。「時代も違うし別人なので、そこは割りきって勤めたいと思っています。ただ歌舞伎の舞台でも『勧進帳』の義経や『二条城の清正』の豊臣秀頼など、悲劇の若者を演じてきたこともあり、そういった役の気持ちや自分に身に着いている感覚を、今回出せたらいいなあと思います」「魂を削るような表現」お客様に感じてもらえるように信康ゆかりの地、愛知県の岡崎城や静岡県の二俣城跡を訪れ、若宮八幡宮では信康の首塚にも手を合わせた(参照: 「歌舞伎座初主演の市川染五郎、愛知・岡崎城ほか作品ゆかりの地を訪ねる」() )。「実際にその地へ行って、その場で感じたことを大事にしたいです。信康が当時いたであろう空間、それをお客様に想像していただけるように表現したいですね」同行した齋藤からは、「台詞の言い方、間、トーン、大きさなど、その場面の空間を意識しながら、空間を味方につけろと言われています。実際の舞台の大きさよりも、もっと大きな空間をお客様に想像していただけるよう、その表現のしかたについても細かく教わっています」と語る。徳川家康を勤める白鸚については、「祖父からは、今回自分のことで精いっぱいだからあまり頼らないでね、とは言われています」と語り会場を沸かせた。その白鸚からはこの取材会にあたり、「初お目見得で手を引いて舞台に出てから15年。夢のようです。信康はむつかしい役で勉強になると思います。一日一日魂を込めて勤めてほしく思います」とのメッセージが届いた。「祖父は歌舞伎でも他の舞台や映像でも、常に魂を削るような表現をしていて、そういう祖父を尊敬しています。その祖父と同じ舞台に立てるのがありがたいです。自分も祖父のように命を削るような表現をしたい。お客様にもそのように感じていただきたいです」としっかりと意気込みを語った。何しろ弱冠17歳。十代で、それも歌舞伎座で出し物(主演)をした前例は多くはない。「お客様がいらしてくださるかどうか、不安とプレッシャーが大きいですが、主役であろうが脇であろうが舞台に対する心意気に変わりはありません。全力で勤めたいと思います」と頼もしい言葉で応じた。「六月大歌舞伎」は東京・歌舞伎座で27日まで。取材・文=五十川晶子★歌舞伎座『信康』特別ポスター&告知動画到着!!(6/1追加)歌舞伎座「六月大歌舞伎」『信康』特別ポスター歌舞伎座「六月大歌舞伎」『信康』告知映像
2022年05月31日歌舞伎俳優の市川海老蔵が30日に自身のアメブロを更新。歯科医院で重症であることが発覚したことを明かした。この日、海老蔵は「舞台中行けなかったので」というタイトルでブログを更新し「歯医者さんきました!!」と報告。「なんもないといいなーと、思う、歯医者さんあるある中です」と心境を明かした。続けて更新したブログでは「かけてるかなーと思ってましたがかけてました笑」と歯が欠けていたことを説明し「あるあるは不安的中」とコメント。「こういう的中はいらん」と述べつつ「しゃーない」とつづった。さらに、その後のブログでは「思いの外重症でした」と歯の状態について告白し、車内での自撮りショットを公開。最後に「6月は歯医者さんにお世話になります」と報告し、ブログを締めくくった。
2022年05月31日歌舞伎俳優の市川海老蔵が28日に自身のアメブロを更新。子どもの頃に約1500日続けていたことを明かした。この日、海老蔵は「寝てて良いのに5時過ぎに起きてもた、、おはようございます!!」(原文ママ)と切り出し「二度寝試みようとしましたが、ダメでした笑」とコメント。自身について「子供の頃私毎日ルパン三世見てまして」と明かし「毎日です。小学四年生から中1まで約1500日くらい」と説明した。続けて、モンキー・パンチ原作の『ルパン三世』について「今朝は久しぶり見ました」と報告し「山田康雄さんも好きで」とルパン三世の初代声優・山田康雄さんについても言及。「なんか朝から懐かしく楽しく過ごしてます」とつづった。この投稿に読者からは「私も大好きでした!」「すごい」「朝から楽しそうですね」などのコメントが寄せられている。
2022年05月28日爽やかな初夏の陽気に包まれた5月中旬の平日。都内にある歌舞伎の稽古場前に停車した車から現れたのは市川染五郎(17)。マスクをしていてもはっきりわかる切れ長な目と端正な顔立ちに、通りかかった人も思わず視線を向ける。落ち着いた足取りで稽古場へ向かう染五郎だが、その姿には“退路を断った”潔さがあった――。「お客さんを集められるのか不安はありますが、主役であろうが、脇役であろうが、心意気は変わらない」19日に行われた、自身が主演を務める「六月大歌舞伎」の第二部『信康』の取材会でこう意気込んだ染五郎。このところ、染五郎の快進撃が続いている。「祖父の松本白鸚さん(79)と共演するということもあり、チケットの売れ行きは上々です。10代で歌舞伎座の主演を務めるのは極めて異例のこと。当時新之助だった市川海老蔵さん(44)以来26年ぶりですから、歌舞伎界が“次のスター”として大きな期待を寄せていることがうかがえます」(演劇関係者)染五郎フィーバーは梨園の外でも!「出演回は5週のみながら、NHK大河『鎌倉殿の13人』での源義高役での繊細な演技は大きな話題に。5月1日放送回で悲劇的な最期を迎えると、ネットでは“義高ロス”を訴える人が続出するほどでした。脚本家の三谷幸喜さんも染五郎さんを高く評価しており、出演オファーを検討しているテレビ局や映画会社も多数あるそうです」(テレビ局関係者)着実にスターへの階段を上る染五郎。しかし、その裏ではプライベートで“悲壮な決断”をしていたという。ある歌舞伎関係者が明かす。「染五郎さんは幼稚園から都内の有名私立大付属の一貫校に通っていたのですが、高校3年生への進級を前に中退したそうです」■「勉強がなければもっとのびのび生きられるのに」決断の背景にはブレイクの代償があったようだ。「昨年公開のアニメ映画で声優に初挑戦し、モデル業もこなすなど、ここ数年で異業種の仕事が激増。『鎌倉殿』も高校に通いながら撮影に臨んでいました。そんな生活が続き、進級するための出席日数と成績に届かなくなり、留年が濃厚になったことで中退を決意したと聞いています」(前出・歌舞伎関係者)あと1年で大学進学というところで長年通った一貫校を中退した染五郎。そこには彼の“弱点”が影響しているようで……。「中学生になったころから、学業と芸事の両立に苦労していたようです。歌舞伎の演目について文献をあたって調べることは好きなようなのですが、インタビューで“好きな教科はない。全部嫌い”と断言するほど、学校の勉強が苦手。『信康』の取材会でも平然と『(信康が)僕と違うのは、頭がいいところですね(笑)』と話していました」(前出・演劇関係者)筋金入りの勉強嫌いぶりを公言し続けてきた。《歌舞伎のセリフを頭に入れるより、英単語を覚えるほうがずっと大変(笑)。テストの前は、お稽古の合間の時間を使って勉強しています》(『婦人公論』’18年1月23日号)《勉強が世界になければもっとのびのび生きられるのにって思います》(『MORE』’18年12月号)そんな染五郎に複雑な思いを抱いている“同志”がいるという。香川照之(56)の長男・市川團子(18)だ。「幼いころから同じ一貫校に通っていたこともあって染五郎さんと團子さんはプライベートでも大の仲よし。團子さんは1学年上ですが、来年からまた同じ大学に通えることを楽しみにしていただけに、寂しい思いもあるといいます」(前出・歌舞伎関係者)■「お芝居をすることがいちばん楽しい」親友とのキャンパスライフを蹴ってまで中退を決意した染五郎だが、その原動力には、未来の歌舞伎界を背負って立つ覚悟があると、別の歌舞伎関係者は指摘する。「染五郎さんは松本金太郎として4歳で初めて舞台に立ったときから、歌舞伎に魅了されています。幼少期からインタビューでも“お芝居をすることがいちばん楽しい”と言い続けるほど。勉強は苦手ながら高校はきちんと卒業したいという思いもあったそうですが、歌舞伎役者として成長していくなかで、いちばん大切な時期でもあります。そこで、“芸事がおろそかになるくらいなら”と中退を決断したのでしょう。父親の松本幸四郎さん(49)も染五郎さんの覚悟を聞いて、中退を承諾したといいます。6月の『信康』に向けて日々稽古をつけているそうです」(前出・歌舞伎関係者)“芸事専念の誓い”には各方面で活躍する先輩たちからの影響もあるようで――。「同じ学校の先輩でもある中村芝翫さん(56)は歌舞伎に専念するため高校には進学していませんし、海老蔵さんも芸能活動が忙しくなったことで、高校1年生のときに堀越学園へ転校しています。今の歌舞伎界に大きな影響を与える2人がそうした決断をしたことも、染五郎さんの背中を押したのではないでしょうか」(前出・演劇関係者)最近、染五郎はこう語っている。《いま、大人でも子どもでもありません。でもこの時期にしかできないこと、出せないことがある。それを大切にしたいんです》(『スポーツ報知』5月8日付)高校を中退し、歌舞伎役者として生きていく覚悟を決めた染五郎。大人になった染五郎が切り開いていく歌舞伎界の未来が楽しみだ。
2022年05月24日市川海老蔵《次に暫を勤めるのはおそらく当分先に見てほしいです》5月9日、自身のSNSでこのように投稿したのは市川海老蔵。現在、歌舞伎座で行われている『團菊祭五月大歌舞伎』で出演している演目『暫』への思いを明かしたが、もはや鑑賞は困難になりつつある。「海老蔵さんが出演している第二部のチケットが飛ぶように売れていて、連日満員御礼。最終日までほとんど空席がありません。彼は女性との密会、祈祷師との交流、そして義理の姉・小林麻耶さんによる告発など、公演前はスキャンダルが立て続けに飛び出しましたが、影響はなかったようですね」(松竹関係者)日々、エスカレートしていった麻耶の暴露攻撃も、現在は落ち着いている。「連日、複数回にわたって海老蔵さんに対する怒りをブログに投稿していましたが、4月いっぱいでそのブログは閉鎖。現在は別のウェブサイトに文章を投稿していますが、“愛”とか“幸せ”に関するポエムばかり。海老蔵さんに関する言及はいっさいなくなりました」(スポーツ紙記者)悩みの種が1つ減った海老蔵。今回の舞台が成功することは、彼にとって大きな意味を持つ。「『暫』は成田屋に伝わる“歌舞伎十八番”のひとつ。團十郎襲名を控えている海老蔵さんが、見事に演じきれたことで不安視されていた“芸の継承”ができていると安堵している関係者は多いでしょうね」(梨園関係者)市川家は代々“荒事”と呼ばれる、動きの激しい演目をお家芸としている。それだけに日々の身体の鍛錬を怠らなかったようだ。「多忙な海老蔵さんですが、どんなときでもトレーニングを欠かしません。実際に彼の身体を見ると、厚みのあるすごい肉体をしているんですよ。今回演じた役の衣装は総重量が60キロを超えるといわれていますが、それを着ながらいつもどおりの動きをするのは簡単なことではありません」(海老蔵の知人)「豹になれ!」謎の筋トレにハマる團十郎襲名に対して、強い思いを持ち続けている海老蔵。しかし、どこか世間とずれているようで─。「若手の役者たちが、海老蔵さんに身体作りのアドバイスをもらう機会があったんです。そうしたら“俺はもう筋トレで鍛えられるところは全部、鍛え終えている。だから豹のように歩くことでインナーマッスルを鍛えているんだ”って話してくれたんですが……。正直、独特な感覚すぎてまったく参考になりませんでした」(歌舞伎役者のひとり)インナーマッスルとは、身体の深部にある筋肉のこと。正しい姿勢を維持したり、関節のスムーズな動きに欠かせない部分とされている。「海老蔵さんは周囲の役者たちにも“豹になれ!”とすすめているんです。はたしてどういった効果があるのか、そもそもなんで豹なのかは誰にもわかりません……」(同・歌舞伎役者のひとり)歌舞伎座への復帰を見せつけた海老蔵だが、彼に対する周囲の不安はまだまだ尽きなそうだ。
2022年05月20日2022年6月2日(土)開幕の「六月大歌舞伎」第二部『信康』にて、歌舞伎座で初めて主演を勤める市川染五郎が、演出の齋藤雅文と共に徳川信康ゆかりの地を訪問。その様子が公開された。近年は歌舞伎以外にも、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で薄幸の美青年・源義高役で注目を浴び、劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』で主人公の声優に挑戦、シュウウエムラのアンバサダーに起用されるなど活躍の幅を広げている染五郎が勤めるのは、「六月大歌舞伎」第二部で上演される『信康』の主人公・徳川信康。21歳という若さで命を落とした徳川家康の嫡男・徳川信康を、父・家康との心の葛藤に焦点を絞って描き、昭和49年に第三回大谷竹次郎賞(その年の優れた新作歌舞伎に贈られる賞)を受賞。天下統一目前の織田信長に抗うことができず苦悩する家康や、哀れさを漂わせつつも家のために潔く生きる信康の姿など、時代に翻弄された親と子の運命がドラマティックに描き出される感動作だ。今回、信康の父であり後に江戸幕府を開く徳川家康を松本白鸚を勤め、祖父と孫の共演にも注目が集まる。岡崎城にて。左は演出の齋藤雅文上演を翌月に控えた5月13日、ふたりが最初に訪れたのが、信康が城主をつとめたこともある岡崎城(愛知県岡崎市)。「三河武士のやかた家康館」で学芸員の説明に耳を傾け、展示されている資料を見つめる染五郎。劇作家の齋藤雅文は、かつて同じ信康を描いた『反逆児』の舞台化を手掛けたこともあり、岡崎城にもつい先月訪れたそう。『信康』の舞台でも、序幕は「岡崎城本丸書院の場」から始まることもあり、徳川家の居城として栄華を誇った土地に立ち、染五郎は初めて訪れた岡崎城で多くのことを吸収した様子。市内にある若宮八幡宮の首塚にも立ち寄り、手を合わせた。若宮八幡宮にて織田信長に謀反の疑いをかけられたことにより、父・家康から岡崎城を離れることを命じられた信康は、岡崎から遠く離れた遠州二俣城へと移される。『信康』では、岡崎城の場面に続き、「二俣城外の丘の場」「二俣城本丸広間の場」へと場所が移る。実際の信康がたどった足跡と同じく、岡崎城を訪ねたふたりは、続いて静岡県浜松市の二俣城跡へと場所を移した。二俣城はかつて信康が最期のときを過ごした場所だ。二俣城跡にてここで自害した信康の墓は、すぐ近くの清龍寺にある。息子の信康を供養するために家康が建立した寺であり、「清瀧寺」の名も家康がつけたとされる。その清龍寺が今回の「悲運の武将・徳川信康の足跡をたどる旅」の終着点。二俣城跡にて信康の墓は雨風を防げるように廟の中にあり、住職の案内で門が開かれると、墓前で染五郎と齋藤雅文が手を合わせる。雨のため、本堂にて行われた法要でも神妙な面持ちで手を合わせる染五郎。訪問を終えた染五郎は「来なければ分からないことがたくさんありますし、自分が想像していなかった角度からも信康のことを知ることができ、多くの収穫がありました」とコメントを寄せた。ゆかりの地で多くを吸収した染五郎が来月の舞台でどのような姿を見せるのか期待が高まる。新しい『信康』を作っていきたい【市川染五郎コメント 】今回、自分が演じる役のゆかりの地を訪れることができ、大変嬉しかったです。来なければ分からないことがたくさんありますし、自分が想像していなかった角度からも信康のことを知ることができ、多くの収穫がありました。信康が自害した二俣城跡は、事前にネットでも調べていましたが、今日実際に訪れてみて、何もないからこそ、「ここでこういうことがあったのだな」と想像することができ、より信康のことを知ることができました。ゆかりの地を訪れ、現代に生きる私たちには想像もつかないような覚悟を持って生きなければならなかった時代の信康の悲劇的な運命、強さを肌で感じることができました。今回は、齋藤さんに脚本・演出に入っていただき、新しい『信康』を作っていきたいと思っていますので、是非劇場にお運びいただければと思います!【齋藤雅文(演出)コメント 】この地に立ってみて、信康の切なさや、家康は本当に信康を愛していたのだなということを実感できた気がします。切ないけれど男らしい、いい物語になるような、大きなヒントをもらった気がします。そして、染五郎さんは信康という役にとても合っている方だということを、この地に来てさらに感じました。信康は激しいキャラクターですが、とても切なく、青春を生き抜いた男、いいドラマになると確信しました。期待してください!「六月大歌舞伎」は東京・歌舞伎座にて6月2日(木)から27日(月)まで。チケット発売中。
2022年05月14日歌舞伎俳優の市川海老蔵が11日に自身のアメブロを更新。自身の裸を見て驚いた理由を明かした。この日、海老蔵は「今日は移動」と切り出し「1日休んだからか肌ツヤ良い感じです!」と説明。入浴中の自撮りショットを公開した。その後に「自分のご飯」というタイトルでブログを更新し「肉焼きます」と報告。「体重増加はキープしてます」と明かし「ジムの風呂場で裸見て少し驚きました、脂肪が少なくやはり筋肉がついてるのを実感」と身体の変化についてつづった。最後に「良い方向かなとは思ってます」とコメント。「肉焼くのも工夫必要ですよね」とフライパンで肉を焼く様子を写真で公開し、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「体重コントロールできるってすごい」「努力あってですね」「日に日に進化されているのですね」などのコメントが寄せられている。
2022年05月13日歌舞伎俳優の市川海老蔵が11日に自身のアメブロを更新。朝から謎だった子ども達の行動を明かした。この日、海老蔵は「プロテイントーストお気に入り」と述べ「食べよう」と朝食の様子を公開。「私は淹れたのをいただきます」とコーヒーの写真とともにコメントした。その後、更新したブログでは「自分達を鑑賞してますね笑」とノートパソコンに映る自身と子ども達の様子を公開。「え?なんで?笑」「自分達の食べてるところ見て喜んでます」と子ども達の様子を明かし「朝から面白い」とつづった。
2022年05月12日歌舞伎俳優の市川海老蔵が9日に自身のアメブロを更新。家族でブームになっていることを告白した。この日、海老蔵は「宿題終わりまして」というタイトルでブログを更新し「トランプしよか」とコメント。トランプをする子ども達の姿を公開し「最近我が家でゲームブームきてます!!」と明かした。その後、更新したブログでは「寝るまで大変、笑笑」とコメント。息子・勸玄(かんげん)くんの頭を撫でる写真とともに「おやすみ」と呼びかけた。また「私はこれから教わった事をやってみる」と述べ、自身で淹れたコーヒーの写真を公開。コーヒーの淹れ方について「一応プロの方に教わりいれました」と明かし、最後に「楽しみ」とつづった。この投稿に読者からは「幸せな時間ですね」「家族団欒良いですね」「毎日楽しそうですね!」などのコメントが寄せられている。
2022年05月10日歌舞伎俳優の市川海老蔵が25日に自身のアメブロを更新。子ども達と楽しんだことを明かした。この日、海老蔵は「スコットランドヤードの日本版です!!」とボードゲームの写真とともに説明し「東京タワーあるの嬉しいなー」とコメント。「子供の頃よく父とやったなー」と懐かしむ様子でつづった。また、その後に更新したブログでは「考えるゲーム良いです」と述べ、真剣な表情でボードゲームを見つめる息子・勸玄(かんげん)くんの姿を公開。「二人ともしっかり推理、考えゲームしてまして」とゲーム中の子ども達の様子を明かし「嬉しいかも」と心境をつづった。最後に、ゲームの結果について「最後の最後は私捕まりました」と明かし「負けたー」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「楽しい時間」「頭を使いましたね」「奥が深いですね」などのコメントが多数寄せられている。
2022年04月26日歌舞伎俳優の市川海老蔵が7日に自身のアメブロを更新。息子・勸玄(かんげん)くんのことで頭を抱えていることを明かした。この日、海老蔵は「寝るじかん」というタイトルでブログを更新し「今夜はコマです」とコマで遊ぶ勸玄くんの姿を公開。コマについては「前に自分で作ったコマですね」と説明した。続けて「この時間になると少し元気になるタイプ」と勸玄くんが就寝前に元気になることを明かし「どうしたものかなーと頭抱えてます」と悩ましい様子でコメント。最後に「寝て」と呼びかけ、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「あるあるですね」「だんだん体力ついてきますね」「手作りのコマに夢中なのですね」などのコメントが多数寄せられている。
2022年04月08日市川海老蔵「女遊びを週刊誌に撮られた際に、カムフラージュとしてブログを書いた」市川海老蔵の義姉である小林麻耶が突然、爆弾発言を連発。これまで“味方”だったはずの海老蔵を一方的に批判し始めたのだ。歌舞伎界に“海老蔵批判”はない「3月21日に、小林麻耶さんがYouTubeで海老蔵さんへの長年の不満を語りました。妹の麻央さんが入院している病室で競馬新聞を読んでいた、9000万円を貸したのに返ってこない、などという衝撃的な告白です。麻耶さんは、夫の國光吟さんとともに連日のブログで海老蔵さんを口撃。畳みかけるように、24日には『女性セブン』が“SNSナンパ”を報じました。インスタグラムやティックトックを使って複数の女性を誘い、逢瀬を重ねていたというのです」(スポーツ紙記者)妻を亡くしても懸命に2人の子どもを育てるイクメンパパとして好感度が高かったのに、一転“無法男”のイメージがついてしまった。「今のところ、海老蔵さんは沈黙を貫いています。麻耶さんの発言や記事について反応することはなく、日課のブログで子どもたちの様子を伝えています。平常運転で、まったくいつもどおりですね」(同・スポーツ紙記者)よほどメンタルが強いのかと思ってしまうが、そういうことではないらしい。歌舞伎界では海老蔵を批判する声が上がっていないのだ。「最近だと中村芝翫さんにも不倫報道がありましたし、歌舞伎役者の女性関係が派手なのは事実。人を魅了する“色気”が求められますから、遊びは“芸の肥やし”としてむしろ推奨されるぐらいなんですよ。海老蔵さんはいろいろとやらかしていますが、役者としては魅力も実力も超一流。夜遊びぐらいで地位が脅かされることはないでしょうね」(梨園関係者)女遊びしても“いいパパ”海老蔵が謙虚で生まじめなタイプでないことは、役者仲間にもよく知られている。「成田屋を継ぐ海老蔵さんは“王子様”扱い。気になる女性がいればスタッフに連絡先を聞きに行かせたりする環境で育っています。最近はブログで子どもを積極的に出して“いいパパ”アピールをしていますが、本当は気難しくてわがまま。“自分は特別なんだ”という意識が強く、思いどおりにならないのが我慢できないんです」(同・梨園関係者)『女性セブン』の記事では、「麻央がいなくなって寂しい」「愛しているって言って」と女性に漏らしたと報じられているが、このように多数の女性を求めてしまうのは、麻央さんを亡くした悲しみを引きずっているからなのだろうか。「複数女性と関係を持ちたいという願望は人間として不自然、異常だとはいえません。単に、世間に知られるリスクと衝動のバランスがとれていないんでしょうね」そう話すのは、精神科医の伊井俊貴先生だ。「麻央さんが亡くなってから女遊びに走ったのなら、愛する人を失った悲しみが原因なのかもしれません。でも、海老蔵さんはもともとさまざまな女性との関係が報じられてきた方ですからね。ブログなどで子育ての様子を見ていた人には突然女遊びを始めたように映り、子どもたちへの影響を心配する批判の声が大きくなったのでしょうが、本人は報道後も変わらず子育ての様子をブログにあげています。本人的には、“女遊びをしても、いいパパはいいパパだ”と考えているのだと思います」(伊井先生、以下同)海老蔵の言動を知り、抵抗感を抱く人は多いが、彼自身は自然体で振る舞っているだけなのだ。「罪を犯しているわけではありませんし、今回の報道に関する世間の反応を見て、女性関係を改めるのかどうか考えるのではないでしょうか。ひと昔前と違って、派手な女性関係に対する世間の目は厳しくなっていますから」「團十郎」がどうあるべきか歌舞伎界からはおとがめなしでも、ファンの感じ方は違う。報道後に歌舞伎座を訪れた女性客に話を聞くと、“もうこりごり”という気持ちが伝わってきた。「歌舞伎役者として、あまりに品がないですよね。襲名も控えているんだから、もっとやることあるでしょって。プペル歌舞伎も不評だったみたいだし、何がしたいのかわかりません」(50代女性)若いころは“やんちゃ”も大目に見てもらえたが、今の海老蔵は歌舞伎界を背負う立場になっている。「独身だし、遊び方は自由だと思いますが、やっぱりお子さんがいらっしゃるじゃないですか。歌舞伎云々の前に、自分の行いを堀越勸玄くんと市川ぼたんちゃんが知ったときにどう思うのかを考えたら、あんなことはしないんじゃないですか?」(60代女性)海老蔵を長年取材してきた芸能レポーターの川内天子さんも、失望を隠さない。「自分の欲望のままに複数の女性と遊ぶというのは相手への敬意が感じられませんよね。結婚する前にあちこちで遊んでいたことを考えれば変わっていないだけなのかもしれませんが、全然学ばない人なんだなと思ってしまいますね。よきパパぶりに好感を抱いていたファンは裏切られた気持ちではないでしょうか」しかも、海老蔵は“團十郎襲名”という歌舞伎界の大イベントを控える身だ。「“海老蔵”ならよくても、“團十郎”がどうあるべきかは考えなければなりません。自覚がないって思われてしまうのは当然です」(川内さん)海老蔵の所属事務所に、小林麻耶の暴露動画について事実関係を問い合わせたが、「ご家族間のことですので、コメントは差し控えさせていただきます」との回答だった。名門の跡継ぎとして育てられつつも、型破りで自由奔放な寵児ぶりが彼の魅力だったことは確か。しかし、ファンは品格と威厳を備えた團十郎を待ち望んでいるのだ。伊井俊貴精神科医。大学卒業後、精神科専門医・名古屋市立大学で研修。’18年にメンタルトレーニングができるアプリを開発する『メンタルコンパス株式会社』を起業し代表に川内天子芸能レポーター。20代からラジオのレポーターとして活動し、ワイドショーや情報番組で活躍。歌舞伎への造詣も深く、市川海老蔵が5歳のころから取材をしている
2022年03月28日歌舞伎俳優の市川海老蔵が14日に自身のアメブロを更新。お気に入りで抜け出せない品を紹介した。海老蔵は、2月18日のブログで「乾燥マンゴー」と述べ、ドライマンゴーを手にした写真を公開。ドライマンゴーについて「もう大好き」「大好きすぎて困ってます」とお気に入りの様子でコメントし「最高なんです」とつづっていた。この日は「とりあえずの、りんごは丸かじりです」と切り出し「そして、これ抜け出せない。乾燥マンゴー」とお気に入りの乾燥マンゴーを公開。「この酸っぱさが、、、抜けられない、、最高です」と絶賛し、ブログを締めくくった。
2022年03月15日歌舞伎俳優の市川海老蔵が11日に自身のアメブロを更新。亡き父・十二代目 市川團十郎さんとの思い出がある場所をつづった。この日、海老蔵は「懐かしい、いつものルート」と述べ、街の風景の写真を複数枚公開。「このルートは父との思い出あるからここなんです!」とコメントした。その後に更新したブログでは「ちらほら桜目に入ってくる」と切り出し「いい季節大好きな季節だけど、黄砂?でなんか喉イガイガ、、」とつづった。また、その後には「ランニングあと汗かいて」というタイトルでブログを更新。「シャワー浴びてついでに絞り出す。サウナタイム」とサウナでの自身の姿を公開し「幸せを感じます。福岡での日課再開に」と述べ、ブログを締めくくった。
2022年03月12日市川海老蔵「古典の魅力を尊重して“これが見たかったんだよ!”という期待に応えたい」2月14日、市川海老蔵は18日から始まる『六本木歌舞伎2022 ハナゾチル』への抱負をこのように語った。「六本木歌舞伎は“新しい歌舞伎”をテーマに’15年から始まった海老蔵さん主催の歌舞伎興行。伝統にとらわれない斬新な舞台作りが話題を呼んでいます」(演劇ライター)今年初めにも、キングコングの西野亮廣が手がけた絵本『えんとつ町のプペル』を歌舞伎化するなど、新作の上演に積極的な海老蔵。しかし、彼の最近の動きに苦言を呈する声も聞こえてくる。「海老蔵さんは新作ばかりに力を入れて、伝統芸を磨いていこうという姿勢が見受けられません。先代の名跡を受け継ぐ以上、より自覚を持ってほしいです」(梨園関係者)襲名披露公演は“30億円興行”手厳しい意見だが、海老蔵に求められる責任はそれほどまでに大きい。「海老蔵さんが率いる『成田屋』は現在の歌舞伎の基礎を成立させた初代・市川團十郎の名を受け継ぐ名門中の名門。その格式の高さから “宗家”と称されるほどです。本来であれば、彼はすでに團十郎の名を襲名しているはずなのに……」(同・梨園関係者)彼が息子の堀越勸玄くんと“市川團十郎・市川新之助ダブル襲名”を発表したのが、’19年1月のことだった。「予定では、’20年5月に“十三代目市川團十郎白猿襲名披露”を行うはずでしたが、’20年に入って流行した新型コロナウイルスにより開催の1か月前に延期を発表。現在に至るまで再開のめどは立っていません」(スポーツ紙記者)想定外の出来事に予定を狂わされたのは、歌舞伎興行を取り仕切る松竹も同様だ。「松竹にとって襲名披露公演は社運を賭けた一大行事。’85年に行われた十二代目の公演は日本中が注目し、松竹は大盛況。“30億円興行”と言われるほどでした」(前出・演劇ライター)当然、海老蔵の襲名披露にも力が入っていた。「襲名には昨年亡くなった中村吉右衛門さんをはじめ、名だたる大御所が、海老蔵さんを立てるため脇に回るという豪華な舞台を予定していました。興行収益は先代の30億円は優に超えたでしょう」(前出・スポーツ紙記者)松竹の姿勢に不信感これまでの慣例では、團十郎の襲名披露公演は5月に開催。共演者の手配や準備を考慮すれば、すでに今年の開催は絶望的ともいえる。「コロナによる人数制限などを受け入れれば、公演自体は今年でも開催できるでしょう。しかし松竹としては、当初見込んでいていたような莫大な興行収益を逃すのはあまりにも惜しいので、いまだ踏み切れていません。海老蔵さんは、そんなどっちつかずな松竹の姿勢に不信感を募らせているんです」(成田屋に近しい人)彼には悠長に待てない理由もある。「娘の市川ぼたんちゃんの年齢ですよ。海老蔵さんは襲名披露の場に親子3人そろうのが夢ですからね。’20年に行うはずだった襲名披露公演でも共演する予定でしたが、当時8歳だった彼女が今では10歳。まもなく“女人禁制”という慣習に触れるおそれがあります」(松竹関係者)習わしとして歌舞伎の舞台に立てるのは男性のみ。女性は思春期を迎える前までなら出演が認められているという。「’93年に、松本白鸚さんの娘である松たか子さんが『人情噺文七元結』という演目で歌舞伎座に立ちましたが、女優デビュー目前だった16歳の彼女を売り出すにあたっての1回きりの特例。それでも、白鸚さんは周囲の説得に尽力したそうです。ほかにもいくつか前例はありますが、女性が歌舞伎の舞台に立つのは難しいのです」(同・松竹関係者)歌舞伎評論家の中村達史さんは、女人禁制にまつわる歴史と実情を語ってくれた。「歌舞伎は江戸幕府が女性を舞台に立たせることを禁止したことで“男性が女性を演じるにはどうすればいいのか。相手を務める男性は、どう演じればいいのか”と模索したことから発展したといえます。女性が自由に歌舞伎の舞台に立てるようになれば、歌舞伎の表現を根本的に見直さなければならないでしょう」海老蔵が最も大切にしている“家族”歌舞伎の根底に流れている “女人禁制”という慣習。しかし海老蔵にとっては、単なるしがらみでしかないのかもしれない。「’17年に最愛の妻である小林麻央さんを亡くした海老蔵さんにとって、最も大切なのは家族。その一心で’20年4月には、これまで存在しなかった公演中の休演日を設けるなど“梨園の改革”を進めてきました。歌舞伎の舞台に女性が自由に立てるようにして、襲名以降もぼたんちゃんと共演を続けられる環境を整えたいと考えているようです」(前出・松竹関係者)松竹側も戸惑う大改革。襲名に関する思惑も相まって両者の溝は深まるばかりだ。「海老蔵さんが歌舞伎の聖地である歌舞伎座での出演が極端に少ないことが報道されましたが、ぼたんちゃんと共演するためですよ。歌舞伎座以外ならルールも比較的緩いですからね」(前出・成田屋に近しい人)実際、’18年以降の毎年1月は家族そろって新橋演舞場に出演し続けている。「ぼたんちゃんが成長するにつれ、歌舞伎座に立つことは難しくなります。海老蔵さんとしては、歌舞伎座以外での襲名披露公演も視野に入れているのかもしれません。とはいえ、松竹としては女人禁制を解いたり、歌舞伎座以外で襲名公演を行うことは会社のメンツに関わりますからね。それぞれの希望に沿うような折衷案も作りづらいので、根深い問題ですよ」(同・成田屋に近しい人)海老蔵が歌舞伎座を避ける理由や、今後の襲名披露公演について松竹に問い合わせてみると、「歌舞伎座への出演は特段の事情や他意があるものではございません。機会が整えば歌舞伎座公演にも出演していただきたいと考えております。襲名の時期などは、当事者の意向はもちろん、各方面への調整や諸情勢を踏まえ多角的に検討をしております。発表できることがあれば、然るべき時期に公表させていただく所存です」とのことだった。海老蔵の“晴れの舞台”は、どこへ向かうのか─。
2022年02月24日演歌歌手の市川由紀乃の特別公演が、2月5日(土)に大阪・新歌舞伎座で開幕する。自身2度目となる座長公演に向けて話を聞いた。市川由紀乃特別公演 チケット情報第一部『娘の夢は母の夢』は、大阪のとある商店街の定食屋を舞台に繰り広げられる人情喜劇。市川が定食屋で働きながら歌手を目指す京歌を演じるほか、吉本新喜劇の川畑泰史が定食屋の店主、吉田裕がクリーニング屋、浅香あき恵が京歌の母親役で出演する。幼少期から吉本新喜劇に親しんでいたという市川だが、デビュー後に大阪を訪れた際にテレビで流れる吉本新喜劇を観て、その魅力を再認識。今では「毎晩、必ず寝る前に観ている」ほどで、「まさか共演させていただけるとは、夢のようです。百戦錬磨の役者さんたちの中で、たくさん学ばせていただきます」と喜びを表す。本作で、娘が追いかける歌手の夢は、母の夢でもあった。演じる京歌は、市川自身にも重なる部分があるという。「私の母も昔、芸能の世界に憧れていたんですね。私がスカウトしていただいた後、いろんな大変な話を聞いて悩んでいたときに、“やると決めたらやりなさい!”と、叱咤して背中を押してくれたんです。母は自分が叶えられなかった夢を私に託してくれていたんだなと。その思いも胸に、今回また新歌舞伎座さんの舞台に立たせていただけることに感謝しています。ドタバタと二転三転しつつ、すごく心が温かくなるお芝居になると思います」。第二部『市川由紀乃オンステージ-如月に咲けよ、秘桜-』は、市川の歌の魅力を堪能できるステージ。自身のオリジナル曲はもちろん、昭和・平成のヒット曲の数々や、シャンソンの世界にも挑戦する。「せっかく新歌舞伎座さんでやらせていただくので、幅広いジャンルを歌わせていただきたいなと。シャンソンは越路吹雪さんの『愛の讃歌』に挑戦させていただきます。年齢を重ねることで表現が深まるジャンルではあると思いますが、今の自分が表現できる世界をお届けできたらと思います」。オリジナル曲では、2月2日(水)にリリースの新曲『都わすれ』や川畑とのデュエット曲『運命と呼ばせて』を関西で初披露する。「『都わすれ』は、私にとっては久しぶりの幸せな歌。悲恋ものであったり、道ならぬ恋の歌が続いていたので、作詞家の吉田旺先生からは“今回は微笑みながら歌ってほしい”と言われました(笑)。ステージには川畑さんにもご出演いただいて、お届けします。お客様に温かい心をお届けできればと思います」。公演は、2月5日(土)から14日(月)まで、大阪・新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年02月01日歌舞伎俳優の市川海老蔵と長女の市川ぼたん、長男の堀越勸玄が23日、東京・大本山 増上寺で「わたしの街の未来の桜」プロジェクトの記念植樹を行なった。47都道府県で桜の植樹・保全を行う同プロジェクトは、2019年3月に「お~いお茶」発売30周年を迎えたことを記念し、日本さくらの会と協働して始動。日本の春の象徴として古来より愛されてきた桜を“未来につなぎ、咲かせ続けたい”という願いを込めて取り組んできた。今回、CMキャラクターを務める海老蔵とぼたん、勸玄が記念植樹のイベントに登場。1,000本目となる桜を親子3人で協力しながら、真剣な眼差しで植えた。また、それぞれの名前が入った記念碑を3人で見る場面も。植樹を終えた海老蔵は「日本だけではなく、世界中でお茶を販売している伊藤園らしく、世界にも広げて欲しい活動だ」と同プロジェクトへの思いを語った。コメントは以下の通り。■市川海老蔵娘 ぼたん、息子 勸玄をお招きいただきありがとうございます。伊藤園様が植樹の活動をずっと続けており、その中で1,000本目を植えるという大役をさせていただき光栄でございます。一粒万倍日ということもございまして、1,000本目の桜でありますが、それがさらに万倍となって、一千万本の桜が植樹できるような活動になっていったら、世の中がより明るくなっていくのではないかと思います。まさか自分もよく来ている増上寺の桜に、娘のぼたん桜、息子の勸玄桜、というような名前で桜を植えられるとは夢にも思っておりませんでした。本当に幸せでございます。
2022年01月27日市川海老蔵《びっくりするのがふたりとも知らぬ間にセリフ覚えてるの。(中略)二人をダブルキャストにして良かったなと、そんな時強く感じまする》12月15日、市川海老蔵が自身のSNSを更新。自発的に歌舞伎のセリフを覚える子どもたちの成長を喜んだ。「海老蔵さんは、堀越勸玄くんと市川ぼたんちゃんの家族3人で、年明けの1月3日から新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』に出演予定。もとになった絵本『えんとつ町のプペル』はお笑い芸人の西野亮廣さんが原案。’20年12月に映画化され大ヒットし、海老蔵さんも家族で作品の大ファンであることを公言していますから、上演が待ち遠しいのでしょう」(松竹関係者)■『プペル』歌舞伎化に“麻央さんの想い” 海老蔵が“ハマった”作品が歌舞伎となって上演されるのは、今回が初めてではない。「’19年にも『スター・ウォーズ』を歌舞伎化して勸玄くんと共演。舞台挨拶では海老蔵さんが、父である十二代目市川團十郎さんと初めて映画館で見たのも『スター・ウォーズ』だったと振り返っていました」(同・松竹関係者)これらの新作歌舞伎は、単なる人気作の便乗というわけではないようだ。「『プペル』は亡き父の夢を息子が叶える話ですし『スター・ウォーズ』もシリーズを通して親子の確執や家族愛が描かれています。’13年に父を、’17年には妻の小林麻央さんを失った海老蔵さんにとって“家族”をテーマにした作品に惹かれるものがあるのでしょうね」(梨園関係者)海老蔵はここ数年、ずっと家族の在り方を模索し続けていた。「麻央さんは子どもたちとの思い出を満足につくれなかったことを悔やんでいました。『プペル』の歌舞伎化には“親子の時間を大切にしてほしい”という彼女の思いが込められているのかもしれません」(前出・松竹関係者)歌舞伎評論家の喜熨斗勝さんは、家族愛を前面に出す海老蔵のスタイルに時代の変化を感じるという。「かつての歌舞伎界は、役者が家族サービスでもしたら“情けない”と糾弾されるほど。芸に邁進してこそ一人前の役者とされていました。その点、海老蔵さんは子どもたちへの愛情を全身で表現することで、2人を役者として成長させながら、歌舞伎ファンの獲得につなげています」彼の強い愛情は、家族だけでなく、歌舞伎界全体にも向けられているようだ。「海老蔵さんは’20年から長時間労働を改善するため、興行中に2日の休日を設けることを提言し実現。周囲の人も仕事だけでなく、家庭を大切にしてほしいという考えが根底にあるんですよ」(前出・梨園関係者)プペル歌舞伎はきっと、麻央さんも空の上からしっかりと見ていてくれるに違いない。
2021年12月23日市川海老蔵 あの市川海老蔵についに女性関係の報道が出た。『「2人の女性」とホテルデート地方巡業3泊4日逢瀬旅』(NEWSポストセブン)と題された記事には、2日連続で、20代前半のA子、30歳前後のB美といった別の女性との逢瀬がスクープされている。現場となったのは岡山県・倉敷市、鳥取県・米子市である。お泊まりの瞬間だけでなくA子さんとディナーを楽しんだあとの夜散歩、B美さんとのサイクリングデートといった一挙一動が写真つきで詳報されているのだが、なかで最もネット民をザワつかせたのがA子さんに『札束を手渡す』衝撃ショットだ。晴れ渡った空の下でむき出しの現ナマというのはあまりにも異様な光景で──。■削除された“いやし”の投稿海老蔵といえばブログ活動に熱心で、1日に何度も記事を更新することで有名だ。2013年に開設されたブログには、「睡眠時間を除けば30分に一度」とも言われる怒涛のペースで、子育てや仕事の話題を中心に、日々の出来事や想いを綴っている。もちろん、このたび報じられた“地方巡業”でもリアルタイム投稿は続いていた。『ポストセブン』によれば、海老蔵はデート中、何度もスマホでブログ用の写真を撮っていたとある。離れた東京にいる勸玄くんと麗禾ちゃんとテレビ電話をする微笑ましい親子のふれあいを報告するのと並行して、隣にいたB美さんの存在は伏せつつも「サイクリングの途中で転倒し自転車のチェーンが外れた」ハプニングも載せていた。記事によればA子さんに札束を握らせたあと、こんな行動に出ていたという。《海老蔵はA子さんの部屋に入っていった。直後のことだ。海老蔵がブログを更新。《いやし》と題され、倉敷の街並みや寺院、美しい彼岸花などがアップされた。それらの写真をリアルタイムで見た人は、いまこの瞬間に、海老蔵がホテルの部屋で女性と2人きりとは思わないはずだ》しかし今、彼のブログのページを何度リロードしても《いやし》の記事を読むことができない。え……削除しているじゃない!単に倉敷の街並みや彼岸花の写真なら消すこともないはずだが、こうも生々しく書かれてしまったことに動揺を隠せなかったのか。■麻央さんの逝去から4年経っても海老蔵がブログ更新に邁進するのはなぜか。その理由について本人は、「何十年後に、私がいなくなったとしても子供たち家族が見ることが出来るわけです。私がどんな生活を送っていたか、そして、どんなことを思っていたのかを知ることが出来ます」と語っている(『BLOG of the year 2018』)いつか大きくなった子どもたちが読めるように、そんな願いが込められた海老蔵のブログにはファンの想いも重たくのしかかっていることが読んでみてわかる。それは記事ごとに設置されているコメント欄。たとえば今回の地方巡業デート中にも、散歩中に白鳥を見つけた(9月23日10:59)、との記事をアップすればファンから寄せられるのは《麻央ちゃんみたいなスワンが》《白鳥さんは品があって麻央さんのよう》といった書き込みだ。麻央さんの逝去から4年が経つが、海老蔵も折に触れて亡き妻のことをブログに書く。読者のコメントからも彼ら“家族”を応援し、優しく見守っていることがひしひしと伝わってくる。あれほど生活を逐一発信してきた海老蔵がこれまで“異性の影”を匂わせてこなかったのは、ファンに対する配慮ではないか。今後、彼が更新し続ける日々のあれこれに、「独身男性・市川海老蔵」という新たな人格が浮かび上がってきそうだ。さりげない投稿でも地方にいれば、「これは女性と一緒……?」と、穿った想像をしたくもなる。隣にいるのはA子かB美か、はたまたC香か、D帆なのか。今回の報道で、ブログに妙な色気を感じるようになったのは私だけではないはず。そうでなくちゃ、歌舞伎役者。〈皿乃まる美・コラムニスト〉
2021年10月20日市川海老蔵、西野亮廣市川海老蔵がキングコング・西野亮廣とタッグを組む。西野が手がけた絵本『えんとつ町のプペル』を『プペル~天明の護美人間~』として歌舞伎化、2022年1月に新橋演舞場で上演することが発表されたのだ。絵本は発行部数累計70万部を突破し、2020年にアニメ化されて興行収入20億円を記録。他にも関連ビジネスが展開され、今年10月22日から31日までのハロウィン期間には映画の再上映も決定。「えんとつ町を舞台に“ゴミ人間”プペルと少年・ルビッチとの友情を描く物語で、主役のプペルを海老蔵が演じ、ルビッチを長女の麗禾こと“四代目・市川ぼたん”と、長男の堀越勸玄が交互出演。まさに“家族”で臨む舞台になります」(スポーツ氏記者)歌舞伎化するにあたって、新たに脚本を練る西野は《主人公の物語と海老蔵親子が背負った物語はあまりにも重なる部分が多すぎて、脚本を書きながらうっかり涙しました》とコメントし、海老蔵もまた子どもたちの出演に《今、この瞬間の2人にしか描けない表現もあるかと思いますので、公演に向けての稽古に励んでいってほしい》と親の顔をのぞかせた。「親を亡くした設定のルビッチだけに、西野は小林麻央さんを重ねたのでしょう。そして父親として、また師匠として子どもたちを育てる海老蔵。“女人禁制”とされる歌舞伎ですが、10歳の麗禾ちゃんには子役ができるうちに多くの舞台を踏ませたいのだと思います。将来、目指すところは寺島しのぶや松たか子のような歌舞伎界出身の女優さん。実際、現代劇で女優デビューも果たします」(前出・スポーツ紙記者)10月16日にスタートする『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(日本テレビ系)に、市川ぼたんとしてドラマ初出演する麗禾。海老蔵のSNSでは顔が伏せられていた彼女だが、女優デビューで晴れて“解禁”となった。「同ドラマのプロデューサーはかつて、麻央ちゃんが芸能界入りするきっかけになった『恋のから騒ぎ』(同系)を題材にしたドラマスペシャルに携わった人物。その娘の麗禾ちゃんとも縁を感じてか、海老蔵さんと親しくするプロデューサーを通じてオファーしたと聞きます。麗禾ちゃんの“やりたい”という意思を尊重した海老蔵さんは、女優も進路の一つとしても考えているみたいですね。言い換えれば、かわいい娘の言うことを何でも聞く甘い父親とも言えますが(笑)」(テレビ局制作スタッフ)■海老蔵が感じる歌舞伎界の危機将来に備えて日本舞踊に歌舞伎、現代劇とさまざまなジャンルの舞台に送り出してあげたいといった親心だろうが、それにしても『プペル』だ。親子共演であれば本来の歌舞伎の演目でも叶えられたはずだが、アニメを題材として選んだ背景に「“市川宗家”として歌舞伎の将来に危機感を募らせている」とは、歌舞伎事情に詳しい芸能ライター。「もとより歌舞伎というのは、長らく贔屓筋と中高年者が中心の歌舞伎ファンに支えられてきた節があります。近年では外国人観光客を取り込むことに成功しましたが、コロナでそれも安泰でないことがわかった。やはり新規の若い世代を開拓してリピーターを作らなければ、それこそ勸玄くんが“海老蔵”、“團十郎”を襲名する頃には衰退しているかもしれない。そこで海老蔵や市川猿之助くんを中心とした若い世代が目をつけたのが、世界に誇る日本文化である漫画やアニメ。これまで『ワンピース』や『NARUTO』、はたまたジブリの『風の谷のナウシカ』を演目にすることで、今まで歌舞伎を見たことがない世代を呼ぶことができたのです。なかには、これを“邪道”とするベテラン勢もいると聞きますが、“伝統は守りつつ、新しいことにどんどんチャレンジする”のが海老蔵の考え。歌舞伎も時代に合わせてアップデートすべきだとは思います」そこで“白羽の矢”が立ったのが『プペル』というわけだが、背景に演出を担当する「八世・藤間勘十郎」の存在があるとも。日本舞踊の“五大流派”の一つに数えられる藤間流宗家は市川家と関わりが深く、海老蔵の姉で「三代目市川ぼたん」こと市川翠扇(すいせん)も師事し、舞踊の教えを受けている。「現家元の“八世”は、舞踊家とは別に歌舞伎の振り付けや演出、脚本まで手がけたりと、これがまあ多才。他にもフランス・オペラ座での歌舞伎公演や音楽劇『ハムレット』を演出したかと思えば、はたまた歌舞伎とボーカロイドの初音ミクをコラボさせたりと、アイデアも豊富で型にとらわれない異才ぶり。海老蔵と年が近く、信頼も厚い勘十郎くんの提案とも考えられますね。勘十郎くんは(三代目・尾上)菊之丞くんとオンラインサロンなんてのも始めているみたいだし、そこで歌舞伎化すれば面白くなりそうな作品の情報も集めているのでは?」(前出・芸能ライター)実は勘十郎らがサロンを立ち上げた2か月後、2020年9月に海老蔵もまた『オンラインカルチャースクールZEN』を立ち上げている。歌舞伎を中心とした日本の伝統芸能、伝統文化を学ぶ場と称した、実質はオンラインサロンだ。■「オンラインサロン」の共通点広告代理店営業マンは「何やらビジネスの匂いがしますね」と苦笑いする。「会員数は明らかにしていませんが、月額1万5000円の海老蔵さんのサロンにどれだけの人数が入会しているのか。ブログに始まり、ツイッターやインスタグラム、YouTubeチャンネルとネットビジネスに熱心なご様子ですから、もしかしたら“プペル”を通じて“プロ経営者”の西野さんからサロンのノウハウを教えてもらっているのかも」確かに、今なお会員数5万人を超える国内最大級のオンラインサロンを展開する西野。その手法に賛否はあれども、ネットビジネスにおいて“結果”は残している。それだけに、海老蔵と西野による“プペル歌舞伎”の実現にはこんな見方も。歌舞伎座で上演中の『十月大歌舞伎』の「1等席」が1万5000円であるのに対し、プペルは「SS席」が30000円、次の「S1席」が20000円とかなり高額に設定されているのだが……。「おそらくは歌舞伎ファンの新規開拓と同時に、西野さんやプペルのファンの来場も見込んでいるようにも見えます。映画の際にはリピーターとして、何回も映画館に足を運んだ(プペった)サロンメンバーもいるそうですし、彼らは高額なチケット代も惜しまずに見に来ることでしょう。吉本興業を退社して露出が減った西野さんにしても、こうしてプペルが話題になれば双方にウィンウィンの関係が成り立つ。これもまたビジネス、ということで」(前出・広告代理店営業マン)海老蔵と西野、案外気が合うのかもしれない。
2021年10月08日眠狂四郎の市川雷蔵、座頭市の勝新太郎、日本映画のレジェンド中のレジェンドふたりを描いた評伝『市川雷蔵と勝新太郎』がこのほど、KADOKAWAから出版された。著者は『江戸川乱歩と横溝正史』『萩尾望都と竹宮惠子』など、文芸、エンタメの歴史に新しい光を当てる執筆スタイルで人気の作家、中川右介さん。37歳の若さでこの世を去った市川雷蔵は、没後50年のいまでも毎年のように回顧上映が行われていて、若い新しいファンも誕生している。勝新太郎も、その個性的な演技と破天荒な生き方に根強い人気がある。雷蔵は関西歌舞伎の若手有望株、勝は長唄三味線奏者、というそれぞれの出自や、歌舞伎の世界と映画との関わりについても詳述されるが、この本が特別なのは、ふたりを対比して論じる俳優論ではなく、この二枚看板を中心に次々と娯楽作を連打した、今はなき大映という映画会社の興亡を時代を追って深く掘りさげているところである。ふたりの誕生は同じ1931年。映画デビューも同じ1954年。映画は右肩あがりの急成長にあり、そこから、58年には観客数(映画人口)が11億人へと頂点に達していく。当時は、東宝、松竹、東映、日活、そして大映の大手五社が独自の配給網、映画館チェーンを持ち、2週間に2本の新作を送り出していた。上映も2本立てだ。東宝はサラリーマン喜劇や若大将、東映は時代劇や任侠ものなど、各社独自のカラーがあった。大映は、この「カツライス」と呼ばれた超人気俳優ふたりの作品がまさに、屋台骨を支えていたのだ。「両雄並び立つ」という章では、その絶頂期が書かれている。1963年はふたりの主演作2本立ての正月興行で始まる。この年、勝は11本の作品に出演し、その10本が主演作。雷蔵は10本に出演、うち主演は9本だった。この本数は、この年だけではなく、ほぼ毎年、雷蔵が亡くなるまで同じペースで続いたのだ。雷蔵には眠狂四郎、若親分、忍びの者、陸軍中野学校のシリーズがあり、勝新は座頭市、悪名、兵隊やくざがあり、これら語り継がれる名作は、いま、回顧上映やDVD・配信などで、ひとつの作品として観られ、絶賛されている。が、実は量産された、いわゆるプログラム・ピクチャー2本立ての1本だったのだ。あの映画はこんなふうにして世にでたのか、という驚きの連続である。テレビの出現で1960年代には映画業界に陰りが見え始める。映画人口は3億人をきり、各社不況のなか、大映は雷蔵が没した2年後の71年に倒産する。その大映映画の権利を現在は、本書の版元であるKADOKAWAが保有している。巻頭フルカラーで24ページ、ずらりと並んだふたりの貴重な全出演作ポスター集ひとつとっても、この版元だからできたこと。丁寧に作られた映画書である。『市川雷蔵と勝新太郎』中川右介著 / KADOKAWA / 2,860円(税込)ぴあアプリ「水先案内人」中川右介さんのおすすめ映画はコチラ
2021年10月05日市川海老蔵が9月30日、都内で「市川海老蔵特別公演 アース&ヒューマン」の製作発表会見を行った。美しい自然や文化を未来の子どもたちへ引き継いでいくため、人間の暮らしの基盤となる持続可能な地球環境の実現に寄与することを目的とした本公演。「無意識であることがすごく怖いなと。意識化ですね。自然に着目し、“気持ちの種”をまいていきたい」と意気込みを語った。素踊り『三番叟』では五穀豊穣、素踊り『延年之舞』では無病息災・家内安全を祈る他、能の大鼓または小鼓と謡で演奏する演目や、環境問題スペシャルトークも実施し、さまざまな角度から伝統芸能の世界を披露する。海老蔵は「お客様に歌舞伎というエンターテインメントを楽しんでいただくのと、今回はプラスアルファ、『この人はなんでこの公演をしているんだろう』と考えてもらえれば。自然環境に対してアプローチしているんだという、そういう見方が出てくることが大事なんじゃないかと思います」と本公演の意義をアピールした。子どもたちと環境問題について話す機会も増えているといい、「今はペットボトルで水を飲むけど、パパが子どもの頃は水道で飲んだんだよ。最近は急に雨が降ったり、雷も多いけど、昔はそうじゃなかったとか。そういう話ですね。子どもたちが大人になるとき、必ずまた変化が起こるから、ちゃんとアンテナを張っていてほしい」と話していた。9都道府県に対する緊急事態宣言が全面解除される一方、コロナ禍の収束が見えない状況だが、「何もしないという方が、我々演劇人は罪深いのかなと。以前のように気軽に劇場に足を運んで、エンターテインメントを楽しむことが難しいのは重々承知ですが、感染症対策はしっかり黙々とやっていますし、ポジティブに前に進む人間がいてもいいと思う」と前向きな姿勢を示していた。【市川海老蔵コメント】美しい地球や日本の四季を守り、そして未来の子どもたちへ何が自分はできるのか、常日頃から考えておりました。長野県志賀高原での植樹活動「ABMORI(エビモリ)」で少しでも多くの方とともに地球環境問題の解決に向け取り組んでいけたらと活動して参りましたが、新型コロナウイルスにより世の中が一変してしまいました。このコロナ禍で生き抜いていくため、本公演では五穀豊穣・無病息災・家内安全を祈り、伝統芸能を通して自然環境について皆様と一緒に探求していきたい所存でございます。取材・写真・文:内田涼【公演スケジュール】演目:素踊り『三番叟』、スペシャルトーク、素踊り『延年之舞』、能楽(能楽の演目は公演毎に異なる)10月28日(木)高知・弁天座能楽一調『屋島』/能楽一調『勧進帳』11月9日(火)静岡・富士市文化会館ロゼシアター能楽連吟『安宅』/能楽一調『船弁慶』11月12日(金)福井・敦賀市民文化センター能楽一調『橋弁慶』/能楽一調『勧進帳』11月14日(日)埼玉・飯能市市民会館能楽一調『屋島』/能楽一調『勧進帳』11月17日(水)千葉・森のホール21(松戸市文化会館)能楽一調『屋島』/能楽一調『勧進帳』11月19日(金)神奈川・相模女子大学グリーンホール能楽一調『屋島』/能楽一調『勧進帳』11月23日(火・祝)東京・よみうり大手町ホール能楽連吟『高砂』/能楽仕舞『船弁慶』11月24日(水)東京・たましんRISURUホール(立川市市民会館)能楽一調『屋島』/能楽一調『勧進帳』チケット情報
2021年10月04日